(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871316
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04H 60/06 20080101AFI20160216BHJP
H04H 60/07 20080101ALI20160216BHJP
H04H 60/25 20080101ALI20160216BHJP
H04H 60/27 20080101ALI20160216BHJP
H04N 21/262 20110101ALI20160216BHJP
H04H 60/31 20080101ALI20160216BHJP
【FI】
H04H60/06
H04H60/07
H04H60/25
H04H60/27
H04N21/262
H04H60/31
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-51523(P2012-51523)
(22)【出願日】2012年3月8日
(65)【公開番号】特開2013-187746(P2013-187746A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2015年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】大仲 洋祐
【審査官】
川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−307793(JP,A)
【文献】
特開平01−191578(JP,A)
【文献】
特開平10−022955(JP,A)
【文献】
特開2007−195172(JP,A)
【文献】
特開2002−084240(JP,A)
【文献】
特開2002−077074(JP,A)
【文献】
特開2000−069364(JP,A)
【文献】
特開2001−297291(JP,A)
【文献】
特開2001−236444(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0195863(US,A1)
【文献】
(3)自動時間取り,UXP/DS ONAIR/TV4操作ガイド −放送編(編成/営業)− (民間放送局向総合システム/テレビ営業放送業務),富士通株式会社,1995年11月,第1版,p.148−152
【文献】
第4章 販売管理サブシステム(オンライン),OS IV/XSP ONAIR/TV III 解説書(民間放送局総合システム/テレビ営業放送業務),富士通株式会社,1993年 6月,第1版,p.51−128
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04H 20/00 − 20/95
H04H 40/00 − 40/90
H04H 60/00 − 60/98
H04N 21/262
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告を識別する広告識別情報を、当該広告に求められる広告効果を示す広告条件に対応付けて取得する広告条件取得手段と、
広告を流す複数の日時の組み合わせの基本データである複数の基本スケジュールと、当該基本スケジュールに基づいて広告を複数回流したときの広告効果を示す広告結果とを互いに対応付けて記憶する基本スケジュール記憶手段に接続し、前記広告条件及び前記広告結果に基づいて、前記基本スケジュール記憶手段から前記基本スケジュールを読み出す基本スケジュール読出手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記広告効果は、視聴率の合計値である情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置において、
広告を放送する曜日及び時間の組み合わせ別に、ランクが定められており、
前記広告効果は、前記ランク別の放送回数又は放送割合である情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記基本スケジュール記憶手段は、前記基本スケジュール及び前記広告効果の組み合わせとして、過去に流した広告の放送スケジュール及び広告効果の組み合わせを含む実績データを記憶している情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置において、
前記広告効果は、視聴率の合計値、広告を放送する曜日及び時間の組み合わせ別に定められたランク別の放送回数、および前記ランク別の放送割合のいずれかを含み、
広告にはその広告が流される期間を示す対象期間が定められており、
前記基本スケジュール読出手段は、前記広告条件取得手段が取得した前記広告効果に最も近い前記広告効果を有する過去の広告の前記放送スケジュールを前記基本スケジュールとして読み出し、前記広告識別情報で識別される広告の前記対象期間うちの当該放送スケジュールの最初の曜日と同一の曜日となる月日のうち最初の月日を基準月日と定義し、当該放送スケジュールの最初の月日と基準月日との差を認識し、当該放送スケジュールを認識した差分スライドさせる情報処理装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記広告条件は、さらに当該広告の対象となる商品の種類又は当該商品を提供する会社を識別する対象識別情報を含んでおり、
番組別に当該番組に流される広告の前記広告識別情報を記憶する広告スケジュール記憶手段から、前記基本スケジュール読出手段が読み出した前記基本スケジュールに従った場合に同一の番組で流される他の広告の前記広告識別情報を読み出す広告識別情報読出手段と、
前記広告識別情報と前記対象識別情報とを対応付けて記憶する広告情報記憶手段から、前記広告識別情報読出手段が読み出した前記広告識別情報に対応する前記対象識別情報を読み出し、読み出した前記対象識別情報と、前記広告条件に含まれている前記対象識別情報に基づいて、前記基本スケジュール読出手段が読み出した前記基本スケジュールの可否を判断する判断手段と、
をさらに備える情報処理装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記広告条件は、さらに当該広告が流されるべき番組のジャンル、又は当該広告が流されてはいけない番組のジャンルを示す番組ジャンル識別情報を含んでおり、
前記基本スケジュールに従ったときに広告が流される番組の前記番組ジャンル識別情報を取得し、取得した前記番組ジャンル識別情報と前記広告条件に含まれるジャンル情報とに基づいて、前記基本スケジュール読出手段が読み出した前記基本スケジュールの可否を判断する判断手段をさらに備える情報処理装置。
【請求項8】
請求項6に記載の情報処理装置において、
前記広告条件は、さらに当該広告が流されるべき番組のジャンル、又は当該広告が流されてはいけない番組のジャンルを示す番組ジャンル識別情報を含んでおり、
前記判断手段は、前記基本スケジュールに従ったときに広告が流される番組の前記番組ジャンル識別情報を取得し、取得した前記番組ジャンル識別情報と前記広告条件に含まれるジャンル情報とに基づいて、前記基本スケジュール読出手段が読み出した前記基本スケジュールの可否をさらに判断する情報処理装置。
【請求項9】
広告を識別する広告識別情報を、当該広告に求められる広告効果を示す広告条件に対応付けて取得する広告条件取得手段と、
広告を流す複数の日時の組み合わせの基本データである複数の基本スケジュールと、当該基本スケジュールに基づいて広告を複数回流したときの広告効果を示す広告結果とを互いに対応付けて記憶する基本スケジュール記憶手段と、
前記基本スケジュール記憶手段から、前記広告条件及び前記広告結果に基づいて、前記基本スケジュール記憶手段から前記基本スケジュールを読み出す基本スケジュール読出手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理ステムにおいて、
前記基本スケジュール記憶手段は、前記基本スケジュール及び前記広告効果の組み合わせとして、過去に流した広告の放送スケジュール及び広告効果の組み合わせを含む実績データを記憶している情報処理システム。
【請求項11】
コンピュータが、
広告を識別する広告識別情報を、当該広告に求められる広告効果を示す広告条件に対応付けて取得し、
広告を流す複数の日時の組み合わせの基本データである複数の基本スケジュールと、当該基本スケジュールに基づいて広告を複数回流したときの広告効果を示す広告結果とを互いに対応付けて記憶する基本スケジュール記憶手段に接続し、前記広告条件及び前記広告結果に基づいて、前記基本スケジュール記憶手段から前記基本スケジュールを読み出す、情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
広告を識別する広告識別情報を、当該広告に求められる広告効果を示す広告条件に対応付けて取得する機能と、
広告を流す複数の日時の組み合わせの基本データである複数の基本スケジュールと、当該基本スケジュールに基づいて広告を複数回流したときの広告効果を示す広告結果とを互いに対応付けて記憶する基本スケジュール記憶手段に接続し、前記広告条件及び前記広告結果に基づいて、前記基本スケジュール記憶手段から前記基本スケジュールを読み出す機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告を流すスケジュールを作成することを支援する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ番組やラジオ番組などを放送するときには、広告も流される。この広告を管理するシステムとしては、例えば特許文献1に記載のものがある。特許文献1には、番組やコマーシャルなどの放送素材を扱うシステムにおいて、放送予定の放送素材と放送結果の放送素材とが一致していることを確認できるようにすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−180234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
どの番組にどの広告を流すかは、放送局の担当者が決めている。近年は、広告を流すときに求められる条件が複雑化している。このため、担当者の作業負荷が大きくなっていた。
【0005】
本発明の目的は、広告を流すスケジュールを決める担当者の作業負荷を少なくすることができる情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、広告を識別する広告識別情報を、当該広告に求められる広告効果を示す広告条件に対応付けて取得する広告条件取得手段と、
広告を流す複数の日時の組み合わせの基本データである複数の基本スケジュールと、当該基本スケジュールに基づいて広告を複数回流したときの広告効果を示す広告結果とを互いに対応付けて記憶する基本スケジュール記憶手段に接続し、前記広告条件及び前記広告結果に基づいて、前記基本スケジュール記憶手段から基本スケジュールを読み出す基本スケジュール読出手段と、
を備える情報処理装置が提供される。
【0007】
本発明によれば、広告を識別する広告識別情報を、当該広告に求められる広告効果を示す広告条件に対応付けて取得する広告条件取得手段と、
広告を流す複数の日時の組み合わせの基本データである複数の基本スケジュールと、当該基本スケジュールに基づいて広告を複数回流したときの広告効果を示す広告結果とを互いに対応付けて記憶する基本スケジュール記憶手段と、
前記基本スケジュール記憶手段から、前記広告条件及び前記広告結果に基づいて、前記基本スケジュール記憶手段から前記基本スケジュールを読み出す基本スケジュール読出手段と、
を備える情報処理システムが提供される。
【0008】
本発明によれば、コンピュータが、
広告を識別する広告識別情報を、当該広告に求められる広告効果を示す広告条件に対応付けて取得し、
広告を流す複数の日時の組み合わせの基本データである複数の基本スケジュールと、当該基本スケジュールに基づいて広告を複数回流したときの広告効果を示す広告結果とを互いに対応付けて記憶する基本スケジュール記憶手段に接続し、前記広告条件及び前記広告結果に基づいて、前記基本スケジュール記憶手段から前記基本スケジュールを読み出す、情報処理方法が提供される。
【0009】
本発明によれば、コンピュータに、
広告を識別する広告識別情報を、当該広告に求められる広告効果を示す広告条件に対応付けて取得する機能と、
広告を流す複数の日時の組み合わせの基本データである複数の基本スケジュールと、当該基本スケジュールに基づいて広告を複数回流したときの広告効果を示す広告結果とを互いに対応付けて記憶する基本スケジュール記憶手段に接続し、前記広告条件及び前記広告結果に基づいて、前記基本スケジュール記憶手段から前記基本スケジュールを読み出す機能と、
を実現させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、広告を流すスケジュールを決める担当者の作業負荷を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示す図である。
【
図3】基本スケジュール記憶部が記憶している基本スケジュールの第1例を示す図である。
【
図4】基本スケジュール記憶部が記憶している基本スケジュールの第2例を示す図である。
【
図5】情報処理装置が行う処理を示すフローチャートである。
【
図6】第2の実施形態に係る情報処理装置が行う動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図6のステップS30の詳細を示すフローチャートである。
【
図8】
図7のステップS32を、具体例を用いて説明する図である。
【
図9】
図7のステップS32を、具体例を用いて説明する図である。
【
図10】第3の実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【
図11】広告情報記憶部が記憶している情報の一例を示す図である。
【
図12】
図10に示した情報処理装置の機能構成を示す図である。
【
図13】
図12に示した情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図14】第4の実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0013】
なお、以下に示す説明において、各装置の各構成要素は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。各装置の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶メディア、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例がある。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る情報処理装置10の機能構成を示す図である。情報処理装置10は、広告条件取得部110及び基本スケジュール読出部120を有している。広告条件取得部110は、広告を識別する広告識別情報を、この広告に求められる広告効果を示す広告条件に対応付けて取得する。基本スケジュール読出部120は、基本スケジュール記憶部20に接続することができる。基本スケジュール記憶部20は、基本スケジュールと広告結果を互いに対応付けて記憶している。基本スケジュールは、広告を流す複数の日時の組み合わせの基本データである。広告結果は、その基本スケジュールに基づいて広告を複数回流したときの広告効果を示している。そして基本スケジュール読出部120は、広告条件取得部110が取得した広告条件、及び基本スケジュールに対応している広告結果に基づいて、基本スケジュール記憶部20から基本スケジュールを読み出す。
【0015】
広告の契約には、広告に求められる広告効果(以下、広告条件と記載)が含まれている。そして広告を流すスケジュールは、この広告条件を満たすようにして定めなければならない。本実施形態によれば、情報処理装置10は、広告結果が広告条件を満たしている基本スケジュール、又は広告結果が広告条件に近い基本スケジュールを選択して読み出す。このため、広告を流すスケジュールを決める作業者は、情報処理装置10が選択した基本スケジュールをベースに広告スケジュールを定めればよい。このため、作業者の負担が少なくなる。以下、詳細に説明する。
【0016】
図2は、広告条件を説明するための図である。広告条件の項目としては、GRP(Gross Rating Point)、タイムランク、掛率、一本単価、%コスト、及びCPM(Cost Per Mill)などがある。GRPは、広告が放送される番組の視聴率の合計値である。タイムランクは、広告を放送する曜日及び時間の組み合わせ別に定められたランクである。そしてタイムランクに関する広告条件は、ランク別の放送回数又は放送割合の少なくとも一方を含んでいる。掛率は、広告1本当たりの定価に対して、放送局が割引する割合である。1本単価は、契約金額及び放送予定の広告本数から計算される、広告1本当たりの単価である。%コストは、GRP1%あたりの金額(コスト)である。CPMは、1000世帯当たりの広告の到達コストである。
【0017】
情報処理装置10の基本スケジュール読出部120は、
図2に示した広告条件のうち、GRP及びタイムランクの少なくとも一方をキーとして、基本スケジュールを選択する。すなわち基本スケジュール読出部120は、基本スケジュールのうち、GRP及びタイムランクの少なくとも一方が最も近い基本スケジュールを選択する。
【0018】
図3は、基本スケジュール記憶部20が記憶している基本スケジュールの第1例を示す図である。本図に示す例において、基本スケジュール記憶部20は、過去の実績データ、すなわち過去に流した広告の放送スケジュール及び広告効果の実績値(広告結果)の組み合わせを、基本スケジュール及び広告効果の組み合わせとして記憶している。具体的には、基本スケジュール記憶部20は、過去に放送した広告の広告識別情報を、その広告を流した放送スケジュール、及びその広告における広告効果の実績値に対応付けて記憶している。
【0019】
図4は、基本スケジュール記憶部20が記憶している基本スケジュールの第2例を示す図である。本図に示す例において、基本スケジュール記憶部20は、情報処理装置10の管理者が作成した雛形スケジュールを、基本スケジュールとして記憶している。なお、雛形スケジュールによって得られる広告効果は、管理者が過去のデータ等に基づいて定めたものである。
【0020】
図5は、情報処理装置10が行う処理を示すフローチャートである。まず広告条件取得部110は、広告識別情報及びその広告識別情報に対応する広告条件を受信する(ステップS10)。次いで、基本スケジュール読出部120は、広告条件取得部110が受信した広告条件に最も近い広告効果を有する基本スケジュールを、基本スケジュール記憶部20から選択して読み出す(ステップS20)。
【0021】
以上、本実施形態によれば、広告条件取得部110は、広告に求められる広告条件に最も近い基本スケジュールを、基本スケジュール記憶部20から選択して読み出す。従って、広告を流すスケジュールを決める作業者は、基本スケジュール読出部120が選択した基本スケジュールをベースに広告スケジュールを定めればよい。このため、作業者の負担が少なくなる。
【0022】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係る情報処理装置10が行う動作を示すフローチャートである。本図に示す例において、基本スケジュール記憶部20は、
図5に示したデータ構成を有している。すなわち基本スケジュール記憶部20は、過去に流した広告の放送スケジュール及び広告効果の実績値の組み合わせを、基本スケジュール及び広告結果の組み合わせとして記憶している。
【0023】
まず広告条件取得部110は、広告識別情報及びその広告識別情報に対応する広告条件を受信する(ステップS10)。次いで、基本スケジュール読出部120は、広告条件取得部110が受信した広告条件に最も近い広告効果を有する基本スケジュールを、基本スケジュール記憶部20から選択して読み出す(ステップS20)。
【0024】
次いで基本スケジュール読出部120は、基本スケジュール記憶部20から読み出した基本スケジュールを加工する(ステップS30)。
【0025】
図7は、
図6のステップS30の詳細を示すフローチャートである。この処理の前提として、広告には、その広告が流される期間を示す対象期間が定められている。そして基本スケジュール読出部120は、今回のスケジュール設定処理の対象となっている広告の対象期間を取得する。対象期間は、広告識別情報に基づいて外部のデータベースから読み出されても良いし、情報処理装置10の使用者が入力しても良い(ステップS31)。
【0026】
次いで基本スケジュール読出部120は、基本スケジュールの開始日の曜日に基づいて、対象期間に、基本スケジュールにおける実績値を当てはめる(ステップS32)。
【0027】
図8及び
図9は、
図7のステップS32を、具体例を用いて説明する図である。
図8(a)に示すように、基本スケジュール読出部120が読み出した基本スケジュールの期間は、2月1日(火)〜2月28日(月)であったとする。これに対して、ステップS31で取得した対象期間は、5月1日(日)〜5月8日(日)であったとする。
【0028】
また
図8(b)に示すように、基本スケジュールの対象となった広告は、実際には、2月1日〜2月8日の毎日、及び2月13日に流されたとする。
【0029】
このような場合、基本スケジュール読出部120は、まず
図9(a)に示すように、基本スケジュールの最初の曜日(本図に示す例では2月1日の曜日である火曜日)を認識する。そして基本スケジュール読出部120は、対象期間のうち、基本スケジュールの最初の曜日と同一の曜日となる月日のうち最初の月日を、基準月日として認識する(本図に示す例では、5月3日)。そして基本スケジュール読出部120は、認識した基準月日(5月3日)を起点として、基本スケジュールの月日を、対象期間の月日に書き改める。具体的には、基本スケジュール読出部120は、基本スケジュールの最初の月日(2月1日)と、基準月日(5月3日)との差を認識し、基本スケジュールを、認識した差分スライドさせる。
【0030】
ここで、スライド後の基本スケジュールの一部が、対象期間から外れることがある。この場合、基本スケジュール読出部120は、
図9(b)に示すように、基本スケジュールのうち対象期間から外れた一部のみについて、上記した処理を繰り返す。
【0031】
なお、
図9に示した例は、基本スケジュール記憶部20から読み出した基本スケジュールが、対象期間よりも長い場合を示している。逆に、対象期間が、基本スケジュール記憶部20から読み出した基本スケジュールよりも長い場合、基本スケジュール読出部120は、基本スケジュール記憶部20から読み出した基本スケジュールを繰り返し対象期間に当てはめていく。
【0032】
以上、本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、基本スケジュール記憶部20から読み出した基本スケジュールの長さと対象期間の長さが一致していなくても、基本スケジュールを加工して対象期間の長さに一致させることができる。
【0033】
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。この情報処理システムは、情報処理装置10、基本スケジュール記憶部20、端末30、広告情報記憶部40、及び放送スケジュール記憶部50を記憶している。
【0034】
本図に示す例において、情報処理装置10の使用者は、端末30を介して情報処理装置10を使用する。広告情報記憶部40は、広告の契約に関する情報を記憶している。放送スケジュール記憶部50は、広告の放送スケジュールを記憶している。具体的には、放送スケジュール記憶部50は、番組を識別する場組み識別情報別に、その番組の放送スケジュールと、その番組で放送される広告の広告識別情報とを記憶している。また放送スケジュール記憶部50は、番組識別情報別に、その番組のジャンルを示すジャンル識別情報を記憶している。
【0035】
図11は、広告情報記憶部40が記憶している情報の一例を示す図である。本図に示す例において、広告情報記憶部40は、広告識別情報別に、その広告に契約上求められている広告条件を記憶している。広告条件は、GRP、タイムランク、番組ジャンル識別情報を含んでいる。また広告情報記憶部40は、広告識別情報別に、対象識別情報を記憶している。対象識別情報は、その広告の対象となっている商品のカテゴリ及び広告主の少なくとも一方を識別する情報である。また番組ジャンル識別情報は、その広告が流されるべきジャンル、又は当該広告が流されてはいけないジャンルを示している。なお、広告情報記憶部40は、その広告の対象期間を記憶していても良い。この場合、第2の実施形態のステップS32における対象期間は、広告情報記憶部40から読み出される。
【0036】
図12は、
図10に示した情報処理装置10の機能構成を示す図である。本図に示す例において、情報処理装置10は、広告条件取得部110、基本スケジュール読出部120、広告識別情報読出部130、及び判断部140を備えている。広告条件取得部110及び基本スケジュール読出部120の機能構成は、第1の実施形態又は第2の実施形態と同様である。ただし、広告条件取得部110は、端末30から広告識別情報を受信し、また広告条件を広告情報記憶部40から読み出す。また基本スケジュール読出部120は、基本スケジュールを端末30に送信する。広告識別情報読出部130及び判断部140が行う処理は、フローチャートを用いて後述する。
【0037】
図13は、
図12に示した情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。まず情報処理装置10の使用者は、端末30に、広告識別情報を入力する。端末30は、入力された広告識別情報を情報処理装置10に送信する。
【0038】
情報処理装置10の広告条件取得部110は、端末30から、広告識別情報を受信する。そして広告条件取得部110は、受信した広告識別情報に対応する広告条件を、広告情報記憶部40から読み出す(ステップS10)。
【0039】
基本スケジュール読出部120は、広告条件取得部110が広告情報記憶部40から読み出した広告条件に基づいて、基本スケジュール記憶部20から基本スケジュールを読み出す(ステップS20)。そして基本スケジュール読出部120は、読み出した基本スケジュールを加工する(ステップS30)。これらの処理の詳細は、第2の実施形態と同様である。
【0040】
次いで広告識別情報読出部130は、基本スケジュール読出部120が加工した基本スケジュールに従った場合において、放送スケジュール記憶部50に接続し、処理対象となっている広告が流される番組を特定する。そして広告識別情報読出部130は、特定した番組で流される予定となっている他の広告の広告識別情報を、放送スケジュール記憶部50から読み出す(ステップS40)。
【0041】
次いで判断部140は、広告情報記憶部40から、ステップS40で読み出された広告識別情報に対応する対象識別情報を読み出す(ステップS50)。また判断部140は、広告情報記憶部40から、ステップS10で受信した広告識別情報に対応する対象識別情報、すなわち処理対象となっている広告の対象識別情報を読み出す。そして判断部140は、2種類の対象識別情報に基づいて、基本スケジュール読出部120が加工した基本スケジュールの可否を判断する(ステップS60)。
【0042】
具体的には、判断部140は、対象識別情報に基づいて、同業の商品又は広告主に関する広告が、同一番組で流されると判断される場合、基本スケジュールは許容できないと判断し、その許容できない番組の番組識別情報とともに、端末30に出力する。判断部140は、例えば、同業の商品又は広告主であるか否かを、対象識別情報の特定の桁の値に基づいて判断する。また判断部140は、同業の商品又は広告主の対象識別情報が互いに対応づいているデータベースを用いて、同業の商品又は広告主であるか否かを判断しても良い。
【0043】
また判断部140は、基本スケジュールに従ったときに広告が流される番組を特定する番組識別情報を、放送スケジュール記憶部50から取得する。判断部140は、この番組識別情報を、基本スケジュールに含まれる日時情報に基づいて特定することができる。そして判断部140は、特定した番組識別情報に対応するジャンル特定情報を、放送スケジュール記憶部50から読み出す(ステップS70)。
【0044】
また判断部140は、広告情報記憶部40から、ステップS10で受信した広告識別情報に対応するジャンル識別情報、すなわち処理対象となっている広告に設定されているジャンル識別情報を読み出す。そして判断部140は、読み出した2種類のジャンル識別情報に基づいて、基本スケジュール読出部120が加工した基本スケジュールの可否を判断する(ステップS80)。
【0045】
まず、広告情報記憶部40から読み出したジャンル識別情報が、その広告が流されるべき番組のジャンルを示している場合を考える。判断部140は、広告情報記憶部40から読み出したジャンル識別情報が、ステップS70で読み出したジャンル識別情報に含まれている場合に、基本スケジュールは許容できると判断する。そして判断部140は、判断結果を端末30に出力する。
【0046】
また、広告情報記憶部40から読み出したジャンル識別情報が、その広告が流されてはいけない番組のジャンルを示している場合を考える。判断部140は、広告情報記憶部40から読み出したジャンル識別情報が、ステップS70で読み出したジャンル識別情報に含まれていない場合に、基本スケジュールは許容できると判断する。そして判断部140は、判断結果を端末30に出力する。判断部140は、基本スケジュールが許容できなかった場合、許容できない番組の番組識別情報を端末30に出力しても良い。
【0047】
以上、本実施形態によっても、第1又は第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、広告の契約条件には、同種の広告を同一番組内で流さないことや、特定の番組ジャンルで放送を流すこと、又は流さないことが含まれていることがある。本実施形態では、判断部140は、基本スケジュール読出部120に設定された基本スケジュールが、このような条件を満たしているか否かを判断している。従って、作業者の負担はさらに少なくなる。
【0048】
(第4の実施形態)
図14は、第4の実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。本図に示す情報処理システムは、端末30が、第3の実施形態における情報処理装置10の機能を有している点を除いて、第3の実施形態に係る情報処理システムと同様の構成である。
【0049】
図15は、
図14に示した端末30の機能構成を示す図である。本実施形態に係る端末30は、広告条件取得部110、基本スケジュール読出部120、広告識別情報読出部130、判断部140、入力部150、及び出力部160を有している。広告条件取得部110、基本スケジュール読出部120、広告識別情報読出部130、及び判断部140が行う処理は、第3の実施形態と同様である。
【0050】
入力部150は、ユーザから、商品識別情報の入力を受け付ける。そして入力部150は、入力された商品識別情報を、広告条件取得部110に出力する。出力部160は、判断部140の判断結果及び基本スケジュールを、ディスプレイに表示させる。
【0051】
本実施形態によっても、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0052】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0053】
10 情報処理装置
20 基本スケジュール記憶部
30 端末
40 広告情報記憶部
50 放送スケジュール記憶部
110 広告条件取得部
120 基本スケジュール読出部
130 広告識別情報読出部
140 判断部
150 入力部
160 出力部