(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来における基板収納容器は、以上のように構成され、半導体ウェーハを収納した容器本体の開口した正面に重い蓋体が嵌合されるので、半導体ウェーハのセンター位置から正面側、換言すれば、前方の蓋体側に重心が大きく偏ることとなり、天井搬送機構により持ち上げて搬送される際、蓋体側に傾斜することが少なくない。この結果、天井搬送機構による搬送時に基板収納容器を安定した姿勢で高速搬送したり、加工装置のロードポート装置に水平に位置決め搭載することが非常に困難になるという問題が生じる。
【0006】
このような問題を解消する手段として、蓋体を薄く形成して軽量化を図る方法が提案されている。しかしながら、この方法による場合、フロントリテーナが半導体ウェーハを保持する際の反力が蓋体に作用するので、蓋体の剛性が不足して変形や損傷を招くおそれが新たに生じる。
【0007】
本発明は上記に鑑みなされたもので、蓋体側に重心が偏るのを抑制して蓋体側に傾斜するのを防ぎ、安定した姿勢で搬送等することのできる基板収納容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明においては上記課題を解決するため、基板を収納する容器本体と、この容器本体の開口した正面を開閉する蓋体とを備え、
容器本体の内部両側に、φ450mmの半導体ウェーハを水平に支持する一対の支持ティースを対設し、容器本体に搬送用の被吊持部を装着し、
蓋体に施錠機構を内蔵したものであって、
容器本体の背面壁に、蓋体の質量に釣り合う重心位置調整手段を設け、この重心位置調整手段を、衝撃緩和材が移動可能に充填された中空のカプセルとし、
施錠機構を、蓋体正面の表面プレートの操作口を貫通した操作ピンに回転操作される回転プレートと、この回転プレートの回転に伴い、上下方向にスライドして容器本体正面のリムフランジの係止穴に係止爪を係止させる複数のスライドプレートとから構成し、
重心位置調整手段により、半導体ウェーハを収納した基板収納容器の重心位置を半導体ウェーハのセンター位置から±40mm以内とし、基板収納容器が蓋体側に傾斜するのを規制するようにしたことを特徴としている。
【0009】
なお、
容器本体の背面壁両側部に凹部をそれぞれ形成して凹部の内面には干渉リブを形成し、重心位置調整手段のカプセルを中空の略柱形に形成して容器本体の複数の凹部にそれぞれ嵌合可能とし、カプセルの外周面に、凹部の干渉リブに嵌め合わされる干渉溝を形成することができる。
【0010】
また、本発明においては上記課題を解決するため、基板を収納する容器本体と、この容器本体の開口した正面を開閉する蓋体とを備え、容器本体の内部両側に、φ450mmの半導体ウェーハを水平に支持する一対の支持ティースを対設し、容器本体に搬送用の被吊持部を装着し、蓋体に施錠機構を内蔵したものであって、
容器本体の背面壁に、蓋体の質量に釣り合う重心位置調整手段を設け、この重心位置調整手段を複数の支持ブロックとし、この複数の支持ブロックにより、容器本体を正面が上向きになるよう配置した場合に、容器本体の傾きを防止するようにし、
施錠機構を、蓋体正面の表面プレートの操作口を貫通した操作ピンに回転操作される回転プレートと、この回転プレートの回転に伴い、上下方向にスライドして容器本体正面のリムフランジの係止穴に係止爪を係止させる複数のスライドプレートとから構成し、
重心位置調整手段により、半導体ウェーハを収納した基板収納容器の重心位置を半導体ウェーハのセンター位置から±40mm以内とし、基板収納容器が蓋体側に傾斜するのを規制するようにしたことを特徴としている。
【0011】
また、本発明においては上記課題を解決するため、基板を収納する容器本体と、この容器本体の開口した正面を開閉する蓋体とを備え、容器本体の内部両側に、φ450mmの半導体ウェーハを水平に支持する一対の支持ティースを対設し、容器本体に搬送用の被吊持部を装着し、蓋体に施錠機構を内蔵したものであって、
容器本体の背面壁に、蓋体の質量に釣り合う重心位置調整手段を設け、この重心位置調整手段を支持板としてその容器本体の背面壁に積層しない非積層面を傾斜形成し、この支持板により、容器本体を正面が上向きになるよう配置した場合に、容器本体を一方向に傾斜させるようにし、
施錠機構を、蓋体正面の表面プレートの操作口を貫通した操作ピンに回転操作される回転プレートと、この回転プレートの回転に伴い、上下方向にスライドして容器本体正面のリムフランジの係止穴に係止爪を係止させる複数のスライドプレートとから構成し、
重心位置調整手段により、半導体ウェーハを収納した基板収納容器の重心位置を半導体ウェーハのセンター位置から±40mm以内とし、基板収納容器が蓋体側に傾斜するのを規制するようにしたことを特徴としている。
【0013】
ここで、特許請求の範囲における
半導体ウェーハには、少なくともφ450mmの半導体ウェーハが単数複数含まれる。また、容器本体やカプセルは、透明、不透明、半透明のいずれでも良い。容器本体の背面壁については、凹凸の補強構造に構成してその一部を上下方向に伸びる凹部とし、この凹部を断面略半円の溝に形成することができる。
【0014】
干渉リブや干渉溝の形状、数等は、適宜増減変更することができる。
【0015】
本発明によれば、容器本体の後部に重心位置調整手段を設けてカウンターウェイトとして機能させるので、
半導体ウェーハを収納した基板収納容器の重心の移動を
半導体ウェーハのセンター位置から±40mmの範囲内に抑制することができる。この抑制作用により、
半導体ウェーハを収納した基板収納容器の重心が蓋体側に偏るのを防いだり、基板収納容器が蓋体側に傾斜するのを抑え、基板収納容器の姿勢を安定させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、
重心位置調整手段を設けてカウンターウェイトとして機能させるので、半導体ウェーハを収納した基板収納容器の重心の移動を半導体ウェーハのセンター位置から±40mmの範囲内に抑制することができ、これにより、蓋体側に重心が偏るのを抑制して蓋体側に基板収納容器が傾斜するのを防ぎ、安定した姿勢で搬送等することができるという効果がある。
【0017】
また、重心位置調整手段を、容器本体の背面壁に取り付けられ、衝撃緩和材が移動可能に充填された中空の
カプセルとするので、例え基板収納容器に衝撃等が作用しても、基板収納容器の挙動に伴う衝撃緩和材の移動により、衝撃等を吸収したり、減衰することができる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、容器本体の背面壁両側部に凹部をそれぞれ形成して凹部の内面には干渉リブを形成し、カプセルを中空の略柱形に形成して容器本体の複数の凹部にそれぞれ嵌合可能とし、カプセルの外周面に、凹部の干渉リブに嵌め合わされる干渉溝を
形成するので、背面壁の両側部にカプセルを略均等に位置させ、基板収納容器のバランスを向上させたり、バランスの悪化に伴う
半導体ウェーハの位置ずれや回転等を阻止することができる。また、干渉リブと干渉溝との嵌合により、簡易な構成でカプセルの脱落を防止することが可能になる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、複数の支持ブロックの高さを揃えることができるので、
半導体ウェーハを収納した容器本体を正面が上向きになるよう配置した場合に、容器本体の姿勢を安定させ、容器本体内の
半導体ウェーハが傾いて接触し、破損等するのを防止することが可能となる。また、容器本体に凹部を設ける必要がないので、容器本体を成形する場合、金型に改良を施す必要がない。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、複数枚の半導体ウェーハを収納した容器本体を正面が上向きになるよう配置し、この容器本体の正面から蓋体を取り外しても、収納された複数枚の半導体ウェーハを一方向に傾けて整列支持することができる。したがって、複数枚の半導体ウェーハ同士が接触したり、隣接する半導体ウェーハ同士が反対方向に傾いて接触し、この接触に伴い損傷したり、破損を招くのを防止することが可能となる。さらに、容器本体に凹部を設ける必要がないので、容器本体を成形する場合、金型を改良する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る基板収納容器の実施形態を模式的に示す全体斜視説明図である。
【
図2】本発明に係る基板収納容器の実施形態における容器本体の背面壁側を模式的に示す斜視説明図である。
【
図3】本発明に係る基板収納容器の実施形態における容器本体の凹部とカプセルとを模式的に示す斜視説明図である。
【
図4】本発明に係る基板収納容器の実施形態における容器本体の凹部を模式的に示す部分説明図である。
【
図5】本発明に係る基板収納容器の実施形態における容器本体の凹部を模式的に示す部分背面説明図である。
【
図6】本発明に係る基板収納容器の実施形態におけるカプセルを模式的に示す斜視説明図である。
【
図7】本発明に係る基板収納容器の実施形態におけるカプセルを模式的に示す部分断面斜視説明図である。
【
図8】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態を模式的に示す斜視説明図である。
【
図9】本発明に係る基板収納容器の第3の実施形態を模式的に示す斜視説明図である。
【
図10】本発明に係る基板収納容器の第3の実施形態を模式的に示す背面説明図である。
【
図11】本発明に係る基板収納容器の第4の実施形態を模式的に示す斜視説明図である。
【
図12】本発明に係る基板収納容器の第4の実施形態におけるストッパーバンドを模式的に示す断面説明図である。
【
図13】本発明に係る基板収納容器の第5の実施形態を模式的に示す説明図である。
【
図14】本発明に係る基板収納容器の第6の実施形態を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における基板収納容器は、
図1ないし
図7に示すように、半導体ウェーハWを整列収納する容器本体1と、この容器本体1の開口した正面13を着脱自在に開閉する重い蓋体20とを備え、容器本体1の後部に重い重心位置調整手段40を設け、この重心位置調整手段40により、前方の蓋体20側に重心が偏るのを抑制したり、蓋体20側に傾斜するのを規制するようにしている。
【0023】
半導体ウェーハWは、
図1に示すように、例えば775μmの厚さを有するφ300mm、あるいは925μmの厚さを有するφ450mmのシリコンウェーハからなり、周縁部に図示しない位置合わせや識別用のノッチが平面V字形に切り欠かれており、容器本体1に25枚が上下方向に整列して収納される。
【0024】
容器本体1と蓋体20とは、所定の樹脂を含有する成形材料により複数の部品がそれぞれ射出成形され、この複数の部品の組み合わせで構成される。この成形材料中の所定の樹脂としては、例えば力学的性質や耐熱性等に優れるポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系等からなる熱可塑性エラストマー、ポリアセタール、液晶ポリマー、あるいは環状オレフィン樹脂等があげられる。この所定の樹脂には、カーボン、カーボン繊維、金属繊維、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー、帯電防止剤、又は難燃剤等が必要に応じて選択的に添加される。
【0025】
容器本体1は、
図1ないし
図3に示すように、半導体ウェーハWを水平に収納する正面13の開口したフロントオープンボックスに成形され、横長の正面13を水平横方向に向けた状態で加工装置に付設されたロードポート装置上に位置決めして搭載されたり、洗浄槽の洗浄液により洗浄される。この容器本体1の内部両側、換言すれば、両側壁10の内面には、半導体ウェーハWを水平に支持する左右一対の支持ティース2が対設され、この一対の支持ティース2が上下方向に所定のピッチで配列されており、各支持ティース2が前後方向に細長い板片に形成される。
【0026】
容器本体1の底板3の前部両側と後部中央とには、複数の位置決め具が締結ビス等を介しそれぞれ螺着され、各位置決め具が断面略V字形に形成されてロードポート装置のテーブル上の位置決めピンに上方から嵌合し、基板収納容器、換言すれば、容器本体1を高精度に位置決めするよう機能する。また、容器本体1の底板3には、底板3を被覆して複数の位置決め具等をそれぞれ露出させるボトムプレート4が締結ビスを介して水平に螺着され、このボトムプレート4の左右両側部には、搬送用のコンベヤレールがそれぞれ選択的に形成される。
【0027】
容器本体1の天井5の略中央部には
図1に示すように、搬送用のロボティックフランジ6が着脱自在に装着され、このロボティックフランジ6が工場の天井搬送機構に握持して吊持された後、基板収納容器が工程間を高速で搬送される。
【0028】
容器本体1の後部である背面壁7は、
図2ないし
図5に示すように、例えば凹凸の補強構造に構成され、左右両側部には、上下方向に直線的に伸びる凹部8がそれぞれ内方向に向けて凹み形成されており、この左右一対の凹部8がそれぞれ断面略半円の溝形に湾曲形成される。各凹部8の上下両端部の内面には、外部に露出する干渉リブ9がそれぞれ平面略半円弧形に湾曲形成される。また、背面壁7の内面両側部には、半導体ウェーハWの後部周縁を保持可能なリアリテーナが凹部8に対向するようそれぞれ選択的に形成される。
【0029】
容器本体1の両側壁10外面には、前後方向に伸びる取付用の切り欠き11が形成され、各切り欠き11にグリップ部12がそれぞれ着脱自在に装着される。各グリップ部12は、作業の非常時等に握持操作される他、容器本体1の補強や変形防止の機能を発揮する。
【0030】
容器本体1の背面壁7の反対側に位置する正面13は、周縁から外方向に張り出すリムフランジ14が膨出形成され、このリムフランジ14内に蓋体20がロードポート装置の蓋体開閉装置により着脱自在に圧入して嵌合される。このリムフランジ14の内周面の上下両側部には、蓋体20の施錠機構30用の係止穴15がそれぞれ穿孔される。
【0031】
蓋体20は、
図1に示すように、容器本体1の正面13のリムフランジ14内に嵌合する横長の筐体21と、この筐体21の開口した正面を被覆する表面プレート28と、これら筐体21と表面プレート28との間に介在される施錠機構30とを備えて構成される。
【0032】
筐体21は、基本的には枠形の周壁を備えた浅底の断面略皿形に形成され、中央部が裏面側から表面側に向け正面略箱形に突出形成されており、この中央部と周壁の左右両側部との間に施錠機構30用の設置空間がそれぞれ区画形成される。筐体21の周壁の上下両側部には、施錠機構30用の貫通孔22がそれぞれ穿孔され、各貫通孔22がリムフランジ14の係止穴15に対向する。
【0033】
筐体21の容器本体1に収納された半導体ウェーハWに対向する対向面、すなわち裏面には、複数枚の半導体ウェーハWの前部周縁を弾発的に保持するフロントリテーナ23が着脱自在に装着される。このフロントリテーナ23は、筐体21の裏面に装着されて蓋体20の変形を防止する縦長の枠体24を備え、この枠体24の縦桟部には、傾斜しながら半導体ウェーハW方向に伸びる複数の弾性片25がそれぞれ上下に並べて一体形成されており、各弾性片25の先端部には、半導体ウェーハWの前部周縁をV溝により保持する小さな保持ブロック26が一体形成される。
【0034】
筐体21の裏面周縁部には、枠形の嵌合溝が形成され、この嵌合溝には、容器本体1の正面13内周縁に圧接するリップタイプのガスケットが密嵌される。このガスケットは、例えば耐熱性や耐候性等に優れるフッ素ゴム、シリコーンゴム、各種の熱可塑性エラストマー(例えば、オレフィン系、ポリエステル系、ポリスチレン系等)等を成形材料として弾性変形可能な枠形に成形される。
【0035】
表面プレート28は、筐体21の開口した正面に対応するよう横長の平板に形成され、左右両側部に、施錠機構30用の操作口29がそれぞれ穿孔される。また、施錠機構30は、表面プレート28の操作口29を貫通した蓋体開閉装置の操作ピンに回転操作される左右一対の回転プレート31と、各回転プレート31の回転に伴い上下方向にスライドする複数のスライドプレート32と、各スライドプレート32のスライドに伴い筐体21の貫通孔22から突出してリムフランジ14の係止穴15に係止する複数の係止爪33とを備えて構成され、フロントリテーナ23の前方に位置する。
【0036】
重心位置調整手段40は、
図2ないし
図7に示すように、容器本体1の背面壁7における左右一対の凹部8にそれぞれ着脱自在に嵌合され、蓋体20の質量に釣り合う所定量の衝撃緩和材43が充填された左右一対の重いカプセル41からなり、半導体ウェーハWを収納した基板収納容器の重心位置を半導体ウェーハWのセンター位置から±40mm以内、好ましくは±30mm以内の許容範囲とする。
【0037】
各カプセル41は、所定の材料を用いて容器本体1の背面壁7の高さと略同じ長さを有する中空縦長の円柱形、換言すれば、シリンダ形に形成され、上下両端部の外周面には、凹部8の干渉リブ9に圧入して密嵌する略リング形の干渉溝42がそれぞれ形成されており、この干渉溝42の密嵌により脱落が防止される。カプセル41の所定の材料としては、例えば容器本体1や蓋体20と同様の成形材料、アルミ、ステンレス、銅等からなる各種金属、これらの合金、あるいはこれらの金属や合金に樹脂コーティングして被覆した材料等が該当する。
【0038】
カプセル41は、衝撃緩和材43の注入や充填量の変更を容易にしたい場合、上下方向や左右方向に分割可能に形成される。例えば、衝撃緩和材43の注入される有底円筒形のカプセル本体を備え、このカプセル本体の開口端部に、着脱自在のキャップが螺嵌する構成等とされる。
【0039】
衝撃緩和材43は、特に限定されるものではないが、例えば液体、ゲル状部材、粒状体、発泡体等が該当し、基板収納容器の動きに応じ、上下方向等に動作してダンパーとしても機能する。この衝撃緩和材43が液体の場合には、水、粘性抵抗の高いオイル、水を吸収したポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、オイルを吸収したポリノルビオルネン樹脂、ポリスチレンブタジエン共重合樹脂等が適宜使用される。
【0040】
上記構成によれば、容器本体1の背面壁7の凹部8に大型のカプセル41を嵌合してカウンターウェイトとして重い蓋体20と釣り合わせ、半導体ウェーハWを収納した基板収納容器の重心位置を半導体ウェーハWのセンター位置から±40mm以内の許容範囲に抑制することができる。
【0041】
係る抑制作用により、半導体ウェーハWを収納した基板収納容器の重心が正面13側、換言すれば、前方の蓋体20側に大きく偏るのを著しく抑制したり、あるいは天井搬送機構により持ち上げて搬送される場合にも、基板収納容器が蓋体20側に傾斜するのを有効に防ぐことができる。したがって、天井搬送機構による搬送時に基板収納容器を安定した姿勢で高速搬送したり、加工装置のロードポート装置に水平に位置決め搭載することが実に容易となる。
【0042】
また、蓋体20を薄く形成して軽量化を図る必要が全くないので、蓋体20の剛性が不足して変形や損傷を招くおそれを排除することができる。また、容器本体1の背面壁7にカプセル41が単に位置するのではなく、容器本体1の背面壁7と略同じ長さのカプセル41が背面壁7の両側部にそれぞれ均等に位置するので、基板収納容器の前後や左右のバランスを大幅に向上させたり、バランスの悪化に伴う半導体ウェーハWの回転等を有効に阻止することが可能になる。
【0043】
また、容器本体1に水平に収納される半導体ウェーハWの略全域に亘り、カウンターウェイトであるカプセル41を半導体ウェーハWに対して垂直に配置するので、基板収納容器の重心位置をZ方向にもバランス良く均等に調整することが可能となる。このため、基板収納容器を高速で搬送しても、重心位置の偏心に伴う基板収納容器の振動を小さくすることが可能となる。
【0044】
また、各カプセル41に固定の錘体を単に収納するのではなく、流動性の衝撃緩和材43を充填するので、例え基板収納容器に衝撃が作用しても、衝撃緩和材43の流動により衝撃を吸収したり、制振したり、減衰することができる。したがって、基板収納容器や半導体ウェーハWの損傷防止が大いに期待できる。さらに、各カプセル41が凹部8のデザインに対応する円柱形で、かつ着脱自在なので、カプセル41を必要に応じて取り外したり、衝撃緩和材43を適宜増減させる等、各種の便宜を図ることもできる。
【0045】
次に、
図8は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、容器本体1の後部である両側壁10後部に、重心位置調整手段40である重い複数の補強リブ44をそれぞれ上下方向に一体的に配列し、各補強リブ44を多角形の略ボタン形に形成するようにしている。
【0046】
複数の補強リブ44は、蓋体20の質量を考慮して大きさや数等が決定され、必要に応じ、銅、アルミ、ステンレス、これらの合金に樹脂コーティングして被覆した部材等がインサートされる。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0047】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、重心位置調整手段40の構成の多様化を図ることができる他、重心位置調整手段40として別体のカプセル41を敢えて製造する必要性がないのは明らかである。さらに、容器本体1の背面壁7に凹部8を設ける作業を省略することができるので、容器本体1を射出成形する金型を改良する必要が全くない。
【0048】
次に、
図9及び
図10は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、重心位置調整手段40を、容器本体1の底板3とボトムプレート4との後部間に着脱自在に装着される重い錘体45とするようにしている。
【0049】
ボトムプレート4の表面後部には、錘体45用の取付部16が形成される。錘体45は、特に限定されるものではないが、例えば蓋体20の質量に釣り合う銅や鉛製の板、棒等からなり、必要に応じ、合成樹脂製のカバー等により被覆保護されてボトムプレート4の取付部16に装着される。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0050】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、重心位置調整手段40の構成の多様化や小型化を図ることができる他、凹部8を設ける必要がないので、容器本体1を射出成形する専用の金型に改良を施す必要が全くない。
【0051】
次に、
図11及び
図12は本発明の第4の実施形態を示すもので、この場合には、容器本体1の背面壁7の上下に、各カプセル41に嵌合してその脱落を防止する複数のストッパーバンド46を着脱自在に螺着するようにしている。
【0052】
各ストッパーバンド46は、背面壁7の凹部8を跨ぐ細長い可撓性のバンド47を備え、このバンド47の内面には、カプセル41の外周面に密接して保持する断面略半円弧形の湾曲した弾性保持片48が一体形成される。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、簡易な構成でカプセル41の落下を防止することができる。
【0053】
次に、
図13は本発明の第5の実施形態を示すもので、この場合には、容器本体1の背面壁7の上下に、重心位置調整手段40である重い複数の支持ブロック49を所定の間隔で装着してこれら複数の支持ブロック49を同じ高さに形成し、この複数の支持ブロック49により、容器本体1の姿勢を制御するようにしている。
【0054】
複数の支持ブロック49は、例えば2個、4個、5個、又は6個の必要数が使用され、容器本体1の背面壁7の上下方向や上下左右方向に所定の間隔を空けて締結具等で螺着される。例えば、複数の支持ブロック49は、容器本体1の背面壁7の四隅部、四隅部と中央部とに適宜螺着される。各支持ブロック49は、例えばアルミ、ステンレス、銅、合成樹脂等からなる所定の材料を使用して他の支持ブロック49と同じ高さの重い角型、多角形型、丸型等に形成される。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0055】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、重い複数の支持ブロック49の高さを揃えて整合することにより、所定のテーブルに容器本体1を正面13が上向きになるよう配置した場合に、容器本体1の姿勢を安定させて傾斜を防止することが可能となる。したがって、隣接する半導体ウェーハW同士がランダムに傾いて接触し、この接触に伴い損傷したり、破損するのを防止することができるのは明らかである。また、容器本体1の背面壁7に凹部8を設けなくても良いので、容器本体1を射出成形する金型を改良する必要が全くない。
【0056】
次に、
図14は本発明の第6の実施形態を示すもので、この場合には、容器本体1の背面壁7に、重心位置調整手段40である重い支持板50を装着し、この支持板50により、容器本体1を正面13が上向きになるよう配置した場合に、容器本体1の姿勢を調整して一方向に僅かに傾斜させるようにしている。
【0057】
支持板50は、例えばアルミ、ステンレス、銅、合成樹脂等からなる所定の材料を使用して容器本体1の背面壁7よりも小さい板に形成され、容器本体1の背面壁7に重ねて締結具等で螺着される。この支持板50は、容器本体1の背面壁7に積層する積層面が平坦に形成され、背面壁7に積層しない広い非積層面51が僅かに傾斜形成されることにより、容器本体1の天井5側の肉厚が厚く、容器本体1の底板3側の肉厚が薄くされる。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0058】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、所定のテーブルに支持板50の傾斜した非積層面51を接触させて容器本体1を正面13が上向きになるよう配置した後、この容器本体1の正面13から蓋体20を取り外しても、複数枚の半導体ウェーハWを一方向(例えば、半導体ウェーハWの裏面方向)に傾けて整列支持することができるのは明らかである。
【0059】
したがって、複数枚の半導体ウェーハWの表面同士が接触したり、隣接する半導体ウェーハW同士が反対方向に傾いて接触し、この接触に伴い損傷したり、破損を招くのを防止することが可能となる。さらに、容器本体1の背面壁7に凹部8を設ける必要がないので、容器本体1用の金型に改良を施す必要がない。
【0060】
なお、上記実施形態では蓋体20の筐体21裏面にフロントリテーナ23を単に装着したが、筐体21の裏面中央部にフロントリテーナ23を装着しても良いし、筐体21の裏面両側部にフロントリテーナ23をそれぞれ装着しても良い。また、上記実施形態では一対のカプセル41を使用したが、1本でも良いし、3本や4本等としても良い。また、カプセル41を縦に嵌合するのではなく、横や斜め等に嵌合しても良い。
【0061】
また、容器本体1の背面壁7に、凹部8に嵌合したカプセル41の脱落を規制するストッパーバンド46以外の規制片やテープ等を適宜取り付けることができる。また、凹部8とカプセル41との間に、制振ゴム等の弾性層を介在させることができる。また、上記実施形態ではカプセル41を単に中空の円柱形に形成したが、中空の楕円柱形や角柱形等に形成したり、衝撃緩和材43の漏洩を防止する観点から、二重構造の筒形等に形成することもできる。さらに、第1、第2、第3、第5の実施形態における重心位置調整手段40を適宜組み合わせることも可能である。