【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成24年度、総務省、超高速近距離無線伝送技術等の研究開発の委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
受信部において、粗いキャリア周波数オフセット補正、粗いシンボル同期ずれ補正の後、特定の参照信号を有する送信信号を受信した受信信号の中から、前記特定の参照信号を抽出して、周波数領域の受信参照信号を取得し、
前記周波数領域の受信参照信号と前記送信信号における特定の参照信号を周波数領域で表した送信参照信号とを周波数ごとに比較して複数の誤差ベクトルを得て、
前記複数の誤差ベクトルから、周波数領域における直線近似による位相誤差を推定し、位相誤差の傾きを残留シンボル同期ずれ、位相誤差のオフセットを残留キャリア周波数オフセットとして求め、
前記残留シンボル同期ずれの補正を周波数領域において行い、
前記残留キャリア周波数オフセットの補正を、周波数領域から時間領域に変換した受信信号に対して行う、キャリア周波数オフセット補正方法。
受信部において、粗いキャリア周波数オフセット補正、粗いシンボル同期ずれ補正の後、特定の参照信号を有する送信信号を受信した受信信号の中から、前記特定の参照信号を抽出して、周波数領域の受信参照信号を取得し、
前記周波数領域の受信参照信号と前記送信信号における特定の参照信号を周波数領域で表した送信参照信号とを周波数ごとに比較して複数の誤差ベクトルを得て、
前記複数の誤差ベクトルから、周波数領域における直線近似による位相誤差を推定し、位相誤差の傾きを残留シンボル同期ずれ、位相誤差のオフセットを残留キャリア周波数オフセットとして求め、
前記残留シンボル同期ずれの補正、及び前記残留キャリア周波数オフセットの補正を、周波数領域から時間領域に変換した受信信号に対して行う、キャリア周波数オフセット補正方法。
受信部において、粗いキャリア周波数オフセット補正、粗いシンボル同期ずれ補正の後、特定の参照信号を有する送信信号を受信した受信信号の中から、前記特定の参照信号を抽出して、周波数領域の受信参照信号を取得する信号抽出部と、
前記周波数領域の受信参照信号と前記送信信号における特定の参照信号を周波数領域で表した送信参照信号とを周波数ごとに比較して複数の誤差ベクトルを得る誤差ベクトル算出部と、
前記複数の誤差ベクトルから、周波数領域における直線近似による位相誤差を推定し、位相誤差の傾きを残留シンボル同期ずれ、位相誤差のオフセットを残留キャリア周波数オフセットとして求める残留位相誤差算出部と、
前記残留シンボル同期ずれの補正を周波数領域において行う残留シンボル同期ずれ補正部と、
周波数領域の前記受信信号を時間領域に変換する周波数−時間変換部と、
前記残留キャリア周波数オフセットの補正を、周波数領域から時間領域に変換した受信信号に対して行う残留キャリア周波数オフセット補正部と、
を有するキャリア周波数オフセット補正装置。
受信部において、粗いキャリア周波数オフセット補正、粗いシンボル同期ずれ補正の後、特定の参照信号を有する送信信号を受信した受信信号の中から、前記特定の参照信号を抽出して、周波数領域の受信参照信号を取得する信号抽出部と、
前記周波数領域の受信参照信号と前記送信信号における特定の参照信号を周波数領域で表した送信参照信号とを周波数ごとに比較して複数の誤差ベクトルを得る誤差ベクトル算出部と、
前記複数の誤差ベクトルから、周波数領域における直線近似による位相誤差を推定し、位相誤差の傾きを残留シンボル同期ずれ、位相誤差のオフセットを残留キャリア周波数オフセットとして求める残留位相誤差算出部と、
周波数領域の前記受信信号を時間領域に変換する周波数−時間変換部と、
前記残留キャリア周波数オフセットの補正を、周波数領域から時間領域に変換した受信信号に対して行う残留キャリア周波数オフセット補正部と、
前記残留シンボル同期ずれの補正を、周波数領域から時間領域に変換した受信信号に対して行う時間領域残留シンボル同期ずれ補正部と、
を有するキャリア周波数オフセット補正装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<本開示の各実施形態の内容に至る経緯>
本開示では、例えば、無線LAN規格のIEEE 802.11a、g、nのようなOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、あるいはWiGigのようなSC−FDE(Single Carrier Frequency Domain Equalizer)など、受信部にDFT(Discrete Fourier Transformation)及びIDFT(Inverse Discrete Fourier Transformation)を含む無線通信装置の例を示す。
【0014】
この種の無線通信装置における、送信機と受信機の間に発生する、残留キャリア周波数オフセット及び残留シンボル同期ずれにより生じる位相誤差の補正について、以下に説明する。
【0015】
図19は、WiGigに対応した無線通信装置の受信部の構成を示すブロック図である。
図19に示す無線通信装置は、RF(Radio Frequency)処理部1、ADC(Analog-Digital Converter)部2、AGC(Auto Gain Contoroller)部3、同期検出部4、周波数補正部5、S/P(serial-parallel)変換部6、DFT部7、伝送路補正部8、位相誤差補正部9、IDFT部10、P/S(parallel-serial)変換部11、復調部13を有する。
【0016】
RF処理部1は、アンテナにて受信された無線周波数の受信信号を複素信号のベースバンド信号に変換する。ADC部2は、複素信号のベースバンド信号を一定周期でサンプリングし、デジタル複素ベースバンド信号に変換する。AGC部3は、RF処理部1の出力信号レベルを一定に保つよう、RF処理部1における信号増幅のゲインを制御する。
【0017】
同期検出部4は、複素ベースバンド信号から同期用の既知のプリアンブル信号(後述するSTF)を検出する。周波数補正部5は、既知のプリアンブル信号(後述するSTF)を用いてキャリア周波数の誤差を算出し、粗いキャリア周波数オフセットの補正を行う。S/P変換部6は、シリアル信号の複素ベースバンド信号をパラレル信号に変換する。DFT部7は、粗いキャリア周波数オフセット補正を行った時間領域の複素ベースバンド信号を、同期検出部4によって検出されたプリアンブル信号のタイミングに従った粗いシンボル同期の後、周波数領域の複素信号に変換する。
【0018】
伝送路補正部8は、既知のプリアンブル信号(後述するCEF)を用いて、送信機と受信機の間の伝送路誤差を補正する。位相誤差補正部9は、既知の参照信号(後述するGI)を用いて、残留キャリア周波数オフセット及び残留シンボル同期ずれにより生じる残留位相誤差を補正する。
【0019】
IDFT部10は、位相誤差補正部9から出力される位相誤差補正後の周波数領域の信号を時間領域の複素ベースバンド信号に変換する。P/S変換部11は、IDFT部10の出力のパラレル信号をシリアル信号に変換する。復調部13は、IDFT部10によって時間領域に変換された複素ベースバンド信号を用いて、デジタル変調された信号を復調する。
【0020】
図20は、WiGigの信号フォーマットを示す図である。WiGigの無線通信システムにおいて伝送される信号は、先頭より、STF(Short Training Field)、CEF(Channel Estimation Field)、GI(Guard Interval)、ヘッダ(Header)、…データ部(Data1、Data2…)を有する。ここでは、プリアンブル信号としてSTF、CEFを有する。
【0021】
STFは、
図19のAGC部3、同期検出部4、周波数補正部5において用いられる既知のプリアンブル信号Ga(128シンボル)の17回の繰り返しである。STFの先頭からのAGC期間においてAGC部3によるAGC動作が行われ、残りの粗いCFO期間において周波数補正部5による粗いキャリア周波数オフセットの算出が行われる。STFの最終の1シンボルは同期検出期間であり、同期検出部4によるプリアンブル信号の検出により粗いシンボル同期が行われる。
【0022】
CEFは、
図19の伝送路補正部8において用いられる、前述のSTFとは異なる既知のプリアンブル信号Ga、Gb(128シンボル)、−Ga、−Gbの9回の繰り返しである。ここで、Ga、Gbは予め規定された符号列である。
【0023】
ヘッダには、変調方式、及び送信シンボル数などの伝送データの属性を示す情報が含まれる。データ部には、伝送したいデータ自体が含まれている。GIは、前述のSTF、CEFとは異なる、ヘッダ及びデータ部において一定間隔ごとに繰り返し挿入される既知の参照信号である。GIは、残留CFO算出期間として用いられ、位相誤差補正部9による残留キャリア周波数オフセットの算出が行われる。
【0024】
次に、位相誤差補正部9において補正する、残留キャリア周波数オフセット及び残留シンボル同期ずれについて説明する。キャリア周波数オフセットは、送信機(図示せず)のRF処理部において複素ベースバンド信号を直交変調する際に用いるキャリア周波数と、受信機のRF処理部1において直交復調に用いるキャリア周波数とが微小に異なることを原因とする位相誤差である。
【0025】
周波数補正部5は、キャリア周波数の誤差(粗いキャリア周波数オフセット)を推定して補正を行うが、信号雑音及びキャリアの位相雑音の影響により、キャリア周波数オフセットの推定に誤差が生じるため、位相誤差は残留する。これが残留キャリア周波数オフセットである。
【0026】
残留シンボル同期ずれは、送信機(図示せず)における複素ベースバンド信号を生成するDAC(Digital Analog Converter)部のサンプリング周波数と、受信機のADC部2のサンプリング周波数とが微小に異なることを原因とする位相誤差である。送信機と受信機の間のサンプリング周波数の誤差により、最初期に位相誤差補正を行っても、時間の経過と共に、シンボル同期ずれが残留して累積し、シンボルのタイミング誤差が広がる。このため、継続して位相誤差の補正値を更新し続けて、残留シンボル同期ずれを補正する必要がある。
【0027】
図21は、周波数領域における残留キャリア周波数オフセット及び残留シンボル同期ずれを示す図である。
図21において、横軸は周波数を示し、縦軸は位相誤差を−π〜π[rad]の範囲で示している。図示されるように、位相誤差は直線性を持つため、位相誤差のオフセット(各周波数の位相誤差の平均、すなわち周波数の平均値におけるオフセット量)は残留キャリア周波数オフセット、位相誤差の傾き(周波数に対する位相誤差の変化量)は残留シンボル同期ずれを表すものとなる。
【0028】
周波数補正部5における粗いキャリア周波数オフセットの算出方法を説明する。
図22は、STFにおけるGa相互相関ピークを示す図である。
図22は、GaのN番目(Ga(N))、N+1番目(Ga(N+1))、N+2番目(Ga(N+2))のそれぞれの相互相関ピークを、複素IQ平面上に表したものである。
【0029】
GaのN番目とN+1番目の相互相関ピークの間には、キャリア周波数オフセットによって位相差があり、同様にN+1番目とN+2番目の間にも位相差がある。この2つの位相差を平均することで、128シンボルあたりのノイズ成分を丸めた平均位相差が算出され、1シンボルあたりの位相差が求まる。1シンボルあたりの位相差が粗いキャリア周波数オフセットである。位相差を算出する際の平均数が多いほど、精度の高い粗いキャリア周波数オフセットが得られる。
【0030】
従来では、残留した位相誤差を補正するために、前述の特許文献1、2に示されるように、算出した残留キャリア周波数オフセットを位相誤差補正部にフィードバックさせて補正を行う方法がとられていた。
図23は、従来の残留キャリア周波数オフセットの補正方法を用いた無線通信装置の受信部の構成を示すブロック図である。この従来例では、キャリア周波数オフセット推定部514によって、IDFT部510の出力から残留キャリア周波数オフセットを算出し、位相誤差補正部509に補正値をフィードバックさせて位相誤差補正を行う。なお、周波数補正部505またはRF処理部501に補正値をフィードバックさせて補正を行う構成もある。
【0031】
図24は、従来例におけるキャリア周波数オフセットの補正タイミングを示す図である。STFにおいて、粗いキャリア周波数オフセットの推定(算出)が行われ、補正値の算出後に粗いキャリア周波数オフセット補正が行われる。粗いキャリア周波数オフセット補正の後、残留キャリア周波数オフセットが累積していく。その後、GIにおいて残留キャリア周波数オフセットの推定(算出)が行われ、補正値の算出後に残留キャリア周波数オフセット補正が行われる。
【0032】
従来例では、最初のGIによって求められる残留キャリア周波数オフセットの補正がフィードバック後に反映されるため、補正処理がヘッダに間に合わない場合がある。特に、残留キャリア周波数オフセットが大きい場合、CEFの期間の間、残留キャリア周波数オフセットを補正するタイミングがないため、ヘッダを正しく復調できないという課題を有している。残留キャリア周波数オフセットが大きくなる要因としては、低SNR(Signal-to-Noise Ratio)、キャリアの位相ノイズ、粗いキャリア周波数オフセットの算出に用いるSTFでのGaの平均数が少ないことによる算出精度の低下がある。
【0033】
無線LAN規格のIEEE 802.11aでは、STF期間が8μsであるのに対し、WiGigでは、STF期間が1.236μsと短くなっている。
図19に示したWiGig対応の無線通信装置において、例えば、RF処理部1とADC部2以降とは別々の回路チップで構成される。このため、AGC動作を行うRF処理部1、ADC部2、AGC部3のループは信号のやり取りに時間がかかり、STF期間の1.236μsの多くを使ってしまう。このことにより、粗いキャリア周波数オフセットの算出に用いるSTFでのGaの平均数が少ないため粗いキャリア周波数オフセット算出は精度が低くなり、キャリアの位相ノイズが発生し、残留キャリア周波数オフセットが大きくなってしまう。
【0034】
このように、特に高速伝送を行うWiGigなどの無線通信システムでは、従来のようなフィードバックによる残留キャリア周波数オフセットの補正を行うと、位相誤差の算出にかかる時間により、一定時間補正されない期間が生じる。このため、受信データのヘッダ先頭に残留キャリア周波数オフセットの補正が間に合わず、ヘッダを正しく復調できなくなる。
【0035】
上述した課題を鑑み、本開示では、ヘッダにおいてもキャリア周波数オフセットを適切に補正でき、ヘッダを含む受信データを正しく復調可能にするキャリア周波数オフセット補正方法及び装置を提供する。
【0036】
<本開示の実施形態>
以下、図面を参照しながら本開示に係る実施形態を詳細に説明する。本開示に係るキャリア周波数オフセット補正方法、及びキャリア周波数オフセット補正装置は、実施形態の無線通信装置において実現される。なお、以下の説明において用いる図について、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0037】
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1における無線通信装置の受信部の構成を示すブロック図である。実施の形態1の無線通信装置は、RF処理部1、ADC部2、AGC部3、同期検出部4、周波数補正部5、S/P変換部6、DFT部7、伝送路補正部8、位相誤差補正部9、IDFT部10、P/S変換部11、残留キャリア周波数オフセット補正部12、復調部13を有する。
【0038】
RF処理部1は、アンテナにおいて受信された無線周波数の受信信号を増幅し、直交変調を行ってベースバンド信号に変換する。直交変調後のベースバンド信号は複素信号である。
【0039】
ADC部2は、RF処理部1での直交変調後の信号を、一定周期でサンプリングし、デジタル複素ベースバンド信号に変換する。
【0040】
AGC部3は、デジタル複素ベースバンド信号の振幅を算出し、RF処理部1の出力信号レベルを一定に保つよう、RF処理部1における信号増幅のゲインを制御する。AGC動作は既知のプリアンブル信号(STF)の期間で行われる。
【0041】
同期検出部4は、複素ベースバンド信号から同期用の既知のプリアンブル信号(STF)を検出し、同期用のタイミング信号を出力する。プリアンブル信号は、DFT部7の窓同期、すなわち粗いシンボル同期に用いられる。
【0042】
周波数補正部5は、既知のプリアンブル信号(STF)を用いてキャリア周波数誤差として粗いキャリア周波数オフセットを算出し、粗いキャリア周波数オフセットを補正した複素ベースバンド信号を出力する。
【0043】
S/P変換部6は、DFT部7を動作させるためのバッファであり、シリアル信号の複素ベースバンド信号をパラレル信号に変換する。DFT部7は、時間−周波数変換部の一例に相当し、粗いキャリア周波数オフセットの補正を行った時間領域の複素ベースバンド信号について、同期検出部4によって検出されたSTFのタイミングに従って時間−周波数変換を行い、周波数領域の複素信号を出力する。
【0044】
伝送路補正部8は、既知のプリアンブル信号(CEF)を用いて、送信機と受信機の間の伝送路が持つ伝達特性である振幅及び位相を算出し、伝送路誤差を補正する。
【0045】
位相誤差補正部9は、特定の参照信号として、周期的に挿入される既知の参照信号(GI)を用いて、残留キャリア周波数オフセット及び残留シンボル同期ずれを算出し、周波数領域において、残留シンボル同期ずれによる位相誤差を補正する。
【0046】
IDFT部10は、周波数−時間変換部の一例に相当し、位相誤差補正部9の出力信号の周波数−時間変換を行い、時間領域の複素ベースバンド信号に変換する。
【0047】
P/S変換部11は、IDFT部10の出力のパラレル信号をシリアル信号に変換する。
【0048】
残留キャリア周波数オフセット補正部12は、位相誤差補正部9によって算出された残留キャリア周波数オフセット推定値を用いて、時間領域において残留キャリア周波数オフセットの補正を行う。
【0049】
復調部13は、時間領域に変換された残留位相誤差補正後の複素ベースバンド信号を用いて、デジタル変調された信号を復調し、受信データを得る。
【0050】
上記構成において、同期検出部4、周波数補正部5、S/P変換部6、DFT部7、伝送路補正部8、位相誤差補正部9、IDFT部10、P/S変換部11、残留キャリア周波数オフセット補正部12、復調部13は、プロセッサ、メモリを含む情報処理回路により実現可能であり、プロセッサにおいてソフトウェアプログラムを動作させて所定の処理を実行することによって、各機能を実現できる。
【0051】
本実施形態では、位相誤差補正部9において、DFT部7により周波数領域に変換され、伝送路補正部8により補正された受信信号から残留キャリア周波数オフセットを算出する。そして、算出した残留キャリア周波数オフセット推定値を、フィードフォワードにて残留キャリア周波数オフセット補正部12に与え、IDFT部10により時間領域に変換された受信信号に対して残留キャリア周波数オフセットの補正を行う。
【0052】
図2は、実施の形態1における位相誤差補正部9の構成を示すブロック図である。位相誤差補正部9は、信号抽出部90、誤差ベクトル算出部91、位相誤差算出部92、残留位相誤差算出部93、残留シンボル同期ずれ算出部94、残留シンボル同期ずれ補正部95を有する。
【0053】
信号抽出部90では、周波数領域において、受信信号の中から、周期的に繰り返し受信される参照信号(GI)(受信参照信号の一例に相当する)を抽出する。誤差ベクトル算出部91では、受信された信号から抽出した参照信号と送信されるべき既知の参照信号(GI)(送信参照信号の一例に相当する)とを比較し、両者の差分による複数の誤差ベクトルを算出する。位相誤差算出部92では、誤差ベクトル算出部91にて得られた複数の誤差ベクトルを、位相に変換し、位相誤差を算出する。
【0054】
残留位相誤差算出部93では、位相誤差算出部92にて得られた位相誤差から、直線近似による位相誤差推定を行い、位相誤差のオフセットと位相誤差の傾きを算出する。ここで、位相誤差の傾きは残留シンボル同期ずれ、位相誤差のオフセットは残留キャリア周波数オフセットとして算出される。残留シンボル同期ずれ算出部94では、残留位相誤差算出部93にて得られた位相誤差の傾きから、各周波数における位相誤差推定値を算出する。
【0055】
残留シンボル同期ずれ補正部95では、残留位相誤差算出部93にて算出された位相誤差推定値を用いて、各周波数の残留シンボル同期ずれを補正する。
【0056】
残留位相誤差算出部93にて得られた位相誤差のオフセットは、残留キャリア周波数オフセットに相当し、この残留キャリア周波数オフセット推定値が残留キャリア周波数オフセット補正部12へ与えられる。
【0057】
次に、本実施形態における位相誤差補正部9の動作をより詳細に説明する。
【0058】
図3は、周波数領域における参照信号GIのスペクトラムと誤差ベクトル算出に用いられる周波数番号を示す図である。
図3において、横軸は各周波数に対応する周波数番号を示し、縦軸はGIのスペクトラムの振幅の絶対値を示している。
【0059】
信号抽出部90では、受信信号から参照信号GIを抽出し、
図3に示す64シンボルの参照信号GIをフーリエ変換したスペクトラムを得る。ここで、周波数番号とは、WiGig規格のシンボルレートである1.76GHz(−880MHz〜+880MHz)を64シンボルで割った27.5MHzを1単位とし、各周波数を表す番号である。
【0060】
周波数領域のスペクトラムのうち、特に絶対値が大きいものはノイズ耐性が強く、位相ノイズの影響が少ない。よって、ここでは一例として、振幅の絶対値が大きいものから所定数(図示例では8シンボル分)のスペクトラムを代表値として使用するものとし、
図3の黒丸で示される周波数番号−25、−22、−10、−7、及び、8、13、19、24を更に抽出する。
【0061】
図4は、誤差ベクトル算出部91の構成を示す図である。誤差ベクトル算出部91は、複素乗算器910−00〜910−07を有する。ここでは、8個の周波数について参照信号GIの誤差ベクトルを算出するため、8系統の回路が並列に設けられる。誤差ベクトルを算出するために、複素乗算器910−00〜910−07を用いて、受信された信号から抽出した参照信号と送信されるべき既知の参照信号との比較を行う。
【0062】
各複素乗算器910−00〜910−07には、基準となる既知の参照信号の係数ref00〜ref07がそれぞれ与えられ、信号抽出部90にて抽出された各周波数の参照信号GIの値S1−00〜S1−07と係数ref00〜ref07とが周波数ごとに複素乗算される。係数ref00〜ref07は、既知の参照信号の共役の複素数となっており、複素乗算することによって、周期的に受信される参照信号との誤差ベクトルS2−00〜S2−07が得られる。なお、係数に予め重み係数を加えることで、誤差ベクトルの大きさを揃えることも可能である。
【0063】
図5は、位相誤差算出部92の構成を示す図である。位相誤差算出部92は、ベクトル−位相変換(vector to phase)部920−00〜920−07、アンラッピング(Unwrapping)部921−00〜921−07を有する。ここでは、8個の周波数について位相誤差を算出するため、8系統の回路が並列に設けられる。
【0064】
ベクトル−位相変換部920−00〜920−07では、誤差ベクトル算出部91にて得られた誤差ベクトルS2−00〜S2−07を位相に変換する。ベクトル−位相変換は、例えばarctan演算、あるいはCORDICによって実現できる。
【0065】
アンラッピング部921−00〜921−07では、位相アンラッピング(Phase Unwrapping)処理を行い、位相誤差S3−00〜S3−07を算出する。ここで、位相が2π+αとなった場合、−2π+αとして現れることを防ぎ、位相を戻すようにして2π+αと位相表現範囲を広げる。位相が−2π−αとなった場合も同様である。位相アンラッピング(Phase Unwrapping)処理は、一般的に知られている位相演算による手法を用いて実現できる。
【0066】
図2における残留位相誤差算出部93では、位相誤差算出部92にて得られた位相誤差を基に直線近似を行い、位相誤差のオフセットS4bと、位相誤差の傾きS4aとを算出する。直線近似には、例えばLSM(Least Squares Method)が用いられる。LSM処理は、一般的に知られている近似による手法を用いて実現できる。
【0067】
図6は、残留シンボル同期ずれ算出部94の構成を示す図である。残留シンボル同期ずれ算出部94は、乗算器940−00〜940−63を有する。ここでは、64個(元のGIの64シンボル分)の周波数について残留シンボル同期ずれ推定値を算出するため、64系統の回路が並列に設けられる。
図21に示した位相誤差の直線性より、位相誤差の傾きから各周波数の位相誤差(残留シンボル同期ずれ推定値)が求められる。
【0068】
乗算器940−00〜940−63では、各周波数の残留シンボル同期ずれ推定値を算出するために、残留位相誤差算出部93にて得られた位相誤差の傾きS4aに対して各周波数に対応する係数を乗算する。乗算の係数は周波数番号−32〜+31である。この係数乗算により、各周波数の位相誤差S5−00〜S5−63を算出する。
【0069】
図7は、残留シンボル同期ずれ補正部95の構成を示す図である。残留シンボル同期ずれ補正部95は、位相−ベクトル変換(phase to vector)部950−00〜950−63、共役変換(conj)部951−00〜951−63、複素乗算器952−00〜952−63を有する。ここでは、64個(元のGIの64シンボル分)の周波数について残留シンボル同期ずれの補正を行うため、64系統の回路が並列に設けられる。
【0070】
位相−ベクトル変換部950−00〜950−63では、残留シンボル同期ずれ算出部94にて得られた各周波数の位相誤差(残留シンボル同期ずれ推定値)S5−00〜S5−63を、複素ベクトルに変換する。共役変換部951−00〜951−63では、残留シンボル同期ずれ推定値の複素ベクトルを共役の複素数に変換する。複素乗算器952−00〜952−63では、伝送路補正部8による伝送路誤差補正後の周波数領域の受信信号S0−00〜S0−63に対して、残留シンボル同期ずれ推定値の共役複素ベクトルを乗算する。これにより、受信信号の位相を逆回転させ、残留シンボル同期ずれを補正し、補正後の信号S6−00〜S6−63を得る。位相−ベクトル変換は、例えばtan演算、あるいはCORDICによって実現できる。
【0071】
図8は、残留キャリア周波数オフセット補正部12の構成を示す図である。残留キャリア周波数オフセット補正部12は、位相−ベクトル変換(phase to vector)部120、共役変換(conj)部121、複素乗算器122を有する。残留キャリア周波数オフセット補正部12は、時間領域での位相誤差補正を行うものである。
【0072】
位相−ベクトル変換部120では、残留位相誤差算出部93にて得られた位相誤差のオフセットS4b、すなわち残留キャリア周波数オフセット推定値を、複素ベクトルに変換する。共役変換部121では、残留キャリア周波数オフセット推定値の複素ベクトルを共役の複素数に変換する。複素乗算器122では、時間領域の受信信号S7に対して、残留キャリア周波数オフセット推定値の共役複素ベクトルを乗算する。これにより、時間領域の受信信号S7の位相を回転させ、残留キャリア周波数オフセットを補正し、補正後の信号S8を得る。位相−ベクトル変換は、例えばtan演算、あるいはCORDICによって実現できる。
【0073】
図9は、本実施形態におけるキャリア周波数オフセットの補正タイミングを示す図である。STFにおいて、周波数補正部5により粗いキャリア周波数オフセットの推定(算出)が行われ、補正値の算出後に粗いキャリア周波数オフセット補正が行われる。粗いキャリア周波数オフセット補正の後、残留キャリア周波数オフセットが累積していく。CEFにおいて、伝送路補正部8により伝送路誤差補正が行われる。
【0074】
その後、ヘッダの前のGIにおいて、位相誤差補正部9により残留キャリア周波数オフセットの推定(算出)が行われ、残留キャリア周波数オフセット補正部12により残留キャリア周波数オフセット補正が行われる。
【0075】
本実施形態では、周期的に繰り返し送信される特定の参照信号(参照信号GI)を用いて、位相誤差補正部9によって、周波数領域に変換された受信信号の中から特定の参照信号(参照信号GI)を抽出し、送信されるべき特定の参照信号と比較することにより、周波数領域において位相誤差のオフセットと位相誤差の傾きを算出する。算出した位相誤差の傾きに基づき、位相誤差補正部9によって周波数領域において残留シンボル同期ずれ補正を行う。
【0076】
また、算出した位相誤差のオフセット(残留キャリア周波数オフセット推定値)を、残留キャリア周波数オフセット補正部12へ時間領域の位相回転角として与え、時間領域に変換された受信信号の位相を回転させる。すなわち、残留キャリア周波数オフセット補正部12によって、時間領域において残留キャリア周波数オフセット補正を行う。IDFT部10における周波数−時間変換処理は時間を要するため、残留キャリア周波数オフセット推定値を残留キャリア周波数オフセット補正部12へフィードフォワードして時間領域にて残留キャリア周波数オフセット補正を実行することで、位相誤差補正の処理遅延を解消できる。
【0077】
本実施形態によれば、高速伝送を行う無線通信システムにおいてもGI直後のヘッダの先頭から残留キャリア周波数オフセット補正を実行でき、復調部13にてヘッダを正しく復調できる。したがって、残留キャリア周波数オフセットが大きい場合でも、信号の遅延バッファを用いることなく、ヘッダを含む受信データを正しく復調可能である。
【0078】
(実施の形態2)
図10は、本開示の実施の形態2における残留キャリア周波数オフセット補正部の構成を示すブロック図である。実施の形態2は、残留キャリア周波数オフセット補正部12の構成を変更した例である。その他の構成は前述した実施の形態1と同様である。
【0079】
実施の形態2の残留キャリア周波数オフセット補正部12は、ゲイン乗算部123、CORDIC部124を有する。ゲイン乗算部123では、残留位相誤差算出部93にて得られた位相誤差のオフセットS4b、すなわち残留キャリア周波数オフセット推定値を、−1倍する。CORDIC部124では、−1倍した残留キャリア周波数オフセット推定値によって時間領域の受信信号S7の位相を回転させ、残留キャリア周波数オフセットを補正する。
【0080】
実施の形態2においても、実施の形態1と同様の機能を実現でき、高速伝送を行う無線通信システムにおいてもヘッダを正しく復調できる。
【0081】
(実施の形態3)
図11は、本開示の実施の形態3における残留シンボル同期ずれ補正部の構成を示すブロック図である。実施の形態3は、残留シンボル同期ずれ補正部95の構成を変更した例である。その他の構成は前述した実施の形態1と同様である。
【0082】
実施の形態3の残留シンボル同期ずれ補正部95は、ゲイン乗算部953−00〜953−63、CORDIC部954−00〜954−63を有する。ゲイン乗算部953−00〜953−63では、残留シンボル同期ずれ算出部94にて得られた各周波数の位相誤差(残留シンボル同期ずれ推定値)S5−00〜S5−63を、−1倍する。CORDIC部954−00〜954−63では、−1倍した各周波数の残留シンボル同期ずれ推定値によって周波数領域の受信信号S0−00〜S0−63の位相を回転させ、残留シンボル同期ずれを補正する。
【0083】
実施の形態3においても、実施の形態1と同様の機能を実現でき、高速伝送を行う無線通信システムにおいてもヘッダを正しく復調できる。
【0084】
(実施の形態4)
図12は、本開示の実施の形態4における無線通信装置の受信部の構成を示すブロック図である。実施の形態4の無線通信装置は、残留キャリア周波数オフセット補正部12Aを、IDFT部10とP/S変換部11との間に設けた構成例である。その他の構成は前述した実施の形態1と同様である。
【0085】
この場合、残留キャリア周波数オフセット補正部12Aは、64並列の回路により、時間領域の受信信号の残留キャリア周波数オフセットを補正する。残留キャリア周波数オフセット補正部12Aの構成は、
図8の構成あるいは
図10の構成の残留キャリア周波数オフセット補正部12を、64並列に配置する。
【0086】
実施の形態4においても、実施の形態1と同様の機能を実現でき、高速伝送を行う無線通信システムにおいてもヘッダを正しく復調できる。
【0087】
(実施の形態5)
図13は、本開示の実施の形態5における無線通信装置の受信部の構成を示すブロック図である。実施の形態5の無線通信装置は、
図1に示した実施の形態1における位相誤差補正部9の代わりに、位相誤差推定部15と時間領域残留シンボル同期ずれ補正部16とを有する。
【0088】
位相誤差推定部15は、伝送路補正部8とIDFT部10との間に接続され、残留シンボル同期ずれ推定値と残留キャリア周波数オフセット推定値とを推定(算出)する。時間領域残留シンボル同期ずれ補正部16は、P/S変換部11と残留キャリア周波数オフセット補正部12との間に設けられ、時間領域において受信信号の残留シンボル同期ずれ補正を行う。その他の構成は前述した実施の形態1と同様である。
【0089】
実施の形態5では、DFT部7により周波数領域に変換された受信信号から、位相誤差推定部15によって残留シンボル同期ずれ推定値と残留キャリア周波数オフセット推定値とを算出する。残留シンボル同期ずれ推定値を時間領域残留シンボル同期ずれ補正部16に、残留キャリア周波数オフセット推定値を残留キャリア周波数オフセット補正部12に与え、IDFT部10により時間領域に変換された受信信号に対して、残留シンボル同期ずれの補正、残留キャリア周波数オフセットの補正をそれぞれ時間領域において行う。
【0090】
図14は、位相誤差推定部15の構成を示す図である。位相誤差推定部15は、信号抽出部90、誤差ベクトル算出部91、位相誤差算出部92、残留位相誤差算出部93を有する。すなわち、位相誤差推定部15は、実施の形態1の位相誤差補正部9のうち、残留シンボル同期ずれ算出部94、残留シンボル同期ずれ補正部95を除いた構成である。よって、ここでは各部の動作の詳細説明は省略する。
【0091】
位相誤差推定部15では、信号抽出部90にて抽出した参照信号GIについて、誤差ベクトル算出部91にて誤差ベクトルを算出し、位相誤差算出部92にて位相誤差に変換し、残留位相誤差算出部93にて位相誤差のオフセットS4bと位相誤差の傾きS4aを算出する。位相誤差の傾きS4aは残留シンボル同期ずれ推定値として、位相誤差のオフセットS4bは残留キャリア周波数オフセット推定値として、それぞれ出力される。
【0092】
図15は、時間領域残留シンボル同期ずれ補正部16の構成を示す図である。時間領域残留シンボル同期ずれ補正部16は、時間領域において残留シンボル同期ずれの補正を行うために、位相回転ではなく、フィルタを用いて同期補正を行う。時間領域残留シンボル同期ずれ補正部16は、IQ分離部160、補正係数選択部161、フリップフロップ(FF)部162−I−00〜162−I−09、162−Q−00〜162−Q−09、乗算器163−I−00〜163−I−10、163−Q−00〜163−Q−10、加算器164−I、164−Q、IQ統合部165を有する。ここでは一例として、フィルタのタップ数を11とした例を示す。
【0093】
時間領域残留シンボル同期ずれ補正部16において、IQ分離部160では、時間領域の受信信号S0の複素数信号をI、Qの直交成分に分離する。FF部162−I−00〜162−I−09、162−Q−00〜162−Q−09では、I、Qに分離された複素信号をそれぞれ保持する。補正係数選択部161では、位相誤差の傾きS4aから、フィルタの各タップの補正係数を選択する。乗算器163−I−00〜163−I−10、163−Q−00〜163−Q−10では、それぞれ選択された補正係数と、FF部に保持された信号とを乗算する。加算器164−I、164−Qでは、各乗算器の乗算結果を加算し、I、Q毎の和を算出する。IQ統合部165では、IQそれぞれの加算結果を統合し、複素信号に変換して時間領域のシンボル同期ずれ補正後の信号S7を得る。
【0094】
図16及び
図17は補正係数選択部161における補正係数の選択処理を説明する図である。
図16は位相誤差の傾きと残留シンボル同期ずれ補正値との関係を示す図、
図17は補正係数の選択例を示す図である。
図16において、横軸は位相誤差の傾きを、縦軸は残留シンボル同期ずれ補正値を示している。
図16に示す直線関数166が、位相誤差の傾き+π/64〜−π/64に対して一対一に対応する残留シンボル同期ずれ補正値−1〜+1を表す。例えば、位相誤差の傾きS4aが図中の黒丸に示す値a1の場合、直線関数166に対応する残留シンボル同期ずれ補正値は、図中の白丸に示す値ca1となる。補正係数選択部161は、位相誤差の傾きから対応する残留シンボル同期ずれ補正値を取得する。
【0095】
そして、補正係数選択部161は、例えば
図17に示すsinc関数の係数をタップ係数として用い、位相誤差の傾きに対応する残留シンボル同期ずれ補正値から、各タップの補正係数を選択する。
図17において、横軸は各タップに対応するタップ番号、縦軸はsinc関数の値(補正係数)を示している。
【0096】
図17の例では、残留シンボル同期ずれ補正値が0の場合、シンボル同期ずれが0のため、図中の黒丸の値ha0、すなわち中央が「1」でその他が「0」の値を補正係数として選択する。残留シンボル同期ずれ補正値が0.2(シンボル同期ずれが−0.2)の場合、補正値0から+0.2(図のマークで右に2つ分)だけずれた値(図中の黒四角の値)ha2を補正係数として選択する。
【0097】
上記のようなフィルタを用いて、時間領域の受信信号を通過させて同期補正を行うことにより、時間領域における残留シンボル同期ずれの補正が可能である。なお、残留シンボル同期ずれの値などに応じて、フィルタ係数を調整してもよい。
【0098】
実施の形態5においても、実施の形態1と同様の機能を実現でき、高速伝送を行う無線通信システムにおいてもヘッダを正しく復調できる。
【0099】
実施の形態5では、時間領域において残留シンボル同期ずれ補正と残留キャリア周波数オフセット補正とを行うことにより、残留シンボル同期ずれについても残留キャリア周波数オフセットと共にヘッダ先頭から補正できる。よって、残留シンボル同期ずれによる位相誤差補正をより早いタイミングで実施できる。
【0100】
(実施の形態6)
図18は、本開示の実施の形態6における無線通信装置の受信部の構成を示すブロック図である。実施の形態6の無線通信装置は、実施の形態5の構成に対し、時間領域残留シンボル同期ずれ補正部16と残留キャリア周波数オフセット補正部12の順序を入れ替え、残留キャリア周波数オフセット補正部12を前段に配置した例である。その他の構成は前述した実施の形態5と同様である。
【0101】
実施の形態6においても、実施の形態5と同様の機能を実現でき、高速伝送を行う無線通信システムにおいてもヘッダを正しく復調できる。
【0102】
実施の形態6では、残留キャリア周波数オフセット補正部12におけるCORDIC部などの演算誤差を考慮し、先に残留キャリア周波数オフセットの補正を行うことで、残留シンボル同期ずれ補正の精度を向上できる。
【0103】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0104】
上記各実施形態では、本開示を、ハードウェアを用いて構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現可能である。
【0105】
また、上記各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、各機能ブロックの一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0106】
また、集積回路化の手法にはLSIに限らず、専用回路または汎用プロセッサを用いて実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内部の回路セルの接続、設定が再構成可能なリコンフィグラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0107】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、別技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0108】
なお、本開示は、無線通信装置において実行されるキャリア周波数オフセット補正方法として表現することが可能である。また、本開示は、キャリア周波数オフセット補正方法を実行する機能を有する装置としてのキャリア周波数オフセット補正装置、あるいはキャリア周波数オフセット補正方法またはキャリア周波数オフセット補正装置をコンピュータにより動作させるためのプログラムとして表現することも可能である。すなわち、本開示は、装置、方法及びプログラムのうちいずれのカテゴリーにおいても表現可能である。