【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、押出口から材料貯留部に押し出された被成形材料は、左右方向に広がりつつ、回転する一対のロールに引っ張られて前方に進み、一対のロールの間隙に進入してシート状に成形される。
しかしながら、従来のシート成形装置では、一対の側壁部の内面のうち、押出口側部分の内面同士の左右間隔が、上下方向において一定になるように構成されている。そのため、押出口から材料貯留部に押し出された被成形材料のうちの上方側の被成形材料は、左右方向に広がって側壁部の押出口側部分の内面に当たると下方に流動し難い。したがって、押出口の背面視(ロール側から視た場合。以下同じ。)において、押出口の口縁と押出口側部分の内面との間における上方側の領域に、被成形材料が押出口側部分の内面に当たったままで滞留する滞留域が生じ易く、しかも、その滞留域が広くなり易い。
そして、このように、押出口の背面視において、押出口の口縁と押出口側部分の内面との間における上方側の領域に、被成形材料の広い滞留域が生じると、被成形材料の流動が阻害され、その下流の材料貯留部内における側壁部の内面近傍に被成形材料が十分に充填され難い。そのため、一対のロールの間隙に進入する被成形材料の左右方向の幅が狭くなったり、左右方向の端部の量が少なくなったりして、成形されたシート状材の幅(以下「シート幅」と呼ぶ。)が不安定になって、シート状材の左右方向のエッジにシート幅方向の凹凸が生じ易い。
【0006】
ところで、材料供給源からの材料押出部への被成形材料の供給が終了時期に近づくと、シート状材の払い出し量を変化させるように材料圧延部が制御される場合がある。このようなときに、上述のようなシート状材のエッジの凹凸の発生が顕著になる。つまり、材料押出部の材料押出量と材料圧延部の材料払い出し量とのバランスが崩れると、シート状材のエッジに凹凸が発生し易くなるのである。
【0007】
そして、シート状材のエッジに凹凸が生じると、シート状材のシート幅が目標シート幅よりも狭くなって、不良として処理される場合があり、しかも、生じたエッジの凹部が深いと、シート状材に裂け目が入り、シート状材が切断する場合があるので、歩留まりが低下し易く、被成形材料のシート成形における歩留まりを向上する上で改善の余地があった。
【0008】
ところで、本件出願人は、かかる実情に鑑みて、先に、シート成形における歩留まりを向上し得るシート成形装置を提案している(特願2011−125558。以下、この出願に係る発明を、「先願発明」という。)。
【0009】
図1に、先願発明のシート成形装置の一実施形態を示す。
このシート成形装置は、被成形材料Mを押出口11から前方に押し出す材料押出部1と、その材料押出部1から押し出される被成形材料Mを受け入れて、軸心21aが水平方向に沿う姿勢で上下方向に並ぶ一対のロール21にてシート状に成形して払い出す材料圧延部2と、材料押出部1と材料圧延部2との間において材料押出部1から押し出される被成形材料Mを一時的に貯留する材料貯留部3と、運転を制御する制御部C等を備えて構成されている。
また、材料圧延部2とその材料圧延部2にてシート状材Msを引き入れて所定の処理を施すシート材処理装置70との間の搬送部には、シート状材Msを弛ませるコンベア装置からなるバッファ部60が設けられている。
【0010】
この実施形態では、材料貯留部3が、上部に上部開口部30を有する上部開放状に構成されている。
そして、材料貯留部3に貯留されている被成形材料Mに対して、材料押出部1からの被成形材料Mの押出方向Ds(以下、「材料押出方向」という場合がある。)に交差する下向きの材料押圧方向Dpに、押圧部材41を押圧させることにより圧力を印加する圧力印加部4が設けられている。
【0011】
次に、シート成形装置の各部について説明を加える。なお、以下では、
図3における左右方向、上下方向を、それぞれ、左右方向、上下方向に定義して説明する。
図1、
図2及び
図4に示すように、材料圧延部2の一対のロール21は、上側のロール21が下側のロール21よりも材料貯留部3側とは反対側(前方側)に位置する前倒れ傾斜状にて上下方向に沿って並設されている。
上側及び下側のロール21の一方が、モーターなどの回転駆動装置22により被成形材料Mを送り出すべく回転駆動され、その駆動される一方のロール21は、他方のロール21を逆方向に従動回転させるべく、他方のロール21にギア(図示省略)を介して連動連結されている。なお、上下一対のロール21のうち、駆動回転するロール21は上下いずれでもよく、また、両ロール21をそれぞれ単独駆動させてもよい。ちなみに、一対のロール21は、材料貯留部3内に面する側では一対のロール21の外周面が互いに近づくように、互いに逆方向に回転される。
【0012】
そして、ロール21の回転速度を制御することにより、材料圧延部2による材料払い出し量を制御するように構成されている。
この実施形態では、ロール21の回転速度を通常速度とその通常速度よりも速い高速度の2段階に切り換えることにより、材料圧延部2の出力を2段階に切り換え自在なように構成されている。
【0013】
図1〜
図4に示すように、材料押出部1は、水平方向に並設された2軸のテーパースクリュー13を備えて構成されている。
2軸のテーパースクリュー13は、回転軸心13aが先端側ほど互いに近づき(
図4参照。)、かつ、回転軸心13aが先端側ほど下方になる(
図1及び
図2参照。)傾斜姿勢でケーシング14内に配設されている。
このケーシング14は、内部空間が前方側ほど狭くなる先細り状に構成されており、その先端開口部には、長方形の左右両辺を曲線とした形状の押出口11が形成された押出口形成体12が取り付けられている。
つまり、材料押出部1は、材料押出方向Dsが先方ほど下方になる斜め下向き方向になるように構成されている。
【0014】
このテーパースクリュー13の回転速度を制御することにより、材料押出部1による材料押出量を制御するように構成されている。
そして、この実施形態では、テーパースクリュー13の回転速度を通常速度とその通常速度よりも速い高速度の2段階に切り換えることにより、材料押出部1の出力を2段階に切り換え自在なように構成されている。
【0015】
図1及び
図2に示すように、材料押出部1及び材料圧延部2は、側面視で、押出口11の中心を通り材料押出方向Dsに沿って前方に延ばした仮想線のやや下方に一対のロール21の間隙21Gが位置する相対位置関係で配設されている。
そして、
図1〜
図4に示すように、材料貯留部3は、それら材料押出部1と材料圧延部2との間に、それらの間の左右両側を押出口11の上端よりも高い位置から押出口11の下端よりも低い位置までの範囲に亘って囲むように配設されている。
【0016】
図1〜
図4に示すように、材料押出部1と材料圧延部2との間において、押出口形成体12の左右両側には、各々の側において材料押出部1と材料圧延部2との間を閉じるように側壁部3Gが設けられ、さらに、材料圧延部2の下側のロール21が押出口形成体12の押出口11よりも下方側の箇所に当接又は近接する状態で設けられている。そして、材料貯留部3が、押出口形成体12、左右一対の側壁部3G及び一対のロール21により仕切られる形態で、上部に上部開口部30を有する上部開放状に形成されている。
この上部開口部30は、押出口形成体12、左右両側の側壁部3G及び上側のロール21により囲まれる矩形状に構成されている。
図1〜
図5に示すように、材料貯留部3における左右両側を区画する左右一対の側壁部3Gの各々が、一対のロール21の共有接線を挟んで押出口11側の押出口側部分31と、ロール21側の一対のロール21の間に進入するロール間側部分32とを備えて構成されている。
【0017】
図3及び
図5に示すように、一対の側壁部3Gの各々の内面3Sのうち、少なくとも押出口側部分31の内面31S同士の左右方向の間隔である左右間隔が、下方側ほど広くなるように構成されている。
【0018】
以下、一対の側壁部3Gについて、説明を加える。
図2〜
図8に示すように、各側壁部3Gのうちの押出口側部分31は、一対のロール21と押出口形成体12との間に位置する部分であり、ロール間側部分32は、押出口側部分31から前方に延びて一対のロール21間をその間隙21Gの手前近傍にまで延びるように構成されている。
なお、左右一対の押出口側部分31は、互いに面対称となるように構成され、
図7は、左右一対の押出口側部分31のうちの右側の押出口側部分31を示す図であり、
図7(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は下面図、(e)は左上前方から見た斜視図である。
また、左右一対のロール間側部分32も、互いに面対称となるように構成され、
図8は、左右一対のロール間側部分32のうちの右側のロール間側部分32を示す図であり、
図8(a)は左上前方から見た斜視図、(b)は左側面図、(c)は後面図、(d)は平面図、(e)は右側面図、(f)は斜め上前方から見た図である。
【0019】
図2、
図5及び
図7に示すように、押出口側部分31は、左右方向視での外形形状が、縦長でしかも下底が上底に比べてかなり短い形態の概略直角台形状であり、その縦長直角台形状の押出口側部分31が、両端側に概ね直角の角部が存在する後面を押出口形成体12の背面における押出口11の左又は右側に当接させた状態で配設される。
その押出口側部分31における材料貯留部3内に面する内面31Sは、上方部分の平行内面部分31aと、その下方側に連なる下方広がり内面部分31bと、平行内面部分31aの下方側に位置して下方広がり内面部分31bの前方側に連なる下方前方両広がり内面部分31cとからなる。
【0020】
図2、
図5及び
図7に示すように、押出口側部分31の内面31Sの平行内面部分31aは、材料押出方向Dsと材料押圧方向Dpとの両方向に平行な面に構成されている。
図2、
図3、
図5、
図6及び
図7に示すように、押出口側部分31の内面31Sの下方広がり内面部分31bは、材料押出方向Dsに平行で、材料押圧方向Dpにおいては下方側ほど左右方向の外側に位置する下方広がり状の傾斜面に構成されている。
また、この押出口側部分31の内面31Sの下方広がり内面部分31bは、左右方向での側面視で、底辺が押出口側部分31の内面31Sの略全幅に亘り、かつ、頂点が概略直角台形状の押出口側部分31における内面31Sの下底の後端に位置する縦長の概略逆三角形状に構成されている。
【0021】
押出口側部分31の内面31Sの下方前方両広がり内面部分31cは、材料押出方向Dsにおいては前方側ほど左右方向の外側に位置し、かつ、材料押圧方向Dpにおいては下方側ほど左右方向の外側に位置する形態で、下方と前方の両方向に向けて広がる傾斜面に構成されている。
また、この押出口側部分31の内面31Sの下方前方両広がり内面部分31cは、左右方向の側面視で、頂点が逆三角形状の下方広がり内面部分31bの底辺部分の前端に位置し、底辺が直角台形状の押出口側部分31における内面31Sの下底全長に亘る縦長の概略三角形状に構成されている。
【0022】
つまり、この実施形態では、押出口側部分31の内面31Sのうちで、押圧部材41の上下方向における移動範囲の下限位置(詳細は後述)よりも下方の全域において、一対の押出口側部分31の内面31S同士の左右間隔が、下方側ほど広くなるように構成されていることになる。
【0023】
図2、
図3、
図5及び
図8に示すように、ロール間側部分32は、左右方向視での外形形状が、頂点部分が前方(一対のロール21の間隙21Gの側)を向く概略二等辺三角形状である。そして、そのロール間側部分32の後方(押出口11の側)を向く端面部分(すなわち、概略二等辺三角形状の底辺に対応する縁部に沿う端面部分)は、平面状に形成され、ロール間側部分32における一対のロール21の各々に対向する端面部分(すなわち、概略二等辺三角形状の頂点を挟む長さが等しい辺に対応する縁部に沿う端面部分)は、各ロール21と同心円の円弧状に湾入する湾入面32dとなるように構成されている。
【0024】
また、ロール間側部分32における材料貯留部3内に面する内面32Sは、左右方向視において、後端縁の上方側に寄った部分と下方側の湾曲状端縁の後方側に寄った部分とを結ぶ第1線分の後方側の部分である下方広がり内面部分32aと、その第1線分と、上方側の湾曲状端縁の前方に寄った部分と下方側の湾曲状端縁の前方側に寄った部分とを結ぶ第2線分との間の部分である前方広がり内面部分32bと、その第2線分から前端にまで延びる平行内面部分32cとからなる。
【0025】
図2、
図5、
図6及び
図8に示すように、ロール間側部分32の内面32Sの下方広がり内面部分32aは、材料押出方向Dsに平行で、材料押圧方向Dpにおいては下方側ほど左右方向の外側に位置する下方広がり状の傾斜面に構成されている。
ロール間側部分32の内面の前方広がり内面部分32bは、材料押出方向Dsにおいては前方側ほど左右方向の外側に位置し、かつ、材料押圧方向Dpに平行な前方広がり状の傾斜面に構成されている。
ロール間側部分32の内面の平行内面部分32cは、材料押出方向Dsと材料押圧方向Dpとの両方向に平行な面に構成されている。
【0026】
図7(b)に示すように、押出口側部分31の上底に平行な方向での背面視において、材料押出方向Dsと材料押圧方向Dpとに沿う面に対する押出口側部分31の下方広がり内面部分31bの傾斜角度αは、例えば、5〜15度とされ、同じく、材料押出方向Dsと材料押圧方向Dpとに沿う面に対する押出口側部分31の下方前方両広がり内面部分31cの前端縁の傾斜角度βは、下方広がり内面部分31bの傾斜角度αよりも大きい、例えば、10〜20度とされる。
また、
図8(f)に示すように、押出口側部分31の上底に平行な方向での背面視において、材料押出方向Dsと材料押圧方向Dpとに沿う面に対するロール間側部分32の下方広がり内面部分32aの傾斜角度γは、材料押出方向Dsと材料押圧方向Dpとに沿う面に対する押出口側部分31の下方前方両広がり内面部分31cの前端縁の傾斜角度βと同一とされ、例えば、10〜20度とされる。
また、ロール間側部分32の下方広がり内面部分32aの後端縁の長さは、押出口側部分31の下方前方両広がり内面部分31cの前端縁の長さと同一とされる。
【0027】
図2〜
図6に示すように、上述のように構成された押出口側部分31とロール間側部分32とが、押出口側部分31の下方前方両広がり内面部分31cの前端縁とロール間側部分32の下方広がり内面部分32aの後端縁とを合わせるように、押出口側部分31の後面とロール間側部分32の前面とを当接させた状態で、連結部材33により一体的に組み付けられて、側壁部3Gが構成される。
【0028】
このように押出口側部分31とロール間側部分32とが連結部材33により一体的に組み付けられると、押出口側部分31の平行内面部分31a、下方広がり内面部分31b及び下方前方両広がり内面部分31c、並びにロール間側部分32の下方広がり内面部分32a、前方広がり内面部分32b及び平行内面部分32cが概ね一連に連なる状態となって、それらの内面部分により、側壁部3Gの内面3Sが構成される(
図2及び
図4参照。)。
【0029】
そして、
図2〜
図6に示すように、このように押出口側部分31とロール間側部分32とが一体的に組み付けられて構成された側壁部3Gが、材料押出部1と材料圧延部2との間の左右両側の各々に、押出口11からの材料押出方向Dsに沿う背面視で、押出口側部分31の下方広がり内面部分31bが、押出口11の口縁に外側から近接する状態となるよう配設される(
図3参照。)。
【0030】
図3に示すように、押出口11の左右方向の幅Wmは、このシート成形装置の仕様により決まり、一対のロール間側部分32の各々の内面32Sの前端部同士の左右間隔(一対のロール間側部分32における平行内面部分32cの前端部同士の左右間隔)Wfは、押出口11の左右方向の幅Wmよりも大きい条件で、一対のロール21にて被成形材料Mをシート状に成形するに当たっての目標幅により決まる。
そして、
図3に示すように、一対の押出口側部分31の各々の内面31Sにおける上端部同士の左右間隔(一対の下方広がり内面部分31bの上端部同士の左右間隔)Wt、及び、一対の押出口側部分31の各々の内面31Sにおける下端部同士の左右間隔(一対の下方前方両広がり内面部分31cにおける下端部の前端部同士の最大左右間隔)Wdの各々は、押出口11の左右方向の幅Wm、及び、一対のロール間側部分32の各々の内面32Sにおける前端部同士の左右間隔Wfに基づいて、下記の式(1)、(2)の条件にて設定される。
【0031】
Wt<Wm ・・・式(1)
Wm<Wd<Wf ・・・式(2)
【0032】
つまり、この実施形態では、一対の側壁部3Gの各々の内面3Sのうち、押出口側部分31の内面31S(具体的には、下方広がり内面部分31b及び下方前方両広がり内面部分31c)に加えて、ロール間側部分32の内面32Sのうちの押出口側部分31の内面31Sの前方に連なる部分(すなわち、下方広がり内面部分32a)同士の左右間隔も、下方側ほど広くなるように構成されていることになる。
また、一対の押出口側部分31の各々の内面31Sの上端部(平行内面部分31a、すなわち、下方広がり内面部分31bの上端縁)同士の左右間隔Wtが、押出口11の左右方向の幅Wmよりも狭くなるように構成されていることになる。
また、一対の押出口側部分31の各々の内面31S(具体的には、後方側の部分である下方広がり内面部分31b)が、下方側ほど左右方向の外側に位置する傾斜面で構成され、押出口11に対する一対の押出口側部分31の各々の内面31S(具体的には、下方広がり内面部分31b)の相対位置関係が、押出口11からの材料押出方向Dsに沿う背面視で、押出口11の口縁に外側から近接する状態となるように構成されていることになる。
【0033】
また、一対の側壁部3Gにおける内面3S同士の左右間隔が、押出口11からの材料押出方向Dsに沿って、一対のロール21の側に向かうほど広くなるように構成されていることになる。
さらに、一対の押出口側部分31の各々の内面31Sにおける下端部同士の左右間隔Wdが、一対のロール間側部分32の各々の内面32Sにおける前端部同士の左右間隔Wfよりも狭くなるように構成されていることになる。
【0034】
図1及び
図2に示すように、圧力印加部4は、ロール21の軸心21aと平行な回転軸心42周りに回転自在に支持されたリンク43と、そのリンク43の上方側の端部に平面状の材料押圧面41aを下向きにして連結具44により連結された押圧部材41と、リンク43の下方側の端部に連結されてそのリンク43を回転軸心42周りに回転させることにより押圧部材41を下向きの材料押圧方向Dpに沿って移動させるアクチュエータ45とを備えて構成されている。ちなみに、リンク43の回転軸心42は、押出口11に対して、材料押出方向Dsにおいて後方側に位置する。
そして、リンク43の下方側の端部を引っ張る方向にアクチュエータ45を作動させることにより、押圧部材41により材料貯留部3に貯留されている被成形材料Mを上方から下向きの材料押圧方向Dpに押圧するように構成されている。
この実施形態では、押圧部材41により被成形材料Mを押圧する押圧力を、低圧と高圧の2段階に切り換えるように構成されている。
アクチュエータ45としては、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、電動シリンダ等を用いることができる。
【0035】
図2〜
図4に示すように、上述のようにリンク43の上端部に連結された押圧部材41は、厚さ方向(材料押圧方向Dpに相当する)視で矩形状に構成されて、材料貯留部3内に配設されている。
そして、押圧部材41を材料貯留部3内において材料押圧方向Dpに沿って移動させることが可能なように、材料押圧方向Dp視において、押圧部材41の外周部と材料貯留部3の上部開口部30の口縁(押出口形成体12、左右両側の側壁部3G及び上側のロール21にて形成される。)との間には、隙間が設けられている。
【0036】
ところで、圧力印加部4は、材料貯留部3に貯留されている被成形材料Mを上方から下方に向く材料押圧方向Dpに予め設定した設定圧力をかけて押圧するものであるため、材料貯留部3に貯留されている被成形材料Mの量に応じて、押圧部材41の材料押圧面41aにおける材料押圧方向Dpでの位置が所定の範囲で変動することになる。
なお、
図2及び
図3に示すように、押圧部材41の材料押圧面41aにおける材料押圧方向Dpでの位置の変動範囲は、材料貯留部3内において、一対の押出口側部分31の各々の平行内面部分31aにて左右両側が囲まれる領域になるように構成されている。
【0037】
そして、
図1に示すように、材料押圧方向Dpでの押圧部材41(実際には、材料押圧面41a)の位置を検出する位置検出センサT1が設けられている。
具体的には、位置検出センサT1は、回転軸心42に対するリンク43の回転角度(以下、「位置対応角度」という場合がある。)を検出するロータリーエンコーダにより構成されている。
つまり、押圧部材41が材料押圧方向Dpの下限位置(概ね、平行内面部分31aの下端縁)に位置するときの位置対応角度を0度とすると、材料押圧方向Dpでの押圧部材41の位置が下限位置から高くなるほど、位置対応角度が大きくなり、位置対応角度の変動は材料押圧方向Dpでの押圧部材41の位置変動となる。
そこで、位置検出センサT1の検出情報と材料押圧方向Dpでの押圧部材41の位置との相関関係を予め求めておいて、位置検出センサT1により、位置対応角度を材料押圧方向Dpでの押圧部材41の位置として検出するように構成されている。
【0038】
また、
図1に示すように、材料圧延部2の出口付近には、一対のロール21から払い出されるシート状材Msの有無を検出することにより、シート排出有無を検出するシート検出センサT2が設けられている。
【0039】
次に、
図9に基づいて、材料貯留部3の側壁部3Gの内面3Sを、この実施形態のように構成することにより、材料貯留部3における被成形材料Mの流動状態を改善できることを検証する。
なお、
図9(a)は、材料貯留部3の側壁部3Gの内面3Sを上述した実施形態のように構成した場合の縦断背面図である。また、
図9(b)は、従来のように、材料貯留部3の側壁部3Gの各々の内面3Sのうち、押出口側部分31の内面31S同士の左右間隔を、押出口11の左右方向の幅よりも広くなる条件で、上下方向において一定になるように構成した場合の縦断背面図である。
【0040】
ちなみに、
図9(b)に示す構成では、側壁部3Gのロール間側部分32の内面32Sは、後方側の部分の前方広がり内面部分32fと、その前方広がり内面部分32fの前方に連なって前端にまで延びる平行内面部分32gとからなる。
ロール間側部分32の内面32Sの前方広がり内面部分32fは、材料押圧方向Dpに平行で、材料押出方向Dsにおいては前方側ほど左右方向の外側に位置する形態の前方広がり状の平面に構成され、ロール間側部分32の内面32Sの平行内面部分32gは、材料押出方向Dsと材料押圧方向Dpとの両方向に平行な平面に構成されている。
【0041】
図9(a)に示す構成では、押出口側部分31の内面31Sのうちで、押圧部材41の移動範囲の下限位置よりも下方の全域において、一対の押出口側部分31の内面31S同士の左右間隔が、下方側ほど広くなるように構成されている。
このことにより、押出口11から材料貯留部3に押し出された被成形材料Mを材料貯留部3に充填するに当たり、黒塗り矢印のように、押出口側部分31の内面31Sに沿って下方に向かう被成形材料Mの流動が発生する。これにより、押出口11の背面視において、押出口11の口縁と押出口側部分31の内面31Sとの間における上方側の領域には、被成形材料Mの滞留域Aが生じ難くなる。また、一対の押出口側部分31の内面31S同士の左右間隔が下方側ほど広くなり、さらに上述した被成形材料Mの下方に向かう流動が発生することから、下側のロール21の外周面において極力広い領域に被成形材料Mを接触させることができる。
【0042】
また、押出口側部分31の内面31Sのうちで、前端側の部分の下方前方両広がり内面部分31cにおいては、一対の押出口側部分31の内面31S同士の左右間隔が、下方側ほどかつ前方側ほど広くなるように構成されているので、被成形材料Mを左右方向に広げることができる。
さらに、ロール間側部分32の内面32Sのうち、押出口側部分31の内面31Sの前方に連なる部分である下方広がり内面部分32aにおいても、一対のロール間側部分32の内面32S同士の左右間隔が下方側ほど広くなるように構成されているので、被成形材料Mが下方に流動するのをさらに助長させて、下側のロール21の外周面に対して被成形材料Mを接触させる面積をさらに広げることができる。
したがって、これらの相乗作用により、押出口11から材料貯留部3に押し出された被成形材料Mを効果的に下側のロール21に向けて流動させて、被成形材料Mを下側のロール21の外周面に沿わせて左右方向に広げながら、前方に向けて流動させることができる。これにより、被成形材料Mを極力広い左右方向の幅で一対のロール21の間隙21Gに進入させることができるようになり、シート状材Msの幅が狭くなるのを抑制すると共に、シート状材Msのエッジに凹凸が生じるのを抑制することができる。
【0043】
一方、
図9(b)に示すように、一対の押出口側部分31の各々の内面31S同士の左右間隔が、上下方向において一定になるように構成されていると、押出口11から材料貯留部3に押し出された被成形材料Mのうち上方側の被成形材料Mは、黒塗り矢印のように、左右方向に広がって側壁部3Gの押出口側部分31の内面31Sに当たると下方に流動し難い。したがって、押出口11の背面視において、押出口11の口縁と押出口側部分31の内面との間における上方側の領域に、被成形材料Mが押出口側部分31の内面31Sに当たったままで滞留する滞留域Aが生じ易く、しかも、その滞留域Aが広くなり易い。
そして、このように材料貯留部3内に広い滞留域Aが生じると、被成形材料Mの流動が阻害され、その下流の材料貯留部3内における側壁部3Gの内面3S近傍に被成形材料Mが十分に充填され難い。そのため、一対のロール21の間隙21Gに進入する被成形材料Mの左右方向の幅が狭くなったり、左右方向の端部の量が少なくなったりして、シート状材Msの幅が不安定になって、シート状材Msの左右方向のエッジに凹凸が生じ易い。
【0044】
〔別形態〕
(A)一対の押出口側部分31の各々の内面31Sを、下方側ほど左右方向の外側に位置する傾斜面で構成する場合に、上記の実施形態では、押出口11に対する一対の押出口側部分31の各々の内面31Sの相対位置関係が、押出口11からの材料押出方向Dsに沿う背面視で、押出口11の口縁に外側から近接する状態となるように構成したが、押出口11の口縁に接する状態となるように構成してもよい。
【0045】
(B)一対の側壁部3Gの各々の内面3Sのうち、押出口側部分31の内面31S同士の左右間隔が下方側ほど広くなるように構成するに当たって、押出口側部分31の内面31Sの形態は、上記の実施形態において例示した形態、すなわち、押出口側部分31の内面31Sを平行内面部分31aと下方広がり内面部分31bと下方前方両広がり内面部分31cとから構成する形態に限定されるものではない。
(B−1)例えば、押出口側部分31の内面31Sの全面を、材料押出方向Dsに平行で、材料押圧方向Dpにおいては下方側ほど左右方向の外側に位置する下方広がり状の一面の傾斜面としてもよい。
(B−2)例えば、押出口側部分31の内面31Sの全面を、材料押出方向Dsにおいては前方側ほど左右方向の外側に位置し、かつ、材料押圧方向Dpにおいては下方側ほど左右方向の外側に位置する下方前方両広がり状の一面の傾斜面としてもよい。
これらの場合は、いずれも、押出口側部分31の各々の内面31Sの全面に亘って、一対の押出口側部分31の各々の内面31S同士の左右間隔が下方側ほど広くなるように構成されることになる。
(B−3)例えば、押出口側部分31の内面31Sを、材料押圧方向Dpにおいて下方側ほど左右方向の外側に位置する形態で、複数段状になるようにしてもよい。
【0046】
(C)一対の押出口側部分31の内面31Sに加えて、一対のロール間側部分32の内面32S同士の左右間隔も下方側ほど広くなるように構成するに当たって、上記の実施形態のように、ロール間側部分32の内面32Sの一部において、一対のロール間側部分32の内面32S同士の左右間隔が下方側ほど広くなるように構成する場合に限定されるものではない。
例えば、ロール間側部分32の内面32Sの全面を、材料押出方向Dsにおいては前方側ほど左右方向の外側に位置し、かつ、材料押圧方向Dpにおいては下方側ほど左右方向の外側に位置する形態で、下方と前方の両方向に向けて広がる一面の傾斜面とすることにより、ロール間側部分32の内面32Sの全面において、一対のロール間側部分32の内面32S同士の左右間隔が下方側ほど広くなるように構成してもよい。
【0047】
(D)一対の側壁部3Gにおける内面3S同士の左右間隔が、材料押出方向Dsに沿って、一対のロール21の側に向かうほど(すなわち、前方ほど)広くなるように構成するに当たって、上記の実施形態のように、押出口側部分31の内面31Sの一部(下方前方両広がり内面部分31c)、並びに、ロール間側部分32の内面32Sの一部(前方広がり内面部分32b)において、一対の側壁部3Gにおける内面3S同士の左右間隔が材料押出方向Dsに沿って前方ほど広くなるように構成する場合に限定されるものではない。
(D−1)例えば、押出口側部分31の内面31Sには、左右間隔が材料押出方向Dsに沿って前方ほど広くなる部分を設けずに、ロール間側部分32の内面32Sの一部において、一対の側壁部3Gにおける内面3S同士の左右間隔が材料押出方向Dsに沿って前方ほど広くなるように構成してもよい。
この場合は、例えば、押出口側部分31の内面31Sの全面を、材料押出方向Dsに平行となるように構成し、ロール間側部分32の内面32Sを上記の実施形態と同様の形態とする。
(D−2)例えば、押出口側部分31の内面31Sには、左右間隔が材料押出方向Dsに沿って前方ほど広くなる部分を設けずに、ロール間側部分32の内面32Sの全面において、一対の側壁部3Gにおける内面3S同士の左右間隔が材料押出方向Dsに沿って前方ほど広くなるように構成してもよい。
この場合は、押出口側部分31の内面31Sの全面を、材料押出方向Dsに平行となるように構成し、ロール間側部分32の内面32Sの全面を、材料押出方向Dsに沿って一対のロール21の側に向かうほど広くなる前方広がり状の一面の傾斜面とする。
(D−3)例えば、押出口側部分31の内面31Sの全面、及び、ロール間側部分32の内面32Sの全面において、一対の側壁部3Gにおける内面3S同士の左右間隔が材料押出方向Dsに沿って前方ほど広くなるように構成してもよい。
この場合は、例えば、押出口側部分31の内面31S、及び、ロール間側部分32の内面32Sの各々を、材料押出方向Dsにおいては前方側ほど左右方向の外側に位置し、かつ、材料押圧方向Dpにおいては下方側ほど左右方向の外側に位置する形態の下方前方両広がり状の一面の傾斜面とする。
【0048】
(E)一対の押出口側部分31の各々の内面31Sにおける下端部同士の左右間隔Wd、及び一対のロール間側部分32の各々の内面32Sにおける前端部同士の左右間隔Wfの各々は、押出口11の左右方向の幅をWmとすると、Wm<Wd≦Wfとなる条件で、適宜設定することができる。
【0049】
(G)上記の実施形態では、材料貯留部3の側壁部3Gを互いに別体の押出口側部分31とロール間側部分32とにより構成したが、材料貯留部3の側壁部3Gを単一の部材により構成してもよい。
【0050】
(H)材料貯留部3を上部に上部開口部30を有する上部開放状に構成するにしても、上記の実施形態の如き圧力印加部4を省略して、材料押出部1からの押出力と重力とにより、被成形材料Mを一対のロール21の間に進入させるように構成してもよい。
あるいは、材料貯留部3を上下左右の側周部全周に亘って閉じたられた状態に構成して、材料押出部1からの押出力によって、材料貯留部3内に貯留される被成形材料Mに圧力が印加されるように構成してもよい。
【0051】
ところで、上記の実施形態のシート成形装置によれば、以下の作用効果が期待できる。
押出口11の背面視において、押出口11の口縁と押出口側部分31の内面との間における上方側の領域には、従来の如き被成形材料の滞留域が生じ難くなる。
また、材料貯留部3の左右方向の幅が下方側ほど広くなり、さらに上述した被成形材料Mの下方に向かう流動が発生することから、下側のロール21の外周面において極力広い領域に被成形材料Mを接触させることができる。
つまり、押出口11から材料貯留部3に押し出された被成形材料Mが効果的に下側のロール21に向けて流動し、下側のロール21の外周面に沿って左右方向に広がるので、左右方向の幅のバラツキを抑制した状態で、被成形材料Mが一対のロール21の間隙に進入することになる。これにより、シート幅が狭くなるのが抑制されて、シート状材のエッジに凹凸が生じるのが抑制される。
したがって、シート成形における歩留まりを向上し得るシート成形装置を提供することができる。
【0052】
しかしながら、このシート成形装置によっても、押出口11が形成された押出口形成体12の背面側の押出口11の周囲、押出口側部分31における材料貯留部3内に面する内面31S、押圧部材41に囲まれた箇所は、材料押出部1の2軸のテーパースクリュー13による押出力が伝わり難い空間(デッドスペース)となり、被成形材料Mの流れが悪くなったり、滞留域が生じ易くなり、シート状材のエッジに凹凸や切り欠きが生じることを完全には抑制できないという問題があった。
【0053】
このほか、このシート成形装置は、一対の側壁部3Gのロール間側部分32のロール21側の先端部に、対向する内面同士が平面視して平行となる平行内面部分32cを設け、被成形材料Mをシート状に成形するに当たっての目標幅を規定するようにしているが、この平行内面部分32cの側面とロール21の隙間に侵入した被成形材料Mが、平行内面部分32cの形状的な理由により排出されずにそのまま圧延され、シート状材のエッジにはみ出して、間欠的な突起部が生じるという問題があった。
【0054】
そして、このように、シート状材のエッジに凹凸や切り欠きが生じると、シート状材のシート幅が目標シート幅よりも狭くなって、不良として処理される場合があり、しかも、生じたエッジの凹部が深いと、シート状材に裂け目が入り、シート状材が切断する場合があるので、歩留まりが低下し易く、被成形材料Mのシート成形における歩留まりを向上する上でさらに改善の余地があった。
また、シート状材のエッジに突起部が生じた場合は、シート成形装置の後装置であるシート材処理装置70にシート状材を搬送するコンベア装置からなるバッファ部60等において、突起部がシート状材から欠落するため歩留まりの低下につながるとともに、欠落した材料の清掃に人手、時間を要するため生産性が低下するという問題があった。
【0055】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シート成形における歩留まりをさらに向上し得るシート成形装置を提供することを目的とする。