特許第5871235号(P5871235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許58712356a,7,7−トリメチルデカヒドロ−1,4−メタノシクロプロパ[de]ナフタレン−1−オール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871235
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】6a,7,7−トリメチルデカヒドロ−1,4−メタノシクロプロパ[de]ナフタレン−1−オール
(51)【国際特許分類】
   C07C 35/44 20060101AFI20160216BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20160216BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20160216BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20160216BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20160216BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20160216BHJP
   A23L 27/20 20160101ALI20160216BHJP
【FI】
   C07C35/44CSP
   C11B9/00 F
   A61K8/34
   A61Q13/00 101
   A61K47/10
   A61Q11/00
   A23L1/226 F
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-103867(P2012-103867)
(22)【出願日】2012年4月27日
(65)【公開番号】特開2013-231005(P2013-231005A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2015年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000169466
【氏名又は名称】高砂香料工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100154988
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 真知
(72)【発明者】
【氏名】財前 恭子
(72)【発明者】
【氏名】小林 剛
(72)【発明者】
【氏名】永野 純子
(72)【発明者】
【氏名】矢口 善博
【審査官】 高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第3991123(US,A)
【文献】 特開平2−187498(JP,A)
【文献】 特開平9−220037(JP,A)
【文献】 特開2011−79800(JP,A)
【文献】 Kiyohara, Hiroaki; Ichino, Chikara; Kawamura, Yuka; Nagai, Takayuki; Sato, Noriko; Yamada, Haruki,Patchouli alcohol: in vitro direct anti-influenza virus sesquiterpene in Pogostemon cablin Benth.,Journal of Natural Medicines,2011年 6月14日,(2012), 66(1),55-61
【文献】 Hu, L. F.; Li, S. P.; Cao, H.; Liu, J. J.; Gao, J. L.; Yang, F. Q.; Wang, Y. T.,GC-MS fingerprint of Pogostemon cablin in China,Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis,2006年,42,200-206
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 35/44
A23L 1/226
A61K 8/34
A61K 47/10
A61Q 11/00
A61Q 13/00
C11B 9/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で示される化合物。
【化1】
(1)
【請求項2】
(+)体である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
(−)体である請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
(+)体と(−)体の混合物である請求項1記載の化合物。
【請求項5】
ラセミ体である請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物と香料成分とを混合することを含む、香料組成物の製造方法。
【請求項7】
香粧品、トイレタリー製品、飲食品、口腔用組成物、又は、医薬品の製造方法であって、
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物と香料成分とを混合し、香料組成物を得て、
得られた香料組成物を香粧品、トイレタリー製品、飲食品、口腔用組成物、又は、医薬品に配合させることを含む、前記製造方法。
【請求項8】
香粧品、トイレタリー製品、飲食品、口腔用組成物、又は、医薬品の製造方法であって、
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物を香粧品、トイレタリー製品、飲食品、口腔用組成物、又は、医薬品に配合させることを含む、前記製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な四環性ノルセスキテルペンアルコール、及び、該化合物を含有する香料組成物の製造方法に関する。詳細には非常にクリアで強いウッディー調の香気を有する前記化合物、及び、該化合物を含有する香料組成物の製造方法に関する。さらには、該化合物または該香料組成物を含有する製品、例えば香粧品、トイレタリー製品、飲食品、口腔用組成物及び医薬品の製造方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種香粧品類、トイレタリー製品などの多様化に伴い、これらの匂い付けに使用される香料に対する期待もさまざまである。快適な心地よい香りを付与することのできる香料や嗜好性の高い特徴ある香気を有する香料などが要望され、個々の商品特性に見合った香料へのニーズが高まりつつある。同時に、香料自体の特性として、香質に優れかつ残香性を持ち、また他の香料との調合性に優れたものであることなども要望されている。従来から、上述したようなそれぞれの要望を満たすためにも、個々の特性や高い嗜好性などを兼ね備えた香料素材を開発し提供することは、香料産業上も極めて意義のある重要なことである。例えば、ウッディー調な香気をもつ化合物としては、ISO E SUPER(登録商標:IFF社製)やVERTOFIX(登録商標:IFF社製)、CASHMERAN(登録商標:IFF社製)等が用いられている。しかしながら、少量で高いパフォーマンスを持つ化合物は必ずしも充分とは言えず、新しい化合物が求められている。
【0003】
四環性ノルセスキテルペンアルコールであって、本発明に係る新規化合物と類似の構造を持つ化合物としては、特許文献1に、化学合成により得られた3員環を有する四環性ノルセスキテルペンアルコールであるノルテトラパチュロールがウォームスイート、ウッディーでかつカンファー様のパチュリ特有の香気を有することが記載されている。また、非特許文献1には、特許文献1記載のノルテトラパチュロールがパチュリ油中に存在することが記載されている。しかしながら、これら先行技術文献には、本発明に係る新規化合物についてなんら記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公報第3991123号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Essential Oils;Allured Publishing,Wheaton,IL,1981;pp247−272
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、非常にクリアで強いウッディー調の香気を有する新規化合物を提供することである。本発明の他の目的は上記特性を有する化合物を含有する香料組成物の製造方法を提供することである。さらには、該化合物または該香料組成物を含有する香粧品、トイレタリー製品、飲食品、口腔用組成物及び医薬品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を達成すべく種々の植物及び各種精油を中心に鋭意検討した結果、特定の四環性ノルセスキテルペンアルコールが、単独かつ少量であっても、非常にクリアで強いウッディー調の香気を持つことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(1)で示される化合物に関する。
【0008】
【化1】
(1)
なお、式(1)で示される化合物は、(+)体であっても(−)体であってもよく、(+)体と(−)体の混合物であってもよく、ラセミ体であってもよい。
また、本発明は、式(1)で示される化合物と香料成分とを混合することを含む、香料組成物の製造方法にも関する。
また、本発明は、式(1)で示される化合物と香料成分とを混合し、香料組成物を得て、得られた香料組成物を香粧品、トイレタリー製品、飲食品、口腔用組成物、又は、医薬品に配合させることを含む、香粧品、トイレタリー製品、飲食品、口腔用組成物、又は、医薬品の製造方法にも関する。
また、本発明は、式(1)で示される化合物を香粧品、トイレタリー製品、飲食品、口腔用組成物、又は、医薬品に配合させることを含む、香粧品、トイレタリー製品、飲食品、口腔用組成物、又は、医薬品の製造方法にも関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る式(1)で表される化合物は、非常にクリアで強いウッディー調の香気を有し、しかも拡散性に優れている。そのため、本発明に係る化合物は、そのまま単独でまたは香料組成物の形態にして、香粧品、飲食品、トイレタリー製品、口腔用組成物、医薬品等の各種製品に有効に使用することができ、さらには、前記した優れた特性を各種製品に付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<新規化合物>
本発明に係る化合物は、下記式(1)で表される新規の化合物である。
【0011】
【化2】
(1)
すなわち、式(1)で表される化合物(本明細書においては、単に「本発明の化合物」とも呼ぶ)は、6a,7,7−トリメチルデカヒドロ−1,4−メタノシクロプロパ[de]ナフタレン−1−オールである。
【0012】
本発明の式(1)で表される化合物は、鏡像異性体が存在する。そして、本発明の化合物は、(+)体であっても(−)体であってもよく、(+)体と(−)体の混合物であってもよく、ラセミ体であってもよい。
【0013】
≪本発明の化合物を得る方法≫
以下に、パチュリ油から本発明の化合物を得る方法について説明する。なお、本化合物を得るための操作は特に限定されるものではなく、どのような手法を用いてもよい。
(1)パチュリの葉、茎、根、枝等を水蒸気蒸留に付し、油分を回収しパチュリ油を得る。
(2)得られたパチュリ油をアルカリ水溶液にて洗浄し油分を回収する。
アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化マグネシウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液などを使用することができ、より好ましくは水酸化ナトリウム水溶液を使用することができる。アルカリ水溶液の濃度は0.1〜20質量%の範囲で使用できるが、より好ましくは0.5〜5質量%である。
【0014】
(3)前記(2)で得られた油分をカラムクロマトグラフィーにて分画し、当該香気を有する画分を取り出す。
クロマトグラフィーの分離剤としては市販品のシリカゲル、オクタデシルシラン(ODS)によるシリル化シリカゲルなどを使用することができる。好ましくはシリカゲルを使用する。溶離液としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭素類;ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン等が挙げられるが、これらに限定されない。またこれらの溶剤を単独で使用しても混合した混合溶剤を使用してもよい。これらの溶剤の中でも、ヘキサンと酢酸エチルを混合したものが好ましく挙げられる。
【0015】
(4)前記(3)で得られた画分を晶析させ母液を得る。
晶析温度は室温以下で行うが、好ましくは−150℃〜15℃、より好ましくは−90℃〜10℃で行う。晶析を行う際の溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭素類;ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン等が挙げられるが、これらに限定されない。またこれらの溶媒を単独で使用しても混合した混合溶媒を使用してもよい。これらの溶媒の中でも、好ましくは炭化水素類が挙げられ、より好ましくはヘキサンを使用することができる。
【0016】
(5)前記(4)で得られた母液を高速液体クロマトグラフィーを用いて精製し、非常にクリアで強いウッディー調の香気を有する式(1)で表される化合物を取り出す。高速液体クロマトグラフィーのカラムは、例えばオクタデシルシラン(ODS)によるシリル化シリカゲルのカラムが挙げられ、たとえばInertsil(登録商標) ODS−3(ジーエルサイエンス社製)が挙げられる。溶離液としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭素類;ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン等が挙げられるが、これらに限定されない。またこれらの溶剤を単独で使用しても混合した混合溶剤を使用してもよい。これらの溶剤の中でも、水とアセトニトリルを混合したものが好ましく挙げられる。
【0017】
このようにして、パチュリ油から本発明に係る化合物である式(1)で表される化合物を得ることができる。得られた化合物は1H−NMR及び13C−NMRにより構造を同定することができる。
なお、本発明の式(1)で表される化合物は、パチュリ油から得るのが最も適当であるが、それ以外にもパチュリの葉、茎、根、枝及びその加工品(エキス、溶剤抽出物等)から得ることもできる。
【0018】
本発明に係る化合物である式(1)で表される化合物は、非常にクリアで強いウッディー調の香気を有する。
【0019】
<香料組成物の製造方法>
本発明に係る香料組成物の製造方法は、本発明の化合物と香料成分とを混合することを含む。ここで、本発明における「香料成分」は、パチュリ油中の式(1)で表される化合物以外の香料成分であってもよい。香料成分は、1種だけではなく、2種以上混合しても良い。
当該香料組成物の製造方法には、一形態として、パチュリ油を精製し、得られた式(1)で表される化合物を含む精製物と香料成分とを混合することを含みうる。
【0020】
ここで、本発明で使用する「香料成分」としては、各種の合成香料、天然精油、合成精油、柑橘油、動物性香料などを挙げることができる。例えば、「Perfume and Flavor Chemicals(Aroma Chemicals)1,2」(Steffen Arctender(1969))、「合成香料 化学と商品知識」(1996年3月6日発行、印藤元一著、化学工業日報社)、「周知・慣用技術集(香料)第I部」(平成11年1月29日、特許庁発行)に記載されているような広範な種類の香料成分を使用することができる。そのうちでも代表的なものとしては、例えば、α−ピネン、リモネン、cis−3−ヘキセノール、フェニルエチルアルコール、スチラリルアセテート、オイゲノール、ローズオキサイド、リナロール、ベンズアルデヒド、ムスコン、MUSK T(高砂香料工業株式会社、商標)、THESARON(高砂香料工業株式会社、商標)などを挙げることができる。また、メントールやメンタン骨格を有する誘導体などの冷感効果を有する香料などを本発明の化合物と併用することにより、冷感効果を付与した香料組成物とすることが可能となる。
【0021】
本発明に係る香料組成物の製造方法において、式(1)で表される化合物の混合量は、ほかに含有する「香料成分」の種類や、当該香料組成物の使用目的により香料組成物全体の0.001質量%〜50質量%の間で適宜調整できるが、非常にクリアで強いウッディー調の香気を有し、かつ残香性、香気強度、又は拡散性を与えるといった香気改善効果の理由から、香料組成物全体の0.01質量%〜30質量%であることが好ましく、0.1質量%〜5質量%であることがより好ましい。
また、本発明に係る香料組成物の製造方法において、本発明の化合物の混合量と「香料成分」の混合量との比率(質量比)は、非常にクリアで強いウッディー調の香気を有し、かつ残香性、香気強度、又は拡散性を与えるといった香気改善効果の観点から、0.1:99.9〜30:70であることが好ましく、0.3:99.7〜15:85であることがより好ましい。
【0022】
式(1)で表される化合物を含有する香料組成物は、従来にはない非常にクリアで強いウッディー調の香気を有し、また、嗜好性の高い香気も有しうる。また、「香料成分」のみを含有する香料組成物と比較して、式(1)で表される化合物をさらに含有する香料組成物は、残香性、香気強度、または拡散性等の香気特性が改善されうる。
【0023】
本発明の香料組成物の製造方法では、エタノール、ジプロピレングリコール(以下、DPGと略すこともある)、ジエチルフタレート、プロピレングリコール、トリエチルシトレート、ベンジルベンゾエート、グリセリン、トリアセチン、トリエチルシトレートなどの溶媒を用いてもよい。また、必要に応じて、本発明に係る香料組成物の製造方法では、抗酸化剤、紫外線吸収剤、着色料などの公知成分をさらに混合させてもよい。
【0024】
<製品の製造方法>
本発明は、式(1)で表される化合物を含む製品の製造方法にも関する。本発明の製品の製造方法においては、式(1)で表される化合物を、香粧品、トイレタリー製品、飲食品、口腔用組成物、医薬品(本明細書においては、単に「本発明に係る製品」または「製品」とも呼ぶ)に直接配合してもよいし、上述したような式(1)で表される化合物と香料成分とを混合して製造される香料組成物を製品に配合してもよい。また、式(1)で表される化合物、それ以外の香料成分を別々に製品に添加し、混合してもよい。
当該製品の製造方法には、一形態として、パチュリ油を精製し、得られた式(1)で表される化合物を含む精製物と香料成分とを混合して、香料組成物を得て、その香料組成物を製品に配合させることを含みうる。
また、さらに、当該製品の製造方法には、一形態として、パチュリ油を精製し、得られた式(1)で表される化合物を含む精製物を製品に配合させることを含みうる。
本発明により得られた製品は、式(1)で表される化合物によって、嗜好性の高い香気・香味を付与されうる。
【0025】
≪香粧品≫
本発明の化合物及び該化合物を含有する香料組成物によって香気付けすることのできる香粧品としては、例えば、フレグランス製品、基礎化粧品、仕上げ化粧品、頭髪化粧品、日焼け化粧品、薬用化粧品などを挙げることができる。
【0026】
より具体的には、
フレグランス製品としては、例えば、香水、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロンなど;
基礎化粧品としては、例えば、洗顔クリーム、バニシングクリーム、クレンジングクリーム、コールドクリーム、マッサージクリーム、乳液、化粧水、美容液、パック、メイク落としなど;
仕上げ化粧品としては、例えば、ファンデーション、粉おしろい、固形おしろい、タルカムパウダー、口紅、リップクリーム、頬紅、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ、眉墨、アイパック、ネイルエナメル、エナメルリムーバーなど;
頭髪化粧品としては、例えば、ポマード、ブリランチン、セットローション、ヘアースティック、ヘアーソリッド、ヘアーオイル、ヘアートリートメント、ヘアークリーム、ヘアトニック、ヘアーリキッド、ヘアースプレー、バンドリン、養毛剤、染毛剤など;
日焼け化粧品としては、例えば、サンタン製品、サンスクリーン製品など;
薬用化粧品としては、例えば、制汗剤、アフターシェービングローション、ジェル、パーマネントウェーブ剤、薬用石鹸、薬用シャンプー、薬用皮膚化粧料など;
が挙げられる。
【0027】
≪トイレタリー製品≫
本発明の化合物及び該化合物を含有する香料組成物によって香気付けすることのできるトイレタリー製品としては、例えば、ヘアケア製品、石鹸、身体洗浄剤、浴用剤、洗剤、柔軟仕上げ剤、洗浄剤、台所用洗剤、漂白剤、エアゾール剤、消臭・芳香剤、雑貨、シェービング製品、スキンケア製品、忌避剤、煙草製品などを挙げることができる。
【0028】
より具体的には、
ヘアケア製品としては、例えば、シャンプー、リンス、リンスインシャンプー、コンディショナー、トリートメント、ヘアパックなど;
石鹸としては、例えば、化粧石鹸、浴用石鹸、香水石鹸、透明石鹸、合成石鹸など;
身体洗浄剤としては、例えば、ボディソープ、ボディシャンプー、ハンドソープなど;
浴用剤としては、例えば、入浴剤(バスソルト、バスタブレット、バスリキッド等)、フォームバス(バブルバス等)、バスオイル(バスパフューム、バスカプセル等)、ミルクバス、バスジェリー、バスキューブなど;
洗剤としては、例えば、衣料用重質洗剤、衣料用軽質洗剤、液体洗剤、洗濯石鹸、コンパクト洗剤、粉石鹸、粉末洗剤など;
柔軟仕上げ剤としては、例えば、ソフナー、ファーニチャーケアなど;
洗浄剤としては、例えば、クレンザー、ハウスクリーナー、トイレ洗浄剤、浴室用洗浄剤、ガラスクリーナー、カビ取り剤、排水管用洗浄剤など;
台所用洗剤としては、例えば、台所用石鹸、台所用合成石鹸、食器用洗剤など;
漂白剤としては、例えば、酸化型漂白剤(塩素系漂白剤、酸素系漂白剤等)、還元型漂白剤(硫黄系漂白剤等)、光学的漂白剤など;
エアゾール剤としては、例えば、スプレータイプ、パウダースプレーなど;
消臭・芳香剤としては、例えば、固形状タイプ、ゲル状タイプ、リキッドタイプ、ミストタイプなど;
雑貨としては、例えば、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、キャンドルなど;
シェービング製品としては、例えば、シェービングフォームなど;
スキンケア製品としては、ハンドクリーム、ボディクリーム、ボディーローションなど;
が挙げられる。
【0029】
≪飲食品≫
本発明の化合物及び該化合物を含有する香料組成物によって香気・香味付けすることのできる飲食品としては、例えば、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料類、炭酸飲料、清涼飲料、ドリンク剤類などの飲料類;アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャンディー類などの冷菓類;ゼリー、プリンなどのデザート類;ケーキ、クッキー、チョコレート、チューインガムなどの洋菓子類;饅頭、羊羹、ウイロウなどの和菓子類;ジャム類;キャンディー類;パン類;緑茶、ウーロン茶、紅茶、柿の葉茶、カミツレ茶、クマザサ茶、桑茶、ドクダミ茶、プアール茶、マテ茶、ルイボス茶、ギムネマ茶、グアバ茶、コーヒー、ココアなどの茶飲料または嗜好飲料類;和風スープ、洋風スープ、中華スープなどのスープ類;風味調味料;各種インスタント飲料または食品類;各種スナック食品類などを挙げることができる。
【0030】
≪口腔用組成物≫
本発明の化合物及び該化合物を含有する香料組成物によって香気・香味付けすることのできる口腔用組成物としては、例えば、歯磨き剤、口腔洗浄料、マウスウオッシュ、トローチ、チューインガム類などを挙げることができる。
【0031】
≪医薬品≫
本発明の化合物及び該化合物を含有する香料組成物によって香気・香味付けすることのできる医薬品としては、例えば、ハップ剤、軟膏剤などの皮膚外用剤;内服剤などを挙げることができる。
【0032】
本発明に係る製品に対する本発明の式(1)で表される化合物の混合量(以下、添加量とも呼ぶ)は、特に限定されないが、各種香粧品、トイレタリー製品、飲食品、口腔用組成物、医薬品への通常の香料化合物の添加量と同等で添加することができる。
具体的には、本発明の式(1)で示される化合物の香粧品への添加量は、本発明の化合物を含めた香粧品の全質量に対して、好ましくは0.00001〜10質量%、より好ましくは0.0001〜5質量%とすることができる。
具体的には、本発明の式(1)で示される化合物のトイレタリー製品への添加量は、本発明の化合物を含めたトイレタリー製品の全質量に対して、好ましくは0.0001〜5質量%、より好ましくは0.001〜2質量%とすることができる。
具体的には、本発明の式(1)で示される化合物の飲食品への添加量は、本発明の化合物を含めた飲食品の全質量に対して、好ましくは0.000001〜1質量%、より好ましくは0.00001〜0.2質量%とすることができる。
具体的には、本発明の式(1)で示される化合物の口腔用組成物への添加量は、本発明の化合物を含めた口腔用組成物の全質量に対して、好ましくは0.000001〜1質量%、より好ましくは0.00001〜0.2質量%とすることができる。
具体的には、本発明の式(1)で示される化合物の医薬品への添加量は、本発明の化合物を含めた医薬品の全質量に対して、好ましくは0.000001〜1質量%、より好ましくは0.00001〜0.2質量%とすることができる。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるのもではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
【実施例】
【0033】
物性値などの測定においては、次の機器を用いた。
・NMR測定装置:AVANCEIII 500型(500MHz;ブルカーバイオスピン社製)
・ガスクロマトグラフ質量分析計:GCMS−QP2010(島津製作所社製)
-使用カラム:BC−WAX(50mx0.25mmID;ジーエルサイエンス社製)
-オーブン条件:70℃−217℃,4℃/min
・ガスクロマトグラフ飛行時間型質量分析計:JMS−T100GCV(日本電子社製)
-イオン化法:フィールドイオン化法(FI)
-使用カラム:Rxi−5ms(30mx0.25mmID;Restek社製)
-オーブン条件:50℃(1min)−230℃,4℃/min
・赤外吸収スペクトル測定装置:FT/IR−6100(日本分光社製)
-窓材:フッ化バリウム
・旋光度計:P−1020(日本分光社製)
【0034】
(実施例1)
パチュリオイルM(高砂香料工業社製)100gを2質量%水酸化ナトリウム水溶液100gにて50℃にて30分攪拌後、水層を分離してアルカリ洗浄済み油分100gを得た。アルカリ洗浄済み油分(30g)を順相中圧クロマトグラフィー(シリカゲルカラム (充填剤200g)、溶離液ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(グラジエント=99/1 → 0/100(容量比))を用いて精製を行い、式(1)で表される化合物を豊富に含む画分(3.6g)を得た。当該画分(3.6g)を少量のヘキサンを添加した後、ドライアイス及びアセトンにて約−80℃に冷却したバスを用いて深冷晶析し、結晶を取り除いた母液部(1.5g)を得た。当該母液部(1.5g)をInertsil ODS−3を分離カラムとし、溶離液として水/アセトニトリル(グラジエント条件=70/30 → 5/95(容量比))を用いた高速液体クロマトグラフィーにより精製を行い、式(1)で表される化合物(10mg、GC純度94%)を得た。単離精製した該化合物の香気は非常にクリアで強いウッディー調の香気であった。
また、得られた本発明の化合物は、(−)体が過剰に得られていた。
【0035】
<式(1)で表される化合物の物理データ>
NMRデータ
1H−NMR (500MHz, Pyridine-d5): δ 0.75-0.82 (m,1H), 0.75-0.82 (m,1H), 0.75-0.82 (m,1H), 1.06-1.15 (m, 1H), 1.08 (s, 3H), 1.17 (s, 3H), 1.21 (s, 3H), 1.34 (dddd, J =12.61, 10.96, 7.66 and 1.96 Hz, 1H), 1.63 (ddd, J =13.68, 9.05 and 2.62 Hz, 1H), 1.66 (m, 1H), 1.84 (ddd, J =13.69, 11.50 and 8.86 Hz, 1H), 1.87-1.93 (m, 1H), 2.00-2.11 (m, 2H), 2.17 (ddd, J=13.01, 9.92 and 7.65 Hz, 1H), 4.70 (s, 1H)
13C−NMR (125MHz, Pyridine-d5): δ 15.09(CH), 20.63(CH), 20.88(CH2), 21.18(CH), 22.96(CH3), 26.58(CH3), 26.69(CH2), 27.80(CH2), 27.94(CH3), 29.18(CH2), 36.52(C), 39.91(CH), 41.28(C), 75.60(C-OH)
赤外吸収スペクトル(CCl4:cm-1):3620,2960,1460
EI−MSデータ(27eV):206 (M+; 15), 163 (100), 178 (74), 109 (71), 123 (52), 93 (46), 79 (35), 43 (30), 67 (21), 135 (20), 145 (19), 55(17),
HRFIMS:found 206.1679,calcd.for C14221(206.1671)
比旋光度:[α]D20 −114.3 (c 0.83,CH3OH)
【0036】
(実施例2、比較例1〜4)香料組成物の調製
実施例2では実施例1で単離した式(1)で表される化合物を使用し、比較例1では対応化合物を使用せず、比較例2〜4では夫々ISO E SUPER、VERTOFIX、及び、CASHMERANを使用し、以下の表1に示す処方により香料組成物を調製した。つまり、調製された香料組成物における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.5質量%とした。
【0037】
【表1】
ISO E SUPER(登録商標):1−(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)エタノン(IFF社製)
VERTOFIX(登録商標):9−アセチル−8−セドレン(IFF社製)
CASHMERAN(登録商標):1,1,2,3,3−ペンタメチル−6,7−ジヒドロインダン−4(5H)−オン(IFF社製)
なお、表1中、香料処方物Aは、以下の表2で表される処方により調製した。
【0038】
【表2】
CALONE:7−メチル−2−H−1,5−ベンゾジオキセピン−3(4H)−オン(FIRMENICH社製)
CYCLOGALBANATE:アリルシクロヘキシルグリコレート(SYMRISE社製)
HEDIONE:メチルジヒドロジャスモネート(FIRMENICH社製)
HELIOBOUQUET:2−メチル−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロパナール(高砂香料工業社製)
MUSK T:エチレンブラシレート(高砂香料工業社製)
【0039】
(試験例1)官能評価
実施例2、比較例1〜4で得られた香料組成物について官能評価を行った。
官能評価は、10名の専門パネルにより、その香気に関し香質強度、ボリューム感、拡散性、ウッディー感、アンバー感について7段階評価(最高点7点〜最低点1点)にて行った。評価は各組成物を一定量ずつにおい紙に滴下し、室温にて17時間経過したものについて行った。評価結果は、10名の専門パネルの評価値の平均点とし、表3に表した。
【0040】
【表3】
【0041】
表3の結果より、本発明の式(1)で表される化合物を使用した香料組成物(実施例2の香料組成物)は、従来使用されているウッディー調の香気化合物であるISO E SUPER、VERTFIX、CASHMERANを使用した香料組成物(比較例2〜4)よりも、好適な非常にクリアで強いウッディー調の香気を有しており、最も高得点を獲得した。また、本発明の化合物は、ボリューム感及び拡散性も高く、優れていた。
【0042】
(実施例3)シャンプーの調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表4に示す処方によりシャンプーを調製した。つまり、調製されたシャンプーにおける式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0025質量%とした。得られたシャンプーは、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0043】
【表4】
【0044】
(実施例4)ヘアコンディショナーの調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表5に示す処方によりヘアコンディショナーを調製した。つまり、調製されたヘアコンディショナーにおける式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0025質量%とした。得られたヘアコンディショナーは、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0045】
【表5】
【0046】
(実施例5)ボディシャンプーの調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表6に示す処方によりボディシャンプーを調製した。つまり、調製されたボディシャンプーにおける式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0025質量%とした。得られたボディシャンプーは、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0047】
【表6】
【0048】
(実施例6)粉末洗剤の調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表7に示す処方により粉末洗剤を調製した。つまり、調製された粉末洗剤における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0029質量%とした。得られた粉末洗剤は、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0049】
【表7】
【0050】
(実施例7)衣類用柔軟仕上げ剤の調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表8に示す処方により衣類用柔軟仕上げ剤を調製した。つまり、調製された衣類用柔軟仕上げ剤における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0025質量%とした。得られた衣類用柔軟仕上げ剤は、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0051】
【表8】
【0052】
(実施例8)ハンドクリームの調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表9に示す処方によりハンドクリームを調製した。つまり、調製されたハンドクリームにおける式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.00025質量%とした。得られたハンドクリームは、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0053】
【表9】
【0054】
(実施例9)ヘアトニックの調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表10に示す処方によりヘアトニックを調製した。つまり、調製されたヘアトニックにおける式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.001質量%とした。得られたヘアトニックは、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0055】
【表10】
【0056】
(実施例10)ミスト状芳香剤の調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表11に示す処方によりミスト状芳香剤を調製した。つまり、調製されたミスト状芳香剤における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0025質量%とした。得られたミスト状芳香剤は、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0057】
【表11】
【0058】
(実施例11)キャンドルの調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表12に示す処方によりキャンドルを調製した。つまり、調製されたキャンドルにおける式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.05質量%とした。得られたキャンドルは、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0059】
【表12】
【0060】
(実施例12)水性ゲル状芳香剤の調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表13に示す処方により水性ゲル状芳香剤を調製した。つまり、調製された水性ゲル状芳香剤における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.025質量%とした。得られた水性ゲル状芳香剤は、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0061】
【表13】
【0062】
(実施例13)油性ベースゲル状芳香剤の調製
実施例2で調製した香料組成物を使用し、以下表14に示す処方により油性ベースゲル状芳香剤を調製した。つまり、調製された油性ベースゲル状芳香剤における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.05質量%とした。得られた油性ベースゲル状芳香剤は、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有した。
【0063】
【表14】
【0064】
(実施例14)香料組成物の調製
実施例1で得られた式(1)で表される化合物を使用し、以下表15に示す処方により香料組成物を調製した。つまり、調製された香料組成物における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.48質量%とした。
【0065】
【表15】
【0066】
(実施例15)炭酸飲料の調製
実施例14で調製した香料組成物を使用し、以下表16に示す処方により炭酸飲料(Brix9.3、酸度0.13%(クエン酸換算)、pH3.4、ガスボリューム3.0)を調製した。つまり、調製された炭酸飲料における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0000873質量%とした。得られた炭酸飲料は、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有しかつナチュラル感を有した。
【0067】
【表16】
【0068】
(実施例16)香料組成物の調製
実施例1で得られた式(1)で表される化合物を使用し、以下表17に示す処方により香料組成物を調製した。つまり、調製された香料組成物における式(1)で表される化合物の混合割合は、約9.1質量%とした。
【0069】
【表17】
【0070】
(実施例17)歯磨剤の調製
実施例16で調製した香料組成物を使用し、以下表18に示す処方により歯磨剤を調製した。つまり、調製された歯磨剤における式(1)で表される化合物の混合割合は、約0.0091質量%とした。得られた歯磨き粉は、好適に非常にクリアで強いウッディー調の香気を有しかつナチュラル感を有した。
【0071】
【表18】
【0072】
今回開示された実施形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の化合物は、そのまま単独でまたは香料組成物の形態にして、様々な製品、例えば香粧品、飲食品、トイレタリー製品、口腔用組成物、医薬品等に対し、ヒトにとって好適な香気・香味付けを効率よく行うことができる。