(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コネクタのコンタクト群を製造するための中間部材としてのリードフレームであって、互いに間隔をおいて一平面上に配置された複数の第1のリードと、前記第1のリードの間隔にペアをなして配置された複数の第2のリードと、前記第1のリード及び前記第2のリードを一端側で連結した連結部とを含み、前記第2のリードのペアは、ピッチを前記一端側に比べて他端側で大きくされることにより、前記他端側では前記第1のリードにそれぞれ近づいており、さらに、前記第1のリード及び前記第2のリードの互いに隣接したものを相互間隔が最も狭くなる部分で接続したブリッジを有することを特徴とするリードフレーム。
前記第1のリード及び前記第2のリードの各々は、前記連結部と前記ブリッジとの間に、前記一平面に交差する方向に折り曲げるための折曲予定部を有し、前記折曲予定部は、前記第1のリードと前記第2のリードとで前記連結部からの距離が異なっている、請求項1に記載のリードフレーム。
前記第2のリードのペアは、前記連結部から前記折曲予定部までの距離が、前記第1のリードよりも短い短尺リードのペアと前記第1のリードよりも長い長尺リードのペアとに分かれている、請求項2に記載のリードフレーム。
前記短尺リードは前記連結部からの長さを前記第1のリードよりも短く作られ、前記長尺リードは前記連結部からの長さを前記第1のリードよりも長く作られている、請求項3に記載のリードフレーム。
前記第1のリードの前記ブリッジよりも前記他端側で前記第2のリードに対向した面のうち、前記ブリッジに隣接した部分に、前記第2のリードから離間する逃げ部を設けた、請求項1から4のいずれか一項に記載のリードフレーム。
請求項1から5のいずれか一項に記載のリードフレームを用意すること、前記リードフレームの前記ブリッジをせん断すること、及び前記第1のリード及び前記第2のリードを前記一平面に交差する方向に折り曲げることを含むことを特徴とするコンタクト群の製造方法。
【背景技術】
【0002】
対をなす2本の信号線にそれぞれ逆位相の信号からなる差動信号対を伝送する差動伝送方式が知られている。その差動伝送方式はデータ伝送速度を高速にできるという特長をもつため、昨今では様々な分野において実用されている。
【0003】
例えば機器と液晶ディスプレイとの間のデータ伝送に差動伝送方式を用いる場合には、機器及び液晶ディスプレイに、ディスプレイポート規格にしたがって設計されたディスプレイポートコネクタを備える。このディスプレイポート規格としては、VESA Display Port standard 1.0やそれのVersion 1.1aが知られている。
【0004】
このディスプレイポートコネクタは差動信号用コネクタの一種であり、接続相手に接続するための第1の接続側と、機器や液晶ディスプレイの基板に接続するための第2の接続側とを有している。第1の接続側の形態は接続相手との関係があるためディスプレイポート規格により厳密に定められているが、第2の接続側の形態は比較的自由である。この種の差動信号用コネクタは特許文献1に開示されており、ハウジングとそのハウジングに保持されたコンタクト群とを備えている。
【0005】
コンタクト群は、
図6に示すように、互いに間隔をおいて配置された3本のグランドコンタクト1と、それらのグランドコンタクト1の間にペアをなして配置された2対の信号コンタクト2とを含んでいる。コネクタの第1の接続側では、グランドコンタクト1の一端1aと信号コンタクト2の一端2aが一直線上に隣接配置されている。さらに、グランドコンタクト1及び信号コンタクト2は、互いに平行にのびた後、互いにずれた位置で同方向に直角に曲がっている。こうして、コネクタの第2の接続側では、グランドコンタクト1の他端1bを台形の長辺の両端に位置させ、また、信号コンタクト2の他端2bをその台形の短辺の両端に位置させている。そして、接続対象のスルーホールにグランドコンタクト1の他端1b及び信号コンタクト2の他端2bを挿入し、半田付けにて接続対象に接続する。
【0006】
上述したコンタクト群によると、第2の接続側では、グランドコンタクト1の他端1bと信号コンタクト2の他端2bとが異なる列に配置されるため、両者の間隔を大きくとることが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、コンタクト群の狭ピッチ化を図ると、コネクタの第2の接続側において、ペアをなす信号コンタクトの端部間が互いに接近するため、接続対象に対するコンタクト群の接続が容易でなくなることが想定される。例えば、接続対象に対するスルーホールの形成が困難になったり、接続対象に対する信号コンタクトの端部の半田付け作業が困難になったりするであろう。したがって、特許文献1に開示された技術ではコンタクト群の狭ピッチ化の要求に応えるには十分でない。
【0009】
また上述したコンタクト群は一本ずつ製造するよりも一群の全体を纏めて製造することが生産性上有利である。その場合には、金属板にプレス加工を施し、連結部から同方向にのびた多数のリードを有する中間部材を打ち抜き形成することになるであろう。この種の中間部材をここではリードフレームと呼ぶ。しかし、そのリードフレームの製造において、プレス加工の抜き幅を確保できない場合や、プレス加工の抜き幅が最小幅の場合に、金型に負担がかかる。そのため、コンタクトを一本ずつ別々に製造してから組み合わせてコンタクト群とせざるを得ず、製造が容易ではない。
【0010】
それ故に本発明の目的は、コンタクト群の狭ピッチ化が可能でかつ製造が容易なコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、コネクタのコンタクト群を製造するための中間部材としてのリードフレームであって、互いに間隔をおいて一平面上に配置された複数の第1のリードと、前記第1のリードの間隔にペアをなして配置された複数の第2のリードと、前記第1のリード及び前記第2のリードを一端側で連結した連結部とを含み、前記第2のリードのペアは、ピッチを前記一端側に比べて他端側で大きくされることにより、前記他端側では前記第1のリードにそれぞれ近づいており、さらに、前記第1のリード及び前記第2のリードの互いに隣接したものを相互間隔が最も狭くなる部分で接続したブリッジを有することを特徴とするリードフレームが得られる。
【0012】
本発明の他の態様によれば、上記リードフレームを用意すること、前記リードフレームの前記ブリッジをせん断すること、及び前記第1のリード及び前記第2のリードを前記一平面に交差する方向に折り曲げることを含むことを特徴とするコンタクト群の製造方法が得られる。
【0013】
本発明のさらに他の態様によれば、上記リードフレームを
用意すること、前記ブリッジ
をせん断した後、前記第1のリード及び前記第2のリード
を互いに異なる位置で前記一平面に交差する方向に折り曲げ
ること、前記第1のリード及び前記第2のリードを絶縁性のハウジングに保持させること、及び、前記連結部
を前記第1のリード及び前記第2のリードから切除
することを含むことを特徴とするコネクタ
の製造方法が得られる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コンタクト群の狭ピッチ化が可能でかつ製造が容易なコネクタを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照して、本発明の実施形態に係るコネクタについて説明する。
【0017】
図1のコネクタ10は上下2列のコンタクトを持つ20芯の差動信号用コネクタであり、使用に際してはプリント基板11に実装される。差動信号用コネクタ10の接続相手となる相手コネクタ(図示せず)が接続される正面側を第1の接続側と呼び、プリント基板11に接続される底面側を第2の接続側と呼ぶ。第1の接続側には、相手コネクタが嵌合するための嵌合突起12が嵌合面と平行に左右に長くのびた形状をもって備えられている。第2の接続側については、後文にて詳述する。
【0018】
ここで使用したプリント基板11は多層基板である。このプリント基板11には、下面11aを示す
図1(c)から分かるように、多数のスルーホール13が形成されている。スルーホール13の開口の周囲には、ドーナツ状の導体パターンよりなるランド14がそれぞれ形成されている。またランド14の幾つかから配線パターン15が基板11に沿って並列に引き出されている。スルーホール13の位置及び役割については、後文にて明らかにする。
【0019】
差動信号用コネクタ10は、上側コンタクト・アッシー16と、下側コンタクト・アッシー17と、上側及び下側コンタクト・アッシー16,17を纏めて囲った導電性のコネクタシェル18とを含んでいる。上側コンタクト・アッシー16は、ここでは付加コンタクトと呼ぶ多数の導電性の上側コンタクト19と、これらの上側コンタクト19を保持した絶縁性の上側ハウジング21とを備えている。上側コンタクト19は、その前端を嵌合突起12の上部に配列され、さらに後方にのびて下方に直角に曲がり、下端をプリント基板11の上面(図示せず)の配線パターンにSMT構造により半田付けされる。コネクタシェル18は、プリント基板11に固定される複数の固定用脚部18a,18bを有している。これらの固定用脚部18a,18bがプリント基板11に係合することにより、差動信号用コネクタ10はプリント基板11にしっかりと固定される。下側コンタクト・アッシー17については、後文にて詳述する。
【0020】
次に
図1と共に
図2をも参照して、下側コンタクト・アッシー17について詳述する。
【0021】
下側コンタクト・アッシー17は、3ペアの導電性の信号用コンタクト22と、4本の導電性のグランド用コンタクト23と、信号用コンタクト22及びグランド用コンタクト23を保持した絶縁性の下側ハウジング24とを含んでいる。下側ハウジング24の第1の接続側では、信号用コンタクト22の各ペアの両側にグランド用コンタクト23を配置した状態で第1の方向A1にのびた一定ピッチ(0.7mm以下が好ましい)のコンタクト列を形成している。
【0022】
信号用コンタクト22及びグランド用コンタクト23は全て、第1の方向A1に直交する第2の方向A2で後方にのびて下側ハウジング24を貫通した後に、下側ハウジング24から第2の接続側へ直角に折り曲げられ、第1の方向A1及び第2の方向A2に直交する第3の方向A3で下方にのびている。以下の説明では、信号用コンタクト22及びグランド用コンタクト23を纏めて下側コンタクト25と呼ぶこともある。
【0023】
図1から分かるように、差動信号用コネクタ10の第1の接続側では、下側コンタクト25は嵌合突起12の下部に上側コンタクト19と間隔をおいて対向するように配列されている。したがって、相手コネクタは嵌合突起12に嵌合したときに上側コンタクト19及び下側コンタクト25に接触し、その結果、差動信号用コネクタ10に電気的に接続される。ここで、下側コンタクト25のうち、相手コネクタに接触する部分をコネクタ接触部と呼ぶ。
【0024】
一方、差動信号用コネクタ10の第2の接続側では、下側コンタクト25はプリント基板11のスルーホール13に挿入され、プリント基板11の下面11aにおいてランド14に半田付けにより接続される。プリント基板11の下面11aにおいて半田付けされるため、コネクタ実装時に目視により半田付けの良否を容易に判定できる。ここで、下側コンタクト25のうち、スルーホール13に挿入される部分を基板接続部と呼ぶ。
【0025】
プリント基板11のスルーホール13の穴径は、コンタクトが断面四角形の場合には少なくともコンタクトの対角長よりわずかに大きく設計される。さらに、スルーホール13の周囲にはランド14が形成され、また隣接するスルーホール13と絶縁をとることも必要である。これらを考慮し、スルーホール13の中心から隣接するスルーホール13の中心には0.8mm程度の間隔を設定することが好ましい。
【0026】
図2において、下側コンタクト25の基板接続部は、第2の方向A2で互いに離間して第1の方向A1にのびた平行な3列に分けて配置されている。具体的に述べると、複数のグランド用コンタクト23の基板接続部を第1の列R1に互いに離間して配置すると共に、コネクタ接触部がグランド用コンタクト23の両側に配置されている信号用コンタクト22のペアを、第1の列R1の両側に位置する第2の列R2及び第3の列R3に振り分けて配置している。この結果、信号用コンタクト22のペアの基板接続部は図
2(d)からよく分かるように第1の列R1の両側に千鳥状配列とされている。
【0027】
ここで、複数の信号用コンタクト22のうち、第2の列R2に配置されたものを実質的に同じ長さに設計し、かつ、第3の列R3に配置されたものを実質的に同じ長さに設計している。即ち、同列に配置された信号用コンタクト22のペアの長さを等長にしている。そして、信号用コンタクト22の第1の接続側と第2の接続側との間での折り曲げの違い、具体的には、折り曲げ位置の違いにより、信号用コンタクト22のペアを第2の列及び前記第3の列R3に振り分けている。またグランド用コンタクト23は、第1の接続側と第2の接続側との間での信号用コンタクト22との折り曲げ位置の違いにより、第1の列R1に配置している。なお、折り曲げ位置に違いをもたせる代わりに、信号用コンタクト22及びグランド用コンタクト23を同じ位置で折り曲げた後、折り曲げ回数の違いによって(例えば階段状に折り曲げて)第2の接続側で3列に配列させることも可能であるし、また両者を併用してもよい。
【0028】
さらに、第2の接続側では、信号用コンタクト22の各ペアをグランド用コンタクト23の隣接したものの間に対応させて配置し、しかも信号用コンタクト22の各ペア内のピッチをコンタクト列のピッチよりも少し大きく設計している。この結果、第2の接続側では、ペアの信号用コンタクト22の間隔を広く設定して電気的絶縁を十分に取ることができる。
【0029】
また、グランド用コンタクト23を信号用コンタクト22のペアとペアとの間に対応させて配置すると共に、第1の接続側においてはグランド用コンタクト23とこれの両側に隣接配置されている二つの信号用コンタクト22とを、第2の接続側においては第1、第2、及び第3の列R1,R2,R3に対し斜めに交差する方向に配列している。この結果、第2の接続側では、信号用コンタクト22とグランド用コンタクト23との間隔を広く設定して電気的絶縁を十分に取ることができる。
【0030】
なお、プリント基板11の多数のスルーホール13は、第2の接続側における信号用コンタクト22及びグランド用コンタクト23の上述したような配置に対応した位置に形成されることは勿論である。
【0031】
上述した3ペアの導電性の信号用コンタクト22と4本の導電性のグランド用コンタクト23とからなるコンタクト群は、
図3に示すリードフレーム30を中間部材として用いて容易に製造することができる。
【0032】
図3のリードフレーム30は金属板に打ち抜き加工を施して作られたものであり、互いに間隔をおいて紙面に沿って一平面上に配置された複数の第1のリード31と、第1のリード31の間隔にペアをなして配置された複数の第2のリード32と、第1のリード31及び第2のリード32を一端側で連結した連結部33とを含んでいる。第2のリード32のペアは、金属板の打ち抜き加工に際し、予め前記一端側のピッチP1に比べて他端側即ち自由端側のピッチP2を大きくされることにより、自由端側では第1のリード31にそれぞれ近づいている。リードフレーム30は、さらに、第1のリード31及び第2のリード32の互いに隣接したものを相互間隔が最も狭くなる部分で接続したブリッジ34を有している。
【0033】
第1のリード31は、連結部33とブリッジ34と間に、前記一平面に交差する方向に折り曲げるための折曲予定部35を有している。第2のリード32は、連結部33からの長さを第1のリード31よりも短く作られたもの(これを「短尺リード」と呼ぶ)と、連結部33からの長さを第1のリード31よりも長く作られたもの(これを「長尺リード」と呼ぶ)とに分かれている。短尺リード及び長尺リードは、連結部33とブリッジ34と間に、前記一平面に交差する方向に折り曲げるための折曲予定部36、37をそれぞれ有している。連結部33からの距離が、第1のリード31の折曲予定部35に比べて、短尺リードの折曲部36は短く、長尺リードの折曲部37は長く設計されている。
【0034】
このような形状及び寸法をもつリードフレーム30は、リード間の間隔が比較的狭い場合であっても1枚の導体板からプレス加工により容易に形成することができる。したがって、リードフレーム30を一枚の金属板から作るにもかかわらず、コンタクト群の狭ピッチ化が可能である。
【0035】
次に、
図4を参照して、
図3のリードフレーム30からコネクタ群を製造する方法を説明する。
【0036】
図4(a)は
図3のリードフレーム30の斜視図である。この状態では、第1のリード31及び第2のリード32の互いに隣接したものは、ブリッジ34により互いに接続されている。
【0037】
まず、このリードフレーム30のブリッジ34をシャーカットによりせん断し、第1のリード31と第2のリード32とを切り離す。
【0038】
せん断加工では切りしろは不要なので第1のリード31と第2のリード32との間隔の狭い部分に設けたブリッジを切り離すことができ、切り離した状態でも隙間は生じない。そこで、切り離すと共に、若しくは、切り離した後、
図4(b)に示すように短尺リードの折曲予定部36をプレス加工により折り曲げる。
【0039】
次に、
図4(c)に示すように第1のリード31の折曲予定部35をプレス加工により折り曲げる。
【0040】
その後、
図4(d)に示すように長尺リードの折曲予定部37をプレス加工により折り曲げる。
【0041】
折り曲げ後の状態を示す
図4(b)、(c)、(d)から分かるように、せん断されたブリッジ34の一部が小突起38として各リードに残されているが、これらの小突起38は第
2の方向A
2で離間されるため、絶縁性を阻害することはない。
【0042】
こうしてシャーカット及びプレス加工によりリードフレーム30を所定形状の加工した後、下側ハウジング24(
図2参照)を例えばモールドインなどにより一体的に形成する。
【0043】
しかる後、リードフレーム30の連結部33を第1のリード31及び第2のリード32から切り離す。かくして、
図2に示すように3ペアの信号用コンタクト22と4本のグランド用コンタクト23とからなるコンタクト群を下側ハウジング24に配列保持してなる下側コンタクト・アッシー17が得られる。
【0044】
なお、各リードに形成されていた小突起38が信号用コンタクト22及びグランド用コンタクト23の各々に残ることになるが、図示の都合により、
図2ではこれらの小突起38については省略すると共に信号用コンタクト22及びグランド用コンタクト23の形状も概略的に示している。
【0045】
上述したコンタクト群を製造するための中間部材としては、
図5に示すリードフレーム30´を用いることもできる。同様な部分については、同じ参照符号を付して説明を省略する。
【0046】
図5のリードフレーム30´においては、第1のリード31のブリッジ34よりも自由端側で第2のリード32に対向した面のうち、ブリッジ34に隣接した部分に、第2のリード32から離間する逃げ部39を設けている。この結果、逃げ部39を設けた部分では、第1のリード31と第2のリード32との間隔が広くなるため、プレス加工によるリードフレーム30´の形成は、より容易である。
【0047】
図5のリードフレーム30´からコネクタ群を製造する方法は、
図4を用いて説明した方法と同様である。また、そのコネクタ群を含むコネクタは、
図1のコネクタとほぼ同等な構成になることは言うまでもない。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限られることはなく、またその一部又は全部は以下の付記のようにも記載され得るがそれらには限られない。
【0049】
(付記1)
コネクタ10のコンタクト群を製造するための中間部材としてのリードフレーム30,30´であって、互いに間隔をおいて一平面上に配置された複数の第1のリードと31、前記第1のリードの間隔にペアをなして配置された複数の第2のリード32と、前記第1のリード及び前記第2のリードを一端側で連結した連結部33とを含み、前記第2のリードのペアは、ピッチを前記一端側に比べて他端側で大きくされることにより、前記他端側では前記第1のリードにそれぞれ近づいており、さらに、前記第1のリード及び前記第2のリードの互いに隣接したものを相互間隔が最も狭くなる部分で接続したブリッジ34を有することを特徴とするリードフレーム。
【0050】
(付記2)
前記第1のリード及び前記第2のリードの各々は、前記連結部と前記ブリッジと間に、前記一平面に交差する方向に折り曲げるための折曲予定部35,36,37を有し、前記折曲予定部は、前記第1のリードと前記第2のリードとで前記連結部からの距離が異なっている、付記1に記載のリードフレーム。
【0051】
(付記3)
前記第2のリードのペアは、前記連結部から前記折曲予定部までの距離が、前記第1のリードよりも短い短尺リードのペアと前記第1のリードよりも長い長尺リードのペアとに分かれている、付記2に記載のリードフレーム。
【0052】
(付記4)
前記短尺リードは前記連結部からの長さを前記第1のリードよりも短く作られ、前記長尺リードは前記連結部からの長さを前記第1のリードよりも長く作られている、付記3に記載のリードフレーム。
【0053】
(付記5)
前記第1のリードの前記ブリッジよりも前記他端側で前記第2のリードに対向した面のうち、前記ブリッジに隣接した部分に、前記第2のリードから離間する逃げ部39を設けた、付記1から4のいずれか一項に記載のリードフレーム。
【0054】
(付記6)
付記1から5のいずれか一項に記載のリードフレームを用意すること、前記リードフレームの前記ブリッジをせん断すること、及び前記第1のリード及び前記第2のリードを前記一平面に交差する方向に折り曲げることを含むことを特徴とするコンタクト群の製造方法。
【0055】
(付記7)
付記1から5のいずれか一項に記載のリードフレームを中間部材として用いて製造されたコンタクト群。
【0056】
(付記8)
付記7に記載されたコンタクト群であって、前記ブリッジがせん断加工により切り離されると共に、若しくは、切り離した後、前記第1のリード及び前記第2のリードが互いに異なる位置で前記一平面に交差する方向に折り曲げられたことを特徴とするコンタクト。
【0057】
(付記9)
付記1から5のいずれか一項に記載のリードフレームを中間部材として用いたコンタクト群を含み、前記ブリッジがせん断加工により切り離されると共に、若しくは、切り離した後、前記第1のリード及び前記第2のリードが互いに異なる位置で前記一平面に交差する方向に折り曲げられ、かつ、前記連結部が前記第1のリード及び前記第2のリードから切除されていることを特徴とするコネクタ。
【0058】
(付記10)
前記第1のリードがグランド用コンタクトとして使用され、前記第2のリードが信号用コンタクトとして使用される、付記9に記載のコネクタ。