【0028】
より具体的には、
ヘアケア製品としては、例えば、シャンプー、リンス、リンスインシャンプー、コンディショナー、トリートメント、ヘアパックなど;
石鹸としては、例えば、化粧石鹸、浴用石鹸、香水石鹸、透明石鹸、合成石鹸など;
身体洗浄剤としては、例えば、ボディソープ、ボディシャンプー、ハンドソープなど;
浴用剤としては、例えば、入浴剤(バスソルト、バスタブレット、バスリキッド等)、フォームバス(バブルバス等)、バスオイル(バスパフューム、バスカプセル等)、ミルクバス、バスジェリー、バスキューブなど;
洗剤としては、例えば、衣料用重質洗剤、衣料用軽質洗剤、液体洗剤、洗濯石鹸、コンパクト洗剤、粉石鹸、粉末洗剤など;
柔軟仕上げ剤としては、例えば、ソフナー、ファーニチャーケアなど;
洗浄剤としては、例えば、クレンザー、ハウスクリーナー、トイレ洗浄剤、浴室用洗浄剤、ガラスクリーナー、カビ取り剤、排水管用洗浄剤など;
台所用洗剤としては、例えば、台所用石鹸、台所用合成石鹸、食器用洗剤など;
漂白剤としては、例えば、酸化型漂白剤(塩素系漂白剤、酸素系漂白剤等)、還元型漂白剤(硫黄系漂白剤等)、光学的漂白剤など;
エアゾール剤としては、例えば、スプレータイプ、パウダースプレーなど;
消臭・芳香剤としては、例えば、固形状タイプ、ゲル状タイプ、リキッドタイプ、ミストタイプなど;
雑貨としては、例えば、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、キャンドルなど;
シェービング製品としては、例えば、シェービングフォームなど;
スキンケア製品としては、ハンドクリーム、ボディクリーム、ボディーローションなど;
が挙げられる。
【実施例】
【0033】
物性値などの測定においては、次の機器を用いた。
・NMR測定装置:AVANCEIII 500型(500MHz;ブルカーバイオスピン社製)
・ガスクロマトグラフ質量分析計:GCMS−QP2010(島津製作所社製)
-使用カラム:BC−WAX(50mx0.25mmID;ジーエルサイエンス社製)
-オーブン条件:70℃−217℃,4℃/min
・ガスクロマトグラフ飛行時間型質量分析計:JMS−T100GCV(日本電子社製)
-イオン化法:フィールドイオン化法(FI)
-使用カラム:Rxi−5ms(30mx0.25mmID;Restek社製)
-オーブン条件:50℃(1min)−230℃,4℃/min
・赤外吸収スペクトル測定装置:FT/IR−6100(日本分光社製)
-窓材:フッ化バリウム
・旋光度計:P−1020(日本分光社製)
【0034】
(実施例1)
パチュリオイルM(高砂香料工業社製)100gを2質量%水酸化ナトリウム水溶液100gにて50℃にて30分攪拌後、水層を分離してアルカリ洗浄済み油分100gを得た。アルカリ洗浄済み油分(30g)を順相中圧クロマトグラフィー(シリカゲルカラム (充填剤200g)、溶離液ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(グラジエント=99/1 → 0/100(容量比))を用いて精製を行い、式(1)で表される化合物を豊富に含む画分(3.6g)を得た。当該画分(3.6g)を少量のヘキサンを添加した後、ドライアイス及びアセトンにて約−80℃に冷却したバスを用いて深冷晶析し、結晶を取り除いた母液部(1.5g)を得た。当該母液部(1.5g)をInertsil ODS−3を分離カラムとし、溶離液として水/アセトニトリル(グラジエント条件=70/30 → 5/95(容量比))を用いた高速液体クロマトグラフィーにより精製を行い、式(1)で表される化合物(10mg、GC純度94%)を得た。単離精製した該化合物の香気は非常にクリアで強いウッディー調の香気であった。
また、得られた本発明の化合物は、(−)体が過剰に得られていた。
【0035】
<式(1)で表される化合物の物理データ>
NMRデータ
1H−NMR (500MHz, Pyridine-d5): δ 0.75-0.82 (m,1H), 0.75-0.82 (m,1H), 0.75-0.82 (m,1H), 1.06-1.15 (m, 1H), 1.08 (s, 3H), 1.17 (s, 3H), 1.21 (s, 3H), 1.34 (dddd, J =12.61, 10.96, 7.66 and 1.96 Hz, 1H), 1.63 (ddd, J =13.68, 9.05 and 2.62 Hz, 1H), 1.66 (m, 1H), 1.84 (ddd, J =13.69, 11.50 and 8.86 Hz, 1H), 1.87-1.93 (m, 1H), 2.00-2.11 (m, 2H), 2.17 (ddd, J=13.01, 9.92 and 7.65 Hz, 1H), 4.70 (s, 1H)
13C−NMR (125MHz, Pyridine-d5): δ 15.09(CH), 20.63(CH), 20.88(CH
2), 21.18(CH), 22.96(CH
3), 26.58(CH
3), 26.69(CH
2), 27.80(CH
2), 27.94(CH
3), 29.18(CH
2), 36.52(C), 39.91(CH), 41.28(C), 75.60(C-OH)
赤外吸収スペクトル(CCl
4:cm
-1):3620,2960,1460
EI−MSデータ(27eV):206 (M+; 15), 163 (100), 178 (74), 109 (71), 123 (52), 93 (46), 79 (35), 43 (30), 67 (21), 135 (20), 145 (19), 55(17),
HRFIMS:found 206.1679,calcd.for C
14H
22O
1(206.1671)
比旋光度:[α]
D20 −114.3 (c 0.83,CH
3OH)
【0036】
(実施例2、比較例1〜4)香料組成物の調製
実施例2では実施例1で単離した式(1)で表される化合物を使用し、比較例1
では対応化合物を使用せず、比較例2〜4では夫々ISO E SUPER、VERTOFIX、及び、CASHMERANを使用し、以下の表1に示す処方により香料組成物を調製した。つまり、調製された香料組成物における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.5質量%とした。
【0037】
【表1】
ISO E SUPER(登録商標):1−(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)エタノン(IFF社製)
VERTOFIX(登録商標):9−アセチル−8−セドレン(IFF社製)
CASHMERAN(登録商標):1,1,2,3,3−ペンタメチル−6,7−ジヒドロインダン−4(5H)−オン(IFF社製)
なお、表1中、香料処方物Aは、以下の表2で表される処方により調製した。
【0038】
【表2】
CALONE:7−メチル−2−H−1,5−ベンゾジオキセピン−3(4H)−オン(FIRMENICH社製)
CYCLOGALBANATE:アリルシクロヘキシルグリコレート(SYMRISE社製)
HEDIONE:メチルジヒドロジャスモネート(FIRMENICH社製)
HELIOBOUQUET:2−メチル−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロパナール(高砂香料工業社製)
MUSK T:エチレンブラシレート(高砂香料工業社製)
【0039】
(試験例1)官能評価
実施例2、比較例1〜4で得られた香料組成物について官能評価を行った。
官能評価は、10名の専門パネルにより、その香気に関し香質強度、ボリューム感、拡散性、ウッディー感、アンバー感について7段階評価(最高点7点〜最低点1点)にて行った。評価は各組成物を一定量ずつにおい紙に滴下し、室温にて17時間経過したものについて行った。評価結果は、10名の専門パネルの評価値の平均点とし、表3に表した。
【0040】
【表3】
【0041】
表3の結果より、本発明の式(1)で表される化合物を使用した香料組成物(実施例2の香料組成物)は、従来使用されているウッディー調の香気化合物であるISO E SUPER、VERTFIX、CASHMERANを使用した香料組成物(比較例2〜4)よりも、好適な非常にクリアで強いウッディー調の香気を有しており、最も高得点を獲得した。また、本発明の化合物は、ボリューム感及び拡散性も高く、優れていた。
【0042】
(実施例3)シャンプーの調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表4に示す処方によりシャンプーを調製した。つまり、調製されたシャンプーにおける式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0025質量%とした。得られたシャンプーは、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0043】
【表4】
【0044】
(実施例4)ヘアコンディショナーの調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表5に示す処方によりヘアコンディショナーを調製した。つまり、調製されたヘアコンディショナーにおける式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0025質量%とした。得られたヘアコンディショナーは、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0045】
【表5】
【0046】
(実施例5)ボディシャンプーの調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表6に示す処方によりボディシャンプーを調製した。つまり、調製されたボディシャンプーにおける式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0025質量%とした。得られたボディシャンプーは、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0047】
【表6】
【0048】
(実施例6)粉末洗剤の調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表7に示す処方により粉末洗剤を調製した。つまり、調製された粉末洗剤における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0029質量%とした。得られた粉末洗剤は、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0049】
【表7】
【0050】
(実施例7)衣類用柔軟仕上げ剤の調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表8に示す処方により衣類用柔軟仕上げ剤を調製した。つまり、調製された衣類用柔軟仕上げ剤における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0025質量%とした。得られた衣類用柔軟仕上げ剤は、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0051】
【表8】
【0052】
(実施例8)ハンドクリームの調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表9に示す処方によりハンドクリームを調製した。つまり、調製されたハンドクリームにおける式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.00025質量%とした。得られたハンドクリームは、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0053】
【表9】
【0054】
(実施例9)ヘアトニックの調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表10に示す処方によりヘアトニックを調製した。つまり、調製されたヘアトニックにおける式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.001質量%とした。得られたヘアトニックは、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0055】
【表10】
【0056】
(実施例10)ミスト状芳香剤の調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表11に示す処方によりミスト状芳香剤を調製した。つまり、調製されたミスト状芳香剤における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0025質量%とした。得られたミスト状芳香剤は、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0057】
【表11】
【0058】
(実施例11)キャンドルの調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表12に示す処方によりキャンドルを調製した。つまり、調製されたキャンドルにおける式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.05質量%とした。得られたキャンドルは、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0059】
【表12】
【0060】
(実施例12)水性ゲル状芳香剤の調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表13に示す処方により水性ゲル状芳香剤を調製した。つまり、調製された水性ゲル状芳香剤における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.025質量%とした。得られた水性ゲル状芳香剤は、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0061】
【表13】
【0062】
(実施例13)油性ベースゲル状芳香剤の調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表14に示す処方により油性ベースゲル状芳香剤を調製した。つまり、調製された油性ベースゲル状芳香剤における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.05質量%とした。得られた油性ベースゲル状芳香剤は、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0063】
【表14】
【0064】
(実施例14)香料組成物の調製
実施例1で得られた式(1)で表される化合物を使用し、以下表15に示す処方により香料組成物を調製した。つまり、調製された香料組成物における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.48質量%とした。
【0065】
【表15】
【0066】
(実施例15)炭酸飲料の調製
実施例14で調製した香料組成物を使用し、以下表16に示す処方により炭酸飲料(Brix9.3、酸度0.13%(クエン酸換算)、pH3.4、ガスボリューム3.0)を調製した。つまり、調製された炭酸飲料における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0000873質量%とした。得られた炭酸飲料は、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有しかつナチュラル感を有した。
【0067】
【表16】
【0068】
(実施例16)香料組成物の調製
実施例1で得られた式(1)で表される化合物を使用し、以下表17に示す処方により香料組成物を調製した。つまり、調製された香料組成物における式(1)で表される化合物の混合割合は、約9.1質量%とした。
【0069】
【表17】
【0070】
(実施例17)歯磨剤の調製
実施例16で調製した香料組成物を使用し、以下表18に示す処方により歯磨剤を調製した。つまり、調製された歯磨剤における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0091質量%とした。得られた歯磨き粉は、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有しかつナチュラル感を有した。
【0071】
【表18】
【0072】
今回開示された実施形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。