特許第5871808号(P5871808)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5871808マルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーション装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871808
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】マルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーション装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04J 99/00 20090101AFI20160216BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20160216BHJP
   H04J 11/00 20060101ALI20160216BHJP
   H04W 28/16 20090101ALI20160216BHJP
   H04B 7/04 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   H04J15/00
   H04W16/28
   H04J11/00 Z
   H04W28/16
   H04B7/04
【請求項の数】26
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-536697(P2012-536697)
(86)(22)【出願日】2010年10月29日
(65)【公表番号】特表2013-509793(P2013-509793A)
(43)【公表日】2013年3月14日
(86)【国際出願番号】KR2010007569
(87)【国際公開番号】WO2011053066
(87)【国際公開日】20110505
【審査請求日】2013年8月14日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0104165
(32)【優先日】2009年10月30日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2009-0133743
(32)【優先日】2009年12月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】シュアンフェン・ハン
(72)【発明者】
【氏名】チ−ウ・リム
【審査官】 岡 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/034577(WO,A1)
【文献】 特表2008−519566(JP,A)
【文献】 特表2007−510390(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0206504(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0232113(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0064823(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0281624(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0190687(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0046693(US,A1)
【文献】 水谷 圭一 他,マルチユーザMIMOプリコーディングにおけるチャネル情報取得方法とその特性比較,電子情報通信学会技術研究報告,2008年 2月27日,Vol.107, No.518,pp.335-340,RCS2007-242
【文献】 Jian Liu et al.,A novel and low-cost analog front-end mismatch calibration scheme for MIMO-OFDM WLANs,Radio and Wireless Symposium, 2006 IEEE,2006年 1月19日,pp.219-222
【文献】 Jian Liu et al.,OFDM-MIMO WLAN AP front-end gain and phase mismatch calibration,Radio and Wireless Conference, 2004 IEEE,2004年 9月22日,pp.151-154
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
H04B 7/04
H04J 11/00
H04W 16/28
H04W 28/16
IEEE Xplore
CiNii
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーションを行う端末の動作方法において、
多重基地局協調処理(Multi−BS Joint Processing)の間に多重基地局キャリブレーション(multi BS calibration)を支援するための制御メッセージを受信する過程と、
前記制御メッセージを用いて、アップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスを伝送する過程と、を含み、
前記アップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスは前記サウンディングシーケンスに前記多重基地局協調処理を行う複数の基地局のダウンリンクチャネルの位相(phase)シフトがマッピングされたシーケンスであることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記アップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスを伝送する過程は、
サウンディングシーケンスを含む複数のサウンディングサブフレームと前記多重基地局協調処理を行う基地局をマッピングする過程と、
前記それぞれのサウンディングサブフレームに対応するサブサウンディングシーケンスに該当基地局のダウンリンクチャネルの位相(phase)を適用してサブキャリブレーションサウンディングシーケンスを生成する過程と、
前記それぞれのサブキャリブレーションサウンディングシーケンスを該当サウンディングサブフレームを介して伝送する過程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サウンディングサブフレームの個数と前記多重基地局協調処理を行う基地局の個数とは一対一にマッピングされる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記多重基地局協調処理を行う基地局のダウンリンクチャネルをそれぞれ推定する過程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基地局のダウンリンクチャネルは該当基地局が伝送するプリアンブル又はミッドアンブルに基づいて推定される請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記マルチセル多重入出力伝送はCL−MD(Closed Loop Marco Diversity)及びCo−MIMO(Collaborative MIMO)のいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記マルチアンテナシステムはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)/OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)に基づくことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
マルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーションを行う基地局の動作方法において、
多重基地局協調処理(Multi−BS Joint Processing)の間に、多重基地局キャリブレーション(multi BS calibration)を支援するための制御メッセージを、少なくとも一つ以上の端末に伝送する過程と、
前記少なくとも一つ以上の端末から、アップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスを受信する過程と、
前記受信されたアップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスの位相を用いて、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルの位相の不一致(mismatch)を補償する過程と、を含み、前記アップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスは前記サウンディングシーケンスに前記多重基地局協調処理を行う複数の基地局のダウンリンクチャネルの位相(phase)シフトがマッピングされたシーケンスであることを特徴とする方法。
【請求項9】
前記アップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスは、
端末において、サウンディングシーケンスを含む複数のサウンディングサブフレームと前記多重基地局協調処理を行う基地局がマッピングされ、
前記それぞれのサウンディングサブフレームに対応するサブサウンディングシーケンスに該当基地局のダウンリンクチャネルの位相(phase)が適用されて生成され、
複数のサウンディングサブフレームを介して伝送される請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記サウンディングサブフレームの個数と前記多重基地局協調処理を行う基地局の個数とは一対一にマッピングされる請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記受信されたアップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスの位相を用いて、前記アップリンクチャネルと前記ダウンリンクチャネルの位相の不一致(mismatch)を補償する過程は、
前記受信されたアップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスを用いて、前記アップリンクチャネルの位相(phase)を推定する過程と、
前記受信されたアップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスに含まれた前記多重基地局協調処理を行う基地局のダウンリンクチャネルの位相(phase)を推定する過程と、
前記アップリンクチャネルの位相(phase)と前記ダウンリンクチャネルの位相(phase)の間の差を決定する過程と、を含む請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記マルチセル多重入出力伝送はCL−MD(Closed Loop Marco Diversity)及びCo−MIMO(Collaborative MIMO)のいずれか1つであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記マルチアンテナシステムはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)/OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)に基づくことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項14】
マルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーションを行う端末装置において、
多重基地局協調処理(Multi−BS Joint Processing)の間に多重基地局キャリブレーション(multi BS calibration)を支援するための制御メッセージを受信する受信器と、
前記制御メッセージを用いて、アップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスを伝送する送信器と、を含み、
前記アップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスは前記サウンディングシーケンスに前記多重基地局協調処理を行う複数の基地局のダウンリンクチャネルの位相(phase)シフトがマッピングされたシーケンスであることを特徴とする装置。
【請求項15】
サウンディングシーケンスを含む複数のサウンディングサブフレームと前記多重基地局協調処理を行う基地局をマッピングし、
前記それぞれのサウンディングサブフレームに対応するサブサウンディングシーケンスに該当基地局のダウンリンクチャネルの位相(phase)を適用してサブキャリブレーションサウンディングシーケンスを生成し、
前記それぞれのサブキャリブレーションサウンディングシーケンスを該当サウンディングサブフレームを介して伝送する制御器をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記サウンディングサブフレームの個数と前記多重基地局協調処理を行う基地局の個数とは一対一にマッピングされる請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記装置は、
前記多重基地局協調処理を行う基地局のダウンリンクチャネルをそれぞれさらに推定する請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記基地局のダウンリンクチャネルは該当基地局が伝送するプリアンブル又はミッドアンブルに基づいて推定される請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記マルチセル多重入出力伝送はCL−MD(Closed Loop Marco Diversity)及びCo−MIMO(Collaborative MIMO)のいずれか1つであることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項20】
前記マルチアンテナシステムはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)/OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)に基づくことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項21】
マルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーションを行う基地局装置において、
多重基地局協調処理(Multi−BS Joint Processing)の間に、多重基地局キャリブレーション(multi BS calibration)を支援するための制御メッセージを少なくとも一つ以上の端末に伝送する送信器と、
前記少なくとも一つ以上の端末から、アップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスを受信する受信部と、
前記受信されたアップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスの位相を用いて、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルの位相の不一致(mismatch)を補償する位相シフト補償器と、を含み、
前記アップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスは前記サウンディングシーケンスに前記多重基地局協調処理を行う複数の基地局のダウンリンクチャネルの位相(phase)シフトがマッピングされたシーケンスであることを特徴とする装置。
【請求項22】
前記アップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスは、
端末で、サウンディングシーケンスを含む複数のサウンディングサブフレームと前記多重基地局協調処理を行う基地局がマッピングされ、
前記それぞれのサウンディングサブフレームに対応するサブサウンディングシーケンスに該当基地局のダウンリンクチャネルの位相(phase)が適用されて生成され、
複数のサウンディングサブフレームを介して伝送される請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記サウンディングサブフレームの個数と前記多重基地局協調処理を行う基地局の個数と一対一にマッピングされる請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記位相シフト補償器は、
前記受信されたアップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスを用いて、アップリンクチャネルの位相(phase)を推定し、
前記受信されたアップリンクキャリブレーションサウンディングシーケンスに含まれた前記多重基地局協調処理を行う基地局のダウンリンクチャネルの位相(phase)を推定し、
前記アップリンクチャネルの位相(phase)と前記ダウンリンクチャネルの位相(phase)の間の差を決定する請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記マルチセル多重入出力伝送はCL−MD(Closed Loop Marco Diversity)及びCo−MIMO(Collaborative MIMO)のいずれか1つであることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記マルチアンテナシステムはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)/OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)に基づくことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおけるキャリブレーションに関し、特にマルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーション装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラー(cellular)ベースの無線通信システムで、セル間干渉を減少させるための努力は絶え間なく続いており、最近は基地局間協調によってより積極的に干渉を減少させる技法が研究されている。特に、単一セルで使用される様々なMIMO(Multiple Input Multiple Output)技法を複数の基地局に拡張する協調(cooperative)MIMO技法が多く提案されている。前記協調MIMO技法を使用するために、基地局は各端末に対するチャネル情報が必要である。この時、必要なチャネル情報のフィードバック(feedback)量はMIMO技法の性能に比例するのが一般的である。したがって、前記協調MIMO技法の性能を最大化するために、フィードバック量が多いCSI(Channel State Information)のフィードバックが要求される。
【0003】
TDD(Time Division Duplex)システムの場合、サウンディング(sounding)トレーニング信号を用いて大容量のデータフィードバックなしで基地局がチャネル情報を獲得できる。さらに、協調MIMO技法を適用する場合、複数の基地局は端末が1回伝送したサウンディングトレーニング信号を利用して同時にチャネル情報を獲得できるため、前記サウンディングトレーニング信号の使用によるオーバーヘッド(overhead)の減少効果が大きい。但し、前記複数の基地局がサウンディングを使用するために、前記複数の基地局それぞれと端末間送信及び受信RF(Radio Frequency)チェーン(chain)を同期化するキャリブレーション(calibration)が先行しているべきである。
【0004】
前記キャリブレーションはアップリンクチャネルとダウンリンクチャネルの間の対称性(reciprocity)を確保するために行われ、送信端及び受信端の送信RFチェーン及び受信RFチェーンで発生する信号の大きさ及び位相シフトを補償する。したがって、サウンディングを適用する場合、前記キャリブレーションの先行が不可欠であり、そのための様々な方案が提案されている。しかし、従来提案されているキャリブレーション技法は単一セル内の送信端及び受信端のための方案であって、前記協調MIMO技法のためのサウンディングを考慮していない。したがって、従来のキャリブレーション技法によってセル別にキャリブレーションが行われたとしても、協調MIMOに参加する基地局のキャリブレーション複素定数が互いに異なるようになり、これによって、協調MIMOの性能が低下する問題点がある。
【0005】
したがって、マルチアンテナシステムでアップリンクサウンディングに基づく多重入出力(multicell MIMO)伝送のためのキャリブレーション装置及び方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記のような問題点又は短所を解決するためのものであって、少なくとも以下に説明される長所を提供するものである。
【0007】
本発明の目的は、マルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーション装置及び方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、マルチアンテナシステムでアップリンクサウンディングに基づくマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーション装置及び方法を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、マルチアンテナシステムでマルチセルによるキャリブレーションフィードバックオーバーヘッドを減少させるための方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明の第1見地によれば、マルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーションを行う端末の動作方法において、基地局と多重基地局協調処理(Multi−BS Joint Prccessing)をネゴシエーションする過程と、前記基地局からアップリンクサウンディングに基づくダウンリンクチャネルキャリブレーションであることを指示する情報を含む制御メッセージを受信する過程と、前記多重基地局協調処理を含む制御メッセージを受信した時、推定された複数の基地局それぞれの副搬送波毎のダウンリンクチャネルの位相を、前記基地局から割り当てられた第1サウンディングシーケンスにマッピングさせて第2サウンディングシーケンスを生成する過程と、前記多重基地局協調処理に含まれた複数の基地局それぞれに対して、サウンディングシンボル区間の間に、前記副搬送波毎のダウンリンクチャネルの位相を含む第2サウンディングシーケンスを伝送する過程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
前記目的を達成するための本発明の第2見地によれば、マルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーションを行う基地局の動作方法において、端末と多重基地局協調処理をネゴシエーションする過程と、前記端末にアップリンクサウンディングに基づくダウンリンクチャネルキャリブレーションであることを指示する情報を含む制御メッセージを伝送する過程と、前記制御メッセージを伝送した後、該当サウンディング区間の間に、自らの副搬送波毎のダウンリンクチャネルの位相を含むサウンディングシーケンスを受信する過程と、前記受信されたサウンディングシーケンスからダウンリンクチャネルの位相とアップリンクチャネルの位相の不一致(missmatch)を補償する過程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
前記目的を達成するための本発明の第3見地によれば、マルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーションを行う端末装置において、基地局と多重基地局協調処理をネゴシエーションする制御器と、前記基地局からアップリンクサウンディングに基づくダウンリンクチャネルキャリブレーションであることを指示する情報を含む制御メッセージを受信する受信器と、前記制御メッセージを受信した時、推定された前記多重基地局協調処理に含まれた複数の基地局それぞれの副搬送波毎のダウンリンクチャネルの位相を、前記基地局から割り当てられた第1サウンディングシーケンスにマッピングさせて第2サウンディングシーケンスを生成するサウンディングマッピング器と、前記多重基地局協調処理に含まれた複数の基地局それぞれに対して、サウンディングシンボル区間の間に、前記副搬送波毎のダウンリンクチャネルの位相を含む第2サウンディングシーケンスを伝送する送信器と、を含むことを特徴とする。
【0013】
前記目的を達成するための本発明の第4見地によれば、マルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーションを行う基地局装置において、端末と多重基地局協調処理Multi−BSJointPrccessingをネゴシエーションする制御器と、前記端末にアップリンクサウンディングに基づくダウンリンクチャネルキャリブレーションであることを示す情報を含む制御メッセージを伝送する送信部と、前記制御メッセージを伝送した後、該当サウンディング区間の間に、自らの副搬送波毎のダウンリンクチャネルの位相を含むサウンディングシーケンスを受信する受信部と、前記受信されたサウンディングシーケンスからダウンリンクチャネルの位相とアップリンクチャネルの位相の不一致を補償する位相シフト補償器と、を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の他の見地、利益、主な特徴は以下に添付された本発明の実施形態及び図面と共に説明される詳細な説明から当業者に明白に認識されるはずである。また以下で記述する図面で、参照符号は同一または類似の要素、特徴、構造を説明するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態によるマルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーションを行う基地局の動作を示すフローチャートである。
図2】本発明の実施形態によるマルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーションを行う端末の動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施形態によるマルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーションを行う基地局の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態によるマルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーションを行う端末の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の実施形態によるダウンリンクチャネルの位相シフト値をサウンディングシーケンスにマッピングさせる方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態が図面を参考にして詳細に説明される。同一または類似の構成要素(component)は他の図面に図示されても同一または類似の参照符号で指定される。技術分野で周知の構造及び手順の具体的な説明は本発明の要旨を不明にすることを避けるために省略する場合もある。
【0017】
以下、説明で使用される用語及び単語や請求項は辞典的意味に制限されず、発明の一貫性のある理解及び明瞭化ためにのみ用いられる。したがって、当業者にとって以下の本発明の実施形態の説明は例示を目的としたものと認識され、発明を制限するものではないことは自明であり、本発明は以下の特許請求の範囲と均等なものによって決まらなければならない。
【0018】
以下、本発明はマルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーション装置及び方法に対して説明する。
【0019】
以下、本発明は周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、以下「OFDM」と称する)/直交周波数分割多重接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access、以下「OFDMA」)と称する方式の無線通信システムを例に挙げて説明し、他の方式の無線通信システムにも同様に適用され得る。前記OFDM方式の無線通信システムの場合、信号特性が周波数帯域に依存して帯域毎にキャリブレーションが行われるべきであることは自明であるが、以下は説明の便宜のため、本発明は一つの周波数帯域のみを考慮してキャリブレーション技術を説明する。
【0020】
以下、説明される図1乃至図5によって、本出願で、本発明の原理を説明するために使用される様々な実施形態は一例にすぎず、本発明は本明細書の範囲に限定されない。当業者にとって、本発明の原理はいかなる種類の無線通信システムにも適用されることができるということが自明である
【0021】
図1は、本発明によるマルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーションを行う基地局の動作を示すフローチャートである。
【0022】
図1に示すように、基地局はステップ100で予め決められた手順に沿ってダウンリンクチャネルとアップリンクチャネルの比を利用して単一セルキャリブレーションを行う。すなわち、前記キャリブレーション動作は各アンテナに位相及び大きさを乗じてアンテナ間のアナログ利得の不一致を補償する。
【0023】
その後、前記基地局はステップ102で該当端末にFeedback_Polling_IEメッセージを介して多重基地局MIMO協調伝送(MIMO joint transmission)を指示する。前記多重基地局MIMO協調伝送技術にはCL−MD(Closed Loop Macro Diversity)、Co−MIMO(Collaborative MIMO)技術などがある。
【0024】
その後、前記基地局はステップ104でUL sounding command A−MAP IEメッセージを介して複数の端末にアップリンクサウンディングを割り当てる。ここで、サウンディングシーケンスS=(Sq,1,Sq,2,...,Sq,L)が割り当てられると仮定する。Lは周波数領域で副搬送波(subcarrier)インデックスを示す。すなわち、Sq,kはサウンディングシンボルのk番目の副搬送波を介して伝送されるサウンディングシーケンスを意味する。
【0025】
その後、前記基地局はステップ106でUL sounding command A−MAP IEメッセージを介してアップリンクサウンディングに基づくダウンリンクチャネルキャリブレーションを指示する。そのために、従来のUL sounding command A−MAP IEメッセージに「DL/UL channel calibration」フィールドを追加する。すなわち、DL/UL channel calibrationフィールドの値が1であればアップリンクに基づくダウンリンクチャネルキャリブレーションの遂行を指示し、DL/UL channel calibrationフィールドの値が0であればアップリンクに基づくダウンリンクチャネルキャリブレーションではないことを指示する。
【0026】
その後、前記基地局はステップ108でDL/UL channel calibrationフィールドの値を1に設定した時、該当端末からキャリブレーションのためのサウンディングシーケンスを受信する。前記キャリブレーションのためのサウンディングシーケンスはサウンディングシーケンスに協調通信を行う複数の基地局のダウンリンクチャネル位相シフト
【数1】
がマッピングされたシーケンスである。Sと協調通信を行う複数の基地局のダウンリンクチャネル位相シフト
【数2】
間のマッピング情報は予め該当端末から提供されるか、または別途のネゴシエーションの過程を介して前記基地局に提供され得る。他の実施形態おいて、予め前記基地局と前記端末に既知のマッピング情報に基づく場合、別途の制御メッセージ又はネゴシエーションの過程を行う必要はない。
【0027】
その後、前記基地局はステップ110でサウンディングチャネルの相関を利用して受信されたサウンディングシーケンスを推定する。ここで、前記受信されたサウンディングシーケンスは下記式1と同じである。
【0028】
【数3】
【0029】
その後、前記基地局はステップ112で推定したサウンディングシーケンス
【数4】
と元のサウンディングシーケンスSを比較して副搬送波毎の位相シフト
【数5】
を獲得する。
【0030】
その後、前記基地局はステップ114で前記ダウンリンクチャネルの位相と前記アップリンクチャネルの位相の間の不一致を補償し、前記獲得された位相シフトを用いてデータ伝送を行う。
【0031】
【数6】
【0032】
図2は、本発明の実施形態によるマルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーションを行う端末の動作を示すフローチャートである。
【0033】
端末はステップ200で多重基地局MIMO協調伝送を指示する情報が含まれたFeedback_Polling_IEメッセージを受信して、多重基地局MIMO協調伝送を決定する。
【0034】
その後、端末はステップ202でプリアンブル又はミッドアンブル信号を受信して、協調通信を行うN個の基地局のダウンリンクチャネルを推定する。
【0035】
すなわち、多重基地局MIMO(multi−BS MIMO)に含まれた端末は多重協調基地局に該当する全てのダウンリンク基準チャネル
【数7】
を推定する。ダウンリンク基準チャネル
【数8】
はk番目の基地局のi番目の送信アンテナと端末のj番目の送信アンテナとの間の副搬送波毎のチャネルである(k=1,...N 、協調通信を行う基地局インデックス、Nは協調通信を行う基地局の個数である)。
【0036】
ここで、前記ダウンリンクチャネルは
【数9】
で表され、前記端末は
【数10】
の副搬送波毎の位相(phase)
【数11】
を推定する。ここで、k=1,...,Nとαは振幅(amplitude)である。
【0037】
その後、前記端末はステップ204でアップリンクサウンディングに基づくダウンリンクチャネルキャリブレーション指示情報が含まれたUL sounding command A−MAP IEメッセージを用いて、アップリンクサウンディングに基づくダウンリンクチャネルキャリブレーションを行うかを決定する。
【0038】
その後、前記端末はステップ206でUL sounding command A−MAP IEメッセージを介して割り当てられたサウンディングシーケンス(第1サウンディングシーケンスと称する)と協調通信を行う複数の基地局のダウンリンクチャネルの位相シフト値をマッピングする。
【0039】
前記ダウンリンクチャネルの位相シフト値とマッピングされたサウンディングシーケンス(第2サウンディングシーケンスと称する)は下記式3と同じである。
【0040】
【数12】
【0041】
ここで、 S=Sq,1,Sq,2,...,Sq,L は元のサウンディングシーケンスで、Lはサウンディングシーケンスの長さ、kは基地局インデックス、Nは協調通信を行う基地局の個数である。前記協調通信を行う基地局の個数Nはサウンディングシンボルの副搬送波の個数Lより常に小さいと仮定する。すなわち、一つのサウンディングフレーム内で一つのサウンディングシーケンスに
【数13】
がランダムにマッピングされる。例えば、第1基地局の1番目の副搬送波に対する
【数14】
はSq,1にマッピングされ、第2基地局のk番目の副搬送波に対する
【数15】
はSq,kにマッピングされ、第N基地局のi番目の副搬送波に対する
【数16】
はSq,iにマッピングされる。次のサウンディングフレーム内で第1基地局のi番目の副搬送波に対する
【数17】
はSq,iにマッピングされ、第2基地局の1番目の副搬送波に対する
【数18】
はSq,1にマッピングされ、第N基地局のk番目の副搬送波に対する
【数19】
はSq,kにマッピングされる。したがって、協調通信を行う基地局の個数だけサウンディングフレームが伝送されると、前記端末は協調通信を行う基地局それぞれに対して副搬送波毎に
【数20】
を伝送することができる。
【0042】
実施形態によれば、前記第1サウンディングシーケンスS=Sq,1,Sq,2,...,Sq,Lと協調通信を行う複数の基地局のダウンリンクチャネル位相シフト値
【数21】
はランダムにマッピングされることができる。ここで、サービング基地局はダウンリンク制御メッセージを介して端末に前記マッピングを通報すべきである。また、前記サービング基地局は協調通信を行う他の基地局に前記マッピング情報を通報すべきである。
【0043】
他の実施形態によれば、前記第1サウンディングシーケンスS=Sq,1,Sq,2,...,Sq,Lと協調通信を行う複数の基地局のダウンリンクチャネル位相シフト値
【数22】
は下記式4によってマッピングされることができる。同様に、マッピング情報は他の基地局と該当端末に通報されるべきである。さらに他の実施形態によれば、予め定義されたマッピング規則を端末と基地局が既知の場合は前記端末が協調通信を行う基地局に通報する必要はない。
【0044】
【数23】
【0045】
すなわち、Integer(L/N)の倍数によってマッピングが決定される。Nは協調通信を行う基地局の個数で、Lはサウンディングシーケンスの長さである。
【0046】
その後、前記端末はステップ208で協調通信を行うそれぞれの基地局のダウンリンクチャネルの位相シフト値がマッピングされたサウンディングシーケンスを伝送する。
【0047】
図3は、本発明の実施形態によるマルチアンテナシステムでマルチセル多重入出伝送のためのキャリブレーションを行う基地局の構成を示すブロック図である。
【0048】
前記図3に示すように、前記基地局は送信RF処理器300、OFDM変調器302、副搬送波マッピング器304、制御器306、位相シフト補償器308、副搬送波デマッピング器310、OFDM復調器312、受信RF処理器314及びチャネル推定器316を含んで構成される。
【0049】
前記副搬送波マッピング器304は前記制御器306から提供されるデータシンボル及び前記制御シンボルを各アンテナ別周波数資源にマッピングする。前記OFDM変調器302はIFFT(Inverse Fourier Trasnform)演算によって前記副搬送波マッピング器304から提供される周波数資源にマッピングされたシンボルを時間領域信号に変換し、CP(Cyclic Prefix)を挿入することでOFDMシンボルを構成する。前記送信RF処理器300は前記OFDM変調器302から提供されるOFDMシンボルに対するアナログ変換、RF帯域の信号へのアップコンバート及び増幅を行った後、複数のアンテナを介して送信する。特に、前記送信RF処理器300は前記位相シフト補償器308から提供されるキャリブレーションパラメータを用いて送信信号に対するキャリブレーションを行う。すなわち、前記送信RF処理器300は前記送信信号列に前記キャリブレーションパラメータを乗じた後、送信する。
【0050】
前記受信RF処理器314は複数のアンテナを介して受信されるRF信号に対する増幅、基底帯域信号へのダウンコンバート及びデジタル変換を行って、デジタル信号を前記OFDM復調器312へ提供する。前記OFDM復調器312は前記複数の受信RF処理器314から提供される信号をOFDMシンボル単位に分割し、CPの除去及びFFT(Fourier Transform)演算によって周波数資源にマッピングされたシンボルを復元する。前記副搬送波デマッピング器310は前記OFDM復調器312から提供される周波数資源にマッピングされたシンボルを抽出し、処理単位に出力する。例えば、前記副搬送波デマッピング器310はデータシンボル及び制御シンボル前記制御器306へ提供し、サウンディングシンボルを前記チャネル推定器316へ提供する。前記チャネル推定器316はサウンディングシンボルを用いてアップリンクチャネルを推定する。
【0051】
前記制御器306はトラフィック及び制御情報を符号化及び変調することで複素シンボルに変換し、前記複素シンボルを前記副搬送波マッピング器304へ提供する。また、前記制御器306は端末のダウンリンクチャネルを推定するためのパイロットシンボル(又はプリアンブル)を生成し、前記パイロットシンボルを前記副搬送波マッピング器304へ提供する。前記制御器306は前記副搬送波デマッピング器310から提供されるデータシンボルを復調及び符号化することで、トラフィック及び制御情報を復元する。前記チャネル推定器316は前記副搬送波デマッピング器310から提供されるサウンディングシンボルを用いてアップリンクチャネル行列を推定し、推定されたアップリンクチャネル係数計数又は行列を前記制御器306へ提供する。
【0052】
前記制御器306は多重基地局MIMO協調伝送を行う。例えば、Feedback_Polling_IEメッセージを介して多重基地局MIMO協調伝送を端末に指示する。そして、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネル間の対称性を確保するためのキャリブレーション動作を行う。特に、前記制御器306は協調MIMO技法のためのマルチセルキャリブレーション動作を制御する。
【0053】
ここで、前記マルチセルキャリブレーション動作の具体的な過程を見てみると 、前記制御器306はUL sounding command A−MAP IEメッセージを介して複数の端末に割り当てるアップリンクサウンディングを割り当て、アップリンクサウンディングに基づくダウンリンクチャネルキャリブレーションを指示する。
【0054】
その後、該当端末からキャリブレーションのための第2サウンディングシーケンスを受信する時、前記第2サウンディングシーケンスを検出する。
【0055】
前記位相シフト補償器308は前記制御器306によって検出された第2サウンディングシーケンス
【数24】
と元の第1サウンディングシーケンスSを比較して位相シフト
【数25】
を獲得する。前記送信RF処理器300でRF信号を送信する時、前記位相シフト補償器308は位相シフト
【数26】
を獲得するために前記受信信号を処理し、前記ダウンリンクチャネルの位相と前記アップリンク位相との間の不一致を補償する。
【0056】
前記キャリブレーションのための第2サウンディングシーケンスは第1サウンディングシーケンスに協調通信を行う複数の基地局のダウンリンクチャネル位相シフト
【数27】
がマッピングされたシーケンスである。Sと協調通信を行う複数の基地局のダウンリンクチャネル位相シフト
【数28】
間のマッピング情報は予め該当端末から受信するか、または別途のネゴシエーションの過程を介して前記基地局に提供され得る。さらに他の実施形態において、予め前記基地局と前記端末に既知のマッピング情報に基づく場合は、別途の制御メッセージ又はネゴシエーションの過程を行う必要はない。
【0057】
図4は、本発明の実施形態によるマルチアンテナシステムでマルチセル多重入出力伝送のためのキャリブレーションを行う端末の構成を示すブロック図である。
【0058】
前記図4に示すように、前記端末は複数の受信RF処理器412、OFDM復調器410、副搬送波デマッピング器408、副搬送波マッピング器404、OFDM変調器402、送信RF処理器400、制御器406及びサウンディングマッピング器414を含んで構成される。
【0059】
前記受信RF処理器412は複数のアンテナを介して受信されるRF信号に対する増幅、基底帯域信号へのダウンコンバート及びデジタル変換を行って、デジタル信号を前記OFDM復調器410へ提供する。前記OFDM復調器410は前記受信RF処理器412から提供される信号をOFDMシンボル単位に分割し、CPの除去及びFFT演算によって周波数資源にマッピングされたシンボルを復元する。前記副搬送波デマッピング器408は前記OFDM復調器410から提供される周波数資源にマッピングされたシンボルを抽出し、処理単位に出力する。例えば、前記副搬送波デマッピング器408はデータシンボルを前記制御器406へ提供し、パイロットシンボルを前記サウンディングマッピング器414へ提供する。
【0060】
前記副搬送波マッピング器404は前記制御器406から提供されるデータシンボル及びパイロットシンボルを各アンテナ別周波数資源にマッピングする。前記複数のOFDM変調器402はIFFT演算によって前記副搬送波マッピング器408から提供される周波数資源にマッピングされたシンボルを時間領域信号に変換し、CPを挿入することでOFDMシンボルを構成する。前記送信RF処理器400はOFDM変調器402から提供されるOFDMシンボルに対するアナログ変換、RF帯域の信号へのアップコンバート及び増幅を行った後、複数のアンテナを介して送信する。
【0061】
前記制御器406は前記副搬送波デマッピング器408から提供されるデータシンボルを復調及び符号化することで、トラフィック及び制御情報を復元する。前記制御器406は前記副搬送波デマッピング器408から提供されるパイロットシンボルを用いて基地局とのアップリンクチャネル行列を推定する。
【0062】
前記制御器406はトラフィック及び制御情報を符号化及び変調することで複素シンボルに変換し、前記複素シンボルを前記複数の副搬送波マッピング器404へ提供する。
【0063】
前記制御器406はアップリンクチャネルとダウンリンクチャネルとの間の対称性を確保するためのキャリブレーション動作を行う。特に、前記制御器406は協調MIMO技法のためのマルチセルキャリブレーション動作を制御する。ここで、前記マルチセルキャリブレーション動作の具体的な過程を見てみると、前記制御器406は多重基地局MIMO協調伝送の指示情報が含まれたFeedback_Polling_IEメッセージを受信し、多重基地局MIMO協調伝送を決定する。そして、アップリンクサウンディングに基づくダウンリンクチャネルキャリブレーションの指示情報が含まれたUL sounding command A−MAP IEメッセージを用いて、アップリンクサウンディングに基づくダウンリンクチャネルキャリブレーションを行うかを決定する。
【0064】
その後、前記制御器406は協調通信を行うN個の基地局のダウンリンクチャネルを推定し、その結果をサウンディングマッピング器414へ提供する。
【0065】
前記サウンディングマッピング器414はUL sounding command A−MAP IEメッセージを介して割り当てられた第1サウンディングシーケンスと協調通信を行う複数の基地局のダウンリンクチャネル位相シフト値をマッピングする。
【0066】
前記第1サウンディングシーケンスS=Sq,1,Sq,2,...,Sq,Lと協調通信を行う複数の基地局のダウンリンクチャネル位相シフト値
【数29】
はランダムにマッピングされることができる。ここで、サービング基地局はダウンリンク制御メッセージを介して端末に前記マッピングを通報すべきである。また、前記サービング基地局は協調通信を行う他の基地局に前記マッピング情報を通報すべきである。
【0067】
他の実施形態によれば、前記第1サウンディングシーケンスS=Sq,1,Sq,2,...,Sq,Lと協調通信を行う複数の基地局のダウンリンクチャネル位相シフト値
【数30】
は前記式4によってマッピングされることができる。同様に、マッピング情報は他の基地局と該当端末に通報されるべきである。さらに他の実施形態によれば、予め決められたマッピング規則を端末と基地局が既知の場合は、前記端末が協調通信を行う基地局に通報する必要はない。
【0068】
さらに他の実施形態によれば、前記サウンディングマッピング器414は、前記端末はダウンリンクチャネルに対する位相値をサウンディングシーケンスにマッピングさせるため、協調通信基地局毎の該当サウンディングフレームでそれぞれの副搬送波
【数31】
をサウンディングシーケンスにマッピングする。
【0069】
図5は、本発明の他の実施形態による前記ダウンリンクチャネルの位相シフト値をサウンディングシーケンスにマッピングさせる方法を示すフローチャートである。
【0070】
前記図5に示すように、端末が協調通信を行う基地局に対してダウンリンクチャネルを推定した後、ダウンリンクチャネルに対する位相値をサウンディングシーケンスにマッピングさせる。
【0071】
端末はステップ500でN=1と設定する。ここで、Nは協調通信を行う基地局の個数である。
【0072】
その後、前記端末はステップ502でN番目の基地局に対してN番目のサウンディングフレームで副搬送波毎に推定された位相シフト値を副搬送波毎のサウンディングシーケンスにそれぞれマッピングさせる。例えば、N番目の基地局の1番目の副搬送波に対する
【数32】
は1番目の副搬送波を介して伝送されるサウンディングシーケンスSq,1にマッピングされ、N番目の基地局のk番目の副搬送波に対する
【数33】
はk番目の副搬送波を介して伝送されるサウンディングシーケンスSq,kにマッピングされ、N番目の基地局のL番目の副搬送波に対する
【数34】
はk番目の副搬送波を介して伝送されるサウンディングシーケンスSq,Lにマッピングされる。
【0073】
その後、前記端末はステップ504でN、M値を1ずつ増加させ、前記ステップ502を繰り返して行う。
【0074】
すなわち、前記端末はダウンリンクチャネルに対する位相値をサウンディングシーケンスにマッピングさせるために、協調通信基地局毎の該当サウンディングフレームでそれぞれの副搬送波
【数35】
をサウンディングシーケンスにマッピングさせる。したがって、サウンディングシーケンスを介して協調通信を行う基地局に対してそれぞれの位相シフト値を伝達するために、N個のサウンディングフレームが必要である。N個のサウンディングフレーム区間をキャリブレーションに基づくサウンディング区間と称する。したがって、基地局は制御メッセージを介して前記キャリブレーションに基づくサウンディング区間を、制御メッセージを介して端末に指示するか、又は前記キャリブレーションに基づくサウンディング区間を予め定義することができる。
【0075】
上述のように、マルチアンテナシステムで端末が協調通信を行う複数の基地局のダウンリンク位相シフト値を割り当てられたサウンディングシーケンスにマッピングして伝送することで、位相比較のためのフィードバックオーバーヘッドを減少させることができる利点がある。また、独立してキャリブレーションが行われた基地局協調伝送の間に、端末で信号対干渉雑音比(Signal−to−Interference−plus−Noise−Ratio:SINR)を最大化することができる。
【0076】
一方、本発明を実施するための形態では具体的な実施形態に関して説明したが、本発明の範囲から逸脱しない限度内で様々な変形が可能である。したがって、本発明の範囲は説明された実施形態に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲のみでなくこの特許請求の範囲と均等なものによって定められるべきである。
【符号の説明】
【0077】
300 送信FR処理器
302 OFDM変調器
304 副搬送波マッピング器
306 制御器
308 位相シフト補償器
310 副搬送波デマッピング器
312 OFDM復調器
314 受信RF処理機
316 チャネル推定器
400 送信FR処理器
402 OFDM変調器
404 副搬送波マッピング器
406 制御器
408 副搬送波デマッピング器
410 OFDM復調器
312 受信RF処理機
314 サウンディングマッピング器
図1
図2
図3
図4
図5