特許第5871244号(P5871244)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5871244アテローム性動脈硬化症及び心脈管系疾患のリピドームバイオマーカー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871244
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】アテローム性動脈硬化症及び心脈管系疾患のリピドームバイオマーカー
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/53 20060101AFI20160216BHJP
   G01N 27/62 20060101ALI20160216BHJP
   G01N 30/72 20060101ALI20160216BHJP
   G01N 30/88 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   G01N33/53 S
   G01N33/53 W
   G01N27/62 V
   G01N30/72 C
   G01N30/88 E
【請求項の数】21
【全頁数】70
(21)【出願番号】特願2013-508512(P2013-508512)
(86)(22)【出願日】2011年5月5日
(65)【公表番号】特表2013-527449(P2013-527449A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】EP2011057254
(87)【国際公開番号】WO2011138419
(87)【国際公開日】20111110
【審査請求日】2014年5月2日
(31)【優先権主張番号】61/331,463
(32)【優先日】2010年5月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】10162066.4
(32)【優先日】2010年5月5日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512285007
【氏名又は名称】ゾラ バイオサイエンシーズ オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100137626
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 玄
(72)【発明者】
【氏名】ラークソネン レイヨ
(72)【発明者】
【氏名】エクロース キム
(72)【発明者】
【氏名】フルメ レイニ
(72)【発明者】
【氏名】ヤニス ミンナ
(72)【発明者】
【氏名】カタイネン リイッカ
(72)【発明者】
【氏名】タラソフ キリル
【審査官】 伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−504999(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0197242(US,A1)
【文献】 特表2008−516595(JP,A)
【文献】 特開2007−263979(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01726962(EP,A1)
【文献】 特表2009−540314(JP,A)
【文献】 EKROOS KIM,LIPIDOMICS: A TOOL FOR STUDIES OF ATHEROSCLEROSIS,CURRENT ATHEROSCLEROSIS REPORTS,2010年 7月,V12 N4,P273-281
【文献】 KADDURAH-DAOUK RIMA,LIPIDOMIC ANALYSIS OF VARIATION IN RESPONSE TO SIMVASTATIN IN THE CHOLESTEROL AND PHARMACOGENETICS STUDY,METABOLOMICS,2010年 6月,V6 N2,P191-201
【文献】 JAENIS MINNA T,METABOLOMIC STRATEGIES TO IDENTIFY TISSUE-SPECIFIC EFFECTS OF CARDIOVASCULAR DRUGS,EXPERT OPINION ON DRUG METABOLISM & TOXICOLOGY,2008年 6月,V4 N6,P665-680
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48−33/98
G01N 27/62
G01N 30/72
G01N 30/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、対象者が、アテローム性動脈硬化症又は心脈管系疾患(CVD)及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの関連疾患を発症するリスクがあるか、又は前記に罹患しているか否かを決定するためのデータを収集する方法:
(a)前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質の濃度を決定する工程であって、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の濃度の増加又は低下が、前記対象者が、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの関連疾患に罹患しているか、又は前記を発症するリスクの増加を有することの指標であり、ここで、コントロールと比較した濃度の増加が該指標となる1つ又は2つ以上の脂質が、Cer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/20:0)、Cer(d18:1/24:1)、LacCer(d18:1/20:0)、GlcCer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/22:0)、LacCer(d18:1/24:1)、Cer(d18:0/22:0)、Cer(d18:0/24:0)、Cer(d18:0/24:1)、及びGlcCer(d18:1/18:0)から選択され、さらにコントロールと比較した濃度の低下が該指標となる1つ又は2つ以上の脂質が、CE 14:0、CE 20:3、CE 16:0、CE 17:1、及び総CEから選択される、前記工程;
又は
(b)前記対象者由来のサンプルで、1つ又は2つ以上の脂質-脂質比を決定する工程であって、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の脂質-脂質比の増加又は低下が、前記対象者が、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの関連疾患に罹患しているか、又は前記を発症するリスクの増加を有することの指標であり、ここで、コントロールと比較した増加が該指標となる1つ又は2つ以上の脂質-脂質比が、Cer(d18:1/16:0)/PC 18:1/18:2、LacCer(d18:1/22:0)/PC 35:4 (PC O-36:4)、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:1、CE 19:1/LPC 20:4、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:3、Cer(d18:1/24:1)/LPC 18:2、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、PC 38:0/PC 38:5、LacCer(d18:1/24:1)/PC 16:0/20:4、GlcCer(d18:1/26:1)/SM (d18:1/24:2-OH) (d18:1/25:1)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、Cer(d18:1/16:0)/PC 35:3 (PC O-34:3)、GlcCer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、LacCer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、LacCer(d18:1/22:0)/PC 16:0/20:4、Cer(d18:1/16:0)/Cer(d18:1/26:0)、DAG 16:1/16:1/PC 32:1、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、及びGM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/18:1)から選択され、さらにコントロールと比較した低下が該指標となる1つ又は2つ以上の脂質-脂質比が、Cer(d18:1/24:0)/Cer(d18:1/24:1)、Cer(d18:0/24:0)/Cer(d18:1/16:0)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 16:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:2/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:1/Cer(d18:1/16:0)、CE 22:6/Cer(d18:1/16:0)、CE 16:1/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 18:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:2/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 16:0/GlcCer(d18:1/16:0)、LPC 20:4/PC 35:1 (PC O-36:1)、総CE/総LacCer、CE 20:4/Cer(d18:1/24:1)、CE 16:1/DAG 16:1/16:1、CE 18:2/Cer(d18:1/24:1)、CE 18:2/Cer(d18:1/16:0)、Cer(d18:0/24:0)/DAG 16:1/16:1、GD3-d18:1/16:0/GlcCer(d18:1/24:1)、GlcCer(d18:1/26:0)/GlcCer(d18:1/26:1)、GM3-d18:1/22:1/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/20:0/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/18:0/GlcCer(d18:1/24:1)、PC 16:0/18:2/PE 36:2、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、CE 16:1/CE 20:3、CE 16:1/Cer(d18:1/16:0)、及びCE 16:1/LPC 16:0から選択される、前記工程;
又は
(c)前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比を決定する工程であって、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の脂質-臨床濃度比の増加又は低下が、前記対象者が、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの関連疾患に罹患しているか、又は前記を発症するリスクの増加を有することの指標であり、ここで、コントロールと比較した増加が該指標となる1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比が、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I (mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-I (mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-II (mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/HDL、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:0/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:0/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/HDL、DAG 16:1/16:1/HDL、GlcCer(d18:1/24:1)/HDL、GlcCer(d18:1/26:1)/HDL、GM3-d18:1/16:0/HDL、GM3-d18:1/24:1/HDL、Cer(d18:1/24:1)/Chol、及びGM3-d18:1/24:2/HDLから選択され、さらにコントロールと比較した低下が該指標となる1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比が、Cer(d18:0/24:0)/TG、Cer(d18:1/24:0)/TG、LPC 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)/遊離脂肪酸(mmol/L)、CE 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 20:4/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、DAG 18:1/18:2/TG、PC 18:0/20:3/TG、CE 18:2/TG、SM (d18:1/18:1)/TG、PI 38:3/TG、GD3-d18:1/16:0/TG、LacCer(d18:1/22:0)/TG、GM3-d18:1/21:0/TG、GD1-d18:1/16:0/TG、GM3-d18:1/18:0/TG、PC 16:0/18:2/TG、CE 16:1/TG、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)/TG、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/TG、PC 18:2/18:2/TG、及びCE 16:1/Cholから選択される前記工程。
【請求項2】
以下の工程を含む、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの関連疾患の適切な治療を選択するためのデータを収集する方法:
(a)前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質の濃度を決定する工程であって、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の濃度の増加または低下が、前記対象者で治療の必要があること、又は既に実施されている治療を変更する必要があること、又は既に実施されている治療に補充する必要があることの指標であり、ここで、コントロールと比較した濃度の増加が該指標となる1つ又は2つ以上の脂質が、Cer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/20:0)、Cer(d18:1/24:1)、LacCer(d18:1/20:0)、GlcCer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/22:0)、LacCer(d18:1/24:1)、Cer(d18:0/22:0)、Cer(d18:0/24:0)、Cer(d18:0/24:1)、及びGlcCer(d18:1/18:0)から選択され、さらにコントロールと比較した濃度の低下が該指標となる1つ又は2つ以上の脂質が、CE 14:0、CE 20:3、CE 16:0、CE 17:1、及び総CEから選択される、前記工程;
又は
(b)前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質-脂質比を決定する工程であって、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の脂質-脂質比の増加または低下が、前記対象者に治療の必要があること、又は既に実施されている治療を変更する必要があること、又は既に実施されている治療に補充する必要があることの指標であり、ここで、コントロールと比較した増加が該指標となる1つ又は2つ以上の脂質-脂質比が、Cer(d18:1/16:0)/PC 18:1/18:2、LacCer(d18:1/22:0)/PC 35:4 (PC O-36:4)、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:1、CE 19:1/LPC 20:4、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:3、Cer(d18:1/24:1)/LPC 18:2、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、PC 38:0/PC 38:5、LacCer(d18:1/24:1)/PC 16:0/20:4、GlcCer(d18:1/26:1)/SM (d18:1/24:2-OH) (d18:1/25:1)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、Cer(d18:1/16:0)/PC 35:3 (PC O-34:3)、GlcCer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、LacCer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、LacCer(d18:1/22:0)/PC 16:0/20:4、Cer(d18:1/16:0)/Cer(d18:1/26:0)、DAG 16:1/16:1/PC 32:1、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、及びGM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/18:1)から選択され、さらにコントロールと比較した低下が該指標となる1つ又は2つ以上の脂質-脂質比が、Cer(d18:1/24:0)/Cer(d18:1/24:1)、Cer(d18:0/24:0)/Cer(d18:1/16:0)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 16:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:2/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:1/Cer(d18:1/16:0)、CE 22:6/Cer(d18:1/16:0)、CE 16:1/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 18:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:2/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 16:0/GlcCer(d18:1/16:0)、LPC 20:4/PC 35:1 (PC O-36:1)、総CE/総LacCer、CE 20:4/Cer(d18:1/24:1)、CE 16:1/DAG 16:1/16:1、CE 18:2/Cer(d18:1/24:1)、CE 18:2/Cer(d18:1/16:0)、Cer(d18:0/24:0)/DAG 16:1/16:1、GD3-d18:1/16:0/GlcCer(d18:1/24:1)、GlcCer(d18:1/26:0)/GlcCer(d18:1/26:1)、GM3-d18:1/22:1/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/20:0/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/18:0/GlcCer(d18:1/24:1)、PC 16:0/18:2/PE 36:2、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、CE 16:1/CE 20:3、CE 16:1/Cer(d18:1/16:0)、及びCE 16:1/LPC 16:0から選択される、前記工程:
又は
(c)前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比を決定する工程であって、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の脂質-臨床濃度比の増加または低下が、前記対象者に治療の必要があること、又は既に実施されている治療を変更する必要があること、又は既に実施されている治療に補充する必要があることの指標であり、ここで、コントロールと比較した増加が該指標となる1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比が、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I (mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-I (mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-II (mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/HDL、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:0/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:0/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/HDL、DAG 16:1/16:1/HDL、GlcCer(d18:1/24:1)/HDL、GlcCer(d18:1/26:1)/HDL、GM3-d18:1/16:0/HDL、GM3-d18:1/24:1/HDL、Cer(d18:1/24:1)/Chol、及びGM3-d18:1/24:2/HDLから選択され、さらに、コントロールと比較した低下が該指標となる1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比が、Cer(d18:0/24:0)/TG、Cer(d18:1/24:0)/TG、LPC 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)/遊離脂肪酸(mmol/L)、CE 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 20:4/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、DAG 18:1/18:2/TG、PC 18:0/20:3/TG、CE 18:2/TG、SM (d18:1/18:1)/TG、PI 38:3/TG、GD3-d18:1/16:0/TG、LacCer(d18:1/22:0)/TG、GM3-d18:1/21:0/TG、GD1-d18:1/16:0/TG、GM3-d18:1/18:0/TG、PC 16:0/18:2/TG、CE 16:1/TG、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)/TG、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/TG、PC 18:2/18:2/TG、及びCE 16:1/Cholから選択される、前記工程。
【請求項3】
前記治療が脂質改変治療である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
(a)コントロールと比較した濃度の増加が該指標となる脂質が、Cer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/22:0)及びLacCer(d18:1/24:1)から選択され;
(b)コントロールと比較した濃度の低下が該指標となる脂質が、CE 14:0及びCE 20:3から選択され;
(c)コントロールと比較した増加が該指標となる脂質-脂質比が、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:1、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、CE 19:1/LPC 20:4、及びCer(d18:1/16:0)/PC 36:3から選択され;
(d)コントロールと比較した低下が該指標となる脂質-脂質比がCE 20:4/Cer(d18:1/24:1)であり;
及び/又は
(e)コントロールと比較した増加が該指標となる脂質-臨床濃度比がGlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)である、請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
(a)コントロールと比較した濃度の増加が該指標となる脂質が、Cer(d18:1/16:0), Cer(d18:1/18:0), Cer(d18:1/20:0), Cer(d18:1/24:1), Cer(d18:0/22:0), Cer(d18:0/24:0)、及びCer(d18:0/24:1)から選択され;及び/又は
(b)コントロールと比較した濃度の低下が該指標となる脂質-脂質比がCer(d18:1/24:0)/Cer(d18:1/24:1)である、請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
以下の工程を含む、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの関連疾患の治療の有効性を対象者で評価するためのデータを収集する方法:
(a)前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質の濃度を決定する工程であって、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の濃度の増加又は低下が前記治療の有効性の指標であり、ここで、コントロールと比較した濃度の低下該指標となる1つ又は2つ以上の脂質が、Cer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/20:0)、Cer(d18:1/24:1)、LacCer(d18:1/20:0)、GlcCer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/22:0)、LacCer(d18:1/24:1)、Cer(d18:0/22:0)、Cer(d18:0/24:0)、Cer(d18:0/24:1)、及びGlcCer(d18:1/18:0)から選択され、さらにコントロールと比較した濃度の増加該指標となる1つ又は2つ以上の脂質が、CE 14:0、CE 20:3、CE 16:0、CE 17:1、及び総CEから選択される、前記工程;
又は
(b)前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質-脂質比を決定する工程であって、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の脂質-脂質比の増加又は低下が前記治療の有効性の指標であり、ここで、コントロールと比較した低下該指標となる1つ又は2つ以上の脂質-脂質比が、Cer(d18:1/16:0)/PC 18:1/18:2、LacCer(d18:1/22:0)/PC 35:4 (PC O-36:4)、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:1、CE 19:1/LPC 20:4、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:3、Cer(d18:1/24:1)/LPC 18:2、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、PC 38:0/PC 38:5、LacCer(d18:1/24:1)/PC 16:0/20:4、GlcCer(d18:1/26:1)/SM (d18:1/24:2-OH) (d18:1/25:1)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、Cer(d18:1/16:0)/PC 35:3 (PC O-34:3)、GlcCer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、LacCer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、LacCer(d18:1/22:0)/PC 16:0/20:4、Cer(d18:1/16:0)/Cer(d18:1/26:0)、DAG 16:1/16:1/PC 32:1、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、及びGM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/18:1)から選択され、さらにコントロールと比較した増加該指標となる1つ又は2つ以上の脂質-脂質比が、Cer(d18:1/24:0)/Cer(d18:1/24:1)、Cer(d18:0/24:0)/Cer(d18:1/16:0)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 16:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:2/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:1/Cer(d18:1/16:0)、CE 22:6/Cer(d18:1/16:0)、CE 16:1/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 18:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:2/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 16:0/GlcCer(d18:1/16:0)、LPC 20:4/PC 35:1 (PC O-36:1)、総CE/総LacCer、CE 20:4/Cer(d18:1/24:1)、CE 16:1/DAG 16:1/16:1、CE 18:2/Cer(d18:1/24:1)、CE 18:2/Cer(d18:1/16:0)、Cer(d18:0/24:0)/DAG 16:1/16:1、GD3-d18:1/16:0/GlcCer(d18:1/24:1)、GlcCer(d18:1/26:0)/GlcCer(d18:1/26:1)、GM3-d18:1/22:1/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/20:0/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/18:0/GlcCer(d18:1/24:1)、PC 16:0/18:2/PE 36:2、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、CE 16:1/CE 20:3、CE 16:1/Cer(d18:1/16:0)、及びCE 16:1/LPC 16:0から選択される前記工程;
又は
(c)前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比を決定する工程であって、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の脂質-臨床濃度比の増加又は低下が前記治療の有効性の指標であり、ここで、コントロールと比較した低下該指標となる1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比が、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I (mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-I (mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-II (mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/HDL、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:0/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:0/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/HDL、DAG 16:1/16:1/HDL、GlcCer(d18:1/24:1)/HDL、GlcCer(d18:1/26:1)/HDL、GM3-d18:1/16:0/HDL、GM3-d18:1/24:1/HDL、Cer(d18:1/24:1)/Chol、及びGM3-d18:1/24:2/HDLから選択され、さらにコントロールと比較した増加該指標となる1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比が、Cer(d18:0/24:0)/TG、Cer(d18:1/24:0)/TG、LPC 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)/遊離脂肪酸(mmol/L)、CE 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 20:4/アポリポタンパク質C-III (mg/dL)、DAG 18:1/18:2/TG、PC 18:0/20:3/TG、CE 18:2/TG、SM (d18:1/18:1)/TG、PI 38:3/TG、GD3-d18:1/16:0/TG、LacCer(d18:1/22:0)/TG、GM3-d18:1/21:0/TG、GD1-d18:1/16:0/TG、GM3-d18:1/18:0/TG、PC 16:0/18:2/TG、CE 16:1/TG、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)/TG、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/TG、PC 18:2/18:2/TG、及びCE 16:1/Cholから選択される、前記工程。
【請求項7】
前記治療が脂質改変治療である、請求項に記載の方法。
【請求項8】
(a)コントロールと比較した濃度の低下該指標となる脂質が、Cer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/22:0)及びLacCer(d18:1/24:1)から選択され;
(b)コントロールと比較した濃度の増加該指標となる脂質が、CE 14:0及びCE 20:3から選択され;
(c)コントロールと比較した低下該指標となる脂質-脂質比が、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:1、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、CE 19:1/LPC 20:4、及びCer(d18:1/16:0)/PC 36:3から選択され;
(d)コントロールと比較した増加該指標となる脂質-脂質比がCE 20:4/Cer(d18:1/24:1)であり;
及び/又は
(e)コントロールと比較した低下該指標となる脂質-臨床濃度比がGlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)である、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
(a)コントロールと比較した濃度の低下該指標となる脂質が、Cer(d18:1/16:0), Cer(d18:1/18:0), Cer(d18:1/20:0), Cer(d18:1/24:1), Cer(d18:0/22:0), Cer(d18:0/24:0)、及びCer(d18:0/24:1)から選択され;及び/又は
(b)コントロールと比較した濃度の増加該指標となる脂質-脂質比がCer(d18:1/24:0)/Cer(d18:1/24:1)である、請求項6から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、又は少なくとも8つのそれぞれ脂質濃度、脂質-脂質比又は脂質-臨床濃度比、又は前記の組合せを決定する工程を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
(a)前記CVDが、冠状動脈疾患、末梢動脈疾患、卒中及び/又はCVD死の特徴を有するか;及び/又は
(b)前記対象者がアテローム性動脈硬化症であるか;又は
(c)前記対象者がアテローム性動脈硬化症ではない、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
(a)方法がさらに、当該サンプル中の総コレステロール、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)、アポリポタンパク質B(アポB)及び/又はアポリポタンパク質C-III(アポC-III)の血清レベルを決定する工程を含み;及び/又は
(b)対象者が、総コレステロール、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、アポリポタンパク質C-III(アポC-III)若しくはアポリポタンパク質B(アポB)の1つ又は2つ以上の血清レベルの上昇、又はHDL-コレステロール(HDL-C)の血清レベルの低下を示さない、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記対象者が、(a)1つまたは2つ以上のスタチン及び/又は任意の他のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤で治療されているか又はこれまで治療されてきたか、又は(b)スタチン療法又は任意の他のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤療法をまだ受けていない、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
脂質濃度、脂質-脂質比又は脂質-臨床濃度比が、質量分析法、核磁気共鳴分光学、蛍光分光学又は二重偏光干渉法、高速分離法、免疫アッセイ及び/又は分析物質と特異的に結合できる結合部分を用いることによって決定される、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
方法が以下を目的とする、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法:
(a)前記患者のCVDの発症リスクの決定のためのデータの収集;
(b)前記患者のCVDの初期警告サインの決定のためのデータの収集;
(c)患者のアテローム性動脈硬化症の存在の決定又は予測のためのデータの収集;及び/又は
(d)CVD及び/又はCVD関連疾患(死亡、心筋梗塞(MI)、狭心症、一過性虚血性発作(TIA)及び卒中を含む)の予測または診断のためのデータの収集。
【請求項16】
スタチンが、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、フルバスタチンXL、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン及び/又はシムバスタチンから成る群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
対象者がこれまで心脈管系疾患事象を罹患している、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
アテローム性動脈硬化症又はCVDを予測若しくは検出するため、又は請求項1から17のいずれか1項に記載の方法を実施するためのキットであって、前記キットが、
(a)請求項1、2、6又は(a)、(b)、(c)、(d)若しくは(e)又は(a)若しくは(b)又は8(a)、(b)、(c)、(d)若しくは(e)又は9(a)若しくは(b)に規定の脂質から選択される脂質標準物;
(b)1つ又は2つ以上のリピドームマーカー;及び場合によって
(c)請求項1、2、6又は(a)、(b)、(c)、(d)若しくは(e)又は(a)若しくは(b)又は8(a)、(b)、(c)、(d)若しくは(e)又は9(a)若しくは(b)に規定の脂質のいずれか1つに対する抗体;及び、さらに場合によって
(d)前記方法又は使用を実施するための試薬;
を含む、前記キット。
【請求項19】
アテローム性動脈硬化症又はCVDを予測若しくは検出するための請求項18に規定のキットの使用であって、対象者のサンプル中の脂質濃度、脂質比又はその脂質-臨床濃度比が質量分析を用いることによって決定される、前記キットの使用。
【請求項20】
コントロールサンプルが、健常個体又は健常個体の普遍化集団に由来し、前記サンプルが好ましくは血液サンプル又は血清サンプルである、請求項1−17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
テローム性動脈硬化症又はCVDの1つまたは2つ以上の関連疾患が、心筋梗塞(MI)、急性心筋梗塞(AMI)、狭心症、一過性虚血性発作(TIA)及び卒中の1つまたは2つ以上であり;アテローム性動脈硬化症又はCVDの1つまたは2つ以上の関連疾患が死であり得る、請求項1−17及び20のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アテローム性動脈硬化症又は心脈管系疾患(CVD)並びに前記の致死的及び非致死的合併症(例えば急性心筋梗塞及び死亡を含む)を診断、予測、予防及び/又は治療する、脂質レベルが密接に関係する方法及び使用に関する。本方法は、生物学的サンプルの脂質レベルを分析する工程及び前記脂質レベルをコントロールと比較する工程を含む。
【背景技術】
【0002】
心脈管系疾患は、世界中でますます増大しつつある死亡率及び罹患率の主要な原因である。早期に標的を設定した予防策の開始は極めて有益で、死亡率及び罹患率の減少に重要な機会を提供できる。この目的のために、まだ無症状であるがリスクが高まりつつある個体の正確な認定が必須である。しかしながら、古くからのリスク判定は、相当な割合の高リスク患者を識別することができず、一方、大部分の個体は中間的リスク保有に分類されて患者の管理はあいまいなままである。したがって、リスク判定をいっそう向上させるまた別の手法が希求される。この目的のために、本発明者らは、アテローム性動脈硬化症の診断ツールとして新規なリピドームバイオマーカーを評価した。これら新規なバイオマーカーを用いて、CVD事象(例えば狭心症、心筋梗塞、卒中、及び心脈管死)のリスク上昇個体を認定することができる。
【0003】
血漿若しくは血清総コレステロール、LDL-コレステロール又はHDL-コレステロール濃度は、CDC/CADリスク予測のための貴重な標準バイオマーカーとして用いられてきた。しかしながら、多くの冠状動脈疾患(CAD)又は急性心筋梗塞(AMI)患者が推奨範囲内のLDL-Cレベルを有し、残されたリスクのためにまた別の診断手段の必要性が示唆されている。より初期の大規模集団調査から、これらの手段はCADリスクおよびCAD終末点(例えばAMI又は心脈管死)と密接に関係することは明白である。したがって、予防的処置方法は、これまでのところLDL-C濃度の低下(主としてスタチン処置による)に向けられ、さらに最近ではHDL-Cを上昇させる試みが為されている(例えばCETP阻害剤による)。他方、AMI患者の半数が実際には正常なLDLコレステロールレベルを有すること、及びLDL-C低下にも関わらずスタチン処置患者で相当な残留リスクが存在することもまた観察されている。さらにまた、最近の刊行物は、アポリポタンパク質B(アポB)(LDL粒子の主要な表面タンパク質)の血漿レベル及びLDL-C(これら粒子中のコレステロール量)が相関し、別々に正のリスク因子と考えられることを示している。アポリポタンパク質A1(HDL粒子の主要な表面タンパク質)の血漿レベル及びHDL-C(これら粒子中のコレステロール量)もまた互いに相関し、別々にマイナスのリスク因子と考えられる。重要なことに、ある通常的なアポBについては、低いLDL-Cは高いAMIリスクと密接に関係することが観察され、平均して粒子当たり低いコレステロール含有量を有するLDL粒子(小さくて、密なLDL粒子)は特に危険であるという見解が支持されている。したがって、LDL-Cは、LDL-粒子によって運ばれるより危険な分子と直接結合し、LDL-Cは単に間接的なリスク測定値であると言い得るように思われる。したがって、それら分子、例えばCAD発症で活発な役割を果たす脂質種を探すことが重要である。
【0004】
脂質代謝産物の不均衡は、異脂肪血症(dyslipidemia)及び前記に続くアテローム性動脈硬化症(攻撃を受け易いアテローム性動脈硬化症斑としてそのもっとも重大な形態で出現する)のもっとも考えられる原因である。アテローム性動脈硬化症斑は多数の脂質を含む複合分子形成物である。しかしながら、脂質をCVD研究の興味深い分子群とする、脂質に富む斑又はLDLコレステロール以外に他の要因が存在する。脂質は厳密に調節され、このことはリピドームに関するデータを研究対象生物の現状に関して有意義で有益なものにする。脂質は生物学的な系の頂点の1つであり、予測をもたらす物質というよりはむしろ現実の結果である。リピドームに関するデータと適切なバイオバンクの臨床材料を組み合わせることによって、バイオマーカー発見の好機が提供される。さらにまた、リピドミクスは、薬剤開発及び治療学の進展で有効性と安全性の基準として用いることができる。リピドームバイオマーカーはCVD領域における真のコンパニオン診断学のための最重要候補であり、同様に転換医薬の改善のために多くの機会を提供する。
【0005】
病巣形成部位に脂質を輸送すると考えられる斑構築ブロック及びリポタンパク質は、脂質の構造及び組成を機能と相関させ、それによって疾患の病理発生の相関性を明らかにするリピドーム研究を用いて今では解析することができる。ヒトの身体の脂質媒介物質の数はそれらの同定を圧倒的に超えているが、定量は質量分析法及び脂質生化学の進歩によって容易になり、前記進歩は、今日ではいくつかの脂質クラスの数百の分子性脂質種(集合的にリピドームと称される)の同時高速同定および定量を可能にしている(Ejsing CS, et al: Global analysis of the yeast lipidome by quantitative shotgun mass spectrometry. Proc Natl Acad Sci U S A 2009, 106:2136-2141;Stahlman M, et al: High-throughput shotgun lipidomics by quadrupole time-of-flight mass spectrometry. J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci 2009; Hiukka A, et al: ApoCIII-enriched LDL in type 2 diabetes displays altered lipid composition, increased susceptibility for sphingomyelinase, and increased binding to biglycan. Diabetes 2009, 58:2018-2026;Linden D, et al: Liver-directed overexpression of mitochondrial glycerol-3-phosphate acyltransferase results in hepatic steatosis, increased triacylglycerol secretion and reduced fatty acid oxidation. FASEB J 2006, 20:434-443)。リピドームの研究は脂質の細胞分布を識別し、それらの生化学的メカニズム、相互作用及び動力学を説明する。重要なことには、リピドミクスはリピドームの正確な化学的組成を定量する(Han X, Gross RW: Global analyses of cellular lipidomes directly from crude extracts of biological samples by ESI mass spectrometry: a bridge to lipidomics. J Lipid Res 2003, 44:1071-1079)。
【0006】
今日、リピドームの高い感度及び選択性のおかげで最小のサンプル量でさえ解析することができる。今日、当分野の脂質データの大半は、合算組成様式で脂質を提示し(すなわちホスファチジルコリン(PC)34:1(Brugger B, et al: Quantitative analysis of biological membrane lipids at the low picomole level by nano-electrospray ionization tandem mass spectrometry. Proc Natl Acad Sci U S A 1997, 94:2339-2344)、この場合、分子性脂質及び結合脂肪酸テールは未同定のままである。分子性脂質種の同定、例えばPC 16:0/18:1(Ekroos K, et al: Charting molecular composition of phosphatidylcholines by fatty acid scanning and ion trap MS3 fragmentation. J Lipid Res 2003, 44:2181-2192)は、進歩したリピドミクスの主要な特徴であり、前記は合算脂肪酸情報ではなく高度に解析された分子性脂肪種を提示する。例えば、脂肪酸のタイプ、及び具体的なPC分子を構成するグリセロール骨格へのそれらの結合場所に関する情報が明らかにされる。通常的技術、例えばガスクロマトグラフィーと合体させた薄層クロマトグラフィーが存在するが、それらは相当に大きなサンプル量及び煩雑なサンプル調製を必要とするだけでなく、分子性脂肪種を提示しない。脂質の実体の性状を決定できる多数の質量分析技術にもかかわらず、それらの大半はなお、絶対濃度又は絶対濃度に近い濃度という意味での信頼できる高品質の定量データを提示することができない。本発明の関係では、リピドミクスに基づくエレクトロスプレーイオン化質量分析が好ましい技術であり、分子性リピドームの徹底的な解読及び精密な定量のためにショットガン及び標的照準リピドミクスの両方を用いることができる。ショットガン及び標的照準リピドミクスの優れた品質及び特異性は、適切な環境でセットアップするとき厳格な規制基準、例えば医薬品の安全性試験の実施に関する基準(GLP)に適合するであろう。これらの技術を用いて、2000までの分子性脂質の定量が、高処理様式においてさえも可能である。
【0007】
リピドミクスは患者の分子性脂質プロフィールを基準にして患者を区別するためのツールである。リピドミクスによって可能となった各個体専用医薬及び診断は、もっとも適切な薬剤をもっとも適切な時期及び用量でもっとも適切な個体に投与するという使命を容易にするであろう。多くの分子の中でとりわけ脂質、タンパク質及び親水性分子から成る解析物質を利用するいくつかの研究が実施され、各個体専用医薬の要件を満たした。最近非仮説誘導メタボロームスクリーニングを用いて新規なCVDバイオマーカーが同定された。
例えばWO2004/038381は、対象者の病状の診断をメタボロームにより容易にする方法、又は対象者が病的状態を有する素因を持つか否かを予測する方法を開示し、この方法では、対象者の小分子プロフィールを入手し、前記を標準的な小分子プロフィールと比較する。
さらにまた、Zhangらは、IT-TOF質量分析と一組みにした超高速液体クロマトグラフィー(UFLC/MS-IT-TOF)を利用して、アテローム性動脈硬化症ラットの血漿及び尿の代謝プロフィールを調べた(Zhang F, et al: Metabonomics study of atherosclerosis rats by ultra fast liquid chromatography coupled with ion trap-time of flight mass spectrometry. Talanta 2009, 79:836-844)。彼らの観察は、フェニルアラニン、トリプトファン、胆汁酸及びアミノ酸の異常代謝はアテローム性動脈硬化症の発症と関係があり得ることを示唆している。さらにまた、Zhaらは、アテローム性動脈硬化症の発症の潜在的マーカーの可能性がある、ハムスターの21の化合物の代謝フィンガープリントを同定した(Zha W, et al: Metabonomic characterization of early atherosclerosis in hamsters with induced cholesterol. Biomarkers 2009, 14:372-380)。
【0008】
より具体的には、US2008/0085939は、アテローム性動脈硬化症に付随する炎症過程の予防及び/又は治療のために、特異的スフィンゴ脂質(特にフィトスフィンゴシン、スフィンゴシン及び/又はスフィンガニン)の使用に関する。前記は、スフィンゴ脂質が抗炎症性作用を有するという観察に基づいている。同様に、WO2008/148857は、患者の血液サンプルからHDL分画又は部分分画を単離することによって、患者で心脈管系疾患(アテローム性動脈硬化症を含む)のリスクを判定する方法を開示する。測定されるべきHDL分画又は部分分画の成分はスフィンゴシン-1-ホスフェート(S1P)、スフィンゴミエリン(SM)及びアポリポタンパク質A-I(アポA-1)であった。
WO2008/11943はさらに、冠状動脈疾患を有するか又は発症するリスクがある患者を示すことができる冠状動脈疾患検出マーカーを開示する。これらには以下の “第一に選択される”15の分子が含まれる:C18:3コレステロールエステル、C32:1ホスファチジルコリン、アラニン、脂質(主としてVLDL)、リジン、ヘキサデカン酸、C36:2ホスファチジルコリン、ホルメート、C32:2ホスファチジルコリン、C18:2(リノレイン酸)、コレステロール、C18:2リゾ−ホスファチジルコリン、C36:3ホスファチジルコリン、C34:4ホスファチジルコリン及びC34:3ホスファチジルコリン。
【0009】
さらにまた、US2007/0099242は、対象者が心脈管系疾患の発症又は罹患のリスクがあるか否かを決定する方法を記載している。前記方法は、生物学的サンプルまたはそのHDL部分分画中のバイオマーカーの量の変化を決定する工程を含み、この場合、前記バイオマーカーは以下のうちの少なくとも1つである:アポリポタンパク質C-IV(“アポC-IV”)、パラオキソナーゼ(“PON-1”)、補体因子3(“C3”)、アポリポタンパク質A-IV(“アポA-IV”)、アポリポタンパク質E(“アポE”)、アポリポタンパク質LI(“アポL1”)、補体因子4(“C4”)、補体因子C4B1(“C4B1”)、ヒストンH2A、アポリポタンパク質C-II(“アポC-II”)、アポリポタンパク質M(“アポM”)、ビトロネクチン、ハプトグロビン-関連タンパク質及びクラステリン。前記文献はまた、1つ又は2つ以上のアテローム性動脈硬化症病巣の存在を検出する方法を開示する。前記方法では、生物学的サンプルまたはそのHDL部分分画中のバイオマーカーの量の変化を検出しコントロールサンプルと比較し、この場合、バイオマーカーは、PON-1、C3、C4、アポE、アポM及びC4b1から選択される。前記文献に記載されている全てのマーカーがタンパク質又はリポタンパク質バイオマーカーである。
【0010】
以前の研究から、ただ単に脂質の分析によってCVDバイオマーカーがもたらされるであろうと推論することはできない。特異的なバイオマーカー(いくつかの脂質分析物質もまた含まれていた)を見つけようとするより初期の分析的試みは、臨床的価値のある新規な脂質バイオマーカーの発見をもたらさなかった。本発明は、多数の分析物質のプロフィールを得る代わりに、範囲を限定した分子性脂質種の絶対的(又は絶対的に近い)定量によってCVDバイオマーカーを同定する。重要なことには、既存のバイオマーカー候補の多くは多数の因子の混成フィンガープリントであるが、本明細書のリピドミクスによるアプローチは単一種のレベル又はその比率における値を既に示している。本発明は、脂質バイオマーカー濃度を測定し定量し、したがってより高い正確性をその発見に付加し、脂質系バイオマーカーの正確な使用を可能にする最初のものである。本明細書の脂質バイオマーカーは上記刊行物ではCVDリスク予測に結び付けられてなかった。測定される脂質濃度に影響を与え得る因子を考慮することが重要であるので、注意深く患者を選択することによってさらにいっそうの正確性が達成された。したがって、我々は、スタチン使用者、適合症例、及びアポBレベルのコントロール(アポBは血中の主要な脂質保持粒子である)を除外し、さらに男性のみを対象に含めた。上記に記載した以前の試みとは異なり、我々は特別な標的照準プラットフォームを単一技術セットアップで用い、脂質種を詳細に分析した。
【0011】
本明細書で開示する発明の関係で利用した技術及び方法は、とりわけ以下の規準のゆえに当分野の同様な試みとは区別される。サンプル調製では、サンプルは厳密に管理し、同一の処理をして不適切な操作により生じ得る潜在的人工産物を回避する。本発明との関係では、サンプルは氷上でゆっくりと慎重に溶解し、その後、直ちに注文誂えの自動脂質抽出(これまでのところ液体操作で最高の精密さを有し、したがって潜在的誤差を最小限にする)に付した。したがって、サンプルの凍結融解サイクルは厳密に管理した(なぜならば凍結融解は脂質の安定性に劇的に影響するからである)。自動化脂質抽出は、クロロホルム及びメタノールを使用する、フォルクとその共同研究者らの方法に基づく(Folch J, et al: A simple method for the isolation and purification of total lipids from animal tissues. J Biol Chem 1957, 226(1):497-509)。この方法は、極性から非極性の広範囲の脂質クラスを最適な収量で抽出する(したがって脂質種の損失を防ぐ)ときに好ましい。適用が可能な場合には、内部標準物質として脂質クラスに特異的な非内因性脂質を用い、同定及びモニターされる分子性脂質種の定量時に最高の精密性を得た(偽陽性を最小限にした)。このようにして、内因性分子脂質種の絶対的または半絶対的な量を、今日の技術で到達し得る最高の精密さで決定した。内因性脂質及び対応する標準物は分子性脂質レベルでモニターした。このようにして、偽陽性の同定を最小限にするだけでなく、分子性脂質もまた精密に決定及び定量することができた。分析の品質は、新規な品質制御系を用いて厳密に管理した。前記は、主として多重内部標準物(IS)、外部標準物(ES)、IS/ES比、及び装置コントロールサンプルによって管理された。これらの成分を厳密に管理することによって、技術的及び生物学的アウトライアーが容易に認定され更なる分析から排除された。各分子性脂質についての感度、選択性及び定量において最良の精密性を得るために、種々の標的照準プラットフォームを用いた。いくつかの脂質では、質量分析による多重反応モニタリング(MRM)と組み合わせた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又は超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)を用いて最良の分析が得られ、他の脂質では、質量分析による前駆体イオンスキャン及び中性ロススキャン技術と組み合わせた直接注入によって最良の分析が得られた。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、アテローム性動脈硬化症又は心脈管系疾患(CVD)の発症を予測するための新規なリピドームマーカーを提供する。特に、本明細書で提供する脂質分子、脂質-脂質比、及び脂質-臨床濃度比は、アテローム性動脈硬化症又はCVD患者由来のサンプルで(事情に応じて)増加又は低下レベルを示す時は、本発明の方法および使用のために有用なリピドームマーカーである。これらの鋭敏で特異的なマーカーを詳細に検査して、アテローム性動脈硬化症及びCVDを予測する従来の臨床で用いられているマーカーと比較して優れた診断価値及び予後判定価値を示した。本発明はしたがって、アテローム性動脈硬化症又はCVDの診断及び/又は予測に従来用いられている他のマーカー(LDL-C、総血漿/血清コレステロール及びアポリポタンパク質B及びA1が含まれる)に対して顕著な利点を提供する。したがって、本明細書で提供するリピドームマーカーは、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は主要なCVD合併症(例えばAMI又はCVD死)の発症リスクのより良好な診断又は判定を可能にする。本発明にしたがえば、これら方法は、とりわけ患者のCVD発症リスクを決定するために、前記患者のCVDの初期警告サイン決定するために、患者でアテローム性動脈硬化症の存在を決定又は予測するために、及び/又はCVD及び/又はCVD合併症(死亡、心筋梗塞(MI)、狭心症、一過性虚血性発作(transischemic attack, TIA)及び卒中が含まれる)を予測及び/又は診断するために開示される。
【0013】
本発明の方法は、典型的にはa)アテローム性動脈硬化症前又はアテローム性動脈硬化症時の対象者の生物学的サンプルを提供する工程;b)前記サンプルから脂質濃度、脂質-脂質比若しくは脂質-臨床濃度比又は該当するプロフィールを決定する工程(すなわち本発明のリピドームマーカーに関する情報を決定する工程);及びc)決定した前記脂質濃度比、脂質-脂質比若しくは脂質-臨床濃度比又は前記該当するプロフィールを、コントロール中の対応する脂質濃度、脂質-脂質比若しくは脂質-臨床濃度比又は該当するプロフィールと比較する工程を含む。
コントロールは健常個体由来サンプルであり得る。コントロールは、健常個体の普遍化集団由来サンプルの組合せを表すサンプルであってもよい。或いは、コントロールは、本発明のリピドームマーカーに関するデータセット、例えば1人の健常個体から採取された1つのサンプル中の、又は健常個体の普遍化集団から採取された組合せサンプル中の本発明の脂質濃度、脂質-脂質比、又は脂質-臨床濃度比に関する情報であってもよい。前記情報、したがって対応するデータセットは、以前に決定、計算又は推論しておいてもよく、又は未だ決定、計算又は推論してなくてもよく、又は文献から入手してもよい。
上記で述べたように、対象者のサンプルとコントロール(又はコントロールサンプル)との間で比較されるべきリピドームマーカーは、本明細書に記載及び特許請求したように、1つ又は2つ以上の脂質濃度、脂質-脂質比若しくは脂質-臨床濃度比又は前記の組合せ(すなわち対応するプロフィール)であり得る。これに関して、コントロール又はコントロールサンプルはリピドームマーカーの基準値又は開始点の確立を可能にする。
【0014】
本明細書に記載及び特許請求した本発明の全ての特徴及び実施態様に関して、脂質濃度、脂質-脂質比又は脂質-臨床濃度比の決定は典型的にはアッセイを用いて実施される。患者サンプル及び(適切な場合には)対応するコントロールサンプルに由来するリピドームマーカー(すなわち脂質濃度、脂質-脂質比若しくは脂質-臨床濃度比又は前記の組合せ(すなわち対応するプロフィール))に関する情報の収集は、多様な化学的及び高解析分析技術を用いて実施できる。適切な分析技術には、質量分析及び核共鳴分光学が含まれるが、ただしこれらに限定されない。個々の脂質又は脂質クラスを解析して前記の構造情報を提供することができる高解析技術を用いて、問題のリピドームマーカーに関する情報、例えば生物学的サンプルの脂質プロフィールを収集することができる。質量分析(MS)によるリピドームマーカーに関する情報を収集することは、本発明の好ましい実施態様である。MSの装置をサンプル直接注入方法(例えば自動ナノフローイオン供給装置)、又は高速分離法法(例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又は超高速液体クロマトグラフィー(UPLC))と一組みにすることができる。
【0015】
さらに本明細書に記載及び特許請求した全ての特徴及び実施態様にしたがえば、対象者由来サンプル及びコントロールサンプルの両方が好ましくは血液サンプル、より好ましくは血漿サンプル、又は好ましくは血清サンプルである。前記はまた血液、血漿又は血清の分画、例えばリポタンパク質分画であってもよい。血液サンプルを調製し、さらに前記から血漿又は血清(又はその分画)を当業者に周知の技術により分離することができる。また別には、対象者由来サンプル及びコントロールサンプルの両方はまた組織サンプル、例えば動脈組織(例えば頸動脈組織)又は動脈斑材料(例えば頸動脈斑材料)であってもよい。本発明のリピドームマーカーは、アテローム性動脈硬化症若しくはCVD又は致死的若しくは非致死的CVD合併症のより早期の予測を可能にする。このことは、より早期の介入、症状の進行及び苦痛の緩和、並びにCVD関連罹患率の減少を可能にする。したがって、本明細書に記載及び特許請求したリピドームマーカーは、アテローム性動脈硬化症又はCVD又はそれらの合併症に罹患しているか、又は発症リスクを有する患者に対して各個体専用の薬剤の介入を可能にする。
【0016】
換言すれば、本発明は、アテローム性動脈硬化症又はCVD又はそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)の診断又は予測で使用される、診断用及び/又は予測用脂質マーカー及び脂質-脂質比又は脂質-臨床濃度比を開示する。本発明は、脂質濃度、脂質-脂質比及び/又は脂質-臨床濃度比の測定を用いて、前記対象者のCVD発症リスクを決定し、前記対象者の初期警告サインを決定し、対象者でアテローム性動脈硬化症を決定又は予測し、及び/又はCVDを予測及び/又は診断する。対象者は、心脈管系疾患事象(例えば狭心症、心筋梗塞、卒中及び心脈管系死)を以前に罹患していてもよい。CVDはアテローム性動脈硬化症の結果であってもなくてもよい。
【0017】
したがって本発明のある特徴では、対象者がアテローム性動脈硬化症又は心脈管系疾患(CVD)及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)の発症リスクを有するか又は前記に罹患しているか否かを決定する方法が提供される。前記方法は、前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質の濃度を決定する工程を含み、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の濃度の増加又は低下は、前記対象者が、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)に罹患しているか、又は前記を発症するリスクの増加を有することの指標であり、ここで、その濃度の増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質は、Cer(d18:0/22:0)、Cer(d18:0/24:0)、Cer(d18:0/24:1)、Cer(d18:1/16:0)、Cer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/20:0)、Cer(d18:1/24:1)、GlcCer(d18:1/16:0)、GlcCer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/20:0)、LacCer(d18:1/22:0)、LacCer(d18:1/24:1)、総LacCer、LacCer(d18:1/24:0)、総Cer、GlcCer(d18:1/24:0)、総GlcCer、及びLacCer(d18:1/16:0)から選択され、さらにその濃度の低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質は、CE 14:0, CE 16:0、CE 17:1、CE 20:3、PC 35:3 (PC O-34:3)、Cer(d18:0/24:0)、GD3-d18:1/16:0、PC 16:0/16:1、PC 37:5 (PC O-38:5)、SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、SM (d18:1/18:1)、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、総CE、総GD3、総PC O、総PC、PC 16:0/20:4、CE 18:0, Cer(d18:1/26:1)、CE 15:0、SM (d18:1/15:0)(d18:1/14:1-OH)、GM3-d18:1/18:0、PC 37:5 (PC O-36:5)、GM3-d18:1/21:0、PC 16:0/18:2、総PI、SM (d18:1/17:0) (d18:1/16:1-OH)、Cer(d18:1/26:0)、PC 18:0/20:5、PI 38:3、PC 40:5、GM2-d18:1/18:0、総GM2、GD1-d18:1/16:0、PC 16:0/20:5、PC 16:0/22:5、PC 18:0/20:3、PC 16:0/22:6、PI 38:4及びPC 16:0/20:4 から選択される(表2、5、8および11を参照されたい)。
【0018】
好ましい実施態様では、その濃度の増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質は、Cer(d18:0/22:0)、Cer(d18:0/24:0)、Cer(d18:0/24:1)、Cer(d18:1/16:0)、Cer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/24:1)、GlcCer(d18:1/16:0)、GlcCer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/20:0)、LacCer(d18:1/22:0)、及びLacCer(d18:1/24:1)から選択される。
別の好ましい実施態様では、その濃度の低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質は、CE 16:0、CE 17:1、PC 35:3 (PC O-34:3)、CE 14:0, CE 20:3、総CE、Cer(d18:0/24:0)、GD3-d18:1/16:0、PC 16:0/16:1、PC 37:5 (PC O-38:5、 SM (d18:1/18:1)、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、総GD3、及び総PCから選択される(表14及び15を参照されたい)。
特に好ましい実施態様では、その濃度の増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質は、Cer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/22:0)、及びLacCer(d18:1/24:1)から選択される。
別の特に好ましい実施態様では、その濃度の低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質はCE 14:0及びCE 20:3から選択される(表20を参照されたい)。
【0019】
また別の実施態様では、本発明は、対象者がアテローム性動脈硬化症又は心脈管系疾患(CVD)及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)の発症リスクを有するか又は前記に罹患しているか否かを決定する方法に関する。前記方法は、前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質-脂質比を決定する工程を含み、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の脂質-脂質比の増加又は低下は、前記対象者が、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)に罹患しているか、又は前記を発症するリスクの増加を有することの指標であり、ここで、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-脂質比は、CE 19:1/LPC 20:4、Cer(d18:1/16:0)/LPC 16:0、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:1、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、Cer(d18:1/16:0)/PC 16:0/20:4、Cer(d18:1/16:0)/PC 18:1/18:2、Cer(d18:1/16:0)/PC 33:2 (PC O-34:2)、Cer(d18:1/16:0)/PC 35:3 (PC O-36:3)、Cer(d18:1/16:0)/PC 35:4 (PC O-36:4)、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:3、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:4、Cer(d18:1/16:0)/PC 33:3 (PC O-34:3)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/18:0)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)、Cer(d18:1/16:0)/総CE、Cer(d18:1/16:0)/総LPC、Cer(d18:1/16:0)/総PC、Cer(d18:1/20:0)/LPC 18:2、Cer(d18:1/22:0)/LPC 18:2、Cer(d18:1/22:0)/PC 33:3 (PC O-34:3)、Cer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/24:0)(d18:1/23:1-OH)、Cer(d18:1/24:1)/LPC 18:2、Cer(d18:1/24:1)/PC 33:3 (PC O-34:3)、Cer(d18:1/24:1)/SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)、Cer(d18:1/24:1)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、Cer(d18:1/24:1)/SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)、GlcCer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、GlcCer(d18:1/18:0)/LPC 18:2, GlcCer(d18:1/26:1)/SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH), LacCer(d18:1/18:0)/PC 36:4、LacCer(d18:1/22:0)/PC 16:0/20:4、LacCer(d18:1/22:0)/PC 18:0/20:4、LacCer(d18:1/22:0)/PC 35:4 (PC O-36:4)、LacCer(d18:1/22:0)/PC 36:4、LacCer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、LacCer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)、LacCer(d18:1/22:0)/総CE、LacCer(d18:1/24:1)/PC 16:0/20:4、LacCer(d18:1/24:1)/PC 18:0/20:4、LacCer(d18:1/24:1)/PC 36:4、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、PC 38:0/PC 38:5、Cer(d18:1/16:0)/Cer(d18:1/26:0)、DAG 16:1/16:1/PC 32:1、DAG 16:1/16:1/PI 38:4、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/18:1)、GlcCer(d18:1/24:1)/SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、及びSM (d18:1/16:0) (d18:1/15:1-OH)/SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、PC 18:0/20:3/PC33:3(PC O-34:3)、GlcCer(d18:1/26:1)/LPC 18:2、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、Cer(d18:1/24:1)/総CE、LacCer(d18:1/22:0)/総CE、CE 22:2/LPC 20:4、Cer(d18:1/20:0)/SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)、Cer(d18:1/22:0)/総CE、LacCer(d18:1/18:0)/PC 40:7、GlcCer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、Cer(d18:1/24:1)/PC35:4(PC O-36:4)、Cer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)、Cer(d18:1/20:0)/総CE、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:2、Cer(d18:1/16:0)/PC 18:0/18:2、Cer(d18:1/22:0)/PC 40:7、Cer(d18:1/22:0)/PC 39:0 (PC O-40:0)、GlcCer(d18:1/18:0)/LPC 18:1、CE 20:0/PC 40:4、GlcCer(d18:1/16:0)/PC 36:2、LacCer(d18:1/16:0)/PC 35:2 (PC O-36:2)、PC 39:7 (PC O-40:7)/総CE, PC 38:0/総CE、PC 38:0/PC 35:6 (PC O-36:5)、総LacCer/総PC O、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)/SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)、LPC 18:1/PC 32:1、Cer(d18:1/24:1)/PC 32:1、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、GM3-d18:1/24:1/PC 32:1、DAG 16:1/16:1/PC 30:0、Cer(d18:1/24:1)/SM (d18:1/18:1)、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/18:1)、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、Cer(d18:1/16:0)/PC 32:1、LacCer(d18:1/16:0)/PC 40:6、Cer(d18:1/24:1)/PC 38:4、LPC 18:0/PC 32:1、Cer(d18:1/24:1)/PC 34:2、GM3-d18:1/24:2/SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、GM3-d18:1/24:2/PC 32:1、GM3-d18:1/24:1/PC 34:2、GlcCer(d18:1/16:0)/PC 32:1、GM3-d18:1/24:1/PC 36:4、GM3-d18:1/16:0/SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、GM3-d18:1/24:1/PC 34:1、Cer(d18:1/16:0)/PC 34:2、GlcCer(d18:1/16:0)/PC 34:2、GM3-d18:1/16:0/PC 32:1、Cer(d18:1/16:0)/PC 34:1、Cer(d18:1/24:1)/PC 34:3、GlcCer(d18:1/16:0)/PC 34:1、GM3-d18:1/18:0/PC 32:1、Cer(d18:1/16:0)/PC 34:3、GlcCer(d18:1/16:0)/PC 34:3、LPC 16:0/SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)、GlcCer(d18:1/20:0)/PC 34:3、及びGlcCer(d18:1/18:0)/PC 34:3から選択され、さらにここで、その低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-脂質比は、LPC 20:4/PC 35:1 (PC O-36:1)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/26:1)、CE 16:1/総LacCer、CE 22:6/LacCer(d18:1/22:0)、CE 16:1/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 16:0/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 22:6/Cer(d18:1/16:0)、CE 14:0/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 16:0/総LacCer、CE 18:2/Cer(d18:1/16:0)、CE 16:0/LacCer(d18:1/22:0)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/24:1)、CE 18:1/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 18:0/Cer(d18:1/16:0)、LPC 20:4/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 16:0/Cer(d18:1/24:1)、CE 17:1/LacCer(d18:1/22:0)、CE 18:2/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 22:6/GlcCer(d18:1/16:0)、総CE/総LacCer、CE 14:0/Cer(d18:1/24:1)、CE 20:4/LacCer(d18:1/16:0)、CE 22:6/総LacCer、CE 22:6/LacCer(d18:1/24:1)、CE 18:1/Cer(d18:1/16:0)、CE 16:1/Cer(d18:1/16:0)、CE 16:1/LacCer(d18:1/22:0)、CE 16:0/LacCer(d18:1/16:0)、CE 16:1/CE 22:2、CE 16:1/Cer(d18:1/24:1)、CE 22:6/LacCer(d18:1/18:0)、CE 22:6/LacCer(d18:1/20:0)、CE 20:4/LacCer(d18:1/22:0)、CE 20:4/Cer(d18:1/24:1)、CE 16:1/CE 20:0、CE 20:4/Cer(d18:1/16:0)、LPC 20:4/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 20:4/総GlcCer、CE 20:4/総LacCer、CE 20:4/SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)、LPC 20:4/PC 35:1 (PC O-36:1)、CE 14:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 17:1/Cer(d18:1/16:0)、CE 17:1/Cer(d18:1/24:1)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/18:0)、CE 16:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:1/Cer(d18:1/24:1)、CE 16:0/Cer(d18:1/24:1)、CE 16:0/DAG 16:1/16:1、CE 16:1/CE 20:3、CE 16:1/DAG 16:1/16:1、CE 16:1/GM3-d18:1/24:1、CE 16:1/LPC 16:0、CE 18:2/Cer(d18:1/24:1)、CE 18:2/DAG 16:1/16:1、CE 18:2/GlcCer(d18:1/24:1), CE 18:2/GM3-d18:1/24:1, CE 18:3/Cer(d18:1/24:1), CE 20:4/DAG 16:1/16:1、Cer(d18:0/22:0)/PE 36:2、Cer(d18:0/24:0)/Cer(d18:1/16:0)、Cer(d18:0/24:0)/DAG 16:1/16:1、Cer(d18:1/24:0)/Cer(d18:1/24:1)、GD3-d18:1/16:0/GlcCer(d18:1/24:1)、GlcCer(d18:1/26:0)/GlcCer(d18:1/26:1)、GM3-d18:1/18:0/GlcCer(d18:1/24:1)、GM3-d18:1/18:0/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/20:0/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/21:0/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/22:1/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/23:0/GM3-d18:1/24:、PC 16:0/18:2/PE 36:2、PC 32:1/PC 36:1、PC 34:1/PE 36:2、PC 34:2/PE 36:2、PC 34:3/PE 36:2、PC 36:2/PE 36:2、SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)/SM (d18:1/24:1)(d18:1/23:2-OH)、SM (d18:1/18:1)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)/総Cer、CE 18:2/Cer(d18:1/22:0)、PC 36:4/PC 38:0、CE 18:2/総Cer、CE 20:4/Cer(d18:1/22:0)、CE 18:1/LacCer(d18:1/16:0)、CE 18:1/GlcCer(d18:1/18:0)、CE 18:1/LacCer(d18:1/22:0)、総CE/総LacCer、CE 18:1/総LacCer、CE 18:1/LacCer(d18:1/24:1)、CE 20:4/Cer(d18:1/24:1)、LPC 18:2/LacCer(d18:1/22:0)、CE 20:4/総LacCer、CE 17:1/LacCer(d18:1/20:0)、CE 20:4/LacCer(d18:1/24:1)、CE 16:1/GlcCer(d18:1/18:0)、LPC 20:4/PC 38:0、GM3-d18:1/20:0/GM3-d18:1/22:0、GM3-d18:1/22:1/GM3-d18:1/24:1、Cer(d18:1/26:0)/GlcCer(d18:1/16:0)、GM3-d18:1/20:0/GM3-d18:1/24:1、CE 18:2/GlcCer(d18:1/26:1)、CE 18:3/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:2/Cer(d18:1/24:1)、GD3-d18:1/16:0/GM3-d18:1/24:1、Cer(d18:1/26:0)/GlcCer(d18:1/24:1)、CE 16:1/LPC 16:0、CE 16:1/CE 20:3、CE 16:1/LPC 18:1、CE 16:1/DAG 16:1/16:1、及びCE 16:1/LacCer(d18:1/16:0)から選択される(表3、6、9及び12を参照されたい)。
【0020】
好ましい実施態様では、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-脂質比は、CE 19:1/LPC 20:4、Cer(d18:1/24:1)/LPC 18:2、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、PC 38:0/PC 38:5、LacCer(d18:1/24:1)/PC 16:0/20:4、GlcCer(d18:1/26:1)/SM (d18:1/24:2-OH) (d18:1/25:1)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、Cer(d18:1/16:0)/PC 18:1/18:2、Cer(d18:1/16:0)/PC 35:3 (PC O-34:3)、GlcCer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、LacCer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、LacCer(d18:1/22:0)/PC 35:4 (PC O-36:4)、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:3、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:1、LacCer(d18:1/22:0)/PC 16:0/20:4、Cer(d18:1/16:0)/Cer(d18:1/26:0)、DAG 16:1/16:1/PC 32:1、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、及びGM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/18:1)から選択される。
別の好ましい実施態様では、その低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-脂質比は、CE 16:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:2/Cer(d18:1/16:0)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 18:1/Cer(d18:1/16:0)、CE 22:6/Cer(d18:1/16:0)、CE 16:1/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 18:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:2/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 16:0/GlcCer(d18:1/16:0)、LPC 20:4/PC 35:1 (PC O-36:1)。総CE/総LacCer、CE 20:4/Cer(d18:1/24:1)、CE 16:1/DAG 16:1/16:1、CE 18:2/Cer(d18:1/24:1)、CE 18:2/Cer(d18:1/16:0)、Cer(d18:1/24:0)/Cer(d18:1/24:1)、Cer(d18:0/24:0)/DAG 16:1/16:1、Cer(d18:0/24:0)/Cer(d18:1/16:0)、GD3-d18:1/16:0/GlcCer(d18:1/24:1)、GlcCer(d18:1/26:0)/GlcCer(d18:1/26:1)、GM3-d18:1/22:1/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/20:0/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/18:0/GlcCer(d18:1/24:1)、PC 16:0/18:2/PE 36:2、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、CE 16:1/CE 20:3、CE 16:1/Cer(d18:1/16:0)、及びCE 16:1/LPC 16:0から選択される(表16及び17を参照されたい)。
特に好ましい実施態様では、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-脂質比は、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:1、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、CE 19:1/LPC 20:4、及びCer(d18:1/16:0)/PC 36:3から選択され、さらにその低下がコントロールと比較される脂質-脂質比はCE 20:4/Cer(18:1/24:1)である(表20を参照されたい)。
【0021】
さらにまた別の実施態様では、本発明は、対象者がアテローム性動脈硬化症又は心脈管系疾患(CVD)及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)の発症リスクを有するか又は前記に罹患しているか否かを決定する方法に関する。前記方法は、前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比を決定する工程を含み、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の脂質-臨床濃度比の増加又は低下は、前記対象者が、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)に罹患しているか、又は前記を発症するリスクの増加を有することの指標であり、ここで、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比は、Cer(d18:0/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:0/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:0/22:0)/HDL コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:0/24:1)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:0/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:0/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質B(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質E(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/ボディ・マス指数(kg/m2)、Cer(d18:1/16:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/遊離コレステロール(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/HDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/HDLリン脂質(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/LDLリン脂質(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/リン脂質(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/総コレステロール(EDTA) (mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、GlcCer(d18:1/18:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、GlcCer(d18:1/26:1)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、GlcCer(d18:1/26:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/LDL遊離コレステロール(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、PC 18:0/20:3/VLDLアポリポタンパク質B(mg/dL)、総Cer/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、総Cer/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、総LacCer/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、総LacCer/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、DAG 16:1/16:1/HDL、GM3-d18:1/24:2/HDL、GlcCer(d18:1/26:1)/HDL、Cer(d18:1/24:1)/LDL、GM3-d18:1/16:0/HDL、Cer(d18:1/24:1)/Chol、Cer(d18:1/16:0)/Chol、Cer(d18:1/24:1)/HDL、GM3-d18:1/24:1/HDL、GlcCer(d18:1/24:1)/HDL、Cer(d18:1/16:0)/HDL、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質E(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:0)/アポリポタンパク質C-II(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、総LacCer/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/20:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:0)/HDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、LacCer(d18:1/18:0)/LDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/16:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、総LacCer/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/20:0)/HDLリン脂質(mg/dL)、総LacCer/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/LDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、GlcCer(d18:1/24:0)/アポリポタンパク質A-I (mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/LDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/LDL リン脂質(mg/dL)、総GlcCer/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/LDL 遊離コレステロール(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質B(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/LDLコレステロール(EDTA) (mg/dL)、総Cer/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/16:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/HDL遊離コレステロール(mg/dL)、総LacCer/LDLコレステロールエステル(mg/dL)、総LacCer/LDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、総Cer/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、総LacCer/リン脂質(mg/dL)、GlcCer(d18:1/20:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、総LacCer/HDL遊離コレステロール(mg/dL)、総LacCer/アポリポタンパク質B(mg/dL)、LacCer(d18:1/16:0)/LDLコレステロールエステル(mg/dL)、総LacCer/LDLリン脂質(mg/dL)、LacCer(d18:1/16:0)/LDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、GlcCer(d18:1/24:1)/HDL、DAG 16:1/16:1/HDL、Cer(d18:1/24:1)/LD、Cer(d18:1/24:1)/Chol、及びCer(d18:1/16:0)/Cholから選択され、さらにここで、その低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比は、CE 14:0/遊離脂肪酸(mmol/L)、CE 16:0/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 17:1/アポリポタンパク質C-III (mg/dL)、CE 17:1/遊離脂肪酸(mmol/L)、CE 17:1/遊離グリセロール(mg/dL)、CE 18:0/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 18:1/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 20:3/遊離脂肪酸(mmol/L)、CE 20:4/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 20:4/遊離脂肪酸(mmol/L)、LPC 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、PC 18:1/18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、PC 39:0 (PC O-40:0)/遊離脂肪酸(mmol/L)、PC 40:7/遊離脂肪酸(mmol/L)、SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)/遊離脂肪酸(mmol/L)、SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)/遊離脂肪酸(mmol/L)、総CE/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 14:0/TG、CE 16:0/TG、CE 16:1/Chol、CE 16:1/TG、CE 18:0/TG、CE 18:2/TG、CE 18:3/TG、CE 20:4/TG、Cer(d18:0/22:0)/TG、Cer(d18:0/24:0)/TG、Cer(d18:0/24:1)/TG、Cer(d18:1/24:0)/TG、Cer(d18:1/26:0)/TG、DAG 18:1/18:2/TG、GD1-d18:1/16:0/TG、GD3-d18:1/16:0/TG、GM3-d18:1/18:0/TG、GM3-d18:1/21:0/TG、LacCer(d18:1/22:0)/TG、PC 16:0/16:1/TG、PC 16:0/18:1/TG、PC 16:0/18:2/TG、PC 16:0/20:4/TG、PC 16:0/22:5/TG、PC 16:0/22:6/TG、PC 18:0/18:2/TG、PC 18:0/20:3/TG、PC 18:2/18:2/TG、PC 30:0/TG、PC 32:1/TG、PC 34:1/TG、PC 34:2/TG、PC 34:3/TG、PC 35:2/TG、PC 36:2/TG、PC 36:4/TG、PC 38:3/TG、PC 38:4/TG、PC 40:6/TG、PC 35:2 (PC O-36:2)/TG、PI 36:2/TG、PI 38:3/TG、PI 38:4/TG、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)/TG、SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)/TG、SM (d18:1/17:0) (d18:1/16:1-OH)/TG、SM (d18:1/18:1)/TG、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/TG、SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)/TG、CE 20:4/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 14:0/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 20:4/遊離脂肪酸(mmol/L)、LPC 20:4/遊離脂肪酸(mmol/L)、総PC O/C-反応性タンパク質(mg/dL)、Cer(d18:1/24:0)/Chol、CE 18:0/LDL、CE 18:2/LDL、Cer(d18:1/26:0)/Chol、CE 18:2/Chol、CE 20:5/LDL、CE 18:3/Chol、CE 20:5/Chol、PE 38:5/TG、CE 17:0/TG、CE 16:1/Chol、Cer(d18:1/22:0)/TG、PE 38:4/TG、Cer(d18:1/18:0)/TG、CE 22:6/TG、CE 15:0/TG、DAG 18:1/18:2/TG、PC 18:0/20:5/TG、PC 32:0/TG、CE 16:0/TG、Cer(d18:1/24:0)/TG、CE 20:5/TG、PC 40:6/TG、GM3-d18:1/21:0/TG、SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)/TG、PC 35:2 (PC O-36:2)/TG、CE 18:3/TG、PC 35:2 (PC O-34:2)/TG、PC 16:0/20:5/TG、CE 18:2/TG、CE 18:0/TG、PC 16:0/18:2/TG、PC 16:0/22:6/TG、CE 14:0/TG、PC 34:1/TG、SM (d18:1/17:0) (d18:1/16:1-OH)/TG、PC 36:5/TG、PC 38:3/TG、PC 18:0/20:3/TG、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)/TG、PC 34:2/TG、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/TG、CE 16:1/TG、PC 18:2/18:2/TG、及びPC 32:1/TGから選択される(表4、7、10及び13を参照されたい)。
【0022】
好ましい実施態様では、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比は、Cer(d18:0/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:0/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0) /総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/HDL、Cer(d18:1/24:1)/HDL、DAG 16:1/16:1/HDL、GlcCer(d18:1/24:1)/HDL、GlcCer(d18:1/26:1)/HDL、GM3-d18:1/16:0/HDL、GM3-d18:1/24:1/HDL、Cer(d18:1/24:1)/Chol及びGM3-d18:1/24:2/HDLから選択される。
【0023】
別の好ましい実施態様では、その低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比は、LPC 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)/遊離脂肪酸(mmol/L)、CE 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 20:4/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、Cer(d18:0/24:0)/TG、DAG 18:1/18:2/TG、PC 18:0/20:3/TG、CE 18:2/TG、SM (d18:1/18:1)/TG、Cer(d18:1/24:0)/TG、PI 38:3/TG、GD3-d18:1/16:0/TG、LacCer(d18:1/22:0)/TG、GM3-d18:1/21:0/TG、GD1-d18:1/16:0/TG、GM3-d18:1/18:0/TG、PC 16:0/18:2/TG、CE 16:1/TG、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)/TG、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/TG、PC 18:2/18:2/TG、及びCE 16:1/Cholから選択される(表18及び19を参照されたい)。
特に好ましい実施態様では、その増加がコントロールと比較される脂質-臨床濃度比は、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)である(表20を参照されたい)。
【0024】
別の特徴では、本発明は、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)の治療の有効性を対象者で評価する方法に関する。前記方法は、前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質の濃度を決定する工程を含み、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の濃度の増加又は低下は前記治療の有効性の指標であり、ここで、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質は、Cer(d18:0/22:0)、Cer(d18:0/24:0)、Cer(d18:0/24:1)、Cer(d18:1/16:0)、Cer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/20:0)、Cer(d18:1/24:1)、GlcCer(d18:1/16:0)、GlcCer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/20:0)、LacCer(d18:1/22:0)、LacCer(d18:1/24:1)、総LacCer、LacCer(d18:1/24:0)、総Cer、GlcCer(d18:1/24:0)、総GlcCer、及びLacCer(d18:1/16:0)から選択され、さらにここで、その濃度の低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質は、CE 14:0、CE 16:0、 CE 17:1、CE 20:3、PC 35:3 (PC O-34:3)、Cer(d18:0/24:0)、GD3-d18:1/16:0、PC 16:0/16:1、PC 37:5 (PC O-38:5)、SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、SM (d18:1/18:1)、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、総CE、総GD3、総PC O、総PC、PC 16:0/20:4、CE 18:0、Cer(d18:1/26:1)、CE 15:0、SM (d18:1/15:0)(d18:1/14:1-OH)、GM3-d18:1/18:0、PC 37:5 (PC O-36:5)、GM3-d18:1/21:0、PC 16:0/18:2、総PI、SM (d18:1/17:0) (d18:1/16:1-OH)、Cer(d18:1/26:0)、PC 18:0/20:5、PI 38:3, PC 40:5、GM2-d18:1/18:0、総GM2、GD1-d18:1/16:0、PC 16:0/20:5、PC 16:0/22:5、PC 18:0/20:3、PC 16:0/22:6、PI 38:4及びPC 16:0/20:4から選択される(表2及び5,8及び11を参照されたい)。
【0025】
好ましい実施態様では、その濃度の増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質は、Cer(d18:0/22:0)、Cer(d18:0/24:0)、Cer(d18:0/24:1)、Cer(d18:1/16:0)、Cer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/24:1)、GlcCer(d18:1/16:0)、GlcCer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/20:0)、LacCer(d18:1/22:0)及びLacCer(d18:1/24:1)から選択される。
別の好ましい実施態様では、その濃度の低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質は、CE 16:0、CE 17:1、PC 35:3 (PC O-34:3)、CE 14:0、CE 20:3、総CE、Cer(d18:0/24:0)、GD3-d18:1/16:0、PC 16:0/16:1、PC 37:5 (PC O-38:5)、SM (d18:1/18:1)、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、総GD3、及び総PCから選択される(表14及び15を参照されたい)。
特に好ましい実施態様では、その濃度の増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質は、Cer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/22:0)及びLacCer(d18:1/24:1)から選択され、その濃度の低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質はCE 14:0及びCE 20:3から選択される(表20を参照されたい)。
【0026】
さらにまた別の実施態様では、本発明は、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)の治療の有効性を対象者で評価する方法に関する。前記方法は、前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質-脂質比を決定する工程を含み、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の脂質-脂質比の増加又は低下は前記治療の有効性の指標であり、ここで、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-脂質比は、CE 19:1/LPC 20:4、Cer(d18:1/16:0)/LPC 16:0、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:1、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、Cer(d18:1/16:0)/PC 16:0/20:4、Cer(d18:1/16:0)/PC 18:1/18:2、Cer(d18:1/16:0)/PC 33:2 (PC O-34:2)、Cer(d18:1/16:0)/PC 35:3 (PC O-36:3)、Cer(d18:1/16:0)/PC 35:4 (PC O-36:4)、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:3、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:4、Cer(d18:1/16:0)/PC 33:3 (PC O-34:3)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/18:0)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)、Cer(d18:1/16:0)/総CE、Cer(d18:1/16:0)/総LPC、Cer(d18:1/16:0)/総PC、Cer(d18:1/20:0)/LPC 18:2、Cer(d18:1/22:0)/LPC 18:2、Cer(d18:1/22:0)/PC 33:3 (PC O-34:3)、Cer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/24:0)(d18:1/23:1-OH)、Cer(d18:1/24:1)/LPC 18:2、Cer(d18:1/24:1)/PC 33:3 (PC O-34:3)、Cer(d18:1/24:1)/SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)、Cer(d18:1/24:1)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、Cer(d18:1/24:1)/SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)、GlcCer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、GlcCer(d18:1/18:0)/LPC 18:2、GlcCer(d18:1/26:1)/SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)、LacCer(d18:1/18:0)/PC 36:4、LacCer(d18:1/22:0)/PC 16:0/20:4、LacCer(d18:1/22:0)/PC 18:0/20:4、LacCer(d18:1/22:0)/PC 35:4 (PC O-36:4)、LacCer(d18:1/22:0)/PC 36:4、LacCer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、LacCer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)、LacCer(d18:1/22:0)/総CE、LacCer(d18:1/24:1)/PC 16:0/20:4、LacCer(d18:1/24:1)/PC 18:0/20:4、LacCer(d18:1/24:1)/PC 36:4、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、PC 38:0/PC 38:5、Cer(d18:1/16:0)/Cer(d18:1/26:0)、DAG 16:1/16:1/PC 32:1、DAG 16:1/16:1/PI 38:4、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/18:1)、GlcCer(d18:1/24:1)/SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、SM (d18:1/16:0) (d18:1/15:1-OH)/SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH); PC 18:0/20:3/PC33:3(PC O-34:3)、GlcCer(d18:1/26:1)/LPC 18:2、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、Cer(d18:1/24:1)/総CE、LacCer(d18:1/22:0)/総CE、CE 22:2/LPC 20:4、Cer(d18:1/20:0)/SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)、Cer(d18:1/22:0)/総CE、LacCer(d18:1/18:0)/PC 40:7、GlcCer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、Cer(d18:1/24:1)/PC35:4(PC O-36:4)、Cer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)、Cer(d18:1/20:0)/総CE、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:2、Cer(d18:1/16:0)/PC 18:0/18:2、Cer(d18:1/22:0)/PC 40:7、Cer(d18:1/22:0)/PC 39:0 (PC O-40:0)、GlcCer(d18:1/18:0)/LPC 18:1、CE 20:0/PC 40:4、GlcCer(d18:1/16:0)/PC 36:2、LacCer(d18:1/16:0)/PC 35:2 (PC O-36:2)、PC 39:7 (PC O-40:7)/総CE、PC 38:0/総CE、PC 38:0/PC 35:6 (PC O-36:5)、総LacCer/総PC O、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)/SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)、LPC 18:1/PC 32:1、Cer(d18:1/24:1)/PC 32:1、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、GM3-d18:1/24:1/PC 32:1、DAG 16:1/16:1/PC 30:0、Cer(d18:1/24:1)/SM (d18:1/18:1)、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/18:1)、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、Cer(d18:1/16:0)/PC 32:1、LacCer(d18:1/16:0)/PC 40:6、Cer(d18:1/24:1)/PC 38:4、LPC 18:0/PC 32:1、Cer(d18:1/24:1)/PC 34:2、GM3-d18:1/24:2/SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、GM3-d18:1/24:2/PC 32:1、GM3-d18:1/24:1/PC 34:2、GlcCer(d18:1/16:0)/PC 32:1、GM3-d18:1/24:1/PC 36:4、GM3-d18:1/16:0/SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、GM3-d18:1/24:1/PC 34:1、Cer(d18:1/16:0)/PC 34:2、GlcCer(d18:1/16:0)/PC 34:2、GM3-d18:1/16:0/PC 32:1、Cer(d18:1/16:0)/PC 34:1、Cer(d18:1/24:1)/PC 34:3、GlcCer(d18:1/16:0)/PC 34:1、GM3-d18:1/18:0/PC 32:1、Cer(d18:1/16:0)/PC 34:3、GlcCer(d18:1/16:0)/PC 34:3、LPC 16:0/SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)、GlcCer(d18:1/20:0)/PC 34:3、及びGlcCer(d18:1/18:0)/PC 34:3から選択され、さらにここで、その低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-脂質比は、LPC 20:4/PC 35:1 (PC O-36:1)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/26:1)、CE 16:1/総LacCer、CE 22:6/LacCer(d18:1/22:0)、CE 16:1/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 16:0/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 22:6/Cer(d18:1/16:0)、CE 14:0/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 16:0/総LacCer、CE 18:2/Cer(d18:1/16:0)、CE 16:0/LacCer(d18:1/22:0)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/24:1)、CE 18:1/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 18:0/Cer(d18:1/16:0)、LPC 20:4/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 16:0/Cer(d18:1/24:1)、CE 17:1/LacCer(d18:1/22:0)、CE 18:2/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 22:6/GlcCer(d18:1/16:0)、総CE/総LacCer、CE 14:0/Cer(d18:1/24:1)、CE 20:4/LacCer(d18:1/16:0)、CE 22:6/総LacCer、CE 22:6/LacCer(d18:1/24:1)、CE 18:1/Cer(d18:1/16:0)、CE 16:1/Cer(d18:1/16:0)、CE 16:1/LacCer(d18:1/22:0)、CE 16:0/LacCer(d18:1/16:0)、CE 16:1/CE 22:2、CE 16:1/Cer(d18:1/24:1)、CE 22:6/LacCer(d18:1/18:0)、CE 22:6/LacCer(d18:1/20:0)、CE 20:4/LacCer(d18:1/22:0)、CE 20:4/Cer(d18:1/24:1)、CE 16:1/CE 20:0、CE 20:4/Cer(d18:1/16:0)、LPC 20:4/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 20:4/総GlcCer、CE 20:4/総LacCer、CE 20:4/SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)、LPC 20:4/PC 35:1 (PC O-36:1)、CE 14:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 17:1/Cer(d18:1/16:0)、CE 17:1/Cer(d18:1/24:1)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/18:0)、CE 16:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:1/Cer(d18:1/24:1)、CE 16:0/Cer(d18:1/24:1)、CE 16:0/DAG 16:1/16:1、CE 16:1/CE 20:3、CE 16:1/DAG 16:1/16:1、CE 16:1/GM3-d18:1/24:1、CE 16:1/LPC 16:0、CE 18:2/Cer(d18:1/24:1)、CE 18:2/DAG 16:1/16:1、CE 18:2/GlcCer(d18:1/24:1)、CE 18:2/GM3-d18:1/24:1、CE 18:3/Cer(d18:1/24:1)、CE 20:4/DAG 16:1/16:1、Cer(d18:0/22:0)/PE 36:2、Cer(d18:0/24:0)/Cer(d18:1/16:0)、Cer(d18:0/24:0)/DAG 16:1/16:1、Cer(d18:1/24:0)/Cer(d18:1/24:1)、GD3-d18:1/16:0/GlcCer(d18:1/24:1)、GlcCer(d18:1/26:0)/GlcCer(d18:1/26:1)、GM3-d18:1/18:0/GlcCer(d18:1/24:1)、GM3-d18:1/18:0/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/20:0/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/21:0/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/22:1/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/23:0/GM3-d18:1/24:1、PC 16:0/18:2/PE 36:2、PC 32:1/PC 36:1、PC 34:1/PE 36:2、PC 34:2/PE 36:2、PC 34:3/PE 36:2、PC 36:2/PE 36:2、SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)/SM (d18:1/24:1)(d18:1/23:2-OH)、SM (d18:1/18:1)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)/総Cer、CE 18:2/Cer(d18:1/22:0)、PC 36:4/PC 38:0、CE 18:2/総Cer、CE 20:4/Cer(d18:1/22:0)、CE 18:1/LacCer(d18:1/16:0)、CE 18:1/GlcCer(d18:1/18:0)、CE 18:1/LacCer(d18:1/22:0)、総CE/総LacCer、CE 18:1/総LacCer、CE 18:1/LacCer(d18:1/24:1)、CE 20:4/Cer(d18:1/24:1)、LPC 18:2/LacCer(d18:1/22:0)、CE 20:4/総LacCer、CE 17:1/LacCer(d18:1/20:0)、CE 20:4/LacCer(d18:1/24:1)、CE 16:1/GlcCer(d18:1/18:0)、LPC 20:4/PC 38:0、GM3-d18:1/20:0/GM3-d18:1/22:0、GM3-d18:1/22:1/GM3-d18:1/24:1、Cer(d18:1/26:0)/GlcCer(d18:1/16:0)、GM3-d18:1/20:0/GM3-d18:1/24:1、CE 18:2/GlcCer(d18:1/26:1)、CE 18:3/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:2/Cer(d18:1/24:1)、GD3-d18:1/16:0/GM3-d18:1/24:1、Cer(d18:1/26:0)/GlcCer(d18:1/24:1)、CE 16:1/LPC 16:0、CE 16:1/CE 20:3、CE 16:1/LPC 18:1、CE 16:1/DAG 16:1/16:1、及びCE 16:1/LacCer(d18:1/16:0)から選択される(表3及び6を参照されたい)。
【0027】
好ましい実施態様では、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-脂質比は、CE 19:1/LPC 20:4、Cer(d18:1/24:1)/LPC 18:2、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、PC 38:0/PC 38:5、LacCer(d18:1/24:1)/PC 16:0/20:4、GlcCer(d18:1/26:1)/SM (d18:1/24:2-OH) (d18:1/25:1)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、Cer(d18:1/16:0)/PC 18:1/18:2、Cer(d18:1/16:0)/PC 35:3 (PC O-34:3)、GlcCer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、LacCer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、LacCer(d18:1/22:0)/PC 35:4 (PC O-36:4)、LacCer(d18:1/24:1)/Total CE、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:3、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:1、 LacCer(d18:1/22:0)/PC 16:0/20:4、Cer(d18:1/16:0)/Cer(d18:1/26:0)、DAG 16:1/16:1/PC 32:1、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、及びGM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/18:1)から選択される。
別の好ましい実施態様では、その低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-脂質比は、CE 16:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:2/Cer(d18:1/16:0)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 18:1/Cer(d18:1/16:0)、CE 22:6/Cer(d18:1/16:0)、CE 16:1/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 18:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:2/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 16:0/GlcCer(d18:1/16:0)、LPC 20:4/PC 35:1 (PC O-36:1)、総CE/総LacCer、CE 20:4/Cer(d18:1/24:1)、CE 16:1/DAG 16:1/16:1、CE 18:2/Cer(d18:1/24:1)、CE 18:2/Cer(d18:1/16:0)、Cer(d18:1/24:0)/Cer(d18:1/24:1)、Cer(d18:0/24:0)/DAG 16:1/16:1、Cer(d18:0/24:0)/Cer(d18:1/16:0)、GD3-d18:1/16:0/GlcCer(d18:1/24:1)、GlcCer(d18:1/26:0)/GlcCer(d18:1/26:1)、GM3-d18:1/22:1/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/20:0/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/18:0/GlcCer(d18:1/24:1)、PC 16:0/18:2/PE 36:2、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、CE 16:1/CE 20:3, CE 16:1/Cer(d18:1/16:0、及びCE 16:1/LPC 16:0から選択される(表16及び17を 参照されたい)。
特に好ましい実施態様では、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-脂質比は、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:1、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、CE 19:1/LPC 20:4、及びCer(d18:1/16:0)/PC 36:3から選択され、さらにその低下がコントロールと比較される脂質-脂質比はCE 20:4/Cer(18:1/24:1)である(表20を参照されたい)。
【0028】
さらにまた別の実施態様では、本発明は、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)の治療の有効性を対象者で評価する方法に関する。前記方法は、前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比を決定する工程を含み、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の脂質-臨床濃度比の増加又は低下は前記治療の有効性の指標であり、ここで、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比は、Cer(d18:0/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:0/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:0/22:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:0/24:1)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:0/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:0/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質B(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質E(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/体容積指数(kg/m2)、Cer(d18:1/16:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/遊離コレステロール(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/HDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/HDLリン脂質(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/LDLリン脂質(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/リン脂質(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、GlcCer(d18:1/18:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、GlcCer(d18:1/26:1)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、GlcCer(d18:1/26:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/LDL遊離コレステロール(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/総コレステロール(EDTA) (mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、PC 18:0/20:3/VLDLアポリポタンパク質B(mg/dL)、総Cer/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、総Cer/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、総LacCer/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、総LacCer/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、DAG 16:1/16:1/HDL、GM3-d18:1/24:2/HDL、GlcCer(d18:1/26:1)/HDL、Cer(d18:1/24:1)/LDL、GM3-d18:1/16:0/HDL、Cer(d18:1/24:1)/Chol、Cer(d18:1/16:0)/Chol、Cer(d18:1/24:1)/HDL、GM3-d18:1/24:1/HDL、GlcCer(d18:1/24:1)/HDL、Cer(d18:1/16:0)/HDL、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質E(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:0)/アポリポタンパク質C-II(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、総LacCer/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/20:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:0)/HDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、LacCer(d18:1/18:0)/LDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/16:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、総LacCer/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/20:0)/HDLリン脂質(mg/dL)、総LacCer/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/LDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、GlcCer(d18:1/24:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/LDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/LDLリン脂質(mg/dL)、総GlcCer/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/LDL 遊離コレステロール(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質B(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/LDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、総Cer/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/16:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/HDL遊離コレステロール(mg/dL)、総LacCer/LDLコレステロールエステル(mg/dL)、総LacCer/LDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、総Cer/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、総LacCer/リン脂質(mg/dL)、GlcCer(d18:1/20:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、総LacCer/HDL遊離コレステロール(mg/dL)、総LacCer/アポリポタンパク質B(mg/dL)、LacCer(d18:1/16:0)/LDLコレステロールエステル(mg/dL)、総LacCer/LDLリン脂質(mg/dL)、LacCer(d18:1/16:0)/LDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、GlcCer(d18:1/24:1)/HDL、DAG 16:1/16:1/HDL、Cer(d18:1/24:1)/LDL、Cer(d18:1/24:1)/Chol、及びCer(d18:1/16:0)/Cholから選択され、さらにここで、その低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比は、CE 14:0/遊離脂肪酸(mmol/L)、CE 16:0/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 17:1/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 17:1/遊離脂肪酸(mmol/L)、CE 17:1/遊離グリセロール(mg/dL)、CE 18:0/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 18:1/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 20:3/遊離脂肪酸(mmol/L)、CE 20:4/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 20:4/遊離脂肪酸(mmol/L)、LPC 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、PC 18:1/18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、PC 39:0 (PC O-40:0)/遊離脂肪酸(mmol/L)、PC 40:7/遊離脂肪酸(mmol/L)、SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)/遊離脂肪酸(mmol/L)、SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)/遊離脂肪酸(mmol/L)、総CE/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 14:0/TG、CE 16:0/TG、CE 16:1/Chol、CE 16:1/TG、CE 18:0/TG、CE 18:2/TG、CE 18:3/TG、CE 20:4/TG、Cer(d18:0/22:0)/TG、Cer(d18:0/24:0)/TG、Cer(d18:0/24:1)/TG、Cer(d18:1/24:0)/TG、Cer(d18:1/26:0)/TG、DAG 18:1/18:2/TG、GD1-d18:1/16:0/TG、GD3-d18:1/16:0/TG、GM3-d18:1/18:0/TG、GM3-d18:1/21:0/TG、LacCer(d18:1/22:0)/TG、PC 16:0/16:1/TG、PC 16:0/18:1/TG、PC 16:0/18:2/TG、PC 16:0/20:4/TG、PC 16:0/22:5/TG、PC 16:0/22:6/TG、PC 18:0/18:2/TG、PC 18:0/20:3/TG、PC 18:2/18:2/TG、PC 30:0/TG、PC 32:1/TG、PC 34:1/TG、PC 34:2/TG、PC 34:3/TG、PC 35:2/TG、PC 36:2/TG、PC 36:4/TG、PC 38:3/TG、PC 38:4/TG、PC 40:6/TG、PC 35:2 (PC O-36:2)/TG、PI 36:2/TG、PI 38:3/TG、PI 38:4/TG、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)/TG、SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)/TG、SM (d18:1/17:0) (d18:1/16:1-OH)/TG、SM (d18:1/18:1)/TG、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/TG、SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)/TG、CE 20:4/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 14:0/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 20:4/遊離脂肪酸(mmol/L)、LPC 20:4/遊離脂肪酸(mmol/L)、総PC O/C-反応性タンパク質(mg/dL)、Cer(d18:1/24:0)/Chol、CE 18:0/LDL、CE 18:2/LDL、Cer(d18:1/26:0)/Chol、CE 18:2/Chol、CE 20:5/LDL、CE 18:3/Chol、CE 20:5/Chol、PE 38:5/TG、CE 17:0/TG、CE 16:1/Chol、Cer(d18:1/22:0)/TG、PE 38:4/TG、Cer(d18:1/18:0)/TG、CE 22:6/TG、CE 15:0/TG、DAG 18:1/18:2/TG、PC 18:0/20:5/TG、PC 32:0/TG、CE 16:0/TG、Cer(d18:1/24:0)/TG、CE 20:5/TG、PC 40:6/TG、GM3-d18:1/21:0/TG、SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)/TG、PC 35:2 (PC O-36:2)/TG、CE 18:3/TG、PC 35:2 (PC O-34:2)/TG、PC 16:0/20:5/TG、CE 18:2/TG、CE 18:0/TG、PC 16:0/18:2/TG、PC 16:0/22:6/TG、CE 14:0/TG、PC 34:1/TG、SM (d18:1/17:0) (d18:1/16:1-OH)/TG、PC 36:5/TG、PC 38:3/TG、PC 18:0/20:3/TG、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)/TG、PC 34:2/TG、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/TG、CE 16:1/TG、PC 18:2/18:2/TG、及びPC 32:1/TGから選択される(表4、7、10及び13を参照されたい)。
【0029】
好ましい実施態様では、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比は、Cer(d18:0/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:0/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/HDL、Cer(d18:1/24:1)/HDL, DAG 16:1/16:1/HDL、GlcCer(d18:1/24:1)/HDL、GlcCer(d18:1/26:1)/HDL、GM3-d18:1/16:0/HDL、GM3-d18:1/24:1/HDL、Cer(d18:1/24:1)/Chol、及びGM3-d18:1/24:2/HDLから選択される。
【0030】
別の好ましい実施態様では、その低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比は、LPC 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)/遊離脂肪酸(mmol/L)、CE 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 20:4/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、Cer(d18:0/24:0)/TG、DAG 18:1/18:2/TG、PC 18:0/20:3/TG、CE 18:2/TG、SM (d18:1/18:1)/TG、Cer(d18:1/24:0)/TG、PI 38:3/TG、GD3-d18:1/16:0/TG、LacCer(d18:1/22:0)/TG、GM3-d18:1/21:0/TG、GD1-d18:1/16:0/TG、GM3-d18:1/18:0/TG、PC 16:0/18:2/TG、CE 16:1/TG、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)/TG、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/TG、PC 18:2/18:2/TG、及びCE 16:1/Cholから選択される(表18及び19を参照されたい)。
特に好ましい実施態様では、その増加がコントロールと比較される脂質-臨床濃度比はGlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)である(表20を参照されたい)。
【0031】
さらに別の特徴では、本発明は、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)の適切な治療を選択する方法に関する。前記方法は、前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質の濃度を決定する工程を含み、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の濃度の増加または低下は、前記対象者で治療の必要があること、又は既に実施されている治療を変更する必要があること、又は既に実施されている治療に補充する必要があることの指標であり、ここで、その濃度の増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質は、Cer(d18:0/22:0)、Cer(d18:0/24:0)、Cer(d18:0/24:1)、Cer(d18:1/16:0)、Cer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/20:0)、Cer(d18:1/24:1)、GlcCer(d18:1/16:0)、GlcCer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/20:0)、LacCer(d18:1/22:0)、LacCer(d18:1/24:1)、総LacCer; LacCer(d18:1/24:0)、総Cer、GlcCer(d18:1/24:0)、総GlcCer、及びLacCer(d18:1/16:0)から選択され、さらにここで、その濃度の低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質は、CE 14:0, CE 16:0、CE 17:1、CE 20:3、PC 35:3 (PC O-34:3)、Cer(d18:0/24:0)、GD3-d18:1/16:0、PC 16:0/16:1、PC 37:5 (PC O-38:5)、SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、SM (d18:1/18:1)、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、総CE、総GD3、総PC O、総PC、PC 16:0/20:4、CE 18:0、Cer(d18:1/26:1)、CE 15:0、SM (d18:1/15:0)(d18:1/14:1-OH)、GM3-d18:1/18:0、PC 37:5 (PC O-36:5)、GM3-d18:1/21:0、PC 16:0/18:2、総PI、SM (d18:1/17:0) (d18:1/16:1-OH)、Cer(d18:1/26:0)、PC 18:0/20:5、PI 38:3、PC 40:5、GM2-d18:1/18:0、総GM2、GD1-d18:1/16:0、PC 16:0/20:5、PC 16:0/22:5、PC 18:0/20:3、PC 16:0/22:6、PI 38:4、及びPC 16:0/20:4から選択される(表2、5、8及び11を参照されたい)。
【0032】
好ましい実施態様では、その濃度の増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質は、Cer(d18:0/22:0)、Cer(d18:0/24:0)、Cer(d18:0/24:1)、Cer(d18:1/16:0)、Cer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/24:1)、GlcCer(d18:1/16:0)、GlcCer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/20:0)、LacCer(d18:1/22:0)、及びLacCer(d18:1/24:1)から選択される。
別の好ましい実施態様では、その濃度の低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質は、CE 16:0、CE 17:1、PC 35:3 (PC O-34:3)、CE 14:0、CE 20:3、総CE、Cer(d18:0/24:0)、GD3-d18:1/16:0、PC 16:0/16:1、PC 37:5 (PC O-38:5)、SM (d18:1/18:1)、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、総GD3、及び総PCから選択される(表14及び15を参照されたい)。
特に好ましい実施態様では、その濃度の増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質は、Cer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/22:0)、及びLacCer(d18:1/24:1)から選択され、さらにその濃度の低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質はCE 14:0及びCE 20:3から選択される(表20を参照されたい)。
【0033】
また別の実施態様では、本発明は、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)の適切な治療を選択する方法に関する。前記方法は、前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質-脂質比を決定する工程を含み、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の脂質-脂質比の増加または低下は、前記対象者で治療の必要があること、又は既に実施されている治療を変更する必要があること、又は既に実施されている治療に補充する必要があることの指標であり、ここで、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-脂質比は、CE 19:1/LPC 20:4、Cer(d18:1/16:0)/LPC 16:0、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:1、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、Cer(d18:1/16:0)/PC 16:0/20:4、Cer(d18:1/16:0)/PC 18:1/18:2、Cer(d18:1/16:0)/PC 33:2 (PC O-34:2)、Cer(d18:1/16:0)/PC 35:3 (PC O-36:3)、Cer(d18:1/16:0)/PC 35:4 (PC O-36:4)、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:3、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:4、Cer(d18:1/16:0)/PC 33:3 (PC O-34:3)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/18:0)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)、Cer(d18:1/16:0)/総CE、Cer(d18:1/16:0)/総LPC、Cer(d18:1/16:0)/総PC、Cer(d18:1/20:0)/LPC 18:2、Cer(d18:1/22:0)/LPC 18:2、Cer(d18:1/22:0)/PC 33:3 (PC O-34:3)、Cer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/24:0)(d18:1/23:1-OH)、Cer(d18:1/24:1)/LPC 18:2、Cer(d18:1/24:1)/PC 33:3 (PC O-34:3)、Cer(d18:1/24:1)/SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)、Cer(d18:1/24:1)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、Cer(d18:1/24:1)/SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)、GlcCer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、GlcCer(d18:1/18:0)/LPC 18:2、GlcCer(d18:1/26:1)/SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)、LacCer(d18:1/18:0)/PC 36:4、LacCer(d18:1/22:0)/PC 16:0/20:4、LacCer(d18:1/22:0)/PC 18:0/20:4、LacCer(d18:1/22:0)/PC 35:4 (PC O-36:4)、LacCer(d18:1/22:0)/PC 36:4、LacCer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、LacCer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)、LacCer(d18:1/22:0)/総CE、LacCer(d18:1/24:1)/PC 16:0/20:4、LacCer(d18:1/24:1)/PC 18:0/20:4, LacCer(d18:1/24:1)/PC 36:4, LacCer(d18:1/24:1)/Total CE, PC 38:0/PC 38:5、Cer(d18:1/16:0)/Cer(d18:1/26:0)、DAG 16:1/16:1/PC 32:1、DAG 16:1/16:1/PI 38:4、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/18:1)、GlcCer(d18:1/24:1)/SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、SM (d18:1/16:0) (d18:1/15:1-OH)/SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、PC 18:0/20:3/PC33:3(PC O-34:3)、GlcCer(d18:1/26:1)/LPC 18:2、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、Cer(d18:1/24:1)/総CE、LacCer(d18:1/22:0)/総CE、CE 22:2/LPC 20:4、Cer(d18:1/20:0)/SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)、Cer(d18:1/22:0)/総CE、LacCer(d18:1/18:0)/PC 40:7、GlcCer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、Cer(d18:1/24:1)/PC35:4(PC O-36:4)、Cer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)、Cer(d18:1/20:0)/総CE、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:2、Cer(d18:1/16:0)/PC 18:0/18:2、Cer(d18:1/22:0)/PC 40:7、Cer(d18:1/22:0)/PC 39:0 (PC O-40:0)、GlcCer(d18:1/18:0)/LPC 18:1、CE 20:0/PC 40:4、GlcCer(d18:1/16:0)/PC 36:2、LacCer(d18:1/16:0)/PC 35:2 (PC O-36:2)、PC 39:7 (PC O-40:7)/総CE、PC 38:0/総CE、PC 38:0/PC 35:6 (PC O-36:5)、総LacCer/総PC O、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)/SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)、LPC 18:1/PC 32:1、Cer(d18:1/24:1)/PC 32:1、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、GM3-d18:1/24:1/PC 32:1、DAG 16:1/16:1/PC 30:0、Cer(d18:1/24:1)/SM (d18:1/18:1)、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/18:1)、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、Cer(d18:1/16:0)/PC 32:1、LacCer(d18:1/16:0)/PC 40:6, Cer(d18:1/24:1)/PC 38:4、LPC 18:0/PC 32:1、Cer(d18:1/24:1)/PC 34:2、GM3-d18:1/24:2/SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、GM3-d18:1/24:2/PC 32:1、GM3-d18:1/24:1/PC 34:2、GlcCer(d18:1/16:0)/PC 32:1、GM3-d18:1/24:1/PC 36:4、GM3-d18:1/16:0/SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)、GM3-d18:1/24:1/PC 34:1、Cer(d18:1/16:0)/PC 34:2、GlcCer(d18:1/16:0)/PC 34:2、GM3-d18:1/16:0/PC 32:1、Cer(d18:1/16:0)/PC 34:1、Cer(d18:1/24:1)/PC 34:3、GlcCer(d18:1/16:0)/PC 34:1、GM3-d18:1/18:0/PC 32:1、Cer(d18:1/16:0)/PC 34:3、GlcCer(d18:1/16:0)/PC 34:3、LPC 16:0/SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)、GlcCer(d18:1/20:0)/PC 34:3、及びGlcCer(d18:1/18:0)/PC 34:3から選択され、さらにここで、その低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-脂質比は、LPC 20:4/PC 35:1 (PC O-36:1)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/26:1)、CE 16:1/総LacCer、CE 22:6/LacCer(d18:1/22:0)、CE 16:1/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 16:0/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 22:6/Cer(d18:1/16:0)、CE 14:0/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 16:0/総LacCer、CE 18:2/Cer(d18:1/16:0)、CE 16:0/LacCer(d18:1/22:0)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/24:1)、CE 18:1/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 18:0/Cer(d18:1/16:0)、LPC 20:4/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 16:0/Cer(d18:1/24:1)、CE 17:1/LacCer(d18:1/22:0)、CE 18:2/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 22:6/GlcCer(d18:1/16:0)、総CE/総LacCer、CE 14:0/Cer(d18:1/24:1)、CE 20:4/LacCer(d18:1/16:0)、CE 22:6/総LacCer、CE 22:6/LacCer(d18:1/24:1)、CE 18:1/Cer(d18:1/16:0)、CE 16:1/Cer(d18:1/16:0)、CE 16:1/LacCer(d18:1/22:0)、CE 16:0/LacCer(d18:1/16:0)、CE 16:1/CE 22:2, CE 16:1/Cer(d18:1/24:1), CE 22:6/LacCer(d18:1/18:0), CE 22:6/LacCer(d18:1/20:0)、CE 20:4/LacCer(d18:1/22:0)、CE 20:4/Cer(d18:1/24:1)、CE 16:1/CE 20:0、CE 20:4/Cer(d18:1/16:0)、LPC 20:4/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 20:4/総GlcCer、CE 20:4/総LacCer、CE 20:4/SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)、LPC 20:4/PC 35:1 (PC O-36:1)、CE 14:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 17:1/Cer(d18:1/16:0)、CE 17:1/Cer(d18:1/24:1)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/18:0)、CE 16:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:1/Cer(d18:1/24:1)、CE 16:0/Cer(d18:1/24:1)、CE 16:0/DAG 16:1/16:1、CE 16:1/CE 20:3、CE 16:1/DAG 16:1/16:1、CE 16:1/GM3-d18:1/24:1、CE 16:1/LPC 16:0、CE 18:2/Cer(d18:1/24:1)、CE 18:2/DAG 16:1/16:1、CE 18:2/GlcCer(d18:1/24:1)、CE 18:2/GM3-d18:1/24:1、CE 18:3/Cer(d18:1/24:1)、CE 20:4/DAG 16:1/16:1、Cer(d18:0/22:0)/PE 36:2、Cer(d18:0/24:0)/Cer(d18:1/16:0)、Cer(d18:0/24:0)/DAG 16:1/16:1、Cer(d18:1/24:0)/Cer(d18:1/24:1)、GD3-d18:1/16:0/GlcCer(d18:1/24:1)、GlcCer(d18:1/26:0)/GlcCer(d18:1/26:1)、GM3-d18:1/18:0/GlcCer(d18:1/24:1)、GM3-d18:1/18:0/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/20:0/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/21:0/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/22:1/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/23:0/GM3-d18:1/24:1、PC 16:0/18:2/PE 36:2、PC 32:1/PC 36:1、PC 34:1/PE 36:2、PC 34:2/PE 36:2、PC 34:3/PE 36:2、PC 36:2/PE 36:2、SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)/SM (d18:1/24:1)(d18:1/23:2-OH)、SM (d18:1/18:1)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)/総Cer、CE 18:2/Cer(d18:1/22:0)、PC 36:4/PC 38:0、CE 18:2/総Cer、CE 20:4/Cer(d18:1/22:0)、CE 18:1/LacCer(d18:1/16:0)、CE 18:1/GlcCer(d18:1/18:0)、CE 18:1/LacCer(d18:1/22:0)、総CE/総LacCer、CE 18:1/総LacCer、CE 18:1/LacCer(d18:1/24:1)、CE 20:4/Cer(d18:1/24:1)、LPC 18:2/LacCer(d18:1/22:0)、CE 20:4/総LacCer、CE 17:1/LacCer(d18:1/20:0)、CE 20:4/LacCer(d18:1/24:1)、CE 16:1/GlcCer(d18:1/18:0)、LPC 20:4/PC 38:0、GM3-d18:1/20:0/GM3-d18:1/22:0、GM3-d18:1/22:1/GM3-d18:1/24:1、Cer(d18:1/26:0)/GlcCer(d18:1/16:0)、GM3-d18:1/20:0/GM3-d18:1/24:1、CE 18:2/GlcCer(d18:1/26:1)、CE 18:3/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:2/Cer(d18:1/24:1)、GD3-d18:1/16:0/GM3-d18:1/24:1、Cer(d18:1/26:0)/GlcCer(d18:1/24:1)、CE 16:1/LPC 16:0、CE 16:1/CE 20:3、CE 16:1/LPC 18:1、CE 16:1/DAG 16:1/16:1、及びCE 16:1/LacCer(d18:1/16:0)から選択される(表3、6、9及び12を参照されたい)。
【0034】
好ましい実施態様では、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-脂質比は、CE 19:1/LPC 20:4、Cer(d18:1/24:1)/LPC 18:2、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、PC 38:0/PC 38:5、LacCer(d18:1/24:1)/PC 16:0/20:4、GlcCer(d18:1/26:1)/SM (d18:1/24:2-OH) (d18:1/25:1)、Cer(d18:1/16:0)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、Cer(d18:1/16:0)/PC 18:1/18:2、Cer(d18:1/16:0)/PC 35:3 (PC O-34:3)、GlcCer(d18:1/16:0)/LPC 18:2、LacCer(d18:1/22:0)/SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)、LacCer(d18:1/22:0)/PC 35:4 (PC O-36:4)、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:3、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:1、LacCer(d18:1/22:0)/PC 16:0/20:4、Cer(d18:1/16:0)/Cer(d18:1/26:0)、DAG 16:1/16:1/PC 32:1、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)、GM3-d18:1/24:1/SM (d18:1/18:1)から選択される。
【0035】
別の好ましい実施態様では、その低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-脂質比は、CE 16:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:2/Cer(d18:1/16:0)、CE 20:4/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 18:1/Cer(d18:1/16:0)、CE 22:6/Cer(d18:1/16:0)、CE 16:1/PC 37:2 (PC O-38:2)、CE 18:0/Cer(d18:1/16:0)、CE 18:2/GlcCer(d18:1/16:0)、CE 16:0/GlcCer(d18:1/16:0)、LPC 20:4/PC 35:1 (PC O-36:1)、総CE/総LacCer、CE 20:4/Cer(d18:1/24:1)、CE 16:1/DAG 16:1/16:1、CE 18:2/Cer(d18:1/24:1)、CE 18:2/Cer(d18:1/16:0)、Cer(d18:1/24:0)/Cer(d18:1/24:1)、Cer(d18:0/24:0)/DAG 16:1/16:1、Cer(d18:0/24:0)/Cer(d18:1/16:0)、GD3-d18:1/16:0/GlcCer(d18:1/24:1)、GlcCer(d18:1/26:0)/GlcCer(d18:1/26:1)、GM3-d18:1/22:1/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/20:0/GM3-d18:1/24:1、GM3-d18:1/18:0/GlcCer(d18:1/24:1)、PC 16:0/18:2/PE 36:2、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/SM (d18:1/24:1) (d18:1/23:2-OH)、CE 16:1/CE 20:3, CE 16:1/Cer(d18:1/16:0)、及びCE 16:1/LPC 16:0から選択される(表16及び17を参照されたい)。
特に好ましい実施態様では、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-脂質比は、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:1、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、CE 19:1/LPC 20:4、及びCer(d18:1/16:0)/PC 36:3から選択され、さらにその低下がコントロールと比較される脂質-脂質比はCE 20:4/Cer(18:1/24:1)である(表20を参照されたい)。
【0036】
さらに別の実施態様では、本発明は、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)の適切な治療を選択する方法に関する。前記方法は、前記対象者由来のサンプルで1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比を決定する工程を含み、ここで、コントロールサンプルと比較したとき、前記サンプル中の脂質-臨床濃度比の増加または低下は、前記対象者で治療の必要があること、又は既に実施されている治療を変更する必要があること、又は既に実施されている治療に補充する必要があることの指標であり、ここで、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比は、Cer(d18:0/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:0/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:0/22:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:0/24:1)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:0/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:0/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質B(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質E(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/体容積指数(kg/m2)、Cer(d18:1/16:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/遊離コレステロール(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/HDL コレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/HDLリン脂質(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/LDLリン脂質(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/リン脂質(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、GlcCer(d18:1/18:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、GlcCer(d18:1/26:1) /アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、GlcCer(d18:1/26:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロールエステル(EDTA)(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/LDL遊離コレステロール(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、PC 18:0/20:3/VLDLアポリポタンパク質B(mg/dL)、総Cer/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、総Cer/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、総LacCer/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、総LacCer/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、DAG 16:1/16:1/HDL、GM3-d18:1/24:2/HDL、GlcCer(d18:1/26:1)/HDL、Cer(d18:1/24:1)/LDL、GM3-d18:1/16:0/HDL、Cer(d18:1/24:1)/Chol、Cer(d18:1/16:0)/Chol、Cer(d18:1/24:1)/HDL、GM3-d18:1/24:1/HDL、GlcCer(d18:1/24:1)/HDL、Cer(d18:1/16:0)/HDL、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質E(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:0)/アポリポタンパク質C-II(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、総LacCer/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/20:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:0)/HDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、LacCer(d18:1/18:0)/LDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/16:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、総LacCer/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/20:0)/HDLリン脂質(mg/dL)、総LacCer/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/LDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、GlcCer(d18:1/24:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/LDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/LDLリン脂質(mg/dL)、総GlcCer/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/LDL遊離コレステロール(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質B(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/LDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、総Cer/コレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/16:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/HDL遊離コレステロール(mg/dL)、総LacCer/LDLコレステロールエステル(mg/dL)、総LacCer/LDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、総Cer/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、総LacCer/リン脂質(mg/dL)、GlcCer(d18:1/20:0)/コレステロールエステル(mg/dL)、総LacCer/HDL遊離コレステロール(mg/dL)、総LacCer/アポリポタンパク質B(mg/dL)、LacCer(d18:1/16:0)/LDLコレステロールエステル(mg/dL)、総LacCer/LDLリン脂質(mg/dL)、LacCer(d18:1/16:0)/LDLコレステロール(EDTA)(mg/dL)、GlcCer(d18:1/24:1)/HDL、DAG 16:1/16:1/HDL、Cer(d18:1/24:1)/LDL、Cer(d18:1/24:1)/Chol、及びCer(d18:1/16:0)/Cholから選択され、さらにここで、その低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比は、CE 14:0/遊離脂肪酸(mmol/L)、CE 16:0/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 17:1/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 17:1/遊離脂肪酸(mmol/L)、CE 17:1/遊離グリセロール(mg/dL)、CE 18:0/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 18:1/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 18:2/アポリポタンパク質C-III (mg/dL)、CE 20:3/遊離脂肪酸(mmol/L)、CE 20:4/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 20:4/遊離脂肪酸(mmol/L)、LPC 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、PC 18:1/18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、PC 39:0 (PC O-40:0)/遊離脂肪酸(mmol/L)、PC 40:7/遊離脂肪酸(mmol/L)、SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、SM (d18:1/23:0) (d18:1/22:1-OH)/遊離脂肪酸(mmol/L)、SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)/遊離脂肪酸(mmol/L)、総CE/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 14:0/TG、CE 16:0/TG、CE 16:1/Chol、CE 16:1/TG、CE 18:0/TG、CE 18:2/TG、CE 18:3/TG、CE 20:4/TG、Cer(d18:0/22:0)/TG、Cer(d18:0/24:0)/TG、Cer(d18:0/24:1)/TG、Cer(d18:1/24:0)/TG、Cer(d18:1/26:0)/TG、DAG 18:1/18:2/TG、GD1-d18:1/16:0/TG、GD3-d18:1/16:0/TG、GM3-d18:1/18:0/TG、GM3-d18:1/21:0/TG、LacCer(d18:1/22:0)/TG、PC 16:0/16:1/TG、PC 16:0/18:1/TG、PC 16:0/18:2/TG、PC 16:0/20:4/TG、PC 16:0/22:5/TG、PC 16:0/22:6/TG、PC 18:0/18:2/TG、PC 18:0/20:3/TG、PC 18:2/18:2/TG、PC 30:0/TG、PC 32:1/TG、PC 34:1/TG、PC 34:2/TG、PC 34:3/TG、PC 35:2/TG、PC 36:2/TG、PC 36:4/TG、PC 38:3/TG、PC 38:4/TG、PC 40:6/TG、PC 35:2 (PC O-36:2)/TG、PI 36:2/TG、PI 38:3/TG、PI 38:4/TG、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)/TG、SM (d18:1/16:1) (d18:1/15:2-OH)/TG、SM (d18:1/17:0) (d18:1/16:1-OH)/TG、SM (d18:1/18:1)/TG、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/TG、SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)/TG、CE 20:4/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 14:0/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 20:4/遊離脂肪酸(mmol/L)、LPC 20:4/遊離脂肪酸(mmol/L)、総PC O/C-反応性タンパク質(mg/dL)、Cer(d18:1/24:0)/Chol、CE 18:0/LDL、CE 18:2/LDL、Cer(d18:1/26:0)/Chol、CE 18:2/Chol、CE 20:5/LDL、CE 18:3/Chol、CE 20:5/Chol、PE 38:5/TG、CE 17:0/TG、CE 16:1/Chol、Cer(d18:1/22:0)/TG、PE 38:4/TG、Cer(d18:1/18:0)/TG、CE 22:6/TG、CE 15:0/TG、DAG 18:1/18:2/TG、PC 18:0/20:5/TG、PC 32:0/TG、CE 16:0/TG、Cer(d18:1/24:0)/TG、CE 20:5/TG、PC 40:6/TG、GM3-d18:1/21:0/TG、SM (d18:1/24:0) (d18:1/23:1-OH)/TG、PC 35:2 (PC O-36:2)/TG、CE 18:3/TG、PC 35:2 (PC O-34:2)/TG、PC 16:0/20:5/TG、CE 18:2/TG、CE 18:0/TG、PC 16:0/18:2/TG、PC 16:0/22:6/TG、CE 14:0/TG、PC 34:1/TG、SM (d18:1/17:0) (d18:1/16:1-OH)/TG, PC 36:5/TG、PC 38:3/TG, PC 18:0/20:3/TG、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)/TG、PC 34:2/TG, SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/TG、CE 16:1/TG、PC 18:2/18:2/TG、及びPC 32:1/TGから選択される(表4、7、10及び13を参照されたい)。
【0037】
別の好ましい実施態様では、その増加がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比は、Cer(d18:0/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:0/24:1)/コレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、GlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/HDLコレステロールエステル(mg/dL)、LacCer(d18:1/22:0)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/24:1)/総コレステロール(EDTA)(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/アポリポタンパク質A-II(mg/dL)、Cer(d18:1/22:0)/アポリポタンパク質A-II (mg/dL)、LacCer(d18:1/24:1)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)、Cer(d18:1/16:0)/HDL、Cer(d18:1/24:1)/HDL、DAG 16:1/16:1/HDL、GlcCer(d18:1/24:1)/HDL、GlcCer(d18:1/26:1)/HDL、GM3-d18:1/16:0/HDL、GM3-d18:1/24:1/HDL、Cer(d18:1/24:1)/Chol、及びGM3-d18:1/24:2/HDLから選択される。
【0038】
別の好ましい実施態様では、その低下がコントロールと比較される1つ又は2つ以上の脂質-臨床濃度比は、LPC 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、SM (d18:1/25:1) (d18:1/24:2-OH)/遊離脂肪酸(mmol/L)、CE 18:2/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、CE 20:4/アポリポタンパク質C-III(mg/dL)、Cer(d18:0/24:0)/TG、DAG 18:1/18:2/TG、PC 18:0/20:3/TG、CE 18:2/TG、SM (d18:1/18:1)/TG、Cer(d18:1/24:0)/TG、PI 38:3/TG、GD3-d18:1/16:0/TG、LacCer(d18:1/22:0)/TG、GM3-d18:1/21:0/TG、GD1-d18:1/16:0/TG、GM3-d18:1/18:0/TG、PC 16:0/18:2/TG、CE 16:1/TG、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)/TG、SM (d18:1/23:1) (d18:1/22:2-OH)/TG、PC 18:2/18:2/TG、及びCE 16:1/Cholから選択される(表18及び19を参照されたい)。
特に好ましい実施態様では、その増加がコントロールと比較される脂質-臨床濃度比はGlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)である(表20を参照されたい)。
本発明のある実施態様では、その有効性が評価され得る治療、又は本明細書に記載及び特許請求した方法にしたがって適切なものとして選択され得る治療は脂質改変治療である。
【0039】
本発明の目的のために、表2−7又は14−20から少なくとも1つの脂質濃度、脂質-脂質比又は脂質-臨床濃度比、又は前記の組合せを、患者がアテローム性動脈硬化症又は心脈管系疾患(CVD)及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD)の発症リスクがあるか、又は前記に罹患しているか否かを判定するために;アテローム性動脈硬化症又は心脈管系疾患(CVD)及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD)の治療の有効性を対象者で評価するために;又はアテローム性動脈硬化症又は心脈管系疾患(CVD)及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD)の適切な治療を対象者で選択するために決定することができる。しかしながら、これに関しては、表2−7又は14−20から少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、又は少なくとも8つの脂質濃度、脂質-脂質比又は脂質-臨床濃度比、又は前記の組合せを決定することもまた可能であり、さらに有益であり得る。2つ以上のリピドームマーカーが決定され判定に用いられる場合、上記に記載した判定、評価又は選択で、特定の脂質濃度、脂質-脂質比又は脂質-臨床濃度比、又は前記の組合せに対し他のものよりも高い重要性を与えることは有益であり得る。
本発明の好ましい実施態様は、1つ又は2つ以上の脂質又は脂質比、又はその組合せが、Cer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/22:0)、LacCer(d18:1/24:1)、CE 14:0、CE 20:3、Cer(d18:1/16:0)/LPC 18:1、LacCer(d18:1/24:1)/総CE、CE 19:1/LPC 20:4、Cer(d18:1/16:0)/PC 36:3、CE 20:4/Cer(d18:1/24:1)、及び/又はGlcCer(d18:1/18:0)/アポリポタンパク質A-I(mg/dL)を含む方法である。
【0040】
本発明の関係では、CVDは典型的には、冠状動脈疾患、末梢動脈疾患、卒中及び/又はCVD死を特徴とする。そのサンプルが本発明にしたがって分析される対象者のCVDはアテローム性動脈硬化症により誘発されるものでもよい。しかしながら、本発明はまた、CVD発症のリスクがある対象者を巻き込む方法を包含するが、対象者はアテローム性動脈硬化症であっても又はアテローム性動脈硬化症でなくてもよい。
さらに別の実施態様では、本発明の方法はさらに、対象者のサンプルで総コレステロール、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)、アポリポタンパク質B(アポB)及び/又はアポリポタンパク質C-IIIの血清レベルを決定する工程を含むことができる。本発明のある実施態様では、対象者は、総コレステロール、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、アポリポタンパク質C-III又はアポリポタンパク質B(アポB)の1つ又は2つ以上の血清レベルの上昇、又はHDL-コレステロール(HDL-C)の血清レベルの低下を示さない。
【0041】
上記で述べたように本発明の目的のためには、コントロールサンプルは、1人の健常個体から採取するか、又は健常個体の普遍化集団から、例えば前記集団の多様なサンプルを混合することによって作成することができる。健常個体又は健常個体の普遍化集団は、これらの個体のいずれも重篤なアテローム性動脈硬化症又はCVDにこれまで罹患していないことを意味する。普遍化集団が用いられる場合、集団のいくつかの脂質プロフィールが組み合わされ、リピドームマーカーはこの組合せから作成される。また別には、コントロールサンプルは主要なCVD合併症のいずれもこれまで示していないCAD患者、又は主要なCVD合併症のいずれもこれまで示していないCAD患者群から採取できる。対象者由来サンプルにおける個体の脂質のレベル若しくは量、又は脂質-脂質比又は脂質-臨床濃度比は、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)の前記対象者におけるリスクの決定のために、コントロールの脂質のレベル若しくは量又は脂質比と比較される。
【0042】
本発明は、1つ又は2つ以上のスタチン及び/又は任意の他のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤でこれまで治療されていたか又は現在治療されている、対象者のサンプルにおける脂質濃度、脂質-脂質比及び/又は脂質-臨床濃度比の分析を包含する。
また別には、スタチン療法又は任意の他のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤療法を未だ受けていない対象者のサンプルにおける、脂質濃度、脂質-脂質比及び/又は脂質-臨床濃度比の分析を包含する。
本明細書に記載及び特許請求した本発明の特徴及び実施態様にしたがえば、スタチンは、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、フルバスタチンXL、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン及びシムバスタチンから成る群から選択されるものであり得る。
【0043】
対象者の生物学的サンプルのリピドームマーカー又はリピドームプロフィールに関する情報の収集は、多様な化学的及び高解析分析技術により実施することができる。適切な分析技術には、質量分析及び核共鳴分光学が含まれるが、ただしこれらに限定されない。個体の脂質又は脂質クラスを解析してそれらの構造的情報を提供することができるいずれの高解析技術も、生物学的サンプルの脂質プロフィールの収集に用いることができる。本発明の方法のために、脂質レベルは、質量分析、核磁気共鳴分光学、蛍光分光学又は二重偏光干渉法(dual polarization interferometry)、高速分離法(例えばHPLC又はUPLC)、及び/又は免疫アッセイ(例えばELISA)によって決定される。また別の或いは更に進んだ実施態様にしたがえば、サンプル中の分析物質は、当該分析物質と特異的に結合できる結合部分と前記分析物質を混合することによって検出及び/又は定量することができる。結合部分は、リガンド‐レセプター対(すなわち特異的な結合作用を有することができる分子対)のメンバーを含むことができる。結合部分はまた、例えば特異的な結合対(例えば抗体‐抗原、酵素‐基質、核酸系リガンド、他のタンパク質リガンド、又は当分野で周知の他の特異的結合対)のメンバーを含むことができる。好ましい実施態様では、リピドームプロフィールは質量分析を用いて収集され、この場合MS装置は、直接注入方法及び高速分離方法(例えばHPLC及びHPLC)と一組みにすることができる。収集した脂質プロフィールとコントロールを比較するときに、前記収集リピドームプロフィールの個体における脂質又は脂質クラスの量が用いられる。
【0044】
本発明の方法は、前記患者のCVD発症リスクを決定するために、前記患者のCVDの初期警告サイン決定するために、患者でアテローム性動脈硬化症の存在を決定又は予測するために、及び/又はCVD及び/又はCVD合併症(死亡、心筋梗塞(MI)、狭心症、一過性虚血性発作(TIA)及び卒中が含まれる)を予測及び/又は診断するために用いることができる。
本発明のある実施態様では、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)を、その必要がある対象者で治療又は予防する方法が提供される。前記方法は、表2−7又は14−20に記載した脂質濃度、脂質-脂質比又は脂質-臨床濃度比の1つ又は2つ以上を調節することができる薬剤の治療的に有効な用量を投与する工程を含み、この場合、前記用量は、前記対象者のサンプルの前記1つ又は2つ以上の脂質濃度、脂質-脂質比、脂質-臨床濃度比が、コントロール(例えばコントロールサンプル)中の対応する脂質濃度、対応する脂質-脂質比又は対応する脂質-臨床濃度比と比較したとき顕著には変化しない用量である。好ましい実施態様では、薬剤はスタチン又は別のHMG CoAレダクターゼ阻害剤である。これに関して特に好ましいスタチンは、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、フルバスタチンXL、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン又はシムバスタチンである。別の好ましい実施態様では、薬剤はナイアシン(ニコチン酸);コレステロール吸収阻害剤、例えばエゼチミブ又はSCH-48461;コレステリルエステル転移タンパク質(CETP)阻害剤、例えばトルセトラピブ、アナセトラピブ又はJIT-705;胆汁酸封鎖剤、例えばコレセベラム、コレスチラミン及びコレスチポル;フィブレート、例えばフェノフィブレート、ゲムフィブロジル、クロフィブレート及びベンザフィブレートである。或いは前記はまたフィトステロールでもよい。
【0045】
さらにまた本明細書に包含されるものは、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)の発症リスクを有するか、又は前記に罹患している対象者の予防又は治療に使用される、本明細書に記載した脂質、例えば表2、5、14、15又は20のいずれかの脂質であり、前記脂質は、食事用サプリメント又は医薬として摂取され得る。対応する治療方法も同様に包含される。同様に、本発明はまた、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)の発症リスクを有するか、又は前記に罹患している対象者で、本明細書、例えば表2−7又は14−20に記載の脂質濃度、脂質-脂質比又は脂質-臨床濃度比の調節に使用される調節物質を包含する。対応する治療方法も同様に包含される。さらに別の実施態様では、前記調節物質は小分子、アンチセンスRNA、小さな干渉RNA(siRNA)又は天然の若しくは改変脂質である。
本発明のある実施態様では、表2−7又は14−20の脂質のいずれか1つに対する抗体が、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症(例えばAMI又はCVD死)の予測及び/又は診断に用いられる。本発明の別の実施態様では、前記抗体は、アテローム性動脈硬化症又はCVD及び/又は1つ又は2つ以上のそれらの合併症を対象者で予防又は治療するために用いることができる。
【0046】
本発明の方法、薬剤、脂質又は抗体のいずれも、心脈管系疾患事象(例えば狭心症、心筋梗塞及び心脈管系死)に罹患している対象者のために用いることができる。
さらにまた本発明に包含されるものは、アテローム性動脈硬化症又はCVDの予測または検出用、又は本発明の方法若しくは使用のいずれかの実施用のキットであり、前記キットは、表2又は5の脂質から選択される脂質標準物、表2、5、14、15又は20の脂質の1つ、1つ又は2つ以上のコントロールリピドームマーカー、及び場合によって前記脂質の1つに対する抗体、及びさらに場合によって前記方法又は使用を実施するための試薬を含む。好ましい実施態様では、キットは、アテローム性動脈硬化症又はCVDの予測または検出のために、又は本発明に包含される方法のいずれかの実施のために用いられ、対象者のサンプルの脂質濃度、脂質-脂質比又は脂質-臨床濃度比は質量分析によって決定される。本発明のキットの1つ又は2つ以上のコントロールマーカーは、例えば脂質又はタンパク質である。ある好ましい実施態様は、特許請求の範囲のキットの1つ又は2つ以上のコントロールマーカーが、臨床設定において通常的に測定される分子である態様である。例えば、1つ又は2つ以上のコントロールマーカーがアポA、アポB、アルブミン若しくは総PC、又は前記の組合せである実施態様が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】コントロール対象者及びCVD患者の分子性脂質濃度及び古くから用いられているCVDバイオマーカーの比較である。X軸は、症例とコントロール間におけるある脂質の百分率変化を示す。Y軸は当該変化のそれぞれのp値を示す。古くから用いられているバイオマーカー(例えばLDLコレステロール、HDLコレステロール、アポB、アポA1、総コレステロール)は黒丸で印を付けられている。定量した分子性脂質は星印で印を付けられている。このデータは、いくつかの分子性脂質マーカーは古くから用いられている臨床マーカーより優れていることを示している。
図2】軽度に高コレステロール血症であるがそれ以外は健常である対象者(n=18)由来のリポタンパク質分画のセラミド及びセレブロシド濃度である。このデータは、セラミド及びセレブロシドは血中でアポリポタンパク質粒子と結合することを示している。したがって、HDL粒子は逆脂質輸送に関係し、LDL粒子は脂質を肝臓から末梢組織へ輸送しているので、より正確な情報を得るためにリポタンパク質分画でもまたバイオマーカー脂質を分析することがより豊富な情報を提供することになるかもしれない。HDL結合脂質の診断/予測価値はLDL結合のそれとは異なり得るということはありそうなことである。
図3】エゼチミブ10mg、シムバスタチン40mg又はエゼチミブ10mg及びシムバスタチン40mgの組合せの血漿リピドームに対する影響を、軽度に高コレステロール血症であるがそれ以外は健常である対象者(各処置群でn=24)で調べた。この図は、分子性リン脂質の治療特異的変化を示し、古くから用いられている臨床生化学を用いるよりも精密に、リピドームの測定を用いて脂質改変治療の有効性の特徴を決定できることを示唆している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
定義
冠状血管系疾患/心脈管系疾患(CVD)は当分野におけるその一般的意味を有し、心臓、心臓弁、血液、及び身体の血管系に影響を与える多数の症状を分類するために用いられる。心脈管系疾患には内皮機能不全、冠状動脈疾患、狭心症、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化症、うっ血性心不全、高血圧、脳血管疾患、卒中、一過性虚血性発作、深部静脈血栓症、末梢動脈疾患、心筋症、不整脈、大動脈狭窄症、動脈瘤が含まれる。そのような疾患はしばしばアテローム性動脈硬化症を巻き込む。本発明の好ましい実施態様では、心脈管系疾患はアテローム性動脈硬化症関連心脈管系疾患である。
CADは冠状動脈疾患であり、AMIは急性心筋梗塞であり、ACSは急性冠状動脈症候群であり、CACは冠状動脈カルシウム沈着であり、RCTは逆コレステロール輸送であり、LDLは低密度リポタンパク質であり、HDLは高密度リポタンパク質であり、LDL-Cは低密度リポタンパク質コレステロールであり、HDL-Cは高密度リポタンパク質コレステロールであり、アポAはアポリポタンパク質Aであり、アポBはアポリポタンパク質Bであり、アポCはアポリポタンパク質Cであり、MSは質量分析であり、HPLCは高速液体クロマトグラフィーであり、UPLCは超高速液体クロマトグラフィーである。
【0049】
本明細書で用いられるように、“対象者”には全ての哺乳動物(ヒトを含むが非ヒト霊長類(イヌ、ネコ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウサギ、ブタ及びげっ歯類(ただし前記に限定されない))もまた含まれる)が含まれる。
“サンプル”は、1人の対象者又は対象者のグループ若しくは集団から得られる任意の生物学的サンプルと規定される。本発明の目的のためには、生物学的サンプルは全血、血清、又は血漿であり得る。前記はまた組織サンプルでもよい。しかしながら、好ましい実施態様は、生物学的サンプルが血漿又は血清である実施態様である。患者の血液サンプルを採取することは通常の臨床行為の一部である。血液サンプルは、例えば患者のコレステロールレベルの測定の関連で採取できる。収集血液サンプルを調製し、血清または血漿を当業者に周知の技術で分離することができる。静脈血サンプルは、注射針及びBDバキュテイナー(商標)(Vacutainer(商標))プラスチックチューブ又はバキュテイナー(商標)プラスプラスチックチューブ(BD Vacutainer(商標)SSTTMチューブはスプレー被覆シリア及びポリマーゲルを血清分離のために含んでいる)を用いて患者から収集することができる。血清は室温で10分間1300RCFの遠心分離によって分離し、小さなプラスチックチューブにて-80℃で保存することができる。
【0050】
本発明の目的のためには、リピドーム分析の脂質は以下の用語体系にしたがって名付けられる:CEはコレステロールエステル、Cerはセラミド、DAGはジアシルグリセロール、PC Oはエーテル結合PC、GDはジシアロガングリオシド、GlcCerはガラクトシル-及びグルコシルセラミド、GMはモノシアロガングリオシド、LacCerはラクトシルセラミド、LPCはリゾホスファチジルコリン、PCはホスファチジルコリン、PEはホスファチジルエタノールアミン、PIはホスファチジルイノシトール、SMはスフィンゴミエリン、S1Pはスフィンゴシン-1-ホスフェートである。
呼称A/Bは、DAG及びPCの分子について、当該分子のグリセロ骨格と結合した脂肪酸部分のA及びB型を示す。
呼称(dC/A)は、Cer、GD、GlcCer、GM、LacCer及びSMの分子について、アミド結合した、A、脂肪酸部分を有する長鎖ベースの型Cを示す。
GD及びGMの分子については、後に続く数(例えばGM2及びGM3)は炭水化物配列の特徴を示す。
【0051】
本明細書で用いられる“コントロールサンプルと比較して”という語句は、コントロールサンプルが問題のリピドームマーカーに関して(すなわち1つ又は2つ以上の脂質の濃度、脂質-脂質比又は脂質-臨床濃度比又は前記の組合せに関して)、本発明の多様な特徴及び実施態様の関係で本明細書に特に記載したように実際に分析した実施態様を含むと理解されよう。しかしながら、上記の語句はまた、前記コントロールサンプルの前記リピドームマーカーに関する対応する情報が単に文献から採用されているか、又は以前に決定、計算又は推論されたか、未だ決定、計算又は推論されていない実施態様を含むことは理解されよう。
【0052】
本明細書で用いられるように、“抗体”という用語にはモノクローナル及びポリクローナル抗体、全抗体、抗体フラグメント、及び前記脂質と特異的結合を示す抗体サブフラグメントが含まれる。したがって、適切な“抗体”は任意のクラスの完全な免疫グロブリン(例えばIgG、IgM、IgA、IgD、IgE)、二重又は多重抗原若しくはエピトープ特異性を有するキメラ抗体、又はフラグメント(例えばF(ab’)2、Fab’、Fabなど(ハイブリッドフラグメントを含む))であり得る。前記には、さらにまた任意の免疫グロブリン又は任意の天然、合成若しくは遺伝的操作タンパク質(特異的抗原と結合して複合体を形成することによって抗体のように機能する)が含まれる。“抗体”という用語は、抗体の抗体結合フラグメント(例えば単鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’)2、Fdフラグメント、Fvフラグメント及びdAbフラグメント)を完全な抗体と同様に包含する。例えば、Fab分子は、遺伝的に形質転換した大腸菌(E. Coli)のような宿主で発現させてアッセンブリングすることができる。ラムダベクター系は、したがってその前に存在した抗体を生成する該当物の潜在的多様性と等価であるか又はそれを超える潜在的多様性を有するFab’の集団を発現させるために利用することができる(以下を参照されたい:Huse WD, et al., Science 1989, 246:1275-81)。そのようなFab’は“抗体”の定義に含まれる。抗体のように機能し、特異的抗原と特異的に結合するある分子(抗体フラグメント又はサブフラグメントを含む)の能力は、例えば結合パートナーとして問題の抗原を用いて、当分野で公知の結合アッセイによって決定することができる。
【0053】
本発明の脂質に対する抗体は当業者に周知の方法で調製することができる。例えばマウスをアジュバントとともに脂質で免疫することができる。2週間間隔で3回免疫を実施し、1週おきに血清の抗体力価について検査採血を実施したマウスから脾臓細胞をプールとして採集した。脾臓細胞は3つのアリコットとして調製し、それらを融合実験に直ちに使用するか、又は将来融合に使用するために液体窒素で保存する。
続いて文献(Stewart & Fuller, J. Immunol. Methods 1989, 123:45-53)の方法にしたがって融合実験を実施する。モノクローナル抗体(MAb)分泌ハイブリッドについて、前記脂質で被覆した96ウェルのELISAプレートで酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって、ハイブリッドが増殖しているウェルの上清をスクリーニングする。ELISA陽性培養を制限希釈によってクローニングし、典型的には2回の連続クローニング実験後に単一コロニーから樹立されたハイブリドーマが得られる。
【実施例1】
【0054】
材料及び方法
1)ルドビッヒシャーフェンのリスク及び心脈管健康調査(Ludwigshafen Risk and Cardiovascular Health(LURIC)study)は、これまでのところ3800人を超えるドイツ系における継続中の予測調査である。前記個体では、心脈管系及び代謝系表現型CAD、MI、異脂肪血症、高血圧、代謝系症候群及び真性糖尿病は、標準化方法論を用いて全調査参加者においてその範囲を限定するか除外された。1997年から2002年までに3800人の患者がルドビッヒシャーフェンの心臓センターで募集された。
LURICのための包含規準:
−ドイツ系(遺伝的異種性の制限)
−臨床的安定性(急性冠状動脈症候群(ACS)を除く)
−冠状動脈造影写真の入手可能性
排除基準:
−ACS以外のいずれかの急性症状
−もっぱら非心臓性疾患である任意の慢性症状
−過去5年以内の悪性疾患歴
書面によるインフォームドコンセントの後で、標準化した個体歴及び家族歴の審問及び早朝飢餓静脈血の大量採血から成る基準値試験を実施した。既知の真性糖尿病を示さずさらにインスリン療法を受けていない全ての個体に、経口グルコース耐性検査を実施した。患者の血液サンプルは、生化学分析及び分子遺伝学解析のためにこれまで使用され、さらに将来使用されるであろう。
LURIC調査は、環境的及び遺伝的リスク因子並びにそれらの相互作用の研究とともに、遺伝子多様性と生化学的表現型との間の機能的関係(機能ゲノミクス)又は医薬に対する応答(薬理ゲノミクス)の研究に供される、明確に規定された手段を提供する。臨床事象に関する継続中のこの長期追跡は、ありふれた遺伝的変種(多形性)及び血漿バイオマーカーの予後徴候としての重要性の研究を可能にする。
これまでのバイオマーカー調査で、本発明者らは重症症例をコントロールと比較した(合計58人)。追跡調査中に血管造影で最小限のアテローム性動脈硬化症レベルを有し心脈管系事象を全く示さない対象者をコントロールとして用い、一方、症例グループは基準時の血管造影によれば重症のアテローム性動脈硬化症を有し、さらにまた彼らは急性心脈管系事象により追跡調査中に死亡した。脂質低下薬の使用者は両グループから排除し、これら2グループ間の偏りのないリピドーム比較を可能にした。LURIC調査は、既知の脂質バイオマーカー(総コレステロール、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)及び/又はアポリポタンパク質B(アポB)を含む)の血清レベルの上昇を示さない対象者を比較することを可能にする。対象者の選別は表1に記載されている。
【0055】
表1:リピドミクスにより分析したLURIC患者のバックグラウンドの特徴
症例の定義:全ての症例が、冠状動脈血管造影で2つ(n=3)又は3つの(n=15)の血管に顕著な症状(>50%狭窄)を有しており、患者は追跡調査の間にCVDにより全員が死亡した。
コントロールの定義:冠状動脈血管造影で臨床的に有意なアテローム性動脈硬化症は存在しない(最大狭窄<=10%)。追跡調査中にCVD事象無し。
2)サールグレンスカ(Sahlgrenska)病院アテローム性動脈硬化症斑調査(SHAPS)では、12の外科的に除去した頸動脈斑及び同一個体から得た血漿サンプルが分析された。臨床的にアテローム性動脈硬化症の症状を示さないコントロール対象者の血漿サンプルをコントロールサンプルとして分析した。
【実施例2】
【0056】
分析方法
質量分析によるリピドミクス
タンデム形質量分析と一組みにした直接注入(すなわちショットガンリピドミクス)及び2つの液体クロマトグラフィータンデム形質量分析(LC-MS/MS)アプローチ(すなわちセラミド及びセレブロシドリピドミクス並びにガングリオシドリピドミクス)を用い、ヒト血清、血漿及び頸動脈斑で分子性脂質種を分析することによって、冠状動脈疾患(CVD)リスクの脂質バイオマーカーを同定した。利用した方法は特に以下の定量のために最適化した:分子性コレステロールエステル(CE)、ホスファチジルコリン(PC)、リゾホスファチジルコリン(LPC)及び他のリゾリン脂質(LPL)、エーテル結合ホスファチジルコリン(PC O)及び他のエーテル結合リン脂質(PL O)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジン酸(PA)、ジアシルグリセロール(DAG)、セラミド(Cer)、グルコシルセラミド(GlcCer)、ラクトシルセラミド(LacCer)、モノシアロガングリオシド(GM)、ジシアロガングリオシド(GD)、トリシアロガングリオシド(GT)並びにクヮトロシアロガングリオシド(GQ)。以下の物質を本方法にしたがって用いた。HPLC又はLC-MS等級のクロロホルム、メタノール、水、アセトニトリル、ギ酸、メタノール、イソプロパノール、酢酸アンモニウム、酢酸、塩化カリウム、及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)はシグマ‐アルドリッチ(St. Louis, MO, USA)から購入した。
【0057】
HPLCカラム(Acquity BEH C18、2.1x50mm、内径1.7μm)はウォータース(Waters;Milford, MA, USA)から購入した。HPLCプレカラム(Widepore C18、4x2.0mm)はフェノメネクス(Phenomenex;Torrance, CA, USA)から購入した。抽出に用いた全ての実験室器具はクロロホルム耐性であった。エーロゾル耐性フィルターチップ(Molecular BioProducts)、並びにエッペンドルフの2mLセーフロックチューブ、96ウェルツィンテク(twin.tec)PCRプレート、及びピアス-イット-ライト(Pierce-it-lite)サーモシーリングフォイルはVWRインターナショナル(VWR International;West Chester, PA, USA)から購入した。CO-REフィルターチップ及び96ウェルの2mLワットマンユニプレートはハミルトン・ロボティクス(Hamilton Robotics;Bonaduz, Switzerland)から購入した。合成脂質標準物はアバンチポラーリピド(Avanti Polar Lipids;Alabaster, AL, USA)及びマトレヤ(Matreya;Pleasant Gap, PA, USA)から購入した。
【0058】
脂質は以下のプロトコルにしたがってクロロホルム:メタノールで抽出した。データの標準化及び内因性脂質定量のために、既知量の非内在性合成内部標準物でサンプルをスパイクした。ショットガンリピドミクス分析では;LPC 17:0、PC 17:0/17:0、PA 17:0/17:0、PE 17:0/17:0、PG 17:0/17:0、PS 17:0/17:0、DAG 17:0/17:0、D6-CE 18:0、セラミド及びセレブロシドリピドミクスでは;Cer d18:1/17:0、D3-LacCer d18:1/16:0及びD3-GlcCer d18:1/16:0、さらにガングリオシドリピドミクスではD3-GM1 d18:1/18:0を内部標準物として用いた。抽出後にスパイクした非内在性合成外部標準物を定量コントロールとして用いた。標準物のストック溶液は、適切に秤量した各標準物をクロロホルム:メタノール(2:1(v:v))に溶解して調製し、最終濃度500μMを得た。各標準物ストックの各々を含む内部標準混合物を作製し脂質抽出で用いた。
サンプル及び各抽出バッチのための品質コントロールサンプルを氷上で融解した。クリオボックスを用いて頸動脈斑サンプルを秤量し、水に70%の氷冷メタノール中で均質化した。ミキサーミル301テフロン(商標)アダプターは-20℃に維持した。均質化はミキサーミル301(Retch GmbH, Germany)で2−15分間、15−25Hzで実施した。
【0059】
ヒトサンプルの脂質抽出は、ハミルトン(Hamilton)MICROLA STAR系(Hamilton Robotics, Switzerland)を用い自動化態様で実施した。よく混合したサンプルを、氷冷メタノール及び0.1%BHTを含む96ウェル2mLワットマンユニプレートに分注した。5μLの血清および血漿、並びに30μLの頸動脈斑をショットガンリピドミクス並びにセラミド及びセレブロシドリピドミクスのために用い、さらに100μLの血清および血漿、並びに200μLの頸動脈斑をガングリオシドリピドミクスのために用いた。抽出プロトコルの各工程後のサンプルを十分に混合した。抽出は、適切な体積の内部標準混合物及びクロロホルム、並びにガングリオシドリピドミクスの場合にはメタノール及び水を添加することによって室温で進行させた。ショットガンリピドミクス並びにセラミド及びセレブロシドリピドミクスでは、有機相分離は、20mMの酢酸の添加及び500xgで5分間の遠心分離によって促進した。有機相を新しい96ウェル2mLワットマンユニプレートに移した。残りの水含有相は適切な体積のクロロホルムを加え続いて遠心分離することによって洗浄した。前記2つの有機相をプールし、N2下で乾燥するまで蒸発させた。続いて、合成外部標準物を含むクロロホルム:メタノール(1:2(v:v))に脂質抽出物を再溶解した。ガングリオシドリピドミクスでは、十分に混合してから30分間2000xgで遠心分離した後上清を収集した。残りのペレットを適切な体積の水及びクロロホルム:メタノール(1:2(v:v))で再抽出し、上記と同じ方法で上清を収集した。水を添加しサンプルチューブを逆さまにして、プールした上清を溶媒分配に付した。30分間2000xgで遠心分離した後上清を収集した。下相は塩化カリウムで十分に再抽出し、生じた上相を上記に記載したように収集した。上相をプールし、N2下で乾燥するまで蒸発させた。続いて前記脂質抽出物をクロロホルム:メタノール(1:2(v:v))に再溶解した。MS分析の前に前記抽出物を-20℃にて2mLセーフロックエッペンドルフチューブで保存した。必要な体積の脂質抽出物をエッペンドルフ96ウェルツィンテクPCRプレートに分注し、前記プレートをアルミホイルでヒートシールして蒸発を防いだ。
【0060】
ショットガンリピドミクスでは、脂質抽出物は、自動ナノフローイオン源(NanoMate HD, Advion Biosciences)を装備したハイブリッド三重四極子/線状イオントラップ(hybrid triple quadrupole/linear ion trap)質量分析計(QTRAP 5500, AB Sciex)により分析した。前記装置は陽イオン及び陰イオンモードで作動させた。陽イオンでは、スプレー電圧は1.0から1.4kVに設定し、陰イオンモードでは-1.0から-1.4kVに設定した。ガス圧は0.3−0.8psiを用い、インターフェースヒーターは60℃に設定した。衝突エネルギー(CE)及び脱クラスターポテンシャル(DP)は、合成標準物を用いて各脂質クラスについて最適化した。質量分析計は、スキャン速度200Da/sを用いてユニット解析モードで作動させた。分子性脂質は、Stahlmanと共同研究者らの記載(Stahlman M, et al. High-throughput shotgun lipidomics by quadrupole time-of-flight mass spectrometry. J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci 2009)にしたがって、多重前駆体イオンスキャンニング(MPIS)及びナチュラルロススキャンニング(NLS)を用い陽イオン及び陰イオンモードの両方で分析した。
【0061】
セラミド及びセレブロシドリピドミクス並びにガングリオシドリピドミクスでは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を以下の態様で実施した。クロマトグラフィーの装置は以下から成っていた:CTC HTC PALオートサンプラー(CTC Analytics AG, Switzerland)、レオスアレグロ(Rheos Allegro)UHPLCポンプ(Flux Instruments AG, Switzerland)、外部カラムヒーター(セラミド及びセレブロシドリピドミクスのためには60℃、ガングリオシドリピドミクスのためには45℃に設定)、及びインライン・プレカラム付きアクィティ(Acquity)BEH C18カラム。各々10μLの抽出サンプルを分析用カラムが続くプレカラムに注入し、質量分析計に流速500μL/分でデリバーした。セラミド及びセレブロシドリピドミクスでは、脂質分析物の分離には溶媒A(0.1%ギ酸を含むHPLC等級の水に10mMの酢酸アンモニウムを含む)及び溶媒B(0.1%のギ酸を含むアセトニトリル:イソプロパノール(4:3(v:v))中の10mM酢酸アンモニウム)によるグラディエントを用いた。グラディエントは以下の態様で構築した:0分−65% B;2分−65% B;2.5分−75% B;17.5分−100% B;22.5分−100% B;22.6分−65% B;25分−65% B。
【0062】
ガングリオシドリピドミクスでは、脂質分析物の分離には溶媒A(0.1%ギ酸を含むメタノール中に10mMの酢酸アンモニウムを含む)、溶媒B(0.1%のギ酸を含むイソプロパノール中の10mM酢酸アンモニウム)及び溶媒C(0.1%ギ酸を含む水に10mMの酢酸アンモニウム)によるグラディエントを用いた。グラディエントは以下の態様で構築した:0分−45% A、15% B、40% C;3分−45% A、15% B、40% C;3.5分−55% A、25% B、20% C;18.5分−55% A、35% B、10% C;18.6分−60% A、40% B、0% C;28.6分−60% A、40% B、0% C;29分−45% A、15% B、40% C。注入針、ループ及び注射筒は各サンプルの間でイソプロパノール/メタノールで洗浄した。
【0063】
脂質抽出物はHPLC-MS/MSにより分析した。MS分析は、ターボVTMイオン源(4000 QTRAP, AB Sciex)を装備したハイブリッド三重四極子/線状イオントラップ質量分析計で実施した。装置は陽性イオン及び陰性イオン態様で作動させた。イオン源電圧は、セラミド及びセレブロシドリピドミクスについては5,500Vに、ガングリオシドリピドミクスについては-4500Vに設定し、さらに供給源温度は400℃に設定した。衝突エネルギー(CE)及び脱クラスターポテンシャル(DP)は、合成標準物を用いて各脂質クラスについて最適化した。各スキャについて20秒dwell時間を用いた。多重反応モニタリング(MRM)スキャンモードを用い、Sullardsと共同研究者らの記載(Sullards MC, et al: Structure-specific, quantitative methods for analysis of sphingolipids by liquid chromatography-tandem mass spectrometry: "inside-out" sphingolipidomics. Methods Enzymol 2007)にしたがった。
データ処理は以下の態様で実施した。内在性標準物を用い、さらに利用可能な場合は情報依存獲得(Information Dependent Acquisition(IDA))実験によって、まず初めに保持時間(LCモード)及び各ピークの同定を実施した。未加工データを自動化態様で検出されたピークおよび保持時間(LC態様)にしたがって処理した。実際の脂質ピークからバックグラウンドノイズを分離するために厳格なカットオフを用いた。各サンプルを管理し、厳格な許容基準を満たすときのみ受け入れた。検出ピークのピーク面積カウント(cps)を対応する脂質名のリストに転換した。脂質はそれらの対応する内部標準物に対して、さらにサンプル体積又は組織重量はそれらの対応する濃度に対して標準化した。
【0064】
いくつかの品質コントロールをリピドミクス分析で用いた。合成または単離標準物を用いた検度線はサンプルの分析前に得た。合成標準物は用途に応じて選択し、内在性脂質又は問題の分析物質と同様な特性を有していた。検度線は、予想される定量範囲をカバーする、最小限5つの標準物点から成っていた。標準物無しで抽出したサンプル及びマトリックス無しで抽出した標準物を検度線と一緒に加えた。
検度線を用いて、モニターされる各脂質クラスについて動力学的定量範囲、例えば直線的定量限界を決定した。用いた内部標準物が内在性脂質と同じ態様で反応するとき、それらを内在性脂質種の定量に用いた。検度線は、内在性脂質の定量に用いた同じ内部標準物を基準にした。
【0065】
脂質を抽出した各サンプルで、合成内部標準物(IS)と対応する抽出後スパイクした外部標準物(ES)との比を決定した。内部標準物と外部標準物とのピーク面積比(IS/ES)を、全サンプルに対する変動係数(CV)の計算に用いた。IS/ES比は脂質の抽出回収の計算を可能にした。
装置コントロール(IC)は各試験の最初、中間点及び最後に加えた。分析されるICサンプルは、装置の性能をモニターするため(すなわちアッセイ内及びアッセイ間変動をモニターするため)に抽出される参照血漿及び標準物セットであった。
各プラットフォームについて、厳格なカットオフを実際の脂質ピークからバックグラウンドノイズを分離するために用いた。各サンプルを管理し、厳格な許容基準を満たしたときのみ受け入れた。検出された質量およびカウントを対応する脂質名称のリストに転換した。脂質をそれらの対応する内部標準物及びサンプル体積に対して標準化し、それらの濃度を回収した。
【0066】
統計解析
コントロール群と症例群との間の脂質濃度の百分率変化は以下のように計算した:
100x(症例群のABG[C]−コントロール群のABG[C])/コントロール群のABG[C]
統計的有意は標準的なt検定のp値を基準にして割り当てた。
さらにまた、最良の症例をコントロールから分離する脂質分子及び濃度カットオフを見つけるためにROC曲線を用いた。選択性は、症例総数で割った正しく特定された症例数として計算される。特異性は、コントロール総数によって割った正しく特定されたコントロール数として計算される。選択性及び特異性は、各脂質濃度、脂質対脂質比及び脂質対臨床濃度比について計算した。
【実施例3】
【0067】
倫理
LURIC調査は、“Landesarztekammer Rheinland-Pfalz”(Mainz, Germany)の倫理管理委員会により承認された。書面によるインフォームドコンセントが各参加者から得られた。
SHAPSは、サールグレンスカ(Sahlgrenska)大学病院の倫理委員会により承認され、書面によるインフォームドコンセントが全患者から得られた。
結果
LURIC調査では、LDL-コレステロール濃度は両群で実質的に同一であり、したがってこの古くから用いられている脂質マーカーは、本調査集団ではアテローム性動脈硬化症について予測性でも診断性でもなかった。基準値HDL-コレステロール濃度は心脈管系事象について予測性であった。すなわち、初期の調査で確立されたように、より高いレベルはより良好な結果に関連し、低レベルは心脈管系事象の存在と密接に関係した。HDL-コレステロールレベルは症例群よりもコントロール群で高かったが、その違いは統計的には有意でなかった。
多くのリピドームマーカーがアテローム性動脈硬化症の重要な予測因子であるように思われる(表2−20)。合計289の分子性脂質を定量した。重要な予測因子は、利用可能な時には各カテゴリーから最上位50の候補物質を基準にして選択した。分子性脂質濃度によるバイオマーカー候補物質は表2、5、8及び11に提示されている。候補物質は以下の基準にしたがって選択した:t検定のp値<=0.05又は感度=>60%及び特異性=>70%。古くから用いられている臨床化学的手段のいずれも統計的に有意なリスク予測に達しなかったことに留意されたい。新規なリピドームバイオマーカーの予測値は、それらのレベルが別個の脂質-脂質比又は脂質-臨床化学的測定比(例えばLDL-C又はHDL-C)として表されるときに増加した。比率を基準にしたバイオマーカー候補物質は表3、4、6、7、9、10、12及び13に列挙されている。最上位5つのバイオマーカー候補物質は表20に提示されている。利用可能な時には、各カテゴリーから最上位5つの候補物質を選択した。選択基準:t検定のp値<=0.05及び感度=>60%及び特異性=>70%。最上位5つのバイオマーカー候補物質は表20に提示されている。
【0068】
表2:LURIC調査における重要な脂質。脂質名、p値及び負の相関性についての%変化を提示する。
第二の別個の分子性脂質比を計算し、予測性がもっとも高い分子性脂質比を表3に、脂質対臨床比を表4に示す。
【0069】
表3:LURICの重要な脂質対脂質比の表。脂質名、p値、正及び負の両方の相関性についての%変化を提示する。
【0070】
【0071】
【0072】
表4:LURIC調査の重要な脂質対臨床比の表。脂質名称及び臨床測定、p値並びに正及び負の両方の相関性についての%変化を提示する。
【0073】
【0074】
SHAPS調査の結果はLURIC調査の観察と一致していた。SHAPSデータは表5−7に提示されている。
【0075】
表5:SHAPS調査における重要な脂質の表。脂質名、p値、並びに正及び負の両方の相関性についての%変化を提示する。
【0076】
表6:SHAPS調査における重要な脂質対脂質比の表。脂質名、p値、正及び負の両方の相関性についての%変化を提示する。
【0077】
【0078】
表7:SHAPS調査における重要な脂質対臨床比の表。脂質名、p値、正及び負の両方の相関性についての%変化を提示する。
【0079】
【0080】
測定した脂質のバイオマーカーとしての能力を、各々の脂質についての感度及び特異性、並びに他の脂質又は古典的バイオマーカー(例えばLDL-C及びアポリポタンパク質)に対するそれらの比率を計算することによって判定した。このROC曲線解析は、CVDリスクの予測に対して75%以上の感度及び特異性を有する多数のバイオマーカー候補を明らかにした(表8−13)。
【0081】
表8:LURIC調査で重要な脂質。脂質は最高の感度及び特異性によって分類される。

【0082】
表9:LURIC調査で重要な脂質対脂質比。脂質比は最高の感度及び特異性によって分類される。
【0083】
【0084】
表10:LURIC調査で重要な脂質対臨床比。脂質比は最高の感度及び特異性によって分類される。
【0085】
【0086】
表11:SHAPS調査における重要な脂質の表。脂質は最高の感度及び特異性によって分類される。
【0087】
表12:SHAPS調査における重要な脂質対脂質比の表。脂質比は最高の感度及び特異性によって分類される。
【0088】
【0089】
表13:SHAPS調査における重要な脂質対臨床比の表。脂質比は最高の感度及び特異性によって分類される。
【0090】
【0091】
本発明の好ましい実施態様は、以下のように発見物の広範なリストから選択された。約15の脂質又は脂質比(各々正または負のCVD相関性を有する)が、最高のp値を用い、全脂質クラスの均衡のとれた提示を主観的に担保しながら選択した。感度及び特異性の閾値は、60および70の閾値がそれぞれ達成された場合に症例で注釈を付した。好ましい実施態様の脂質、脂質-脂質比及び脂質-臨床比は表14−19に提示される。
【0092】
表14:LURICサンプルセットから検出された重要な脂質から選択した好ましい実施態様の脂質
【0093】
表15:SHAPSサンプルセットから検出された重要な脂質に由来する好ましい実施態様の脂質
【0094】
表16:LURICサンプルセットから検出された重要な脂質対脂質比に由来する好ましい実施態様

【0095】
表17:SHAPSサンプルセットから検出された重要な脂質対脂質比に由来する好ましい実施態様
【0096】
表18:LURICサンプルセットの重要な脂質対臨床比に由来する好ましい実施態様
【0097】
表19:SHAPSサンプルセットの重要な脂質対臨床比に由来する好ましい実施態様
【0098】
表20:各カテゴリーの最上位5つの候補物質(入手可能の場合)。最良の候補物質を以下の基準にしたがって選択した:t検定のp値<=0.05及び感度=>60%及び特異性=>70%
【0099】
リピドーム分析は、アテローム性動脈硬化症のための新規な血漿バイオマーカーの同定に有効であることを証明した。図1は、リピドームマーカーの高い潜在能力を示し、臨床で用いられてきた既知のマーカー(例えばLDL-コレステロール)を凌ぐ新規な潜在的マーカーの優秀性を示唆している。健常個体とアテローム性動脈硬化症患者との間における分子性脂質の絶対血漿濃度の相違は一般的に30−70%であるように思われるので、絶対濃度単独の代わりに種々の比を計算し使用することは論理的であり得よう。リポタンパク質粒子(例えばLDL、HDL及びVLDL)は血流中でほとんどの脂質のための担体として機能するので、分子性脂質濃度をリポタンパク質データと関係づけることは適切である。したがって、分子性脂質対HDL-コレステロール、LDL-コレステロール、アポリポタンパク質A-I及びアポリポタンパク質B比を計算した(実際、前記は絶対血漿濃度単独よりも良好なバイオマーカーと分かった)。
【0100】
斑のデータは、ヒトのアテローム性動脈硬化症斑は脂質(例えばセラミド及びセレブロシド)に富むことを示している。したがって、in situでのこれらの脂質の合成の低下による動脈壁における又は他の組織(例えば肝臓)におけるそれらの含有量の減少、又は動脈壁からのそれらの輸送の増加は、斑及びアテローム性動脈硬化症の進行を阻害し、したがってCVDのリスクを減少させる。スタチン及び脂質代謝に影響を及ぼす他の薬剤を用いて、ヒトのアテローム性動脈硬化症斑におけるセラミド及びセレブロシドの蓄積を改変することができる。バイオマーカー脂質はアポリポタンパク質(アポA1、アポA2及びアポB)と有意な関連を示し、さらに初期のデータは、それら(例えばセラミド及びセレブロシド)はリポタンパク質粒子(VLDL、LDL及びHDL)と結合することを示している(図2)。リポタンパク質分画におけるバイオマーカー脂質の直接測定は、全血漿又は血清での測定よりも正確である。したがって、種々のリポタンパク質分画における分子性脂質レベルをCVDリスクのための重要なバイオマーカーとして用いることができる。
【0101】
リピドームの測定を用いて、例えば血漿脂質改変化合物(例えばスタチン及びエゼチミブ)の有効性の特徴を決定することもできる(図3)。これらのデータを個体の脂質バイオマーカー濃度/プロフィールと連携させ、したがってまた各患者にとって正しい/最適な/最良の/標的照準治療を選択できる。
分子性脂質対分子性脂質比は、細胞脂質代謝(例えば脂質代謝経路における酵素活性を含む)の重要な指標であり得た。したがって、これらの比は、分子性脂質単独の絶対血漿濃度としてより多くの情報を提供できる。実際、種々の分子性脂質の濃度において多数の比がCVD患者の疾患バイオマーカーとして絶対血漿濃度より優れた性能を示した。
検出される脂質はリポタンパク質粒子(LDL、VLDL及びHDL)中で保持されるので、対応するリポタンパク質分画濃度は全血清/血漿サンプルにおける本調査の結果から得られた分子性脂質の予測潜在能力をいっそう改善するであろうということは明白である。脂質低下薬剤の有効性の測定は、これまでのところLDL-C及びHDL-Cアッセイを基準にしている。本発明者らは、これら古典的分析物よりも良好にCVDリスクを予測するより潜在能力の高いバイオマーカーを本発明で認めたので、これからの薬剤有効性プロフィールの決定では、LDL-Cよりも心脈管系リスクにさらに直接的に関連する新規な鋭敏かつ特異的なバイオマーカーを基準にすべきである。
当業者は、単なる日常的な実験を用いて、実施例及び本特許明細書の全体に記載されてある具体的な実施態様に対する多数の等価物を認識し又は確認することができよう。そのような等価物は本発明の範囲内であると考えられ、以下の特許請求の範囲によってカバーされる。
図2
図1
図3