(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
成長調節剤、好ましくは、2,4−Dもしくはジカンバ及び/又はアセト乳酸シンターゼ(ALS)、EPSPシンターゼ(EPSPS)及び/又はグルタミンシンターゼ(GS)を阻害する除草剤に対する耐性を付与する1つ以上のキメラ遺伝子をさらに含む、請求項4又は5に記載の植物細胞、植物の一部、植物又は種子。
HPPD阻害剤が、イソキサフルトール、テンボトリオン、メソトリオン、スルコトリオン、ピラスルホトール、トプラメゾン、2−シアノ−3−シクロプロピル−1−(2−SO2CH3−4−CF3フェニル)プロパン−1,3−ジオン及び2−シアノ−3−シクロプロピル−1−(2−SO2CH3−4−2,3 Cl2フェニル)プロパン−1,3−ジオン、ビシクロピロン、ベンゾビシクロン、テフリルトリオン、ジケトニトリルならびにピラゾキシフェンの群より選択されることを特徴とする、請求項8に記載の雑草を防除するための方法。
HPPD阻害型除草剤が、イソキサフルトール、テンボトリオン、メソトリオン、スルコトリオン、ピラスルホトール、トプラメゾン、2−シアノ−3−シクロプロピル−1−(2−SO2CH3−4−CF3フェニル)プロパン−1,3−ジオン及び2−シアノ−3−シクロプロピル−1−(2−SO2CH3−4−2,3 Cl2フェニル)プロパン−1,3−ジオン、ビシクロピロン、ベンゾビシクロン、テフリルトリオン、ジケトニトリルならびにピラゾキシフェンからなる群より選択される、請求項11に記載の使用。
【背景技術】
【0002】
HPPDは、チロシン分解産物のパラ−ヒドロキシフェニルピルビン酸(本明細書においてHPPと略する)が、植物におけるトコフェロール及びプラストキノンの前駆体であるホモゲンチシン酸(本明細書においてHGと略する)に変換される反応を触媒する酵素である(Crouch N.P. et al. (1997) Tetrahedron, 53, 20, 6993-7010, Fritze et al., (2004), Plant Physiology 134:1388-1400)。トコフェロールは、膜結合抗酸化物質として作用する。プラストキノンは、第一に、PSIIとシトクロムb6/f複合体間の電子伝達体として作用し、第二に、カロテノイドの生合成に関与するフィトエンデサチュラーゼの酸化還元補因子である。
【0003】
これまで、NCBIデータベースの様々な生物に由来する700を超える核酸配列が、、HPPDドメインを有する推定タンパク質をコードする配列として注解された(UniProtKB/TrEMBLデータベースの登録番号Q0SC92及びQ0SF39、それぞれNCBIタンパク質データベースの登録番号YP_703002及びYP_702005としても公開される配列を含む)。しかし、登録番号Q0SC92/YP_703002及びQ0SF39/YP_702005に相当する配列を含むこれらのほとんどにとって、該タンパク質がin vitroアッセイ又はin plantaアプローチのいずれかでHPPD酵素活性を有することも、また、そのようなHPPDタンパク質が植物で発現されたときに、HPPD阻害型除草剤に対する除草剤耐性を付与することができることも証明されていない。いくつかのHPPDタンパク質及びその一次配列、特に、Pseudomonasなどの細菌(Ruetschi et al., Eur. J. Biochem., 205, 459-466, 1992, WO 96/38567)、Arabidopsis(WO 96/38567, Genebank AF047834)、ニンジン(WO 96/38567, Genebank 87257)、Avena sativa (WO 02/046387)、コムギ(WO 02/046387)、Brachiaria platyphylla(WO 02/046387)、Cenchrus echinatus(WO 02/046387)、Lolium rigidum(WO 02/046387)、Festuca arundinacea(WO 02/046387)、Setaria faberi(WO 02/046387Eleusine indica(WO 02/046387)、Sorghum(WO 02/046387)Coccicoides(Genebank COITRP)などの植物、Coptis japonica(WO 06/132270)、Chlamydomonas reinhardtii(ES 2275365)、又はマウスもしくはブタなどの哺乳動物のHPPDタンパク質が当技術分野においてこれまでに記載されている。表示の文献に開示されている対応する配列は、参照することで本明細書に組み込まれる。
【0004】
ほとんどの植物は、アロゲン酸(arrogenate)を経由してチロシンを合成する(Abou-Zeid et al. (1995), Applied Env Microb 41: 1298-1302; Bonner et al., (1995), Plant Cells Physiol. 36, 1013-1022; Byng et al., (1981), Phytochemistry 6: 1289-1292; Connely and Conn (1986), Z. Naturforsch 41c: 69-78; Gaines et al.、(1982), Plants 156: 233-240)。これらの植物では、HPPはチロシンの分解からのみ誘導される。一方で、酵母のSaccharomyces cerevisiae又は細菌のEscherichia coliなどの生物では、HPPはチロシン前駆体であり、そして、これは、プレフェン酸をHPPに変換する酵素のプレフェン酸デヒドロゲナーゼ(以下、本明細書でPDHと称する)の作用により合成される(Lingens et al., (1967) European J. Biochem 1: 363-374; Sampathkumar and Morrisson (1982), Bioch Biophys Acta 701: 204-211)。これらの生物では、このため、HPPの産生は芳香族アミノ酸生合成経路(シキミ酸経路)に直結しており、チロシン分解経路に直結していない。
【0005】
HPPDの阻害は、カロテノイドにより通常与えられる光防護の欠如が原因で、光合成の遮断(uncoupling)、補助集光性色素の欠乏、そして、最も重要なことだが、UV照射及び活性酸素種によるクロロフィルの破壊(白化)をもたらす(Norris et al. (1995), Plant Cell 7: 2139-2149)。光合成活性組織の白化は、増殖阻害及び植物死をもたらす。
【0006】
HPPDを阻害し、そして、HPPのホモゲンチシン酸への変換を阻害するために該酵素に特異的に結合するいくつかの分子が、非常に効果的な選択的除草剤であると証明されている。
【0007】
現在、市販されている多くのHPPD阻害型除草剤が、以下の4種の化学物質ファミリーの1つに属する:
1)トリケトン、例えば、スルコトリオン[即ち、2−[2−クロロ−4−(メチルスルホニル)ベンゾイル]−1,3−シクロヘキサンジオン]、メソトリオン[即ち、2−[4−(メチルスルホニル)−2−ニトロベンゾイル]−1,3−シクロヘキサンジオン];テンボトリオン[即ち、2−[2−クロロ−4−(メチルスルホニル)−3−[(2,2,2,−トリ−フルオロエトキシ)メチル]ベンゾイル]−1,3−シクロ−ヘキサンジオン];テフリルトリオン[即ち、2−[2−クロロ−4−(メチルスルホニル)−3−[[(テトラヒドロ−2−フラニル)メトキシ]メチル]ベンゾイル]−1,3−シクロヘキサンジオン]];ビシクロピロン[即ち、4−ヒドロキシ−3−[[2−[(2−メトキシエトキシ)メチル]−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]カルボニル]ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−エン−2−オン];ベンゾビシクロン[即ち、3−(2−クロロ−4−メシルベンゾイル)−2−フェニルチオビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−4−オン]
2)ジケトニトリル、例えば、2−シアノ−3−シクロプロピル−1−(2−メチルスルホニル−4−トリフルオロメチルフェニル)−プロパン−1,3−ジオン及び2−シアノ−1−[4−(メチルスルホニル)−2−トリフルオロメチルフェニル]−3−(1−メチルシクロプロピル)プロパン−1,3−ジオン;
3)イソオキサゾール、例えば、イソキサフルトール[即ち、(5−シクロプロピル−4−イソオキサゾリル)[2−(メチルスルホニル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノン](植物では、イソキサフルトールは、HPPD阻害特性を示すDKN(ジケトニトリル)化合物に急速に代謝される);及び
4)ピラゾリネート、例えば、トプラメゾン[即ち、[3−(4,5−ジヒドロ−3−イソオキサゾリル)−2−メチル−4−(メチルスルホニル)フェニル](5−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノン]、及びピラスルホトール[(5−ヒドロキシ−1,3−ジメチルピラゾール−4−イル(2−メシル−4−トリフルオロメチルフェニル)メタノン];ピラゾフェン(pyrazofen)[2−[4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ]アセトフェノン]
【0008】
これらのHPPD阻害型除草剤は、Zea maysなどの代謝耐性を示す作物の中で、イネ科及び/又は広葉雑草に対して使用することができ、これら雑草は急速に減少する(Schulz et al., (1993). FEBS letters, 318, 162-166; Mitchell et al., (2001) Pest Management Science, Vol 57, 120-128; Garcia et al., (2000) Biochem., 39, 7501-7507; Pallett et al., (2001) Pest Management Science, Vol 57, 133-142)。これらのHPPD阻害型除草剤の範囲を拡張するために、植物、特に、代謝耐性を有しないか、又は代謝耐性が低い植物に、農地条件下で許容可能な耐性レベルを付与するためのいくつかの取り組みがなされてきた。
【0009】
HPPD介在性のホモゲンチシン酸産生を回避する試行(US 6,812,010)の他に、除草剤に対する十分量の標的酵素を植物において産生するために、感受性酵素の過剰発現が実施された(WO96/38567)。HPPDの過剰発現により、イソキサフルトール(IFT)のジケトニトリル誘導体(DKN)に対して良好な発芽前耐性が得られたが、出芽後処理に対しての耐性は十分ではなかった(Matringe et al., (2005), Pest Management Science 61: 269-276)。
【0010】
第三の戦略は、HPPのホモゲンチシン酸への変換を触媒する特性を保持しながらも、突然変異前の天然HPPDよりHPPD阻害剤に対する感受性が低い標的酵素を得るために、HPPDを突然変異させることであった。
【0011】
この戦略を、ジケトニトリルファミリーに属する2つのHPPD阻害型除草剤の、2−シアノ−3−シクロプロピル−1−(2−メチルスルホニル−4−トリフルオロメチルフェニル)−プロパン−1,3−ジオン及び2−シアノ−1−[4−(メチルスルホニル)−2−トリフルオロメチルフェニル]−3−(1−メチルシクロプロピル)プロパン−1,3−ジオン(EP 496630)に耐性を有する植物の産生に適用することに成功した(WO 99/24585)。Pro215Leu、Gly336Glu、Gly336Ile、そして特に、Gly336Trp(突然変異アミノ酸の位置は、PseudomonasHPPDを参照して示される)が、これらのジケトニトリル除草剤による発芽前処理に対して、酵素活性の変化を引き起こすことなく、耐性増加をもたらす原因である突然変異であると同定された。
【0012】
最近、PseudomonasHPPD遺伝子をタバコ及びダイズの色素体ゲノムへの導入が、核形質転換より効果的であり、イソキサフルトールの出芽後適用にも耐性を付与することが示された(Dufourmantel et al., 2007, Plant Biotechnol J.5(1):118-33)。
【0013】
WO 04/024928で、発明者等は、植物細胞内へのHPP前駆体のフラックスを増加させることにより、植物細胞内のプレニルキノン生合成(例えば、プラストキノン、トコフェロールの合成)を増加させようとした。これは、PDH酵素を過剰発現させて前記前駆体の合成を「シキミ酸」経路に連結させることにより実施した。また、彼らは、PDH酵素をコードする遺伝子で植物を形質転換することで、前記植物のHPPD阻害剤に対する耐性を増加させることが可能であることに言及している。
【0014】
特許出願WO 2009/144079には、Pseudomonas fluorescensHPPDタンパク質の336位に突然変異を有するヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)をコードする核酸配列、及びHPPD阻害型除草剤に耐性を有する植物を得るためのその使用が開示されている。
【0015】
WO 2002/046387では、植物由来のHPPDタンパク質のいくつかのドメインが、様々なHPPD阻害型除草剤に対する耐性付与に関連している可能性があることが確認されたが、記載されるドメインの機能による影響を確認するための、in plantaのみならず、生化学的データも示されていない。
【0016】
WO 2008/150473では、2つの異なる耐性メカニズムの組み合わせ(突然変異HPPD酵素とCYP450トウモロコシモノオキシゲナーゼ(nsf1遺伝子)をコードする改変Avena sativa遺伝子)が、HPPD阻害型除草剤に対する耐性改善を達成するために例示されたが、両タンパク質の組み合わせに基づく相乗効果を示すデータが開示されていない。
【0017】
上記のいくつかのHPPD阻害型除草剤に対して耐性を示す植物を開発するためのこれらの成功が得られたにもかかわらず、依然として、新規又はいくつかの異なるHPPD阻害剤、特に、トリケトン(例えば、スルコトリオン、メソトリオン、テンボトリオン、ベンゾビシクロン及びビシクロピロン)及びピラゾリネート(例えば、トプラメゾン及びピラスルホトール)のクラスに属するHPPD阻害剤に対する、植物の耐性の開発及び/又は改善が必要とされている。
【0018】
説明
従って、本発明は、パラ−ヒドロキシフェニルピルビン酸のホモゲンチシン酸への変換を触媒する特性を示すHPPD酵素をコードする、Rhodococcus属に属する生物から得ることが可能又は得られるHPPDタンパク質をコードする遺伝子、及びそのバリアント又は突然変異体、より具体的には、Rhodococcus sp.種に属する生物由来の遺伝子、及びそのバリアント又は突然変異体、さらにより具体的には、Rhodococcus sp. RHA1株に属する生物由来の遺伝子、及びそのバリアント又は突然変異体を含有するトランスジェニック植物であって、そのようなHPPDコード導入遺伝子を全く含有しない植物よりHPPD阻害剤に対する感受性が低い植物の作製に関する。
【0019】
特に、従って、本発明は、パラ−ヒドロキシフェニルピルビン酸のホモゲンチシン酸への変換を触媒する特性を示すHPPD酵素をコードする、Rhodococcus属に属する生物から得ることが可能又は得られる遺伝子、より具体的には、Rhodococcus sp.種に属する生物由来の遺伝子、そのバリアント又は突然変異、さらにより具体的には、Rhodococcus sp. RHA1株に属する生物由来の遺伝子、そのバリアント又は突然変異体、最も具体的には、単離体ro03041又はro02040に属する生物由来の遺伝子、そのバリアント又は突然変異体を含有するトランスジェニック植物であって、そのようなHPPD導入遺伝子を全く含有しない植物よりHPPD阻害剤に対する感受性が低い植物の作製に関する。HPPDタンパク質をコードする、Rhodococcus sp. RHA1由来、最も具体的には、単離体ro03041又はro02040に属する生物由来の遺伝子が、HPPD阻害型除草剤に感受性の参照分子と考えられる感受性ArabidopsisHPPDタンパク質と比較したHPPDタンパク質の実験及び構造的決定により、HPPD阻害剤耐性に関連する位置のアミノ酸組成の多様性が高いことから、優れたHPPD阻害剤耐性候補として選択された。
【0020】
一実施態様においては、本発明は、配列番号4のアミノ酸2位〜401位のアミノ酸配列、特に、配列番号4、5、6又は7のいずれか1つ、好ましくは、配列番号6のアミノ酸配列、及び/又は、配列番号18のアミノ酸2位〜402位のアミノ酸配列、特に、配列番号18、19、20又は21のいずれか1つ、好ましくは、配列番号20のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%;少なくとも97%;少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するHPPDタンパク質であって、本明細書において、「本発明のHPPDタンパク質」又は「RhodococcusHPPDタンパク質」と称するHPPDタンパク質に関する。
【0021】
さらなる実施態様においては、本発明は、配列番号4のアミノ酸2位〜401位のアミノ酸配列、特に、配列番号4、5、6、7のいずれか1つ、好ましくは、配列番号6のアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%;少なくとも97%;少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有し、そして、配列番号4の207位〜401位の任意のアミノ酸が任意の天然のアミノ酸により変更されており、好ましくは、それが任意の保存的置換であってもよい、HPPDタンパク質であって、本明細書において、「本発明のHPPDタンパク質ro03041」又は「Rhodococcusro03041HPPDタンパク質」と称する、ro03041から単離されるHPPDタンパク質に関する。
【0022】
さらなる実施態様においては、本発明は、配列番号18のアミノ酸2位〜402位のアミノ酸配列、特に、配列番号18、19、20、21のいずれか1つ、好ましくは、配列番号20のアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%;少なくとも97%;少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有し、そして、配列番号18の208位〜402位の任意のアミノ酸が任意の天然のアミノ酸により変更されており、好ましくは、それが任意の保存的置換であってもよい、HPPDタンパク質であって、本明細書において、「本発明のHPPDタンパク質ro02040」又は「Rhodococcusro02040HPPDタンパク質」と称する、ro02040から単離されるHPPDタンパク質に関する。
【0023】
さらなる実施態様においては、本発明は、配列番号4のアミノ酸2位〜401位のアミノ酸配列、特に、配列番号4、5、6、7のいずれか1つ、好ましくは、配列番号6のアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%;少なくとも97%;少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有し、そして、括弧内の番号(配列番号4の番号に関して)で指定される位置に1つ以上の下記アミノ酸、即ち、His(205)、Ser(248)、Asn(263)、Gln(287)、His(288)、Tyr(317)、Gln(354)、Phe(367)、Glu(369)、Gly(380)及びAsn(383)を有するHPPDタンパク質であって、本明細書において、「本発明のHPPDタンパク質」又は「単離体ro03041由来のRhodococcusHPPDタンパク質」と称するHPPDタンパク質に関する。
【0024】
さらなる実施態様においては、本発明は、配列番号4のアミノ酸2位〜401位のアミノ酸配列、特に、配列番号4、5、6、7のいずれか1つ、好ましくは、配列番号6のアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%;少なくとも97%;少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有し、そして、表(i)の2段目に示される各位置で、元々存在するアミノ酸が表(i)の3段目に列挙されるアミノ酸のいずれかで置換されうるHPPDタンパク質であって、本明細書において、「本発明のHPPDタンパク質」又は「単離体ro03041由来のRhodococcusHPPDタンパク質」と称するHPPDタンパク質に関する。
【0025】
【表1】
【0026】
さらなる実施態様においては、本発明は、配列番号4のアミノ酸2位〜401位のアミノ酸配列、特に、配列番号4、5、6、7のいずれか1つ、好ましくは、配列番号6のアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%;少なくとも97%;少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有し、そして、表(ii)の2段目に示される各位置で、元々存在するアミノ酸が表(ii)の3段目に列挙されるアミノ酸のいずれかで置換されうるHPPDタンパク質であって、本明細書において、「本発明のHPPDタンパク質」又は「単離体ro03041由来のRhodococcusHPPDタンパク質」と称するHPPDタンパク質に関する。
【0027】
【表2】
【0028】
さらなる実施態様においては、本発明は、配列番号4のアミノ酸2位〜401位のアミノ酸配列、特に、配列番号4、5、6、7のいずれか1つ、好ましくは、配列番号6のアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%;少なくとも97%;少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有し、そして、表(iii)の2段目に示される各位置で、元々存在するアミノ酸が表(iii)の3段目に列挙されるアミノ酸のいずれかで置換されうるHPPDタンパク質であって、本明細書において、「本発明のHPPDタンパク質」又は「単離体ro03041由来のRhodococcusHPPDタンパク質」と称するHPPDタンパク質に関する。
【0029】
【表3】
【0030】
さらなる実施態様においては、本発明は、配列番号4のアミノ酸2位〜402位のアミノ酸配列、特に、配列番号4、5、6、7のいずれか1つ、好ましくは、配列番号6のアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%;少なくとも97%;少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有し、そして、括弧内の番号(配列番号4の番号に関して)で指定される位置に1つ以上の下記アミノ酸、即ち、His(206)、Ser(249)、Asn(264)、Gln(288)、His(289)、Tyr(318)、Gln(355)、Phe(368)、Glu(370)、Gly(381)及びAsn(384)を有するHPPDタンパク質であって、本明細書において、「本発明のHPPDタンパク質」又は「単離体ro02040由来のRhodococcusHPPDタンパク質」と称するHPPDタンパク質に関する。
【0031】
さらなる実施態様においては、本発明は、配列番号4のアミノ酸2位〜402位のアミノ酸配列、特に、配列番号4、5、6、7のいずれか1つ、好ましくは、配列番号6のアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%;少なくとも97%;少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有し、そして、表(i)の2段目に示される各位置で、元々存在するアミノ酸が表(iv)の3段目に列挙されるアミノ酸のいずれかで置換されうるHPPDタンパク質であって、本明細書において、「本発明のHPPDタンパク質」又は「単離体ro02040由来のRhodococcusHPPDタンパク質」と称するHPPDタンパク質に関する。
【0032】
【表4】
【0033】
さらなる実施態様においては、本発明は、配列番号4のアミノ酸2位〜402位のアミノ酸配列、特に、配列番号4、5、6、7のいずれか1つ、好ましくは、配列番号6のアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%;少なくとも97%;少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有し、そして、表(ii)の2段目に示される各位置で、元々存在するアミノ酸が表(v)の3段目に列挙されるアミノ酸のいずれかで置換されうるHPPDタンパク質であって、本明細書において、「本発明のHPPDタンパク質」又は「単離体ro02040由来のRhodococcusHPPDタンパク質」と称するHPPDタンパク質に関する。
【0034】
【表5】
【0035】
さらなる実施態様においては、本発明は、配列番号4のアミノ酸2位〜402位のアミノ酸配列、特に、配列番号4、5、6、7のいずれか1つ、好ましくは、配列番号6のアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%;少なくとも97%;少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有し、そして、表(iii)の2段目に示される各位置で、元々存在するアミノ酸が表(vi)の3段目に列挙されるアミノ酸のいずれかで置換されうるHPPDタンパク質であって、本明細書において、「本発明のHPPDタンパク質」又は「単離体ro02040由来のRhodococcusHPPDタンパク質」と称するHPPDタンパク質に関する。
【0036】
【表6】
【0037】
本発明は、配列番号4のアミノ酸2位〜アミノ酸401位、又は配列番号18のアミノ酸2位〜アミノ酸402位の配列と比較して、置換、欠失又は付加されたアミノ酸を有する、トランジットペプチド融合タンパク質などのタンパク質、又は、HPPDタンパク質の酵素機能を保持し、そして、植物で発現されたとき、依然として、HPPD耐性、好ましくは、配列番号4又は配列番号18のタンパク質により付与される耐性と同等のHPPD耐性を付与するアミノ酸変化を配列番号4又は配列番号18の配列において有するタンパク質を包含する。これは、配列番号4のタンパク質由来のバリアント又は突然変異体タンパク質、例えば、配列番号5、6又は7のタンパク質のいずれか、又は配列番号18のタンパク質由来のバリアント又は突然変異体タンパク質、例えば、配列番号19、20、21のタンパク質のいずれか、特に、宿主植物の内因性HPPDより、イソオキサゾール、ジケトニトリル、トリケトン又はピラゾリネートのクラスのHPPD阻害型除草剤に対する感受性が低いそのような突然変異体又はバリアント、好ましくは、イソオキサゾール、ジケトニトリル、トリケトン及び/又はピラゾリネートのクラスのHPPD阻害型除草剤、特に、メソトリオン、テンボトリオン、イソキサフルトール又はビシクロピロンのいずれか1つが、そのような植物に適用されたとき、より具体的には、出芽後に適用されたときにそのタンパク質を発現する宿主植物に農学的に妥当な除草剤耐性を付与するそのような突然変異体又はバリアントを包含する。これは、また、植物で発現されたときにHPPD阻害剤耐性を付与する、配列番号4又は配列番号18の配列の活性部位を含むタンパク質を包含する。これは、配列番号4又は配列番号18の配列と実質的に同じアミノ酸配列を有するタンパク質、例えば、配列番号4〜7又は配列番号19〜21のいずれか1つのアミノ酸配列を有するタンパク質を包含する。これは、以下で定義されるような単離タンパク質、及び特定のアミノ酸が以下に定義されるような同様のアミノ酸で置換、好ましくは、保存的アミノ酸置換されている、配列番号4又は配列番号18のタンパク質などのタンパク質も包含する。また、本明細書における本発明のHPPDタンパク質として、配列番号4のアミノ酸2位〜401位又は配列番号18のアミノ酸2位〜402位のアミノ酸配列を含むが、1〜20、1〜15、1〜10、又は1、2、3、4、5、6、7、8、又は9個のアミノ酸が欠失又は他のアミノ酸で置換されているHPPDタンパク質、特に、HPPD酵素活性を保持し、宿主植物で発現されたときHPPD阻害型除草剤に対する耐性を付与するそのようなタンパク質が包含される。本明細書において、後述するような本発明のDNA配列に相同のDNA配列によりコードされるHPPDタンパク質、又は配列番号1もしくは配列番号15のDNAの少なくとも一部(少なくとも20〜30個のヌクレオチド)とハイブリダイズするか、又は配列番号1もしくは配列番号15に基づくプライマーを使用して得ることが可能であるDNA配列によりコードされるHPPDタンパク質、又は配列番号4又は配列番号18に対して、少なくとも75%の配列同一性を有し、微生物、例えば、真核微生物、特に、細菌、例えば、Rhodococcus属の微生物のゲノム配列に見出されるDNA配列によりコードされるHPPDタンパク質が包含される。本明細書における本発明のHPPDタンパク質としては、植物で発現されたときに、該植物に、メソトリオン、テンボトリオン、イソキサフルトール又はビシクロピロンなどのHPPD阻害剤に対する除草剤耐性を付与するRhodococcusHPPDタンパク質が包含され、特に、そのようなHPPDタンパク質は、配列番号4のアミノ酸2位〜401位又は配列番号18のアミノ酸2位〜402位の配列を含むタンパク質などのRhodococcus sp.HPPDタンパク質である。これは、下記にさらに記載する突然変異体又はバリアントHPPDタンパク質を包含する。
【0038】
本発明は、配列番号:4、5、6、7、18、19、20又は21からなる群より選択されるアミノ酸配列、又は上記表(i)、(ii)又は(iii)の1つ以上に開示されているアミノ酸置換によるその誘導配列を含む、実質的に純粋なタンパク質に特異的に結合することができる抗体を包含し、提供する。
【0039】
本発明のさらなる態様は、本発明の1つ以上のタンパク質又はペプチド分子及びその同族体、融合体又はフラグメントに特異的に結合する抗体、一本鎖抗原結合分子、又は他のタンパク質に関する。
【0040】
特に好ましい実施態様においては、本抗体は、配列番号:4〜7又は18〜21で記述されるアミノ酸配列又はそのフラグメント、又は上記表(i)、(ii)又は(iii)の1つ以上に開示されているアミノ酸置換によるその誘導配列を有するタンパク質に特異的に結合する。
【0041】
別の実施態様においては、本抗体は、配列番号:4〜7又は18〜21で記述されるアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列又はそのフラグメント、又は上記表(i)、(ii)又は(iii)の1つ以上に開示されているアミノ酸置換によるその誘導配列を含む融合タンパク質に特異的に結合する。
【0042】
別の実施態様においては、本抗体は、配列番号:4〜7又は18〜21で記述されるアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列又はそのフラグメント、又は上記表(i)、(ii)又は(iii)の1つ以上に開示されているアミノ酸置換によるその誘導配列を含む融合タンパク質に特異的に結合する。
【0043】
本発明の抗体は、本発明のタンパク質又はペプチド分子の定量的又は定性的検出、又は該タンパク質の翻訳後修飾の検出に使用することができる。本明細書において使用される抗体又はペプチドは、関係のない分子の存在により競合的に結合が阻害されない場合に、本発明のタンパク質又はペプチド分子に「特異的に結合」すると言われる。
【0044】
別の実施態様においては、本発明は、上記で定義される本発明のHPPDをコードする核酸又はDNAであって、本明細書において、「本発明のHPPD核酸/DNA」と称するHPPD核酸又はDNAに関する。これは、配列番号1のヌクレオチド4位〜ヌクレオチド1203位の配列、配列番号2のヌクレオチド25位〜ヌクレオチド1224位の配列、又は配列番号3のヌクレオチド4位〜ヌクレオチド1599位の配列、又は配列番号15のヌクレオチド4位〜ヌクレオチド1206位の配列、配列番号16のヌクレオチド25位〜ヌクレオチド1227位の配列、又は配列番号17のヌクレオチド4位〜ヌクレオチド1603位の配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含むDNA、又はHPPDをコードするDNA領域を含むDNA、又は0.1%SDSを含有する5×SSC(1×SSC(単一強度(single-strength)クエン酸ナトリウム)は、0.15M NaCl、0.015M クエン酸三ナトリウム、50mM リン酸ナトリウム、pH7.6を意味する)中、60〜65℃の温度でインキュベートし、次に、同温度で0.1%SDSを含有する5×SSCでリンスした場合、依然として、配列番号1、2及び3からなる群より選択される配列とハイブリダイズするように、別のDNAと十分に相補的であるDNAを包含する。試験及び本発明の配列が二本鎖である場合、試験配列を構成する核酸は、好ましくは、配列番号1、2及び3からなる群より選択される配列のTMの10℃内のTMを有する。試験及び配列番号1、2及び3からなる群より選択される配列が一緒に混合され、同時に変性した場合、その配列のTM値は、好ましくは、互いに5℃以内である。より好ましくは、ハイブリダイゼーションは、下記で定義する比較的ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で実施する。
【0045】
一実施態様においては、変性した試験又は本発明の配列は、好ましくは、最初に支持体に結合させ、ハイブリダイゼーションは、0.1%SDSを含有する5×SSC中、60〜65℃の温度で特定の時間で行い、次に、支持体を同温度で0.1×SSCを用いてリンスする。ハイブリダイゼーションが、配列番号1、2、3、15、16又は17からなる群より選択される配列のフラグメントを含む場合は、ハイブリダイゼーション条件は、当業者に明らかであるように、より低いストリンジェント条件であってよい。
【0046】
また、本明細書における本発明のHPPD DNAとして、DNA配列が、例えば、ネイティブコドンを、宿主細胞においてより好ましいコドンで置換することにより、微生物又は植物での発現に適合されているか、又はここで、特定の制限酵素認識部位がクローニングを容易に行うために付加又は除去されているか、又は特定の数の付加、置換又は欠失ヌクレオチドを有するDNA配列である、本発明のHPPDタンパク質をコードするDNA配列が包含される。これは、また、単離DNA配列及びバリアント、突然変異体もしくは合成DNA又は下記にさらに記載する核酸を包含する。
【0047】
特定の実施態様においては、本発明のRhodococcusHPPD DNAは、植物において、植物で外来遺伝子を発現することができるプロモーターの制御下で発現される。さらに特定の実施態様においては、そのように発現したHPPD酵素のN末端に、シグナルペプチド、例えば、トランジットペプチド、好ましくは、色素体トランジットペプチド、例えば、約120アミノ酸(約30〜約120アミノ酸)の葉緑体トランジットペプチド、最も好ましくは、二重トランジットペプチド、例えば、第一部位がヒマワリ(Helianthus annuus)に由来し、第二部位がZea maysに由来する最適化されたトランジットペプチド(米国特許第5,188,642号に記載)、又は植物のリブロースビスカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ小サブユニット(RuBisCO ssu)の色素体トランジットペプチド(適宜、成熟RuBisCO ssuのN末端部位の数個のアミノ酸を含む(EP 189 707))が位置する。
【0048】
さらに特定の実施態様においては、本発明は、配列番号1に由来するか、もしくはそれから得ることができ、そして、コドン最適化DNA、例えば、配列番号2のヌクレオチド25位〜ヌクレオチド1224位の配列(指定された位置を含む)を含むDNAなど、E.coliで発現するように最適化されているか、又は配列番号15に由来するか、もしくはそれから得ることができ、そして、コドン最適化DNA、例えば、配列番号16のヌクレオチド25位〜ヌクレオチド1227位の配列(指定された位置を含む)を含むDNAのなど、E.coliで発現するように最適化されている、本発明のHPPDタンパク質をコードするDNAを包含する。
【0049】
さらに特定の実施態様においては、本発明は、配列番号1に由来し、そして、コドン最適化DNA、例えば、配列番号3のヌクレオチド400位〜ヌクレオチド1599位の配列(指定された位置を含む)を含むDNAなど、植物で発現するように最適化されている、本発明のHPPDタンパク質をコードするDNAを包含する。
【0050】
別のさらに特定の実施態様においては、本発明は、配列番号15に由来し、そして、コドン最適化DNA、例えば、配列番号17のヌクレオチド400位〜ヌクレオチド1602位の配列(指定された位置を含む)を含むDNAなど、植物で発現するように最適化されている、本発明のHPPDタンパク質をコードするDNAを包含する。
【0051】
さらに特定の実施態様においては、配列番号4のアミノ酸2位〜アミノ酸401位のアミノ酸配列を含むHPPD、又は配列番号4〜7のいずれか1つのアミノ酸配列を含むHPPDなどの本発明のHPPDは、宿主植物の内因性HPPDより、イソオキサゾール、ジケトニトリル、トリケトンもしくはピラゾリネートのクラスのHPPD阻害型除草剤、又はイソキサフルトール、テンボトリオン、メソトリオン、スルコトリオン、ピラスルホトール、トプラメゾン、2−シアノ−3−シクロプロピル−1−(2−SO
2CH
3−4−CF
3フェニル)プロパン−1,3−ジオン及び2−シアノ−3−シクロプロピル−1−(2−SO
2CH
3−4−2,3 Cl
2フェニル)プロパン−1,3−ジオン、ビシクロピロン、ベンゾビシクロン、テフリルトリオン及びピラゾキシフェンから選択されるHPPD阻害型除草剤に対する感受性が低い。
【0052】
別のさらに特定の実施態様においては、配列番号18のアミノ酸2位〜アミノ酸402位のアミノ酸配列を含むHPPD、又は配列番号18〜21のいずれか1つのアミノ酸配列を含むHPPDなどの本発明のHPPDは、宿主植物の内因性HPPDより、イソオキサゾール、ジケトニトリル、トリケトン又はピラゾリネートのクラスのHPPD阻害型除草剤、又はイソキサフルトール、テンボトリオン、メソトリオン、スルコトリオン、ピラスルホトール、トプラメゾン、2-シアノ−3−シクロプロピル−1−(2−SO
2CH
3−4−CF
3フェニル)プロパン−1,3−ジオン及び2-シアノ−3−シクロプロピル−1−(2−SO
2CH
3−4−2,3 Cl
2フェニル)プロパン−1,3−ジオン、ビシクロピロン、ベンゾビシクロン、テフリルトリオン及びピラゾキシフェンから選択されるHPPD阻害型除草剤に対する感受性が低い。
【0053】
さらに特定の実施態様においては、本発明は、コドン最適化DNA、例えば、配列番号2のヌクレオチド25位〜ヌクレオチド1224位の配列(指定された位置を含む)を含むDNAなど、E.coliで発現するように最適化されている本発明のHPPDタンパク質をコードし、そして、宿主植物の内因性HPPDより、イソオキサゾール、ジケトニトリル、トリケトン又はピラゾリネートのクラスの少なくとも1つのHPPD阻害型除草剤、好ましくは、テンボトリオン、メソトリオン、ビシクロピロン、テフリルトリオン、イソキサフルトール、ジケトニトリル、ピラスルホトール、トプラメゾン、スルコトリオン、ピラゾレート及びベンゾフェナップに対する感受性が低いHPPDをコードするDNAを包含する。
【0054】
別のさらに特定の実施態様においては、本発明は、配列番号15に由来し、そして、コドン最適化DNA、例えば、配列番号16のヌクレオチド25位〜ヌクレオチド1227位の配列(指定された位置を含む)を含むDNAなど、E.coliで発現するように最適化されている本発明のHPPDタンパク質をコードし、宿主植物の内因性HPPDより、イソオキサゾール、ジケトニトリル、トリケトン又はピラゾリネートのクラスの少なくとも1つのHPPD阻害型除草剤、好ましくは、テンボトリオン、メソトリオン、ビシクロピロン、テフリルトリオン、イソキサフルトール、ジケトニトリル、ピラスルホトール、トプラメゾン、スルコトリオン、ピラゾレート及びベンゾフェナップに対する感受性が低いHPPDをコードするDNAを包含する。
【0055】
さらに特定の実施態様においては、本発明は、配列番号1に由来し、そして、コドン最適化DNA、例えば、配列番号3のヌクレオチド400位〜ヌクレオチド1599位の配列(指定された位置を含む)を含むDNAなど、植物で発現するように最適化されている本発明のHPPDタンパク質をコードし、宿主植物の内因性HPPDより、イソオキサゾール、ジケトニトリル、トリケトン又はピラゾリネートのクラスの少なくとも1つのHPPD阻害型除草剤、好ましくは、テンボトリオン、メソトリオン、ビシクロピロン、テフリルトリオン、イソキサフルトール、ジケトニトリル、ピラスルホトール、トプラメゾン、スルコトリオン、ピラゾレート及びベンゾフェナップに対する感受性が低いHPPDをコードするDNAを包含する。
【0056】
さらに特定の実施態様においては、本発明は、配列番号15に由来し、そして、コドン最適化DNA、例えば、配列番号17のヌクレオチド400位〜ヌクレオチド1602位の配列(指定された位置を含む)を含むDNAなど、植物で発現するように最適化されている本発明のHPPDタンパク質をコードし、宿主植物の内因性HPPDより、イソオキサゾール、ジケトニトリル、トリケトン又はピラゾリネートのクラスの少なくとも1つのHPPD阻害型除草剤、好ましくは、テンボトリオン、メソトリオン、ビシクロピロン、テフリルトリオン、イソキサフルトール、ジケトニトリル、ピラスルホトール、トプラメゾン、スルコトリオン、ピラゾレート及びベンゾフェナップに対する感受性が低いHPPDをコードするDNAを包含する。
【0057】
さらに特定の実施態様においては、本発明は、配列番号1に由来し、そして、コドン最適化DNA、例えば、配列番号2のヌクレオチド25位〜ヌクレオチド1224位の配列(指定された位置を含む)、又は配列番号3のヌクレオチド400位〜ヌクレオチド1599位の配列(指定された位置を含む)を含むDNAなど、E.coliで発現するように最適化されているか、又は植物で発現するように最適化されているHPPDタンパク質をコードし、宿主植物の内因性HPPDよりも感受性が低いHPPDをコードするDNAのいずれかを含む植物、植物の一部、植物細胞及びこれらの植物の子孫に関する。そのような植物には、農作物、果物及び野菜、例えば、キャノーラ、ヒマワリ、タバコ、テンサイ、コットン、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、コメ、モロコシ、トマト、マンゴー、モモ、リンゴ、ナシ、イチゴ、バナナ、メロン、ジャガイモ、ニンジン、レタス、キャベツ、タマネギ、ダイズ類、サトウキビ、エンドウ、ソラマメ、ポプラ、ブドウ、シトラス、アルファルファ、ライムギ、オートムギ、芝及び飼料草、亜麻及び菜種ならびにナッツ産生植物が含まれるが、これらに限定されない。
【0058】
別のさらに特定の実施態様においては、本発明は、配列番号15に由来し、そして、コドン最適化DNA、例えば、配列番号16のヌクレオチド25位〜ヌクレオチド1227位の配列(指定された位置を含む)、又は配列番号18の配列のヌクレオチド400位〜ヌクレオチド1602位(指定された位置を含む)を含むDNAなど、E.coliで発現するように最適化されているか、又は植物で発現するように最適化されているHPPDタンパク質をコードし、宿主植物の内因性HPPDよりも感受性が低いHPPDをコードするDNAのいずれかを含む植物、植物の一部、植物細胞及びこれらの植物の子孫に関する。そのような植物には、農作物、果物及び野菜、例えば、キャノーラ、ヒマワリ、タバコ、テンサイ、コットン、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、コメ、モロコシ、トマト、マンゴー、モモ、リンゴ、ナシ、イチゴ、バナナ、メロン、ジャガイモ、ニンジン、レタス、キャベツ、タマネギ、ダイズ類、サトウキビ、エンドウ、ソラマメ、ポプラ、ブドウ、シトラス、アルファルファ、ライムギ、オートムギ、芝及び飼料草、亜麻及び菜種ならびにナッツ産生植物が含まれるが、これらに限定されない。
【0059】
より特定の実施態様においては、本発明は、配列番号1に由来し、そして、コドン最適化DNA、例えば、配列番号2のヌクレオチド25位〜ヌクレオチド1224位の配列(指定された位置を含む)、又は配列番号3のヌクレオチド400位〜ヌクレオチド1599位の配列(指定された位置を含む)を含むDNAなど、E.coliで発現するように最適化されているか、又は植物で発現するように最適化されているHPPDタンパク質をコードし、宿主植物の内因性HPPDよりも感受性が低いHPPDをコードするDNAのいずれかを含む植物、植物の一部、植物細胞及びこれらの植物の子孫に関し、ここで、該植物は、キャノーラ、ヒマワリ、タバコ、テンサイ、コットン、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、コメ、ジャガイモ、ダイズ類、サトウキビ、エンドウ、ソラマメ、ポプラ、ブドウ、アルファルファ、ライムギ、オートムギ、芝及び飼料草、亜麻及び菜種ならびにナッツ産生植物からなる群より選択され、さらにより好ましくは、そのような植物は、ダイズ類、コメ、テンサイ、コムギ、コットン、キャノーラ、菜種又はトウモロコシからなる群より選択される。
【0060】
別のより特定の実施態様においては、本発明は、配列番号15に由来し、そして、コドン最適化DNA、例えば、配列番号16のヌクレオチド25位〜ヌクレオチド1227位の配列(指定された位置を含む)、又は配列番号17のヌクレオチド400位〜ヌクレオチド1602位の配列(指定された位置を含む)を含むDNAなど、E.coliで発現するように最適化されているか、又は植物で発現するように最適化されているHPPDタンパク質をコードし、宿主植物の内因性HPPDよりも感受性が低いHPPDをコードするDNAのいずれかを含む植物、植物の一部、植物細胞及びこれらの植物の子孫に関し、ここで、該植物は、キャノーラ、ヒマワリ、タバコ、テンサイ、コットン、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、コメ、ジャガイモ、ダイズ類、サトウキビ、エンドウ、ソラマメ、ポプラ、ブドウ、アルファルファ、ライムギ、オートムギ、芝及び飼料草、亜麻及び菜種ならびにナッツ産生植物からなる群より選択され、さらにより好ましくは、そのような植物は、ダイズ類、コメ、テンサイ、コムギ、コットン、キャノーラ、菜種又はトウモロコシからなる群より選択される。
【0061】
別の特定の実施態様においては、本発明のHPPDタンパク質は、配列番号7又は配列番号21の配列を含み、そして、植物、特に、そのような本発明のHPPDを発現しているか、又は発現される宿主植物の内因性の非突然変異HPPDと比較して、トリケトンのクラス(トリケトンHPPD阻害剤と呼ぶ)、例えば、テンボトリオン、スルコトリオン、メソトリオン、ビシクロピロン、テフリルトリオン、特に、テンボトリオン、又はジケトニトリル(イソキサフルトール)のクラス、又はピラゾリネートのクラス(ピラゾリネートHPPD阻害剤と呼ぶ)、例えば、ピラスルホトール、ピラゾレート、トプラメゾン、ベンゾフェナップのHPPD阻害剤に対して感受性が低い。
【0062】
HPPDタンパク質の酵素活性は、HPP又はO
2基質の量の減少を測定するか、又は酵素反応から生じる生成物のいずれか、即ち、ホモゲンチシン酸又はCO
2の蓄積を測定することが可能な任意の方法により測定することができる。特に、HPPD活性は、Garcia等(1997), Biochem. J. 325, 761-769、又はGarcia等(1999), Plant Physiol. 119, 1507-1516(参照により本明細書に組み込まれる)に記載の方法を用いて測定することができる。
【0063】
本発明によれば、トリケトンのクラスのHPPD阻害剤(又はトリケトンHPPD阻害剤)は、トリケトン骨格を有するHPPD阻害剤を意味する。そのようなトリケトンHPPD阻害剤の例として、分子スルコトリオン[即ち、2−[2−クロロ−4−(メチルスルホニル)ベンゾイル]−1,3−シクロヘキサンジオン]、メソトリオン[即ち、2−[4−(メチルスルホニル)−2−ニトロベンゾイル]−1,3−シクロヘキサンジオン]、及びテンボトリオン[即ち、2−[2−クロロ−4−(メチルスルホニル)−3−[(2,2,2−トリ−フルオロエトキシ)メチル]ベンゾイル]−1,3−シクロヘキサンジオン]、テフリルトリオン[即ち、2−{2−クロロ−4−メシル−3−[(RS)−テトラヒドロ−2−フリルメトキシメチル]ベンゾイル}シクロヘキサン−1,3−ジオン]、ビシクロピロン[即ち、4−ヒドロキシ−3−{2−[(2−メトキシエトキシ)メチル]−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジルカルボニル}ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−エン−2−オン]、ベンゾビシクロン[即ち、3−(2−クロロ−4−メシルベンゾイル)−2−フェニルチオビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−4−オン]を挙げることができる。
【0064】
本発明によれば、ピラゾリネートのクラスのHPPD(又はピラゾリネートHPPD阻害剤)は、ピラゾール基を有するHPPD阻害剤を意味する。そのようなピラゾリネートHPPD阻害剤の例として、分子トプラメゾン[即ち、[3−(4,5−ジヒドロ−3−イソオキサゾリル)−2−メチル−4−(メチルスルホニル)フェニル](5−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノン]及びピラスルホトール[(5−ヒドロキシ−1,3−ジメチルピラゾール−4−イル(2−メシル−4−トリフルオロメチルフェニル)メタノン]を挙げることができる。
【0065】
本発明は、また、核酸配列、特に、単離DNA、好ましくは、本発明のRhodococcusHPPD及びその適合した配列をコードする、植物で発現可能なキメラ遺伝子に関する。
【0066】
本発明は、また、パラ−ヒドロキシフェニルピルビン酸のホモゲンチシン酸への変換を触媒する特性を保持し、そして、内因性の非突然変異植物のHPPDより、テンボトリオン、スルコトリオン及びメソトリオンなどのトリケトンのクラス、又はピラスルホトール及びトプラメゾンなどのピラゾリネートのクラス、テフリルトリオン、ビシクロピロン、ベンゾビシクロンのHPPD阻害剤に対する感受性が低く、そのコードアミノ酸配列が、配列番号4又は配列番号18に対して、少なくとも75%、80%、特に、少なくとも85%、好ましくは、少なくとも90%、より好ましくは、少なくとも95%、さらにより好ましくは、少なくとも98%、最も好ましくは、少なくとも99%の配列同一性を示す、本発明のHPPD酵素をコードする核酸配列に関する。
【0067】
より特定の実施態様においては、本発明の核酸配列は、宿主植物の内因性HPPDより、テンボトリオン、スルコトリオン、メソトリオン、ビシクロピロン及びテフリルトリオンなどのトリケトンのクラス、イソキサフルトールなどのイソオキサゾールのクラス、ピラスルホトール、ピラゾレート、トプラメゾン、ベンゾフェナップなどのピラゾリネートのクラス(ピラゾリネートHPPD阻害剤と呼ぶ)、又はジケトニトリルなどのジケトンのクラスのHPPD阻害剤に対する感受性が低いHPPD酵素をコードする。
【0068】
本発明によれば、「核酸配列」は、DNA又はRNA型、好ましくは、DNA型、特に、天然又は合成起源の二本鎖、特に、本発明のHPPDをコードするコドンが、発現が行われる宿主生物に基づいて最適化されているDNA配列(例えば、コドンを、オリジナル又は起源生物と比較して、そのような宿主生物又はそのような宿主生物が属する群のコドン使用頻度においてより好ましい又は最も好ましいコドンで置換することにより)であることができる、ヌクレオチド配列であると理解される。
【0069】
「単離核酸/DNA/タンパク質」は、本明細書において使用される場合、非天然(天然DNAとは異なるヌクレオチド配列を有する人工もしくは合成DNA、又は改変タンパク質など)であるか、又は元来存在した自然環境にもはや存在しない核酸/DNA/タンパク質、例えば、キメラ遺伝子における異種調節要素と関連するDNAコード配列(植物で発現可能なプロモーターに操作可能に連結された細菌のコード配列など)、トランスジェニック植物細胞などの別の宿主細胞に導入されたDNAを指す。
【0070】
本発明の特定の実施態様と求められる解決、即ち、トリケトン、イソオキサゾール又はピラゾリネートHPPD阻害剤に対して感受性が低いHPPDを考慮して、耐性レベルの測定は、トリケトン、イソオキサゾール又はピラゾリネートHPPD阻害剤、特に、テンボトリオン、メソトリオン、ピラスルホトール、トプラメゾン、スルコトリオン、ビシクロピロン、ジケトニトリル、ベンゾフェナップ、ピラゾレート、テフリルトリオンから選択されるHPPD阻害剤を使用し、後述するWO 2009/14407に詳しく記載されている方法を用いて分析した。
【0071】
特定の配列「X」を「含む」DNA又はタンパク質という専門用語は、本文全体を通して使用される場合、他のヌクレオチド又はアミノ酸配列が、5’(又はN末)及び/又は3’(又はC末)端、例えば、選択マーカータンパク質(のヌクレオチド配列)、トランジットペプチド(のヌクレオチド配列)、及び/又は5’リーダー配列又は3’トレーラー配列に含まれうるように、少なくとも配列「X」を含む又は含有するDNA又はタンパク質を指す。同様に、本文及び本願の特許請求の範囲全体を通して、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」又は「含む(comprises)」という用語の使用は、規定の整数もしくは工程又は整数もしくは工程の群を含むが、任意の他の整数もしくは工程又は整数もしくは工程の群が除外されるわけではないことを意味することと理解されるものとする。
【0072】
本発明の一実施態様においては、HPPDをコードするコード領域は、配列番号1、2及び3のヌクレオチド配列などの、配列番号4、5、6及び7に記載されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0073】
本発明の別の実施態様においては、HPPDをコードするコード領域は、配列番号15、16及び17のヌクレオチド配列などの、配列番号18、19、20及び21に記載されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0074】
しかし、その挿入、欠失及び置換を含むこれらのヌクレオチド配列のバリアントも、また、同じ目的に使用することができることが明らかであろう。同様に、Rhodococcus sp.と異なる種由来の上記ヌクレオチド配列に対する同族体を使用することもできる。
【0075】
記載のヌクレオチド配列のバリアントは、配列表で同定された配列などのHPPD酵素をコードする同定されたヌクレオチド配列に対して、好ましくは、少なくとも約80%、又は85又は90%又は少なくとも95%の配列同一性を有するであろう。
【0076】
本発明に記載されるタンパク質と「実質的に同じアミノ酸配列」を有するタンパク質は、本明細書において使用される場合、本発明のタンパク質に対して、少なくとも90%、特に、少なくとも95%、好ましくは、少なくとも97%の配列同一性を有するタンパク質を指し、ここで、配列同一性パーセントは、GCGのWisconsinパッケージのGAPプログラム(Madison, Wisconsin, USA)バージョン10.0(GCGデフォルト使用)のblosum62スコアリングマトリックス用いて決定される。タンパク質に関する「配列同一性」は、本願全体を通して使用される場合、この特定の分析を用いた同一アミノ酸のパーセントを指す。DNA配列に関する「配列同一性」は、本明細書において使用される場合、GCGのWisconsinパッケージのGAPプログラム(Madison, Wisconsin, USA)バージョン10.0(GCGデフォルト使用)のnwsgapdnaスコアリングマトリックスを用いて決定される。
【0077】
本発明の目的のために、2つの関連するヌクレオチド又はアミノ酸配列の「配列同一性」(パーセントで表される)は、2つの最適にアラインされた配列内の、同一の残基を有する位置の数を比較する位置の数で割った値(×100)を指す。ギャップ、即ち、一方の配列には残基が存在するが、他方の配列には存在しないアラインメントの位置は、非同一残基の位置とみなされる。2つの配列のアラインメントは、Needleman and Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch 1970)により実施される。上記のコンピュータ支援配列アライメントは、Wisconsinパッケージバージョン10.1(Genetics Computer Group, Madision, Wisconsin, USA)の一部のGAPなどの標準ソフトウェアプログラムを用いて、ギャップ開始ペナルティー(gap creation penalty)を50、ギャップ伸長ペナルティー(gap extension penalty)を3としたデフォルトスコアリングマトリックスを用いて容易に実施することができる。
【0078】
本発明のHPPD酵素をコードするヌクレオチド配列に相同のヌクレオチド配列は、ゲノム配列データのin silico分析により同定することができる。
【0079】
相同ヌクレオチド配列は、また、同定された本発明のHPPD酵素をコードするヌクレオチド配列又はその一部をプローブとして使用して、ストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションすることにより同定及び単離することができる。そのような一部は、好ましくは、本発明のHPPDコード遺伝子配列のコード領域由来の、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号15、配列番号16又は配列番号17のコード領域由来の少なくとも40個の連続ヌクレオチドを含むヌクレオチド配列を有するべきである。しかし、プローブは、HPPDコード核酸、例えば、上記のHPPD遺伝子のいずれかの約50、60、75、100、200又は500個の連続ヌクレオチド由来のより長いヌクレオチド配列領域を含んでもよい。好ましくは、プローブは、異なるHPPDタンパク質をアラインすることにより同定することができる高度に保存された領域をコードするヌクレオチド配列を含むべきである。
【0080】
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、本明細書において使用される場合、プローブと標的配列間で少なくとも95%、好ましくは、少なくとも97%の配列同一性がある場合に、ハイブリダイゼーションが全体的に起こることを意味する。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は、5×SSC(150mM NaCl、15mM クエン酸三ナトリウム)、50mM リン酸ナトリウム(pH7.6)、5×Denhardt溶液、10%硫酸デキストラン、及び20μg/mlの変性させた剪断キャリアDNA(例えば、サケ精子DNA)を含む溶液中で、一晩インキュベーションして、その後、約65℃の0.1×SSC中でハイブリダイズ支持体を、好ましくは、2回、約10分間洗浄することである。他のハイブリダイゼーション及び洗浄条件はよく知られており、Sambrook et al, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor, NY (1989)の特に11章に例示されている。
【0081】
そのようなバリアント配列は、また、プライマーとしての酵素をコードするHPPD遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチド、例えば、非限定的に、配列番号1、2、3、15、16、17又はその相補体のヌクレオチド配列から選択される約20〜約50個の連続ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを使用したDNA増幅により得ることができる。
【0082】
本発明は、また、1つ以上のアミノ酸が挿入、欠失又は置換されている、配列番号4又は配列番号18のHPPDアミノ酸配列に類似するアミノ酸配列である、バリアントHPPD酵素を包含する。本文において、アミノ酸配列のバリアントは、任意のアミノ酸の置換、付加又は欠失があるにもかかわらず、本明細書に記載のアミノ酸配列と同様の触媒活性を有する、ポリペプチド、酵素又はタンパク質を指す。好ましくは、バリアントアミノ酸配列は、配列番号4又は配列番号18のアミノ酸配列に対して、少なくとも約80%、又は85又は90%又は95%の配列同一性を有する。また、好ましくは、バリアントアミノ酸配列を含むポリペプチドは、HPPD酵素活性を有する。HPPD酵素活性を決定する方法は当技術分野でよく知られており、WO 2009/144079又はWO 2002/046387に詳しく記載されているアッセイを含む。
【0083】
置換は、アミノ酸が異なる天然又は特殊アミノ酸残基で置換されているアミノ酸変化を包含する。そのような置換は、本発明のHPPDタンパク質に含有されるアミノ酸残基が類似の性質の別の天然アミノ酸で置換されている「保存的」に分類することができる。例えば、Gly⇔Ala、Val⇔Ile⇔Leu、Asp⇔Glu、Lys⇔Arg、Asn⇔Gln又はPhe⇔Trp⇔Tyr。本発明により包含される置換は、また、本発明のHPPDタンパク質に存在するアミノ酸残基が、異なる性質のアミノ酸、例えば、異なるグループの天然アミノ酸で置換されている(例えば、荷電又は疎水性アミノ酸をアラニンで置換する)「非保存的」であってもよい。アミノ酸置換は、典型的には、単一残基の置換であるが、集合又は分散した複数の残基の置換であってもよい。アミノ酸の欠失は、通常、約1〜10個程度のアミノ酸残基の欠失であるが、一方で、挿入はいずれの長さが挿入されてもよい。欠失及び挿入は、N末端、C末端で起こってもよく、内部の欠失又は挿入でもよい。一般的に、アミノ酸配列内の挿入は、アミノ又はカルボキシ末端融合よりも小さく、1〜4個程度のアミノ酸残基の挿入であろう。「類似アミノ酸」は、本明細書において使用される場合、類似のアミノ酸側鎖を有するアミノ酸、即ち、極性、非極性又は実質的に中性の側鎖を有するアミノ酸を指す。「非類似アミノ酸」は、本明細書において使用される場合、異なるアミノ酸側鎖を有するアミノ酸を指し、例えば、極性側鎖を有するアミノ酸は、非極性側鎖を有するアミノ酸と非類似である。極性側鎖は、通常、細胞内の水性環境と相互作用することができる、タンパク質の表面に存在する傾向がある(「親水性」アミノ酸)。一方、「非極性」アミノ酸は、類似の非極性の仲間と相互作用することができるタンパク質の中心内部に存在する傾向がある(「疎水性」アミノ酸)。極性側鎖を有するアミノ酸の例は、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、リシン、セリン及びトレオニンである(疎水性のシステインを除いて全ての親水性)。非極性側鎖を有するアミノ酸の例は、アラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン及びトリプトファンである(中性のグリシンを除いて全て疎水性)。
【0084】
また、本発明のHPPD酵素を特異的に認識する抗体が本発明に包含される。
【0085】
本発明は、また、植物を形質転換するための方法における、植物にHPPD阻害剤である除草剤に対する耐性を付与することが可能なマーカー遺伝子又はコード配列として本発明のHPPDをコードする核酸の使用、及び本発明のHPPDをコードする核酸配列を含む植物でのHPPD阻害剤の使用に関する。
【0086】
本発明の一実施態様においては、そのような使用におけるHPPD阻害剤は、トリケトン又はピラゾリネート、好ましくは、テンボトリオン、メソトリオン又はスルコトリオン、ビシクロピロン及びテフリルトリオンである。当然のことながら、この配列が、また、有用な農学特性を有する1つ以上のタンパク質をコードする他の遺伝子マーカー及び/又は配列との組み合わせで使用することができることを理解されたい。
【0087】
作物の商業的生産では、信頼性の高い農薬管理下で、作物農地から不要な植物(即ち、「雑草」)を除去することが望まれる。理想的な処理は、農地全体に適用することができる処理であるが、作物に影響を与えず、不要な植物のみを除去することができる処理であろう。そのような処理システムの1つは、除草剤に耐性を有する作物の使用を含み、それによって、除草剤が除草剤耐性作物の農地に散布されたとき、除草剤に非耐性の雑草が死滅するか、又は重大な損傷を受ける一方で、該作物が成長し続けるであろう。理想的には、そのような処理システムは、雑草の防除により適応性と経済性の最良の可能な組み合わせが提供されるように、除草剤特性を変更する利点を有するであろう。例えば、個々の除草剤は農地で異なる寿命を有しており、いくつかの除草剤は長く持続して、農地に適用後も比較的長期間有効であるが、一方で、急速に他の化合物及び/又は非活性な化合物に分解される除草剤もある。理想的な処理システムは、栽培者が除草剤の選択を特定の状況に合わせて調整することができるように異なる除草剤の使用が可能であろう。
【0088】
多数の除草剤耐性作物が現在市販されているが、多くの市販の除草剤及び除草剤/作物の組み合わせに関する1つの問題は、個々の除草剤が、典型的に、共通の雑草種に対して不十分な活性スペクトラムを有することである。以前から使用されてきた各除草剤の多くの場合で、除草剤に耐性の雑草種の集団及びバイオタイプがさらに蔓延するようになった(例えば、Tranel and Wright (2002) Weed Science 50: 700-712; Owen and Zelaya (2005) Pest Manag. Sci. 61: 301-311参照)。2つ以上の除草剤に耐性を有するトランスジェニック植物が記載されている(例えば、W02005/012515参照)。しかし、作物生産のあらゆる局面の改善、雑草の防除の選択、残留雑草の防除の拡張、及び作物収量の改善が引き続き求められている。
【0089】
本発明のHPPDタンパク質又は遺伝子は、植物内で、そのような植物に有用な農学的特性を付与するタンパク質又はRNAをコードする他の遺伝子と組み合わせることが有利である。形質転換植物に有用な農学的特性を付与するタンパク質又はRNAをコードする遺伝子の中で、化学構造に基づきHPPD阻害型除草剤とは異なる1つ以上の除草剤に対する耐性を付与するタンパク質をコードするDNA配列、及び特定の昆虫に対する耐性を付与するもの、特定の病気に対して耐性を付与するもの、線虫又は昆虫防除を提供するRNAをコードするDNAなどを挙げることができる。
【0090】
そのような遺伝子は、特に、公開されているPCT特許出願WO 91/02071及びWO95/06128に記載されている。
【0091】
形質転換植物細胞及び植物に、特定の除草剤に対する耐性を付与するタンパク質をコードするDNA配列の中で、グルホシネート除草剤に対する耐性を付与するWO2009/152359に記載のbarもしくはPAT遺伝子又はStreptomyces coelicolor遺伝子、グリホセート及びその塩などの標的としてEPSPSを有する除草剤に対する耐性を付与する適切なEPSPSをコードする遺伝子(US 4,535,060、US 4,769,061、US 5,094,945、US 4,940,835、US 5,188,642、US 4,971,908、US 5,145,783、US 5,310,667、US 5,312,910、US 5,627,061、US 5,633,435)、又はグリホセートオキシドレダクターゼをコードする遺伝子(US 5,463,175)を挙げることができる。
【0092】
標的としてEPSPSを有する除草剤に対する耐性を付与する適切なEPSPSをコードするDNA配列の中で、より具体的には、植物EPSPS、特に、トウモロコシEPSPS、特に、2つの突然変異、具体的には、アミノ酸102位の突然変異とアミノ酸106位の突然変異を含むトウモロコシEPSPSをコードする遺伝子(WO 2004/074443)であり、本明細書下記で二重突然変異トウモロコシEPSPS又は2mEPSPSと称する特許出願US 6566587に記載の遺伝子、又はAgrobacteriumから単離されたEPSPSをコードし、米国特許第5,633,435号の配列番号2及び配列番号3で記載される遺伝子(CP4とも呼ぶ)を挙げることができる。
【0093】
標的としてEPSPSを有する除草剤に対する耐性を付与する適切なEPSPSをコードするDNA配列の中で、より具体的には、Arthrobacter globiformis由来のEPSPS GRG23をコードする遺伝子、さらには、突然変異体GRG23 ACE1、GRG23 ACE2、又はGRG23 ACE3、特に、WO2008/100353に記載されるようなGRG23の突然変異体及びバリアント、例えば、WO2008/100353の配列番号29のGRG23(ace3)R173Kを挙げることができる。
【0094】
EPSPSをコード、より具体的には、上記遺伝子をコードするDNA配列の場合、これらの酵素をコードする配列の前に、トランジットペプチドをコードする配列、特に、米国特許第5,510,471号又は第5,633,448号に記載の「最適化されたトランジットペプチド」が先行することが有利である。
【0095】
WO 2007/024782では、グリホセート及び少なくとも1つのALS(アセト乳酸シンターゼ)阻害剤に耐性を有する植物が開示されている。より具体的には、GAT(グリホセート−N−アセチルトランスフェラーゼ)ポリペプチド及びALS阻害剤に対する耐性を付与するポリペプチドをコードする遺伝子を含有する植物が開示されている。
【0096】
米国特許第6,855,533号では、突然変異ArabidopsisALS/AHAS遺伝子を含有するトランスジェニックタバコ植物が開示されている。
【0097】
米国特許第6,153,401号では、代謝により、2,4−D(2,4−ジクロロフェノキシ酢酸)に対する耐性を付与する2,4−D−モノオキシゲナーゼをコードする遺伝子を含有する植物が開示されている。
【0098】
US 2008/0119361及びUS 2008/0120739では、代謝により、ジカンバ(3,6−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸)に対する耐性を付与するジカンバモノオキシゲナーゼをコードする遺伝子を含有する植物が開示されている。
【0099】
上述の除草剤の耐性特性の全てを、本発明の主題であるHPPD耐性を達成する特性と組み合わせることができる。
【0100】
昆虫の耐性特性に関するタンパク質をコードするDNA配列の中で、より具体的には、文献に広範に記載されており、当業者によく知られているBtタンパク質を挙げることができる。またPhotorhabdusなどの細菌から抽出されたタンパク質も挙げることができる(WO 97/17432 & WO 98/08932)。
【0101】
昆虫に対する新規な耐性特性を付与する対象のタンパク質をコードするそのようなDNA配列の中で、より具体的には、文献に広範に記載されており、当業者によく知られているBt Cry又はVIPタンパク質を挙げることができる。これらは、Cry1Fタンパク質又はCry1Fタンパク質から誘導されるハイブリッド(例えば、US 6,326,169;US 6,281,016;US 6,218,188に記載のハイブリッドCry1A−Cry1Fタンパク質、又はその毒性フラグメント)、Cry1A型タンパク質又はその毒性フラグメント、好ましくは、Cry1Acタンパク質又はCry1Acタンパク質から誘導されるハイブリッド(例えば、US 5,880,275に記載のハイブリッドCry1Ab−Cry1Acタンパク質)又はEP451878に記載されるようなCry1AbもしくはBt2タンパク質又はその殺虫性フラグメント、WO02/057664に記載されるようなCry2Ae、Cry2Af又はCry2Agタンパク質又はその毒性フラグメント、WO 2007/140256に記載のCry1A.105タンパク質(配列番号7)又はその毒性フラグメント、NCBI登録番号ABG20428のVIP3Aa19タンパク質、NCBI登録番号ABG20429のVIP3Aa20タンパク質(WO 2007/142840の配列番号2)、COT202又はCOT203のコットンイベントで産生されたVIP3Aタンパク質(それぞれ、WO 2005/054479及びWO 2005/054480)、WO01/47952に記載されるようなCryタンパク質、Estruch等(1996)、Proc Natl Acad Sci U S A. 28;93(11):5389-94及びUS 6,291,156に記載されるようなVIP3Aaタンパク質又はその毒性フラグメント、Xenorhabdus由来の殺虫性タンパク質(WO98/50427に記載されるような)、Serratia種株(特に、S.entomophila由来)又はPhotorhabdus種株、例えば、WO98/08932に記載されるようなPhotorhabdus由来のTc−タンパク質(例えば、Waterfield et al., 2001, Appl Environ Microbiol. 67(11):5017-24; Ffrench-Constant and Bowen, 2000, Cell Mol Life Sci.; 57(5):828-33)を含む。また、いくつかの(1〜10、好ましくは、1〜5)アミノ酸が、上記配列、特に、その毒性フラグメントの配列のいずれかと異なっているか、又はトランジットペプチド、例えば、色素体トランジットペプチド、又は別のタンパク質又はペプチドに融合している、これらのタンパク質のいずれか1つの任意のバリアント又は突然変異体も本明細書に含まれる。
【0102】
本発明は、また、コード配列、ならびに、5’及び/又は3’位、少なくとも5’位に、宿主生物、特に、植物細胞又は植物で機能することが可能な異種調節要素を含み、該コード配列が、上記で定義されるようなHPPDをコードする少なくとも1つの核酸配列を含有する、キメラ遺伝子(又は発現カセット)に関する。
【0103】
特定の実施態様においては、本発明は、宿主生物が、細菌、酵母、Pichia属、真菌、バキュロウイルス、in vitro細胞、プロトプラスト、植物細胞、植物、植物の一部及びその植物種子から選択される、上述されるキメラ遺伝子に関する。
【0104】
別の特定の実施態様においては、本発明は、キメラ遺伝子が、本発明のHPPDをコードする核酸配列の5’位に、植物トランジットペプチドをコードする核酸配列を含有し、この配列が、トランジットペプチド/HPPD融合タンパク質の発現が可能となるようにプロモーター領域と本発明のHPPDをコードする配列間に配置される、上述されるキメラ遺伝子に関する。
【0105】
さらに特定の実施態様においては、本発明は、単独で又はHPPD阻害剤に異なる作用を有する1つ以上の他の公知の除草剤と組み合わせて、本発明のHPPD耐性遺伝子を含む植物、植物の一部又は植物種子でのHPPD阻害型除草剤の使用、又はそのような植物、植物の一部又は種子が成長するか、又は播種される土壌でのHPPD阻害型除草剤の使用に関する。より特定の実施態様においては、用いられるHPPD阻害型除草剤は、トリケトン(トリケトンHPPD阻害剤と呼ぶ)、例えば、テンボトリオン、スルコトリオン、メソトリオン、ビシクロピロン、テフリルトリオン、特に、テンボトリオン、ジケトンのクラス、例えば、ジケトニトリル、イソオキサゾールのクラス、例えば、イソキサフルトール、又はピラゾリネートのクラス(ピラゾリネートHPPD阻害剤と呼ぶ)、例えば、ピラスルホトール、ピラゾレート、トプラメゾン、ベンゾフェナップからなる群より選択される。さらにより具体的には、本発明は、そのようなHPPD阻害剤耐性の植物、植物の一部又は植物種子に対する、テンボトリオン、メソトリオン、ジケトニトリル、ビシクロピロン、テフリルトリオン、ベンゾフェナップ、ピラスルホトール、ピラゾレート及びスルコトリオンの適用に関する。
【0106】
植物細胞及び植物でプロモーターとして機能する調節配列としては、植物で自然に発現している任意の遺伝子のプロモーター配列、特に、植物の葉で特に発現しているプロモーター、例えば、細菌、ウイルス又は植物起源の「構成的」プロモーター、又は「光依存性」プロモーター、例えば、植物のリブロース二リン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(RuBisCO)小サブユニット遺伝子のプロモーター、又は使用することができる任意の適切な公知の発現可能なプロモーターを使用することができる。植物起源のプロモーターの中で、EP 0 507 698 A1に記載されるようなヒストンプロモーター、コメアクチンプロモーター(US 5,641,876)、又は植物のユビキチンプロモーター(US 5,510,474)が挙げられる。植物ウイルス遺伝子のプロモーターの中で、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV 19S又は35S、Sanders等(1987)、Nucleic Acids Res. 15(4):1543-58)、サーコウイルス(AU 689 311)、又はキャッサバベインモザイクウィルス(CsVMV、US 7,053,205)のプロモーターが挙げられる。
【0107】
本発明の一実施態様においては、植物の特定の領域又は組織に特異的なプロモーター配列、例えば、種子特異的なプロモーター(Datla, R. et al., 1997、Biotechnology Ann. Rev. 3, 269-296)、特に、napinプロモーター(EP 255 378 A1)、ファゼオリンプロモーター、グルテニンプロモーター、ヘリアンチニンプロモーター(WO 92/17580)、アルブミンプロモーター(WO 98/45460)、オレオシンプロモーター(WO 98/45461)、SAT1プロモーター又はSAT3プロモーター(PCT/US98/06978)を使用して、本発明のHPPDタンパク質を発現させることができる。
【0108】
また、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)、HMG−CoAレダクターゼ(HMG)、キチナーゼ、グルカナーゼ、プロティナーゼ阻害剤(PI)、PR1ファミリー遺伝子、ノパリンシンターゼ(nos)及びvspBプロモーター(US 5 670 349、表3)、HMG2プロモーター(US 5 670 349)、リンゴβ−ガラクトシダーゼ(ABG1)プロモーター及びリンゴアミノシクロプロパンカルボン酸シンターゼ(ACCシンターゼ)プロモーター(WO 98/45445)から有利に選択される誘導プロモーターを使用することもできる。
【0109】
本発明によれば、また、プロモーターとコード配列間に位置している他の調節配列、例えば、転写アクチベーター(「エンハンサー」)、例えば、特許出願WO 87/07644に記載のタバコモザイクウイルス(TMV)の翻訳アクチベーター、又は、例えばCarrington & Freed 1990, J. Virol. 64: 1590-1597に記載のタバコエッチウイルス(TEV)の翻訳アクチベーター、又はトウモロコシのadh1イントロンもしくはコメアクチンのイントロン1などのイントロンを、プロモーターと組み合わせて使用することができる。
【0110】
さらに特定の実施態様においては、本発明の遺伝子は植物中に、複数、好ましくは、2コピーで存在しており、これらの各々は、異なる植物で発現可能なプロモーターで制御されている。
【0111】
さらに特定の実施態様においては、本発明のキメラ遺伝子は、HPPDタンパク質をコードする任意のさらなるキメラ遺伝子と組み合わせることができ、好ましくは、これらの異なる遺伝子は、植物中で活性である異なる調節要素で制御されている。
【0112】
さらに特定の実施態様においては、本発明のキメラ遺伝子は、同一又は異なる植物で発現可能なプロモーターの制御下にある、CYP450トウモロコシモノオキシゲナーゼ(nsf1遺伝子)遺伝子と組み合わせることができる。
【0113】
調節ターミネータ又はポリアデニル化配列としては、細菌起源の任意の対応する配列、例えば、Agrobacterium tumefaciensのnosターミネータなど、ウイルス起源の任意の対応する配列、例えば、CaMV35Sターミネータなど、又は植物起源の任意の対応する配列、例えば、公開されている特許出願EP 0 633 317 A1に記載されるヒストンターミネータなどを使用することができる。
【0114】
「遺伝子」という用語は、本明細書において使用される場合、典型的には、少なくともプロモーター領域を含む、タンパク質に翻訳することができるRNAを転写可能な、5’及び/又は3’調節配列によってフランキングされたDNAコード領域を指す。「キメラ遺伝子」は、本発明のHPPDコードDNAに関する場合、そのネイティブ宿主細胞においてHPPDタンパク質の発現を駆動する、天然の細菌の5’及び/又は3’調節配列とは異なる5’及び/又は3’調節配列を有するHPPDコードDNA配列を指す(また、「異種プロモーター」又は「異種調節配列」とも呼ぶ)。
【0115】
「配列Xを含むDNA/タンパク質」及び「配列Xを含む配列を有するDNA/タンパク質」という用語は、本明細書において使用される場合、他のヌクレオチド又はアミノ酸配列が、5’(又はN末)及び/又は3’(又はC末)端に含まれうるように(例えば、N末端トランジット又はシグナルペプチド)、そのヌクレオチド又はアミノ酸配列に少なくとも配列Xを含む又は含有するDNA又はタンパク質を指す。「含む(comprising)」という用語は、本明細書において使用される場合、「含む(including)」の意味で非制限的な言葉であり、具体的に列挙される以外の他の要素がまた存在することができることを意味する。「からなる(consisting of)」という用語は、本明細書において使用される場合、限定的な言葉であり、即ち、具体的に列挙される要素のみが存在する。「配列Xを含むタンパク質をコードするDNA」という用語は、本明細書において使用される場合、転写及び翻訳後に、少なくともアミノ酸配列Xを含有するタンパク質を生じるコード配列を含むDNAを指す。タンパク質をコードするDNAは天然のDNAである必要はなく、半合成、全合成又は人工DNAであってもよく、そして、イントロン及び5’及び/又は3’フランキング領域を含むことができる。「ヌクレオチド配列」という用語は、本明細書において使用される場合、一本鎖又は二本鎖形態でありうるDNA又はRNA分子の配列を指す。
【0116】
本発明のHPPDタンパク質は、当技術分野で公知の手順(例えば、公開されているPCT特許出願WO 96/10083を参照)に従ってシグナルペプチドを備えていてもよく、又は他のペプチド、例えば、該タンパク質を葉緑体に輸送する葉緑体トランジットペプチド(例えば、Van Den Broeck et al., 1985, Nature 313, 358、又は米国特許第5、510,471号の改変葉緑体トランジットペプチド)、分泌シグナルペプチド、又は該タンパク質を他の色素体、ミトコンドリア、ERもしくは別の細胞小器官に標的化するペプチドで置換されていてもよく、又はメチオニンアミノ酸又はメチオニン−アラニンジペプチドで置換されていてもよい。細胞内小器官を標的とする又は植物細胞外又は細胞壁へ分泌するシグナル配列、好ましくは、Klosgen等(1989, Mol. Gen. Genet. 217, 155-161)、Klosgen及びWeil(1991, Mol. Gen. Genet. 225, 297-304)、Neuhaus & Rogers(1998, Plant Mol. Biol. 38, 127-144)、Bih等(1999, J. Biol. Chem. 274, 22884-22894)、Morris等(1999, Biochem. Biophys. Res. Commun. 255, 328-333)、Hesse等(1989, EMBO J. 8 2453-2461)、Tavladoraki等(1998, FEBS Lett. 426, 62-66)、Terashima等(1999, Appl. Microbiol. Biotechnol. 52, 516-523)、Park等(1997, J. Biol. Chem. 272、6876-6881)、Shcherban等(1995, Proc. Natl. Acad. Sci USA 92, 9245-9249)(これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる)により記載されるシグナル配列、特に、コーン、コットン、ダイズ又はコメの標的又は分泌タンパク質由来のシグナルペプチド配列が、天然の標的又は分泌タンパク質に見出されている。そのような植物シグナルペプチドをコードするDNA配列は、植物で発現するためにHPPDタンパク質をコードするキメラ遺伝子内に挿入することができる。
【0117】
例示において特に指示しない限り、組換えDNAを製造及び操作する手順の全ては、Sambrook et al., Molecular Cloning - A Laboratory Manual, Second Ed.、Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY (1989)、及びAusubel et al. (1994) Current Protocols in Molecular Biology, Current Protocols, USAの1及び2巻に記載の標準的手順により実施することができる。植物分子生物学研究の標準的な材料及び方法は、R.R.D. CroyによるPlant Molecular Biology Labfax (1993)(BIOS Scientific Publications Ltd (UK)及びBlackwell Scientific Publications (UK)による共同出版)に記載されている。PCR技術の手順は、「PCR protocols: a guide to methods and applications」, Edited by M.A. Innis、D.H. Gelfand, J.J. Sninsky and T.J. White (Academic Press, Inc., 1990) に見出すことができる。
【0118】
「耐性(tolerance)」、「耐性がある(tolerant)」又は「低感受性」という用語は互換的に使用され、異なる濃度の様々なHPPD阻害剤の存在下で、各HPPDタンパク質をコードする遺伝子を含む核酸で形質転換した菌株又は植物の目に見える指標表現型に従ってスクリーニングされる、HPPDの内在的耐性の相対レベルを意味する。これらの指標表現型(褐色の呈色、増殖阻害、白化、除草効果など)と関連する用量反応及び用量反応の相対的シフトは、従来より、異なる除草剤の濃度範囲での、植物の損傷、分裂組織の白化症状などに基づく通常の方法で、例えば、GR50(生育を50%減少させる濃度)又はMIC(最小発育阻止濃度)値によって表され、ここで、値の増加は、発現されたHPPDの内在的耐性の増加に対応する。これらのデータは、例えば、x軸にプロットされる「用量」とy軸にプロットされる「死滅パーセント」、「除草効果」、「緑色植物の発芽数」などを有する用量/反応曲線から得られるGR50値によって表すことができ、ここで、GR50値の増加は、発現されたHPPDの内在的耐性レベルの増加に対応する。除草剤は、発芽前又は出芽後に適切に適用することができる。
【0119】
同様に、本発明のHPPDタンパク質をコードする核酸もしくは遺伝子、又は本発明のHPPDタンパク質の耐性レベルは、タバコなどの試験植物、又はダイズもしくはコットンなどの作物の遺伝子組換え、再生、育種及び散布試験を介してスクリーニングされ、これらの結果によれば、そのような植物は、テンボトリオン、メソトリオン、ジケトニトリル及び/又はビシクロピロンのようなHPPD阻害剤に対して、HPPDタンパク質をコードする外来遺伝子を全く含有しない植物より、又は本発明のHPPD DNAと同じプロモーターの制御下でArabidopsis(Arabidopsis thaliana)HPPDコードDNAを含む遺伝子を含有する植物より、少なくとも2〜4倍耐性が高い。
【0120】
「宿主生物」又は「宿主」は、本発明のHPPDを産生する目的のために本発明の核酸又はキメラ遺伝子を導入することができる、任意の単細胞又は多細胞異種生物であると理解される。これらの生物は、特に、細菌、例えば、E. coli、酵母、特に、Saccharomyces属又はKluyveromyces属、Pichia属、真菌、特に、Aspergillus属、バキュロウイルス、又は、好ましくは、植物細胞及び植物である。
【0121】
「植物細胞」は、本発明によれば、植物に由来又は見出され、カルスなどの未分化組織、胚、植物の一部、植物又は種子などの分化組織を生成することができるか、又はその一部である任意の細胞であると理解される。これは、プロトプラスト及び花粉、培養植物細胞又はin vitroで成長したプロトプラストならびに完全な植物に再生することができる植物細胞を含む。
【0122】
「植物」は、本発明によれば、光合成することができる任意の分化多細胞生物、特に、単子葉植物又は双子葉植物、とりわけ、動物又はヒトの食物を意図する又は意図しない栽培植物、例えば、トウモロコシ又はコーン、コムギ、Brassica spp.植物、例えば、Brassica napus又はBrassica juncea、ダイズ類、コメ、サトウキビ、ビートルート、タバコ、コットン、野菜植物、例えば、キュウリ、リーキ、ニンジン、トマト、レタス、コショウ、メロン、スイカなどであると理解される。トランスジェニック植物は、本明細書において使用される場合、ゲノムに安定に挿入された外来又は異種遺伝子を含む植物を指す。
【0123】
一実施態様においては、本発明は、植物の形質転換に関する。植物で自然に発現される遺伝子の任意のプロモーター配列、又はAgrobacterium又は植物ウイルスプロモーターを含む、植物で自然に発現される遺伝子のプロモーター要素の任意のハイブリッド又は組み合わせ、又は植物の除草剤耐性遺伝子の転写の制御に適切な任意のプロモーター(本明細書において、「植物で発現可能なプロモーター」と呼ぶ)を、本発明の植物において、プロモーター配列として使用することができる。そのような適切な植物で発現可能なプロモーターの例は上述されている。本発明の一実施態様においては、そのような植物で発現可能なプロモーターは、本発明のHPPDタンパク質をコードするコード配列に操作可能に連結され、本発明のキメラHPPD遺伝子を形成する。
【0124】
本発明によれば、プロモーター調節配列と組み合わせて、プロモーターとコード配列間に位置している他の調節配列、例えば、イントロン配列、又は転写アクチベーター(エンハンサー)を使用することも可能である。そのような適切な調節配列の例は上述されている。
【0125】
細菌又はウイルス起源の任意の対応する配列、例えば、Agrobacterium tumefaciens由来のnosターミネータ、又は植物起源の任意の対応する配列、例えば、特許出願EP 0 633 317 A1に記載されるヒストンターミネータなどを転写終結(及びポリアデニル化)調節配列として使用することができる。
【0126】
本発明の一特定の実施態様においては、配列番号6、配列番号7、配列番号20又は配列番号21のタンパク質などのトランジットペプチドHPPD融合タンパク質の発現を可能にするために、トランジットペプチドをコードする核酸配列が本発明の外因性HPPDをコードする核酸配列の5’(上流)で用いられ、このトランジットペプチド配列は、プロモーター領域と外因性HPPDをコードする配列間に配置される。トランジットペプチドにより、HPPDを色素体、特に、葉緑体に移動させることが可能となり、融合タンパク質は色素体に本発明のHPPDタンパク質が導入されたときにトランジットペプチドと本発明のHPPDタンパク質間で開裂される。トランジットペプチドは、単一ペプチド、例えば、EPSPSトランジットペプチド(米国特許第5,188,642号に記載)、又は植物のリブロース二リン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼスモールサブユニット(RuBisCO ssu)のトランジットペプチド(必要に応じて、成熟RuBisCO ssuのN末端部分の数個のアミノ酸を含む(EP 189 707 A1))であってもよく、又はいくつかのトランジットペプチドの融合物、例えば、特許第EP 508 909 A1号に記載されるような、色素体位置を有する成熟タンパク質のN末端配列の一部に融合した第一の植物トランジットペプチドと、この一部分に融合している第二の植物トランジットペプチドを含むトランジットペプチドであってもよく、そして、より具体的には、トウモロコシRuBisCO ssuのトランジットペプチドに融合しているトウモロコシRuBisCO ssuのN末端の22個のアミノ酸に融合したヒマワリRuBisCO ssuのトランジットペプチドを含む、最適化されたトランジットペプチドであってもよい(特許第EP 508 909 A1号においてそのコード配列と共に記載される)。
【0127】
本発明は、また、トランジットペプチドHPPD融合タンパク質及びそのような融合タンパク質をコードする核酸又は植物で発現可能なキメラ遺伝子に関し、この融合タンパク質の2つの要素は上記で定義されている。
【0128】
本発明は、また、クローニング、形質転換及び/又は発現ベクターに関し、該ベクターは上記で定義される少なくとも1つのキメラ遺伝子を含有する。上記キメラ遺伝子の他に、このベクターは複製起点を含有することができる。このベクターは、本発明のキメラ遺伝子を導入することにより形質転換されたプラスミドもしくはプラスミドの一部、コスミドもしくはバクテリオファージ、又はウイルスであってもよい。形質転換ベクターは当業者によく知られており、文献に幅広く記載されている。特に、植物細胞又は植物の形質転換に使用することができる形質転換ベクターは、植物細胞又は植物の形質転換に用いることができ、自己の複製及び発現要素を追加で含有するウイルスであってよい。本発明によれば、植物細胞又は植物を形質転換するためのベクターは、好ましくは、プラスミド、例えば、不活化AgrobacteriumTiプラスミドである。
【0129】
本発明は、また、本発明のHPPDタンパク質、例えば、上記で定義される配列番号4又は配列番号18、配列番号5、6、7,19、20又は21のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする配列を含むキメラ遺伝子を含む、宿主生物、特に、植物細胞、種子又は植物、及び農地において、作物を成長させ、植物生産物、例えば、ダイズ類、コメ、コムギ、オオムギもしくはトウモロコシ穀粒、又はコットンボールを収穫するための本発明の植物又は種子の使用に関し、ここで、一実施態様においては、前記使用は、雑草を防除するための、HPPD阻害型除草剤のそのような植物への適用を含む。本発明の一実施態様においては、そのような使用におけるHPPD阻害剤は、トリケトン又はピラゾリネート、好ましくは、テンボトリオン、メソトリオン、トプラメゾン又はスルコトリオン、ビシクロピロン、ピラスルホトール、ピラゾレート、ベンゾフェナップ及びテフリルトリオン、特に、テンボトリオンである。
【0130】
従って、本発明は、上述の少なくとも1つのHPPDキメラ遺伝子、又は上述の少なくともHPPD核酸配列を含有することを特徴とする宿主生物、特に、植物細胞、種子又は植物に関する。
【0131】
特定の実施態様においては、本発明は、パラ−ヒドロキシフェニルピルビン酸のホモゲンチシン酸への変換を触媒する特性を保持し、そして、植物を、特に、トリケトン又はピラゾリネート、好ましくは、テンボトリオン、メソトリオン、トプラメゾン又はスルコトリオン、ビシクロピロン、ピラスルホトール、ピラゾレート、ベンゾフェナップ及びテフリルトリオン、特に、テンボトリオンに対して、本発明のHPPDタンパク質を含まない同じ種の植物より高い耐性を有するようにする、本発明のHPPDタンパク質をコードする少なくとも1つの核酸配列を含有することを特徴とする植物細胞又は植物に関し、そして、本発明のHPPDを含有するそのような植物は、HPPD阻害型除草剤、特に、トリケトン又はピラゾリネート、好ましくは、テンボトリオン、メソトリオン、トプラメゾン又はスルコトリオン、ビシクロピロン、ピラスルホトール、ピラゾレート、ベンゾフェナップ及びテフリルトリオン、特に、テンボトリオンに対して農学的に許容しうる耐性を有する。
【0132】
別の特定の実施態様においては、本発明は、パラ−ヒドロキシフェニルピルビン酸のホモゲンチシン酸への変換を触媒する特性を保持し、そして、宿主植物の内因性HPPD、例えば、Arabidopsis由来のHPPD、特に、配列番号11のアミノ酸配列(アミノ酸126位〜アミノ酸568位)、又は配列番号11又は配列番号12のアミノ酸配列(アミノ酸134位〜アミノ酸575位)を含むHPPDよりHPPD阻害剤に対する感受性が低い、本発明のHPPDをコードする少なくとも1つの核酸配列を含有することを特徴とする植物細胞又は植物に関する。
【0133】
特定の実施態様においては、本発明は、本明細書で定義される本発明のHPPDをコードする少なくとも1つの核酸配列を含有することを特徴とする宿主植物細胞、種子又は宿主植物に関し、ここで、本発明のHPPDは、宿主植物の内因性HPPDよりも、イソオキサゾール、ジケトニトリル、トリケトン又はピラゾリネートのクラス、より具体的には、イソキサフルトール、テンボトリオン、メソトリオン、スルコトリオン、ピラスルホトール、ビシクロピロン、テフリルトリオン、トプラメゾン、2-シアノ−3−シクロプロピル−1−(2−SO
2CH
3−4−CF
3フェニル)プロパン−1,3−ジオン及び2-シアノ−3−シクロプロピル−1−(2−SO
2CH
3−4−2,3 Cl
2フェニル)プロパン−1,3−ジオン、さらにより具体的には、テンボトリオン、メソトリオン、ジケトニトリル、ビシクロピロン、トプラメゾン、ピラゾレート、ベンゾフェナップ、スルコトリオン、テフリルトリオン及びピラスルホトール、最も具体的には、テンボトリオン、メソトリオン及びビシクロピロンのHPPD阻害型除草剤に対する感受性が低い。
【0134】
別の特定の実施態様においては、本発明は、上述の本発明のHPPDをコードする少なくとも1つの核酸配列、さらにはPDH(プレフェン酸デヒドロゲナーゼ)酵素をコードする核酸配列に操作可能に連結された上述の植物で発現可能なプロモーターを含むキメラ遺伝子(US 2005/0257283)を含有することを特徴とする植物細胞又は植物に関する。
【0135】
本発明は、また、本発明のキメラHPPD遺伝子を含む形質転換細胞を含有する植物、特に、形質転換細胞から再生された植物、及びその子孫植物又は種子に関する。再生は、例えば、上記参考文献で記載される種の性質に依存する任意の適切な方法により達成することができる。特に、植物細胞の形質転換及び植物の再生の方法に関して下記特許及び特許出願を引用することができる:
【表7】
【0136】
本発明は、また、本発明のHPPDキメラ遺伝子を含む、トランスジェニック植物を培養及び/又は交配することにより得られるトランスジェニック植物又はその一部及びトランスジェニック植物の種子に関する。
【0137】
本発明は、また、本発明の植物、その一部又は種子から得られる最終産物、例えば、食物又は油に関する。
【0138】
本発明に従って得ることができる形質転換植物は、単子葉植物類、例えば、コムギ、オオムギ、サトウキビ、コメ、タマネギ及びコーン又はトウモロコシ、又は双子葉植物類、例えば、タバコ、ダイズ類、アルファルファ、Brassica spp.植物、例えば、菜種、コットン、テンサイ、クローバー、野菜などであってよい。
【0139】
本発明は、生物に上記で定義されるような少なくとも1つの核酸配列又は1つのキメラ遺伝子を組み込むことにより、宿主生物、特に、植物細胞又は植物を形質転換するための方法に関し、ここで、専門文献、特に、本願に引用される文献に詳しく記載されている任意の適切な公知の手段により、例えば、本発明のベクターを使用して形質転換を達成することが可能である。
【0140】
本発明による形質転換の方法の1つは、DNAが付着した又はDNAを含有する固体又は液体粒子を、細胞、プロトプラスト又は組織に衝突させることを含む。別の形質転換の方法は、植物に導入する手段として、Agrobacterium tumefaciensTiプラスミド又はAgrobacterium rhizogenesRiプラスミドに挿入されたキメラ遺伝子を使用することを含む。マイクロインジェクション又はエレクトロポレーション、又はPEGを用いて直接遺伝子を導入する方法などの他の方法を使用してもよい。当業者であれば、選択の宿主生物、特に、植物細胞又は植物を形質転換するための任意の適切な方法を選択することができる。例として、ダイズの形質転換技術がEP 1186666 A1に開示される実施例1〜3に詳しく記載されており、これは参照することにより本明細書に組み込まれる。コメの場合では、Agrobacterium媒介形質転換(Hiei et al., 1994 Plant J 6:271-282, 及び Hiei et al., 1997 Plant Mol Biol. 35:205-21、これは参照することにより本明細書に組み込まれる)、エレクトロポレーション(US 5,641,664及びUS 5,679,558、これは参照することにより本明細書に組み込まれる)、又は衝突(Christou et al., 1991、Biotechnology 9:957、これは参照することにより本明細書に組み込まれる)を実施することができる。単子葉植物、特に、コメの形質転換の適切な技術は、WO 92/09696に記載されており、これは参照することにより本明細書に組み込まれる。コットンの場合では、Agrobacterium媒介形質転換(Gould J.H. and Magallanes-Cedeno M., 1998 Plant Molecular Biology reporter, 16:1-10 及び Zapata C., 1999, Theoretical Applied Genetics, 98(2):1432-2242、これは参照することにより本明細書に組み込まれる)、ポリブレン及び/又は処理媒介(treatment-mediated)形質転換(Sawahel W.A., 2001, - Plant Molecular Biology reporter, 19:377a-377f、これは参照することにより本明細書に組み込まれる)が記載されている。
【0141】
本発明の特定の実施態様においては、本発明のHPPDは葉緑体内に標的化される。これは、トランジットペプチドをコードする核酸配列を本発明のHPPDタンパク質をコードする核酸配列に融合させて、上述の融合タンパク質をコードする核酸を得ることにより行ってもよい。
【0142】
あるいは、本発明のHPPDは、色素体、例えば、葉緑体ゲノムの形質転換を用いて、色素体、例えば、葉緑体で直接発現させてもよい。適切な方法は、DNAで被覆した固体粒子又はDNAを含む液体粒子による植物細胞又は組織の衝突、及び相同的組換えによる本発明のタンパク質をコードする導入遺伝子の組み込みを含む。適切なベクター及び選択システムは当業者に知られている。タバコ植物の葉緑体ゲノムへのそのような組み込みに使用することができる手段及び方法の例は、WO 06/108830に提供されており、この内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0143】
本発明は、また、植物が上述の本発明のキメラHPPD遺伝子で形質転換されることを特徴とする、HPPD阻害剤に対する植物を得るための方法に関する。
【0144】
従って、本発明は、また、植物が、5’位、場合により、3’位に、宿主生物で機能することが可能なコード配列ならびに異種調節要素を含む、本発明のキメラHPPD遺伝子を含有することを特徴とし、該コード配列が上述の本発明のHPPDをコードする遺伝子を定義する少なくとも1つの核酸配列を含むことを特徴とする、HPPD阻害剤に耐性を有する植物を得るための方法に関する。
【0145】
本発明の一実施態様においては、上記方法におけるHPPD阻害剤は、トリケトン又はピラゾリネート除草剤、好ましくは、テンボトリオン、メソトリオン、ビシクロピロン、テフリルトリオン、ピラスルホトール、ピラゾレート、ジケトニトリル、ベンゾフェナップ又はスルコトリオン、特に、テンボトリオンである。
【0146】
本発明によれば、また、本発明のキメラHPPD遺伝子である第一の導入遺伝子、及びPDH(プレフェン酸デヒドロゲナーゼ)酵素をコードする核酸に操作可能に連結された植物で発現可能なプロモーターを含むキメラ遺伝子である第二の導入遺伝子を含む植物が得られることを特徴とする、上述のHPPD阻害剤に耐性を有する植物を得るための方法が提供される。そのような2つの導入遺伝子を含む植物は、当技術分野でよく知られているように、植物を1つの導入遺伝子でトランスフェクションし、次に、このトランスジェニック植物を第二の導入遺伝子で再度形質転換することによるか、又は植物を2つの導入遺伝子で同時に形質転換する(同じ又は2つの異なる形質転換DNA又はベクターで)ことによるか、又は第一の導入遺伝子を含む植物を、第二の導入遺伝子を含む植物と交配させることにより得ることができる。
【0147】
本発明は、また、植物を植えるもしくは種子を播種する農地又は作物の中で、HPPD阻害剤、特に、上記で定義されるHPPD阻害型除草剤をそのような農地又は植物作物に適用することにより、雑草を選択的に除去する又は雑草の発芽を防除するための方法に関し、本方法は、このHPPD阻害型除草剤を、作物を播種する前(本明細書下記で、播種前適用と呼ぶ)、作物の発芽前(本明細書下記で、発芽前適用と呼ぶ)、又は作物の発芽後(本明細書下記で、出芽後適用と呼ぶ)のいずれかに、本発明に従って形質転換された植物に適用することを特徴とする。
【0148】
本発明は、また、本発明において上述される形質転換種子を含む領域又は農地を管理するための方法に関し、本方法は、前記領域又は農地に、本発明において上述される本発明のHPPD核酸又はキメラHPPD遺伝子を含有する種子又は植物に重大な影響を与えることなく、前記雑草に毒性である用量のHPPD阻害型除草剤を適用することを含む。
【0149】
本発明は、また、本発明のキメラ遺伝子で形質転換された植物を栽培するための方法に関し、本方法は、本発明のキメラ遺伝子を含む種子を前記植物の栽培に適切な農地の領域に播種し、そして、雑草が存在する場合、前記農地の前記領域に、前記形質転換種子又は前記形質転換植物に重大な影響を与えることなく、雑草に毒性である用量の標的が上記で定義されるHPPDである除草剤を適用し、次に、所望の成熟期に達したときに栽培植物又は植物の一部を収穫して、必要に応じて、収穫した植物から種子を分離することを含む。
【0150】
上記方法において、標的がHPPD酵素である除草剤を、本発明に従って、作物を播種する前、作物の出芽前又は作物の出芽後のいずれかに適用することができる。
【0151】
本発明は、また、油、特に、ダイズ類、コーン又はコットン油、又は食物を得るための方法に関し、本方法は、作物、特に、ダイズ類作物を成長させ、本発明のHPPDタンパク質を発現させ、場合により、そのような作物をHPPD阻害型除草剤で処理して、穀物を収穫し、そして、穀物を製粉して食物を製造し、油を抽出することを含む。また、本発明のキメラ遺伝子を含む、全体、破砕又は粉砕された種子又は穀物も、本発明の一部である。
【0152】
従って、本発明は、上述の形質転換植物を成長させ、場合により、そのような植物をHPPD阻害型除草剤で処理して、穀物を収穫し、そして、穀物を製粉して食物を製造し、油を抽出することを含む、油又は食物を得るための方法に関する。
【0153】
さらに、本発明において、イソキサフルトール、テンボトリオン、メソトリオン、ピラスルホトール、スルコトリオン、ビシクロピロン、テフリルトリオン、トプラメゾン、2−シアノ−3−シクロプロピル−1−(2−メチルスルホニル−4−トリフルオロメチルフェニル)−プロパン−1,3−ジオン及び2−シアノ−1−[4−(メチルスルホニル)−2−トリフルオロメチルフェニル]−3−(1−メチルシクロプロピル)プロパン−1,3−ジオンから選択されるHPPD阻害型除草剤を含む上記方法が提供される。
【0154】
また、本明細書において、トリケトンのクラス、例えば、テンボトリオン、スルコトリオン及びメソトリオン、又はピラゾリネートのクラス、例えば、ピラスルホトール及びトプラメゾン、特に、テンボトリオン、スルコトリオン、トプラメゾン、ビシクロピロン、テフリルトリオン及びメソトリオンから選択される、より具体的には、テンボトリオンであるHPPD阻害型除草剤を含む本発明の上記方法が提供される。
【0155】
本発明の意義の範囲内において、「除草剤」は、それ自身で除草活性な物質又はその効果を変える添加剤、例えば、その活性を増加させる薬剤(相乗作用剤)又はその活性を制限する薬剤(毒性緩和剤)と組み合わされたそのような物質であると理解される。当然ながら、実際のそれらの適用のために、上記除草剤は、農芸化学で慣例的に用いられてきた製剤補助剤(formulation adjuvant)とそれ自体公知の方法で組み合わされることが理解される。
【0156】
トリケトンのクラス、例えば、テンボトリオン、スルコトリオン及びメソトリオン、又はピラゾリネートのクラス、例えば、ピラスルホトール及びトプラメゾン、特に、テンボトリオン、スルコトリオン、トプラメゾン、ビシクロピロン、テフリルトリオン及びメソトリオンから選択される、より具体的には、テンボトリオンであるようなHPPD阻害型除草剤が、広範な経済的に重要な単子葉及び双子葉の一年生有害植物に対して優れた除草活性を有する。活性物質は、また、根茎、根株又は他の宿根器官から新芽を生じ、防除することが困難である多年生有害植物に効果的に作用する。
【0157】
従って、本発明は、また、不要な植物を防除するための又は本発明のHPPDを含む植物の作物における植物の成長を調節するための方法に関し、この方法では、トリケトンのクラス、例えば、テンボトリオン、スルコトリオン及びメソトリオン、又はピラゾリネートのクラス、例えば、ピラスルホトール及びトプラメゾン、特に、テンボトリオン、スルコトリオン、トプラメゾン、ビシクロピロン、テフリルトリオン及びメソトリオンから選択される、より具体的には、テンボトリオンである1つ以上のHPPD阻害型除草剤が、植物(例えば、単子葉植物又は双子葉植物の雑草又は不要な作物などの有害植物)、種子(例えば、穀物、種子又は植物の珠芽、例えば、塊茎又は芽が出た新芽の一部)又は植物が成長する領域(例えば、栽培下の領域)に適用される。この内容において、トリケトンのクラス、例えば、テンボトリオン、スルコトリオン及びメソトリオン、又はピラゾリネートのクラス、例えば、ピラスルホトール及びトプラメゾン、特に、テンボトリオン、スルコトリオン、トプラメゾン、ビシクロピロン、テフリルトリオン及びメソトリオンから選択される、より具体的には、テンボトリオンであるHPPD阻害型除草剤を、例えば、播種前(必要に応じて、土壌に混入させることにより)、発芽前又は出芽後に適用することができる。トリケトンのクラス、例えば、テンボトリオン、スルコトリオン及びメソトリオン、又はピラゾリネートのクラス、例えば、ピラスルホトール及びトプラメゾン、特に、テンボトリオン、スルコトリオン、トプラメゾン、ビシクロピロン、テフリルトリオン及びメソトリオンから選択される、より具体的には、テンボトリオンであるHPPD阻害型除草剤で防除することができる、単子葉植物及び双子葉植物の雑草の個々の典型例は、本明細書により言及されるが、この言及は特定の種のみを限定するものではない:
【0158】
以下の属の単子葉の有害植物:Aegilops、Agropyron、Agrostis、Alopecurus、Apera、Avena、Brachiaria、Bromus、Cenchrus、Commelina、Cynodon、Cyperus、Dactyloctenium、Digitaria、Echinochloa、Eleocharis、Eleusine、Eragrostis、Eriochloa、Festuca、Fimbristylis、Heteranthera、Imperata、Ischaemum、Leptochloa、Lolium、Monochoria、Panicum、Paspalum、Phalaris、Phleum、Poa、Rottboellia、Sagittaria、Scirpus、Setaria)、Sorghum。
【0159】
以下の属の双子葉植物の雑草:Abutilon、Amaranthus、Ambrosia、Anoda、Anthemis、Aphanes、Atriplex、Bellis、Bidens、Capsella、Carduus、Cassia、Centaurea、Chenopodium、Cirsium、Convolvulus、Datura、Desmodium、Emex、Erysimum、Euphorbia、Galeopsis、Galinsoga、Galium、Hibiscus、Ipomoea、Kochia、Lamium、Lepidium、Lindernia、Matricaria、Mentha、Mercurialis、Mullugo、Myosotis、Papaver、Pharbitis、Plantago、Polygonum、Portulaca、Ranunculus、Raphanus、Rorippa、Rotala、Rumex、Salsola、Senecio、Sesbania、Sida、Sinapis、Solanum、Sonchus、Sphenoclea、Stellaria、Taraxacum、Thlaspi、Trifolium、Urtica、Veronica、Viola、Xanthium。
【0160】
本発明のHPPDタンパク質、DNA又はキメラ遺伝子を含み、また、HPPD阻害型除草剤と異なる除草剤に対して、1つ以上のさらなる除草剤耐性を示しても良い本発明のトランスジェニック作物において、有用な植物及び観賞植物、例えば、穀類、例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、オートムギ、モロコシ及びキビ、コメ及びトウモロコシ、又はテンサイ、コットン、ダイズ類、菜種、ジャガイモ、トマト、エンドウの作物及び他の野菜の経済的に重要なトランスジェニック作物に、トリケトンのクラス、例えば、テンボトリオン、スルコトリオン及びメソトリオン、又はピラゾリネートのクラス、例えば、ピラスルホトール及びトプラメゾン、特に、テンボトリオン、スルコトリオン、トプラメゾン、ビシクロピロン、テフリルトリオン及びメソトリオンから選択される、より具体的には、テンボトリオンであるHPPD阻害型除草剤を使用することが好ましい。
【0161】
本発明に記載されるHPPD阻害型除草剤に対する耐性以外の植物の特性に関して、既存の植物と比較して特性が改変された新規植物を産生する従来の方法は、例えば、伝統的な育種法及び突然変異体の作製である。あるいは、特性が改変された新規植物は、遺伝子組換え方法を利用して作製することができる(例えば、EP-A-0221044 A1、EP-A-0131624 A1参照)。例えば、いくつかの事例を以下に記載する:
−植物で合成されるデンプンを改変するための、作物の遺伝子組換え改変(例えば、WO 92/11376、WO 92/14827、WO 91/19806)、
−特定のグルホシネート型(例えば、EP-A-0242236、EP-A-242246参照)又はグリホセート型(WO 92/00377)又はスルホニル尿素型(EP-A-0257993、US-A-5013659)除草剤に耐性であるトランスジェニック作物、
−植物を特定の害虫に耐性を有するようにする、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素(Bt毒素)又はそのハイブリッドもしくは突然変異体産生能を有するトランスジェニック作物、例えば、コーン、コットン又はダイズ類(EP-A-0193259)、
−脂肪酸組成が改変されたトランスジェニック作物(WO 91/13972)、
−耐病性を増加させる、新規構成成分又は二次代謝産物、例えば、新規フィトアレキシンを有する遺伝子改変作物(EPA 309862、EPA0464461)、
−より高収量及びより高ストレス耐性の特徴を有する、光呼吸が低下した遺伝子改変植物(EPA 0305398)、
−薬学的又は診断上重要なタンパク質を産生するトランスジェニック作物(「分子ファーミング」)、
−より高収量又は良好な品質を特徴とするトランスジェニック作物、
−新規特性の組み合わせ、例えば、前記の新規特性の組み合わせを特徴とするトランスジェニック作物(「遺伝子スタッキング」)。
【0162】
特性が改変された新規トランスジェニック植物を作製することができる多くの分子生物学技術が基本的に公知である;例えば、I. Potrykus and G. Spangenberg (eds.) Gene Transfer to Plants, Springer Lab Manual (1995), Springer Verlag Berlin, Heidelberg, 又は Christou, 「Trends in Plant Science」 1 (1996) 423-431) 参照。
【0163】
そのような組換え操作を実施するために、核酸分子をプラスミドに導入することができ、これにより、突然変異誘発又はDNA配列の組換えによる配列改変が可能になる。例えば、塩基置換を実施してもよく、部分配列を除去してもよく、又は標準的方法を用いて天然もしくは合成配列を加えてもよい。DNAフラグメントを互いに連結させるために、フラグメントにアダプター又はリンカーを加えることができる;例えば、Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2. ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY; 又は Winnacker 「Gene und Klone」, VCH Weinheim 2. ed., 1996参照。
【0164】
遺伝子産物に対する活性が低下した植物細胞の作製は、例えば、少なくとも1つの対応するアンチセンスRNA、共抑制効果を達成するためのセンスRNA、又は二本鎖サイレンシングRNA分子(RNAi)を産生するアンチセンスとセンスRNAの両方の組み合わせの発現により、又は前記遺伝子産物の転写物を特異的に切断する少なくとも1つの対応する構成的リボザイムの発現により達成することができる。これを実施するために、最初に、存在することができるあらゆるフランキング配列を含む、遺伝子産物のコード配列の全てを含むDNA分子、又はコード配列の一部のみを含むDNA分子を使用することができ、これらの部分は、細胞でアンチセンス効果を得るために十分に長い必要がある。また、遺伝子産物のコード配列と高い相同性を有するが、完全に同一ではないDNA配列を使用することも可能である。
【0165】
植物で核酸分子を発現する場合、得られるタンパク質は植物細胞の任意の区画に局在することができる。しかし、特定の区画に局在化を達成するために、例えば、コード領域をDNA配列に連結させて、特定の区画に局在化させることが可能である。そのような配列は、当業者に公知である(例えば、Braun et al., EMBO J. 11 (1992), 3219-3227; Wolter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85 (1988), 846-850; Sonnewald et al., Plant J. 1 (1991), 95-106 参照)。しかし、また、核酸分子を、植物細胞の細胞小器官で発現させることもできる。
【0166】
トランスジェニック植物細胞を公知の技術により再生して、インタクトな植物を得ることができる。基本的に、トランスジェニック植物は、単子葉植物又は双子葉植物を含む任意の植物種の植物であってもよい。
【0167】
従って、本発明のキメラHPPD遺伝子の他に、改変された特性を有するトランスジェニック植物を、相同(=天然)遺伝子又は遺伝子配列の過剰発現、抑制もしくは阻害、又は非相同(=外来)遺伝子又は遺伝子配列の発現の結果として得ることができる。
【0168】
本発明の植物、植物細胞又は種子に関して、トリケトンのクラス、例えば、テンボトリオン、スルコトリオン及びメソトリオン、又はピラゾリネートのクラス、例えば、ピラスルホトール及びトプラメゾン、特に、テンボトリオン、スルコトリオン、トプラメゾン、ビシクロピロン、テフリルトリオン及びメソトリオンから選択される、より具体的には、テンボトリオンであるHPPD阻害型除草剤を、例えば、2,4−Dもしくはジカンバなどの成長調節剤に対して、又は必須の植物酵素、例えば、アセト乳酸シンターゼ(ALS)、EPSPシンターゼもしくはグルタミンシンターゼ(GS)を阻害する除草剤に対して、又はスルホニル尿素、グリホセートもしくはグルホシネート及び類似の活性物質の群由来の除草剤に対して耐性であるトランスジェニック作物において用いることが好ましい。
【0169】
従って、本発明は、また、有害植物(即ち、雑草)を防除するための、本発明のHPPD耐性植物に適用される除草剤の使用に関し、これは、また、トリケトンのクラス、例えば、テンボトリオン、スルコトリオン及びメソトリオン、イソオキサゾールのクラス、例えば、イソキサフルトール、又はピラゾリネートのクラス、例えば、ピラスルホトール及びトプラメゾン、特に、テンボトリオン、スルコトリオン、トプラメゾン、ビシクロピロン、テフリルトリオン及びメソトリオンから選択される、より具体的には、テンボトリオンであるHPPD阻害型除草剤に対して耐性である以外に、第二又はさらなる除草剤耐性を含むトランスジェニック作物まで拡張される。
【0170】
トリケトンのクラス、例えば、テンボトリオン、スルコトリオン及びメソトリオン、又はピラゾリネートのクラス、例えば、ピラスルホトール及びトプラメゾン、特に、テンボトリオン、スルコトリオン、トプラメゾン、ビシクロピロン、テフリルトリオン及びメソトリオンから選択される、より具体的には、テンボトリオンであるHPPD阻害型除草剤を、水和剤、乳剤、噴霧液、粉剤又は顆粒剤の形態の従来の製剤で用いることができる。
【0171】
トリケトンのクラス、例えば、テンボトリオン、スルコトリオン及びメソトリオン、又はピラゾリネートのクラス、例えば、ピラスルホトール及びトプラメゾン、特に、テンボトリオン、スルコトリオン、トプラメゾン、ビシクロピロン、テフリルトリオン及びメソトリオンから選択される、より具体的には、テンボトリオンであるHPPD阻害型除草剤は、有効な生物学及び/又は物理化学パラメーターに応じて様々な方法で製剤化することができる。可能な製剤の例は、水和剤(WP)、水溶剤(SP)、水溶性濃縮剤、濃縮乳剤(EC)、エマルション(EW)、例えば、水中油型及び油中水型エマルション、噴霧液、濃縮懸濁剤(SC)、油又は水ベース分散剤、油混和性液剤、カプセル懸濁剤(CS)、粉剤(DP)、種子粉衣製品、散布及び土壌適用用の顆粒剤、ミクロ顆粒剤、噴霧顆粒剤、被覆顆粒剤及び吸着顆粒剤の形態の顆粒剤(GR)、水分散性顆粒剤(WG)、水溶性顆粒剤(SG)、ULV製剤、マイクロカプセル剤及びワックス剤である。
【0172】
これらの個々の製剤タイプは基本的に公知であり、例えば、Winnacker-Kuchler, 「Chemische Technologie」[Chemical technology], volume 7, C. Hanser Verlag Munich, 4th Ed. 1986; Wade van Valkenburg, 「Pesticide Formulations」, Marcel Dekker, N.Y., 1973; K. Martens, 「Spray Drying」 Handbook, 3rd Ed. 1979, G. Goodwin Ltd. London に記載されている。
【0173】
また、不活性物質、界面活性剤、溶剤及びさらなる添加剤などの必要な製剤補助剤も公知であり、例えば、Watkins, 「Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers」, 2nd Ed., Darland Books, Caldwell N.J., H.v. Olphen, 「Introduction to Clay Colloid Chemistry」; 2nd Ed., J. Wiley & Sons, N.Y.; C. Marsden, 「Solvents Guide」; 2nd Ed., Interscience, N.Y. 1963; McCutcheon's 「Detergents and Emulsifiers Annual」, MC Publ. Corp., Ridgewood N.J.; Sisley and Wood, 「Encyclopedia of Surface Active Agents」, Chem. Publ. Co. Inc., N.Y. 1964; Schonfeldt, 「Grenzflachenaktive Athylenoxidaddukte」[Interface-active ethylene oxide adducts], Wiss. Verlagsgesell., Stuttgart 1976; Winnacker-Kuchler, 「Chemische Technologie」[Chemical technology], volume 7, C. Hanser Verlag Munich, 4th Ed. 1986 に記載されている。
【0174】
これらの製剤に基づいて、また、他の殺虫活性物質、例えば、殺虫剤、ダニ駆除剤、除草剤、殺菌剤及び毒性緩和剤、肥料及び/又は成長調節剤との組み合わせ剤を、例えば、調合済み又はタンクミックス形態で調製することも可能である。
【0175】
水和剤は、水に均一に分散可能であり、そして、活性物質以外に、また希釈剤又は不活性物質の他に、イオン性及び/又は非イオン性界面活性剤(湿潤剤、分散剤)、例えば、ポリオキシエチル化アルキルフェノール、ポリオキシエチル化脂肪族アルコール、ポリオキシエチル化脂肪族アミン、脂肪族アルコールポリグリコールエーテルサルフェート、アルカンスルホナート、アルキルベンゼンスルホナート、リグノスルホン酸ナトリウム、2,2’−ジナフチルメタン−6,6’−ジスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム又はオレオイルメチルタウリン酸ナトリウムを含む製剤である。水和剤を調製するために、除草活性物質を、例えば、ハンマーミル、ブロワーミル及びエアジェットミルなどの通常用いられる装置で微粉砕し、そして、同時に又はその後で製剤補助剤と混合する。
【0176】
濃縮乳剤は、活性物質を、1つ以上のイオン性及び/又は非イオン性界面活性剤(乳化剤)を添加した、有機溶媒、例えば、ブタノール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、キシレン、又は高沸点の芳香族物質もしくは炭化水素、又は有機溶媒の混合物に溶解させて調製される。使用することができる乳化剤の例は、アルキルアリールスルホン酸カルシウム、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、又は非イオン性乳化剤、例えば、脂肪酸ポリグリコールエステル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、プロピレンオキシド/エチレンオキシド縮合物、アルキルポリエーテル、例えば、ソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタンエステル、又は例えば、ポリオキシエチレソルビタン脂肪酸エステルなどのポリオキシエチレンソルビタンエステルである。
【0177】
粉剤は、活性物質を、例えば、タルク、自然粘土、例えば、カオリン、ベントナイト及びピロフィライト又は珪藻土などの微粉砕した固体物質と共に粉砕することにより得られる。
【0178】
濃縮懸濁剤は、水又は油ベースであることができる。これらは、例えば、市販のビーズミルを用いて湿式粉砕法により、必要に応じて、例えば、上記の他の製剤のタイプの場合において既に列挙した界面活性剤を添加して調製することができる。
【0179】
エマルション、例えば、水中油型エマルション(EW)は、例えば、水性有機溶媒、必要に応じて、例えば、上記の他の製剤のタイプの場合において既に言及した界面活性剤を用いて、スターラー、コロイドミル及び/又はスタテイックミキサーにより調製することができる。
【0180】
顆粒剤は、吸着性の粒状の不活性物質に活性物質を噴霧することにより、又は砂、カオリナイトもしくは粒状の不活性物質などの担体表面に、固着剤、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムもしくは鉱油を利用して濃縮活性物質を適用することにより調製することができる。適切な活性物質は、また、肥料顆粒剤の製造に通常用いられる方法で、所望であれば、肥料との混合物で造粒することができる。
【0181】
水分散性顆粒剤は、一般的に、噴霧乾燥法、流動床造粒法、ディスク造粒法、高速撹拌機による混合法、及び固体不活性物質を用いない押出し法などの通常用いられる方法により調製される。
【0182】
ディスク顆粒剤、流動床顆粒剤、押出し顆粒剤及び噴霧顆粒剤の調製については、例えば、「Spray-Drying Handbook」 3rd ed. 1979, G. Goodwin Ltd., London; J.E. Browning, 「Agglomeration」, Chemical and Engineering 1967, pages 147 et seq.; 「Perry's Chemical Engineer's Handbook」, 5th Ed., McGraw-Hill, New York 1973, p.8-57 に記載の方法を参照されたい。
【0183】
作物保護製品の製剤のさらなる詳細については、例えば、G.C. Klingman, 「Weed Control as a Science」, John Wiley and Sons, Inc., New York, 1961, pages 81-96 and J.D. Freyer, S.A. Evans, 「Weed Control Handbook」, 5th Ed., Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1968, pages 101-103 を参照されたい。
【0184】
一般的に、農薬製剤は、0.1〜99重量%、特に、0.1〜95重量%の本発明の化合物を含む。
【0185】
水和剤では、活性物質の濃度は、例えば、約10〜90重量%であり、残りが通常の製剤構成成分で100重量%としている。濃縮乳剤の場合は、活性物質の濃度は、約1〜90重量%であり、好ましくは、5〜80重量%であることができる。粉剤形態の製剤は、1〜30重量%の活性物質、好ましくは、多くの場合で、5〜20重量%の活性物質を含み、そして、噴霧液形態の製剤は、約0.05〜80重量%、好ましくは、2〜50重量%の活性物質を含む。水分散性顆粒剤の場合は、活性物質含量は、活性化合物が液体又は固体形態であるか、そして、使用される造粒補助剤、増量剤などにより部分的に依存している。水分散性顆粒剤の場合は、例えば、活性物質含量は、1〜95重量%、好ましくは、10〜80重量%である。
【0186】
さらに、前記の活性物質製剤は、必要に応じて、各場合において通常用いられる補助剤、例えば、固着剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、防腐剤、凍結防止剤、溶剤、増量剤、担体、着色剤、消泡剤、蒸発防止剤ならびにpH及び粘度調節剤を含む。
【0187】
これらの製剤に基づいて、また、例えば、本発明のHPPD耐性植物に調合済み又はタンクミックス形態で適用される、トリケトンのクラス、例えば、テンボトリオン、スルコトリオン及びメソトリオン、又はピラゾリネートのクラス、例えば、ピラスルホトール及びトプラメゾン、特に、テンボトリオン、スルコトリオン、トプラメゾン、ビシクロピロン、テフリルトリオン及びメソトリオンから選択される、より具体的には、テンボトリオンであるHPPD阻害型除草剤と、他の殺虫活性物質、例えば、殺虫剤、ダニ駆除剤、除草剤、殺菌剤、ならびに毒性緩和剤、肥料及び/又は成長調節剤との組み合わせ物を調製することも可能である。
【0188】
トリケトンのクラス、例えば、テンボトリオン、スルコトリオン及びメソトリオン、又はピラゾリネートのクラス、例えば、ピラスルホトール及びトプラメゾン、特に、テンボトリオン、スルコトリオン、トプラメゾン、ビシクロピロン、テフリルトリオン及びメソトリオンから選択される、より具体的には、テンボトリオンであるHPPD阻害型除草剤と組み合わせて、混合製剤又はタンクミックスの形態で、本発明のHPPD耐性植物に適用することができる活性物質は、例えば、Weed Research 26 (1986) 441-445又は「The Pesticide Manual」, 14th edition, The British Crop Protection Council and the Royal Soc. of Chemistry, 2003 及びその中で引用される文献に記載の、アセト乳酸シンターゼ、アセチル−CoAカルボキシラーゼ、セルロースシンターゼ、エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ、グルタミンシンテターゼ、p-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ、フィトエンデサチュラーゼ、光化学系(photosystem)I、光化学系II、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼなどの阻害に基づく公知の活性物質である。本発明の化合物と組み合わせることができる公知の除草剤又は植物成長調節剤は、例えば、下記活性物質(該化合物は、国際標準化機構(ISO)に従って一般名称又は化学名で、必要であれば、そのコード番号と共に標記される)であり、常に、酸、塩、エステル及び異性体、例えば、立体異性体及び光学異性体などの全ての使用形態を含む。この内容において、1つ及び場合により、いくつかの使用形態を例を挙げて記載する:
【0189】
アセトクロル、アシベンゾラル、アシベンゾラル−S−メチル、アシフルオルフェン、アシフルオルフェン−ナトリウム、アクロニフェン、アラクロール、アリドクロル、アロキシジム、アロキシジム−ナトリウム、アメトリン、アミカルバゾン、アミドクロル、アミドスルフロン、アミノシクロピラクロル、アミノピラリド、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アンシミドール、アニロホス、アスラム、アトラジン、アザフェニジン、アジムスルフロン、アジプロトリン、BAH−043、BAS−140H、BAS−693H、BAS−714H、BAS−762H、BAS−776H、BAS−800H、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベナゾリン−エチル、ベンカルバゾン、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスリド、ベンスルフロン−メチル、ベンタゾン、ベンズフェンジゾン、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ベンゾフルオル、ベンゾイルプロプ、ビフェノックス、ビラナホス、ビラナホス−ナトリウム、ビスピリバック、ビスピリバック−ナトリウム、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブロムロン、ブミナホス、ブソキシノン、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブテナクロール、ブトラリン、ブトロキシジム、ブチレート、カフェンストロール、カルベタミド、カルフェントラゾン、カルフェントラゾン−エチル、クロメトキシフェン、クロランベン、クロラジホップ、クロラジホップ−ブチル、クロルブロムロン、クロルブファム、クロルフェナック、クロルフェナック−ナトリウム、クロルフェンプロップ、クロルフルレノール、クロルフルレノール−メチル、クロリダゾン、クロリムロン、クロリムロン−エチル、クロロメクワット−クロリド、クロルニトロフェン、クロロフタリム、クロルタール−ジメチル、クロロトルロン、クロルスルフロン、シニドン、シニドン−エチル、シンメチリン、シノスルフロン、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ−プロパルギル、クロフェンセット、クロマゾン、クロメプロップ、クロプロップ、クロピラリド、クロランスラム、クロランスラム−メチル、クミルロン、シアナミド、シアナジン、シクラニリド、シクロエート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シクルロン、シハロホップ、シハロホップ−ブチル、シペルコート、シプラジン、シプラゾール、2,4−D、2,4−DB、ダイムロン(daimuron)/ダイムロン(dymron)、ダラポン、ダミノジド、ダゾメット、n−デカノール、デスメジファム、デスメトリン、デトシル−ピラゾレート(DTP)、ジ−アレート、ジカンバ、ジクロベニル、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ−P、ジクロホップ、ジクロホップ−メチル、ジクロホップ−P−メチル、ジクロスラム、ジエタチル、ジエタチル−エチル、ジフェノキスロン、ジフェンゾコート、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジフルフェンゾピル−ナトリウム、ジメフロン、ジケグラック−ナトリウム、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロル、ジメタメトリン、ジメテナミド、ジメテナミド−P、ジメチピン、ジメトラスルフロン、ジニトラミン、ジノセブ、ジノテルブ、ジフェナミド、ジプロペトリン、ジクワット、ジクワット−ジブロミド、ジチオピル、ジウロン、DNOC、エグリナジン−エチル、エンドタール、EPTC、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エタメツルフロン−メチル、エテホン、エチジムロン、エチオジン、エトフメセート、エトキシフェン、エトキシフェン−エチル、エトキシスルフロン、エトベンザニド、F−5331、即ち、N−[2−クロロ−4−フルオロ−5−[4−(3−フルオロ−プロピル)−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−テトラゾール−1−イル]−フェニル]エタンスルホンアミド、フェノプロップ、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ−P、フェノキサプロップ−エチル、フェノキサプロップ−P−エチル、フェントラザミド、フェヌロン、フラムプロップ、フラムプロップ−M−イソプロピル、フラムプロップ−M−メチル、フラザスルフロン、フロラシュラム、フルアジホップ、フルアジホップ−P、フルアジホップ−ブチル、フルアジホップ−P−ブチル、フルアゾレート、フルカルバゾン、フルカルバゾン−ナトリウム、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット(チアフルアミド)、フルフェンピル、フルフェンピル−エチル、フルメトラリン、フルメツラム、フルミクロラック、フルミクロラック−ペンチル、フルミオキサジン、フルミプロピン、フルオメツロン、フルオロジフェン、フルオログリコフェン、フルオログリコフェン−エチル、フルポキサム、フルプロパシル、フルプロパネート、フルピルスルフロン、フルピルスルフロン−メチル−ナトリウム、フルレノール、フルレノール−ブチル、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルロキシピル−メプチル、フルルプリミドル、フルルタモン、フルチアセット、フルチアセット−メチル、フルチアミド、ホメサフェン、ホラムスルフロン、ホルクロルフェニュロン、ホサミン、フリルオキシフェン、ジベレリン酸、グルホシネート、L−グルホシネート、L−グルホシネート−アンモニウム、グルホシネート−アンモニウム、グリホセート、グリホセート−イソプロピルアンモニウム、H−9201、ハロサフェン、ハロスルフロン、ハロスルフロン−メチル、ハロキシホップ、ハロキシホップ−P、ハロキシホップ−エトキシエチル、ハロキシホップ−P−エトキシエチル、ハロキシホップ−メチル、ハロキシホップ−P−メチル、ヘキサジノン、HNPC−9908、HOK−201、HW−02、イマザメタベンズ、イマザメタベンズ−メチル、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イマゾスルフロン、イナベンフィド、インダノファン、インドール酢酸(IAA)、4−インドール−3−イル酪酸(IBA)、ヨードスルフロン、ヨードスルフロン−メチル−ナトリウム、イオキシニル、イソカルバミド、イソプロパリン、イソプロチュロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、イソキサピリホップ、KUH−043、KUH−071、カルブチラート、ケトスピラドックス、ラクトフェン、レナシル、リニュロン、マレイン酸ヒドラジド、MCPA、MCPB、MCPB−メチル、−エチル及び−ナトリウム、メコプロップ、メコプロップ−ナトリウム、メコプロップ−ブトチル、メコプロップ−P−ブトチル、メコプロップ−P−ジメチルアンモニウム、メコプロップ−P−2−エチルヘキシル、メコプロップ−P−カリウム、メフェナセット、メフルイジド、メピコート−クロリド、メソスルフロン、メソスルフロン−メチル、メタベンズチアズロン、メタム、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロル、メタゾール、メトキシフェノン、メチルダイムロン、1−メチルシクロプロペン、イソチオシアン酸メチル、メトベンズロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトラクロル、S−メトラクロル、メトスラム、メトキスロン、メトリブジン、メトスルフロン、メトスルフロン−メチル、モリネート、モナリド、モノカルバミド、モノカルバミド二水素硫酸、モノリニュロン、モノスルフロン、モニュロン、MT128、MT−5950、即ち、N−[3−クロロ−4−(1−メチルエチル)−フェニル]−2−メチルペンタンアミド、NGGC−011、ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプタラム、NC−310、即ち、4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1−メチル−5−ベンジルオキシピラゾール、ネブロン、ニコスルフロン、ニピラクロフェン、ニトラリン、ニトロフェン、ニトロフェノラト−ナトリウム(異性体混合物)、ニトロフルオルフェン、ノナン酸、ノルフラゾン、オルベンカルブ、オルソスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメホン、オキシフルオルフェン、パクロプトラゾール、パラコート、パラコートジクロリド、ペラルゴン酸(ノナン酸)、ペンディメタリン、ペンドラリン(pendralin)、ペノキススラム、ペンタノクロル、ペントキサゾン、ペルフルイドン、ペトキサミド、フェニソファム、フェンメディファム、フェンメディファム−エチル、ピクロラム、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、ピリフェノプ、ピリフェノプ−ブチル、プレチラクロル、プリミスルフロン、プリミスルフロン−メチル、プロベナゾール、プロフルアゾール、プロシアジン、プロジアミン、プリフラリン(prifluraline)、プロホキシジム、プロヘキサジオン、プロヘキサジオン−カルシウム、プロヒドロジャスモン、プロメトン、プロメトリン、プロパクロル、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロル、プロポキシカルバゾン、プロポキシカルバゾン−ナトリウム、プロピザミド、プロスルファリン、プロスルホカルブ、プロスルフロン、プリナクロル、ピラクロニル、ピラフルフェン、ピラフルフェン−エチル、ピラゾリナート(ピラゾレート)、ピラゾスルフロン−エチル、ピラゾキシフェン、ピリバムベンズ、ピリバムベンズ−イソプロピル、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリダフォル、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック、ピリミノバック−メチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピリチオバック−ナトリウム、ピロキサスルホン、ピロックススラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キザロホップ、キザロホップ−エチル、キザロホップ−P、キザロホップ−P−エチル、キザロホップ−P−テフリル、リムスルフロン、サフルフェナシル、セクブメトン、セトキシジム、シデュロン、シマジン、シメトリン、SN−106279、サルフ−アレート(CDEC)、スルフェントラゾン、スルホメツロン、スルホメツロン−メチル、スルホサート(グリホセート−トリメシウム)、スルホスルフロン、SYN−523、SYP−249、SYP−298、SYP−300、テブタム、テブチウロン、テクナゼン、テプラロキシジム、ターバシル、テルブカルブ、テルブクロル、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、TH−547、テニルクロル、チアフルアミド、チアザフルロン、チアゾピル、チジアジミン、チジアズロン、チエンカルバゾン、チエンカルバゾン−メチル、チフェンスルフロン、チフェンスルフロン−メチル、チオベンカルブ、チオカルバジル、トラルコキシジム、トリ−アレート、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリアゾフェナミド、トリベヌロン、トリベヌロン−メチル、トリクロロ酢酸(TCA)、トリクロピル、トリジファン、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフロキシスルフロン−ナトリウム、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリフルスルフロン−メチル、トリメツロン、トリネキサパック、トリネキサパック−エチル、トリトスルフロン、チトデフ(tsitodef)、ウニコナゾール、ウニコナゾール−P、ベルノレート、ZJ−0166、ZJ−0270、ZJ−0543、ZJ−0862及び下記化合物。
【化1】
【0190】
本発明のHPPD耐性植物が成長する領域に適用される、トリケトンのクラス、例えば、テンボトリオン、スルコトリオン及びメソトリオン、又はピラゾリネートのクラス、例えば、ピラスルホトール及びトプラメゾン、特に、テンボトリオン、スルコトリオン、トプラメゾン、ビシクロピロン、テフリルトリオン及びメソトリオンから選択される、より具体的には、テンボトリオンであるHPPD阻害型除草剤の必要な施用量は、例えば、温度、湿度、使用される除草剤の性質などの外的条件の作用に応じて変更される。それは、広範な範囲内、例えば、0.001〜1.0kg/haの活性物質、そして、それ以上の範囲内で変更することができるが、好ましくは、0.005〜750g/haである。
【0191】
本発明のHPPD耐性植物へのHPPD阻害型除草剤とHPPD阻害型除草剤と異なる除草剤との組み合わせ適用の場合、これらの混合物は、非HPPD阻害型除草剤の存在によって作物に被害をもたらす可能性がある。そのような作物被害を低減/除去するために、適切な毒性緩和剤を加えてもよい。これらの毒性緩和剤は解毒有効量で用いられ、穀類(コムギ、オオムギ、ライムギ、コーン、コメ、キビ)、アルファルファ、テンサイ、サトウキビ、菜種、コットン及びダイズ類、好ましくは、コーン、コットン、テンサイ又はダイズ類などの経済的に重要な作物において、使用される除草剤/殺虫剤の植物毒素副作用を低減する。
【0192】
毒性緩和剤は、好ましくは、下記からなる群より選択される:
A)式(S−I):
【化2】
[式中、記号及び指数は下記の意味を有する:
n
Aは、0〜5、好ましくは、0〜3の自然数であり;
R
A1 は、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ、ニトロ又は(C
1−C
4)−ハロアルキルであり;
W
Aは、N又はO型の1〜3個のヘテロ環原子を有する部分不飽和又は芳香族5員複素環からなる群からの二価の非置換又は置換複素環基であり、ここで、少なくとも1つの窒素原子及び多くとも1個の酸素原子が環に存在しており、好ましくは、下記(W
A1)〜(W
A4)からなる群からの基であり、
【化3】
m
Aは、0又は1であり;
R
A2は、OR
A3、SR
A3もしくはNR
A3R
A4であるか、又は少なくとも1つの窒素原子及び好ましくは、O及びSからなる群からの最大3個のヘテロ原子を有する、飽和もしくは不飽和の3〜7員複素環であり、これは、(S−I)において、窒素原子を介してカルボニル基に結合しており、そして、非置換であるか、又は(C
1−C
4)−アルキル、(C
1-C
4)−アルコキシ、そして、場合により置換されているフェニルからなる群からの基により置換されており、好ましくは、式OR
A3、NHR
A4又はN(CH
3)
2、特に、式OR
A3の基であり;
R
A3 は、水素であるか、又は好ましくは、全部で1〜18個の炭素原子を有する非置換もしくは置換脂肪族炭化水素基であり;
R
A4は、水素、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルコキシ又は置換もしくは非置換フェニルであり;
R
A5は、H、(C
1−C
8)−アルキル、(C
1−C
8)−ハロアルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ−(C
1−C
8)−アルキル、シアノ又はCOOR
A9であり、ここで、R
A9は、水素、(C
1−C
8)−アルキル、(C
1−C
8)−ハロアルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ−(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
6)−ヒドロキシアルキル、(C
3−C
12)−シクロアルキル又はトリ−(C
1−C
4)−アルキルシリルであり;
R
A6、R
A7、R
A8は、同一であるか、又は異なっており、そして、水素、(C
1−C
8)−アルキル、(C
1−C
8)−ハロアルキル、(C
3−C
12)−シクロアルキル又は置換もしくは非置換フェニルである]
で表される化合物、好ましくは:
a)ジクロロフェニルピラゾリン−3−カルボン酸のタイプの化合物、好ましくは、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(エトキシカルボニル)−-5−メチル−2−ピラゾリン−3−カルボン酸エチル(S1−1)(「メフェンピル−ジエチル」、Pestic. Man.参照)などの化合物及び関連化合物(WO 91/07874に記載される);
b)ジクロロフェニルピラゾールカルボン酸の誘導体、好ましくは、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチルピラゾール−3−カルボン酸エチル(S1−2)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピルピラゾール−3−カルボン酸エチル(S1−3)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(1,1−ジメチルエチル)ピラゾール−3−カルボン酸エチル(S1−4)、1−(2,4-ジクロロフェニル)−5−フェニルピラゾール−3−カルボン酸エチル(S1−5)などの化合物及び関連化合物(EP-A-333 131及びEP-A-269 806に記載される);
c)トリアゾールカルボン酸のタイプの化合物、好ましくは、フェンクロラゾール(−エチルエステル)、即ち、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−トリクロロ-メチル−(1H)−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸エチル(S1−6)などの化合物及び関連化合物(EP-A-174 562及びEP-A-346 620に記載される);
d)5−ベンジルもしくは5−フェニル−2−イソオキサゾリン−3−カルボン酸又は5,5−ジフェニル−2−イソオキサゾリン−3−カルボン酸のタイプの化合物、好ましくは、5−(2,4−ジクロロベンジル)−2−イソオキサゾリン−3−カルボン酸エチル(S1−7)又は5−フェニル−2−イソオキサゾリン−3−カルボン酸エチル(S1−8)などの化合物及び関連化合物(WO 91/08202に記載される)、又は5,5−ジフェニル−2−イソオキサゾリンカルボン酸エチル(S1−9)(「イソキサジフェン(isoxadifen)−エチル」)又は5,5−ジフェニル−2−イソオキサゾリンカルボン酸n−プロピル(S1−10)、又は5−(4−フルオロフェニル)−5−フェニル−2−イソオキサゾリン−3−カルボン酸エチル(S1−11)(特許出願WO-A-95/07897に記載される)。
【0193】
B)式(S−II):
【化4】
[式中、記号及び指数は下記の意味を有する:
R
B1は、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ、ニトロ又は(C
1−C
4)−ハロアルキルであり;
n
Bは、0〜5、好ましくは、0〜3の自然数であり;
R
B2は、OR
B3、SR
B3もしくはNR
B3R
B4であるか、又は少なくとも1つの窒素原子及び好ましくは、O及びSからなる群からの最大3個のヘテロ原子を有する、飽和もしくは不飽和の3〜7員複素環であり、これは、(S−II)において、窒素原子を介してカルボニル基に結合しており、そして、非置換であるか、又は(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシもしくは場合により置換されているフェニルからなる群からの基により置換されており、好ましくは、式OR
B3、NHR
B4又はN(CH
3)
2、特に、式OR
B3の基であり;
R
B3は、水素であるか、又は好ましくは、全部で1〜18個の炭素原子を有する非置換もしくは置換脂肪族炭化水素基であり;
R
B4は、水素、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルコキシ又は置換もしくは非置換フェニルであり;
T
Bは、非置換であるか、又は1もしくは2つの(C
1−C
4)−アルキル基又は[(C
1−C
3)−アルコキシ]カルボニルにより置換されている(C
1−又はC
2)−アルカンジイル鎖である]
で表されるキノリン誘導体、好ましくは:
a)8−キノリノキシ酢酸(S2)のタイプの化合物、好ましくは、(5−クロロ−8−キノリノキシ)酢酸1−メチルへキシル(一般名「クロキントセット−メキシル」(S2-1)(Pestic. Man.参照)、
(5−クロロ−8−キノリノキシ)酢酸1,3−ジメチルブタ−1−イル(S2−2)、(5−クロロ−8−キノリノキシ)酢酸4−アリルオキシブチル(S2−3)、
(5−クロロ−8−キノリノキシ)酢酸1−アリルオキシプロパ−2−イル(S2−4)、
(5−クロロ−8−キノリノキシ)酢酸エチル(S2−5)、
(5−クロロ−8−キノリノキシ)酢酸メチル(S2−6)、
(5−クロロ−8−キノリノキシ)酢酸アリル(S2−7)、
(5−クロロ−8−キノリノキシ)酢酸2−(2−プロピリデンイミノキシ)−1−エチル(S2−8)、(5−クロロ−8−キノリノキシ)酢酸2−オキソプロパ−1−イル(S2−9)及び関連化合物(EP-A-86 750、EP-A-94 349及びEP-A-191 736又はEP-A-0 492 366に記載される)、ならびにその水和物及び塩(WO-A-2002/034048に記載される);
b)(5−クロロ−8−キノリノキシ)マロン酸のタイプの化合物、好ましくは、(5−クロロ−8−キノリノキシ)マロン酸ジエチル、(5−クロロ−8−-キノリノキシ)マロン酸ジアリル、(5−クロロ−8−キノリノキシ)マロン酸メチルエチルなどの化合物及び関連化合物(EP-A-0 582 198に記載される)。
【0194】
C)式(S−III):
【化5】
[式中、記号及び指数は下記の意味を有する:
R
C1は、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−ハロアルキル、(C
2−C
4)−アルケニル、(C
2−C
4)−ハロアルケニル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、好ましくは、ジクロロメチルであり;
R
C2、R
C3は、同一であるか、もしくは異なっており、そして、水素、(C
1−C
4)−アルキル、(C
2−C
4)−アルケニル、(C
2−C
4)−アルキニル、(C
1−C
4)−ハロアルキル、(C
2−C
4)−ハロアルケニル、(C
1−C
4)−アルキルカルバモイル−(C
1−C
4)−アルキル、(C
2−C
4)−アルケニルカルバモイル−(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ−(C
1−C
4)−アルキル、ジオキソラニル−(C
1−C
4)−アルキル、チアゾリル、フリル、フリルアルキル、チエニル、ピペリジニル、置換もしくは非置換フェニルであるか、又はR
C2及びR
C3は、一緒になって、置換もしくは非置換複素環、好ましくは、オキサゾリジン、チアゾリジン、ピペリジン、モルホリン、ヘキサヒドロピリミジンもしくはベンゾオキサジン環を形成する]
で表される化合物、好ましくは:
発芽前毒性緩和剤(土壌作用毒性緩和剤)としてよく使用されるジクロロアセトアミドのタイプの活性化合物、例えば、
「ジクロルミド」(Pestic. Man.参照)(=N,N−ジアリル−2,2−ジクロロアセトアミド)、
「R−29148」(=3−ジクロロアセチル−2,2,5−トリメチル−1,3−オキサゾリジン、Stauffer社)、
「R−28725」(=3−ジクロロアセチル−2,2,−ジメチル−1,3−オキサゾリジン、Stauffer社)、
「ベノキサコール」(Pestic. Man.参照)(=4−ジクロロアセチル−3,4−ジヒドロ−3−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン)、
「PPG−1292」(=N−アリル−N−[(1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル]ジクロロアセトアミド、PPG Industries社)、
「DKA−24」(=N−アリル−N−[(アリルアミノカルボニル)メチル]ジクロロアセトアミド、Sagro-Chem社)、
「AD−67」又は「MON4660」(=3−ジクロロアセチル−1−オキサ−3−アザ−スピロ[4,5]デカン、Nitrokemia又はMonsanto社)、
「TI−35」(=1−ジクロロアセチルアゼパン、TRI-Chemical RT社)、
「ジクロノン」(ジシクロノン)又は「BAS145138」又は「LAB145138」(=3−ジクロロアセチル−2,5,5−トリメチル−1,3−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン、BASF社)、及び
「フリラゾール」又は「MON13900」(Pestic. Man.参照)(=(RS)−3−ジクロロアセチル−5−(2−フリル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン)。
【0195】
D)式(S−IV):
【化6】
[式中、
X
Dは、CH又はNであり;
R
D1は、CO−NR
D5R
D6又はNHCO−R
D7であり;
R
D2は、ハロゲン、(C
1−C
4)−ハロアルキル、(C
1−C
4)−ハロアルコキシ、ニトロ、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ、(C
1−C
4)−アルキルスルホニル、(C
1−C
4)−アルコキシカルボニル又は(C
1−C
4)−アルキルカルボニルであり;
R
D3は、水素、(C
1−C
4)−アルキル、(C
2−C
4)−アルケニル又は(C
2−C
4)−アルキニルであり;
R
D4は、ハロゲン、ニトロ、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−ハロアルキル、(C
1−C
4)−ハロアルコキシ、(C
3−C
6)−シクロアルキル、フェニル、(C
1−C
4)−アルコキシ、シアノ、(C
1−C
4)−アルキルチオ、(C
1−C
4)−アルキルスルフィニル、(C
1−C
4)−アルキルスルホニル、(C
1−C
4)−アルコキシカルボニル又は(C
1−C
4)−アルキルカルボニルであり;
R
D5は、水素、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
6)−シクロアルキル、(C
2−C
6)−アルケニル、(C
2−C
6)−アルキニル、(C
5−C
6)−シクロアルケニル、フェニル又は窒素、酸素及び硫黄からなる群からのv
Dヘテロ原子を含有する3〜6員ヘテロシクリルであり、ここで最後に記載の7つの基は、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルコキシ、(C
1−C
6)−ハロアルコキシ、(C
1−C
2)−アルキルスルフィニル、(C
1−C
2)−アルキルスルホニル、(C
3−C
6)−シクロアルキル、(C
1−C
4)−アルコキシカルボニル、(C
1−C
4)−アルキルカルボニル及びフェニル、そして、環状基の場合、さらに(C
1−C
4)−アルキル及び(C
1−C
4)−ハロアルキルからなる群からのv
D置換基により置換されており;
R
D6は、水素、(C
1−C
6)−アルキル、(C
2−C
6)−アルケニル又は(C
2−C
6)−アルキニルであり、最後に記載の3つの基は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ及び(C
1−C
4)−アルキルチオからなる群からのv
D基により置換されているか、又は
R
D5及びR
D6は、それらが有する窒素原子と一緒になって、ピロリジニル又はピペリジニル基を形成し;
R
D7は、水素、(C
1−C
4)−アルキルアミノ、ジ−(C
1−C
4)−アルキルアミノ、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
6)−シクロアルキルであり、ここで、最後に記載の2つの基は、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルコキシ、ハロゲン−(C
1−C
6)−アルコキシ及び(C
1−C
4)−アルキルチオ、そして、環状基の場合、さらに(C
1−C
4)−アルキル及び(C
1−C
4)−ハロアルキルからなる群からのv
D置換基により置換されており;
n
Dは、0、1又は2であり;
m
Dは、1又は2であり;
v
Dは、0、1、2又は3である]
で表されるN−アシルスルホンアミド及びその塩、これらの中で、好ましいのは、例えば、WO 97/45016により公知である、例えば、下記式(S−V):
【化7】
[式中、
R
D7は、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
6)−シクロアルキルであり、ここで、最後に記載の2つの基は、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルコキシ、ハロゲン−(C
1−C
6)−アルコキシ及び(C
1−C
4)−アルキルチオ、そして、環状基の場合、さらに(C
1−C
4)−アルキル及び(C
1−C
4)−ハロアルキルからなる群からのv
D置換基により置換されており;
R
D4は、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ、CF
3であり;
m
Dは、1又は2であり;
v
Dは、0、1、2又は3である]
で表される、N-アシルスルホンアミドのタイプの化合物であり、
そして、また、
例えば、WO 99/16744により公知である、例えば、下記式(S−VI):
【化8】
例えば、
[式中、
R
D5=シクロプロピル及び(R
D4)=2−OMe(「シプロスルファミド」、S3−1)、
R
D5=シクロプロピル及び(R
D4)=5−Cl−2−OMe(S3−2)、
R
D5=エチル及び(R
D4)=2−OMe(S3−3)、
R
D5=イソプロピル及び(R
D4)=5−Cl−2−OMe(S3−4)、そして
R
D5=イソプロピル及び(R
D4)=2−OMe(S3−5)]
で表されるアシルスルファモイルベンズアミドのタイプの化合物であり、
そして、また
例えば、EP-A-365484より公知である、式(S−VII):
【化9】
[式中、
R
D8及びR
D9は、互いに独立して、水素、(C
1−C
8)−アルキル、(C
3−C
8)−シクロアルキル、(C
3−C
6)−アルケニル、(C
3−C
6)−アルキニルであり;
R
D4は、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ、CF
3であり;
m
Dは、1又は2である]
で表される、N−アシルスルファモイルフェニル尿素のタイプの化合物であり、
これらの中で、特に
1−[4−(N−2−メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3−メチル尿素、
1−[4−(N−2−メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3,3−ジメチル尿素、
1−[4−(N−4,5−ジメチルベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3−メチル尿素、
1−[4−(N−ナフトイルスルファモイル)フェニル]−3,3−ジメチル尿素。
【0196】
G)ヒドロキシ芳香族化合物及び芳香族−脂肪族カルボン酸誘導体のクラスの活性化合物、例えば、3,4,5−トリアセトキシ安息香酸エチル、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシサリチル酸、4−フルオロサリチル酸、1,2−ジヒドロ−2−オキソ−6−トリフルオロメチルピリジン−3−カルボキサミド、2−ヒドロキシケイ皮酸、2,4−ジクロロケイ皮酸(WO 2004084631、WO 2005015994、WO 2006007981、WO 2005016001に記載される)。
【0197】
H)1,2−ジヒドロキノキサリン−2−オンのクラスの活性化合物、例えば、1−メチル−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロキノキサリン−2−オン、1−メチル−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロキノキサリン−2−チオン、1−(2−アミノエチル)−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロキノキサリン−2−オン塩酸塩、1−(2−メチルスルホニルアミノエチル)−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロ−キノキサリン−2−オン(WO 2005112630に記載される)。
【0198】
I)有害植物に対する除草作用の他に、コメなどの作物において毒性緩和剤作用も有する活性化合物、例えば、
「ジメピペレート」又は「MY−93」(Pestic. Man.参照)(=ピペリジン−1−チオカルボン酸S−1−メチル−1−フェニルエチル)(コメの除草剤モリネートによる損傷に対する毒性緩和剤として知られている)、
「ダイムロン」又は「SK23」(Pestic. Man.参照)(=1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3−p−トイル尿素)(コメの除草剤イマゾスルフロンによる損傷に対する毒性緩和剤として知られている)、
「クミルロン」=「JC−940」(=3−(2−クロロフェニルメチル)−1−(1−メチル−1−フェニル−エチル)尿素(JP-A-60087254参照、コメの多くの除草剤による損傷に対する毒性緩和剤として知られている)、
「メトキシフェノン」又は「NK049」(=3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン)(コメの多くの除草剤による損傷に対する毒性緩和剤として知られている)、
「CSB」(=1−ブロモ−4−(クロロメチルスルホニル)ベンゼン)(CAS Reg.No.54091-06-4、Kumiai社)(コメの多くの除草剤による損傷に対する毒性緩和剤として知られている)。
【0199】
K)WO-A-1998/38856に記載されるような、式(S−IX):
【化10】
[式中、記号及び指数は下記の意味を有する:
R
K1、R
K2は、互いに独立して、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ、(C
1−C
4)−ハロアルキル、(C
1−C
4)−アルキルアミノ、ジ−(C
1−C
4)−アルキルアミノ、ニトロであり;
A
Kは、COOR
K3又はCOOR
K4であり;
R
K3、R
K4は、互いに独立して、水素、(C
1−C
4)−アルキル、(C
2−C
6)−アルケニル、(C
2−C
4)−アルキニル、シアノアルキル、(C
1−C
4)−ハロアルキル、フェニル、ニトロフェニル、ベンジル、ハロベンジル、ピリジニルアルキル又はアルキルアンモニウムであり;
n
K1は、0又は1であり;
n
K2、n
K3は、互いに独立して、0、1又は2である]
で表される化合物、好ましくは、(ジフェニルメトキシ)酢酸メチル(CAS Reg. No.:41858-19-9)。
【0200】
L)WO A-98/27049に記載されるような、式(S−X):
【化11】
[式中、記号及び指数は下記の意味を有する:
X
Lは、CH又はNであり;
n
Lは、X=Nである場合、0〜4の整数であり、そして、X=CHである場合、0〜5の整数であり;
R
L1は、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−ハロアルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ、(C
1−C
4)−ハロアルコキシ、ニトロ、(C
1−C
4)−アルキルチオ、(C
1−C
4)−アルキルスルホニル、(C
1−C
4)−アルコキシカルボニル、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているフェノキシであり;
R
L2は、水素又は(C
1−C
4)−アルキルであり;
R
L3は、水素、(C
1−C
8)−アルキル、(C
2−C
4)−アルケニル、(C
2−C
4)−アルキニル又はアリールであり、ここで、上記の炭素含有基の各々は、非置換であるか、又は1個以上もしくは、より好ましくは最大3個のハロゲン及びアルコキシからなる群からの同一又は異なる基により置換されている]
で表される化合物又はその塩。
【0201】
M)3−(5−テトラゾリルカルボニル)−2−キノロンのクラスの活性化合物、例えば、
1,2−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−1−エチル−3−(5−テトラゾリルカルボニル)−2−キノロン(CAS Reg. No.:219479-18-2)、1,2−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−1−メチル−3−(5−テトラゾリルカルボニル)−2−キノロン(CAS Reg. No.:95855-00-8)(WO-A-1999000020に記載される)。
【0202】
N)WO-A-2007023719及びWO-A-2007023764に記載されるような、式(S−XI)又は(S−XII):
【化12】
[式中、
R
N1は、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、メトキシ、ニトロ、シアノ、CF
3、OCF
3であり;
Y、Zは、互いに独立して、O又はSであり;
n
Nは、0〜4の整数であり;
R
N2は、(C
1−C
16)−アルキル、(C
2−C
6)−アルケニル、(C
3−C
6)−シクロアルキル、アリール、ベンジル、ハロベンジルであり;
R
N3は、水素、(C
1−C
6)アルキルである]
で表される化合物。
【0203】
O)以下:
1,8−ナフタル酸無水物、
ジチオリン酸O,O−ジエチルS−2−エチルチオエチル(ジスルホトン)、
メチルカルバミン酸4−クロロフェニル(メフェナート)、
チオリン酸O,O−ジエチルO−フェニル(ジエトラート)、
4−カルボキシ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−4−酢酸(CL−304415、CAS Reg. No.:31541-57-8)、
1−オキサ−4−アザスピロ[4.5]デカン−4−カルボジチオ酸2−プロペニル(MG−838、CAS Reg. No.:133993-74-5)、
[(3−オキソ−1H−2−ベンゾチオピラン−4(3H)−イリデン)メトキシ]酢酸メチル(WO-A-98/13361より;CAS Reg. No.:205121-04-6)、
シアノメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル(シオメトリニル)、
1,3−ジオキソラン−2−イルメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル(オキサベトリニル)、
4’−クロロ−2,2,2−トリフルオロアセトフェノンO−1,3−ジオキソラン−2−イルメチルオキシム(フルキソフェニム)、
4,6−ジクロロ−2−フェニルピリミジン(フェンクロリム)
2−クロロ−4−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸ベンジル((フルラゾール)、
2−ジクロロメチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン(MG−191)
からなる群からの1つ以上の化合物(立体異性体を含む)、及び農業で通常使用されている塩。
【0204】
他の公知の活性化合物、例えば、殺菌剤、殺虫剤、ダニ駆除剤、殺線虫剤、鳥忌避剤、植物栄養剤及び土壌改良剤との混合物も、同様に可能である。
【0205】
いくつかの毒性緩和剤が既に除草剤として知られており、従って、有害植物に対する除草作用の他に、さらに作物に保護作用を示す。
【0206】
除草剤(混合物)と毒性緩和剤の重量比は、一般的に、除草剤施用量及び対象の毒性緩和剤の効力に依存し、広範に変更することができ、例えば、200:1〜1:200、好ましくは、100:1〜1:100、特に、20:1〜1:20の範囲である。毒性緩和剤は、式(I)で表される化合物又はその混合物と同様に、他の除草剤/殺虫剤と共に製剤化してもよく、そして、最終製剤又は除草剤とのタンクミックスとして提供及び使用することができる。
【0207】
式(I)で表される化合物の必要な施用量は、とりわけ、外的条件、例えば、温度、湿度及び使用される除草剤の種類に従って変更される。それは、広範な範囲内で変更することができ、例えば、0.001〜10000g/haの活性物質又はそれ以上であるが、好ましくは、0.5〜5000g/ha、特に好ましくは、0.5〜1000g/ha、さらに特に好ましくは、0.5〜500g/haである。
【0208】
本発明のトランスジェニック植物が、他の除草剤に対する耐性を有するために1つ以上の他の遺伝子(例えば、植物に、グリホセート除草剤に対する耐性を付与する突然変異もしくは非突然変異EPSPSをコードする遺伝子、又はグルホシネート除草剤に対する耐性を付与するpatもしくはbar遺伝子)を含有する場合、又はトランスジェニック植物が別の除草剤に元来耐性(例えば、スルホニル尿素耐性)である場合、本発明の方法は、前記除草剤又は除草剤の組み合わせと併用した、HPPD阻害剤の同時又は経時的な段階適用を含むことができる(例えば、グリホセート及び/又はグルホシネート及び/又はスルホニル尿素除草剤)
【0209】
本発明は、また、前記HPPD阻害型除草剤のセレクションに基づいて、植物種の形質転換におけるマーカー遺伝子として本発明のHPPDをコードするキメラ遺伝子の使用に関する。
【0210】
本発明は、また、植物が、植物において本明細書で定義される本発明のHPPDを発現するキメラ遺伝子で形質転換されることを特徴とする、トリケトン又はピラゾリネートHPPD阻害剤に耐性を有する植物を得るための方法に関する。
【0211】
特定の実施態様においては、本発明は、本発明のHPPDが、配列番号4(アミノ酸2位〜アミノ酸401位)、又はコーン、コメ、コムギ、ダイズ類、サトウキビ、タマネギ、Brassica種植物もしくはコットンのコドン使用に適合した本発明のHPPDをコードする合成DNAを含むことを特徴とする、トリケトン又はピラゾリネートHPPD阻害剤に耐性を有する植物を得るための前記方法に関する。
【0212】
別の特定の実施態様においては、本発明は、本発明のHPPDが、配列番号18(アミノ酸2位〜アミノ酸402位)、又はコーン、コメ、コムギ、ダイズ類、サトウキビ、タマネギ、Brassica種植物もしくはコットンのコドン使用に適合した本発明のHPPDをコードする合成DNAを含むことを特徴とする、トリケトン又はピラゾリネートHPPD阻害剤に耐性を有する植物を得るための前記方法に関する。
【0213】
別の特定の実施態様においては、本発明は、テンボトリオン、メソトリオン、ジケトニトリル、イソキサフルトール、スルコトリオン、テフリルトリオン及びビシクロピロンから選択されるトリケトンHPPD阻害剤に耐性を有する植物を得るための前記方法に関する。
【0214】
別の特定の実施態様においては、本発明は、植物が、またPDH(プレフェン酸デヒドロゲナーゼ)酵素、又は少なくともPDHを有する酵素をコードする植物で発現可能なキメラ遺伝子を含むことを特徴とする、トリケトン又はピラゾリネートHPPD阻害剤に耐性である植物を得るための前記方法に関する。
【0215】
本発明は、また、領域又は農地における雑草を防除するための方法に関し、本方法は、この領域又は農地に、上述の方法に従って得られたトリケトン又はピラゾリネートHPPD阻害剤に耐性を有する形質転換植物、又はそれらに由来する形質転換種子を播種し、そして、前記形質転換種子又は前記形質転換植物に重大な影響を与えることなく、雑草に毒性である用量の前記トリケトン又はピラゾリネートHPPD阻害剤を適用することを含む。
【0216】
本発明は、また、上述の方法に従って得られたトリケトン又はピラゾリネートHPPD阻害剤に耐性を有する形質転換植物、又はそのような植物に由来する形質転換種子を成長させ、場合により、そのような植物又は種子をトリケトン又はピラゾリネートHPPD阻害剤で処理して、穀物を収穫し、そして、穀物を製粉して食物を製造し、油を抽出することを含む、油又は食物を得るための方法に関する。
【0217】
本発明は、また、HPPD阻害剤が、テンボトリオン、メソトリオン、トプラメゾン、ビシクロピロン、テフリルトリオン及びスルコトリオンから選択されるトリケトンHPPD阻害剤であることを特徴とする、上述するような本発明のHPPDの使用に関する。
【0218】
本発明は、また、本発明のHPPDをコードする配列を含むキメラ遺伝子を含有し、そして、また、プレフェン酸デヒドロゲナーゼ(本明細書においてPDHと略する)酵素の過剰発現を可能にする宿主生物において機能する遺伝子を含有する、宿主生物、特に、植物細胞又は植物に関する。
【0219】
「PDH酵素」という用語は、本明細書において使用される場合、プレフェン酸をHPPに変換するPDH活性を示す任意の天然又は突然変異PDH酵素を指す。特に、前記PDH酵素は、任意の種類の生物に由来しうる。PDH活性を有する酵素は、プレフェン酸基質の量の減少を測定するか、又は酵素反応から生じる生成物、即ち、HPP又は補因子NADHもしくはNADPHの1つの蓄積を測定することが可能な任意の方法により同定することができる。
【0220】
PDH酵素をコードする多くの遺伝子が文献に記載されており、これらの配列は、ウェブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/で確認することができる。とくに知られているものは、Mannhaupt et al. (1989) Gene 85, 303-311に記載されるような酵母Saccharomyces cerevisiae(登録番号S46037)、Henner et al. (1986) Gene 49 (1) 147-152に記載されるような、Bacillus属、特に、B. subtilis種(登録番号P20692)の細菌、Hudson et al. (1984) J. Mol. Biol. 180(4), 1023-1051に記載されるような、Escherichia属、特に、E. coli種(登録番号KMECTD)の細菌、又はXia et al. (1992) J. Gen. Microbiol. 138(7), 1309-1316に記載されるような、Erwinia属、特に、E. herbicola種(登録番号S29934)の細菌のPDH酵素をコードする遺伝子である。
【0221】
本発明は、さらに、生物に、上記で定義されるような少なくとも1つの核酸配列又は1つのキメラ遺伝子を組み込み、さらに、それを、PDH(プレフェン酸デヒドロゲナーゼ)酵素の発現を可能にする宿主生物において機能する遺伝子で、同時に又は連続して形質転換することにより、HPPD阻害剤に耐性を有する宿主生物、特に、植物細胞又は植物を得るための方法に関する。
【0222】
特定の実施態様においては、本発明は、トリケトン又はピラゾリネートHPPD阻害剤、特に、テンボトリオン、メソトリオン、トプラメゾン、ビシクロピロン、テフリルトリオン、イソキサフルトール、ピラスルホトール又はスルコトリオンに耐性を有する宿主生物、特に、植物細胞又は植物を得るための方法に関する。
【0223】
HPPD酵素の過剰発現を可能にする遺伝子及びPDH酵素の過剰発現を可能にする遺伝子の両方で形質転換された宿主生物、特に、植物細胞又は植物を得るために使用することができる手段及び方法が、WO 04/024928に詳しく記載されており、この内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0224】
本明細書における任意の先行技術(又はそれから得られる情報)又は任意の公知事項に関する言及は、そのような先行技術(又は情報)又は公知の事項が、本発明の技術分野における共通の一般的知識の一部を構成するものであることの確認又は承認又はいかなる示唆を示すものでもなく、またそのように理解すべきではない。
【実施例】
【0227】
本発明の様々な態様は、以下の実施例を利用してより理解されるだろう。これらの実施例において後述する全ての方法又は操作が例示として提供され、そして、同じ又は同等の結果に達するために利用できる様々な方法の中からの選択に対応する。この選択は結果の質に影響を与えず、結果として、同じ又は同等の結果に達するために当業者が任意の適切な方法を使用することができる。DNAフラグメントを操作するための方法の大部分は、「Current Protocols in Molecular Biology」Volumes 1 and 2, Ausubel F.M. et al., published by Greene Publishing Associates and Wiley Interscience (1989)、又はMolecular cloning, T. Maniatis, E.F. Fritsch, J. Sambrook, 1982、又はSambrook J. and Russell D., 2001, Molecular Cloning: a laboratory manual (Third edition) に記載されている。
【0228】
実施例1
配列番号5及び配列番号19のRhodococcusHPPD(FMP22e及びFMP23eと呼ぶ)ならびに配列番号10により同定されるArabidopsis thalianaHPPDの調製
Arabidopsis thaliana AtHPPDコード配列(1335bp;Genebank AF047834;WO 96/38567)を最初に発現ベクターpQE−30(QIAGEN, Hilden, Germany)のBamHIとHindIIIの制限酵素認識部位間にクローニングした。得られたベクターを「pQE30−AtHPPD」と呼ぶ。
【0229】
UniProtKB/TrEMBLで、それぞれ登録番号Q0SC92及びQ0SF39に列挙されるタンパク質をコードするオリジナルのRhodococcusHPPD配列(1206bp及び1209bp)を、Escherichia coli K12の最適化コドン使用(Eurofins MWG operon(Ebersberg, Germany)、GENEius software)を使用して改変及び合成し、改変pBluescriptベクター(Eurofins MWG operon、Ebersberg, Germany)にクローニングした。このベクターにおいて、制限酵素HindIIIの認識部位に相当する配列のみがインサートの両端に残るように、MCS(マルチクローニングサイト)に相当する配列を一部除去した。
【0230】
5’末端で、ATGのすぐ下流に、アラニンアミノ酸をコードする核酸配列及びN末端HIS6−Tag(6×HIS、cac cac cac cat cac cat又はcac cat cac cac cac cacでコードされる)をコードする核酸配列を挿入した。ATGの上流に、制限酵素NcoI認識部位に相当する配列を得るために2つの追加のシトシン塩基対を付加させ、終止コドンの下流に、制限酵素XbaIの認識部位に相当する配列を付加した。得られたベクター「pBluescript−FMP22e」及び「pBluescript−FMP23e」を制限酵素NcoI及びXbaIで消化し、DNAに相当する約3000bpのベクターサイズの長さに移動しないバンドをアガロースゲル電気泳動で分離した。次に、HPPDをコードするDNAをMinEluteTM Gel Extraction Kit(Qiagen, Hilden, Germany)を用いて精製し、同じ制限酵素で事前に切断したpSE420(RI)NXベクター(下記参照)にクローニングした。
【0231】
クローニング及び発現ベクターpSE420(RI)NX(5261bp)は、Invitrogen(Karlsruhe, Germany)のプラスミドpSE420に基づいている。このベクターの改変は、抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与し、スーパーリンカー領域(マルチクローニングサイト)の大部分を喪失しているnptII遺伝子(ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ;Sambrook and Russell, 2001, Molecular Cloning: a laboratory manual (Third edition))の付加を含む。
【0232】
本プラスミドは、trp−lac(trc)プロモーター及び全てのE. coli宿主株でlacリプレッサーを与えるlacI
q遺伝子を有する。lacリプレッサーは、lacオペレーター(lacO)に結合し、標的遺伝子の発現を抑制する;この阻害は、イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)での誘導によりいくらか解消することができる。
【0233】
得られたベクターは、それぞれ、「pSE420(RI)NX−FMP22e」及び「pSE420(RI)NX−FMP23e」(
図1及び3参照)と呼び、Escherichia coliBL21細胞の形質転換に使用した(Merck, Darmstadt, Germany)。
【0234】
参考例として使用したAtHPPD(Arabidopsis thalianaHPPD)については、WO 2009/144079を参照されたい。
【0235】
HPPDの発現を、pQE30−AtHPPD pSE420(RI)NX−FMP22e又はpSE420(RI)NX−FMP23eを含有するE. coli K−12 BL21で実施した。OD値が0.5に達するまで細胞を増殖させ、次に、lacリプレッサーに結合し、lacオペロンからの解離を引き起こす1mMのIPTGで誘導することにより発現をtrp−lac(trc)プロモーターから開始した。28℃で15時間かけて発現を実施した。
【0236】
プレスターター(pre-starter)培養液を調製するために、TB培地(100μg×mL
-1カルベニシリン)2mLにE. coli K−12 BL21グリセロールストック50μLを植菌した。プレスターター培養液を、140rpmで振とうしながら37℃で15時間インキュベートした。プレスターター培養液200μlを使用して、スターター培養(100μg×L
-1を添加したTB5mL)を開始し、これを37℃で3時間インキュベートした。本培養液を調製するために、TB培地(100μg×mL
−1カルベニシリン)400mLにスターター培養液4mLを植菌した。このスターター培養液を、140rpmで振とうしながら、OD
600値が0.5に達するまで37℃でインキュベートした。次に、組換えタンパク質の発現を1M IPTG溶液400μlで誘導した。これらの条件下で、細胞をさらなる時間増殖させ、次に、温度を28℃に下げて培養液を140rpmで15時間振とうした。4℃、6000×gで15分間遠心して細胞を回収した。その後、細胞ペレットを−80℃で保存した。
【0237】
天然型His
6−AtHPPD、His
6−FMP22e及びHis
6−FMP23eの単離及び精製
細胞の溶解
細菌の細胞壁を形成するペプチドグリカンのN−アセチルムラミン酸とN−アセチル−D−グルコサミン残基間の1,4−β−結合を開裂する酵素である、リゾチームを使用して細胞を溶解した。次に、細菌細胞の内圧により細胞膜を破壊した。さらに、溶解バッファーは、タンパク質に損傷を与えることなく全ての形態のDNA及びRNAを加水分解するエンドヌクレアーゼのBenzonase(登録商標)ヌクレアーゼを含有しており、これにより細胞溶解物の粘性を大きく低下させる。氷上で自然に溶解させた。
【0238】
His
6−タグタンパク質を精製するために、QIAexpress(登録商標)Ni-NTA Fast Start Kitを使用説明書に従って使用した。
【0239】
固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィー(IMAC)によるHis
6−タグタンパク質の精製
溶解反応物を遠心して得られた清澄な細胞溶解物(10mL)を、QIAexpress(登録商標)Ni-NTA Fast Start Kit(Qiagen, Hilden, Germany)のNi-NTA Fast Start Columnにロードし、使用説明書に従って精製を行った。溶離バッファー2.5mLを用いてHis
6−タグタンパク質を溶離させた。
【0240】
ゲルろ過によるHPPD溶液の脱塩
溶離バッファー2.5mLを用いてNi-NTA Fast Start Columnから溶離させたHPPD溶液を、使用説明書に従って、Sephadex G-25 PD-10カラム(GE Healthcare, Freiburg, Germany)にアプライした。全ての試料をゲルベッドに注入した後、保存バッファー3.5mLを用いて溶離させた。脱塩カラムから溶離させたHPPD溶液を1mLアリコートにして−80℃で凍結した。
【0241】
Bradfordタンパク質アッセイを用いたHPPDタンパク質濃度の決定
標準Bradfordアッセイ(Bradford, (1976), Anal Biochem 72: 248-254)を用いてタンパク質濃度を決定した。
【0242】
SDS−PAGEを用いたHPPD溶液の純度の決定
溶離タンパク質の完全性は、ゲルNuPAGE(登録商標)Novex 4〜12%Bis-Tris Gels(Invitrogen, Karlsruhe, Germany)を使用して、SDS−PAGEタンパク質ゲル電気泳動により確認した(約10μgのタンパク質をロードした)。タンパク質溶液1〜10μLにLaemmli Sample Buffer10μLを加え、混合物を90℃で10分間インキュベートした。短時間の遠心工程の後、NuPAGE(登録商標)MOPS SDSランニングバッファー(ddH
2Oで20×溶液から希釈した)を充填したXCell SureLock(商標)Novex Mini-CellゲルチャンバーにSDSゲルを固定した後、その溝に全ての混合物をロードした。次に、ゲルチャンバーに電圧150ボルトを1時間かけた。タンパク質バンドを染色するために、クマシーブリリアントブルーR−250染色液にゲルを浸漬した。ポリアクリルアミドゲルを脱染するために、タンパク質バンドが白色ゲル上で青色に見えるようになるまで、これをクマシーブリリアントブルーR−250脱染液に浸漬した。
【0243】
実施例2
HPPD酵素「配列番号5」、「配列番号19」及び「配列番号10」のHPPD阻害剤耐性の動力学的特性解析及び評価
標準分光光度アッセイ(WO2009/144079に詳しく記載されている方法)によりHPPD活性を調べた。
【0244】
HPPDのin vitro動力学的特性の決定
HPPD活性の測定のために、HPLCアッセイを用いて異なるHPPD酵素調製物のK
m、V
max及びk
cat値ならびに異なるHPPD阻害剤のK
i、K
1=K
on及びK
−1=K
offを決定した。アッセイ混合物には、1mlの150mMTris−HClバッファー(pH7.8)、10mMアスコルビン酸ナトリウム、650ユニットウシカタラーゼ(Sigma C30 (Sigma-Aldrich, Munich, Germany)、34mgタンパク質/ml、23,000ユニット/mg)、及び適当量のHPP、精製HPPD酵素及びHPPD阻害剤を含有した。K
m、V
max及びk
cat値を決定するために、アッセイ混合物のHPP濃度を10〜400μMの範囲で変更した。K
i、K
1=K
on及びK
−1=K
off値を決定するために、2mMHPPを使用した。アッセイ混合物にHPPD酵素を添加して全てのアッセイを開始し、0〜240秒の様々な時点で、10%過塩素酸20μlを含有する反応アッセイチューブに反応混合物200μlを添加して反応を止めた。沈殿したタンパク質を10,000gで5分間遠心してペレットにした。10%メタノール、0.1%トリフルオロ酢酸(バッファーA)で平衡化した250×4mm Knauer(Berlin, Germany)Eurospher 100-5 C18カラムに上清100μlをロードした。また、バッファーAでの4分間の洗浄、次に、95%メタノールでの3分間の洗浄、そして、さらなるバッファーAでの2分間の洗浄により、1.5ml/分でカラムを溶離した。HGA(ホモゲンチジン酸)及びHPP(ヒドロキシフェニルピルビン酸)の溶離を292nmでモニタリングした。約5分でHGAが溶離し、その後HPPが溶離する。HGAピークの292nm吸光度対HGA濃度を校正するために、HGAの濃度を基準にして標準曲線を作製した。
【0245】
K
m及びV
max値を決定するために、異なる基質濃度でのHPPDの初期反応速度を生成HGA対時間プロットから決定し、単一反応酵素の場合に、ID Business Solutions Ltd.(www.idbs.com) XLfitソフトウエアスイートを用いて、Michaelis-Menten式に当てはめた。K
i、K
1=K
on及びK
−1=K
off値を測定するために、異なる阻害剤濃度でのHPPD反応の経時変化を、ID Business Solutions Ltd. XLfitソフトウエアスイートを用いて、強固に結合した阻害剤のメカニズムA(競合阻害)の式に当てはめた(Cha, S. (1975) Tight-binding inhibitors - I. Kinetic behaviour. Biochemical Pharmacology 24, 2177-2185)。
【0246】
表1:HPPD酵素(Arabidopsis thaliana「配列番号10」及びRhodococcus「配列番号5」及び「配列番号19」)の動力学的特性評価ならびにHPPD阻害剤テンボトリオン及びジケトニトリルに対するそれらの個々の耐性
【0247】
下記表1において、「Km」(Michaelis-Menten定数)は、酵素を特徴づけるために使用される動態パラメーターを意味し、反応の半最大速度を可能にする基質の濃度として定義される。Kmは、さらに、反応速度がその最大値の半分に達する(V
max/2)基質濃度として定義され、ここで、Vmaxは反応の最大速度を意味する。
【0248】
K
on=K
1は、酵素−基質結合の会合速度定数に等しく、K
off=K
−1は、酵素−阻害剤複合体の解離の速度定数に等しい。Kiは、阻害定数を規定する。
【0249】
【表8】
【0250】
上記表1において、細菌HPPD「配列番号19」及び植物HPPD「配列番号10」の動態パラメーターKm及びVmaxが、有意な違いを示さなかったが(それぞれ、6.3μM、35μM)、細菌HPPD「配列番号19」の試験HPPD阻害剤に対する耐性が、植物HPPD「配列番号10」よりはるかに高かったことが分かる。
【0251】
いくつかのHPPD阻害剤の存在下でのHPPD活性の決定
この内容において、pI
50値は、酵素活性を50%阻害するのに必要な阻害剤濃度(モル濃度)のlog値を意味する。
【0252】
HPPD阻害剤のpI
50値は、WO 2009/144079に詳しく記載されているアッセイを用いて、2mMの固定HPP濃度及び3分間の固定インキュベート時間で、ID Business Solutions Ltd. XLfitソフトウエアスイートを用いて、HPPD活性対阻害剤濃度の用量応答プロットから決定した。
【0253】
表2:HPPD酵素(Arabidopsis thaliana「配列番号10」及びRhodococcus「配列番号5」及び「配列番号19」)のpI50の決定及び下記のいくつかのHPPD阻害剤テンボトリオン、ジケトニトリル、メソトリオン、ビシクロピロン、ピラスルホトール、スルコトリオン、ピラゾレート、テフリルトリオン及びベンゾフェナップに対するそれらの個々の耐性。記号「>>」は、値が指定のものよりはるかに高かったが、試験阻害剤の濃度(2.5×10
−6、5.0×10
−6、1.0×10
−5、2.5×10
−5、6.3×10
−5、2.5×10
−4M)の範囲内で正確に算出することができなかったことを意味する。
【0254】
【表9】
【0255】
表3:Arabidopsis thaliana(配列番号10)及びRhodococcus(配列番号5及び配列番号19)由来のHPPDの阻害剤の非存在下で測定された活性と比較した、5.0×10
−6Mの阻害剤の存在下での阻害率の決定
【0256】
【表10】
【0257】
上記表2及び3において、細菌のHPPD「配列番号5」及び「配列番号19」が、全ての試験HPPD阻害剤に対して、同一の実験条件下でHPPD「配列番号10」を用いて観察される、全ての試験HPPD阻害剤濃度での植物と比較して、優れた耐性レベルを示したことが分かる。
【0258】
実施例3
タバコ植物におけるHPPD阻害型除草剤耐性を評価するためのキメラ遺伝子の構築
A)キメラ遺伝子の構築
OTPをコードする配列を含有するベクターpRP−RD224(WO 2009/144079に詳しく記載)を、制限酵素XhoIの認識部位に相当する核酸配列の上流と制限酵素NcoIの認識部位に相当する核酸配列の下流のPCR介在結合に使用した。得られたPCR産物を、使用説明書に従って、ベクターpCR(登録商標)Blunt II-TOPO(登録商標)(Invitrogen, Karlsruhe, Germany)にクローニングした。得られたベクターを「pCR−TOPO−OTP」と呼ぶ。正確な配列の挿入は、標準的なDNA配列解析により確認した。OTPに相当するDNAを制限酵素NcoI及びXhoIで消化し、適切なゲル電気泳動により分離し、事前に、対応するNcoI及びXhoI制限酵素で消化したプラスミドpRT100(Toepfer, (1987), Nucleic Acids Res 15:5890)にクローニングした。プラスミドpRT100はCaMV35Sプロモーター及びCaMV35Sターミネータを含有する。得られたベクターを、その後、制限酵素NcoI及びXbaIで消化した。ベクターpSE420(RI)NX−FMP22e(
図1参照)又はpSE420(RI)NX−FMP23e(
図3参照)を、それぞれ「配列番号2」又は「配列番号16」に相当するDNAフラグメントを得るために、制限酵素NcoI及びXbaIに供した。得られたベクターを、制限酵素HindIIIを用いて消化し、CaMV35S::OTP::FMP22e::CaMV35−ターミネータカセット(
図2参照)又はCaMV35S::OTP::FMP23e::CaMV35−ターミネータカセット(
図4参照)を、事前に同じ酵素で消化し、脱リン酸化したバイナリーベクターpBin19(Bevan (1984), Nucleic Acids Res. 12:8711-8721)にサブクローニングした。得られたベクターを「FMP22ebv」及び「FMP23ebv」と呼ぶ。
【0259】
ベクターpQE−30−AtHPPDを、NcoI制限酵素認識部位とAtHPPDのN末端His
6−Tag〜5’末端及びXbaI制限酵素認識部位〜3’末端をコードする配列のPCR介在結合に使用した。
【0260】
AtHPPD遺伝子のPCR産物を、アガロースゲルから単離し、制限酵素NcoI及びXbaIで切断し、MinElute(商標)PCR Purification Kit(Qiagen, Hilden, Germany)で精製して、同じ制限酵素で切断したpSE420(RI)NXベクターにクローニングした。
【0261】
生成したベクターを「pSE420(RI)NX−AtHPPD」と呼び、制限酵素NcoI及びXbaIで消化し、CaMV35Sプロモーター及びCaMV35Sターミネータを含有する事前に開裂したベクターpRT100(Toepfer et al., (1987), Nucleic Acids Res 15:5890)にクローニングした。生成したベクターを「pRT100−AtHPPD」と呼ぶ。
【0262】
ベクターpCR−TOPO−OTPを制限酵素NcoI及びXhoIで消化し、OTPに相当するDNAバンドを上記制限酵素で事前に開裂したベクターpRT100−AtHPPDにクローニングした。得られたベクターを、その後、制限酵素HindIIIで消化し、対象の発現カセットを、事前に開裂し、脱リン酸化したバイナリーベクターpBin19にクローニングした。得られたベクターを「AtHPPDbv」と呼ぶ。
【0263】
バイナリーベクターFMP22ebv、FMP23ebv及びAtHPPDbvを使用して、抗生物質カナマイシン及びリファンピシンを添加したYEB培地でセレクションした、Agrobacterium tumefaciens(EHA101由来のATHV)コンピテントセルを形質転換した(特許出願US005925808Aに詳しく記載)。
【0264】
対象のバイナリーベクター(FMP22ebv、FMP23ebv又はAtHPPDbv)を含有するこれらのAgrobacterium株を使用して、約5×5mm
2のサイズのタバコNicotiana tabaccum L. cv Samsun NN植物のリーフディスクを形質転換した(Horsch et al., (1985), Science 227 ; 1229-1231に詳しく記載されている)。
【0265】
リーフディスクを、バイナリーベクターFMP22ebv、FMP23ebv又はAtHPPDbvを含有するAgrobacterium tumefaciens細胞と2日間共培養した。次に、リーフディスクを培地に移し、BAP(1mg/mL;ベンジルアミノプリン)、カルベニシリン(250mg/mL)、セフォタキシン(cefotaxine)(250mg/mL)、カナマイシン(75mg/mL)及びテンボトリオン(10
−6M)を添加したMS(Musharige and Skoog, (1962), Physiol Plant 15(3): 473-497)培地で6週間新芽を再生させた。
【0266】
再生したカルスを培地に移し、6〜12週間根の発生を誘導した:カルベニシリン(250mg/mL)、セフォタキシン(250mg/mL)、カナマイシン(75mg/mL)及びテンボトリオン(10
−6 M)を添加したMS(1/2)。この培地で6週間経過後、バイナリーベクターAtHPPDbvを含有するAgrobacterium tumefaciens細胞で形質転換した新芽を、HPPD阻害剤テンボトリオンが欠乏した同じ培地に移した。
【0267】
結果を以下の表4にまとめる。
【0268】
全ての実験期間中、リーフディスクを含有するプレートを、条件を調整した(明16時間、暗8時間、25℃)生育箱に置いた。
【0269】
カルスの発根
配列番号11(Arabidopsis thaliana)、配列番号21又は配列番号7(Rhodococcus)を含むHPPDをコードする核酸配列で形質転換した細胞由来の再生した芽カルスを、HPPD阻害剤テンボトリオンをさらに添加した培地に移し、6〜12週間根の成長を誘導した。配列番号11(Arabidopsis thaliana)により定義されるHPPDを含有するイベント又は形質転換カルスのいずれにおいても、上記の条件下で根の成長は観察されなかった。これに対して、同一の条件下で、配列番号7及び配列番号21により定義されるHPPDを含有するカルスからは明らかに多数の正常な根が生じた(下記表4参照)。
【0270】
【表11】
【0271】
リーフディスクの再生
リーフディスクを、HPPD配列番号11(Arabidopsis thaliana)、配列番号21又は配列番号7(Rhodococcus)を含有する植物から切り取り、その後、BAP(1mg/mL;ベンジルアミノプリン)、カルベニシリン(250mg/mL)、セフォタキシン(250mg/mL)を添加し、さらに下記列挙するHPPD阻害剤(テンボトリオン(10
−6M)、ジケトニトリル(5.10
−6M)、メソトリオン(10
−6M)及びビシクロピロン(10
−6M))の1つを記載の濃度で含むMS培地で、そして、ポジティブコントロールとしてHPPD阻害剤を含有しない培地で標準的な培養条件下、6週間再生させた。実験終了後、再生のレベルを以下のように評価した:
「−」は、リーフディスクが、上記阻害剤を添加した培地上で、野生型タバコ植物由来のリーフディスクと同じ外観であることを意味する。
「++++」は、リーフディスクが、阻害剤を含有しない培地上で、野生型タバコ植物由来のリーフディスクと似ていることを意味する。
「+」、「++」及び「+++」は、再生したリーフディスクが、阻害剤の存在により、強く(+)、中程度(++)、そして弱く(+++)影響を受けたことを指す。
【0272】
実験の結果を表5にまとめる。
【0273】
表5:Arabidopsis thaliana(配列番号11)又はRhodococcus配列番号7もしくは配列番号21から得られるHPPDをコードする遺伝子を含むトランスジェニック植物由来のリーフディスクの再生に及ぼす様々なHPPD阻害剤の効果
【0274】
【表12】
【0275】
配列番号7又は配列番号21(Rhodococcus)により定義されるHPPDを含有する植物の場合、試験HPPD阻害剤の全ての存在下で、未処理コントロールと比較して、同じ又はわずかに低下した再生を示したが、一方で、対応する配列番号11(Arabidopsis thaliana)により定義されるHPPDを含有する植物の場合では、未処理コントロールと比較して、再生を全く示さなかったが、明確に視認できる白化表現型が生じた。
【0276】
実施例4:耐性HPPDタンパク質をコードする遺伝子を発現するトランスジェニックタバコ植物のHPPD阻害型除草剤に対する耐性を評価するための温室試験
Arabidopsis又はFMP22もしくはFMP23HPPD酵素のいずれかを発現するトランスジェニック植物系列の調製。除草剤耐性のための温室試験
【0277】
テンボトリオン、イソキサフルトール及びビシクロピロンに対する反応
HPPDをコードするArabidopsis由来の遺伝子、又はFMP22 HPPDをコードするRhodococcus sp.(RHA1株)、単離体ro03041由来の遺伝子FMP22eもしくは上記Rhodococcus sp.(RHA1株)、単離体ro02040(実施例3)由来の遺伝子FMP23eのいずれかを含有するT0タバコ植物を、温室(28/20℃)に移して、さらに成長させ種子を産生した。これらの種子を回収し、土壌(砂及びオスモコート(osmocote)Proと混合したED73)に蒔き、温室(28/20℃)で発芽させた。3〜4週間後、上記土壌を含有する単一ポットに植物体を移した。2週間後、サイズ4〜6cm径の植物に、以下:
−硫酸アンモニウム及びメチルエステルラプス油(raps oil)を添加したWP20(水和剤20%)製剤から調製した、テンボトリオン、100g AI/ha、又は
−硫酸アンモニウム及びメチルエステルラプス油を添加したWP20製剤から調製した、イソキサフルトール、100g AI/ha、又は
−硫酸アンモニウム及びメチルエステルラプス油を添加したWP20製剤から調製した、ビシクロピロン、100g AI/ha、又は
−硫酸アンモニウム及びメチルエステルラプス油を添加した、活性成分(AI)を含まないWP20製剤から製造した「ブラインド製剤」
のいずれかを散布し、次に、適度な光条件(20000Lux)の生育箱に移した。
【0278】
異なる除草剤の適用(DAT)の7日後に、形質転換植物の症状を、導入遺伝子を含有するタバコ植物と同時に、且つ、同じ条件下で散布した野生型タバコ植物で観察された反応と比較して評価した(100%は、植物が野生型植物と同じ白化表現型を示したことを意味し、0%は、植物が、「ブラインド製剤」で処理した野生型植物と似ていることを意味し、そして、中間パーセントは観察された症状の程度を示す)。
【0279】
表6:野生型タバコ植物(A)ならびにプロモーターCaMV35S、OTPをコードする配列及びArabidopsisHPPDをコードする配列(B)、又はプロモーターCaMV35S、OTPをコードする配列及びHPPD FMP22をコードする配列FMP22e(C)、又はプロモーターCaMV35S、OTPをコードする配列及びHPPD FMP23をコードする配列FMP23e(D)を有する上記の発現カセットを代わりに含有するタバコイベントのT1集団。硫酸アンモニウム及びメチルエステルラプス油を添加したテンボトリオン又はイソキサフルトール100g AI/haの散布による適用(DAT)の7日後の除草損傷の評価。FMP22e又はFMP23e遺伝子を含有する食物が、テンボトリオン及びイソキサフルトールに対してはるかに高い耐性を示したことが明らかである。カテゴリー(B)、(C)又は(D)に属する植物は、除草剤適用の前に各導入遺伝子の存在によるセレクションは行わなかった。
【0280】
【表13】
【0281】
【表14】
【0282】
【表15】
【0283】
【表16】
【0284】
ビシクロピロンに対する反応
野生型タバコ植物及びHPPD FMP22をコードするRhodococcus sp.(RHA1株)、単離体ro03041由来の遺伝子FMP22eを有するT1タバコ植物、又はHPPD FMP23をコードするRhodococcus sp.(RHA1株)、単離体ro02040由来の遺伝子FMP23eを有する植物の種子を、50g/Lカナマイシンを添加したMS培地(Murashige and Skoog 1964)に蒔いた。4週間後、発根した緑色の植物体を土壌に移して、上記温室で3週間成長させた後、ビシクロピロン(100g AI/ha)、硫酸アンモニウム及びメチルエステルラプスオイルを含有する混合物を散布した。処理の7日後、除草剤に反応して生じた表現型に基づいて植物を2つのカテゴリーに分類した。クラスIは、除草剤処理に反応して損傷なし〜軽度の損傷を示す植物として定義し(損傷:0〜30%)、クラスIIは、重度の損傷〜同じ処理を受けた野生型植物で確認される損傷と同等の損傷を示す植物として定義した(損傷:31〜100%)。この場合では、少なくとも1つのT−DNAを含有する植物のみを除草剤処理に曝露した。
【0285】
一般的に、T−DNAインサートを含有する植物が、HPPD阻害型除草剤ビシクロピロンの農地施用量(field dose)の曝露に対して有意で十分な耐性レベルを示したことが分かる。
【0286】
【表17】
【0287】
HPPD FMP22又はFMP23を含有する植物は、HPPD阻害型除草剤ビシクロピロンに耐性を示した。
【0288】
上記で示されたデータから要約すると、いくつかの独立したトランスジェニックイベントから得られた、FMP22 HPPDをコードするRhodococcus sp.(RHA1株)、単離体ro03041由来の遺伝子FMP22eを発現する、又はFMP23 HPPDをコードするRhodococcus sp.(RHA1株)、単離体ro02040由来の遺伝子FMP23を発現する植物が、標準的な農業条件下で適用される用量の、いくつかのHPPD阻害型除草剤に対して高い耐性を有することが分かる。
【0289】
実施例5:植物においていくつかの双子葉植物の最適化バリアントを発現するようにバイナリーベクターの構築、及びそのようなバリアントを含有するタバコ植物の耐性を評価するための温室試験
FMP22t(配列番号3)、FMP27t−h(配列番号22)、FMP23t(配列番号17)、FMP23t−h(配列番号31)のpBin19へのクローニング
HPPDタンパク質FMP22をコードする、双子葉植物において発現するように最適化されたコドン使用を有する遺伝子を設計して、FMP22t−h(配列番号22)と命名し、そして、その5’末端にOTP及びHIS TAGをコードする追加の配列を有する同じ遺伝子をFMP22t(配列番号3)と命名した。FMP22t−h遺伝子に相当する配列を、制限酵素NcoI及びXbaIを使用して、CaMV35Sプロモーター及びターミネータを含有する前記ベクターpRT100−OTPにクローニングした。得られたベクターをpRT100−OTP−FMP22t−hと呼ぶ。FMP22tに相当する配列を、制限酵素XhoI及びXbaIを使用して、前記ベクターpRT100にクローニングし、得られたベクターをpRT100−OTP−FMP22tと呼ぶ。PromCaMV35S−OTP−FMP22t−h−TerCaMV35S及びPromCaMV35S−OTP−HIS6−FMP22t−TerCaMV35Sに相当するフラグメントを、制限酵素SbfIを使用して、pBIN19ベクター(上記)にサブクローニングした。該バイナリーベクターを、それぞれ、pBin19−FMP22t−h(
図5C)及びpBin19−FMP22t(
図5B)と呼び、そして、これを使用して、例えば、上述のタバコ植物などの双子葉植物を形質転換することができる。次に、十分に成長した形質転換植物の、テンボトリオンなどのHPPD阻害型除草剤に対する耐性を試験する。除草剤処理に反応して観察された症状の発生を評価して、同じ条件下の野生型植物の反応と比較する。
【0290】
HPPDタンパク質FMP23をコードする、双子葉植物で発現するように最適化されたコドン使用を有する遺伝子を設計して、FMP23t−h(配列番号31)と命名し、そして、その5’末端にOTP及びHIS TAGをコードする追加の配列を有する同じ遺伝子をFMP23t(配列番号17)と命名した。FMP23t−h遺伝子に相当する配列を、制限酵素NcoI及びXbaIを使用して、CaMV35Sプロモーター及びターミネータを含有する前記ベクターpRT100−OTPにクローニングした。得られたベクターをpRT100−OTP−FMP23t−hと呼ぶ。FMP23tに相当する配列を、制限酵素XhoI及びXbaIを使用して、前記ベクターpRT100にクローニングし、得られたベクターをpRT100−OTP−FMP23tと呼ぶ。PromCaMV35S−OTP−FMP23t−h−TerCaMV35S及びPromCaMV35S−OTP−HIS6−FMP23t−TerCaMV35Sに相当するフラグメントを、制限酵素SbfIを使用して、pBIN19ベクター(上記)にサブクローニングした。該バイナリーベクターを、それぞれ、pBin19−FMP23t−h(
図6C)及びpBin19−FMP23t(
図6B)と呼び、そして、これを使用して、例えば、上述のタバコ植物などの双子葉植物を形質転換することができる。次に、十分に成長した形質転換植物の、テンボトリオンなどのHPPD阻害型除草剤に対する耐性を試験する。除草剤処理に反応して観察された症状の発生を評価して、同じ条件下の野生型植物の反応と比較する。
【0291】
植物形質転換及び100gAI/TBTを使用したT0のセレクション
例として、T−DNA PromCaMV35S−OTP−HIS6−FMP22t−TerCaMV35S、又はT−DNA PromCaMV35S−OTP−HIS6−FMP23t−TerCaMV35Sを含有する発根植物を標準的な成長条件下の温室に移す。2週間の順化後、T0植物を、硫酸アンモニウム及びメチルエステルラプス油を添加したWP20(水和剤20%)製剤から調製したテンボトリオン100g/haを含有する混合物で処理する。処理の2週間後、除草剤の適用による症状を評価する。植物を4つのカテゴリーに分類する。「0」と評価される処理植物は、未処理タバコ植物と似ている。「1」と評価される植物は、除草剤の適用による一過性の軽度の白化表現型を示す。「2」と評価される植物は、永続的な軽度〜重度の白化症状を示す。最後に、「3」と評価される植物は、同じ処理を受けた野生型タバコ植物と似ている。結果を下記の表8にまとめる。
【0292】
【表18】
【0293】
結論として、FMP22又はFMP23 HPPDを発現するいくつかのタバコ植物は、テンボトリオンに耐性を有する。
【0294】
実施例6:Zea mays植物を形質転換するための、FMP22 HPPDをコードする遺伝子FMP22e、FMP22t及びFMP22mのベクターへのクローニング
FMP22e(配列番号2)、FMP22t(配列番号3)、FMP22m−h(配列番号23)
a−FMP22e−pHoe6/Ac:E. coli用に最適化されたコドン使用、加えて、その5’末端にOTPをコードする配列及びHis TAGをコードする配列を有する遺伝子
CaMV35Sプロモーターの制御下でE. coliで発現するように最適化された、HPPD FMP22をコードする遺伝子を含有するベクターpRT100−FMP22eを制限酵素HindIIIで消化した。CaMV35S::OTP::FMP22e::CaMV35S−ターミネータカセットを、事前に同じ制限酵素で消化し、脱リン酸化したバイナリーベクターpHoe6/Ac(US 6,316,694)にさらにクローニングした。得られたベクターをpHoe6/Ac/FMP22eと呼ぶ。
【0295】
b−FMP22t−pHoe6/Ac(配列番号3):双子葉植物用に最適化されたコドン使用、加えて、その5’末端にOTPをコードする配列及びHis TAGをコードする配列を有する遺伝子
FMP22t−pRT100。Nicotiana tabaccumで発現するように最適化されたタンパク質FMP22をコードし、加えて、5’末端に最適化されたトランジットペプチド及びHIS Tagをコードする核酸配列を含有する遺伝子のバージョンを系列化し、FMP22tと呼ぶ。この配列の上流に制限酵素XhoIの認識配列を付加し、そして、下流に制限酵素XbaIの認識配列を付加した。OTP及びFMP22tに相当するDNAを制限酵素XhoI及びXbaIで消化して、適切なゲル電気泳動により分離し、事前にXhoI及びNcoI制限酵素で消化したベクターpRT100(Toepfer, (1987), Nucleic Acid Res 15:5890)にクローニングした。プラスミドpRT100は、CaMV35Sプロモーター及びCaMV35Sターミネータを含有する。得られたベクターをpRT100−FMP22tと呼び、そして、制限酵素HindIIIで消化して、CaMV35S::OTP::FMP22t::CaMV35S−ターミネータカセットに相当するDNAを、事前に制限酵素処理したベクターpHoe6/Ac(US 6.316.694)にクローニングするためにベクターの残りから分離した。得られたベクターをpHoe6/Ac/FMP22tと呼ぶ(
図5)。
【0296】
c−FMP22m−pHoe6/Ac(配列番号23):単子葉植物用に最適化されたコドン使用、加えて、その5’末端にOTPをコードする配列を有する遺伝子
FMP22m−pRT100−OTP(NcoI−XbaI)、次にHindIII
FMP22をコードする単子葉植物で発現するように最適化された遺伝子(FMP22mと呼ぶ)のバリアントを系列化し、そして、開始コドンの上流にNcoI制限酵素認識部位を付加し、一方で、終止コドンの下流に制限酵素XbaIの認識配列を付加した。FMP22mに相当するDNA配列を制限酵素NcoI及びXbaIで消化し、次に、ゲル電気泳動により分離して、最後に、ゲルから単離した。単離DNAフラグメントを、また事前に同じ制限酵素で消化したベクターpRT100−OTP(上記)と混合した。発現カセットCaMV35S::OTP::FMP22m::CaMV35Sターミネータを含有する、得られたベクターをpRT100−OTP−FMP22mと呼び、これを、制限酵素HindIIIを使用して単離し、次に、除草剤グルホシネートに対する耐性を付与する、PAT(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)酵素をコードする遺伝子を含有する、事前に開裂し、脱リン酸化したベクターpHOE6/Acにさらにクローニングした(US 6,316,694)。得られたプラスミドをpHoe/Ac/FMP22mと呼ぶ(
図5F)。
【0297】
Zea mays植物を形質転換するための、FMP23 HPPDをコードする遺伝子FMP23e、FMP23t及びFMP23mのベクターへのクローニング
【0298】
FMP23e(配列番号16)、FMP22t(配列番号17)、FMP22m−h(配列番号32)
a−FMP23e−pHoe6/Ac:E. coli用に最適化されたコドン使用、加えて、その5’末端にOTPをコードする配列及びHis TAGをコードする配列を有する遺伝子
CaMV35Sプロモーターの制御下でE. coliで発現するように最適化された、HPPD FMP23をコードする遺伝子を含有するベクターpRT100−FMP23eを制限酵素HindIIIで消化した。CaMV35S::OTP::FMP23e::CaMV35S−ターミネータカセットを、事前に同じ制限酵素で消化し、脱リン酸化したバイナリーベクターpHoe6/Ac(US 6,316,694)にさらにクローニングした。得られたベクターをpHoe6/Ac/FMP23eと呼ぶ。
【0299】
b−FMP23t−pHoe6/Ac(配列番号17):双子葉植物用に最適化されたコドン使用、加えて、その5’末端にOTPをコードする配列及びHis TAGをコードする配列を有する遺伝子
FMP23t−pRT100。Nicotiana tabaccumで発現するように最適化されたタンパク質FMP23をコードし、加えて、5’末端に最適化されたトランジットペプチド及びHIS Tagをコードする核酸配列を含有する遺伝子のバージョンを系列化し、FMP23tと呼ぶ。この配列の上流に制限酵素XhoIの認識配列を付加し、そして、下流に制限酵素XbaIの認識配列を付加した。OTP及びFMP23tに相当するDNAを制限酵素XhoI及びXbaIで消化して、適切なゲル電気泳動により分離し、事前にXhoI及びNcoI制限酵素で消化したベクターpRT100(Toepfer, (1987), Nucleic Acid Res 15:5890)にクローニングした。プラスミドpRT100は、CaMV35Sプロモーター及びCaMV35Sターミネータを含有する。得られたベクターをpRT100−FMP23tと呼び、そして、制限酵素HindIIIで消化して、CaMV35S::OTP::FMP23t::CaMV35S−ターミネータカセットに相当するDNAを、事前に制限酵素処理したベクターpHoe6/Ac(US 6.316.694)にクローニングするためにベクターの残りから分離した。得られたベクターをpHoe6/Ac/FMP23tと呼ぶ(
図5)。
【0300】
c−FMP23m−pHoe6/Ac(配列番号32):単子葉植物用に最適化されたコドン使用、加えて、その5’末端にOTPをコードする配列を有する遺伝子
FMP23m−pRT100−OTP(NcoI−XbaI)、次に、HindIII
FMP23をコードする単子葉植物で発現するように最適化された遺伝子(FMP23mと呼ぶ)のバリアントを系列化し、そして、開始コドンの上流にNcoI制限酵素認識部位を付加し、一方で、終止コドンの下流に制限酵素XbaIの認識配列を付加した。FMP23mに相当するDNA配列を制限酵素NcoI及びXbaIで消化し、次に、ゲル電気泳動により分離して、最後に、ゲルから単離した。単離DNAフラグメントをまた事前に同じ制限酵素で消化したベクターpRT100−OTP(上記)と混合した。発現カセットCaMV35S::OTP::FMP23m::CaMV35Sターミネータを含有する得られたベクターをpRT100−OTP−FMP23mと呼び、これを、制限酵素HindIIIを使用して単離し、次に、除草剤グルホシネートに対する耐性を付与する、PAT(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)酵素をコードする遺伝子を含有する、事前に開裂し、脱リン酸化したベクターpHOE6/Ac(US 6,316,694)にさらにクローニングした。得られたプラスミドをpHoe/Ac/FMP23mと呼ぶ(
図6F)。
【0301】
トウモロコシの形質転換:
プラスミドpHoe6/Ac(US 6,316,694)、pHoe6/Ac/FMP22e、pHoe6/Ac/FMP22t、pHoe6/Ac/FMP22m、pHoe6/Ac/FMP23e、pHoe6/Ac/FMP23t、及びpHoe6/Ac/FMP23mを使用してトウモロコシ培養物を形質転換した。
【0302】
稔性トランスジェニックトウモロコシ植物のトウモロコシ培養、プロトプラスト単離、形質転換及び再生を、米国特許第6284945号「異種遺伝子を有する稔性トランスジェニックトウモロコシを含む、長期の、高効率な植物再生能を有するZea mays(L.)、及びその調製」に従って実施した。
【0303】
ホスフィノトリシンを含有する培地で形質転換カルスをセレクションした。次に、再生した発根植物を土壌に移し、そして、標準的な条件下の温室(28/20℃)で成長させて、種子を産生した。種子が産生されるまで成植物を成長させて、さらなる播種用に種子を回収し、十分に発育した植物を各HPPD阻害型除草剤で処理する。
【0304】
実施例7:コメ植物で発現されるFMP22e遺伝子を含有するベクターの構築
コメ植物形質転換用のバイナリーベクターは、例えば、遺伝子FMP22eの発現を促進するCaMV35プロモーター、E coli細菌で発現するように最適化されたコドン使用を用いて構築し、そして、その5’末端に、His TAGをコードする配列、そして、さらに上流にOTPをコードする配列、続いて、CaMV35Sターミネータを付加した。さらに、形質転換ベクターは、また、形質転換プロセスの間、グルホシネートに基づくセレクションを行うためのPAT遺伝子カセット(遺伝子を促進するCaVM35Sプロモーター、CaMV35Sターミネータが続く)を含有する(
図5I参照)。該バイナリーベクターをpTMV373と呼ぶ。HPPD酵素をコードするArabidopsis遺伝子を発現する発現カセットを含む以外は同様にして、同等のバイナリーベクターを構築した。
【0305】
コメ植物形質転換用のバイナリーベクターは、例えば、遺伝子FMP23eの発現を促進するCaMV35プロモーター、E coli細菌で発現するように最適化されたコドン使用を用いて構築し、そして、その5’末端に、His TAGをコードする配列、そして、さらに上流にOTPをコードする配列、続いて、CaMV35Sターミネータを付加した。さらに、形質転換ベクターは、また、形質転換プロセスの間、グルホシネートに基づくセレクションを行うためのPAT遺伝子カセット(遺伝子を促進するCaVM35Sプロモーター、CaMV35Sターミネータが続く)を含有する(
図6I参照)。該バイナリーベクターをpTMV374と呼ぶ。HPPD酵素をコードするArabidopsis遺伝子を発現する発現カセットを含む以外は同様にして、同等のバイナリーベクターを構築した。
【0306】
実施例8:コメ植物の形質転換
コメの形質転換は、当技術分野でよく知られている方法を用いて達成される。簡単に述べると、稔性回復系統6G4317の未熟胚を使用して、コメのAgrobacterium tumefaciens媒介形質転換を実施した。簡単に述べると、ドナー植物の円錐花序を、授粉の8〜12日後に採取した。未熟種子の外花穎を除去した。その後、種子をNaOClベースの溶液及びTweenを使用して消毒した。種子をアセチルサリチル酸で前誘導した。次に、Agrobacterium tumefaciens細胞を、暗室内で、アセトシリンゴンの存在下、24℃で4日間、前誘導した種子と共培養した。その後、胚の子葉鞘を除去し、洗浄して、次に、ホスフィノトリシンを添加した培地に入れ、16時間の明期リズム下、28℃で3週間置いた。次に、成長したカルスを胚から取り除き、そして、トリアシリン(triacillin)、ホスフィノトリシン、L−プロリン及び硫酸銅(II)を含有する新しい培地に移した。
【0307】
それぞれのカルス系(callusline)及びテンボトリオン濃度ごとに、異なるカルス種からランダムに単離された3つの新芽を、テンボトリオンを含むMS/2に移した。原則として、再生培地からMS/2への新芽の移動は、カルスを再生培地に入れた9週間後に行った。
【0308】
培養物を26.5℃(16時間の明期)でインキュベートし、2週間後に生じた症状の評価を行った。
【0309】
移した新芽から新たに生育した葉を白化に基づいて採点し、3つのグループに分類した:
a)白化なし
b)中程度の白化
c)完全な白化
【0310】
カテゴリー「中程度の白化」内で、ごくわずかな白化症状しか示さない、従って、葉を緑にする傾向がある新しい葉を有する新芽と、新しい葉がほぼ完全に白化した新芽を区別した。
【0311】
【表19】
【0312】
温室試験におけるテンボトリオンに対する反応
T0発根植物体(ホスフィノトリシン単独又はテンボトリオンを添加したホスフィノトリシンでセレクション)を温室内の土壌に移した。順化後、十分に成長した植物を異なるHPPD阻害型除草剤で処理した。例として、T0植物に、硫酸アンモニウム及びメチルエステルラプス油を添加した製剤型WP20のテンボトリオン100g AI/haを散布した。散布適用の7日後に、除草剤の適用による症状を評価し、同じ処理を受けた野生型植物で観察される症状と比較した。
【0313】
処理の7日後に除草剤に反応して生じた表現型に基づいて、植物を3つのカテゴリーに分類した。クラスIを、損傷なしの植物として定義し、クラスIIを、除草剤処理に反応して一過性の軽度の損傷を示す植物として定義し(損傷:10〜40%)、クラスIIIを、重度の損傷〜同じ処理を受けた野生型植物で観察される同様の損傷を示す植物として定義した(損傷:41〜100%)。
【0314】
一般的に、わずか1つのT−DNAインサートを含有する植物でさえも、HPPD阻害型除草剤テンボトリオンの農地施用量(field dose)の曝露に対して有意で十分な耐性レベルを示したことが分かる。
【0315】
【表20】
【0316】
結論として、タンパク質FMP22及びFMP23を発現するコメ植物が、HPPD阻害型除草剤テンボトリオンの適用に対して、野生型コメ植物、又は感受性ArabidopsisHPPDを発現する植物より耐性が高いことが分かる。
【0317】
実施例9:バイナリーダイズ形質転換ベクターの構築
ダイズ形質転換用のバイナリーベクターは、例えば、遺伝子FMP22t−h(配列番号22)の発現を促進するCaMV35プロモーター、双子葉植物で発現するように最適化されたコドン使用を用いて構築し、そして、その5’末端に、OTPをコードする配列、そして、さらに上流に植物内でのmRNAの安定性を改善するための配列TEV(タバコエッチウイルス)、続いて、CaMV35Sターミネータを付加した。遺伝子FMP22t−hのヌクレオチド配列は、配列番号23に示される。さらに、形質転換ベクターは、また、形質転換プロセスの間、グルホシネートに基づくセレクションを行うためのPAT遺伝子カセット(遺伝子を促進するCaVM35Sプロモーター、CaMV35Sターミネータが続く)、及び形質転換植物に除草剤グリホセートに対する耐性を付与する2mEPSPS遺伝子カセット(遺伝子を促進するArabidopsis由来のヒストンプロモーター)を含有する(
図5H参照)。バイナリーベクターをpFCO113と呼ぶ。
【0318】
ダイズ形質転換用のバイナリーベクターは、例えば、遺伝子FMP23t−h(配列番号31)の発現を促進するCaMV35プロモーター、双子葉植物で発現するように最適化されたコドン使用を用いて構築し、そして、その5’末端に、OTPをコードする配列、そして、さらに上流に植物内でのmRNAの安定性を改善するための配列TEV(タバコエッチウイルス)、続いて、CaMV35Sターミネータを付加した。遺伝子FMP23t−hのヌクレオチド配列は、配列番号31に示される。さらに、形質転換ベクターは、また、形質転換プロセスの間、グルホシネートに基づくセレクションを行うためのPAT遺伝子カセット(遺伝子を促進するCaVM35Sプロモーター、CaMV35Sターミネータが続く)、及び形質転換植物に除草剤グリホセートに対する耐性を付与する2mEPSPS遺伝子カセット(遺伝子を促進するArabidopsis由来のヒストンプロモーター)を含有する(
図6H参照)。バイナリーベクターをpFCO114と呼ぶ。
【0319】
実施例10:ダイズT0植物の確立及びセレクション
ダイズの形質転換は、Paz等(2006, Plant cell Rep. 25:206)に記載される、ダイズの半種子外植体のAgrobacterium tumefaciens媒介形質転換を用いた方法などの当技術分野でよく知られている方法を用いて達成される。形質転換体は、選択マーカーとしてイソキサフルトールを使用して同定した。緑色の新芽の出現が観察され、除草剤イソキサフルトールに対する耐性の指標であることが実証された。FMP22t−hに関して、全体で、1.8%のトランスジェニック試験新芽が、イソキサフルトールで処理していない野生型ダイズの新芽に匹敵する正常な緑化を示したが、一方で、同量のイソキサフルトールで処理した野生型ダイズの新芽は完全に白化した。このことから、FMP22タンパク質の存在により、イソキサフルトールのようなHPPD阻害型除草剤に対して耐性を有することが可能になることが示される。FMP23t−hに関して、全体で、1.9%のトランスジェニック試験新芽が、イソキサフルトールで処理していない野生型ダイズの新芽に匹敵する正常な緑化を示したが、一方で、同量のイソキサフルトールで処理した野生型ダイズの新芽は完全に白化した。このことから、FMP23タンパク質の存在により、イソキサフルトールのようなHPPD阻害型除草剤に対して耐性を有することが可能になることが示される。
【0320】
耐性を有する緑色の新芽を発根培地に移すか、又は接ぎ木した。順化後、発根植物体を温室に移した。
【0321】
次に、導入遺伝子を含有する植物に、HPPD阻害型除草剤、例えば、施用量100g AI/haのテンボトリオンを散布した。適用の10日後、除草剤の適用による症状を評価し、同じ条件下の野生型植物で観察される症状と比較した。
【0322】
FMP22に関して、FMP22 HPPDタンパク質を発現する1つのイベントが上記の緑色の新芽から得られ、温室に移した。順化の4週間後、即ち、3〜4節間の発育段階の植物を、硫酸アンモニウム及びメチルエステルラプス油を添加したWP20製剤から調製したテンボトリオン100g AI/haで処理した。適用の10日後、HPPD阻害型除草剤の適用により生じる症状を評価し、処理した非トランスジェニック野生型ダイズ植物で観察される症状と比較した。このイベントは、一過性の軽度の白化症状を示したが、テンボトリオン適用の14日後に回復した。これらのデータから、FMP22が、ダイズ植物において、テンボトリオンのようなHPPD阻害型除草剤に対する耐性を付与することが確認される。
【0323】
FMP23に関して、FMP23 HPPDタンパク質を発現する6つのイベントが上記の緑色の新芽から得られ、温室に移した。順化の4週間後、即ち、3〜4節間の発育段階の植物を、硫酸アンモニウム及びメチルエステルラプス油を添加したWP20製剤から調製したテンボトリオン100g AI/haで処理した。適用の10日後、HPPD阻害型除草剤の適用により生じる症状を評価し、処理した非トランスジェニック野生型ダイズ植物で観察される症状と比較した。6つのイベントのうち1つが白化表現型を全く示さず、未処理の野生型ダイズ植物と似ている。1つのイベントが、一過性の軽度の白化症状を示したが、テンボトリオン適用の14日後に回復した。残りの4つのイベントは、テンボトリオンで処理した後、非トランスジェニック野生型ダイズ植物と似た白化を示した。これらの全てのデータから、FMP23が、ダイズ植物において、テンボトリオンのようなHPPD阻害型除草剤に対する耐性を付与することが確認される。
【0324】
実施例11:バイナリーコットン形質転換ベクターの構築
コットン形質転換用のバイナリーベクターは、、例えば、遺伝子FMP22t−h(配列番号22)の発現を促進するCaMV35プロモーター、双子葉植物で発現するように最適化されたコドン使用を用いて構築し、そして、その5’末端に、OTPをコードする配列、そして、さらに上流に植物内でのmRNAの安定性を改善するための配列TEV(タバコエッチウイルス)、続いて、CaMV35Sターミネータを付加した。遺伝子FMP22t−hのヌクレオチド配列は、配列番号22に示される。さらに、形質転換ベクターは、また、形質転換プロセスの間、グルホシネートに基づくセレクションを行うためのPAT遺伝子カセット(遺伝子を促進するCaVM35Sプロモーター、CaMV35Sターミネータが続く)、及び形質転換植物に除草剤グリホセートに対する耐性を付与する2mEPSPS遺伝子カセット(遺伝子を促進するArabidopsis由来のヒストンプロモーター)を含有する(
図5J参照)。
【0325】
コットン形質転換用のバイナリーベクターは、例えば、遺伝子FMP23t−h(配列番号31)の発現を促進するCaMV35プロモーター、双子葉植物で発現するように最適化されたコドン使用を用いて構築し、そして、その5’末端に、OTPをコードする配列、そして、さらに上流に植物内でのmRNAの安定性を改善するための配列TEV(タバコエッチウイルス)、続いて、CaMV35Sターミネータを付加した。遺伝子FMP23t−hのヌクレオチド配列は、配列番号31に示される。さらに、形質転換ベクターは、また、形質転換プロセスの間、グルホシネートに基づくセレクションを行うためのPAT遺伝子カセット(遺伝子を促進するCaVM35Sプロモーター、CaMV35Sターミネータが続く)、及び形質転換植物に除草剤グリホセートに対する耐性を付与する2mEPSPS遺伝子カセット(遺伝子を促進するArabidopsis由来のヒストンプロモーター)を含有する(
図6J参照)。
【0326】
実施例12:コットンT0植物の確立及びセレクション
コットンの形質転換は、当技術分野でよく知られている方法、特に好ましくは、PCT特許出願WO 00/71733に記載の方法を用いて達成される。
【0327】
再生した植物を温室に移した。順化の後、十分に成長した植物に、HPPD阻害型除草剤、例えば、硫酸アンモニウム及びメチルエステルラプス油を添加したテンボトリオン100g AI/haを散布した。散布適用の7日後に、除草剤で処理したことによる症状を評価し、同じ条件下で同じ処理を受けた野生型コットン植物で観察される症状と比較した。
【0328】
実施例13:別々の作用機序の4つの除草剤に耐性を有する植物を生成するためのバイナリー形質転換ベクターの構築
双子葉植物形質転換用のバイナリーベクターは、例えば、遺伝子FMP22t−h(配列番号22)の発現を促進するCaMV35プロモーター、双子葉植物で発現するように最適化されたコドン使用を用いて構築し、そして、その5’末端に、OTPをコードする配列、続いて、CaMV35Sターミネータを付加した。遺伝子FMP22t−hのヌクレオチド配列は、配列番号22に示される。さらに、形質転換ベクターは、また、遺伝子を発現する植物にグルホシネートに対する耐性を付与するPAT遺伝子カセット(遺伝子を促進するCaVM35Sプロモーター、CaMV35Sターミネータが続く)、形質転換植物に除草剤グリホセートに対する耐性を付与する二重突然変異トウモロコシEPSPS(Thr102Ile及びPro106Ser)をコードする2mEPSPS遺伝子カセット(遺伝子を促進するArabidopsis由来のヒストンプロモーター)、及びこの遺伝子を発現する植物に、スルホニル尿素又はイミダゾリノンクラスの除草剤に対する耐性を付与する、CaMV35Sプロモーターにより促進される耐性ALS酵素(アセト乳酸シンターゼ、Pro197Ala、Trp574Leu)をコードするArabidopsis2mAHAS遺伝子カセットを含有する(
図5G参照)。
【0329】
遺伝子カセットを、最後に、ベクターpHoe6/Ac(US 6,316,694)にクローニングして、この最後のベクターをpHoe6/FMP22t−h/PAT/EPSPS/AHASと呼び、そして、これを使用して、従来のAgrobacterium tumefaciens媒介法により双子葉植物を形質転換する。T0植物を土壌に移し、そして、順化させた後、十分に成長した植物に、例えば、HPPD阻害剤クラスの除草剤、次に、グリホセート、次に、グルホシネート、最後に、スルホニル尿素クラスの除草剤を順次散布した。
【0330】
双子葉植物形質転換用のバイナリーベクターは、例えば、遺伝子FMP23t−h(配列癌号31)の発現を促進するCaMV35プロモーター、双子葉植物で発現するように最適化されたコドン使用を用いて構築し、そして、その5’末端に、OTPをコードする配列、続いて、CaMV35Sターミネータを付加した。遺伝子FMP23t−hのヌクレオチド配列は、配列番号31に示される。さらに、形質転換ベクターは、また、遺伝子を発現する植物にグルホシネートに対する耐性を付与するPAT遺伝子カセット(遺伝子を促進するCaVM35Sプロモーター、CaMV35Sターミネータが続く)、形質転換植物に除草剤グリホセートに対する耐性を付与する二重突然変異トウモロコシEPSPS(Thr102Ile及びPro106Ser)をコードする2mEPSPS遺伝子カセット(遺伝子を促進するArabidopsis由来のヒストンプロモーター)、及びこの遺伝子を発現する植物に、スルホニル尿素又はイミダゾリノンクラスの除草剤に対する耐性を付与する、CaMV35Sプロモーターにより促進される耐性ALS酵素(アセト乳酸シンターゼ、Pro197Ala、Trp574Leu)をコードするArabidopsis2mAHAS遺伝子カセットを含有する(
図6G参照)。
【0331】
遺伝子カセットを、最後に、ベクターpHoe6/Ac(US 6,316,694)にクローニングして、この最後のベクターをpHoe6/FMP23t−h/PAT/EPSPS/AHASと呼び、そして、これを使用して、従来のAgrobacterium tumefaciens媒介法により双子葉植物を形質転換する。T0植物を土壌に移し、そして、順化させた後、十分に成長した植物に、例えば、HPPD阻害剤クラスの除草剤、次に、グリホセート、次に、グルホシネート、最後に、スルホニル尿素クラスの除草剤を順次散布した。
【0332】
実施例14:3つの異なる作用機序の除草剤に耐性を示すトランスジェニック植物の作製
タバコ形質転換用のバイナリーベクターは、例えば、遺伝子FMP22t−h(配列番号22)又はFMP23t−h(配列番号31)の発現を促進するCaMV35プロモーター、双子葉植物で発現するように最適化されたコドン使用を用いて構築し、そして、その5’末端に、OTPをコードする配列、そして、さらに上流に植物内でのmRNAの安定性を改善するための配列TEV(タバコエッチウイルス)、続いて、CaMV35Sターミネータを付加した。遺伝子FMP22t−hのヌクレオチド配列は配列番号22に示され、FMP23t−hのヌクレオチド配列は配列番号31に示される。さらに、形質転換ベクターは、また、形質転換プロセスの間、グルホシネートに基づくセレクションを行うためのPAT遺伝子カセット(遺伝子を促進するCaVM35Sプロモーター、CaMV35Sターミネータが続く)、及び形質転換植物に除草剤グリホセートに対する耐性を付与する2mEPSPS遺伝子カセット(遺伝子を促進するArabidopsis由来のヒストンプロモーター)を含有する(
図5H参照(FMP22t−h);及び
図6H参照(FMP23t−h))。上記ベクターを使用し、実施例3に従って、Nicotiana tabaccum植物から得られたリーフディスクを形質転換した。
【0333】
トランスジェニックタバコ植物を温室に移し、施用量1121g AI/haのグリホセートで処理した。そのような耐性タバコ植物から種子を産生し、収穫した。これらの種子を土壌に蒔き、温室で発芽させた。3〜4週間後、イベント当たり50個の植物体を単一ポットに移した。2週間後、4〜6cmサイズの植物に以下のものを散布した:
−グルホシネート−アンモニウム 1000g AI/ha、
−グリホセート 1121g AI/ha、
−テンボトリオン 100g AI/ha、又は
−テンボトリオン+グリホセート 100g AI/ha+1121g AI/ha
【0334】
9日後、各除草剤の適用により生じる症状を評価した。