(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バルブ調整部は、前記第2の温度測定値に代えて前記第2の温度制御目標値を用い、前記第1の温度制御目標値と該第2の温度制御目標値とに基づいて、前記加熱制御と前記冷却制御のうちのいずれの制御を行なうべき状況にあるかを判定するものであることを特徴とする請求項2記載の燃料温度調節装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上掲の特許文献1,2は、燃料供給経路上に加熱手段と冷却手段との双方が備えられているため、燃料の加熱も冷却も自在である。しかしながら、加熱と冷却との2系統の温度制御手段を必要とし、その分、装置が大がかりとなり、またコストアップ要因となる。
【0006】
一方、それら2系統のうちの1系統のみ備えたときは、2系統を備えることと比べ、装置の大型化やコストアップを避けることができるものの、加熱制御あるいは冷却制御のうちの一方の制御しか行なうことができない。このため、燃料の温度を広範囲に調整して広い温度範囲における計測を行なうことができないという問題を生じさせる。
【0007】
ここで、燃料温度制御は1系統のみとし、加熱制御と冷却制御とを切り換える構成とすることが考えられる。しかしこの場合であっても、加熱制御と冷却制御とのいずれの制御が必要になるか予測不能な温度範囲で温度制御を行なう必要がある場合にどのように制御するかが問題となる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、1系統の温度制御であっても正確な制御が可能な燃料温度調節装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の燃料温度調節装置は、
燃料と熱交換用の液との間での熱交換により燃料の温度を調整して燃料の消費先であるエンジンに向けて燃料を送り出す熱交換器と、
上記液を貯留しその液を熱交換器との間で循環させる貯留槽と、
上記液の、貯留槽と熱交換器との間の循環路上に配備され、制御を受けて開度が調整され、液の熱交換器への供給流量を調整するバルブと、
熱交換器からエンジンに向けて送り出された燃料の温度を測定する第1の温度センサと、
貯留槽内の液の温度を測定する第2の温度センサと、
第1の温度センサで測定された第1の温度測定値が燃料の温度制御目標値である第1の温度制御目標値に近づくようにバルブの開度を制御する制御部とを備え、
上記制御部が、
第1の温度制御目標値と第1の温度測定値とに基づいて、熱交換器で燃料を加熱する加熱制御に対応したバルブの開度制御用の第1の制御値と、熱交換器で燃料を冷却する冷却制御に対応したバルブの開度制御用の第2の制御値との双方の制御値を生成する制御値生成部と、
第1の温度制御目標値と第2の温度センサで測定された第2の温度測定値とに基づいて、加熱制御と冷却制御のうちのいずれの制御を行なうべき状況にあるかを判定し、加熱制御を行なうべき状況にあるときは第1の制御値に基づいてバルブの開度を調整し、冷却制御を行なうべき状況にあるときは第2の制御値に基づいてバルブの開度を調整するバルブ調整部とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の燃料温度調節装置は、加熱制御を行なうべき状況にあるか冷却制御を行なうべき状況にあるかをモニタリングし、加熱制御/冷却制御を適応的に切り換える構成を有するため、温度制御系統が一系統であっても、正確な制御が可能である。
【0011】
ここで、上記本発明の燃料温度調節装置において、
上記貯留槽が、上記循環路とは異なる供給路を経由して送り込まれてきた、第1の温度制御目標値よりも低温の液の供給を受けるものであり、
上記供給路上に配備され、制御を受けて開度が調整されて液の貯留槽への供給流量を調整する第2のバルブと、
貯留槽内の液を暖めるヒータとを備え、
上記制御部が、第2の温度センサで測定された第2の温度測定値が液の温度制御目標値である第2の温度制御目標値に近づくように第2のバルブの開度とヒータによる加熱熱量との双方を制御する液温度制御部をさらに備えることが好ましい。
【0012】
このように、貯留槽内の液体の温度を一定に制御することにより、燃料の温度を一層高精度に調整することができる。
【0013】
ここで、上記の液温度制御部を備えた構成の場合、上記バルブ調整部は、第2の温度測定値に代えて第2の温度制御目標値を用い、第1の温度制御目標値と第2の温度制御目標値とに基づいて、加熱制御と冷却制御のうちのいずれの制御を行なうべき状況にあるかを判定するものであってもよい。
【0014】
上記の液温度制御部を備えた構成の場合、第2の温度測定値は第2の温度制御目標値にほぼ一致するため、第2の温度測定値に代えて第2の温度制御目標値を採用してもよい。
【0015】
また、本発明の燃料温度調節装置における、上記の液温度制御部を備えた構成において、上記制御部がさらに、
第2の温度制御目標値を第1の温度制御目標値に応じた初期目標値に設定するとともに、バルブ調整部に、第1のバルブの開度を所定の固定開度に調整させ、
第1の温度測定値が第1の温度制御目標値に対し所定の偏差以内に近づくまで第1の温度制御目標値と第1の温度測定値との間の差分に応じた値だけ第2の温度目標値の調整を繰り返し、
第1の温度測定値が第1の温度制御目標値に対し所定の偏差以内に近づいた時点で、第2の温度制御目標値をその時点における第2の温度制御目標値に固定するとともに、バルブ調整部に、第1のバルブの開度を、固定開度から、第1の制御値および第2の制御値のうちの一方の制御値に基づく開度調整に切り換えさせる液温度目標値演算部を備えることが好ましい。
【0016】
上記の液温度目標値演算部を備えると、第2の温度制御目標値、すなわち貯留槽内の液の温度制御目標値が、その時点における各種条件、例えば熱交換器に流入する燃料の温度や熱交換器から流出した燃料の温度制御目標値(第1の温度制御目標値)等に応じて自動的に適切に設定される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明した通り、本発明によれば、1系統にも拘らず正確な温度制御が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、一実施形態の燃料温度調節装置における燃料およびLLC(ロングライフクーラント;不凍液)の流れの系統図である。
【0021】
この
図1には、第1の熱交換器10、第2の熱交換器20、および第3の熱交換器30が示されている。またこの
図1には、第1のバルブ40と第2のバルブ50、第1の温度センサ60と第2の温度センサ70、恒温水タンク80、流量計90、およびエンジン100が示されている。恒温水タンク80には、ヒータ81が備えられている。
【0022】
燃料は、図示しない燃料タンク側から供給を受けて、第1の熱交換器10、流量計90、および第2の熱交換器20を経由し、第1の温度センサ60でその温度が測定されてエンジン100に供給される。このエンジン100は、例えば電子燃料噴射式エンジンなどのような、エンジンに向けて供給した燃料の一部が戻される、戻り(リターン)の燃料があるタイプのエンジンである。このエンジン100からの戻りの燃料は、第3の熱交換器30を通って第2の熱交換器20の入口側に戻り、第1の熱交換器10を通過してきた新たな燃料と合流して再び第2の熱交換器20を通過する。
【0023】
また、LLCは、LLCの供給路L1を通って恒温水タンク80に供給される。その供給路L1上には、第2のバルブ50が配置されている。この第2のバルブ50は、外部から開度を表わす制御信号の入力を受けて、その制御信号に応じた開度に制御される開度可変型のバルブである。供給路L1を通って恒温水タンク80に供給されるLLCは、例えば2℃〜3℃程度にまで十分に冷却されたLLCである。恒温水タンク80にはヒータ81が備えられており、この恒温水タンク80内に供給されたLLCは、所望の温度に暖められる。詳細は後述する。この恒温水タンク80内のLLCの温度は第2の温度センサ70により測定される。この恒温水タンク80内で所望の温度に調整されたLLCは、第1の熱交換器10、第2の熱交換器20、および第3の熱交換器30のそれぞれとの間で循環する。第1の熱交換器10との間、および第3の熱交換器30との間では、LLCはそれぞれ一定流量で循環する。これに対し、第2の熱交換器20との間では、その循環路L2上に第1のバルブ40が配置されていて、この第1のバルブ40の開度に応じた流量で循環する。この第1のバルブ40は、第2のバルブ50と同様、外部から開度を表わす制御信号の入力を受けて、その制御信号に応じた開度に制御される開度可変型のバルブである。この第1のバルブ40は、本実施形態では、恒温水タンク80と第2の熱交換器20との間のLLCの循環路L2のうちの、LLCが恒温水タンク80から第2の熱交換器20に向かう往路上に配置されている。ただし、この第1のバルブ40は、LLCが第2の熱交換器20から恒温水タンク80に戻る復路上に配置されていてもよい。
【0024】
恒温水タンク80内には常に一定量のLLCが満たされており、その一定量を越えるLLCは排水路L3から排水される。
【0025】
この燃料温度調節装置の役割りは、第1の温度センサ60で測定される燃料の温度を目標温度に一致させることである。
【0026】
図示しない燃料タンク側から供給されてきた燃料は、第1の熱交換器10により、目標温度に近づくようにその温度が調節される。この第1の熱交換器10は、第2の熱交換器20の温度調節の負担を減らし第2の熱交換器20で燃料の温度を高精度に微調節させるための粗調節用のものである。
【0027】
第1の熱交換器10により温度の粗調節が行なわれた燃料は、流量計90を通り、そこを流れる燃料の流量が計測される。この流量計90は、容積式流量計であって、温度が大きく異なると体積変化により計測流量に誤差が生じるが、ここでは目標温度にほぼ近づいた温度状態にある燃料の流量が計測されるため、高精度な流量計側、すなわち高精度な燃費計測が可能である。
【0028】
この流量計90を通過した燃料は、今度は第2の熱交換器20によりその温度が微調節される。この微調節は第1のバルブ40の開度を調節することにより達せられる。詳細は後述する。この第2の熱交換器20を通り過ぎた燃料は、第1の温度センサ60によりその温度がモニタリングされてエンジン100に供給される。
【0029】
エンジン100からの戻りの燃料は、そのエンジン100により暖められているため第3の熱交換器30でその温度が粗調節され、第1の熱交換器10で温度の粗調節を受けた燃料と合流し、第2の熱交換器20で再び微調節されてエンジン100に供給される。
【0030】
ここで、燃料の温度調節の点から言うと、第1の熱交換器10および第3の熱交換器30は、第2の熱交換器20の負担を減らして第2の熱交換器20により高精度な温度調節を担わせるためのものである。したがって第1の熱交換器10および第3の熱交換器30は、第2の熱交換器20としてさらに大容量の熱交換器を採用することなどにより必ずしも設置する必要のない熱交換器である。
【0031】
すなわち、第2の熱交換器20が本発明の必須要件である熱交換器の一例に対応する熱交換器である。また
図1に示す恒温水タンク80が本発明にいう貯留槽の一例に対応する。
【0032】
図2は、本実施形態の燃料温度調節装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【0033】
この制御部200の、全体としての役割りは、
図1に示す第1の温度センサ60による燃料の温度測定値(T1測定値)を燃料の温度制御目標値(T1目標値)に一致させるように、第1のバルブ40の開度を調節することにある。
【0034】
この制御部200は、制御値生成部210と、バルブ調整部220と、恒温水温度制御部230と、恒温水温度目標値演算部240を有する。
【0035】
制御値生成部210は、第1の温度センサ60による燃料の温度測定値(T1測定値)をモニタし、また温度制御目標値(T1目標値)の設定を受け、PID制御により、T1測定値がT1目標値に近づくように第1のバルブの開度の制御値を生成する。
【0036】
ここで、例えばT1測定値がT1目標値を上回っていたとき、燃料を冷却する冷却制御のときは第1のバルブ40の開度を少し上げることにより第2の熱交換器20での冷却能力を上げることになる。一方、T1測定値がT1目標値を上回っているという同じ条件下であっても、燃料を加熱する加熱制御のときは、第1のバルブ40の開度を少し下げることにより第2の熱交換器20での加熱能力を下げることになる。すなわち、T1測定値とT1目標値との関係が同じであっても、冷却制御のときと加熱制御のときとでは、第1のバルブ40をさらに開く方向に動かすか閉じる方向に動かすかが異なることになる。
【0037】
そこで、制御値生成部210では、加熱制御に対応した第1のバルブ40の開度と、冷却制御に対応した第1のバルブ40の開度との双方が求められる。例えば、T1測定値がT1目標値を上回っていたときは、第1のバルブ40の開度がそれまで例えば52%だったとき、加熱制御用の制御値として、第2の熱交換器20における加熱能力を少し下げるために、第1のバルブ40の開度を例えば50%に下げるように、開度50%に対応した加熱制御値が生成される。またこれと同様に、制御値生成部210では、冷却制御用の制御値として、第2の熱交換器20における冷却能力を少し上げるために、第1のバルブ40の開度を例えば54%に上げるように、開度54%に対応した冷却制御値が生成される。
【0038】
この制御値生成部210で生成された加熱制御値および冷却制御値は、バルブ調整部220に入力される。
【0039】
図3は、バルブ調整部220の内部構成を示すブロック図である。
【0040】
このバルブ調整部220は、比較部221と、第1の切換部222と、第2の切換部223とを有する。
【0041】
制御値生成部210で生成されてこのバルブ調整部220に入力されてきた加熱制御値と冷却制御値との双方が、第1の切換部222に入力される。
【0042】
比較部221では、T1目標値と、第2の温度センサ70で測定された恒温水タンク80内のLLCの温度測定値(T2測定値)との値の大小が比較される。そして、
T1目標値>T2測定値
のときは、冷却制御を行なうべき状況にあると判定されて、その判定結果を表わす制御信号S1が第1の切換部222に入力される。このときは、第1の切換部222は、制御値生成部210で生成されて入力されてきた加熱制御値と冷却制御値のうちの冷却制御値を第1のバルブ40の開度を制御する制御値とし、その制御値を表わす制御信号(V1開度)を出力する。第1のバルブ40は、この制御信号に基づいてその開度が調整され、恒温水タンク80と第2の熱交換器20との間で循環するLLCの流量が調整される。一方、
T1目標値<T2測定値
のときは、比較部221では、加熱制御を行なうべき状況にあると判定されて、その判定結果を表わす制御信号S1が第1の切換部222に入力される。このときは、第1の切換部222は、加熱制御値と冷却制御値のうちの加熱制御値を第1のバルブ40の開度を制御する制御値とし、その制御値を表わす制御信号(V1開度)を出力する。
【0043】
このようにして第1の切換部222から出力された加熱制御値又は冷却制御値は、次に第2の切換部223に入力される。また、この第2の切換部223には、
図2に示す恒温水温度目標値演算部240から出力され、バルブの固定開度(例えばバルブ開度50%)を表わすV1初期制御値も入力される。この第2の切換部223は、これも同じく恒温水温度目標値演算部240から出力される固定/制御切替信号S2により切り替えられ、このバルブ調整部220からは、第1の切換部222で切り換えられた後の、加熱制御値又は冷却制御値、あるいはV1初期制御値を表わす制御信号(V1開度)が出力される。第1のバルブ40は、この制御信号に基づいてその開度が調整され、恒温水タンク80と第2の熱交換器20との間で循環するLLCの流量が調整される。
【0044】
図2に示す制御部200の説明に戻る。
【0045】
図2に示す制御部200を構成する恒温水温度制御部230は、恒温水タンク80内のLLCの温度制御を担っている。
【0046】
ここには、第2の温度センサ70で測定された、恒温水タンク80内のLLCの温度(T2測定値)が入力されるとともに、恒温水タンク80内のLLCの目標温度(T2目標値)が設定される。本実施形態では、このT2目標値は、恒温水温度目標値演算部240での演算により求められる。詳細は後述する。恒温水温度制御部230では、T2測定値がT2目標値に一致するように、第2のバルブ50の開度(V2開度)とヒータ81に流す電流値(ヒータ電流)がPID制御される。
【0047】
本実施形態の燃料温度調節装置を使って燃料の温度制御を行なうにあたっては、本実施形態では、恒温水温度目標値演算部240により、以下のようにして、恒温水タンク80(
図1参照)内の恒温水の温度制御目標値(T2目標値)が求められる。
【0048】
図4は、恒温水温度目標値演算部240における、T2目標値を求めるための演算内容を示すフローチャートである。
【0049】
ここでは先ず、制御の初回であることを表わす初回フラグをオンにし(ステップS11)、
図3に示す第2の切換部223を例えばバルブ開度50%に固定されたV1初期制御値側に切り換えるための固定/制御切替信号S2を出力する。すると、バルブ調整部220からは例えばV1開度50%を表わす制御信号が出力され、第1のバルブ40が開度50%に調整される(ステップS12)。
【0050】
また、このステップS12ではさらに、恒温水の温度制御目標値(T2目標値)が燃料の温度制御目標値(T1目標値)に応じた値、ここに示す例ではT1目標値と同一の値に初期設定される。
【0051】
その後、恒温水の温度測定値であるT2測定値が、現在設定されているT2目標値に安定的に一致するまで待機する(ステップS13)。
【0052】
ここで、安定的に一致するとは、T2測定値がT2目標値に対し所定時間以上所定の微小偏差以内にとどまった状態にあることをいう。T2測定値がT2目標値に安定的に一致すると、さらに、燃料温度の測定値であるT1測定値が安定するまで待機する(ステップS14)。T1測定値が安定するとは、T1測定値の変動幅があらかじめ定められた所定の変動幅以内に所定時間以上とどまった状態にあることをいう。
【0053】
T1測定値が安定すると、次にT1目標値とT1測定値の相違の絶対値|T1目標値−T1測定値|が一例として0.1℃未満であるか否かが判定される(ステップS15)。ここでは、T1測定値をT1目標値に対し±0.1℃以内に調整する例を挙げている。
【0054】
ステップS15で絶対値|T1目標値−T1測定値|が0.1℃未満ではない、と判定されると、T2目標値が、それまでのT2目標値に、(T1目標値−T1測定値)を加えた値に変更され(ステップS16)、ステップS13〜S15が繰り返される。
【0055】
ステップS15で絶対値|T1目標値−T1測定値|が0.1未満であると判定されると、ステップS17に進んで初回フラグがオンか否かが判定される。初回フラグがオンのときは、初回フラグをオフにした上で(ステップS18)、バルブ調整部220に、第2の切換部223を第1の切換部222側に切り換えるための固定/制御切替信号S2を出力する。これにより第1のバルブ40が、固定開度(例えば開度50%)から制御値生成部210で生成された加熱制御値又は冷却制御値に応じた開度に調整される(ステップS19)。
【0056】
ここまでのステップで今回のT2目標値が求められる。その後エンジン100(
図1参照)の燃費等の計測が行なわれる。本実施形態では、その計測を行なっている間も、絶対値|T1目標値−T1測定値|が0.1℃未満を保っているか否かがモニタされる(ステップS20)。絶対値|T1目標値−T1測定値|が0.1℃未満という条件から外れたときは、ステップS16と同様、T2目標値が、それまでのT2目標値に(T1目標値−T1測定値)を加えた値に変更され(ステップS21)、ステップS13以降の各ステップの処理が繰り返される。ただし、この場合、初回フラグはオフになっているため、ステップS18,S19はスキップされ、第1のバルブ40は、加熱制御値又は冷却制御値に応じた開度に調整され続ける。
【0057】
ただし、ステップS20からステップS21に進むのは、T1測定値が多少変動して絶対値|T1目標値−T1測定値|<0.1℃を少し外れた場合であって、T1目標値が別な目標値に再設定された場合は、ステップS11から新たな初期設定が開始される。
【0058】
尚、本実施形態では、恒温水温度目標値演算部240を備えて
図4に示すフローチャートに沿った演算によりT2目標値を求めているが、この恒温水温度目標値演算部240を備えることは必ずしも必要ではなく、
図4のフローチャートと同様の調整をオペレータが行なうことによってT2目標値を求めてもよい。
【0059】
本実施形態では、上記の通り、T1目標値とT2測定値との値の大小に応じて加熱制御と冷却制御とを切り換えているため、燃料の温度調節系統は1系統であるにも関わらず加熱制御と冷却制御とが適応的に切り換えられ、正確な温度制御が行なわれる。
【0060】
なお、本実施形態では、加熱制御と冷却制御との切り換えを、T1目標値とT2測定値との値の大小に応じて行なっているが、T2測定値はT2目標値に一致するように制御されているため、T2測定値に代えてT2目標値を採用しても同様に正確な温度制御が行なわれる。
【0061】
次に、
図1〜
図4に示す実施形態における、エンジン100への供給燃料の温度安定性測定結果を説明する。
【0062】
図5は、T1目標値を5℃、許容制御温度範囲を±0.1℃に設定したときの供給燃料の温度安定性を示した図である。
【0063】
このとき、エンジン100に供給される燃料温度(T1測定値)は5℃±0.1℃の範囲内にある必要がある。ここでは、時間[s]の経過に従って燃料の流量を段階的に変化させたときの温度変動を観測している。具体的には、燃料流量を、10[L/h]から100[L/h]に段階的に上昇させ、その後、100[L/h]から10[L/h]まで段階的に下降させている。この
図5に示すように、流量をこのように変化させても燃料の温度は、5℃±0.1℃以内に安定していることが分かる。
【0064】
図6は、T1目標値を30℃、許容制御温度範囲を±0.2℃に設定したときの供給燃料の温度安定性を示した図である。
【0065】
このときは、エンジン100に供給される燃料の温度は許容温度30℃±0.2℃以内に制御される必要がある。
【0066】
図5の場合と同様に流量を段階的に変化させても、燃料温度は許容温度範囲30℃±0.2℃以内に安定的に制御されている。
【0067】
図7は、T1目標値を55℃、許容制御温度範囲を±0.3℃に設定したときの供給燃料の温度安定性を示した図である。
【0068】
このときは、エンジン100に供給される燃料の温度は、許容温度55℃±0.3℃以内に制御される必要がある。燃料の流量を10[L/h]から100[L/h]まで段階的に変化させても、燃料の温度は許容温度範囲55℃±0.3℃以内に安定的に制御されている。