特許第5871626号(P5871626)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5871626無線リソース割当装置、及び無線リソース割当プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871626
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】無線リソース割当装置、及び無線リソース割当プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20160216BHJP
【FI】
   H04W72/04 136
   H04W72/04 131
   H04W72/04 133
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-6255(P2012-6255)
(22)【出願日】2012年1月16日
(65)【公開番号】特開2013-146024(P2013-146024A)
(43)【公開日】2013年7月25日
【審査請求日】2014年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】王 暁秋
(72)【発明者】
【氏名】池田 裕司
【審査官】 青木 健
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/140264(WO,A1)
【文献】 特開2013−102301(JP,A)
【文献】 特開2013−123139(JP,A)
【文献】 Intel Corporation,Analysis of DCI Multiplexing in ePDCCH Design,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #67 R1-113950,2011年11月14日
【文献】 ZTE Corporation,DL Reference Signal Design for CSI generation in LTE-Advanced,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #58 R1-093196,2009年 8月24日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
H04B 7/24 − 7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナの本数を示す情報を取得する取得部と、
前記アンテナから送信される予め定められたデータチャネル領域の一部に配置される下りリンク制御チャネルとしてのePDCCH(enhanced Physical Downlink Control Channel)領域に、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)を配置するか否かを、前記アンテナの本数に応じて判定する判定部と、
前記判定部の判定によりCSI−RSを配置しない合、割り当てられたePDCCHパケットと、CRS(Cell−specific Reference Signal)と、DMRS(Demodeulation Reference Signal)と、を前記ePDCCH領域に配置し、前記判定部の判定によりCSI−RSを配置する合、割り当てられたePDCCHパケットと、CRSと、DMRSと、CSI−RSと、を前記ePDCCH領域に配置する配置部と、
を備え
前記配置部は、
割り当てられたePDCCHパケット、及び、該割り当てられたePDCCHパケットを受信する端末のためのDMRSを、複数のリソースエレメントを含むCCE(Control Channel Element)単位で前記ePDCCH領域に配置し、
前記判定部の判定によりCSI−RSを配置する場合、PRB(Physical Resource Block)ペア毎に2個以下の前記CCEを配置し、前記判定部の判定によりCSI−RSを配置しない場合、PRBペア毎に3個以下の前記CCEを配置することを特徴とすることを特徴とする無線リソース割当装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記アンテナの本数が2本以下である場合、CSI−RSを配置させず、前記アンテナの本数が2本を超える場合、CSI−RSを配置させると判定することを特徴とする請求項1に記載の無線リソース割当装置。
【請求項3】
前記配置部は、リソースエレメント単位で比較して周波数軸方向が増加するように、又は、リソースエレメント単位で比較して時間軸方向が増加するように、前記CCEを配置することを特徴とする請求項又は請求項に記載の無線リソース割当装置。
【請求項4】
前記配置部は、前記判定部の判定によりCSI−RSを配置する合、サブフレームの第1スロットのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルID3以降又は4以降に、割り当てられたePDCCHパケットを配置し、該割り当てられたePDCCHパケットが配置された前記OFDMシンボルIDを示す情報を、ブロードキャスト情報として端末に通知することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の無線リソース割当装置。
【請求項5】
コンピュータに、
アンテナの本数を示す情報を取得する手順と、
前記アンテナから送信される予め定められたデータチャネル領域の一部に配置される下りリンク制御チャネルとしてのePDCCH(enhanced Physical Downlink Control Channel)領域に、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)を配置するか否かを、前記アンテナの本数に応じて判定する手順と、
判定によりCSI−RSを配置しない合、割り当てられたePDCCHパケットと、CRS(Cell−specific Reference Signal)と、DMRS(Demodeulation Reference Signal)と、を前記ePDCCH領域に配置し、前記判定によりCSI−RSを配置する合、割り当てられたePDCCHパケットと、CRSと、DMRSと、CSI−RSと、を前記ePDCCH領域に配置する手順と、
割り当てられたePDCCHパケット、及び、該割り当てられたePDCCHパケットを受信する端末のためのDMRSを、複数のリソースエレメントを含むCCE(Control Channel Element)単位で前記ePDCCH領域に配置する手順と、
前記判定によりCSI−RSを配置する場合、PRB(Physical Resource Block)ペア毎に2個以下の前記CCEを配置し、前記判定によりCSI−RSを配置しない場合、PRBペア毎に3個以下の前記CCEを配置する手順と、
を実行させるための無線リソース割当プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線リソース割当装置、及び無線リソース割当プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信規格の一つであるLTE(Long Term Evolution)の下りリンクでは、無線リソースの割り当てを端末に通知するために、下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)が用いられている。この下りリンク制御チャネルと、無線リソースが実際に割り当てられるデータチャネルである下りリンク共有チャネル (Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)とは、一対一で対応している。
【0003】
また、スループット(通信容量)の向上を図るため、LTE−Advanced(LTE Rel.10以降)では、下りリンクにおけるMIMO(Multiple‐Input Multiple‐Output)、キャリア・アグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)、多地点協調 (Coordinated Multipoint Transmission:CoMP)などの機能拡張が検討されている(非特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP, TS 36.211 V9.1.0, “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical Channels and Modulation (Release 9),” March 2010.
【非特許文献2】3GPP, TS 36.213 V9.1.0, “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical layer procedures (Release 9),” March 2010.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、MIMO、キャリア・アグリゲーション(CA)、多地点協調(CoMP)などの機能拡張がされた場合、同一サブフレームのデータチャネル領域に割り当てられる端末の台数が急増するため、LTE Rel.10までの下りリンク制御チャネル(PDCCH)の容量が不足するという問題がある。
【0006】
この問題を解決するために、データチャネル領域の一部に配置される下りリンク制御チャネルであって、LTE Rel.10までのPDCCHと比較して高度化した下りリンク制御チャネルが、提案されている。しかしながら、この高度化した下りリンク制御チャネルは、データチャネル領域の一部に配置されるため、データチャネルのスループットが低下してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、前記の諸点に鑑みてなされたものであり、下りリンク制御チャネルの容量が不足しないようにし、データチャネルのスループットの低下を防ぐことができる無線リソース割当装置、及び無線リソース割当プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、アンテナの本数を示す情報を取得する取得部と、前記アンテナから送信される予め定められたデータチャネル領域の一部に配置される下りリンク制御チャネルとしてのePDCCH(enhanced Physical Downlink Control Channel)領域に、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)を配置するか否かを、前記アンテナの本数に応じて判定する判定部と、CSI−RSを配置しないと前記判定部が判定した場合、割り当てられたePDCCHパケットと、CRS(Cell−specific Reference Signal)と、DMRS(Demodeulation Reference Signal)と、を前記ePDCCH領域に配置し、CSI−RSを配置すると前記判定部が判定した場合、割り当てられたePDCCHパケットと、CRSと、DMRSと、CSI−RSと、を前記ePDCCH領域に配置する配置部と、を備えることを特徴とする無線リソース割当装置である。
【0009】
また、本発明は、前記判定部が、前記アンテナの本数が2本以下である場合、CSI−RSを配置しないと判定し、前記アンテナの本数が2本を超える場合、CSI−RSを配置すると判定することを特徴とする無線リソース割当装置である。
【0010】
また、本発明は、前記配置部が、割り当てられたePDCCHパケット、及び、該割り当てられたePDCCHパケットを受信する端末のためのDMRSを、複数のリソースエレメントを含むCCE(Control Channel Element)単位で前記ePDCCH領域に配置する無線リソース割当装置である。
【0011】
また、本発明は、前記配置部が、CSI−RSを配置すると前記判定部が判定した場合、PRB(Physical Resource Block)ペア毎に2個以下の前記CCEを配置し、CSI−RSを配置しないと前記判定部が判定した場合、PRBペア毎に3個以下の前記CCEを配置する無線リソース割当装置である。
【0012】
また、本発明は、前記配置部が、リソースエレメント単位で比較して周波数軸方向に長くなるように、又は、リソースエレメント単位で比較して時間軸方向に長くなるように、前記CCEを配置することを特徴とする無線リソース割当装置である。
【0013】
また、本発明は、前記配置部が、CSI−RSを配置すると前記判定部が判定した場合、サブフレームの第1スロットのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルID3以降又は4以降に、割り当てられたePDCCHパケットを配置し、該割り当てられたePDCCHパケットが配置された前記OFDMシンボルIDを示す情報を、ブロードキャスト情報として端末に通知することを特徴とする無線リソース割当装置である。
【0014】
また、本発明は、コンピュータに、アンテナの本数を示す情報を取得する手順と、前記アンテナから送信される予め定められたデータチャネル領域の一部に配置される下りリンク制御チャネルとしてのePDCCH(enhanced Physical Downlink Control Channel)領域に、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)を配置するか否かを、前記アンテナの本数に応じて判定する手順と、CSI−RSを配置しないと判定した場合、割り当てられたePDCCHパケットと、CRS(Cell−specific Reference Signal)と、DMRS(Demodeulation Reference Signal)と、を前記ePDCCH領域に配置し、CSI−RSを配置すると判定した場合、割り当てられたePDCCHパケットと、CRSと、DMRSと、CSI−RSと、を前記ePDCCH領域に配置する手順と、を実行させるための無線リソース割当プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、判定部は、アンテナから送信されるデータチャネル領域の一部に配置される下りリンク制御チャネルとしてのePDCCH領域に、CSI−RSを配置するか否かを、アンテナの本数に応じて判定する。これにより、無線リソース割当装置は、下りリンク制御チャネルの容量が不足しないようにし、データチャネルのスループットの低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態における、無線リソース割当装置の構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態における、データチャネル領域の一部にePDCCH領域が配置された場合のサブフレームの例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態における、送信側のアンテナが2本の場合のPRBペアの構成例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態における、送信側のアンテナが4又は8本であり、且つ、OFDMシンボルIDが3から始まるePDCCH領域にeCCEが配置される場合のPRBペアの構成例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態における、送信側のアンテナが4又は8本であり、且つ、OFDMシンボルIDが4から始まるePDCCH領域にeCCEが配置される場合のPRBペアの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1には、無線リソース割当装置の構成例が、ブロック図により示されている。以下、データチャネル領域の一部に配置される下りリンク制御チャネルであって、LTE Rel.10までのPDCCHと比較して高度化した下りリンク制御チャネルを、「ePDCCH(enhanced PDCCH)」という。
【0018】
以下、1個のOFDMシンボルと1個のサブキャリアとにより区分される領域を、「リソースエレメント(Resource Element:RE)」という。また、以下、複数(例えば、36個)のリソースエレメントから構成されるCCE(Control Channel Element)を、「eCCE(enhanced CCE)」という。
【0019】
また、以下、予め定められたデータチャネル領域において、各種の参照信号(Reference Signal)、及び、端末毎に割り当てられたePDCCHパケットを含む領域を、「ePDCCH領域」という。ここで、ePDCCHパケットには、無線リソースの割り当てを端末(不図示)に通知するための制御情報が含まれる。
【0020】
ePDCCH領域は、ePDCCH領域を配置する物理リソースブロックとして予め定められたPRB(Physical Resource Block)ペアに配置されることで、データチャネル領域の一部に配置される。ここで、PRBは、12個のサブキャリアと1個のスロットとにより区分される領域である。また、PRBペアは、連続する2個のスロットにおける一組のPRBにより区分される領域である。ePDCCH領域の詳細については、図2図5を用いて後述する。
【0021】
無線リソース割当装置100は、ePDCCH領域が配置される物理リソースブロックとして予め定められたPRBペアに、各種の参照信号と端末毎に割り当てられたePDCCHパケットとを含むePDCCH領域を、送信側(基地局側)のアンテナの本数に応じて配置する。
【0022】
無線リソース割当装置100は、取得部110と、判定部120と、配置部130とを備える。取得部110は、送信側(基地局側)のアンテナの本数を示す情報を取得する。ここで、送信側のアンテナの本数を示す情報は、例えば、記憶部(不図示)に予め記憶されている。
【0023】
判定部120には、送信側のアンテナの本数を示す情報が、取得部110から入力される。判定部120は、送信側のアンテナから送信される予め定められたデータチャネル領域の一部に配置されるePDCCH領域に、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)を配置するか否かを、送信側のアンテナの本数に応じて判定する。
【0024】
判定部120は、アンテナの本数が2本以下である(例えば、2本である)場合、ePDCCH領域にCSI−RSを配置しないと判定する。一方、判定部120は、アンテナの本数が2本を超える(例えば、4本又は8本である)場合、ePDCCH領域にCSI−RSを配置すると判定する。判定部120は、この判定結果を示す情報を、配置部130に出力する。
【0025】
配置部130は、ePDCCH領域にCSI−RSを配置しないと判定部120が判定した場合、端末毎に割り当てられたePDCCHパケットと、CRS(Cell−specific Reference Signal)と、DMRS(Demodeulation Reference Signal)と、をePDCCH領域に配置する。一方、配置部130は、ePDCCH領域にCSI−RSを配置すると判定部120が判定した場合、端末毎に割り当てられたePDCCHパケットと、CRSと、DMRSと、CSI−RSと、をePDCCH領域に配置する。
【0026】
また、配置部130は、ePDCCH領域にCSI−RSを配置すると判定部120が判定した場合、PRBペア毎に2個以下のeCCEを配置する。一方、配置部130は、ePDCCH領域にCSI−RSを配置しないと判定部120が判定した場合、PRBペア毎に3個以下のeCCEを配置する。
【0027】
ここで、配置部130は、PRBペアのePDCCH領域において、リソースエレメント単位で比較して周波数軸方向に長くなるように、又は、リソースエレメント単位で比較して時間軸方向に長くなるように、eCCEを配置してもよい。
【0028】
配置部130は、端末毎に割り当てられたePDCCHパケット、及び、この割り当てられたePDCCHパケットを受信する端末のためのDMRSを、eCCE単位でePDCCH領域に配置する。また、配置部130は、ePDCCH領域にCSI−RSを配置すると判定部120が判定した場合、サブフレームの前半のスロット(以下、「第1スロット」という)のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルID3以降又は4以降に、端末毎に割り当てられたePDCCHパケットを配置する。また、配置部130は、端末毎に割り当てられたePDCCHパケットが配置されたePDCCH領域の先頭のOFDMシンボルID(スタートOFDMシンボルID)を示す情報を、ブロードキャスト情報として端末(不図示)に通知する。
【0029】
図2には、データチャネル領域の一部にePDCCH領域が配置された場合のサブフレームの例が示されている。縦軸は、周波数軸である。また、横軸は、時間軸である。サブフレームが送信される時間は、第1スロットと、後半のスロット(以下、「第2スロット」という)とに区分される。さらに、各スロットは、7個のOFDMシンボル、すなわち、OFDMシンボルID0〜6に、それぞれ区分される。
【0030】
第1スロットの前半の1〜3個のOFDMシンボルにより区分される領域には、無線リソースの割り当てを端末に通知するための下りリンク制御チャネルとして、LTE Rel.10までのPDCCHが配置されてもよい。また、サブフレームの残りのOFDMシンボル、すなわち、11〜13個のOFDMシンボルにより区分される領域は、データチャネル領域と定められる。データチャネル領域には、下りリンク共有チャネル(PDSCH)が配置される。さらに、データチャネル領域の一部(下りリンク共有チャネル(PDSCH)以外)には、ePDCCH領域が配置されてもよい。図2では、左から2番目のサブフレームのデータチャネル領域の一部に、PDSCH及びePDCCH領域が配置されている。
【0031】
図3には、送信側のアンテナが2本の場合のPRBペアの構成例が示されている。縦軸は、キャリアIDを示す周波数軸である。また、横軸は、OFDMシンボルIDを示す時間軸である。
【0032】
図3では、PRB200は、第1スロットのOFDMシンボルID0〜6と、サブキャリアのキャリアID0〜11とにより区分される領域である。また、PRB210は、第2スロットのOFDMシンボルID0〜6と、サブキャリアのキャリアID0〜11とにより区分される領域である。また、ePDCCH領域は、PRBペアのうち、PRB200のOFDMシンボルID3〜6により区分される領域と、PRB210のOFDMシンボルID0〜6により区分される領域である。
【0033】
図3では、ePDCCH領域には、CRSが配置されている。また、ePDCCH領域には、DMRSが配置されている。また、ePDCCH領域には、3個のeCCE(端末毎に割り当てられたePDCCHパケットの少なくとも一部)が配置されている。より具体的には、リソースエレメント「a」から構成されるeCCE(a)が、ePDCCH領域に配置されている。また、リソースエレメント「b」から構成されるeCCE(b)が、ePDCCH領域に配置されている。また、リソースエレメント「c」から構成されるeCCE(c)が、ePDCCH領域に配置されている。
【0034】
ここで、配置部130は、ePDCCH領域において、リソースエレメント単位で比較して時間軸方向に長くなるように、eCCEを配置する。例えば、配置部130は、キャリアIDよりもOFDMシンボルIDを優先的にインクリメントすることにより、ePDCCH領域において、リソースエレメント単位で比較して時間軸方向に長くなるように、eCCEを配置する。なお、配置部130は、ePDCCH領域において、リソースエレメント単位で比較して周波数軸方向に長くなるように、eCCEを配置してもよい。
【0035】
図4には、送信側のアンテナが4又は8本であり、且つ、OFDMシンボルIDが3から始まるePDCCH領域にeCCEが配置される場合のPRBペアの構成例が示されている。縦軸は、キャリアIDを示す周波数軸である。また、横軸は、OFDMシンボルIDを示す時間軸である。
【0036】
図4では、PRB200は、第1スロットのOFDMシンボルID0〜6と、サブキャリアのキャリアID0〜11とにより区分される領域である。また、PRB210は、第2スロットのOFDMシンボルID0〜6と、サブキャリアのキャリアID0〜11とにより区分される領域である。また、ePDCCH領域は、PRBペアのうち、PRB200のOFDMシンボルID3〜6により区分される領域と、PRB210のOFDMシンボルID0〜6により区分される領域である。
【0037】
図4では、ePDCCH領域には、CRSが配置されている。また、ePDCCH領域には、DMRS及びCSI−RSが配置されている。また、ePDCCH領域には、2個のeCCE(端末毎に割り当てられたePDCCHパケットの少なくとも一部)が配置されている。より具体的には、リソースエレメント「a」から構成されるeCCE(a)が、ePDCCH領域に配置されている。また、リソースエレメント「b」から構成されるeCCE(b)が、ePDCCH領域に配置されている。
【0038】
ここで、配置部130は、ePDCCH領域において、リソースエレメント単位で比較して周波数軸方向に長くなるように、eCCEを配置する。例えば、配置部130は、OFDMシンボルIDよりもキャリアIDを優先的にインクリメントすることにより、ePDCCH領域において、リソースエレメント単位で比較して周波数軸方向に長くなるように、eCCEを配置する。また、例えば、配置部130は、OFDMシンボルIDよりもキャリアIDを優先的にディクリメントすることにより、ePDCCH領域において、リソースエレメント単位で比較して周波数軸方向に長くなるように、eCCEを配置する。なお、配置部130は、ePDCCH領域において、リソースエレメント単位で比較して時間軸方向に長くなるように、eCCEを配置してもよい。
【0039】
また、配置部130は、ePDCCH領域において、端末毎に割り当てられたePDCCHパケット(eCCE)が配置された先頭のOFDMシンボルID3を示す情報を、ブロードキャスト情報として端末に通知する。
【0040】
図5には、送信側のアンテナが4又は8本であり、且つ、OFDMシンボルIDが4から始まるePDCCH領域にeCCEが配置される場合のPRBペアの構成例が示されている。縦軸は、キャリアIDを示す周波数軸である。また、横軸は、OFDMシンボルIDを示す時間軸である。
【0041】
図5では、PRB200は、第1スロットのOFDMシンボルID0〜6と、サブキャリアのキャリアID0〜11とにより区分される領域である。また、PRB210は、第2スロットのOFDMシンボルID0〜6と、サブキャリアのキャリアID0〜11とにより区分される領域である。また、ePDCCH領域は、PRBペアのうち、PRB200のOFDMシンボルID4〜6により区分される領域と、PRB210のOFDMシンボルID0〜6により区分される領域である。
【0042】
図5では、ePDCCH領域には、CRSが配置されている。また、ePDCCH領域には、DMRS及びCSI−RSが配置されている。また、ePDCCH領域には、2個のeCCE(端末毎に割り当てられたePDCCHパケットの少なくとも一部)が配置されている。より具体的には、リソースエレメント「a」から構成されるeCCE(a)が、ePDCCH領域に配置されている。また、リソースエレメント「b」から構成されるeCCE(b)が、ePDCCH領域に配置されている。
【0043】
ここで、配置部130は、ePDCCH領域において、リソースエレメント単位で比較して周波数軸方向に長くなるように、eCCEを配置する。例えば、配置部130は、OFDMシンボルIDよりもキャリアIDを優先的にインクリメントすることにより、ePDCCH領域において、周波数軸方向に長くなるようにeCCEを配置する。また、例えば、配置部130は、OFDMシンボルIDよりもキャリアIDを優先的にディクリメントすることにより、ePDCCH領域において、リソースエレメント単位で比較して周波数軸方向に長くなるようにeCCEを配置する。なお、配置部130は、ePDCCH領域において、リソースエレメント単位で比較して時間軸方向に長くなるように、eCCEを配置してもよい。
【0044】
また、配置部130は、ePDCCH領域において、端末毎に割り当てられたePDCCHパケット(eCCE)が配置された先頭のOFDMシンボルID4を示す情報を、ブロードキャスト情報として端末に通知する。
【0045】
以上のように、無線リソース割当装置100は、アンテナの本数(ポート数)を示す情報を取得する取得部110と、前記アンテナから送信される予め定められたデータチャネル領域の一部に配置される下りリンク制御チャネルとしてのePDCCH領域に、CSI−RSを配置するか否かを、前記アンテナの本数に応じて判定する判定部120と、CSI−RSを配置しないと判定部120が判定した場合、割り当てられたePDCCHパケットと、CRSと、DMRSと、を前記ePDCCH領域に配置し、CSI−RSを配置すると判定部120が判定した場合、割り当てられたePDCCHパケットと、CRSと、DMRSと、CSI−RSと、を前記ePDCCH領域に配置する配置部130と、を備える。
この構成により、判定部120は、アンテナから送信される予め定められたデータチャネル領域の一部に配置される下りリンク制御チャネルとしてのePDCCH領域に、CSI−RSを配置するか否かを、前記アンテナの本数に応じて判定する。例えば、送信側のアンテナの本数が2本である場合、ePDCCH領域における周波数ダイバーシチゲインのほうが、ePDCCH領域におけるビームフォーミングゲインよりも大きくなると予想される。したがって、無線リソース割当装置100は、ePDCCH領域が配置されたPRBペアにおけるCSI−RSベースのチャネル品質が判らなくても、ePDCCH領域が配置されていないデータチャネル領域におけるCSI−RSをベースに取得した、システム帯域幅全体におけるチャネル品質を示す情報(Wideband CQI)さえ判れば、分散的に配置されたePDCCHのチャネル品質を知ることができる。これにより、無線リソース割当装置100は、下りリンク制御チャネル(ePDCCH、及びPDCCH)の容量が不足しないようにし、データチャネルのスループットの低下を防ぐことができる。
【0046】
また、無線リソース割当装置100は、チャネル品質を測定するためのCSI−RSをePDCCH領域に配置しないことにより、PRBペア毎に3個のeCCE、すなわち、割り当てられたePDCCHパケットの少なくとも一部を、ePDCCH領域に配置することができる。これにより、無線リソース割当装置100は、無線リソースにおけるePDCCHのオーバーヘッドを低減させることができる。
【0047】
また、無線リソース割当装置100は、周波数スケジューリングが可能である。これにより、無線リソース割当装置100は、端末の制御チャネルへの干渉を低減させることができる。
【0048】
また、判定部120は、前記アンテナの本数が2本以下である場合、CSI−RSを配置しないと判定し、前記アンテナの本数が2本を超える場合、CSI−RSを配置すると判定する。
【0049】
また、配置部130は、割り当てられたePDCCHパケット、及び、該割り当てられたePDCCHパケットを受信する端末のためのDMRSを、複数のリソースエレメントを含むCCEであるeCCE単位で前記ePDCCH領域に配置する。
【0050】
また、配置部130は、CSI−RSを配置すると判定部120が判定した場合、PRBペア毎に2個以下の前記eCCEを配置し、CSI−RSを配置しないと判定部120が判定した場合、PRBペア毎に3個以下の前記eCCEを配置する。
【0051】
また、配置部130は、リソースエレメント単位で比較して周波数軸方向に長くなるように、又は、リソースエレメント単位で比較して時間軸方向に長くなるように、前記CCEを配置する。
【0052】
また、配置部130は、CSI−RSを配置すると前記判定部が判定した場合、サブフレームの第1スロットのOFDMシンボルID3以降又は4以降に、割り当てられたePDCCHパケットを配置し、該割り当てられたePDCCHパケットが配置された前記OFDMシンボルIDを示す情報を、ブロードキャスト情報として端末に通知する。
これにより、基地局(evolutional Node B:eNB)毎に異なるスタート(先頭)OFDMシンボルID(例えば、3又は4)からeCCEを配置することにより、無線リソース割当装置100は、eCCE単位で配置されたePDCCH同士の干渉を回避させることができる。
【0053】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0054】
例えば、無線リソース割当装置100は、MIMO、キャリア・アグリゲーション、多地点協調(例えば、CoMPシナリオ4以降)に適用されてもよい。
【0055】
なお、上記に説明した無線リソース割当装置を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、実行処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0056】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0057】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0058】
100…無線リソース割当装置、110…取得部、120…判定部、130…配置部、200…PRB、210…PRB
図1
図2
図3
図4
図5