特許第5871618号(P5871618)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871618
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】加工設備の制御装置および制御方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/18 20060101AFI20160216BHJP
   B23Q 15/00 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   G05B19/18 S
   B23Q15/00 301H
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-532496(P2011-532496)
(86)(22)【出願日】2009年10月21日
(65)【公表番号】特表2012-506578(P2012-506578A)
(43)【公表日】2012年3月15日
(86)【国際出願番号】DE2009001470
(87)【国際公開番号】WO2010045935
(87)【国際公開日】20100429
【審査請求日】2011年5月27日
【審判番号】不服2014-6845(P2014-6845/J1)
【審判請求日】2014年4月14日
(31)【優先権主張番号】102008052592.8
(32)【優先日】2008年10月21日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502300646
【氏名又は名称】トルンプフ ヴェルクツォイクマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Trumpf Werkzeugmaschinen GmbH + Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100128679
【弁理士】
【氏名又は名称】星 公弘
(72)【発明者】
【氏名】ゲアハート ハマン
(72)【発明者】
【氏名】アーント シェラゴフスキ
(72)【発明者】
【氏名】マティアス シュロッター
(72)【発明者】
【氏名】クラウス バウアー
【合議体】
【審判長】 平岩 正一
【審判官】 栗田 雅弘
【審判官】 刈間 宏信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−36812(JP,A)
【文献】 特開平7−241686(JP,A)
【文献】 特開平1−234135(JP,A)
【文献】 特開平4−289055(JP,A)
【文献】 特開平5−388(JP,A)
【文献】 特開2004−223553(JP,A)
【文献】 特開昭61−46390(JP,A)
【文献】 特開2003−71578(JP,A)
【文献】 特開2005−108144(JP,A)
【文献】 特開平6−252485(JP,A)
【文献】 特開2003−112277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B19/18-19/416
G05B19/42-19/46
B23Q15/00-15/28
B23K15/00-15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御プログラムを使用してレーザ加工設備(1)を制御するための制御装置(30)であって、
前記制御装置(30)は、前記制御プログラムで使用される標準的なレーザ加工パラメータ、および、前記標準的なレーザ加工パラメータを変更するための、複数の適合レベルを有する補正規則を記憶するデータメモリ(33)を含み、
前記制御装置(30)は、前記標準的なレーザ加工パラメータと前記補正規則とに基づいて、変更された加工パラメータを計算して、転送ファイルに書き込む適合装置(31)を含み、
前記制御装置(30)は、さらに、被加工品の材料特性の実際値を求める手段(36、37)を含み、
但し、前記補正規則は、異なる被加工品の材料特性にそれぞれ相応する適合レベルを含んでおり、
前記適合装置(31)が、求められた前記実際値に相応する前記複数の適合レベルをオペレータに示し、前記オペレータによって1つの適合レベルが選択され、前記オペレータによって選択された前記適合レベルに相応する加工パラメータを計算し、前記被加工品の加工前に前記標準的な加工パラメータを前記計算された加工パラメータに変更する、
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項2】
前記適合レベルを前記オペレータが選択する前に、前記標準的なレーザパラメータの変更を行うべきか否かの推奨が前記オペレータに示され、
前記オペレータによって前記変更を行うべきでないと判断されたとき、前記標準的なレーザパラメータが前記転送ファイルに書き込まれ、
前記オペレータによって前記変更を行うべきと判断されたとき、前記適合装置(31)によって前記変更された加工パラメータが前記転送ファイルに書き込まれる、
請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
制御プログラムによってレーザ加工設備(1)を制御するための制御方法であって、
前記制御プログラムで使用される標準的なレーザ加工パラメータ、および、前記標準的なレーザ加工パラメータを変更するための、複数の適合レベルを有する補正規則をデータメモリ(33)に記憶しており、
適合装置(31)が、前記標準的なレーザ加工パラメータと前記補正規則とに基づいて、変更された加工パラメータを計算して、転送ファイルに書き込む、
制御方法であって、
さらに、被加工品の材料特性の実際値を求め、
但し、前記補正規則は、異なる前記材料特性にそれぞれ相応する適合レベルを含んでおり、
前記適合装置(31)が、求められた前記実際値に相応する前記複数の適合レベルをオペレータに示し、前記オペレータによって1つの適合レベルが選択され、前記オペレータによって選択された前記適合レベルに相応する加工パラメータを計算し、前記被加工品の加工前に前記標準的な加工パラメータを前記計算された加工パラメータに変更する、
ことを特徴とする、制御方法。
【請求項4】
前記適合レベルを前記オペレータが選択する前に、前記標準的なレーザパラメータの変更を行うべきか否かの推奨を前記オペレータに示し、
前記オペレータによって前記変更を行うべきでないと判断されたとき、前記標準的なレーザパラメータを前記転送ファイルに書き込み、
前記オペレータによって前記変更を行うべきと判断されたとき、前記適合装置(31)によって前記変更された加工パラメータを前記転送ファイルに書き込む、
請求項3記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御プログラムによって加工設備を制御するための制御装置に関し、該制御装置は、該制御プログラムがアクセスする標準的な加工パラメータが記憶されたデータメモリを有する。本発明はまた、制御プログラムによって加工設備を制御するための方法にも関し、該方法では、標準的な加工パラメータがデータメモリに記憶され、該制御プログラムが該標準的な加工パラメータを呼び出す。
【0002】
加工設備の制御は数値制御部によって行われる。この数値制御部は一般的に3つの制御ユニットに分かれ、データ入力視覚化ユニットであるMMC操作システム(Man Machine Communication)と、SPS制御ユニット(メモリプログラマブル制御部)と、NC制御ユニットとに分かれる。データおよび制御命令はMMC操作システムを介して入力され、NC制御ユニットへ伝送されて該NC制御ユニットにおいて復号化され、幾何学的な技術データ(NC制御ユニット)およびスイッチング命令(SPS制御ユニット)が別個にさらに処理される。NC制御ユニットおよびSPS制御ユニットは、実際の機器の状態を視覚化するためにMMC制御ユニットへ伝送する。
【0003】
図1に、数値制御装置2によって制御される公知の加工設備1を示す。前記制御装置2のハードウェア側には、産業用PCとして構成された制御コンピュータ4と操作装置5と入力ユニット7とを備えたMMC操作システム3が設けられており、該操作装置5は表示ユニットとしてスクリーン6を有し、該入力ユニット7はたとえば、キーボード、マウスまたはタッチパネルである。さらに制御装置2は、加工設備1の手動操作を行うための機器制御盤8と、NC制御ユニット10およびSPS制御ユニット11が組み込まれたNCUユニット9(Numerical Control Unit)とを有する。前記機器制御盤8では、とりわけセーフティ関連の操作が行われる。前記NC制御ユニット10およびSPS制御ユニット11は、別個のモジュールとして構成することもできる。
【0004】
前記制御装置2のソフトウェア側には、加工設備1を制御するための操作ソフトウェア12、ジョブ管理と工具管理とパレット管理とを行うためのソフトウェアモジュール13、制御プログラムを管理するためのプログラム管理部14、および、該制御プログラムで使用される標準的な加工パラメータが記憶されたデータメモリ15が設けられている。「制御プログラム」という用語はNCプログラムの他に、NCプログラムから外部データメモリに記憶される技術データすべてを含む。さらに、たとえば設計システム、プログラミングシステム、または設計システムとプログラミングシステムとの組み合わせ等の別のアプリケーションを制御コンピュータ4にインストールすることもできる。
【0005】
加工設備1で部品を製造する際には、設計者、プログラマおよび機器オペレータが関与し、これらの者の一部は1人または2人によって兼任される。部品の設計は設計システム16(CADシステム)によって行われるか、または設計システムとプログラミングシステムとが組み合わされた設計プログラミングシステム17(CAD/CAMシステム)によって行われる。このCADおよびCAMはそれぞれ、コンピュータ支援設計(Computer Aided Design)およびコンピュータ支援製造(Computer Aided Manufacturing)の略称である。完成した設計図面は、該設計図面のためにネットワーク18に設けられた共用のCADデータ保管部19に格納され、プログラマは必要なときにこのCADデータ保管部19にアクセスすることができる。
【0006】
加工設備1は、プログラミングシステムによって作成されたかまたはMMC操作システム3の操作装置5において手動で作成された制御プログラムを介して制御される。プログラミングシステムは、基本的なNC機能および特別なNC機能を把握しており、どの技術データが必要であり、加工にはどの規則が適用されるかを知っている。それゆえ、プログラミングシステムは加工を自動的に定義して制御プログラムを生成することができる。図1に示した実施例では、設計プログラミングシステム17の他に、制御コンピュータ4に別の設計プログラミングシステム20が組み込まれており、ネットワーク18にプログラミングシステム21(CAMシステム)が組み込まれている。前記プログラミングシステム17,20,21はCAMデータ保管部22に接続されており、プログラマおよび機器オペレータは該CAMデータ保管部にアクセスすることができる。プログラマは完成した制御プログラムをCAMデータ保管部22に格納する。機器オペレータはCAMデータ保管部22にアクセスし、制御プログラムをCAMデータ保管部22から制御コンピュータ4のプログラム管理部14へインポートすることができる。
【0007】
プログラマはプログラミング時に、部品をどのように加工するかを規定し、どの工具を使用するか、どの順序で加工を行うか、たとえばレーザ出力および送り速度にどの加工パラメータを適用するかを決定する。その際にはプログラミングシステムは、プログラマが加工ジョブに適切な加工パラメータおよび加工ストラテジを見つけるのを支援する。適切な加工パラメータおよび加工ストラテジの情報はいわゆる技術テーブルおよび規則セットに含まれており、これらがデータメモリ15を定義する。技術テーブルには、材料の種類と材料の厚さと加工手法とに依存して、確実なプロセス加工を行うためのすべての関連のパラメータに適した加工パラメータが記憶されている。必要な場合には、技術テーブルは別のパラメータにも依存して定義される。この別のパラメータには、レーザ切削ではたとえば、大中小で区別される輪郭サイズと、加工を行うのに必要とされる機器の種類とが含まれる。
【0008】
技術テーブルは、通常は書き込み保護されている機器製造者の一般的な技術テーブルと、カスタマ固有の技術テーブルとに区別される。一般的な技術テーブルを機器製造者によって求めるのは大きな手間であり、このような一般的な技術テーブルは加工設備1の数値制御装置2とともにカスタマに納入される。カスタマ固有の技術テーブルは、プログラマまたは機器オペレータによって作成および変更することができる。カスタマ固有の技術テーブルには、特定のカスタマの加工ジョブに適合した加工パラメータが記憶されている。本願では、一般的な技術テーブルに記憶された加工パラメータを「標準的な加工パラメータ」と称する。
【0009】
標準的な加工パラメータを求めるためには、機器製造者は無数のパラメータ変分を行って加工結果を評価する。どの加工パラメータを技術テーブルに記憶するかは、とりわけ境界条件に依存して決定される。可能な限り最大の加工品質が得られるように加工を行わなければならない場合、加工パラメータは、可能な限り最高速度で加工を行う場合と異なる。機器製造者が一般的な技術テーブルで指示する加工パラメータは通常は、たとえば品質、プロセス確実性および速度等の種々の境界条件の妥協線である。その際には通常、プログラマおよび機器オペレータは、機器製造者がどのような境界条件で一般的な技術テーブルの加工パラメータを求めたかを知らない。
【0010】
使用される材料の特性が、加工プロセスのプロセス確実性と加工結果の品質に有意な影響を与える。このことにより、ある加工パラメータが所定の材料では十分な加工結果を出すことができても、材料納品業者が変更したり材料装入が変更した場合には、同じ加工パラメータで十分な加工結果を出すことができず、加工パラメータの適合が必要となる場合がある。
【0011】
図2に、図1に示した制御装置2によって行われる加工設備の公知の制御方法をフローチャートで示す。
【0012】
ステップS1において、機器オペレータが加工設備1の操作ソフトウェア12で、プログラム管理部14に記憶された制御プログラムを選択する。制御プログラムは、制御コンピュータ4に設けられたデータメモリ15に記憶された標準的な加工パラメータを呼び出す。ここで提案された標準的な加工パラメータは、ステップS2においてデータメモリ15から制御コンピュータ4のメモリ23へ伝送され、ステップS2において操作装置5のスクリーン6に表示される。
【0013】
ステップS4において機器オペレータは、提案されたデータメモリ15の標準的な加工パラメータを受け入れるかまたは変更が必要であるかを決定する。機器オペレータがこの提案された標準的な加工パラメータを受け入れない場合(ステップS4における「いいえ」)、この加工パラメータはステップS5において機器オペレータによって変更される。ステップS5、または、機器オペレータが前記提案されたデータメモリ15の標準的な加工パラメータを受け入れる場合(ステップS4における「はい」)、この加工パラメータはステップS6においてメモリ23から転送ファイルに書き込まれて記憶される。その際には加工パラメータは、NC制御ユニット10によって読み出して処理できるように処理される。ステップS7において、制御プログラムが制御コンピュータ4からNC制御ユニット10へ伝送され、ステップS8において転送ファイルが制御コンピュータ4からNC制御ユニット10へ伝送される。ステップS8において、上述の加工設備の公知の制御方法が終了する。
【0014】
加工パラメータを変更された境界条件に適合するためには、プログラマおよび/または機器オペレータの非常に豊富な経験を必要とする。というのも、加工パラメータは相互に依存し、さらに、加工パラメータが加工プロセスおよび加工結果に与える影響は線形ではないからである。経験の乏しいプログラマおよび機器オペレータがこのような加工パラメータの変更を誤る可能性は非常に高く、経験の乏しい機器オペレータがこのような多数の加工パラメータを適切に変更できるまでには非常に多くの時間が費やされ、材料使用量および機器時間によって不必要なコストが発生してしまうことがある。
【0015】
それに対して本発明の課題は、プログラマおよび/または機器オペレータが加工プロセスおよび/または加工結果を最適化するのを支援する、加工設備を制御するための装置および方法を提供することである。
【0016】
冒頭に述べた装置の場合、前記課題は本発明では、加工対象である被加工品の材料特性および/または選択可能な加工ターゲットパラメータに加工パラメータを事前設定にしたがって適合するための適合装置が作動可能である構成によって解決される。
【0017】
前記適合装置は有利には、加工ターゲットパラメータとして加工プロセスのプロセス確実性および/または加工結果の品質および/または加工速度に加工パラメータを適合するために構成されている。
【0018】
前記適合装置は有利には、加工対象である被加工品の材料特性および/または加工ターゲットパラメータに前記加工パラメータを複数の適合レベルで段階的に適合するために構成されている。
【0019】
有利な実施形態では、前記適合装置は、標準的な加工パラメータを変更するための補正規則を含む。その際には、加工パラメータの補正規則は有利にはデータメモリに記憶される。
【0020】
1つの有利な実施形態では、加工プロセスおよび/または材料特性を監視して測定信号を検出する少なくとも1つの検出装置と、該検出装置に接続された評価装置とが設けられる。この評価装置は、前記検出装置の測定信号から加工プロセスおよび/または材料特性の実際値を求める。
【0021】
冒頭に述べた方法の場合、前記課題は本発明では、適合装置によって事前設定にしたがい、加工対象である被加工品の材料特性および/または選択可能な加工ターゲットパラメータに前記加工パラメータを適合し、制御プログラムがこの適合された加工パラメータにアクセスすることによって解決される。
【0022】
前記適合された加工パラメータは有利には、適合装置によって計算されて転送ファイルに記憶される。
【0023】
本発明の方法の有利な実施形態では、検出装置によって測定信号を検出し、該検出装置に接続された評価装置によって加工プロセスおよび/または材料特性の実際値を求める。前記加工パラメータは有利には、適合装置によって事前設定にしたがい、前記評価装置によって求められた実際値に相応して、機器オペレータによって選択されたターゲットパラメータに適合される。
【0024】
明細書、図面および特許請求の範囲から、本発明の対象となるさらなる特徴、実施形態および利点が得られる。また本発明によれば、上述した特徴およびさらに説明する特徴はそれぞれ、それ自体単独であるいは任意に組み合わせて使用することができる。図中および明細書中の実施形態は、最終的な本発明の範囲であると理解すべきではなく、むしろこれらの実施形態は、本発明を説明するための一例の側面である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】加工設備の公知の制御装置を示す。
図2】加工設備の公知の制御方法をフローチャートで示す。
図3】適合装置を備えた本発明の加工設備制御装置を示す。
図4】本発明の加工設備制御方法の第1の実施形態をフローチャートで示す。
図5】本発明の加工設備制御方法の第2の実施形態をフローチャートで示す。
【0026】
図3に、加工設備を制御するための本発明の制御装置30を示す。この制御装置30では、制御プログラムがアクセスする加工パラメータを適合装置31によって、使用される被加工品の偏差する材料特性、または、機器オペレータによって選択された加工ターゲットパラメータへの適合が行われる。
【0027】
本発明の制御装置30が図1の公知の制御装置2と異なる点は、加工設備1を制御するための修正された操作ソフトウェア32と、制御プログラムに使用される加工パラメータが記憶された修正されたデータメモリ33である。制御装置30のソフトウェア側には、公知の制御装置2のように操作ソフトウェア32およびデータメモリ33が設けられている他に、ジョブ管理、工具管理およびパレット管理を行うためのソフトウェアモジュール13と、制御プログラムを管理するためのプログラム管理部14とが設けられている。
【0028】
制御装置30の操作ソフトウェア32が公知の制御装置2の操作ソフトウェア12と異なる点は、使用される被加工品の偏差する材料特性、または、たとえばプロセス確実性や加工品質等の機器オペレータによって選択された加工ターゲットパラメータに加工パラメータを適合するための適合装置31である。
【0029】
データメモリ33は、公知のデータメモリ15の標準的な加工パラメータの他に、適合装置31が作動化して加工プロセスを改善したり加工結果の品質を向上するために標準的な加工パラメータを変更するための補正規則も有する。前記補正規則は、どの加工パラメータをどの程度の値だけ変更すべきかを指示する。この変更は、絶対値または相対値で指示することができる。このように適合される加工パラメータは適合装置31によって、標準的な加工パラメータおよび補正規則から計算され、制御コンピュータ4のメモリ23内において転送ファイルに格納される。標準的な加工パラメータはデータメモリ33の第1の部分データバンク34に記憶され、補正規則は該データメモリ33の第2の部分データバンク35に記憶される。
【0030】
補正規則によって行われる加工パラメータの変更は段階的に、すなわち複数の適合レベルで行うか、または連続的に行うことができる。加工パラメータの連続的な適合はとりわけ、加工プロセスの実際状態または使用される被加工品の材料特性が検出装置および評価装置を使用して求められる場合に有利である。複数の適合レベルで加工パラメータを適合する際には、選択されたターゲットパラメータに相応して加工パラメータをより大きな幅で変化させることにより、たとえば加工プロセスのプロセス確実性を向上する。たとえばレーザ出力および送り速度は、第1の適合レベルでは4%ないしは10%低減され、第2の適合レベルでは5%ないしは25%低減される。もちろん、レーザ出力および送り速度の他に、場合によっては別の加工パラメータも適合しなければならないこともある。第1の適合レベルより第2の適合レベルのプロセス確実性を向上させるためには、機器オペレータは送り速度を低減し、ひいては加工時間を長くする。
【0031】
制御装置30はさらに、検出装置36と、該検出装置36に接続された評価装置37とを有する。
【0032】
図4に、加工設備を制御するための本発明の方法の第1の実施形態をフローチャートで示す。図3の本発明の制御装置30の適合装置31を使用して、使用される被加工品の偏差する材料特性および/または機器オペレータによって選択された加工ターゲットパラメータに加工パラメータを適合する。
【0033】
ステップS11において、機器オペレータは加工設備1の操作ソフトウェア32で、制御コンピュータ4に実装されたプログラム管理部14に格納された制御プログラムを選択する。前記制御プログラムは、データメモリ33の部分データバンク34に記憶された標準的な加工パラメータを呼び出す。前記標準的な加工パラメータは、ステップS12においてデータメモリ33から制御コンピュータ4のメモリ23へ伝送され、必要な場合にはステップS13において操作装置5のスクリーン6に表示される。
【0034】
ステップS14において機器オペレータは、データメモリ33の標準的な加工パラメータを受け入れるか、または適合装置31によって該標準的な加工パラメータを適合しなければならないかを決定する。前記標準的な加工パラメータが加工ジョブに適しているか否かを評価するためには、機器オペレータはまず加工ジョブを実施して加工結果を評価するか、または過去に実施された加工ジョブから、該標準的な加工パラメータが適していないか否かを知っていなければならない。
【0035】
現時点で実施される加工ジョブに標準的な加工パラメータが適している場合(ステップS14における「はい」)、機器オペレータはステップS15において、適合装置31が非作動状態であるか否かを検査する。前記適合装置31が非作動状態でない場合(ステップS15における「いいえ」)、機器オペレータは適合装置31をステップS16において非作動化する。
【0036】
ステップS16の後、または適合装置31が非作動状態である場合(ステップS15における「はい」)、本発明の方法はステップS17およびS18に移行する。これらのステップは、図2に示された公知の制御手法のステップS6およびS7に相応する。ステップS17では、前記標準的な加工パラメータが制御コンピュータ4のメモリ23から転送ファイルに書き込まれる。ステップS18では、制御プログラムおよび転送ファイルが制御コンピュータ4からNC制御ユニット10へ伝送される。ステップS18の後、加工設備を制御するための本発明の方法は終了する。
【0037】
現時点で実施される加工ジョブに標準的な加工パラメータが適していない場合(ステップS14における「いいえ」)、機器オペレータはステップS19において、適合装置31が非作動状態であるか否かを検査する。前記適合装置31が非作動状態である場合(ステップS19における「はい」)、機器オペレータはステップS20において適合装置31を作動化する。
【0038】
ステップS20の後、または適合装置31が作動状態である場合(非作動状態でない場合)(ステップS19における「いいえ」)、機器オペレータはステップS21において、どのターゲットパラメータに標準的な加工パラメータを適合すべきか、たとえば加工プロセスのプロセス確実性を向上させるべきか、または加工品質を改善すべきか、または加工速度を上昇させるべきかを決定する。
【0039】
ステップS22において、適合装置31が機器オペレータに対し、選択されたターゲットパラメータの複数の適合レベルを提案する。機器オペレータはステップS23において、加工パラメータを適合する適合レベルを決定する。ステップS24において適合装置31は、設定された適合レベルに相応する適合加工パラメータを計算し、この適合加工パラメータを操作装置5のスクリーン6に表示する。この適合加工パラメータは、ステップS13において制御コンピュータ4のデータメモリ33からメモリ23へ伝送された標準的な加工パラメータと、補正規則とから計算される。ステップS25において、機器オペレータは適合加工パラメータを許可する。ステップS26において、適合加工パラメータが転送ファイルに書き込まれて記憶される。
【0040】
ステップS27において操作ソフトウェアが、適合加工パラメータがNC制御ユニット10へ伝送されるのを開始する。ステップS27の後、加工設備を制御するための本発明の方法は終了する。
【0041】
図5に、加工設備1を制御するための本発明の方法の第2の実施形態をフローチャートで示す。この実施形態では、使用される材料の特性を検出装置36によって測定し、該検出装置36に接続された評価装置37によって評価する。
【0042】
ステップS31において、機器オペレータは加工設備1の操作ソフトウェア32で、制御コンピュータ4に実装されたプログラム管理部14に格納された制御プログラムを開始する。制御プログラムは標準的な加工パラメータを呼び出し、該標準的な加工パラメータは、ステップS32においてデータメモリ33から制御コンピュータ4のメモリ23へ伝送され、ステップS33において操作装置5のスクリーン6に表示される。
【0043】
ステップS34において機器オペレータは検出装置36および評価装置37を作動化し、該検出装置36および評価装置37はステップS35において、材料の特性を表す実際値を検出する。評価装置37によって検出された実際値に基づいて、機器オペレータはステップS36において、偏差する材料特性に基づいて加工パラメータを適合すべきか否かの推奨を受け取る。機器オペレータはステップS37において、加工パラメータの適合を行うべきか否かを決定する。
【0044】
前記加工パラメータを適合すべきでない場合(ステップS37における「いいえ」)、本発明の方法はステップS38およびS39へ移行する。これらのステップS38およびS39は、図2に示された公知の制御手法のステップS6およびS7に相応する。ステップS38において、標準的な加工パラメータが制御コンピュータ4のメモリ23から転送ファイルに書き込まれ、ステップS39において制御プログラムおよび該転送ファイルが制御コンピュータ4からNC制御ユニット10へ伝送される。ステップS39の後、加工設備を制御するための本発明の方法は終了する。
【0045】
偏差する材料特性に加工パラメータを適合しなければならない場合(ステップS37における「はい」)、ステップS40において機器オペレータは適合装置31を作動化する。適合装置31はステップS41において機器オペレータに対し、偏差する材料特性に加工パラメータを適合する適合レベルを提案する。
【0046】
複数の適合レベルで加工パラメータを適合する他に、加工パラメータを連続的に適合することもできる。このような連続的な適合では、評価装置37によって検出された各実際値ごとに、補正規則のパラメータセットが事前設定で割り当てられている。加工パラメータを段階的に適合することは、連続的な適合と比較して、求めて記憶しなければならない補正規則のパラメータセット数が少ないという利点を有する。それに対し、加工パラメータを連続的に適合することの利点は、偏差する材料特性に合わせてほぼ最適に加工パラメータを変化させることが可能であることだ。
【0047】
ステップS42において適合装置31は、設定された適合レベルに相応する適合加工パラメータを計算し、適合加工パラメータを操作装置5のスクリーン6に表示する。ステップS43において、機器オペレータは適合加工パラメータを許可する。ステップS44において、適合加工パラメータが転送ファイルに書き込まれて記憶される。ステップS45において操作ソフトウェア32が、適合加工パラメータがNC制御ユニット10へ伝送されるのを開始する。ステップS45の後、加工設備を制御するための本発明の方法は終了する。
図1
図2
図3
図4
図5