(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記異方性エッチングは、水酸化カリウム、エチレンジアミンピロカテコール、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水又はヒドラシンの少なくとも1つを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシリカトロイド型光共振器の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0013】
[シリカトロイド型光共振器]
《シリカトロイド型光共振器の構成》
先ず、本実施形態に係る、シリカトロイド型光共振器の構成について説明する。
図1に、本実施形態に係る、シリカトロイド型光共振器の正面図の一例を示す。
【0014】
本実施形態に係る、シリカトロイド型光共振器100は、シリコンポスト部1と、該シリコンポスト部1上に形成されたSiO
2部2と、を含む。SiO
2部2は、導波路部分3とその他の部分4とを含む。導波路部分3は、通常、径方向外側が丸みを帯びた滑らかな構造となっている。SiO
2部2の径方向外側が丸みを帯びている理由については、後述するシリカトロイド型光共振器の製造方法において述べるため、ここでは省略するが、これにより、光は誘電体中を、少ない損失で全反射して進行することができる。
【0015】
図2に、
図1のシリカトロイド型光共振器のA−A断面図の一例を示す。
図2より明らかであるように、SiO
2部2の厚さ方向に垂直な方向の断面は、多角形となっている。
【0016】
なお、本発明における、「多角形」とは、広義には、中心から外周の辺までの距離が一定でなく(即ち、円形でなく)、かつ、楕円形以外の形を指す。このとき、全ての辺の長さが等しい正多角形でも良く、辺の長さが異なっていても良い。また、各々の頂点を構成する2つの辺は、直線であっても良く、頂点付近で、ある曲率半径を有する曲線であっても良い。
【0017】
各々の頂点を構成する2つの辺が曲率半径を有する曲線である場合、その曲率半径は5μm以上であることが好ましい。曲率半径が5μm未満の場合、導波路部分3に閉じ込められた光の放射損失が大きくなることがある。
【0018】
また、本実施形態のSiO
2部2の厚さ方向に垂直な方向の断面は、多角形であれば特に限定されないが、製造の簡易さなどの観点から、4角形、6角形又は8角形のいずれかであることが好ましい。
【0019】
《SiO
2部2の多角形構造》
次に、本実施形態の光共振器において、SiO
2部2の厚さ方向に垂直な方向の断面を、上で定義した多角形にすることの理由について説明する。
【0020】
図3は、光共振器の構造が光共振器の性能に与える影響を説明するための図であって、
図3(a)は、SiO
2導波路が円形であるモデルの概略図を示し、
図3(b)は、第1の実施形態である、SiO
2導波路が八角形であるモデルの概略図を示す。
【0021】
図3(a)において、導波路の外径rは20μm、導波路部分の幅wは3μmとした。また、
図3(b)において、導波路の外径rは50μm、導波路部分の幅wは3μm、八角形の外周側の辺の長さdは10μm、曲率半径r
pは、38μmとした。
【0022】
なお、
図3における光ファイバ5は、シリカトロイド型光共振器100に光を入出力する手段の一例として示した。シリカトロイド型光共振器内に光を閉じ込め、光周波数コムを発生させるためには、ある閾値以上の強度を有する光を入射することが必要となる。光ファイバ5をシリカトロイド型光共振器100に近接(又は接触)させることにより、光の漏れ(エヴァネッセント波)によって、光を入出力することができる。通常、光ファイバ5は、テーパ状になっており、シリカトロイド型光共振器に近接させる部分の径は、600nm程度である。
【0023】
図4に、
図3のモデルに1μmの光ファイバを接続又は近接した場合における、結合係数の変化を説明するための概略図を示す。また、
図3(a)及び
図3(b)における、空気、導波路部分3及びその他の部分4の屈折率は、各々、1、1.44、1.3と仮定した。
図4の横軸は、光共振器と光ファイバとの距離であり、
図4の縦軸は、光結合係数の値である。
【0024】
従来の円形構造の光共振器に光ファイバを接触又は近接させた場合、接触させた場合に結合係数が高く、光共振器と光ファイバとの距離が大きくなるにつれ、結合係数が低くなる。即ち、円形構造の光共振器の光の入出力は、距離に大きく依存するため、所望の結合係数又は光結合条件を得るためには、光共振器と光ファイバとの距離を精密な制御が必要となる。通常、100nm以下の精度で光共振器と光ファイバとの距離を制御する必要がある。
【0025】
一方、本実施形態に係る多角形構造の光共振器の場合、多角形構造の辺に光ファイバを接触させた場合、結合係数は、円形構造の場合と比して低い。つまり、光共振の多角形構造の辺に光ファイバを接触(又は近接)させることで、光の閉じ込め性能を高くすることができる。これは、オーバカップリング(over coupling)を防ぐことができると同値である。一方、多角形構造の頂点に光ファイバを接触させた場合、結合係数は、円形構造の場合と比して高い。このことは、非常に弱い結合を示す導波路の場合でも、光共振器に光を入出力することが可能であることを示す。即ち、本実施形態の多角形構造の光共振器の場合、光ファイバとの接続を、多角形構造の辺又は頂点と変更することで、結合係数に幅を持たせることが可能である。
【0026】
光結合の結合係数は、使用する用途によっても異なるが、従来の円形構造の光共振器の場合、結合係数の制御は、光共振器と光ファイバとの距離で行う。このとき、光共振器と光ファイバとの距離の制御は、非常に高精度で制御する必要がある。光共振器の大きさ、形状、光ファイバの細さ、形状などによっても異なるが、通常、100nm以上の精度で、光共振器と光ファイバとの距離を制御する必要がある。
【0027】
一方、多角形構造の辺又は頂点で接続させた場合における、結合係数の違いは、閉じ込められた光の分布の仕方に依存する。通常、
図3(b)で示したような正八角形のモデルの場合、多角形構造の頂点部分は、辺部分よりも共振器外への光の染み出し量が高く、この光の染み出し量の差が、上述した結合係数の差に影響を及ぼしたと考えられる。本実施形態の多角形構造の光共振器では、多角形を構成する辺の長さを変更することや、頂点付近の曲率を変更させることで、閉じ込められた光の染み出し量を変更させることができる、即ち、光結合特性を設計することができる。
【0028】
本実施形態では、多角形を構成する辺の長さや頂点付近の曲率を変更することで、結合係数を調整することができることを説明した。このことは、光共振器と光ファイバを接触させた状態でも、使用環境に応じて(所望の結合係数に応じて)、それに適した光共振器を設計できることを意味する。そのため、光共振器と光ファイバとの間の距離の高精度の制御が必要なく、振動が少ない実験室などから持ち出してセンサやレーザなどに応用する場合においても、光共振器の経時における安定的な作動が達成されることも、好ましい。
【0029】
[シリカトロイド型光共振器の製造方法]
次に、本実施形態のシリカトロイド型光共振器の製造方法及び該製造方法で製造されたシリカトロイド型光共振器について説明する。
【0030】
図5に、本実施形態のシリカトロイド型光共振器の製造方法のフロー図の例を示す。また、
図6に、本実施形態のシリカトロイド型光共振器の製造方法を説明するための概略図を示す。
【0031】
《熱酸化S101》
本工程は、シリコン基板を熱酸化して酸化シリコン層を形成する工程である。具体的には、シリコン基板(Si基板)10を熱酸化処理することにより、Si基板10上にSiO
2層11を形成させる(
図6(a))。なお、Si基板10は、後述するプロセスにより、前述のシリコンポスト部11に対応する部分となり、SiO
2層11は、前述のSiO
2部2に対応する部分となる。また、SiO
2層の層厚は、特に限定されないが、通常、1μm程度である。
【0032】
なお、Si基板上にSiO
2を形成させる方法としては、自然酸化、低圧CVD酸化、プラズマCVD酸化、ウェット熱酸化、ドライ熱酸化などが挙げられ、どの方法を使用しても良い。本実施形態では、SiO
2層の膜密度を比較的高くできる、ウェット熱酸化により行った。
【0033】
《SiO
2層のパターニングS103》
次に、公知のフォトリソグラフィ法を用いて、SiO
2層及び(オーバーエッチによる)下層のSi基板層の一部を所望のパターンにパターニングする(
図6(b))。
【0034】
フォトリソグラフィ法については、公知であるため、詳細は省略するが、以下の方法により行うことができる。先ず、SiO
2層上にフォトレジストを塗布する。これを、露光及び現像することにより所望のパターンにパターン化する。パターン化されたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして、ドライエッチングを施すことにより、SiO
2及び下層のSi基板の一部を所定のパターンにパターニングする。その後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0035】
なお、SiO
2層は、前述のSiO
2部2に対応する部分であり、後述する工程により、導波路部分3とその他の部分4とが形成される。
図2などで説明したように、SiO
2部2の厚さ方向に垂直な方向の断面は、多角形とする必要がある。詳細は後述するが、最終的なSiO
2部2の厚さ方向に垂直な方向の断面形状は、後述するレーザーリフロー工程直前の、シリコンポスト部の厚さ方向の形状に依存する。シリコンポスト部の形状は、本工程におけるSiO
2層のパターニング形状と、後述するエッチング条件とにより制御することができる。具体的には、8角形構造とするためには、SiO
2層を円形(例えば、直径100μm前後の円形)にパターニングしておくことが好ましい、6角形構造をするためには、SiO
2層を楕円形(例えば、長軸60μm、短軸40μmの楕円形)にパターニングすることが好ましい。なお、SiO
2層のパターニング形状に関らず、後述する水酸化カリウムを使用した異方性エッチングのエッチング時間を選択することにより、容易に4角形構造を得ることができる。
【0036】
《異方性ウェットエッチングS105》
本工程では、パターニングされたSi基板に異方性エッチングを施すことにより、Si基板の厚さ方向に垂直な方向の断面が多角形であるシリコンポスト部を形成する。より具体的には、Si基板に水酸化カリウムなどを用いて異方性ウェットエッチングすることにより、多角形構造を有するシリコンポスト部1を形成する(
図6(c))。
【0037】
異方性エッチングは、エッチング剤の種類、系内の温度、エッチング時間などに応じて、エッチングレート及び選択比を変えることができるため、当業者がエッチング剤の種類や系内の温度を制御することにより、Si基板の形状も制御することができる。
【0038】
なお、上述の通り、異方性エッチングは、系内の温度にも依存するため、エッチング中は系内の温度を一定に保つことが好ましい。
【0039】
Si基板を異方性エッチングするためのエッチング剤としては、Siを異方性エッチングすることができれば特に限定されない。具体的には、例えば、水酸化カリウム(KOH)、エチレンジアミンピロカテコール(EDP)、アンモニア水(AHW)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水(TMAH)、ヒドラシン(N
2H
4)などを使用することができる。これらは、1種類を単独で使用しても良く、2種類以上を混合して使用しても良い。
【0040】
一例として、50℃の系内でKOHを使用したSiのエッチングの場合、<100>面と<110>面とでは、エッチングレートは<100>:<110>=2:3程度であり、<100>面が結晶面として現れやすい。また、<100>面と<111>面とでは、<100>:<111>=400:1程度であり、長時間のエッチングでは、<111>面が結晶面として顕在化する。このように、結晶面におけるエッチングレートの違いを利用して、Si基板を多角形構造に制御することができる。
【0041】
このとき、異方性エッチングに先立って、Si基板を等方性エッチングしても良い(S104)。
図6(c)に示すように、等方性エッチングでは、
図6(c)における鉛直下向きにエッチングが進行すると同時に、
図6(c)における水平方向にもエッチングが進行する。KOHを使用した異方性エッチングでは、<111>面のエッチングレートが非常に遅いため、長時間のエッチングにより、容易に<111>面で囲まれた4角形のシリコンポストを形成することができる。しかしながら、KOHによる異方性エッチングだけでは、<100>面、<110>面及び<111>面のエッチングレートの違いから、シリコンポストの頂点付近(シリコンポストとSiO
2層との界面付近)を8角形にすることが困難な場合がある。そのため、異方性エッチングに先立って、Si基板を等方性エッチングすることが好ましい。また、異方性エッチングに先立って等方性エッチングを施すことにより、SiO
2層の縁から鉛直方向下向きにどの程度まで、シリコンポスト部の多角形構造を形成できるかを制御することができる。
【0042】
なお、本実施形態における等方性エッチングは、Si基板を等方性エッチングすることができれば、ドライエッチング、ウェットエッチングに限定されない。
【0043】
等方性ドライエッチングする場合の、エッチングガス種としては、Siを等方性エッチングすることができれば特に限定されず、例えば、フッ化キセノン(XeF
2)を使用することができる。しかしながら、XeF
2を使用した等方性エッチングは、プロセスのコストが高くなるため、下記である等方性ウェットエッチングを使用することが好ましい。
【0044】
等方性ドライエッチングにおけるエッチング量(及びエッチングレート)は、エッチングガスの圧力、エッチング時間などを選択することにより当業者が制御することができる。
【0045】
等方性ウェットエッチングする場合の、エッチング剤としては、例えば、フッ硝酸(フッ酸と硝酸の混合物)、フッ硝酸と酢酸の混合物を使用することができる。
【0046】
等方性ドライエッチングにおけるエッチング量(及びエッチングレート)は、フッ酸、硝酸及び酢酸の混合比を変更することにより、当業者が制御することができる。
【0047】
通常、フッ硝酸を利用した等方性ウェットエッチングでは、SiO
2層もエッチングされる(エッチングレートが無視できるレベルより大きい)ため、熱酸化によるSiO
2層形成時において、これを考慮にいれた膜厚にしておくことが好ましい。しかしながら、SiO
2層をウェット熱酸化により形成した場合、得られるSiO
2層の密度が高く、フッ硝酸によるSiO
2層のエッチングレートは実質的に無視できるレベルとなる。
【0048】
《シリカリフローS107》
本工程では、SiO
2層を二酸化炭素(CO
2)レーザで照射することにより、SiO
2層の厚さ方向の断面を多角形にする(
図6(d))。また、本工程により、導波路部分3とその他の部分4とが形成される。
【0049】
より具体的には、
図6(d)の(一例として)垂直方向上向きから、SiO
2層11に照射する。これにより、SiO
2層11の外周側の一部が溶融される。溶融されたSiO
2層11は表面張力により、導波路部分3に対応する部分(の少なくとも外周側)が丸みを帯びた滑らかな形状となる(
図6(d))。このプロセスにより、滑らかな外周形状の導波路を得ることができるため、光は誘電体(本実施形態ではSiO
2)中を、少ない損失で全反射して進行することができる。
【0050】
またこのとき、溶融されたSiO
2層11の厚さ方向の断面は、下層のシリコンポスト部1の厚さ方向の断面(S105により多角形構造となっている)が転写されることにより、多角形構造となる。これは、SiがSiO
2よりも熱伝導度が高く、SiO
2層の下層のシリコンポスト部1(シリコン基板10)がヒートシンクとして機能するため、下層のシリコンポスト部1の熱分布がSiO
2層に転写されるからである。
【0051】
一方、SiO
2層11の内周側のその他の部分4は、溶融されずに照射前の形状を保つことがわかっている。これも、SiO
2層の下層のシリコンポスト部1が、ヒートシンクとして機能することに起因する。
【0052】
なお、導波路部分3の高さは、工程S101で形成したSiO
2層の層厚やレーザ照射の条件などに依存するが、通常、5μm〜20μm前後である。
【0053】
なお、CO
2レーザとしては、SiO
2を溶融することができれば特に限定はないが、本実施形態では、レーザ波長が10.6μm、出力が12WのCO
2レーザを使用した。
【0054】
[第1の実施形態]
本実施形態のシリカトロイド型光共振器の製造方法により、シリカトロイド型光共振器を製造できることを確認した実施形態について説明する。
【0055】
シリコン基板を熱酸化し、シリコン基板表面に酸化シリコンを形成した。酸化シリコンが形成されたシリコン基板を、フォトリソグラフィ法により、酸化シリコンを直径約80μm又は約100μmの円形にパターニングした。
【0056】
パターニングされたシリコン基板は、フッ酸(HF;46−48質量%)と硝酸(HNO
3;69−70質量%)と酢酸(CH
3COOH;99.7質量%以上)との混合比が3:5:3であるフッ硝酸を使用して、常温で等方性エッチングを行った。エッチング時間は、一例として、30秒、60秒、120秒、240秒とした。
【0057】
図7に、120秒の異方性エッチングを施した実施形態における、等方性エッチング後のシリコン基板のSEM像の一例を示す。
図7において、シリコン基板10は、等方性エッチングにより、垂直方向及び水平方向にエッチングされていることが確認できた。
【0058】
エッチング時間とエッチング量との関係から、本実施形態においては、エッチングレートは、10.8μm/min(垂直方向へのエッチング)、8.4μm/min(水平方向へのエッチング)程度であった。本実施の形態では、フッ酸と硝酸と酢酸との混合比が3:5:3であるフッ硝酸を使用したが、当業者であれば、この混合比、エッチング時間及びエッチング温度を制御することにより、所望のパターンでエッチング量を制御することができる。また、エッチング時において、エッチング剤の攪拌の有無により、エッチング時のムラを無くすことも可能である。
【0059】
等方性エッチング後のシリコン基板は、水酸化カリウム(KOH;48質量%)を用いて、50℃で攪拌しながら異方性エッチングを行った。異方性エッチングのエッチング時間は、一例として、180分、270分、360分とした。
【0060】
図8に、30秒の等方性エッチングを施した後に、180分の異方性エッチングを施した実施形態における、異方性エッチング後のシリコン基板の光学顕微鏡イメージの一例を示す。
図8より、異方性エッチングにより、シリコンポスト部の厚さ方向の断面を8角形構造にすることができた。
【0061】
異方性エッチング後のシリコン基板の酸化シリコン側から、CO
2レーザ(レーザ波長10.6μm、出力12W、焦点距離38.1mm)を1.5ms照射して、シリカトロイド型光共振器を作製した。
【0062】
図9に、CO
2レーザ照射後のシリカトロイド型光共振器のSEM像の一例を示す。
図9より、CO
2レーザ照射により、シリコンポスト部の八角形構造を、酸化シリコン部にも転写することができることを確認した。
【0063】
なお、本実施形態では、説明のために一例のみを示したが、本発明のシリカトロイド型の光共振器は、酸化シリコン層の厚さ方向に垂直な方向の断面は多角形であれば特に限定されない。前記多角形は、例えば、4角形、6角形又は他の多角形であっても良い。
【0064】
他の実施形態として、酸化シリコン層の厚さ方向に垂直な方向の断面を4角形にする方法の例を述べる。シリコン基板をKOHにより異方性エッチングする場合、上述の通り、〈111〉面のエッチングレートが非常に遅いため、KOHのエッチング時間を長くすることにより、〈111〉面で囲まれた4角形のシリコンポストを得ることができる。4角形のシリコンポストを有する基板をCO
2レーザによりリフローすることにより、酸化シリコン層の厚さ方向に垂直な方向の断面も4角形にすることができる。
【0065】
更に他の実施形態として、酸化シリコン層の厚さ方向に垂直な方向の断面を6角形にする方法の例を述べる。S103のSiO
2層のパターニングする工程において、例えば、長軸60μm、短軸40μmの楕円形にパターニングする。その後、KOHによる異方性エッチングにおいて、〈100〉面のエッチング量が13μm、〈110〉面のエッチング量が8.7μmとなるようなエッチング条件でエッチングを施すことにより、6角形のシリコンポストを得ることができる。6角形のシリコンポストを有する基板をCO
2レーザによりリフローすることにより、酸化シリコン層の厚さ方向に垂直な方向の断面も6角形にすることができる。
【0066】
本実施形態のシリカトロイド型光共振器は、酸化シリコン層の厚さ方向に垂直な方向の断面は多角形である。このような構成とすることにより、光共振器と光ファイバを接触させた状態でも、使用環境に応じて(所望の結合係数に応じて)、それに適した光共振器を設計できる。そのため、光共振器と光ファイバとの間の距離の高精度の制御が必要なく、振動が少ない実験室などから持ち出してセンサやレーザなどに応用する場合においても、光共振器の経時における安定的な作動が達成することができる。また、本実施形態のシリカトロイド型光共振器の製造方法は、フッ化キセノンなどの高価なガスを使用することもないので、大量生産の際にも好ましく採用することができる。