(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
給紙トレイ上の用紙を、印刷ユニットに搬送し、前記印刷ユニットで第1印刷処理して排紙トレイに搬送し、前記排紙トレイから再給紙トレイへ搬送し、前記再給紙トレイから裏返して前記印刷ユニットに搬送し、前記印刷ユニットで第2印刷処理して前記排紙トレイに搬送する、両面印刷装置において、
前記排紙トレイは、搬送されてきた用紙の先端を受け止めるエンドプレートを備えており、
前記エンドプレートは、受け止めた用紙を伴って前記再給紙トレイへ向かって移動可能に設けられており、
前記再給紙トレイは、前記再給紙トレイに載った用紙を前記再給紙トレイの用紙搬送方向下流端部まで搬送する再給紙搬送手段を備えており、
前記排紙トレイ上の用紙は、前記エンドプレートが再給紙トレイへ向かって移動することによって、前記再給紙搬送手段に受け渡されるようになっており、
前記再給紙搬送手段は、用紙搬送方向に向かって下方に傾斜するよう構成されていることを特徴とする、両面印刷装置。
前記再給紙搬送手段が用紙を搬送する搬送速度は、前記エンドプレートが前記再給紙トレイに向かって移動する移動速度以上に設定されている、請求項1又は2に記載の両面印刷装置。
給紙トレイ上の用紙を、印刷ユニットに搬送し、前記印刷ユニットで第1印刷処理して排紙トレイに搬送し、前記排紙トレイから再給紙トレイへ搬送し、前記再給紙トレイから裏返して前記印刷ユニットに搬送し、前記印刷ユニットで第2印刷処理して前記排紙トレイに搬送する、両面印刷装置において、
前記排紙トレイは、搬送されてきた用紙の先端を受け止めるエンドプレートを備えており、
前記エンドプレートは、受け止めた用紙を伴って前記再給紙トレイへ向かって移動可能に設けられており、
前記再給紙トレイは、前記再給紙トレイに載った用紙を前記再給紙トレイの用紙搬送方向下流端部まで搬送する再給紙搬送手段を備えており、
前記排紙トレイ上の用紙は、前記エンドプレートが再給紙トレイへ向かって移動することによって、前記再給紙搬送手段に受け渡されるようになっており、
前記排紙トレイは、前記排紙トレイ上の用紙の両側縁を持ち上げて、用紙をU字状に支持する、U字形成部材を備えており、
前記U字形成部材は、前記排紙トレイ上面より突出して、用紙を持ち上げる、突出位置と、前記排紙トレイ上面から突出しない退避位置と、の間で上下動可能となっていることを特徴とする、両面印刷装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明に係る両面印刷装置10の概略図である。説明の都合上、用紙の給紙方向及び搬送方向M1の上流側を「前側」、給紙方向及び搬送方向M1の下流側を「後側」として、以下、説明する。
【0023】
図1に示すように、印刷機本体1の前下部に給紙ユニット2が配置され、印刷機本体1の後下部に排紙ユニット3が配置されている。そして、給紙ユニット2と排紙ユニット3との前後方向の間に、印刷ユニット4が配置され、排紙ユニット3の前方であって、印刷ユニット4の下方には、再給紙ユニット5が配置されている。また、印刷機本体1の前上部に製版ユニット6が配置され、印刷機本体1の後上部に排版ユニット7が配置されている。印刷機本体1の上側には、画像読取ユニット8が配置されている。また、印刷機本体1内には、両面印刷装置の作動を制御する、制御部(図示せず)が配置されている。
【0024】
給紙ユニット2は、給紙トレイ21と、給紙トレイ21の後端部に配置された給紙ローラ22及びサバキ部材23と、給紙ローラ22の後方に配置された一対のタイミングローラ24と、を備えている。給紙ローラ22及びサバキ部材23は、給紙トレイ21に積載された用紙を最上位から1枚ずつ取り出すようになっている。タイミングローラ24は、用紙の所定位置に印刷できるように、印刷ユニット4の版胴41の回転と同期して適宜タイミングで作動し、給紙ローラ22及びサバキ部材23によって取り出された用紙を、印刷ユニット4の印刷部へ送り込むようになっている。
【0025】
排紙ユニット3は、エア吸引式の搬送ベルト機構31と排紙トレイ32とベースガイド33とを備えている。排紙ユニット3は、印刷ユニット4で印刷された用紙を、搬送ベルト機構31によってエア吸引しながら後方に搬送し、排紙トレイ32上へ排出するようになっている。ベースガイド33は、上下方向に移動可能となっており、搬送ベルト機構31によって排紙トレイ32に用紙が搬送されて来る際には、下方の閉止位置に位置し、排紙トレイ32から用紙を再給紙ユニット5に搬送する際には、上方の開放位置に位置するようになっている。
【0026】
印刷ユニット4は、製版済の孔版原紙が外周面に装着される円筒状の版胴41と、版胴41に下方から当接離反自在に対向する押圧ローラ42と、を備えている。印刷ユニット4は、回転する版胴41と押圧ローラ42との間で用紙を挟持し、M1方向に用紙を搬送しつつ、版胴41内から供給されるインクによって、孔版原紙の画像を用紙の上面に転写(第1印刷、第2印刷)するようになっている。
【0027】
再給紙ユニット5は、排紙トレイ32上に積載された第1印刷処理された用紙を排紙ユニット3から受け入れる再給紙トレイ51と、再給紙トレイ51上の用紙を最上位から1枚ずつ取り出し搬送する再給紙ローラ52及びサバキ部材54と、再給紙ローラ52から搬送されてきた用紙を再度印刷ユニット4に向けて搬送する1以上の一対の中間搬送ローラ53と、を備えている。再給紙ユニット5は、再給紙ローラ52、中間搬送ローラ53及びサバキ部材54によって、再給紙トレイ51上の用紙を、最上位から1枚ずつ、給紙ユニット2のタイミングローラ24へ搬送するようになっている。
【0028】
製版ユニット6は、孔版原紙ロール61と、サーマルヘッド62と、サーマルヘッド62に当接するプラテンローラ63と、を備えている。製版ユニット6は、画像読取ユニット8で読み取られた画像のデータに基づき、孔版原紙ロール61をサーマルヘッド62で製版し、製版後の孔版原紙を印刷ユニット4の版胴41の外周面に装着するようになっている。
【0029】
排版ユニット7は、印刷機本体1内に取り付けられた排版用のハウジング71と、ハウジング71の前上端部に取り付けられた上下一対の引き込みローラ72と、ハウジング71内に後方からスライド可能に挿入された上面開放状の原紙収納ロール73と、を備えている。引き込みローラ72は、版胴41の後上端部に対応する位置に位置しており、版胴41の外周面に装着されている印刷使用後の孔版原紙の先端部を挟持して回転することにより、ハウジング71の原紙収納ロール73に印刷使用後の孔版原紙を巻き付けるようになっている。
【0030】
図2〜
図4は、両面印刷装置10の作動を説明する図である。以下、
図1〜
図4を用いて、両面印刷装置10の作動の概要を説明する。
【0031】
図1に示すように、製版ユニット6は、画像読取ユニット8で読み取られた画像(表面画像)のデータに基づき、孔版原紙ロール61をサーマルヘッド62で製版し、製版後の孔版原紙N1を印刷ユニット4の版胴41の外周面に装着する。
【0032】
次に、給紙ローラ22及びサバキ部材23は、給紙トレイ21に積載された用紙P1(表面裏面共に、印刷されていない)を、最上位から1枚ずつ取り出す。タイミングローラ24は、用紙P1の所定位置に印刷できるように、印刷ユニット4の版胴41の回転と同期して適宜タイミングで作動し、取り出された用紙P1を印刷ユニット4の印刷部へ送り込む。
【0033】
そして、印刷ユニット4は、回転する版胴41と押圧ローラ42との間で用紙P1を挟持し、M1方向に用紙P1を搬送しつつ、版胴41内から供給されるインクにより、孔版原紙N1の表面画像を用紙P1の上面(表面)に転写(第1印刷処理、以下、「表面印刷処理」という)する。
【0034】
そして、
図2に示すように、排紙ユニット3は、印刷ユニット4で表面印刷処理された用紙P2を、搬送ベルト機構31によりエア吸引しながら後方に搬送し、排紙トレイ32上へ排出する。この際、ベースガイド33は、下方の閉止位置に位置し、排紙トレイ32上に積載された用紙P2の先端を揃える。
【0035】
そして、排版ユニット7は、引き込みローラ72が、版胴41の外周面に装着されている表面印刷使用後の孔版原紙N1の先端部を挟持して回転することによって、ハウジング71の原紙収納ロール73に表面印刷使用後の孔版原紙N1を巻き付ける。
【0036】
版胴41から表面印刷使用後の孔版原紙N1が取り除かれた後、製版ユニット6は、画像読取ユニット8で読み取られた画像(裏面画像)のデータに基づき、孔版原紙ロール61をサーマルヘッド62で製版し、製版後の孔版原紙N2を印刷ユニット4の版胴41の外周面に装着する。
【0037】
そして、
図3に示すように、排紙ユニット3は、排紙トレイ32上に積載された表面印刷処理された用紙P2を、再給紙方向(M2方向)に向けて、再給紙ユニット5に受け渡す。この際、ベースガイド33は、上方の開放位置に位置する。そして、
図4に示すように、ベースガイド33は下方の閉止位置に位置し、再給紙ローラ52及びサバキ部材54は、排紙ユニット3から受け取った用紙P2を最上位から1枚ずつ取り出し、再給紙ローラ52及び中間搬送ローラ53は、取り出された用紙P2を、印刷された表面が下面に、印刷されていない裏面が上面となるように、裏返して、給紙ユニット2のタイミングローラ24に搬送する。ここで、中間搬送ローラ53とタイミングローラ24との間で用紙P2は撓みP2aが形成されるようになっている。
【0038】
タイミングローラ24は、印刷ユニット4の版胴41の回転と同期して適宜タイミングで作動し、印刷ユニット4の印刷部へ、印刷されていない裏面を上面として用紙P2を送り込む。ここで、中間搬送ローラ53とタイミングローラ24との間で形成された用紙P2の撓みP2aを維持するように、中間搬送ローラ53とタイミングローラ24とは略同じ線速度で回転する。この線速度は、版胴41の線速度と一致している。印刷ユニット4は、回転する版胴41と押圧ローラ42との間で用紙P2を挟持し、搬送方向M1に搬送しつつ、版胴41内から供給されるインクにより、孔版原紙N2の裏面画像を用紙P2の上面(裏面)に転写(第2印刷処理、以下、「裏面印刷処理」という)する。
【0039】
印刷ユニット4で裏面印刷処理された用紙P3は、搬送ベルト機構31によりエア吸引されながら後方に搬送され、排紙トレイ32上へ排出される。
【0040】
排版ユニット7は、引き込みローラ72が、版胴41の外周面に装着されている印刷使用後の孔版原紙N2の先端部を挟持し、回転することによって、ハウジング71の原紙収納ロール73に印刷使用後の孔版原紙N2を巻き付ける。
【0041】
図5は、画像読取ユニット8の画像読取と、製版ユニット6の製版と、印刷ユニット4の印刷と、の関係を示すタイムチャートであり、横軸は時間を示している。以下、
図5を用いて、両面印刷装置10における画像読取、製版、印刷の流れを説明する。
【0042】
(画像読取ユニット8で原稿の表面と裏面とをそれぞれ読み取る、「原稿固定読取」の場合)
使用者が、両面印刷装置10の操作パネル(図示せず)に表示された、両面印刷モードを選択し、画像読取ユニット8に原稿をセットする。使用者が、操作パネルの製版キーを押すと、画像読取ユニット8は原稿の表面を読み取る(
図5のA1参照)。画像読取ユニット8が原稿の表面を読み取り始めると、製版ユニット6は孔版原紙に原稿の表面の製版を開始する(
図5のA2参照)。画像読取ユニット8の原稿の表面の読取が終了すると、操作パネルに「次の原稿を置いて下さい」と表示され、使用者は、画像読取ユニット8に原稿を裏返してセットし、操作パネルの製版キーを再度押す。そうして、画像読取ユニット8は、原稿の裏面を読み取る(
図5のA3参照)。原稿の表面の製版が終了すると、製版ユニット6は、製版済の孔版原紙を版胴41に巻き付け、印刷ユニット4は、用紙の表面に表面画像を印刷する(
図5のA4参照)。表面印刷処理された用紙は、上述のとおり、一旦排紙トレイ32に排出され、積載され、積載された状態で再給紙トレイ51に送られる。
【0043】
表面印刷処理が終了すると、排版ユニット7は、版胴41から製版済の孔版原紙を外し、回収する。製版ユニット8は、画像読取ユニット8が読み取っていた原稿の裏面データから孔版原紙に原稿の裏面の製版を開始する(
図5のA5参照)。原稿の裏面の製版が終了すると、製版ユニット6は製版済の孔版原紙を版胴41に巻き付け、印刷ユニット4は再給紙トレイ51から送られてきた用紙の裏面に裏面画像を印刷する(
図5のA6参照)。裏面印刷処理された用紙は、上述のとおり、排紙トレイ32に排出され、積載される。
【0044】
(ADF(原稿自動給紙装置)を用い、画像読取ユニット8で原稿の表面と裏面を連続して読み取る、「ADF読取」の場合)
「ADF読取」と「原稿固定読取」との違いは、
図5で示されたタイムチャートにおいて、表面の画像読取終了時と裏面の画像読取開始時との間の時間T1において、ADF読取ではADFが自動で原稿を表面から裏面に裏返すのに対し、原稿固定読取では使用者が原稿を表面から裏面に裏返すだけの違いである。ADF読取の場合の両面印刷装置10の作動は、以下のとおりである。
【0045】
使用者が、両面印刷装置10の操作パネルに表示された、両面印刷モードを選択し、ADFに原稿をセットする。使用者が、操作パネルの製版キーを押すと、画像読取ユニット8は原稿の表面を読み取り(
図5のA1参照)、引き続いて原稿を裏返し、原稿の裏面を読み取る(
図5のA3参照)。画像読取ユニット8が原稿の表面を読み取り始めると、製版ユニット6は孔版原紙に原稿の表面の製版を開始する(
図5のA2参照)。原稿の表面の製版が終了すると、製版ユニット6は、製版済の孔版原紙を版胴41に巻き付け、印刷ユニット4は、用紙の表面に表面画像を印刷する(
図5のA4参照)。表面印刷処理された用紙は、上述のとおり、一旦排紙トレイ32に排出され、積載され、積載された状態で再給紙トレイ51に送られる。
【0046】
表面印刷処理が終了すると、排版ユニット7は、版胴41から製版済の孔版原紙を外し、回収する。製版ユニット8は、画像読取ユニット8が読み取っていた原稿の裏面データから孔版原紙に原稿の裏面の製版を開始する(
図5のA5参照)。原稿の裏面の製版が終了すると、製版ユニット6は製版済の孔版原紙を版胴41に巻き付け、印刷ユニット4は再給紙トレイ51から送られてきた用紙の裏面に裏面画像を印刷する(
図5のA6参照)。裏面印刷処理された用紙は、上述のとおり、排紙トレイ32に排出され、積載される。
【0047】
図6は、画像読取ユニット8の画像読取と、製版ユニット6の製版と、印刷ユニット4の印刷と、の関係を示す、
図5とは異なるタイムチャートであり、横軸は時間を示している。
図6に示す、両面印刷装置10における画像読取、製版、印刷の流れは、以下のとおりである。
【0048】
(原稿固定読取)
使用者が、両面印刷装置10の操作パネル(図示せず)に表示された、両面印刷モードを選択し、画像読取ユニット8に原稿をセットする。使用者が、操作パネルの製版キーを押すと、画像読取ユニット8は原稿の表面を読み取る(
図6のB1参照)。画像読取ユニット8の原稿の表面の読取が終了すると、操作パネルに「次の原稿を置いて下さい」と表示され、使用者は、画像読取ユニット8に原稿を裏返してセットし、操作パネルの製版キーを再度押す。そうして、画像読取ユニット8は、原稿の裏面を読み取る(
図6のB2参照)。画像読取ユニット8が原稿の裏面を読み取り終わると、製版ユニット6は孔版原紙に原稿の表面の製版を開始する(
図6のB3参照)。原稿の表面の製版が終了すると、製版ユニット6は、製版済の孔版原紙を版胴41に巻き付け、印刷ユニット4は、用紙の表面に表面画像を印刷する(
図6のB4参照)。表面印刷処理された用紙は、上述のとおり、一旦排紙トレイ32に排出され、積載され、積載された状態で再給紙トレイ51に送られる。
【0049】
表面印刷処理が終了すると、排版ユニット7は、版胴41から製版済の孔版原紙を外し、回収する。製版ユニット8は、画像読取ユニット8が読み取っていた原稿の裏面データから孔版原紙に原稿の裏面の製版を開始する(
図6のB5参照)。原稿の裏面の製版が終了すると、製版ユニット6は製版済の孔版原紙を版胴41に巻き付け、印刷ユニット4は再給紙トレイ51から送られてきた用紙の裏面に裏面画像を印刷する(
図6のB6参照)。裏面印刷処理された用紙は、上述のとおり、排紙トレイ32に排出され、積載される。
【0050】
(ADF読取)
「ADF読取」と「原稿固定読取」との違いは、
図5のタイムチャートで説明したように、
図6で示されたタイムチャートにおいて、表面の画像読取終了時と裏面の画像読取開始時との間の時間T1において、ADF読取ではADFが自動で原稿を表面から裏面に裏返すのに対し、原稿固定読取では使用者が原稿を表面から裏面に裏返すだけの違いである。したがって、ADF読取の場合の両面印刷装置10の作動の記載は省略する。
【0051】
図7は、画像読取ユニット8の画像読取と、製版ユニット6の製版と、印刷ユニット4の印刷と、の関係を示す、
図5及び
図6とは異なるタイムチャートであり、横軸は時間を示している。
図7に示す、両面印刷装置10における画像読取、製版、印刷の流れは、以下のとおりである。
【0052】
(原稿固定読取)
使用者が、両面印刷装置10の操作パネル(図示せず)に表示された、両面印刷モードを選択し、画像読取ユニット8に原稿をセットする。使用者が、操作パネルの製版キーを押すと、画像読取ユニット8は原稿の表面を読み取る(
図7のD1参照)。画像読取ユニット8の原稿の表面の読取が終了すると、操作パネルに「次の原稿を置いて下さい」と表示され、使用者は、画像読取ユニット8に原稿を裏返してセットし、操作パネルの製版キーを再度押す。そうして、画像読取ユニット8は、原稿の裏面を読み取る(
図7のD2参照)。画像読取ユニット8が原稿の裏面を読み取り始めると、製版ユニット6は孔版原紙に原稿の裏面の製版を開始する(
図7のD3参照)。原稿の裏面の製版が終了すると、製版ユニット6は、製版済の孔版原紙を版胴41に巻き付け、印刷ユニット4は、用紙の裏面に裏面画像を印刷する(
図7のD4参照)。裏面印刷処理された用紙は、上述のとおり、一旦排紙トレイ32に排出され、積載され、積載された状態で再給紙トレイ51に送られる。
【0053】
裏面印刷処理が終了すると、排版ユニット7は、版胴41から製版済の孔版原紙を外し、回収する。製版ユニット8は、画像読取ユニット8が読み取っていた原稿の表面データから孔版原紙に原稿の表面の製版を開始する(
図7のD5参照)。原稿の表面の製版が終了すると、製版ユニット6は製版済の孔版原紙を版胴41に巻き付け、印刷ユニット4は再給紙トレイ51から送られてきた用紙の表面に表面画像を印刷する(
図7のD6参照)。表面印刷処理された用紙は、上述のとおり、排紙トレイ32に排出され、積載される。
【0054】
(ADF読取)
「ADF読取」と「原稿固定読取」との違いは、
図5のタイムチャートで説明したように、
図7で示されたタイムチャートにおいて、表面の画像読取終了時と裏面の画像読取開始時との間の時間T1において、ADF読取ではADFが自動で原稿を表面から裏面に裏返すのに対し、原稿固定読取では使用者が原稿を表面から裏面に裏返すだけの違いである。したがって、ADF読取の場合の両面印刷装置10の作動の記載は省略する。
【0055】
(テストプリント)
両面印刷装置10の操作パネルには、テストプリントキーが設けられている。テストプリントキーとは、テストプリントを行うためのものであり、テストプリントとは、印刷枚数とは無関係に表面印刷処理のみを行うモードである。印刷濃度や印刷位置等の印刷イメージをあらかじめ確認する場合に、テストプリントキーを押すことにより、1枚だけ表面印刷処理が行われる。なお、テストプリントキーを複数回押すことにより、複数枚表面印刷処理が行われることになる。
【0056】
ここで、両面印刷処理時において、印刷イメージを確認するために、テストプリント(表面印刷処理)が行われ、そのテストプリントされた用紙が排紙トレイ32から取り除かれずに、所望の設定枚数の印刷処理を行われる場合を検討する。
【0057】
上記の場合、裏面印刷処理の前には、テストプリントされた用紙の枚数(テスト枚数)と表面印刷処理された用紙の枚数(表面設定枚数)の合計枚数の用紙が、排紙トレイ32から再給紙トレイ51に搬送されることとなる。そして、裏面印刷処理においては、表面設定枚数分だけ裏面印刷処理が行われるため、裏面印刷処理後には、再給紙トレイ51に、テスト枚数分の表面印刷処理された用紙が残ってしまうことになる。
【0058】
上記課題の対策として、両面印刷装置10の制御部は、テストプリントが行われた場合、テスト枚数を記憶するようになっている。そして、裏面印刷処理時には、制御部は、使用者が操作パネルに入力した設定枚数(表面設定枚数)と記憶したテスト枚数との合計枚数を裏面印刷処理するようになっている。その結果、テストプリントが行われた場合であっても、裏面印刷処理後、再給紙トレイ51に用紙が残るという課題を解決することができる。また、制御部は、表面設定枚数に関わらず、再給紙トレイ51に積載されているすべての用紙を裏面印刷処理するようにしても良い。なお、プレプリント(製版後、所望の設定枚数とは別に初期印刷処理枚数を設定して表面印刷するというモード)を行う場合にも、上述したテストプリントと同様の制御を行うことによって、対応できる。
【0059】
以下、給紙トレイ21、排紙トレイ32及び再給紙トレイ51について、その構成をより具体的に説明する。
【0060】
(給紙トレイ)
図8は、給紙トレイ21の斜視図である。給紙トレイ21は、用紙が載置される給紙台211と、略用紙幅に等しい間隔で用紙の両側縁を規制する一対の給紙側板212と、を備えている。給紙台211は、本体部2111と本体部2111から前側に張り出している張出部2112とを備えている。給紙側板212は、本体部2111上に立設されている。
【0061】
図9は、給紙トレイ21の透視平面図であり、本体部2111を透視して示している。給紙側板212は、M1方向に対する直交方向(用紙幅方向であり、Y方向)に移動可能となっている。
図9に示すように、給紙側板212をY方向に移動させる、給紙側板移動機構は、レール2121と、ラック2122と、ピニオン2123と、レバー2124と、を備えている。給紙側板212は、本体部2111にY方向に延びて固定されているレール2121に沿って、スライド可能な、ラック2122に、固定されている。そして、ラック2122は、ピニオン2123を間に挟んで対向している。これにより、レバー2124によって、一方の給紙側板212を、レール2121に沿って内向きにスライドさせると、他方の給紙側板212も、同じ距離だけ、レール2121に沿って内向きにスライドする。また、一方の給紙側板212を、レール2121に沿って外向きにスライドさせると、他方の給紙側板212も、同じ距離だけ、レール2121に沿って外向きにスライドする。したがって、一対の給紙側板212は、その間隔を自在に変更することができる。
【0062】
図10も、給紙トレイ21の透視平面図であるが、本体部2111を
図9の場合よりも更に透視して示している。また、
図11は、給紙トレイ21の透視裏面斜視図である。給紙トレイ21は、印刷機本体1に対してY方向に移動可能となっている。
図10及び
図11に示すように、給紙トレイ21をY方向に移動させる給紙トレイ移動機構は、駆動ネジ軸213と、モータ214と、螺合部215と、2本のスライド軸216、217と、を備えている。また、給紙トレイ21は、給紙トレイ21のY方向移動量を検知する、移動量検知センサ218を備えている。
【0063】
駆動ネジ軸213は、その一端が、印刷機本体1に回動自在に固定され、Y方向に延びて設けられている。モータ214は、駆動ネジ軸213の他端に、駆動ネジ軸213を回転させるよう、設けられている。螺合部215は、給紙台211の本体部2111の側壁2111aに固定されている。駆動ネジ軸213は、螺合部215に螺合して、螺合部215を貫通している。スライド軸216、217は、駆動ネジ軸213の両側にて駆動ネジ軸213と平行に、設けられている。これにより、モータ214を作動させて駆動ネジ軸213を回転させると、螺合部215が駆動ネジ軸213に対して相対回転しながら駆動ネジ軸213上を移動し、すなわち、給紙トレイ21がスライド軸216、217に沿って移動する。
【0064】
移動量検知センサ218は、駆動ネジ軸213の回転と共に回転する円板2181と、スリットカウンタ2182と、を備えている。円板2181は、その周縁に多数のスリットを等間隔で有しており、スリットカウンタ2182は、そのカウンタ部を通過するスリットの数を求めるようになっている。これにより、駆動ネジ軸213の回転量、すなわち、螺合部215の移動量、すなわち、給紙トレイ21のY方向移動量が、検知される。
【0065】
上述のとおり、給紙側板212は、給紙側板移動機構によって、給紙台211上を、給紙台211のY方向の中間線に対してそれぞれ対称となるように、一対としてY方向に移動するようになっている。その結果、給紙台211のY方向の中間線と給紙側板212間の中間線とが一致した状態で、給紙側板212は、印刷機本体1に対して、Y方向に移動可能となっている。そして、第1側板検知手段(図示せず)は、レバー2124の移動量によって、給紙側板212のY方向移動量を検知し、移動量検知センサ218によって、給紙トレイ21のY方向移動量を検知する。その結果、第1側板検知手段は、印刷機本体1に対する、給紙側板212のY方向の位置を検知する。制御部は、第1側板検知手段の検知結果に基づいて、給紙トレイ移動機構及び/又は給紙側板移動機構を制御し、給紙側板212を移動させる。
【0066】
(排紙トレイ)
図12は、排紙トレイ32の前方斜視図であり、
図13は、排紙トレイ32の後方斜視図であり、
図14は、排紙トレイ32の底面図である。排紙トレイ32は、用紙が積載される排紙台321と、印刷ユニット4で印刷された用紙の先端を受け止めるエンドプレート322と、略用紙幅に等しい間隔で用紙の両側縁を規制する一対の排紙側板323と、を備えている。また、排紙トレイ32は、排紙台321上に積載される用紙をU字状態に維持する、U字形成部材324を備えている。排紙側板323は、排紙台321の上面に対して略垂直姿勢に立設されている。排紙側板323には、Y方向内方に向かって突出する突出部323aが形成されている。突出部323aは、上下方向に連続しており、M1、M2方向に平行な方向(以下、M方向)に間隔をおいて複数形成されている。同様に、エンドプレート322にも、M2方向に向かって突出する突出部322aが形成されている。突出部322aは、上下方向に連続しており、Y方向に間隔をおいて複数形成されている。突出部323aの用紙接触面及び突出部322aの用紙接触面は、用紙との摩擦係数が高い高摩擦部材、例えばゴム等でできている。排紙台321には、排紙台321上に積載される用紙の搬送が円滑となるよう、複数のコロ325が配置されている。コロ325は、使用されるすべての仕様の用紙を均等に保持できるように、排紙台321上に均等に配置される。
【0067】
図15は、排紙側板323の斜視図である。
図15に示すように、排紙側板323をY方向に移動させる、排紙側板移動機構は、ラック3231と、ベルト式伝導機構3232と、モータ3233と、を備えている。
図14に示すように、ラック3231は、上下に開口を有する枠体であり、Y方向の一端部が排紙トレイ32の側部32aに固定されている。排紙側板323の下端部323bは、ラック3231の開口を通って、ベルト式伝導機構3232のベルト3232aに固定されている。モータ3233は、ベルト式伝導機構3232と連結されている。そして、モータ3233が作動すると、ベルト式伝導機構3232が作動し、ベルト3223aが周回する。その結果、ベルト3232aに固定された排紙側板323は、ラック3231内をY方向に移動する。したがって、排紙側板323は、排紙側板移動機構によって、Y方向に移動可能となっている。なお、
図15に示すように、各排紙側板323は、それぞれ排紙側板移動機構を備えているので、個別にY方向に移動可能となっている。
【0068】
排紙トレイ32は、排紙トレイ移動機構(図示せず)によって、印刷機本体1に対して、Y方向に移動可能となっている。排紙トレイ移動機構は、上記給紙トレイ移動機構と同様の機構を備えている。
【0069】
排紙トレイ32は、排紙側板323の用紙幅方向の位置を検知する、第2側板検知手段(図示せず)を備えている。上述したとおり、排紙側板323は、ベルト3232aの回動によって、ラック3231内をY方向に移動するようになっているので、第2側板検知手段は、ベルト3232aの回動距離に基づき、排紙側板323のY方向位置を検知する。制御部は、第2側板検知手段の検知結果に基づいて、排紙トレイ移動機構及び/又は排紙側板移動機構を制御し、排紙側板323を移動させる。
【0070】
排紙側板323は、通常、排紙側板323間の距離が用紙幅よりも小さくなるガイド位置に位置しており、これにより、印刷済用紙を側板間でU字状態に維持しつつ、U字形成部材324上まで落下ガイドするようになっている。
【0071】
図16は、エンドプレート322の斜視図である。
図16に示すように、エンドプレート322をM方向に移動させる、エンドプレート移動機構は、スライド軸3221、3222と、ベルト式伝導機構3223と、モータ3224と、を備えている。スライド軸3221、3222は、M方向に並行して設けられ、エンドプレート322の下部を貫通している。スライド軸3221、3222のM1方向端部は、排紙トレイ32に排出される用紙の先端部を受け止める受止位置に位置しており、スライド軸3221、3222のM2方向端部は、排紙トレイ32の用紙を再給紙トレイ51に受け渡す受渡位置に位置している。また、エンドプレート322の下端部322aは、ベルト式伝導機構3223のベルト3223aに固定されている。ベルト3223aの周回軌道のM1方向端部は、スライド軸3221、3222のM1方向端部の下方に位置するようになっており、ベルト3223aの周回軌道のM2方向端部は、スライド軸3221、3222のM1方向端部の下方に位置するようになっている。モータ3224は、ベルト式伝導機構3223と連結されている。そして、モータ3224が作動すると、ベルト式伝導機構3223が作動し、ベルト3223aが周回する。その結果、ベルト3223aに固定されたエンドプレート322は、スライド軸3221、3222に沿ってM方向に移動可能となっている。その結果、エンドプレート322は、前記受止位置と前記受渡位置との間を移動可能となっている。
【0072】
図17は、U字形成部材324の上方斜視図であり、
図18は、U字形成部材324の下方斜視図である。
図17、
図18に示すように、U字形成部材324は、排紙台321に、用紙幅の中間線O1に対して対称的に配置され、M方向に複数設けられたフィン部材で構成されている。各フィン部材は、中間線O1からY方向の外方に向かって高くなり、その上縁がY方向外方端部で排紙台321と略平行となるように形成されている。
【0073】
U字形成部材324を回動させる、U字形成部材回動機構は、回動軸3241、3242と、伝導機構3243と、モータ3244と、を備えている。回動軸3241、3242は、M方向に並行に、排紙台321の下方に設けられている。U字形成部材324は、連結部材3245によってフィン部材324a、324bがM方向に2つずつ連結されて、M方向に複数設けられて、構成されている。連結されたフィン部材324a、324bは、それぞれ、そのY方向内方端部が、回動軸3241、3242に固定されている。そして、M2方向最前部の一対のフィン部材324aは、そのY方向外方端部で、伝導機構3243の回動軸3243aに連結された支持部材3243bによって支持されている。また、回動軸3243aは、ギヤ等を介してモータ3244と連結されている。そして、モータ3244が回転すると、回動軸3243aが回動し、その結果、回動軸3243aに連結された支持部材3243bが上下する。支持部材3243bが上下することによって、M2方向最前部の一対のフィン部材324aは、回転軸3241、3242を中心として、排紙台321に対して、回動するようになっている。その他のフィン部材は、回転軸3241、3242に固定されているので、M2方向最前部のフィン部材324aが回動すれば、回転軸3241、3242が回転し、その結果、その他のフィン部材324bは、M2方向最前部のフィン部材324aと同じ角度だけ、排紙台321に対して回動するようになっている。したがって、U字形成部材324は、排紙台321の上面より突出する突出位置と、排紙台321の上面から突出しない退避位置と、の間で上下動するようになっている。そして、排紙トレイ32に積載される用紙の種類(サイズや厚さ等)に応じて、U字形成部材回動機構が制御され、回転軸3241、3242の回転量が変化し、U字形成部材324の、排紙台321の上面からの突出量が、変動するようになっている。例えば、用紙の一枚当たりの厚さが厚い場合には、U字形成部材324の排紙台321の上面からの突出量は小さくなり、用紙の一枚当たりの厚さが薄い場合には、U字形成部材324の排紙台321の上面からの突出量は大きくなるようになっている。
【0074】
(ベースガイド)
図19は、閉止位置にあるベースガイド33を示す斜視図であり、
図20は、開放位置にあるベースガイド33を示す斜視図である。
図21は、
図19のベースガイド33を示す別の方向からの斜視図であり、
図22は、
図20のベースガイド33を示す別の方向からの斜視図である。
図21及び
図22においては、搬送ベルト機構31を削除している。
図19〜
図22に示すように、ベースガイド33を上下方向に移動させる、ベースガイド移動機構は、Y方向に一対として形成される、レール331と、ラック332と、ギヤ333と、1つのモータ334と、一対のギヤ333を連結する連結棒335と、を備えている。レール331は、それぞれ、印刷機本体1に取り付けられており、上下方向に長溝331aが形成されている。そして、長溝331aには、ベースガイド33の側部突起部33aが挿入されている。ベースガイド33の側部33bは、ラック332に固定されている。ラック332の一端には上下に複数の歯332aが形成されており、歯332aはギヤ333と歯合している。そして、モータ334の駆動軸は、一方のギヤ333と連結されている。そして、モータ334が作動すると、一方のギヤ333が回転し、連結棒335を介して、他方のギヤ333も回転する。そして、ギヤ333が回転すると、ギヤ333と歯合しているラック332が上下する。その結果、ラック332に固定されたベースガイド33は、レール331の長溝331a内を側部突起部33aが上下方向に移動することにより、上下方向に移動する。また、モータ334と一方のギヤ333とは、ワンウェイクラッチ(図示せず)を介して連結されており、前記ワンウェイクラッチは、ベースガイド33が上方に移動する方向への駆動力を伝達しており、ベースガイド33が下方に移動する方向への駆動力を伝達できないようになっている。
【0075】
(再給紙トレイ)
図23は、再給紙トレイ51の上方斜視図であり、
図24は、再給紙トレイ51の側方斜視図である。再給紙トレイ51は、積載用紙が載せられる再給紙台511と、再給紙台511上の積載用紙を再給紙台511の用紙下流端部まで搬送する再給紙搬送手段512と、略用紙幅に等しい間隔で積載用紙の両側縁を規制する一対の再給紙側板513と、を備えている。
【0076】
再給紙側板513は、モータを備える再給紙側板移動機構(図示せず)によって、Y方向に移動可能となっている。再給紙側板移動機構は、上記給紙側板移動機構と同様の機構を備えている。ここで、再給紙側板移動機構において、給紙側板移動機構のレバー2124に相当するものは、前記モータによって駆動される。したがって、再給紙側板513は、再給紙側板移動機構によって、用紙の両側縁を規制する規制位置と、規制しない待機位置と、の間で移動可能となっている。
【0077】
再給紙搬送手段512は、再給紙台511のM1方向端部に位置するローラ5121と、ローラ5121に対してM2方向に位置するローラ5122と、ローラ5121及びローラ5122に巻き掛けられた搬送ベルト5123と、を備えている。ローラ5121及びローラ5122は、駆動モータ(図示せず)によって回転するようになっており、ローラ5121及びローラ5122の回転によって搬送ベルト5123は周回するようになっている。再給紙搬送手段512は、水平に、又は、M2方向(前側)に向かって下方に傾斜するよう、構成されていることが好ましく、本実施形態では、M2方向(前側)に向かって下方に傾斜するよう構成されている。なお、再給紙搬送手段512の傾斜角度は、水平面に対して10度以内となっていることが好ましい。搬送ベルト5123上の積載用紙は、搬送ベルト5123の周回によって、再給紙台511のM2方向端部まで搬送されるようになっている。そして、再給紙搬送手段512の搬送速度は、エンドプレート322の移動速度より速くなっている。
【0078】
図25は、再給紙トレイ51の底面図である。再給紙トレイ移動機構を保持する保持部材514は、印刷機本体1に固定されている。
図26は、保持部材514を取り外した状態の再給紙トレイ51の下方斜視図である。
図26に示すように、再給紙トレイ51をY方向に移動させる再給紙トレイ移動機構は、駆動ネジ軸5151と、モータ5152と、スライド部材5153と、連結部材5154と、を備えている。また、再給紙トレイ51は、再給紙トレイ51のY方向移動量を検知する、移動量検知センサ5155を備えている。
【0079】
モータ5152は、保持部材514に保持されている。駆動ネジ軸5151は、その一端がモータ5152に連結されており、Y方向に延びている。駆動ネジ軸5151は、モータ5152によって回転するようになっている。スライド部材5153は、駆動ネジ軸5151が回転すると、駆動ネジ軸5151に沿ってY方向に移動可能となるよう、駆動ネジ軸5151に取り付けられている。連結部材5154は、スライド部材5153と再給紙トレイ51の外枠51aとを連結している。これにより、モータ5152を作動させて駆動ネジ軸5151を回転させると、スライド部材5153が駆動ネジ軸5151に沿ってY方向に移動する。スライド部材5153がY方向に移動すると、連結部材5154によってスライド部材5153と連結された再給紙トレイ51が、Y方向に移動する。
【0080】
移動量検知センサ5155は、駆動ネジ軸5151の回転と共に回転する円板5155aと、スリットカウンタ5155bと、を備えている。円板5155aは、その周縁に多数のスリットを等間隔で有しており、スリットカウンタ5155bは、そのカウンタ部を通過するスリットの数を求めるようになっている。これにより、駆動ネジ軸213の回転量、すなわち、スライド部材5153の移動量、すなわち、再給紙トレイ51のY方向移動量が、検知される。
【0081】
上述のとおり、再給紙側板513は、再給紙側板移動機構によって、再給紙台511上を、再給紙台511のY方向の中間線に対してそれぞれ対称となるように、一対としてY方向に移動するようになっている。その結果、再給紙台511のY方向の中間線と再給紙側板513間の中間線とが一致した状態で、再給紙側板513は、印刷機本体1に対して、Y方向に移動可能となっている。そして、第3側板検知手段(図示せず)は、モータの回転量によって、再給紙側板513のY方向移動量を検知し、移動量検知センサ5155によって、再給紙トレイ51のY方向移動量を検知する。その結果、第3側板検知手段は、印刷機本体1に対する、再給紙側板513のY方向の位置を検知する。制御部は、第3側板検知手段の検知結果に基づいて、再給紙トレイ移動機構及び/又は再給紙側板移動機構を制御し、再給紙側板513を移動させる。
【0082】
図27及び
図28は、再給紙トレイ51の側面図であり、
図27は、再給紙台511が下方に位置している状態を示しており、
図28は、再給紙台511が上方に位置している状態を示している。
図27及び
図28に示すように、再給紙台511を上下方向に移動させる再給紙台上下機構は、回転部材5161と、連結部材5162と、揺動部材5163と、押上部材5164と、を備えている。
【0083】
回転部材5161は、モータ(図示せず)に連結されており、前記モータによってR1方向に回転するようになっている。連結部材5162は、その一端部が、回転部材5161の偏心位置5161aに取り付けられており、その他端部が、上下方向に延びる揺動部材5163の中央位置5161bに取り付けられている。また、揺動部材5163は、再給紙トレイ51のフレームに取り付けられたバネ部材5165に対して、揺動軸5163aを中心として、回動可能に取り付けられている。そして、押上部材5164は、揺動部材5163に対して、揺動軸5163bを中心として回動可能に取り付けられている。これにより、前記モータを作動させて回転部材5161を回転させると、連結部材5162がM方向に揺動する。そして、連結部材5162がM方向に揺動すると、揺動部材5163はその下端に接続されたバネ部材5165を伸縮させながら、揺動軸5163aを中心としてR2方向に回動する。揺動部材5163が揺動軸5163aを中心として回動すると、押上部材5164は揺動軸5163aを中心としてR3方向に回動する。ここで、再給紙台511は、そのM1方向端部511aにおいて、再給紙搬送手段512のフレームに取り付けられており、端部511aを中心として上下方向に回動可能となっている。したがって、押上部材5164がR3方向に回動すると、再給紙台511は、押上部材5164によって、端部511aを中心として、上下方向に回動するようになっている。
【0084】
図27は、押上部材5164が回動し、押上部材5164と再給紙台511とが非接触となった状態を示しており、この状態で、排紙トレイ32から再給紙トレイ51へ用紙が搬送される。
図28は、押上部材5164が回動し、押上部材5164が再給紙台511を最大に押し上げた状態を示している。再給紙トレイ51から給紙ユニット2のタイミングローラ24に用紙を搬送する際は、再給紙台511上の用紙の最上位用紙が再給紙ローラ52に接触するように、押上部材5164が、再給紙台511を徐々に押し上げるように再給紙台上下機構は作動する。
【0085】
(再給紙ローラ他)
図23に示すように、再給紙ローラ52は、Y方向に延びて用紙幅全体に亘るローラ本体521を備えている。ローラ本体521は、ゴム材にセラミック粒状体が練り込まれて形成されている。そして、セラミック粒状体等で、ローラ本体521の表面には、凹凸が形成されている。セラミック粒状体等の径は、10〜30μmである。なお、ローラ本体521は、ゴム材の表面にセラミック粒状体、ウレタン粒状体、又はガラスビーズ等を接着させて形成されても良い。ただし、ゴム材にセラミック粒状体を練り込んだ場合のほうが、ゴム材の表面にセラミック粒状体等を接着させた場合に比べ、ローラ本体521の用紙搬送力が大きくなり、好ましい。
【0086】
図24に示すように、サバキ部材54は、再給紙ローラ52のローラ本体521に向かって突出する対向部541を備えている。対向部541は、Y方向略中央部に位置し、ローラ本体521に向かう突出量を変更可能な1つの可変突出部541aと、可変突出部541aのY方向外方に位置し、ローラ本体521に向かって突出する複数の固定突出部541bと、を備えている。可変突出部541a及び固定突出部541bは、再給紙トレイ51の前方に位置する前側板11の上部の傾斜部11aのY方向中央部近傍に設けられている。そして、可変突出部541a及び固定突出部541bは、用紙を再給紙ローラ52のローラ本体521に押し付けないように、ローラ本体521から離間した位置に設けられている。そして、再給紙ローラ52のローラ本体521とサバキ部材54の対向部541とによって、再給紙トレイ51上の用紙を最上位から1枚ずつ取り出して搬送するようになっている。
【0087】
図1〜
図4に示すように、一対の中間搬送ローラ53の少なくとも一方、具体的には、表面印刷処理された用紙の表面が接触する側のローラ53a(後側のローラ)のローラ本体は、ABS材の表面にセラミック粒状体、又はガラスビーズ等を接着させて形成される。そして、セラミック粒状体等で、ローラ53aのローラ本体の表面には、凹凸が形成されている。セラミック粒状体等の径は、10〜30μmである。もちろん、一対の中間搬送ローラ53の両方のローラのローラ本体の表面に、セラミック粒状体等で、凹凸が形成されても良い。
【0088】
再給紙トレイ51はユニット化されて印刷機本体1に取り付けられ、印刷機本体1から引き出し可能に構成されても良い。また、再給紙トレイ51、再給紙ローラ52、中間搬送ローラ53、及びサバキ部材54がユニット化(再給紙ユニット5)されて、印刷機本体1から引き出し可能に構成されても良い。この場合、再給紙ユニット5を引き出すことで、再給紙ユニット5内にジャムした用紙の処理を、効率良く行うことができる。
【0089】
(両面印刷時における、給紙トレイ、排紙トレイ、再給紙トレイの作動態様)
図29〜
図34は、両面印刷時における、給紙トレイ21、排紙トレイ32、再給紙トレイ51の作動を示す概略図である。以下、
図29〜
図34を用いて、それらの作動の関係を説明する。
【0090】
図29は、両面印刷装置10の使用開始前の給紙トレイ21、排紙トレイ32、再給紙トレイ51の状態を示している。給紙側板212間の中間線C1、排紙側板323間の中間線C2、及び再給紙側板513間の中間線C3は一致している。
【0091】
給紙台211に用紙が積載され、使用者が、操作パネルに表面印刷画像のY方向位置を入力すると、
図30に示すように、制御部は、給紙トレイ移動機構を制御し、入力された位置に用紙が位置するように、給紙トレイ21をY方向(Y6)に移動させる。その結果、給紙側板212間の中間線C1もY方向に移動する。
【0092】
給紙トレイ21がY方向に移動すると、第1側板検知手段による給紙側板212間の中間線C1の検知結果及び第2側板検知手段による排紙側板323間の中間線C2の検知結果に基づき、
図31に示すように、制御部は、排紙トレイ移動機構を制御し、給紙側板212間の中間線C1と排紙側板323間の中間線C2とが一致するように、排紙トレイ32をY方向(Y7)に移動させる。
【0093】
給紙側板212間の中間線C1と排紙側板323間の中間線C2とが一致すると、給紙台211上の用紙は一枚ずつ印刷ユニット4で表面印刷処理され、排紙トレイ32に排出される。排紙トレイ32に用紙が排出される際には、U字形成部材324は排紙台321の上面から突出する突出位置に位置しており、排紙側板323は、排紙側板323間の距離が用紙幅よりも小さくなるガイド位置に位置している。その結果、表面印刷処理された用紙は、排紙トレイ32上で、排紙側板323間でU字状態に維持されつつ、U字形成部材324上まで落下ガイドされる。
【0094】
排紙トレイ32がY方向に移動すると、第2側板検知手段による排紙側板323間の中間線C2の検知結果及び第3側板検知手段による再給紙側板513間の中間線C3の検知結果に基づき、
図32に示すように、制御部は、再給紙トレイ移動機構を制御し、排紙側板323間の中間線C2と再給紙側板513間の中間線C3とが一致するように、再給紙トレイ51をY方向(Y8)に移動させる。
【0095】
排紙側板323間の中間線C2と再給紙側板513間の中間線C3とが一致すると、排紙台321上の用紙は、積載状態で、再給紙トレイ51に受け渡される。再給紙トレイ51に用紙が受け渡される際には、U字形成部材324は排紙台321の上面から突出しない退避位置に位置しており、排紙側板323は排紙側板323間の距離が用紙幅と同じとなる位置に位置している(YJ)。ここで、排紙側板323はYJ位置より側方外方に位置しても良い。この場合、YJ位置と排紙側板323との隙間は、両側でそれぞれ、2mm程度であることが好ましい。排紙側板323がYJ位置又はYJ位置より側方外方に位置することによって、用紙のU字状態は解消されて、再給紙トレイ51に受け渡されることになる。
【0096】
そして、U字形成部材324が突出位置から退避位置に変更後、所定時間が経過した後、エンドプレート322が、前記受止位置から前記受渡位置に向かって移動し、それによって、用紙は、再給紙トレイ51に向かって移動する。U字形成部材324が突出位置から退避位置に変更後、所定時間が経過した後、用紙を再給トレイ51に向けて搬送するとう作動は、両面印刷装置10の「自動モード」及び「マニュアルスタートモード」両方の場合に適用可能である。ここで、「自動モード」とは、表面印刷処理が終了後、排紙トレイ32上の用紙が自動的に再給紙トレイ51に搬送されるモードのことをいい、「マニュアルスタートモード」とは、表面印刷処理が終了後、操作パネルの製版キー又は印刷キー(マニュアルスタートキー)が押されることによって排紙トレイ32上の用紙が再給紙トレイ51に搬送されるモードのことをいう。そして、前記所定時間は、用紙の種類(寸法、厚さ等)に応じて、任意に変更可能となっており、例えば、1〜5秒程度である。なお、用紙として厚紙を使用する場合には、U字形成部材324は突出することなく常に退避位置に位置するようになっており(「厚紙モード」という)、このような厚紙モードの場合は、用紙は常に平面状態で排紙トレイ32上に積載されるため、前記所定時間は0秒に設定される。
【0097】
用紙の先端が再給紙トレイ51の再給紙搬送手段512上に載ると、用紙は、再給紙搬送手段512及びエンドプレート322によって、再給紙トレイ51の前端まで搬送される。再給紙トレイ51に用紙を受け入れる際には、再給紙側板513は、用紙を規制しない、再給紙側板513間の距離が用紙幅より大きくなる待機位置に位置している。そして、再給紙トレイ51に用紙を受け入れ後、再給紙側板513は、再給紙側板移動機構によって、用紙の用紙幅方向を規制する、再給紙側板513間の距離が用紙幅と同じとなる規制位置に位置し、用紙を揃える。
【0098】
使用者が、操作パネルに裏面印刷画像のY方向位置を入力すると、
図33に示すように、制御部は、再給紙トレイ移動機構を制御し、入力された位置に用紙が位置するように、再給紙トレイ51をY方向(Y9)に移動させる。その結果、再給紙側板513間の中間線C3もY方向に移動する。
【0099】
再給紙トレイ51がY方向に移動すると、第2側板検知手段による排紙側板323間の中間線C2の検知結果及び第3側板検知手段による再給紙側板513間の中間線C3の検知結果に基づき、
図34に示すように、制御部は、排紙トレイ移動機構を制御し、排紙側板323間の中間線C2と再給紙側板513間の中間線C3とが一致するように、排紙トレイ32をY方向(Y10)に移動させる。
【0100】
再給紙側板513間の中間線C3と排紙側板323間の中間線C2とが一致すると、再給紙台上下機構によって、再給紙台511が上方に移動し、再給紙台511上の用紙は一枚ずつ再給紙ローラ52、サバキ部材54、中間搬送ローラ53を介して、印刷ユニット4で裏面印刷処理され、排紙トレイ32に排出される。排紙トレイ32に用紙が排出される際には、U字形成部材324は排紙台321の上面から突出する突出位置に位置しており、排紙側板323は、排紙側板323間の距離が用紙幅よりも小さくなるガイド位置に位置している。その結果、裏面印刷処理された用紙は、排紙トレイ32上で、排紙側板323間でU字状態に維持されつつ、U字形成部材324上まで落下ガイドされる。
【0101】
上記作動態様において、再給紙トレイ51に用紙を受け入れる際には、再給紙側板513は、用紙を規制しない、再給紙側板513間の距離が用紙幅より大きくなる待機位置に位置している。そして、再給紙トレイ51に用紙を受け入れ後、再給紙側板513は、再給紙側板移動機構によって、用紙の用紙幅方向を規制する、再給紙側板513間の距離が用紙幅と同じとなる規制位置に位置し、用紙を揃えるようになっている。しかし、再給紙トレイ51に用紙を受け入れる時点において、再給紙側板513は、再給紙側板移動機構によって、再給紙側板513間の距離が用紙幅と同じとなる規制位置に位置するようにしても良い。この場合、再給紙側板513の用紙受け入れ側の端部、すなわち、後端部は、後方に向けて用紙幅方向に拡張する、上面視でハの字形状であることが好ましい。再給紙側板513が上記形状を有することで、再給紙トレイ51に用紙を受け入れる際の、用紙のジャムを防止することができる。
【0102】
前記構成の両面印刷装置によれば、次のような効果を発揮できる。
【0103】
(1)エンドプレート322の移動により、排紙トレイ32の用紙が再給紙トレイ51の再給紙搬送手段512に受け渡されるので、排紙トレイ32から再給紙トレイ51への用紙の受け渡しを容易に行うことができ、用紙を円滑に搬送することができる。
【0104】
(2)排紙トレイ32の排紙台321には、複数のコロ325が配置されているので、排紙台321上に積載される用紙を円滑に搬送することができる。
【0105】
(3)再給紙搬送手段512の搬送速度は、エンドプレート322の移動速度より速くなっているので、排紙トレイ32から再給紙トレイ51への用紙の受け渡しにおいて、エンドプレート322への負荷が低減され、排紙トレイ32に積載された用紙の最下位の用紙にシワ等が発生することを防止でき、排紙トレイ32から再給紙トレイ51への用紙の受け渡しを円滑に行うことができる。
【0106】
(4)再給紙搬送手段512は、M2方向すなわち用紙搬送方向に向かって、下方に傾斜するよう構成されているので、再給紙トレイ51に載った用紙が再給紙トレイ51の用紙搬送方向に搬送されやすくなっている。その結果、排紙トレイ32から再給紙トレイ51への用紙の受け渡しをより円滑に行うことができる。また、再給紙搬送手段512が用紙搬送方向に向かって下方に傾斜しているので、再給紙搬送手段512の上方にスペースを形成でき、そのスペースに用紙の一部が配置されるので、再給紙搬送手段周辺の空間を最小限に抑えることができ、両面印刷装置を小型化することができる。なお、再給紙搬送手段512の傾斜角度は、水平面に対して10度以内となっていることによって、再給紙トレイ51上での用紙の崩れを防止できる。
【0107】
(5)再給紙トレイ51に用紙を受け入れる際には、再給紙側板513は、用紙を規制しない、再給紙側板513間の距離が用紙幅より大きくなる待機位置に位置しているので、再給紙側板513と用紙との干渉を防止し、且つ、再給紙トレイ51における用紙の斜行を防止できる。
そして、再給紙トレイ51に用紙を受け入れ後、再給紙側板513は、再給紙側板移動機構によって、用紙の用紙幅方向を規制する、再給紙側板513間の距離が用紙幅と同じとなる規制位置に位置し、用紙を揃えるようになっているので、再給紙トレイ51から印刷ユニット4へ用紙を再給紙する際において、用紙の斜行を防止できる。
【0108】
(6)排紙台321に、U字形成部材324が配置されているので、排紙台321上の用紙をU字状態に保持し、その結果、排紙台321上の用紙の揃えを良くすることができる。さらに、U字形成部材324は突出位置と退避位置との間で上下動可能となっているので、排紙台321上に用紙が載置される際には、U字形成部材324は突出位置とすることによって、用紙をU字状態に保持し、用紙の揃えを良くしながら、排紙トレイ32から再給紙トレイ51への用紙の受け渡しの際には、U字形成部材324は退避位置とすることによって、用紙のU字状態を解消し、排紙トレイ32から再給紙トレイ51への用紙の受け渡しを円滑に行うことができる。
【0109】
(7)用紙が印刷ユニット4から排紙トレイ32に搬送される際には、U字形成部材324は突出位置に位置し、排紙側板323はガイド位置に位置するようになっているので、排紙トレイ32上の用紙を容易にU字状態に保持することができる。また、用紙が排紙トレイ32から再給紙トレイ51に搬送される際には、U字形成部材324は退避位置に位置し、排紙側板323は規制位置に位置するようになっているので、用紙の斜行を防止することができ、その結果、用紙のジャムを防止し、排紙トレイ32から再給紙トレイ51への用紙の受け渡しを円滑に行うことができる。特に、排紙側板323が規制位置より側方外方に位置することによって、U字形成部材324が退避位置に位置することによって排紙トレイ32上にU字状態に保持された用紙が平面状態に変更される際に、用紙間に存在する空気が、用紙両側縁と排紙側板323との間の隙間を通って外部に放散し易くすることができる。すなわち、用紙両側縁と排紙側板323との間に隙間を形成することによって、排紙トレイ32上の用紙の揃えが少しずれていた場合や用紙幅寸法が規定値より少し大きい場合であっても、用紙を確実に平面状態に変更できる。なお、用紙間に存在する空気は、用紙がU字状態から平面状態に変更されることによって、用紙間から抜けることが可能となっている。そして、用紙間に存在する空気が抜けることによって、排紙トレイ32から再給紙トレイ51への用紙の搬送時において、用紙の揃えが崩れることを防止できる。
【0110】
(8)U字形成部材324が突出位置から退避位置に変更後、所定時間が経過した後、用紙が排紙トレイ32から再給紙トレイ51に搬送されるようになっているので、排紙トレイ32上にU字状態に保持された用紙が平面状態に変更される際に、用紙間に存在する空気が、用紙両側縁と排紙側板323との間の隙間を通って外部に放散する時間を確保することができる。そして、用紙間に存在する空気が抜けることによって、排紙トレイ32から再給紙トレイ51への用紙の搬送時において、用紙の揃えが崩れることを防止できる。
【0111】
(9)用紙間に存在する空気が抜ける時間は、用紙の種類(寸法、厚さ等)によって異なっている。ここで、U字形成部材324が突出位置から退避位置に変更後、用紙が排紙トレイ32から再給紙トレイ51に搬送されるまでの時間が変更可能となっているので、用紙の種類に応じた待機時間を設定できる。
【0112】
(10)U字形成部材324は、排紙台321に、用紙幅の中間線O1に対して対称的に配置され、M方向に複数設けられた、フィン部材で構成されており、フィン部材は用紙幅方向内方端部を回転軸として上下に回動可能となっている。U字形成部材324がこのように構成されることにより、排紙台321上の用紙をU字状態に保持し、突出位置と退避位置との間で上下動可能なU字形成部材324を容易に構成することができる。
【0113】
(11)U字形成部材324は、排紙トレイ32に積載される用紙の種類に応じて、U字形成部材回動機構が制御され、U字形成部材324の、排紙台321の上面からの突出量が、変動するようになっているので、用紙の種類にかかわらず、用紙の揃えを良好とすることができる。
【0114】
(12)U字形成部材324は、その上縁が用紙幅方向外方端部で排紙台321と略平行となっているので、U字形成部材324によってU字状態に保持される用紙の用紙幅方向外方端部が上方に反ることを防止でき、用紙の揃えをより良好とすることができる。
【0115】
(13)排紙トレイ32から再給紙トレイ51に用紙が受け渡される際には、排紙側板323は排紙側板323間の間隔が用紙幅長さと同じとなる位置に位置しているので、用紙の斜行を防止することができ、その結果、用紙のジャムを防止し、排紙トレイ32から再給紙トレイ51への用紙の受け渡しを円滑に行うことができる。
【0116】
(14)排紙側板323には、用紙接触面が高摩擦部材でできている複数の突出部323aが形成され、エンドプレート322にも、用紙接触面が高摩擦部材でできている複数の突出部322aが形成されている。その結果、排紙トレイ32へ排出される用紙が排紙台321に向かって落下する用紙を突出部323a及び322aで揃えることによって、用紙の落下姿勢を安定化させ、用紙を揃えた状態で排紙台321に積載することができる。なお、突出部323aは、M方向に間隔をおいて、且つ、上下方向に連続して、形成されているが、M方向に連続して又は断続的に、且つ、上下方向に連続して又は断続的に、形成されても良い。また、突出部322aは、Y方向に間隔をおいて、且つ、上下方向に連続して、形成されているが、Y方向に連続して又は断続的に、且つ、上下方向に連続して又は断続的に、形成されても良い。
【0117】
(15)ワンウェイクラッチが、ベースガイド33が上方に移動する方向への駆動力を伝達しており、ベースガイド33が下方に移動する方向への駆動力を伝達できないようになっているので、モータ334及びギヤ333の回転に伴って、排紙台321に向かってベースガイド33が自重により下降するため、ベースガイド33を下方に押し付ける作用はなく、排紙台321とベースガイド33との間に物体等を無理に挟み込んでしまうことを防止できる。
【0118】
(16)中間搬送ローラ53とタイミングローラ24との間で形成された用紙P2の撓みP2aを維持するように、中間搬送ローラ53とタイミングローラ24とは同じ線速度、すなわち、版胴41の線速度で回転するようになっている。その結果、タイミングローラ24にかかる負荷変動を防止することができ、タイミングローラ24の搬送性能を安定させることができる。
【0119】
(17)再給紙ローラ52は、再給紙トレイ51に載置され搬送されていない状態の用紙を、搬送開始させるものであるので、中間搬送ローラ53やタイミングローラ24と比べて、用紙に大きな力を与えるものである。したがって、表面印刷されたインクが再給紙ローラ52のローラ本体521には付着しやすい。本実施形態では、再給紙ローラ52のローラ本体521には凹凸が形成されているので、用紙と再給紙ローラ52との接触面積を小さくすることができ、その結果、用紙に表面印刷されたインクの再給紙ローラ52への付着を抑制することができる。
【0120】
(18)再給紙ローラ52は、表面印刷処理された用紙を搬送するものであり、表面印刷処理された用紙の場合、用紙が波打つことがある。このような場合であっても、再給紙ローラ52のローラ本体521は用紙幅全体に亘るよう延びているので、ローラ本体521は用紙幅全体に亘って用紙と当接する。その結果、再給紙ローラ52による搬送において用紙の波打ちが押さえられ、用紙におけるシワの発生や用紙のジャム発生を防止することができる。さらに、ローラ本体521が用紙幅全体に亘って用紙と当接することにより、例えば、もともとコシが弱く、且つ、表面印刷処理によってインクが付着し更にコシの弱くなった、更紙等の用紙を再給紙する場合であっても、用紙幅方向中央部のみ先に搬送したりすることはなく、用紙幅方向全体に亘って均一の速度で、用紙を搬送することができる。また、ローラ本体521は、用紙幅全体に亘って用紙に当接するので、用紙全面にインクが転写する。ここで、再給紙ローラ52が用紙の一部、例えば、用紙の用紙幅中央部にのみ当接する場合、余白を含む用紙先端から用紙後端に至る所定幅の筋状又は縞状のインク模様が、用紙の用紙幅方向中央部にのみ転写されることとなり、このようなインクの転写状態は目立ち易い。したがって、用紙全面にインクが転写する場合の方が、用紙の一部にのみインクが転写する場合と比べ、インクの転写を目立たなくすることができる。
【0121】
(19)ローラ本体521は、ゴム材にセラミック粒状体が練り込まれて形成されているので、ローラ本体521の表面に容易に凹凸を形成することができる。また、ゴム材にセラミック粒状体を練り込むことにより、他の凹凸形成方法に比べ、ローラ本体521の用紙搬送力を大きくすることができる。
【0122】
(20)サバキ部材54の対向部541は、ローラ本体521から離間した位置に設けられているので、サバキ部材54が、用紙を再給紙ローラ52に押し付けることが防止され、その結果、用紙に付着している表面印刷のインクが再給紙ローラ52に転写することをより防止することができる。また、サバキ部材54が再給紙ローラ52に接触しないので、再給紙ローラ52のローラ本体521のセラミック粒状体が剥がれることを防止できる。さらに、サバキ部材54を再給紙ローラ52に当接させていると、双方の樹脂にそれぞれ添加されている可塑剤が、互いに移動してしまうことが考えられる。このような場合、時間の経過と共に、サバキ部材54、及び、再給紙ローラ52のゴム材、の一方又は双方が、もろくなったり、膨潤したりして、再給紙性能が低下するといった事象の発生を防止できる。なお、用紙の仕様によっては、用紙の搬送上、サバキ部材54を再給紙ローラ52に当接させることが好ましい場合もあり、この場合、可変突出部541aと固定突出部541bとを含む対向部541を、ローラ本体521に接触離間可能に設けても良い。
【0123】
(21)対向部541は、用紙幅方向に間隔をおいて設けられているので、対向部541間で、用紙の搬送をガイドするガイド部を形成することができ、前記ガイド部によって、用紙の斜行を防止することができる。
【0124】
(22)一対の中間搬送ローラ53の一方のローラ53aのローラ本体の表面には凹凸が形成されているので、ローラ53aのローラ本体と用紙との接触面積が小さくなり、用紙からローラ53aのローラ本体へのインクの付着を抑制することができる。
【0125】
(23)用紙の表面印刷処理時には、給紙側板212間の中間線C1と排紙側板323間の中間線C2とが一致しているようになっているので、排紙トレイ32における紙揃えを良くすることができる。また、排紙トレイ32から再給紙トレイ51への用紙の受け渡し時には、排紙側板323間の中間線C2と再給紙側板513間の中間線C3とが一致しているようになっているので、用紙の斜行を防止することができ、その結果、用紙のジャムを防止し、排紙トレイ32から再給紙トレイ51への用紙の受け渡しを円滑に行うことができる。さらに、再給紙トレイ51における用紙幅方向位置が揃えられるので、裏面印刷画像の用紙幅方向位置を揃えることができる。
【0126】
特に上記作動態様においては、以下の効果を発揮することができる。
(24-1)制御部は、排紙トレイ移動機構を制御することによって、排紙トレイ32を移動させ、給紙側板212間の中間線C1と排紙側板323間の中間線C2とを一致させるので、給紙側板212間の中間線C1と排紙側板323間の中間線C2とを一致させるために、給紙トレイ21及び/又は給紙側板212を移動させる必要がない。その結果、表面印刷処理時において、給紙トレイ21及び給紙側板212が移動しないので、印刷画像のY方向位置を安定させることができる。
【0127】
(24-2)制御部は、再給紙トレイ移動機構を制御することによって、再給紙側板513を移動させ、排紙側板323間の中間線C2と再給紙側板513間の中間線C3とを一致させる。ここで、再給紙側板513のみを移動させて、排紙側板323間の中間線C2と再給紙側板513間の中間線C3とを一致させる場合と比べ、再給紙トレイ51を移動させて、排紙側板323間の中間線C2と再給紙側板513間の中間線C3とを一致させる場合のほうが、基準位置に対する再給紙トレイ51の移動量を小さくすることができる。
【0128】
図35及び
図36は、上述した再給紙トレイ51の移動量を小さくできる理由を説明する概略図である。
図35は、再給紙トレイ51が移動して排紙側板323間の中間線C2と再給紙側板513間の中間線C3とを一致させる場合の再給紙トレイ51の作動を説明する図である。
図35(a)は、基準位置にある再給紙トレイ51及び再給紙側板513を示している。
図35(b)において、排紙側板323間の中間線C2と再給紙側板513間の中間線C3とを一致させるために、再給紙トレイ51がYA方向にL1だけ移動する。その後、
図35(c)に示すように、裏面印刷画像のY方向位置を基準位置からYB方向にL2だけ移動させる場合、再給紙トレイ51は、
図35(b)の位置からYB方向にL1+L2だけ移動する。このように再給紙トレイ51は、
図35(a)の基準位置に対して、YA方向にL1だけ、YB方向にL2だけ変位することになる。
【0129】
一方、
図36は、再給紙側板513が移動して排紙側板323間の中間線C2と再給紙側板513間の中間線C3とを一致させる場合の再給紙トレイ51の作動を説明する図である。
図36(a)は、基準位置にある再給紙トレイ51及び再給紙側板513を示している。
図36(b)において、排紙側板323間の中間線C2と再給紙側板513間の中間線C3とを一致させるために、再給紙側板513がYA方向にL1だけ移動する。その後、
図36(c)に示すように、裏面印刷画像のY方向位置を基準位置からYB方向にL2だけ移動させる場合、再給紙トレイ51は、
図36(b)の位置からYB方向にL1+L2だけ移動する。このように再給紙トレイ51は、
図36(a)の基準位置に対して、YB方向にL1+L2だけ変位することになる。ここで、
図36(b)に示す再給紙側板513の移動と
図36(c)に示す再給紙トレイ51の移動は、上記とは逆方向にも行われうるので、結果として、再給紙トレイ51は、
図36(a)の基準位置に対して、YA方向、YB方向ともに、L1+L2だけ変位することになる。
【0130】
すなわち、再給紙トレイ51が移動して排紙側板323間の中間線C2と再給紙側板513間の中間線C3とを一致させると、再給紙トレイ51は基準位置に対してL1又はL2の移動となる。一方、再給紙側板513が移動して排紙側板323間の中間線C2と再給紙側板513間の中間線C3とを一致させると、再給紙トレイ51は基準位置に対してL1+L2の移動となる。したがって、再給紙トレイ51を移動させるほうが、再給紙側板513を移動させるより、基準位置に対する再給紙トレイ51の移動量を小さくすることができる。その結果、再給紙トレイ51が配置される印刷機本体1の寸法を小さくすることができる。
【0131】
(24-3)制御部は、排紙トレイ移動機構を制御することによって、排紙トレイ32を移動させ、排紙側板323間の中間線C2と再給紙側板513間の中間線C3とを一致させるので、排紙トレイ32における紙揃えを良くすることができる。また、排紙側板323間の中間線C2と再給紙側板513間の中間線C3とを一致させるために、再給紙トレイ51及び/又は再給紙側板513を移動させる必要がない。その結果、裏面印刷処理時において、再給紙トレイ51及び再給紙側板513が移動しないので、印刷画像のY方向位置を安定させることができる。
【0132】
上記実施形態では、給紙側板212は、給紙側板移動機構によって、給紙台211上を、給紙台211の用紙幅方向の中間線に対してそれぞれ対称となるように、一対として用紙幅方向に移動するようになっている。また、排紙側板323は、排紙側板移動機構によって、個別に用紙幅方向に移動可能となっている。そして、再給紙側板513は、再給紙台511上を、再給紙台511の用紙幅方向の中間線に対してそれぞれ対称となるように、一対として用紙幅方向に移動するようになっている。しかし、給紙側板212は、排紙側板323のように、個別に用紙幅方向に移動可能としても良い。
【0133】
上記実施形態では、給紙トレイ21及び給紙側板212は、操作パネルへの入力情報に基づき自動で用紙幅方向に移動するが、使用者が、手動で給紙トレイ21及び給紙側板212を用紙幅方向に移動させても良い。この場合でも、手動で用紙幅方向に移動させた給紙トレイ21及び給紙側板212に対して、排紙トレイ32、排紙側板323、再給紙トレイ51、及び再給紙側板513は自動で用紙幅方向に移動する。
【0134】
ここで、積載された用紙を用紙幅方向に移動させる場合、側板(給紙側板212、排紙側板323、再給紙側板513)を移動させるのではなく、用紙が積載されたトレイ(給紙トレイ21、排紙トレイ32、再給紙トレイ51)を用紙幅方向に移動させることが好ましい。これは、積載された用紙を側板で移動させようとすると、トレイ上面と積載用紙の最下位用紙との間に働く摩擦が大きく、側板を移動させるモータが高いトルクを発生させることが必要となり、モータのコストが高くなるためである。モータにより側板を個別に移動可能とした場合には、トレイの移動機構を設けない構成とし、また、トレイを移動可能とした場合には、1つのモータで左右の側板を移動させる構成とすることで、モータのコストを低減することができる。なお、側板を個別に移動可能としても、モータを設けない手動による移動機構である場合、トレイの移動機構を設けても良い。
【0135】
本発明は、上記実施形態で説明した構成には限定されず、特許請求の範囲に記載した内容を逸脱することなく、当業者が考え得る各種変形例を含むことができる。