(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
インサート部材(8)がセットされる構造の発泡成形型(T)であって、キャビティ(C)を形成する型面(72)で、インサート部材(8)を磁力吸着で取付けセットする一の分割型(7)の取付け箇所に下穴(73)を設け、且つその内周壁(73a)に雌ねじ部(75)を設けると共に、
外周面に該雌ねじ部(75)に螺合する雄ねじ部(12)を設け、且つ一端面(18)側の筒口(10)から他端面(19)側の筒口(16)へ貫通し、さらに該他端面(19)側の筒内壁(13)に雌ねじ部分(17)を設ける円筒状体にして、該筒口(10)側の筒壁(11)に一端面(18)から筒長方向に切欠部(14)を形成したホルダ(1)と、その筒口径(d1)よりも直径(d2)を大きくした円柱状体にして、該筒口(10)側から該切欠部(14)を押し広げ、その周りの筒外径部(111)を大きくさせて該ホルダ(1)の筒内(15)に挿着される磁石からなるマグネット体(2)と、前記雌ねじ部分(17)に螺合する雄ねじ部分(37)が外周部に設けられた栓体(3)と、を具備し、
該マグネット体(2)を挿着した前記ホルダ(1)が、該マグネット体の頂面(20)をキャビティ(C)側に露出し、前記雌ねじ部(75)への前記雄ねじ部(12)の螺着で、前記下穴(73)に保持され、さらに前記他端面側筒口(16)内の雌ねじ部分(17)に前記雄ねじ部分(37)を螺着させ、該栓体(3)が前記ホルダ(1)に保持されてなることを特徴とする発泡成形型。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、本出願人のものであるが、上記型面にマグネット体を埋め込む場合、型面に下穴を開け、マグネット体を叩いて打ち込んできた。取付け位置の変更などで、不要になったマグネット体は
レアアースを含んでいるため取り外し回収する。マグネット体が取外された跡は溶接で埋め戻すことになる。
しかるに、前記マグネット体を打ち込む際にこれを砕いてしまう場合があった。また、マグネット体を打ち込む際、発泡成形型を変形させてしまう問題もあった。さらに,取付け位置変更等で、マグネット体を移動したい時は埋め戻しの手間を要し、その埋め戻しで溶接すると発泡成形型が歪むケースがあった。さらにいえば、時に溶接後の仕上げを必要とした。加えて、マグネット体の頭を型面から突き出して凸部を形成したいケースでは、その必要高さにバラつきが発生し易かった。
【0006】
特許文献2の発明は、型面の裏側からケース本体を締付けねばならず、マグネット固定形体の取付け作業が難儀であった。また、型面からマグネット体の頭を突き出す仕様にしたくても、その構成から不可能であった。加えて、マグネット体の頂面がインサートに直かに当接できず、磁力効果を最大限に活用できなかった。さらに、特許文献1と同様、マグネット体を取り外した後の処理、取付け位置変更等でマグネット体を移動したい時は埋め戻しの手間を要した。さらにいえば、インサート載置部が型面からキャビティ側に突出するので、このインサート載置部が発泡成形品に凹部を形成し、これが支障をきたすケースがあった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するもので、型面へのマグネット体の取付け,取外しが楽で、且つ位置変更に柔軟対応でき、型本体に変形を加えることなく埋め戻しも簡単な磁力吸着用マグネット体を備える発泡成形型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、インサート部材(8)がセットされる構造の発泡成形型(T)であって、キャビティ(C)を形成する型面(72)で、インサート部材(8)を磁力吸着で取付けセットする一の分割型(7)の取付け箇所に下穴(73)を設け、且つその内周壁(73a)に雌ねじ部(75)を設けると共に、外周面に該雌ねじ部(75)に螺合する雄ねじ部(12)を設け、且つ
一端面(18)側の筒口(10)から他端面(19)側の筒口(16)へ貫通し、さらに該他端面(19)側の筒内壁(13)に雌ねじ部分(17)を設ける円筒状体にして、該筒口
(10)側の筒壁(11)に一端面(18)から筒長方向に切欠部(14)を形成したホルダ(1)と、その筒口径(d1)よりも直径(d2)を大きくした円柱状体にして、該筒口(10)側から該切欠部(14)を押し広げ、その周りの筒外径部(111)を大きくさせて該ホルダ(1)の筒内(15)に挿着される磁石からなるマグネット体(2)と、
前記雌ねじ部分(17)に螺合する雄ねじ部分(37)が外周部に設けられた栓体(3)と、を具備し、該マグネット体(2)を挿着した前記ホルダ(1)が、該マグネット体の頂面(20)をキャビティ(C)側に露出し、前記雌ねじ部(75)への前記雄ねじ部(12)の螺着で、前記下穴(73)に保持され、さらに
前記他端面側筒口(16)内の雌ねじ部分(17)に前記雄ねじ部分(37)を螺着させ、該栓体(3)が前記ホルダ(1)に保持されてなることを特徴とする発泡成形型にある。
【0009】
請求項1の発明のごとく、切欠部(14)を形成したホルダ(1)に、その筒口径(d1)よりも直径(d2)を大きくしたマグネット体(2)が、筒口(10)側から該切欠部(14)を押し広げてホルダ(1)に挿着されると、筒外径部(111)が大きくなって元に戻ろうとする反力が働き、マグネット体(2)がホルダから脱落し難くなる。雌ねじ部(75)に螺合する雄ねじ部(12)を設け、筒外径部(111)を大きくさせたマグネット体(2)付きホルダ(1)を下穴に取付けると、筒外径部が下穴に締め付けられるので、下穴に保持したホルダ,マグネット体に弛みが生じない。
一方、マグネット体(2)の取付け位置に変更がある場合、ホルダと下穴とは螺合しているだけなので、容易に取り外すことができる。取り外したマグネット体付きホルダは別の下穴にそのまま使用できる。マグネット体付きホルダが取り外された跡の下穴は、その内周壁の雌ねじ部に螺合する六角穴付き止めねじ等の栓体で、簡単に塞いで埋め戻しできる。溶接に頼らないので、型本体に歪みが生じない。また、マグネット体(2)を挿着したホルダ(1)がマグネット体の頂面をキャビティ(C)側に露出すると、マグネット体の頂面がインサー部材に貼着した磁性体と直かに接するので、その磁力をいかんなく発揮できる。
ホルダ(1)が一端面側の筒口(10)から他端面側の筒口(16)へ貫通し、該他端面側筒口(16)内の雌ねじ部分に、栓体(3)がその雄ねじ部分(37)を螺着させてホルダ(1)に保持されると、ホルダ筒内(15)に挿着したマグネット体に、栓体を進出させ当てることが可能になり、円柱高さの小さいマグネット体でも有効使用できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の発泡成形型は、型面の必要箇所にマグネット体を簡単に設置でき、また取外しも容易であり、さらに型本体に変形を加えたり溶接による埋め戻しを要したりせずに、位置変更にも柔軟対応できるなど優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る発泡成形型について詳述する。
(1)
参考形態1
図1〜
図9は
発泡成形型の一参考形態で、
図1はその型開状態にある断面図、
図2は
図1の状態から型閉じした断面図、
図3は
図1のマグネット体周りの概略斜視図、
図4は
図2の部分拡大図、
図5はホルダとマグネット体の斜視図、
図6は下穴,マグネット体,ホルダの説明断面図、
図7は他態様のホルダ,マグネット体の説明図、
図8は
図7のマグネット体,ホルダを上型に設けた発泡成形型の部分図、
図9は
図2の型閉じ後、発泡成形した断面図である。尚、各図は裏当て部材を判り易くすべく大きく描き、
図1,
図2,
図9のホルダ,マグネット体は断面表示のハッチングを省く。
図5は
図2から向く方向を90°変えて図示する。
【0013】
本発泡成形型Tは、車両用後部座席シートで、着座した乗員の下半身を受け支える
図1〜
図6のようなクッションパッド用成形型に適用する。クッションパッドSに表皮を被せてシートクッションの形にすれば、公知のバックパッドに表皮を被せたバックレストとで車両用後部座席シートを形成する。発泡体からなるパッド本体Pと、該パッド本体Pの発泡成形でその裏面に被着一体化されるインサート部材8たる裏当て材と、を具備するクッションパッドSの発泡成形型Tは以下のごとくである。
【0014】
発泡成形型Tは、一対のアルミニウ製分割型6,7(下型と上型)を備え、不織布等のシート状裏当て材8がセットされる構造になっている(
図1)。型にインサートセットできるよう、裏当て材8の周縁部81に所定間隔で磁性体たる鉄粉含有粘着テープ片9(以下、単に「テープ片」という。)が貼着される。上型7には該テープ片9に対応する箇所に下穴73,ホルダ1,マグネット体2が配設される。
裏当て材8のセット後、型閉じすると、クッションパッドSのキャビティCを形成する(
図2)。符号61,71はすり合せ面を示す。パッド本体Pの発泡成形で、上型7のキャビティ形成用型面72に磁石吸着でセットされた裏当て材8が、パッド本体裏面に被着一体化する
図9のクッションパッドSができる。
図9のクッションパッドSは、車両設置時、紙面右方が車両前方側で、上下を逆に図示する。クッションパッドSの表面側が下型型面62で、クッションパッド裏面S2側が上型型面72によって造られる。
【0015】
上型7には、ヒンジ5寄りの上型型面72が型閉じでキャビティC側へ膨出しており、クッションパッドSの湾曲膨出部S1の裏面を形成する立壁面72aが設けられる(
図1,
図9)。この立壁面72aで、磁力吸着により裏当て材8をセットする箇所に、下穴73が設けられる。該下穴73の内周壁73aには雌ねじ部75が形成される。尚、下穴73は
図8のように貫通していてもよい。下穴73の深さ,雌ねじ部75の長さは、ホルダ1(詳細後述)の筒長,雄ねじ部12の長さよりも長い。
発泡成形型Tは、
図2の型閉じで、キャビティCの図面右方端部が
図9のパッド本体車両前方部P7の形成部位に相当し、キャビティCの図面左方端部がパッド本体車両後方部P6の形成部位に相当する。
図2のキャビティCは、車両に設置される車両前後方向に配されるパッド本体Pのキャビティ縦断面であり、車両に設置されるクッションパッドSの上下方向とは上下が逆のキャビティ形状になっている。型閉じで、上型型面72はヒンジ5寄りに在るパッド後方側の端面形成部76からパッド裏面S2を形成する立壁面72aが下降しながら車両前方形成部位へ向け大きく湾曲する。
そして、この立壁面72aに、前記下穴73が車幅方向に所定間隔で複数(
図3では3個)設けられ、且つ該下穴73にマグネット体2付きホルダ1が螺着固定される。ホルダ1,マグネット体2は裏当て材8に貼着したテープ片9の対応位置に配される。尚、既述のごとく、裏当て材周縁部81に所定間隔でテープ片9が貼着されており、各テープ片9の対応型面72に下穴73,マグネット体2付きホルダ1がそれぞれ配される。
図1で、車両前方側の立壁面72bなどの他の部位も、該立壁面72aと基本的に同じであるのでその説明を省き、以下、立壁面72aに限って説明する。
【0016】
ホルダ1は、外周面に下穴73の雌ねじ部75に螺合する雄ねじ部12を設け、且つ少なくとも一端面18側に筒口10を設けた金属製円筒状体である(
図5)。ホルダ1の雄ねじ部径D1は下穴73の雌ねじ部径D7に等しい。さらに、筒口10側の筒壁11には一端面18から筒長方向にスリット状切欠部14が設けられる。
本
参考形態のホルダ1は、
図5,
図6ごとく、筒口径d1が筒長方向に向け略同径の有底円筒状体である。且つ、筒口側端面18を開口側にしてコ字状に切欠かれる切欠部14が、筒口10側の端面18で180°の周方向位置に二箇所形成される。切欠部14の切欠底14aは筒内15の底151近くにまで達する。切欠部14は一箇所でもよいし、三箇所以上設けてもよい。ここでの雄ねじ部12はホルダ1の筒外周面の全域に形成され、ホルダ1を下穴73に螺着することにより、キャビティC側のホルダ端面18を上型型面72と面一にできる(
図6のロ)。ホルダ1の筒口10からマグネット体2を筒内15へ挿入後、このマグネット体2付きホルダ1を下穴73に螺着すると、該マグネット体2が裏当て材8を上型型面72へ磁力吸着でセットする役目を担う。
【0017】
マグネット体2は前記ホルダ1の筒口径d1よりも直径d2を大きくした永久磁石からなる円柱状体である(
図6のイ)。且つホルダ1の筒口10側から切欠部14を押し広げ、その周りの筒外径部111を大きくさせて該ホルダ1の筒内15に挿着できる大きさになっている(
図6のロ)。例えば、円柱形マグネット体2の直径d2が8mmφである場合、筒口径d1が7.8mmφと設定する。
図6(イ)の白抜き矢印のごとく、マグネット体2を筒口10側から筒内15へ押し込むように強制挿入する。すると、
図6(ロ)のごとく切欠側壁14bが傾き、切欠部14の口が広がる。マグネット体頂面20とホルダ端面18とが面一になった段階で、筒外径部111が直径D1+εとなり、当初値D1よりも僅かεではあるが大きくなる。尚、
図6(ロ)はマグネット体2の挿入側の筒外径部111が大きくなったのを強調して描く。
ここでのマグネット体2は、外観形状を円柱体にするが、本発明に係るマグネット体2の円柱状体には円盤体,円板体を含む。マグネット体2を構成する磁石は固体磁石で、その磁石の種類はNd,Sm等のレアアースを含む希土類磁石や希土類鉄磁石にしている。
【0018】
そうして、マグネット体2を挿着したホルダ1が、該マグネット体2の円形頂面20をキャビティC側に露出し、下穴雌ねじ部75へのホルダ雄ねじ部12の螺着で、下穴73に固定保持される発泡成形型Tになっている。マグネット体2のホルダ1への挿着に伴い、切欠部14周り、いいかえれば、筒口10近くの筒外径部111の径が大きくなっており、雌ねじ部75への雄ねじ部12の螺着が進むと、該筒外径部111が締め付けられる。最終的に、マグネット体2付きホルダ1が、
図6(ロ)のごとく型面72とほぼ面一になる状態にまで下穴73に螺着されると、筒外径部111が雌ねじ部75を有する下穴円周壁73aにきつく締め付けられ、ホルダ1,マグネット体2が上型7に強力に一体化する所望の発泡成形型Tとなる。
【0019】
図7,
図8は、
図1〜
図6で用いたホルダ1に代わる別態様のホルダ1を用いた発泡成形型Tを示す。ホルダ1は
図7(イ)のごとく平面視C字状の円筒状体である。切欠部14は一箇所で且つ筒口10が一端面18側から他端面19側へ貫通する。また、上型7の型厚みが薄く、ホルダ1の筒長が
図8のごとく上型7の型厚みを貫通する長さになっている。
ホルダ1の筒口径d1よりもマグネット体2の直径d2を若干大きくして、マグネット体2をホルダ筒口10側から筒内15へ強制挿入する。挿入を終えたマグネット体2付きホルダ1は、
図1〜
図6のものと同様、筒外径部111が下穴73に締め付けられる状態で、上型7へ螺着保持される。
図8で、キャビティC側に露出するマグネット体2の上端部が型面72よりも選定高さαだけ突出していても、上型7にしっかりと保持される。尚、
図7,
図8中の上型7、ホルダ1以外のマグネット体2,裏当て材8等の構成は前述内容と同様で、説明を省く。
図7,
図8のマグネット体2を挿着したホルダ1は、雌ねじ部75への雄ねじ部12の螺着で、切欠部14周りの筒外径部111が下穴73に締め付けられてホルダ1,マグネット体2が堅固に固定保持される所望の発泡成形型Tになる。
【0020】
(2)実施形態2
本実施形態は、
図10のような下穴73,ホルダ1,マグネット体2に加え、栓体3を備える発泡成形型Tである。ホルダ1は
図1〜
図6と同様、筒口側端面18を筒口10側にしてコ字状に切欠かれる切欠部14が、筒口10側の一端面18で周方向180°の位置に二箇所形成される。ただ、該ホルダ1は筒口10が他端面19側にまで貫通する円筒状体とする。さらに、該他端面19側の筒内壁13に雌ねじ部分17を設ける。
栓体3は該雌ねじ部分17に螺合する雄ねじ部分37を外周面に備える金属製止めねじである。ここでの栓体3は、雄ねじ部分37を設けた柱状形主部32の基端側に外径を一回り小さくした基端部33を軸方向に張り出すと共に、先端側にも外径を一回り小さくした円板形先端部31を張り出す。基端部33の端面には、雄ねじ部分37を前記雌ねじ部分17に螺合させた後、六角穴やプラス,マイナス形で、栓体3をレンチやドライバ等で回せる窪み331が形成される。マグネット体2は
参考形態1のものよりも柱高が低い円盤状体とする。
【0021】
そうして、
参考形態1と同様、筒口10側から切欠部14を押し広げ、筒外径部111を大きくさせて、ホルダ筒内15にマグネット体2を挿着したマグネット体2付きホルダ1を下穴73に螺着する(
図10のイ)。型面72にホルダ1の端面18を面一に合わせる。本実施形態は、さらに他端面側筒口16内の雌ねじ部分17に雄ねじ部分37を螺着させ、栓体3がホルダ1に保持される発泡成形型Tとする。栓体3を他端面側筒口16からホルダ1に螺合し、栓体3を回して進出させる。栓体先端部31をマグネット体2の底面21に当て、円盤状,円板状のマグネット体2であっても、マグネット体頂面20を型面72,ホルダ端面18に面一に合わせ得る所望の発泡成形型Tになっている。他の構成は
参考形態1と同様で、その説明を省く。
【0022】
(3)効果
このように構成した発泡成形型Tは、裏当て材8へ貼着したテープ片9の対応する型面72にマグネット体2を楽に設置できる。型面72の取付け箇所に規格で決められた必要径の雌ねじ部75をタップで切ることによって、所定深さの下穴73を簡単に形成できる。そして、該雌ねじ部75に合わせた雄ねじ部12をホルダ1に形成し、該下穴73にマグネット体2付きホルダ1を螺着すれば、所定の型面72にマグネット体2が一体化する。
筒口径d1をマグネット体2の直径よりも若干小さくするが、ホルダ1に切欠部14を設けているので、マグネット体2は筒口10側から切欠部14を押し広げ、筒外径部111を大きくさせてホルダ筒内15に挿着可能になる。雌ねじ部75への雄ねじ部12の螺着過程で、外径が大きくなった筒外径部111を、下穴73,雌ねじ部75が締め付ける。下穴73へのホルダ1の螺着進行に伴い、下穴73,雌ねじ部75が筒外径部111をきつく締め付け、上型7へのホルダ1,マグネット体2の一体化を確実にする。発泡成形型にはヒートサイクルの伴う発泡成形が繰り返し行われるが、筒口径d1よりも直径d2を大きくしたマグネット体2をホルダ1に挿着し、さらに外径が大きくなった筒外径部111の箇所まで下穴73に締め付けることによって、マグネット体2,ホルダ1を下穴73に確実に保持できる。ヒートサイクルのある発泡成形型Tに用いられても、ホルダ1,マグネット体2が弛まない。それでいて、螺合手段を用いるので、型への取付け時、マグネット体2を叩いて砕いてしまうことがない。
【0023】
そして、マグネット体2を挿着したホルダ1は、マグネット体2の頂面20がキャビティC側に露出するので、裏当て材8のテープ片9にマグネット体2が直接当たり、その磁力をいかんなく発揮する。
例えば、
図1,
図2,
図9のクッションパッドSの製造では、型開状態でヒンジ5寄りの立壁面72aに在るマグネット体2へ、車両後方側の裏当て材周縁部81に取着したテープ片9を磁力吸着させねばならず(
図1)、そのセット作業、その後の裏当て材8の保持が難しい。斯かる場合であっても、本発明は特許文献2と違って、マグネット体2の磁力を最大活用でき、円滑なセット作業ができる。立壁面72aへの裏当て材8の取付けセット後、発泡原料gの注入,型閉じを経て(
図2)、クッションパッドSを発泡成形するが、マグネット体2で裏当て材8をセット維持できる。型閉じ下、上型型面72に裏当て材8が重力に逆らう不安定状態になっても、マグネット体2の頂面20が直かにテープ片9に当たって磁力吸着するので、その姿勢を難なく保つ。さらに、その姿勢のままクッションパッドSの発泡成形が行われるが(
図9)、マグネット体2が直かに裏当て材8に接して維持し、品質向上,歩留まり向上に寄与する。
また、特許文献2のように、型面72からキャビティC側へ突出するインサート載置部がないので、発泡成形品(製品)に無用な凹部も形成しない。
【0024】
また、裏当て材8のシワ回避調整や、セット時での垂れ下がり等の問題解決のため、裏当て材8へのテープ片9の貼着位置が変わることがある。マグネット体2の取付位置が変更になる場合、下穴73にマグネット体2付きホルダ1が螺着しているだけなので、切欠部14を利用して簡単に取り外せる。取り外したマグネット体2付きホルダ1は、その形のままで、変更になった新たな取付け箇所の下穴73に再利用できる。マグネット体2付きホルダ1が取り外された元の下穴73へは、その雌ねじ部75に合う雄ねじ部12を有する
図10と同じような栓体3を取付ければ、該下穴73を簡単に塞ぐことができる。従来のようにマグネット体2が取り外された跡を溶接で埋め戻す手間や、埋め戻しで発泡成形型Tが歪むといった不具合は起こらない。溶接後の仕上げも必要ない。
【0025】
さらに、時にマグネット体2が型面72から突出する発泡成形型Tにしたい場合がある。斯かるケースでも簡単に対応できる。筒口10よりも外径を大きくしたマグネット体2のホルダ1へのきつめの挿着、さらに下穴73に筒外径部111が締め付けられて螺着するので、マグネット体2がホルダ1から抜け出ることがない(
図8)。筒口径d1よりも直径d2を大きくしたマグネット体2をホルダ1に挿着し、外径が大きくなった筒外径部111の箇所まで、下穴73で締め付けることによって、下穴73に対してマグネット体2,ホルダ1の弛みがないからである。
加えて、実施形態2のようなホルダ1,栓体3を備えれば、ホルダ1に挿入した栓体先端部31を進出させマグネット体底面21に当てることによって、マグネット体2は筒内15の位置が定まるので、厚みを薄くした円板状マグネット体2でも用いることができる。高価なレアアースを含有するマグネット体2が厚みの薄いもので足りる場合、低コスト化に貢献する。
【0026】
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。ホルダ1,マグネット体2,栓体3,下型6,上型7,インサート部材8,テープ片9等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。発泡成形型Tはクッションパッド用成形型に適用したが、勿論、他の発泡成形品の型に適用できる。