特許第5871811号(P5871811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5871811時計用の文字板モジュールおよび文字板モジュールを備えた時計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871811
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】時計用の文字板モジュールおよび文字板モジュールを備えた時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/16 20060101AFI20160216BHJP
   G04B 19/02 20060101ALI20160216BHJP
   G04B 19/04 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   G04B19/16 Z
   G04B19/02 A
   G04B19/04 F
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-542318(P2012-542318)
(86)(22)【出願日】2010年12月10日
(65)【公表番号】特表2013-513115(P2013-513115A)
(43)【公表日】2013年4月18日
(86)【国際出願番号】BE2010000082
(87)【国際公開番号】WO2011069218
(87)【国際公開日】20110616
【審査請求日】2013年11月18日
(31)【優先権主張番号】2009/0789
(32)【優先日】2009年12月11日
(33)【優先権主張国】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】512150565
【氏名又は名称】ブノワ ミンティエンス
(74)【代理人】
【識別番号】100074192
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ ミンティエンス
【審査官】 榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第00921451(EP,A1)
【文献】 独国特許出願公開第04330895(DE,A1)
【文献】 実公平05−040472(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/00 − 04
G04B 19/16
G04B 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装体と、互いに半径方向に距離を置いて配置されたそれぞれの軸を備えた第1の指針および第2の指針を含む少なくとも2つの可動式の指針とを備え前記第2の指針は同心の可動文字板を備え、さらに前記第1の指針とは独立した同心の固定文字板を備えた文字板モジュールにおいて前記第1の指針及び前記第2の指針の各々の上側可視部分と前記可動文字板及び前記固定文字板の各々は単一の連続面に配置され、前記固定文字板が、前記第1の指針の周囲を囲む環状文字板であり、前記第1の指針は前記環状文字板内で旋回可能な第1の円板上に指針記号を備え、前記可動文字板は前記第1の指針の前記第1の円板の開口部内で旋回するように形成され、前記可動文字板の旋回中に、前記可動文字板が前記外装体に対して常に一定の向きに姿勢を維持するように、前記第1の円板と、軸受けに収容された前記可動文字板が、時計機構によって同じ旋回速度で、しかし相対する方向に、駆動される、文字板モジュール。
【請求項2】
前記単一の連続面は平面または曲面であることを特徴とする、請求項1に記載の文字板モジュール。
【請求項3】
前記第2の指針は、該第2の指針の文字板と共に、前記第1の指針の旋回円の内側に配置されることを特徴とする、請求項2に記載の文字板モジュール。
【請求項4】
前記第2の指針は、該第2の指針の文字板と共に、前記第1の指針の旋回円の内側に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の文字板モジュール。
【請求項5】
前記第2の指針は、該第2の指針の文字板と共に、前記第1の指針と同期して移動することを特徴とする、請求項1に記載の文字板モジュール。
【請求項6】
前記第2の指針の文字板は、前記第1の指針の前記第1の円板に設けられた円形開口部内に収容された環状文字板を構成し、前記第2の指針は、該第2の環状文字板の軸受に旋回可能に収容された第2の円板上に指針記号を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の文字板モジュール。
【請求項7】
前記時計機構は、1つ以上の一次中心駆動軸、および/または前記一次中心駆動軸に対して偏心して取り付けられた1つ以上の二次駆動軸、を有する時計機構であることを特徴とする、請求項1に記載の文字板モジュール。
【請求項8】
前記可動文字板と前記指針とは前記時計機構の1つ以上の一次中心駆動軸によって駆動され、各軸は前記指針の全てまたは一部、および/または前記文字板の全てまたは一部、を駆動することを特徴とする、請求項7に記載の文字板モジュール。
【請求項9】
前記可動指針および前記可動文字板の全てが前記時計機構の単一の軸によって駆動されることを特徴とする、請求項8に記載の文字板モジュール。
【請求項10】
前記可動指針および前記可動文字板は、前記時計機構の1つ以上の二次駆動軸と組み合わされるか、または、該二次駆動軸とは独立して、1つ以上の一次中心駆動軸によって駆動されることを特徴とする、請求項9に記載の文字板モジュール。
【請求項11】
前記可動指針および前記可動文字板は、前記時計機構の1つ以上の二次駆動軸と組み合わされるか、または、該二次駆動軸とは独立して、1つ以上の一次中心駆動軸によって駆動されることを特徴とする、請求項8に記載の文字板モジュール。
【請求項12】
前記可動指針および前記可動文字板は、1つ以上の歯車装置によって駆動されることを特徴とする、請求項8に記載の文字板モジュール。
【請求項13】
前記1つ以上の歯車装置が最大でも2層で構成された歯車を複数備えていることを特徴とする請求項12に記載の文字板モジュール
【請求項14】
請求項1に記載の文字板モジュールを備えたことを特徴とする時計。
【請求項15】
前記表示目盛りが時刻列であることを特徴とする請求項1に記載の文字板モジュール
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計用の文字板モジュールに関し、特に、時計機構によって駆動されて文字板上の時間目盛に対してその上を移動する指針をいくつか備えた文字板モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
機械式時計またはアナログ表示付き時計の間では、2つの大きなカテゴリを区別できる。
【0003】
よく知られている第1のカテゴリは、文字板と、時計機構の影響下で軸線を中心に旋回する針の形態の複数の指針とを備えた伝統的な時計のカテゴリである。
【0004】
あまり知られていない第2のカテゴリは、文字が刻まれた回転する円環または円板を備えた時計のカテゴリである。円板または円環は、時計機構の駆動軸に直接配置され、指針に取って代わる。円環には、円環の時間機能に対応する数字、すなわち時間円環の場合は数字1から12、分円環および秒円環の場合は数字1から60、が刻まれている。この時計に固着されたフレームまたは基準は、読み取り用マーカまたは線を示し、最も外側の固定円環に数字が刻まれている。
【0005】
指針と文字板とを有する第1のカテゴリの伝統的な時計は、集合思考において、実際に原型的な読み取り時の反射運動を利用できるという利点をもたらす。我々の認知過程は、各指針が指している数字を詳細に読み取らなくても、素早い一瞥だけで時刻が分かるようになっている。
【0006】
このカテゴリの欠点は、指針間の交差を回避するために、時刻表示が複数の層に構造化され、各指針が異なる平面にあることが機械的に示唆される点である。
【0007】
すなわち、特定の位置において指針同士が互いを覆い隠すか、または日付けに関する情報など他の情報が覆い隠される場合がある。
【0008】
同様に、時計がクロノメータ、24時間表示、月の相、予備運転力の表示、この種の他の表示などの追加機能を備えている場合、これらの機能は不可避的にその全体または一部が一時的に覆い隠されるので、このような状況においてはその読み取りが邪魔されるか、または妨げられる。
【0009】
複数の指針と複数の文字板とを有し、複数の層に構造化された時計の一例が欧州特許出願公開第0921451号に記載されている。
【0010】
複数の層から成るこのような構造の別の欠点は、このために、時刻を読み取る際の視角に応じて異なる時刻が読み取られるというように、時刻を読み取る際に視差誤差が生じる点である。したがって、読み取られる時刻は、文字板に直角な視方向から時刻が読み取られる場合にのみ、正しい。
【0011】
あまり知られていない第2のカテゴリは、複数の円環または円板が少なくとも同じ平面に配置されている場合は、これらの円環または円板が互いを覆い隠さないという利点をもたらす。
【0012】
ただし、このカテゴリに固有の欠点は、使用者が時刻を読み取りたいときに、使用者は何時であるかを知るために数字を注意深く読み取る必要がある点である。これに加え、複数の円環という幾何学的構造のために、数字のサイズが限られるという事実がある。読み取り難さという人間工学的欠点は、このカテゴリの市場占有率が低いことの重要な理由である。
【0013】
複数の円板を有する時計の一例が中国特許出願公開第676074号に記載されている。この時計の欠点は、公知の直観的方法では時刻を読み取ることができず、時計の使用方法を知るために事前の説明が必要である点である。また、この時計は、複数の指針および複数の文字板が同じ平面にないという事実に関連する上記欠点を呈する。
【0014】
複数の円板と複数の円環とを有する時計の一例が欧州特許出願公開第1003085号に記載されている。欧州特許出願公開第1003085号に記載されているように、このような時計は、読み取り難いという欠点に加え、複数の文字板上で複数の指針が偏心して回転するため、複数の指針および複数の文字板の間に自由空間が必要であることから、相対的に大きな直径を有するという欠点を呈する。したがって、複数の指針および複数の文字板は単一の連続面上にない。複数の指針および複数の文字板の間の上記自由空間にゴミやチリが堆積して時計の良好な動作を妨害する恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の目的は、上記欠点の少なくとも1つまたは別の欠点に対する解を提供することである。
【0016】
この目的のために、本発明は、外装体と、互いに半径方向に距離を置いて配置されたそれぞれの軸を備えた第1の指針および第2の指針を含む少なくとも2つの独立した可動式の指針と、を備えた時計用の文字板モジュールであって、該指針の各々は独立した同心の可動文字板を備え、少なくとも前記第2の指針は、前記2つの指針が決して互いに重なり合わず且つ前記2つの可動文字板が前記外装体に対して常に一定の向きに姿勢を維持した状態で、該第2の指針の軸および文字板と共に、前記第1の指針に対して移動可能であり、前記指針の各々の上側可視部分と前記文字板の各々は単一の連続面に配置され、前記指針は同心に配置されたそれぞれの文字板上の表示目盛りの中心軸線に沿って旋回するように構成され、該指針の軸は時計機構によって駆動するようにした、時計用の文字板モジュールに関するものである。
【0017】
このような文字板モジュールの利点の1つは、複数の指針が決して互いに重なり合わず、その結果、いつ如何なる状況においても時刻および他の情報の読み取りが妨げられずに可能である点である。
【0018】
好適な一特徴によると、長針の使用を可能にしながら、腕時計および非携帯用時計に例外なく必要である文字板モジュールのコンパクト化を可能にするように、第2の指針は、その文字板と共に、第1の指針の旋回円の内側に配置される。
【0019】
実用的な一実施形態は、第1の指針は環状文字板の内側で旋回可能な円板上の指針記号として実現され、第2の指針の文字板はこの円板に設けられた開口部に旋回可能に収容され、該第2の指針の文字板の旋回中に、第2の指針の文字板が外装体に対して常に一定の向きに姿勢を維持するように、第1の指針の上記円板と軸受に収容された第2の指針の文字板とは時計機構によって同じ旋回速度で、しかし相対する方向に、駆動されるという事実によって特徴付けられる。
【0020】
この実施形態において第2の指針は、その文字板と共に、第1の指針と同期して移動するので、この2つの指針間に如何なる干渉も重なり合いも生じ得ない。
【0021】
また、この実施形態は、複数の歯車装置によって相対的に単純な方法で実現可能である。
【0022】
この実施形態では、第2の指針の文字板は第1の指針の円板に設けられた円形開口部に収容された円環として実現され、第2の指針は上記第2の環状文字板の軸受に旋回可能に収容された円板上の指針記号として実現されうるが、この逆も可能である。
【0023】
このように、文字板モジュールの上側可視部分は完全に平坦に、または一続きの曲面に沿って、実現されうるので、複数の指針および複数の文字板は単一の連続面に沿って、または曲面の表面に、配置される。
【0024】
文字板モジュールは、1つ以上の一次中心駆動軸、および/または該一次中心駆動軸に対して偏心して取り付けられた1つ以上の二次駆動軸、と共に、伝統的な時計の機構に合体または組み込み可能なモジュールとして実現可能であり、このために、これらの文字板および指針は例えば1つ以上の歯車装置によって駆動可能である。
【0025】
これは、既存の時計機構を利用できるという利点をもたらすが、この目的のために開発された時計機構への歯車駆動装置の組み込みを排除するものではない。
【0026】
本発明は、本発明による文字板モジュールを含む時計にも関する。
【0027】
本発明の特徴をより良く示すために、本発明による文字板モジュールの好適な実施形態のいくつかを例として、限定する意図は一切なしに、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明による文字板モジュールの平面図を模式的に示す。
図2】別の時刻における図1の文字板モジュールを示す。
図3図1と同じ文字板モジュールであるが、下部構造を示すために図1の可視部分が部分的に透明である図を示す。
図4図3の線IV−IVに沿った横断面を示す。
図5図3にF5で示されている歯車装置の斜視図を示す。
図6図5に示されているような歯車装置の実施形態の一変形例を示す。
図7図5に示されているような歯車装置の実施形態の別の変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、時計用の、この場合は2つの指針、例えば分を表す第1の指針2と時間を表す第2の指針3、を有する、本発明による文字板モジュール1の一例を示す。
【0030】
これらの指針2および3は、軸4および5にそれぞれ個別に取り付けられ、それぞれの軸を中心に旋回可能である。軸4および5は、互いに半径方向に距離を置いて配置され、それぞれ固有の文字板6および7に対して個別に旋回可能である。文字板6および7は、対応する指針2−3の軸4−5の周りに同心に配置され、適切な時間目盛または別の表示、例えば時間用の時間目盛8と分用の時間目盛9、をそれぞれ備える。
【0031】
図示の例では、第1の指針2の文字板6は固定された文字板であり、文字板モジュール1または時計の外装体10の一部を形成し、軸4と同軸の外環として実現される。
【0032】
さらに、第1の指針2は、上記軸4を通る軸線X−X’を中心に上記環状文字板6の内側で同軸に旋回可能な円板2B上の指針記号2Aとして実現される。
【0033】
第2の指針3の文字板7は、第1の指針2の円板2Bの円形開口部11内に配置された軸受に旋回可能に収容され、軸線X−X’を中心とした円板2Bの旋回運動に同期して追従する軸線Y−Y’を中心に旋回可能である。
【0034】
軸線Y−Y’は、例えば、第1の指針2の表示軸線上にも配置される。この軸線は、この例では指針記号2Aの長手方向に延在するが、厳密にそうである必要はない。
【0035】
第2の指針の文字板7も円環として実現され、第2の指針3も上記の第2の環状文字板7に配置された軸受に旋回可能に収容される第2の円板3B上の指針記号3Aとして実現される。
【0036】
指針2および3と文字板7とは、時計機構によって駆動され、第2の指針3の文字板7はその軸線Y−Y’を中心に第1の指針2の旋回速度に等しい旋回速度で、但し互いに対抗する位置にある状態で、駆動されるので、第2の指針3の文字板7は、旋回中、外装体10に対して常に同じ一定の向きに姿勢を維持する。
【0037】
これにより、文字板6が外装体に固定されていることにより、この外装体10に対して一定の向きに姿勢を維持する伝統的な時計と同じように、時間目盛9は常に一定の向きに姿勢を維持する。
【0038】
指針2および3は、伝統的な時計のように、公知の方法で、時間目盛に対して時間と分または他の情報を示すために、時計機構によって駆動される。
【0039】
図1では、文字板モジュールは12時の位置で示されている。一方、図2では、文字板はそれより後の8時20分にほぼ対応する時刻の位置で示されている。ここで注目すべき重要な点は、時針3の軸5とその文字板7とが分針2と同期して軸線X−X’を中心に旋回した点である。ただし、時針3のこの文字板7は常に同じ向きに姿勢を維持している。
【0040】
このように、この動作は、伝統的な時計の指針と同様に旋回する指針2および3による時刻表示に基づいている。指針2および3は、相対的な旋回運動によって駆動されない文字板6および7を指す。これにより、伝統的な時計の場合のように「無意識的な」読み取りを可能にする。すなわち、一般的な使用者は、指針2および3が指している先が時間目盛8または9のどの数字または記号かを読み取らなくても、経験的事実認識に基づいた読み取りによって各指針の角度が示す位置によって時刻を推定できる。
【0041】
また、何れの数字または他の表示も一定の向きを維持するので、上下逆さに、または横から、読み取らなくても、常に読み取り可能である。
【0042】
文字板モジュール1は歯車装置12によって駆動される。歯車装置12は、簡略化のために図面には示されていない時計機構の一次中心駆動軸および/または二次駆動軸によって駆動される。
【0043】
図3から図5は、上記軸4を介して第1の指針2の円板2Bを駆動する一次中心駆動軸を有する、伝統的な時計の機構に合体可能な歯車装置の一例を示す。
【0044】
歯車機構12は、外装体10に固着された、その軸線が軸線X−X’に一致する固定された中心歯車13で構成される。歯車13は、指針2の円板2Bに固着された軸線Z−Z’上の軸15を中心に自由に旋回可能な歯車14と噛み合う。
【0045】
後者の歯車14は、第2の指針3の環状文字板7に同軸に取り付けられてこの文字板7を駆動する歯車16とも噛み合う。
【0046】
上記歯車14には同軸の歯車17が固着され、歯車17は、第2の指針3の円板3Bに固着された、その軸が軸線Y−Y’と一致する歯車18と噛み合う。
【0047】
この歯車18は、第1の指針2の円板2Bに固着された軸19に配置された軸受に収容される。
【0048】
動作は以下のとおり単純である。
【0049】
時計機構が第1の指針2の円板2Bを時計回り方向に駆動すると、歯車13は固定されているため、歯車14はその軸15を中心に旋回し、この歯車14は第2の指針3の環状文字板7を円板2Bに対して、ただし反時計回り方向に、旋回させる。
【0050】
歯車13および16の歯数が同じであると、第2の指針3の文字板7は、外装体10に対して常に同じ向きに姿勢を維持することになる。
【0051】
第2の指針3は、歯車17の回転によって駆動される。歯車17は、歯車14と同期して旋回し、第2の指針3の円板3Bの歯車18を駆動させる。
【0052】
歯車17および18の歯数比が適切に選択されていると、第2の指針3は、伝統的な時計の指針のように、その文字板7の内側で旋回することになる。
【0053】
この場合、これは間接伝動と呼ばれる。
【0054】
指針同士が一切重なり合わず、如何なる視差もなく、時刻があらゆる視角から明確に読み取れるように、両指針の上側可視部分および両文字板が単一の連続面に配置されるので、これらの指針および文字板が互いに重なり合わないことは図面から明らかである。これらの指針および文字板が同じ平面に配置されていない場合は、不可避的に視差が発生し、時計上の時刻を読み取る際の視角に応じて読み取り値に差が生じる。
【0055】
これらの指針および文字板が同じ連続面上にあるため、如何なる視角からでも常に正しい時刻を読み取ることができる。
【0056】
この連続面は、いわば実質的に閉じた表面である。少なくとも、これらの指針および文字板の間には極めて小さな隙間しか存在しない。したがって、この時計は、実質的に塵埃に対して密閉されており、これらの可動指針および文字板の間に接合部を狭装することにより、塵埃に対して完全密閉することも容易に出来るのである。
【0057】
これにより、これらの指針および文字板の前の保護ガラスを省くことさえ可能であり、さらに扁平な時計の実現が可能になる。
【0058】
これらの指針および文字板が1つの平面に配置されないことを排除するものではなく、凹面または凸面および一続きの曲面でも同じ利点が得られる。この場合、軸線X−X’、Y−Y’、およびZ−Z’は必ずしも互いに平行である必要はない。
【0059】
例えば、秒針または別の指針など第3の指針を装着することを排除するものではないことも明らかである。第3の指針は、例えば第1または第2の指針2および3の円板2Bまたは3Bに組み込み可能であり、上記の実施形態では、例えば第2の指針2とその文字板7の場合と同様に、第1の指針2の円板2Bに組み込まれる。
【0060】
文字板モジュールは、図3から図5の例では、単一の駆動軸4によってのみ駆動されることは明らかである。これにより、駆動に用いる時計機構をより単純、よりコンパクトにすることができる。
【0061】
文字板モジュール自体は限られた数の歯車装置によってのみ駆動されることも明らかである。これらの歯車装置は、図示の例では、2層式の歯車のみで構成される。これにより、少なくとも3層式の歯車が使用されている公知の文字板モジュールに比べ、高さ寸法がコンパクトな文字板モジュールの実現が可能になる。
【0062】
上記のような間接駆動の変形例として、直接駆動も可能である。この場合、両指針および両文字板を駆動するために、伝統的な時計の一次中心駆動軸を2つ以上使用する。したがって、歯車装置12は複数の要素になり、各要素が時計機構の個別の駆動軸によって駆動される。
【0063】
このような直接駆動の一例が図6に示されている。この例では、時計機構の一次中心駆動軸が2つ用いられている。
【0064】
歯車Rは、指針には取り付けられず、第1の中心一次軸、例えば秒用の一次中心駆動軸、に直接取り付けられる。
【0065】
歯車Oは固定されており、上記の間接駆動における歯車13と同様の機能を有する。
【0066】
軸線L、M、およびNは、X−X’を中心に旋回する。軸受L、M、およびNは、軸線がX−X’である第1の指針2の円板2Bに固定される。円板2Bは、時計機構の第2の一次中心駆動軸に直接取り付けられるか、または二次駆動軸によって駆動される。
【0067】
歯車O、P、およびQは、互いに相互依存関係にある。すなわち、Oの歯数がQと同じであると、X−X’を中心としてLおよびNが移動している時、Oに対するQの相対的角変位はゼロになる。Qは、軸線Nを中心に旋回する共通軸を介して、環状文字板7と直接の相互依存関係にある。すなわち、OとQとが同じ歯数を有し、Pを介して互いに相互依存関係にある場合、環状文字板7は、X−X’を中心としてNが移動している時、外装体10に対して一定の向きに姿勢を維持する。
【0068】
軸Nを中心とした第1の指針2の回転は、RによってSおよびTを介して開始される。歯車SおよびTは、Mを中心に旋回する軸を介して互いに相互依存的に固定されるか、または単一の歯車S−Tに組み込まれる。歯車UおよびT間の歯数比、または歯車SおよびT間の歯数比は、RとUとの間の相対角変位がゼロになるようにする必要がある。歯車Rの歯数が歯車Uと同じであり、歯車Tに対する歯車Sの歯数比が60/59である場合、X−X’を中心としてMおよびNが移動しても、RとUとの間の相対角変位はゼロである。これにより、このRの角変位はUの角変位に等しくなる。
【0069】
伝統的な時計の機構の一次中心駆動軸を介した直接および間接駆動に加え、偏心して取り付けられた伝統的な時計の1つ以上の二次駆動軸を介した駆動も可能である。これらの二次駆動軸は、伝統的な時計においては、時計がクロノメータ機能を備えている場合に用いられることが多いように、例えば偏心して取り付けられた小さな秒針用に用いられているか、あるいは日付、月の相、予備運転力、およびこの種の他の表示など他の機能のために用いられている。
【0070】
このような駆動装置の一例が図7に示されている。これは、二次駆動軸を介した直接駆動装置の一変形例である。
【0071】
この変形例は、歯車W、R、V、およびUの組み合わせによって、固定された時計と第1の指針2の円板2Bとの間に配置された歯車装置によって形成される。
【0072】
歯車Rは、Vと相互依存的に固着され、VおよびRは、それぞれの軸線X−X’を中心に一緒に自由に旋回可能である。一方、Vは、時計機構の二次駆動軸Yに固着された歯車Wに結合される。Wは、伝統的な時計において当該駆動軸によって駆動される機能に取って代わる。これにより、角変位がWからRおよびVを介してUに伝達される。RとUの歯数間の相互比率は、Aを中心としたNの回転を吸収する必要がある。
【0073】
上記3つの歯車装置のおかげで、本発明による文字板モジュール1を駆動するための基盤として、ほぼ全ての伝統的な時計を使用できる。
【0074】
指針および文字板の役割を逆にできること、例えば、外装体に対する向きが適切な歯車装置によって維持される円板2Bに時間目盛9を設ける一方で、指針機能を、例えば時間を示すために時計機構によって駆動される円環7上の指針表示によって、保証することは、上記から明らかである。
【0075】
いくつかの同心円環が、一方の円環が他方の円環の周りに、または円板の周りに、配置されることも排除されない。この場合、例えば中間円環の向きは外装体に対して維持され、他の円環または円板は、中間円環側を向いた指針を有する個別の指針機能をそれぞれ有する。
【0076】
時間目盛は広く解釈されるべきであり、時間目盛は、例えば、月の相、予備運転力、または他の情報の表示をも意味することは明らかである。
【0077】
本発明は例として記載され、図面に示された実施形態に決して限定されるものではなく、本発明による文字板モジュールおよびこのようなモジュールを備えた時計は、本発明の範囲から逸脱することなく、あらゆる種類の変形例で実現可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7