(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871799
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】緩衝及び/又は減速のための装置
(51)【国際特許分類】
E05D 7/086 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
E05D7/086
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-527203(P2012-527203)
(86)(22)【出願日】2010年8月30日
(65)【公表番号】特表2013-503988(P2013-503988A)
(43)【公表日】2013年2月4日
(86)【国際出願番号】DE2010001012
(87)【国際公開番号】WO2011026466
(87)【国際公開日】20110310
【審査請求日】2013年8月28日
(31)【優先権主張番号】102009039559.8
(32)【優先日】2009年9月1日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509060143
【氏名又は名称】ギュンター ツィマー
【氏名又は名称原語表記】Guenther Zimmer
(73)【特許権者】
【識別番号】509060154
【氏名又は名称】マルティン ツィマー
【氏名又は名称原語表記】Martin Zimmer
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100112793
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳大
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100128679
【弁理士】
【氏名又は名称】星 公弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 秀一
(74)【代理人】
【識別番号】100156812
【弁理士】
【氏名又は名称】篠 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100167852
【弁理士】
【氏名又は名称】宮城 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター ツィマー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ツィマー
【審査官】
家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3129172(JP,U)
【文献】
特表2008−530410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 1/00− 9/00
E05F 1/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
緩衝及び/又は減速のための装置(10)であって、ハウジング(20)と、該ハウジング(20)内において案内される押圧部材(50)と、ハウジング(20)及び押圧部材(50)内に配置されたシリンダピストンユニット(40)とが設けられており、装置(10)が、1つの載設面(15)と少なくとも2つの貫通孔(13;14)とを備えた固定フランジ(11)を有している形式のものにおいて、
固定フランジ(11)は、載設面(15)に対して少なくともほぼ垂直に方向付けられていて互いに間隔をおいて位置する少なくとも2つのガイド面(34,35)を有しており、
該ガイド面(34,35)は受容部(32)を複数の側において画定しており、
両ガイド面(34,35)は受容部(32)の内面であって、装置(10)の中心軸線(18)の方向で互いに離間して向かい合っており、両ガイド面(34,35)の一方の少なくとも1つのガイド面(35)が、ハウジング(20)に一体成形されていて該ハウジング(20)から突出しているセンタリングピン(33,36)に設けられており、少なくとも2つの貫通孔(13;14)が受容部(32)の外に配置されていて、載設面(15)を貫通していることを特徴とする、緩衝及び/又は減速のための装置(10)。
【請求項2】
受容部(32)は、ハウジング(20)の端面側の開口(25)の側部に、装置(10)の中心軸線(18)を含む鉛直な長手方向中心平面に対して横方向で互いに間隔をおいて位置する2つのセンタリングピン(33,36)を有している、請求項1記載の装置(10)。
【請求項3】
押圧部材(50)は、シリンダピストンユニット(40)のシリンダ(41)に組み込まれている、請求項1記載の装置(10)。
【請求項4】
ヒンジカップ(6)と請求項1記載の装置(10)とを備えたヒンジ(1)であって、すべてのセンタリングピン(33,36)がヒンジカップ(6)内に係合することを特徴とするヒンジ(1)。
【請求項5】
受容部(32)はヒンジカップ(6)の縁部(7)を取り囲んでいる、請求項4記載のヒンジ(1)。
【請求項6】
請求項4記載のヒンジ(1)を備えた家具であって、ヒンジ(1)は家具本体と、該家具本体に対して旋回可能なドアリーフとを結合していることを特徴とする家具。
【請求項7】
緩衝及び/又は減速のための装置(10)は、貫通孔(13;14)を貫通する固定手段を用いてドアリーフに固定されている、請求項6記載の家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緩衝及び/又は減速のための装置であって、ハウジングと、該ハウジング内において案内される押圧部材と、ハウジング及び押圧部材内に配置されたシリンダピストンユニットとが設けられており、該シリンダピストンユニットが、1つの載設面と少なくとも2つの貫通孔とを備えた固定フランジを有している形式のものに関する。
【0002】
WO2005/088052A1に基づいて、ヒンジカップに装着可能な緩衝装置が公知である。2つのねじを用いてヒンジカップと緩衝装置とは一緒に、例えば家具のドアに固定される。緩衝装置を後から取り付ける場合には、ヒンジカップの固定ねじを緩めるか、又は付加的な孔をヒンジカップフランジに形成することが必要である。
【0003】
ゆえに本発明の課題は、後から取り付けることができる緩衝装置を改良して、種々様々な構造形態のヒンジに迅速かつ正確に配置することができる緩衝装置を提供することである。
【0004】
この課題は、請求項1の特徴部記載の構成によって解決された。すなわち本発明の構成では、冒頭に述べた形式の装置において、固定フランジは、載設面に対して少なくともほぼ垂直に方向付けられていて互いに間隔をおいて位置する少なくとも2つのガイド面を有しており、該ガイド面は受容部を複数の側において画定しているようにした。
【0005】
本発明の別の有利な構成は、請求項2以下に記載されている。
【0006】
次に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】緩衝装置を備えたヒンジを示す斜視図である。
【
図2】
図1に示したヒンジの一部を断面して示す縦断面図である。
【
図6】2つのセンタリングピンを備えたヒンジを示す斜視図である。
【
図7】2つのセンタリングピンを備えた緩衝装置を下から見て示す斜視図である。
【0008】
図1には、緩衝及び/又は減速のための装置10を備えたヒンジ1が斜視図で示されており、
図2には、緩衝装置10を備えたこのようなヒンジ1の一部が縦断面図で示されている。
【0009】
図1及び
図2に示されたヒンジ1はカップヒンジ(Topfscharnier)1である。このカップヒンジ1は2つのヒンジアーム2,3を有しており、両ヒンジアームのうちの一方のヒンジアーム2は例えば家具の家具本体に固定され、他方のヒンジアーム3は家具の旋回可能なドアに固定されている。両ヒンジアーム2,3は2つのヒンジレバー4,5を用いて互いに枢着結合されている。開放した終端位置と閉鎖された終端位置とによって画定された、ヒンジ1の旋回角は、図示の実施形態では110°である。家具の本体に固定可能なヒンジアーム2は、
図1では取付けアーム2である。ドアリーフに固定可能なヒンジアーム3は、フランジ8を備えたヒンジカップ(Scharniertopf)6を有している。
【0010】
緩衝装置10は
図3において分解図で示されている。この緩衝装置10はハウジング20、シリンダピストンユニット40及び押圧部材50を有している。この緩衝装置10は、1つのガイドピン33と2つのガイド面34,35とを有する受容部32を用いて、ヒンジカップ6においてセンタリングされていて、固定フランジ11を用いて例えばヒンジカップ6の外側において、家具の旋回可能なドアリーフにおいて固定可能である。緩衝装置10はしかしながらまたヒンジ1に固定されていてもよい。
【0011】
緩衝装置10は図示の実施形態では最大で50mmの全長と、固定フランジ11の領域において45mmの幅とを有している。ハウジング20に対する押圧部材50の行程は例えば12mmである。
【0012】
図4に単独で示されているハウジング20は、例えば熱可塑性材料から成る射出成形品である。しかしながらまたハウジング20を、アルミニウム又はアルミニウム合金から製造することも可能である。ハウジング20は下方及び前側面22に向かって開放する半卵形の内室21を有している。この内室21の壁23は、互いに向かい合って位置する2つのガイド溝24を有している。両ガイド溝24は前側面22に隣接している。ガイド溝24の長さは例えば25mmであり、高さは1.3mmである。ガイド溝24は例えば1mmの深さを有している。内壁23の互いに向かい合って位置する領域26,27の間隔は、図示の実施形態では12mmである。
【0013】
ハウジング20の閉鎖された背壁28は、内室21に向かって方向付けられたカップ状の受容凹部29と補強リブ31とを有している。
【0014】
ハウジング20は貫通された底板38を有しており、この底板38は、受容部32と、ハウジング20に一体成形されていて該ハウジング20から突出しているガイドピン33とを有している。図示の実施形態において受容溝32として形成された受容部32は、装置10の鉛直な長手方向中心平面に対して垂直に配置されている。鉛直な長手方向中心平面は、載設面15に対して垂直に配置されていて、中心軸線18を有している。受容溝32は、中心軸線18の方向で測定して、ヒンジカップ6の縁部7よりも例えば6%だけ長い(
図2参照)。取り付けられた状態において受容溝32は、少なくとも部分的に縁部7を取り囲んでいる。センタリングピンに向かって方向付けられていて載設面15に対して垂直に方向付けられた、受容溝32の内面は、ガイド面34を形成している。
【0015】
ガイドピン33は受容溝32を画定していて、例えば緩衝装置10の載設面15と同一平面を成している。図示の実施形態においてガイドピン33は、少なくともほぼ直方体形状をしていて、装置10の鉛直な長手方向中心平面に対して垂直にかつ載設面に対して垂直に方向付けられたガイド面35を備えている。しかしながらまたガイドピン33は、真円形、卵形又は楕円形の横断面をもつ円筒体の形状を有することもできる。このような構成ではガイド面35は、ガイドピン33の周面の、受容部32に向けられた部分である。少なくともガイドピン33の、ヒンジカップ6の背壁9に向けられたガイド面35は、斜めに形成されていてもよく、このように構成されていると、ガイドピン33のヘッド横断面は、底板38に移行する基部横断面よりも小さい。両方のガイド面34,35は少なくともほぼ互いに逆向きに方向付けられている。すなわち、両ガイド面34,35の鉛直方向ベクトルは、逆方向を指しており、個々の鉛直方向ベクトルはこの方向から30°までの角度だけ偏位することができる。
【0016】
中心軸線18の方向における底板38の長さは、図示の実施形態ではハウジング20の長さの半分に相当している。底板38はさらに固定フランジ11を有しており、この固定フランジ11は
図3及び
図4の実施形態では4つの貫通孔13,14を有している。2つの貫通孔13は、受容溝32の延長上に位置していて、他の2つの貫通孔14は例えば緩衝装置10の長手方向においてずらされて受容溝32の外に位置している。貫通孔13は例えば材料を減じるために役立つ。緩衝装置10はしかしながらまた例えば、貫通孔13に挿入されるねじを用いて、ヒンジ1に又はヒンジ1の外側においてドアリーフに固定することができる。貫通孔14に挿入された2つのねじを用いて、緩衝装置10は家具に固定することができる。
【0017】
押圧部材50は、片側が開放したカップ形状の部材である。
図5には押圧部材50が単独で示されている。押圧部材50は例えば、長手方向軸線58の方向に方向付けられた長さを有していて、この長さは例えばガイド溝24の長さの95%に相当している。押圧部材50の壁厚は例えば1mmである。押圧部材50の周面51は、長手方向に方向付けられた2つのガイドレール52を有しており、両ガイドレール52は開口53に隣接している。両ガイドレール52の高さは、例えば0.7mmであり、長さは押圧部材50の長さの半分である。押圧部材50の両ガイドレール52は、ハウジング20のガイド溝24内に位置している。このような大きなガイド長さに基づいて、ハウジング20内における押圧部材50の引っ掛かりが阻止される。ハウジング20内における押圧部材50の鉛直方向及び水平方向遊びは、例えばそれぞれ0.5mmである。これによって例えば、緩衝装置10の中心軸線18に対して2.4°の、押圧部材50の長手方向軸線58の最大傾斜位置が可能になる。
【0018】
押圧部材50の下側面54には長孔55が配置されている。この長孔55の長さは、図示の実施形態では押圧部材50の最大行程の4/3である。長孔55は例えば4mmの幅を有している。組み立てられた状態において長孔55は例えば、ハウジング内に配置されたストッパピン39と共に、行程制限装置を形成する。
【0019】
図示の実施形態において開口53とは反対側の端壁56は、中央区分57を有しており、この中央区分57は押圧部材50の長手方向軸線58に対して垂直に配置されている。この中央区分57の上側には、例えば該中央区分57に対して22°傾けられた傾斜区分59が接続している(
図2参照)。端壁56は下側領域に湾曲区分61を有している。端壁56はまた例えば凸面状に一軸又は二軸で湾曲されていても、1つの傾斜面を有していてもよい。端壁56の内壁62は受容凹部63を有している。
【0020】
ハウジング20の受容凹部29と押圧部材50の受容凹部63とは、シリンダピストンユニット40を保持している。シリンダピストンユニット40はシリンダ41とピストンとを有しており、このピストンは、シリンダ41から突出しているピストンロッド42と結合されている。例えばオイルを満たされたシリンダ41内において、例えば絞り弁を備えていてばね負荷されたピストンは、押し退け室を調整室(Ausgleichsraum)から画定している。シリンダ41は半径方向遊びをもって受容凹部29内に位置している。ピストンロッド42は受容凹部63に対して半径方向遊びを有している。ハウジング20及び押圧部材50に対するシリンダピストンユニット40の半径方向遊びは、例えばハウジング20に対する押圧部材50の遊びよりも大きい。シリンダピストンユニット40は逆に、緩衝装置10内に組み込まれていてもよい。
【0021】
緩衝装置10を組み立てるためには例えば初めにシリンダピストンユニット40がハウジング20内に挿入される。その後で押圧部材50が挿入されて、ストッパピンにおいて係止される。組立ては別の順序で行うこともできる。
【0022】
緩衝装置10は従って3つの部分、すなわちハウジング20、シリンダピストンユニット40及び押圧部材50から成っている。このようにして緩衝装置10は安価に製造することができ、かつ特殊な工具なしに自動化されて組立て可能である。
【0023】
押圧部材50とシリンダピストンユニット40のシリンダ41とを、共通の部材として形成することも可能である。この場合例えば長孔55は、シリンダ周壁の、長手方向軸線58の方向に方向付けられた卵形の切欠きである。ピストンロッド42はこの実施形態ではハウジング20内に支承されている。そしてこの場合には緩衝装置10は単に2つの部分から成っている。
【0024】
組み立てられた緩衝装置10は、載設面15で例えばドアリーフに装着することができる。この場合緩衝装置10は、受容部32のガイド面34を用いてヒンジカップ6の縁部7に合わせられる。さらにガイドピン33はヒンジカップ6に係合する。ガイドピン33のガイド面35は、ヒンジカップ6の背壁9に接触していてもよいし、又は例えば該背壁9から例えば1mmまでの間隔を有していてもよい。従ってガイドピン33は、ヒンジ1に対する緩衝装置10の位置を決定するセンタリングピン33として働く。ヒンジ1に対する緩衝装置10のずれ又は旋回は、設置誤差を除いて、阻止される。これにより受容部32は、該受容部32を複数の側において画定するガイド面34,35で、ヒンジカップ6の縁部7を取り囲む。緩衝装置10は例えば、貫通孔14を貫通するねじを用いて、ドアリーフに固定される。
【0025】
家具ドアリーフの閉鎖時に、両ヒンジアーム2,3は相対的に旋回する。押圧部材50は取付けアーム2に接近する。押圧部材50が取付けアーム2又は外側のジョイントレバー4に接触するやいなや、押圧部材50は押し込まれる。この際に押圧部材50は取付けアーム2又は外側のジョイントレバー4に沿って下方に滑動する。押圧部材50は、ヒンジ1の閉鎖された終端位置に隣接する旋回角にわたって、ピストンを備えたピストンロッド42を押し込む。この際に長孔55は、ストッパピン39に対して移動する。場合によって偏心的な力が作用するような場合には、ガイド溝24及びガイドレール52が横方向力成分を受け止め、これによりシリンダピストンユニット40はただ1つの方向で、ピストンロッド42に対して平行に負荷、つまり押圧される。これによってピストンロッドシール部材が、シリンダピストンユニット40のシール性を損なうおそれのある横方向力を受けることはなくなる。ピストンの走入時には、例えば液圧媒体又は空圧媒体が絞られて押し退けられ、ドアリーフの速度が減速させられる。この減速作用は例えば、旋回角速度が高くなればなるほど、大きくなる。シリンダピストンユニット40に伝達される力は、ハウジング20へと導かれ、このハウジング20から固定フランジ11を介して家具ドアに導出される。
【0026】
ドアの開放時には、押圧部材50は取付けアーム2又は外側のジョイントレバー4から解離する。例えば、シリンダ41内に配置されたばねが、ピストンをピストンロッド42及び押圧部材50と共に外方に向かって押圧する。長孔55はこの際にストッパピン39に沿って、該長孔55の後縁部64がストッパピン39に当接するまで、移動する。そしてストッパピン39は押圧部材50のさらなる走出を阻止する。これによってストッパピン39は緩衝装置10の走出された位置のためのストッパを形成する。
【0027】
緩衝装置10は、縁部7が中心軸線18の方向において該中心軸線18の方向で測定された受容部32の長さよりも短く形成された、すべてのカップヒンジ1に配置することができる。
【0028】
図6には、緩衝装置10を備えたヒンジ1の別の実施形態が示されている。ヒンジカップ6は例えば、切欠きを備えた背壁9を有している。緩衝装置10は2つのセンタリングピン33,36を有しており、両センタリングピン33,36は、ハウジング20の端面側の開口25の側部に配置されている。両センタリングピン33,36は例えば押圧部材50の端壁56の方向において3mm突出している。載設面15に対して垂直な方向におけるセンタリングピン33,36の長さは、第1実施形態におけるセンタリングピン33の長さに相当している。
【0029】
図7には、偏心的な2つのセンタリングピン33,36を備えた受容部32と共に、緩衝装置10を下から見て示す斜視図である。ハウジング20内にはシリンダピストンユニット40が支承されている。シリンダ41は半径方向遊びをもって受容凹部29内に位置している。ピストンロッド42は押圧部材50内に支承されている(
図2参照)。
【0030】
押圧部材50はハウジング20のガイド溝24内において中心軸線18の方向で移動可能に支承されている。押圧部材50はその下側面54に長孔55を有しており、この長孔55には、ハウジング20内に組み込まれたストッパピン39が係合している。
【0031】
緩衝装置10の固定フランジ11は、4つの貫通孔13;14を有しており、これらの貫通孔のうちの2つの貫通孔13は受容溝32内に配置され、かつ他の2つの貫通孔14は受容溝32の外に配置されている。
【0032】
緩衝装置10の組立て及び取付けは、上に述べたように行われる。取付け後に緩衝装置10はドアリーフの側に、例えばカップヒンジ1に配置されている。
【0033】
受容部32及びセンタリングピン33は、ヒンジカップ6の、背壁9に隣接した縁部7を形状結合式(formschluessig)に取り囲んでいる。これによって緩衝装置10は適合作業なしにヒンジ1に装着することができる。図示の実施形態では、両センタリングピン33,36は取付け後にヒンジカップ6の外側領域に位置している。この緩衝装置10は従って、取付けアーム2がヒンジ1の内方旋回させられた状態においてヒンジカップ6の長さを中心軸線18の方向において90%よりも多く満たすようになっているカップヒンジ1のために、使用することができる。もちろんこの緩衝装置10は、他の構造形式のカップヒンジ1のためにも使用することができる。
【0034】
受容部32はヒンジカップ6の縁部7を外側において取り囲んでいる。そのために受容部32は例えば3つのガイド面を有しており、そのうちの1つのガイド面は例えば、第1実施形態におけるガイド面34のように配置されている。他の2つのガイド面は、ヒンジ1の長手方向に方向付けられた縁部領域において互いに対向して位置するように配置されている。
【0035】
上に述べた緩衝装置10の代わりに、操作時に例えば空気が押し退け室から周囲に押し退けられるようになっている減速装置を使用することも可能である。このような減速装置の戻し運動は例えばばねを用いて行われる。
【0036】
緩衝及び/又は減速のための装置10は、例えばスライドドア又は旋回ドアのような相対的に運動する2つの部分の開放された終端位置においても配置することができる。
【0037】
種々様々な実施形態の組合せもまた可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 ヒンジ、カップヒンジ、 2 ヒンジアーム、取付けアーム、 3 ヒンジアーム、 4 外側のジョイントレバー、 5 内側のジョイントレバー、 6 ヒンジカップ、 7 ヒンジカップ6の縁部、 8 フランジ、 9 背壁、 10 緩衝及び/又は減速のための装置、 11 固定フランジ、 13 貫通孔、 14 貫通孔、 15 平らな載設面、 18 中心軸線、 20 ハウジング、 21 内室、 22 前側面、 23 壁、内壁、 24 ガイド溝、 25 開口、 26 壁23の領域、 27 壁23の領域、 28 背壁、 29 受容凹部、 31 補強リブ、 32 受容部、受容溝、 33 ガイドピン、センタリングピン、 34 ガイド面、 35 ガイド面、 36 ガイドピン、センタリングピン、 38 底板、 39 ストッパピン、 40 シリンダピストンユニット、 41 シリンダ、 42 ピストンロッド、 50 押圧部材、 51 周面、 52 ガイドレール、 53 開口、 54 下側面、 55 長孔、 56 端壁、 57 中央区分、 58 長手方向軸線、 59 傾斜区分、 61 湾曲区分、 62 内壁、 63 受容凹部、 64 長孔55の後縁部