特許第5871848号(P5871848)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871848
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】建築用型枠材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/77 20060101AFI20160216BHJP
   B29C 45/00 20060101ALI20160216BHJP
   B29C 45/27 20060101ALI20160216BHJP
   E04G 9/10 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   B29C45/77
   B29C45/00
   B29C45/27
   E04G9/10 A
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-66083(P2013-66083)
(22)【出願日】2013年3月27日
(65)【公開番号】特開2014-188826(P2014-188826A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2015年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】599154401
【氏名又は名称】株式会社マルソウ
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(72)【発明者】
【氏名】山岸 雄治
【審査官】 越本 秀幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−184303(JP,A)
【文献】 特開2008−019355(JP,A)
【文献】 特開2002−357885(JP,A)
【文献】 特開2010−138337(JP,A)
【文献】 特開2009−084303(JP,A)
【文献】 特開2004−346482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00−45/84
B29C 47/00−47/96
E04G 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
古紙と熱可塑性樹脂材とで製造する建築用型枠材の製造方法において、粉砕機により30μm〜70μmの粒子状に粉砕された50重量%の古紙と、48重量%の熱可塑性樹脂と、2重量%の滑材及び酸化防止剤とがホッパ内で混合され、シリンダ内で摂氏145〜160度にて加熱溶融し、加圧力20〜50Kg/cm2で金型内に加圧注入後、15秒〜30秒間保圧することを特徴とする建築用型枠材の製造方法。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂をポリプロピレンとし、前記滑材をステアリン酸カルシウムとし、前記酸化防止剤をフェノールの酸化防止材とする請求項1記載の建築用型枠材の製造方法。
【請求項3】
前記建築用型枠材はサイドゲート射出成形によって面木、目地棒等の建築用型枠材を成形する請求項1記載の建築用型枠材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に面木や目地棒等の建築用型枠材を古紙と熱可塑性樹脂材とで製造する建築用型枠材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、焼却処分をしても塩素系有害ガスを発生させず、環境負荷が少なくなる面木、目地棒等の建築用型枠材の製造方法が特許文献1に記載されている。
【0003】
この製造方法によると、20〜200メッシュパスとなるまで、粉砕された天然パルプ、粉砕された非塗工紙及び粉砕された非塗工古紙のうち少なくとも一種類からなる繊維材料の含有率が51〜80重量%となるように該繊維材料と熱可塑性樹脂と相溶化剤、酸化防止剤又はその両方とを配合した樹脂繊維複合組成物のペレットを用いて、押出機のスクリュ部全体を減圧下で加熱溶融混練せしめながらダイから押出し成形するものである。
【0004】
すなわち、パルプ等と熱可塑性樹脂とを混練することで、紙と同様に焼却することができ、その焼却時に有害ガスや黒煙を発生せず、しかも焼却炉を傷めにくいというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3854503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の製造方法では、紙と同様に焼却することが可能になるが、押出し成形するものであるから、成形可能な製品は直線的な製品に限定される不都合があった。そのため、例えば、L字型の面木の成形や、建築用型枠材に釘穴等を予め形成することなどは不可能であった。
【0007】
また、従来の製造方法において、熱可塑性樹脂に混合する繊維素材として古紙を利用する場合、利用可能な古紙は非塗工古紙に限られるものであった。この塗工紙とは表面に塗料を塗布した紙材で、主に印刷に用いられる。ところが、古紙を利用する場合、この表面に塗布した塗料が不純物として混入するため、従来の製造方法で利用可能な古紙は非塗工古紙に限られていた。
【0008】
しかも、古紙にはこのような塗料のみならず、様々な成分が混合されていることが多く、熱可塑性樹脂に混合する繊維素材として、古紙は使用されることが極めて少ないのが現状であった。
【0009】
そこで本発明は上述の課題を解消すべく創出されたもので、古紙と熱可塑性樹脂とを混合して面木や目地棒等の建築用型枠材を成形する際に、古紙のみを使用して釘穴等を予め形成することが可能な建築用型枠材の製造方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成すべく本発明における第1の手段は、古紙と熱可塑性樹脂材とで製造する建築用型枠材の製造方法において、粉砕機により30μm〜70μmの粒子状に粉砕された50重量%の古紙と、48重量%の熱可塑性樹脂と、2重量%の滑材及び酸化防止剤とがホッパ1内で混合され、シリンダ2内で摂氏145〜160度にて加熱溶融し、加圧力20〜50Kg/cm2で金型4内に加圧注入後、15秒〜30秒間保圧することにある。
【0011】
第2の手段は、前記熱可塑性樹脂をポリプロピレンとし、前記滑材をステアリン酸カルシウムとし、前記酸化防止剤をフェノールの酸化防止材とするものである。
【0012】
第3の手段において、前記建築用型枠材はサイドゲート射出成形によって面木、目地棒等の建築用型枠材を成形する製造方法にある。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明により、射出成形が可能になったことから、古紙と熱可塑性樹脂とを混合して面木や目地棒等の建築用型枠材を成形する際に、古紙のみを使用して釘穴等を予め形成することができる。しかも、30μm〜70μmの粒子状に粉砕された古紙を使用するので、非塗工古紙に限られることなく、あらゆる古紙を再利用することができる。
【0016】
また、前記金型内に加圧注入後、15秒〜30秒間保圧する射出成形方法により、これまで押し出し成形ではできなかったあらゆる型枠の成形が可能になる。
【0017】
請求項2により、燃焼時のガス中に一酸化炭素及び二酸化炭素が検出されず、紙と同様に焼却することができる。この結果、木製コンクリートパネルと分別回収することなく焼却することができる。
【0018】
請求項3のごとく、前記建築用型枠材はサイドケーと射出成形によって面木、目地棒等の建築用型枠材を成形する製造方法によると、肉厚の建築用型枠材に釘穴等の成形が可能になるので、各種の建築用型枠材の成形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明製造方法で使用する装置の一実施例を示す概略側断面図である。
図2】本発明の射出成形方法の一実施例を示す概略平面図である。
図3】本発明製造方法で成形した面木の一実施例を示す要部断面図である。
図4】本発明製造方法で成形した面木の他の実施例を示す斜視図である。
図5図4に示す面木の要部断面図である。
図6】本発明製造方法で成形した面木の他の実施例を示す斜視図である。
図7】本発明製造方法で成形した面木の他の実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明によると、古紙と熱可塑性樹脂材とで製造する建築用型枠材の製造方法において、古紙のみを使用して釘穴等を予め形成することが可能になるなどといった当初の目的を達成した。
【0023】
以下、本発明の実施例を説明する。本発明は、古紙と熱可塑性樹脂材とで建築用型枠材を製造する方法にある。本発明において、建築用型枠材とは、面木、目地棒等の型枠材とし、本発明は、これらの型枠材を古紙と熱可塑性樹脂材とで製造する方法を提供する。
【0024】
古紙は、粉砕機により30μm〜70μmの粒子状に粉砕する。一方、熱可塑性樹脂材としてポリプロピレンを選択する。古紙の粒子がこの範囲内にあるときが、ゲート口で詰まらずに射出成形することが可能になる。そして、50重量%の古紙と、48重量%のポリプロピレンと、2重量%の滑材及び酸化防止剤とをホッパ1内で混合する。
【0025】
このとき、熱可塑性樹脂材としてポリプロピレンを選択した場合の滑材はステアリン酸カルシウムとし、酸化防止剤をフェノールの酸化防止材とする。
【0026】
次に、加熱したシリンダ2内で摂氏145〜160度にて加熱溶融する。このとき、摂氏145度以下ではポリプロピレンが溶融せず、摂氏160度以上の場合は粒子状の古紙が変色したり焦げ付いたりする。
【0027】
最後に加熱溶融した材料をノズル3から金型4に射出して所定の建築用型枠材を成形する。この際、加圧力を20〜50Kg/cm2に設定する。すなわち、加圧力が20Kg/cm2以下の場合は、製品に変形が生じやすくなり、50Kg/cm2以上の場合は金型4の破壊につながり易くなる。
【0028】
また、金型4内に加圧注入した後は、15秒〜30秒間保圧する必要がある。保圧時間が15秒以下の場合、コア層が冷えきらず硬化しない。また、保圧時間が30秒以上になると、ゲートが冷えてしまうので、それ以上の保圧効果はない。
【0029】
【表1】
表1は、本発明で成形した建築用型枠材の物性を示すものである。本発明の実施例1、2、3は、いずれも粉砕機により30μm(実施例1)、50μm(実施例2)、70μm(実施例3)に粉砕した古紙を使用したものである。このとき、加熱溶融温度は摂氏150度、加圧力は35Kg/cm2で20秒間保圧したものである。
【0030】
通常のポリプロピレンでは、燃焼時に一酸化炭素や二酸化炭素の排出が確認されるが、本発明で成形した実施例1〜3は、いずれも通常のポリプロピレンよりも排出量は少なくなる。また、物性項目MFRは、射出成形する際の流れ易さを示すもので、通常の射出成形に好適なのは、0.5〜50g/10minの範囲とされている。実施例1〜3は、いずれも射出成形に好適な範囲になっている。
【0031】
図2は、サイドゲート5からの射出成形によって面木10を成形した状態を示している。図示例では、4本のランナー6にて4個取りの金型で成形したもので、予め貫通孔11まで成形することが可能である。
【0032】
次に、本発明製造方法により成形した面木10の実施例を説明する。図3図7は、本発明で成形した面木10の形状を示している。いずれの面木10も、断面が直交した直角側面12Aと斜め側面12Bとで成す枠材12にて形成された面木10である。そして、枠材12の斜め側面12Bから直角側面12Aのいずれか又は両方に向けて、釘や木ネジを貫通せしめる貫通孔11を開穿している。
【0033】
すなわち、図3は、図2に示すサイドゲート射出成形にて成形した面木10の要部断面を示している。図示例では、枠材12がL字形状を成した面木10であり、それぞれの長手方向に沿って2個の貫通孔11が形成されている。この貫通孔11は、斜め側面12Bから各直角側面12Aに向けて一対形成したものである。
【0034】
図4及び図5は、枠材12をL字形状に形成し、内側に直角側面12Aを有する面木10を示している(図4参照)。そして、斜め側面12Bから各直角側面12Aに向けて一対の貫通孔11を形成している(図5参照)。
【0035】
図6は、枠材12をL字形状に形成し、内側に斜め側面12Bを有する面木10を示している(図4参照)。そして、斜め側面12Bから各直角側面12Aに向けて一対の貫通孔11を形成している。
【0036】
図7は、枠材12をY字形状に形成した面木10を示している。そして、枠材12の長さに応じて貫通孔11の位置や数を変更したものである。図示例では、内側に斜め側面12Bを有する面木10を示しているが、内側に直角側面12Aを有するように形成することも可能である。このように、枠材12の形状や貫通孔11の数や位置なども任意に設定することが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 ホッパ
2 シリンダ
3 ノズル
4 金型
5 サイドゲート
6 ランナー
10 面木
11 貫通孔
12 枠材
12A 直角側面
12B 斜め側面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7