(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プランジャロッドおよび鍔部材を具備する、皮下投与用プレフィルドシリンジタンパク質溶液製剤の製造方法であって、タンパク質がエリスロポエチン、G−CSFまたは抗体であり、プランジャロッド締付手段を有する組付け装置により、プレフィルドシリンジの製造段階でプランジャロッドを装着することを特徴とし、前記プランジャロッド締付手段が、仮止めプランジャロッド締付手段と、その下流に位置する本締めプランジャロッド締付手段とから構成される、上記製造方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明に従うプランジャロッドを備えたプレフィルドシリンジタンパク質溶液製剤について説明する。
プランジャロッド付きシリンジ製剤の構成
まず、
図1〜
図4を参照して、プランジャロッド付きシリンジ製剤の一例について説明する。
図1は、プランジャロッド付きシリンジ製剤の一形態を一部切り欠いて示す断面図であり、
図2は、
図1のシリンジ製剤のシリンジを示す断面図であり、
図3は、
図2のシリンジに装着される鍔部材を示す斜視図であり、
図4は、
図2のシリンジに取り付けられるプランジャロッドを示す正面図である。
【0028】
図1及び
図2を参照して、図示のシリンジ製剤2は、薬液4が充填されたシリンジ6を具備している。シリンジ6は、薬液が充填されるバレル8を備え、このバレル8は、例えばガラスから形成される。バレル8は筒状部10を有し、この筒状部10の一端部(先端部)にはルアーテーパ部12が設けられている。ルアーテーパ部12は、先端に向けて外径が漸減され、先細に形成されている。このルアーテーパ部12には、例えばゴムから形成される密封部材14が装着されている。密封部材14には円筒状部16が設けられ、この円筒状部16には凹部18が形成され、この凹部18にバレル8のルアーテーパ部12の先端部が挿入され、このようにしてルアーテーパ部12の先端部が密封部材14によって密封される。ルアーテーパ部12には、また、ロック筒20が装着されている。ロック筒20の内周面には雌ねじが形成されている。このロック筒20は、例えば合成樹脂から形成される。筒状部10の他端部外周面には、半径方向外方に突出する環状フランジ22が設けられている。また、バレル8の筒状部10内には、ガスケット21が装着されている。ガスケット21は、例えばゴムから形成され、バレル8の後端側を密封する。このガスケット21の外面には、軸線方向(
図1及び
図2に置いて左右方向)に内側に向けて延びる雌ねじ23が形成されている。
【0029】
このシリンジ6のフランジ22には、
図3に示す鍔部材24が装着される。図示の鍔部材24は、間隔を置いて配設された一対の鍔部26,28を有し、これら鍔部26,28の両側部が接続部30,32を介して接続され、一対の鍔部26,28の間にスロット34が形成されている。この形態では、一対の鍔部26,28は横に細長い略六角形状であり、一方の鍔部28(
図3において左側の鍔部)の略中央部には円形状の開口36が形成され、他方の鍔部26にはその下端から上方に向けて逆U字状の切り欠き38が形成されている。切り欠き38は上記開口36よりも大きく、このように切り欠き38を形成することによって、一方の鍔部28の下端部は、他方の鍔部26よりも下方に突出している。この鍔部材24は、例えば合成樹脂の一体成形によって形成される。
【0030】
また、シリンジ6のガスケット21には、
図4に示すプランジャロッド40が装着される。プランジャロッド40は断面が十字状の軸部42を有し、この軸部42の一端部に円形端部44が設けられ、この円形端部44の外面に軸線方向(
図4において左右方向)に延びる雄ねじ46が設けられている。軸部42の他端部には円形状の押圧部48が設けられ、この押圧部48の外径は円形端部44よりも大きい。このようなプランジャロッド40は、例えば合成樹脂の一体成形により形成される。
【0031】
鍔部材34は、一対の鍔部26,28間のスロット34にバレル8のフランジ22を挿入することによって装着される。また、プランジャロッド40は、その雄ねじ46をシリンジ6のガスケット21の雌ねじの螺合することによって、シリンジ6に取り付けられ、このように鍔部材24及びプランジャロッド40を取り付けることによって、
図1に示す通りのプランジャロッド付きシリンジ製剤2を組み付けることができる。このようなシリンジ製剤2では、シリンジ6から密封部材14を外し、そのルアーテーパ部10に注射針(図示せず)を取り付けることによって注射器として完成する。注射針の針基リムの外周面には雄ねじが形成され、この針基リムの雄ねじをロック筒20の雌ねじに螺着することによって、注射針がシリンジ製剤2に取り付けられる。この注射器では、シリンジ6のフランジ22に装着された鍔部材24が指掛部として機能し、この鍔部材24に指を掛けてプランジャロッド40の押圧部48を押圧することによって、シリンジ6内の薬液4が注射針から注出される。また、この鍔部材24は、シリンジ6のバレル8からガスケット21が外れるのを防止している。
【0032】
このようなシリンジ製剤2の製剤例としては、静脈内投与用、筋肉内投与用、皮下投与用、臓器内直接投与用等が挙げられ、また、バレル8内に充填される薬液としては、各種疾病の治療又は診断に用いる薬液、リンゲル液、生理的に許容し得る各種栄養剤などを挙
げることができる。
【0033】
シリンジ製剤2の組付装置の概要
次に、
図5を参照して、図示の実施形態の組付装置の概要を説明する。
図5は、組付装置の概略を示す平面図である。この組付装置では、まず、
図2に示すシリジン6に
図3に示す鍔部材24を装着し、しかる後
図4に示すプランジャロッド40を取り付け、このようにしてプランジャロッド付きシリンジ製剤2を自動で組み付ける。
【0034】
図示の組付装置(本発明のプランジャロッド付きシリンジ製剤を組み付けるための組付装置であって、本発明に従うプランジャロッド付きシリンジ製剤の製造方法を実施するための組付装置の一実施形態)は、矢印102で示す所定方向に回転駆動される回転テーブル104を備えている。この回転テーブル104の外周部には、周方向に実施上等間隔(30度の間隔)を置いてシリンジ保持手段106が設けられている。回転テーブル104の周囲には、矢印102で示す回転方向に見て、シリンジ供給域A、シリンジ検出域B、鍔部材装着域C、鍔部材検出域D、アイドル域E、プランジャロッド挿入域F、プランジャロッド検出域G、第1のプランジャロッド締付域H、第2のプランジャロッド締付域I、プランジャロッド締付確認域J、シリンジ排出域K及びシリンジ排出確認域Lがこの順序で設けられており、回転テーブル104に設けられたシリンジ保持手段106は、これらの作業域A〜Lを通して移動され、各作業域A〜Lにおいて所定の作業を行う間、回転テーブル104の回転が一時的に停止する。
【0035】
シリンジ供給域Aに関連して、シリンジ供給手段108が設けられ、
図2に示す通りのシリンジ6がシリンジ供給手段108によって矢印110で示す方向に供給され、かく供給されたシリンジ6が、図示しない供給アームによってシリンジ供給域Aに位置するシリンジ保持手段106に供給される。シリンジ検出域Bには、シリンジ検出手段168が設けられている。シリンジ検出手段168は、シリンジ保持手段106にシリンジ6が保持されているか否かを検出する。鍔部材装着域Cには、後述する鍔部材装着手段112(
図8〜
図13参照)が設けられ、鍔部材装着手段112は、鍔部材24(
図3参照)を供給するための鍔部材供給手段114を含んでいる。鍔部材供給手段114は鍔部材24を鍔部材装着域Cに向けて供給し、鍔部材装着手段112は、後述する如くして鍔部材24を、鍔部材装着域Cに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6のフランジ22(
図1、
図2参照)に装着する。鍔部材検出域Dには、鍔部材検出手段170が設けられている。鍔部材検出手段170は、シリンジ6のフランジ22に鍔部材24が装着された否かを検出する。アイドル域Eには作業手段、検出手段等が設けられてなく、このアイドル域Eにおいてシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6に作業等が行われることはない。このアイドル域Eは、省略してもよい。
【0036】
プランジャロッド挿入域Fには、プランジャロッド挿入手段116(
図14〜
図17)が設けられ、プランジャロッド挿入手段116は、プランジャロッド供給手段118を含んでいる。プランジャロッド供給手段118はプランジャロッド40(
図4参照)をプランジャロッド挿入域Fに向けて供給し、プランジャロッド挿入手段116は、後述する如くしてプランジャロッド40の先端部を、プランジャロッド挿入域Cに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6の後端部内に挿入する。プランジャロッド検出域Gには、プランジャロッド検出手段(図示せず)が設けられている。プランジャロッド検出手段は、シリンジ6の後端部内にプランジャロッド40の先端部が装着された否かを検出する。
【0037】
第1のプランジャロッド締付域Hには、仮締めプランジャロッド締付手段120(
図18及び
図19参照)が設けられている。仮締めプランジャロッド締付手段120は、第1のプランジャロッド締付域Hに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6
のプランジャロッド40を後述する如く保持して回転し、このプランジャロッド40をシリンジ6のガスケット21(
図1及び
図2参照)に仮締付けする。次の第2のプランジャロッド締付域Iには、本締めプランジャロッド締付手段122(
図18及び
図19参照)が設けられ、かかる本締めプランジャロッド締付手段122の構成は、上記仮締めプランジャロッド締付手段120と実質上同一である。本締めプランジャロッド締付手段122は、第2のプランジャロッド締付域Iに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6のプランジャロッド40を回転し、このプランジャロッド40をシリンジ6のガスケット21(
図1及び
図2参照)に本締付けする。この形態では、プランジャロッド締付域を第1及び第2のプランジャロッド締付域H,Iの二つの作業域から構成し、これらの領域H,Iに対応して、仮締めプランジャロッド締付手段120及び本締めプランジャロッド締付手段122を設けているが、これに代えて、一つのプランジャロッド締付域を設け、このプランジャロッド締付域にプランジャ締付手段を設け、単一のプランジャロッド締付手段によってプランジャロッドを仮締めした後に本締めするようにしてもよい。
【0038】
プランジャロッド締付確認域Jには、図示しないプランジャロッド締付確認手段が設けられている。プランジャロッド締付確認手段は、シリンジ6のガスケット21に螺合されたプランジャロッド40の押圧部48(
図1参照)の位置を検出してプランジャロッド40の締付状態を確認する。シリンジ排出域Kには、シリンジ排出手段124が設けられている。回転テーブル104の回転によってシリンジ排出域124まで移動されたシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6(この排出域Kまで移動されると、鍔部材24及びプランジャロッド40が装着されてシリンジ製剤2として完成している)は、排出アーム(図示せず)によってシリンジ排出手段124に移送され、シリンジ排出手段124によって矢印126で示す方向に排出される。また、シリンジ排出確認域Lにはシリンジ排出検出手段178が設けられている。このシリンジ排出検出手段178は、シリンジ排出検出域Lに位置するシリンジ保持手段106にシリンジ6(シリンジ製剤2)が残存していないか否かを検出する。
【0039】
このように回転テーブル104が間欠的に一回転する間に、シリンジ6に鍔部材24が装着され、しかる後プランジャロッド40が取り付けられる。尚、シリンジ検出手段168、鍔部材検出手段170、プランジャロッド検出手段(図示せず)及びシリンジ排出検出手段178は、例えば、発光素子と受光素子との組み合わせからなるセンサを用いることができ、またプランジャロッド締付確認手段(図示せず)は、例えば、レーザ測定装置を用いることができる。
【0040】
この実施形態では、明確に図示していないが、シリンジ保持手段106には、間隔を置いて3つの保持受部132(例えば
図6にそれらの一つを示す)が設けられている。従って、各作業域A〜Lにおいて、シリンジ保持手段106の各保持受部132に保持されたシリンジ6に対して、各作業域A〜Lに対応した上述した作業が同時に行われ、回転テーブル104が一回転する間にプランジャロッド付きシリンジ製剤2が三つ組み付けられる。尚、以下の各作業域における説明では、シリンジ保持手段106の一つの保持受部132に保持されたシリンジ6に関連して行う。このシリンジ保持手段106に設ける保持受部132の数は適宜設定することができ、1個又は2個、或いは4個以上でもよく、その数が多くなるに従って装置は大型化するが、同時に組付できる数が増大する。
【0041】
回転テーブル104及びそれに関連する構成
次に、
図6及び
図7を参照して、回転テーブル104及びそれに関連する構成について説明する。
図6は、組付装置の回転テーブル及びその近傍を、昇降テーブルが下降位置にあるときの状態で示す断面図であり、
図7は、昇降テーブルが上昇位置にあるときの状態を示す、
図6に対応する断面図である。
【0042】
図示の組付装置は装置本体142を備え、この装置本体142の上部に駆動ユニット144が取り付けられている。駆動ユニット144はリング状の連結支持部材146を含み、この連結支持部材146が駆動ユニット144の入力軸149に駆動連結されている。装置本体142には駆動モータ148が設けられ、この駆動モータ148の出力軸が駆動ベルト151を介して上記入力軸149に駆動連結されている。回転テーブル104は、半径方向内側に位置する内側取付部材150と、半径方向外側に位置する外側フランジ部材152から構成され、外側フランジ部材152の内周部が内側取付部材150の外周部に、複数個の固定用ボルト154によって固定されている。そして、内側取付部材150が連結支持部材146に固定され、外側フランジ部材152の外周部の上面に、周方向に間隔を置いて上記シリンジ保持手段106が装着されている。従って、駆動モータ148が付勢されると、その回転駆動力が連結支持部材146を介して回転テーブル104に伝達され、この回転テーブル104が矢印102(
図5)で示す方向に回転駆動される。
【0043】
回転テーブル104の上方には、昇降テーブル156が配設されている。
図5もを参照して、この昇降テーブル156には、放射状に半径方向外方に延びる第1〜第5の突出部158,160,162,164,166が設けられている。第1の突出部158はシリンジ検出域Bに向けて延び、その先端部にはシリンジ検出手段168が配設されている。第2の突出部160は鍔部材検出域Dに向けて延び、その先端部には鍔部材検出手段170が設けられている。第3の突出部162はプランジャロッド挿入域Fに向けて延び、その先端部には、後述する浮上防止手段172が設けられている。また、第4の突出部164は第1及び第2のプランジャロッド締付域H,Iに向けて延び、その先端部の片側部(
図5において右側部)には前記第1のプランジャロッド締付域Hに対応して第1のシリンジ押圧手段174が設けられ、その先端部の他側部(
図5において左側部)には第2の前記第2のプランジャロッド締付域Iに対応して第2のシリンジ押圧手段176が設けられている。更に、第5の突出部166はシリンジ排出確認域Lに向けて延び、その先端部にはシリンジ排出検出手段178が設けられている。
【0044】
主として
図6を参照して、装置本体142には円筒スリーブ体180が取り付けられ、この円筒スリーブ体180の上端部に支持スリーブ182が固定されている。昇降テーブル156の中央部には環状部材184及びスリーブ186を介して昇降軸188の上端部が固定され、かかる昇降軸188が滑り軸受190を介して支持スリーブ182に昇降動自在に支持されている。昇降軸188の他端側は、支持スリーブ182及び円筒スリーブ体180の内側を通って下方に延び、その下端部は、昇降動させるためのカム手段(図示せず)に連結されている。
【0045】
かく構成されているので、各作業域A〜Lにおいて所定の作業を行うとき、カム手段(図示せず)によって昇降テーブル156が下降され、回転テーブル104に近接する下降位置(
図6)に位置付けられ、これによってシリンジ検出手段168、鍔部材検出手段170、浮上防止手段172、第1のシリンジ押圧手段174、第2のシリンジ押圧手段176及びシリンジ排出検出手段178は、回転テーブル104に近接する位置に位置付けられる。
【0046】
回転テーブル104に設けられたシリンジ保持手段106は、矩形状の受けブロック192を備え、この受けブロック192の上面に保持受部132が間隔を置いて3つ設けられている。各保持受部132は略V字状の凹部から構成され、シリンジ6は、その筒状部10の両端部が保持受部132に支持されて実質上水平な状態に保持される。この保持状態においては、シリンジ6の先端側、即ち密封部材14及びロック筒20が装着された側が半径方向内側に位置し、シリンジ6の後端側が半径方向外側に位置する。
【0047】
昇降テーブル156が下降位置にあるとき、
図5及び
図6から理解される通り、第1の
シリンジ押圧手段174が後述する如くして第1のプランジャロッド締付域Hに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6を弾性的に押圧し、また、第2のシリンジ押圧手段176が第2のプランジャロッド締付手段Iに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6を弾性的に押圧し、従って第1及び第2のプランジャロッド締付域H,Iのシリンジ6が押圧保持される。また、浮上防止手段172がプランジャロッド挿入域Fに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6の幾分上方に位置し、後述する如くしてシリンジの浮き上がりを防止する。更に、シリンジ検出手段168、鍔部材検出手段170及びシリンジ排出検出手段178が下方に移動し、シリンジ検出手段168によるシリンジ6の検出、鍔部材検出手段170によるシリンジ6に装着された鍔部材24の検出及びシリンジ排出検出手段178によるシリンジ6の排出の検出が可能となる。
【0048】
一方、シリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6を次の作業域に移動するとき、カム手段(図示せず)によって昇降テーブル156が上昇され、回転テーブル104から上方に離隔する上昇位置(
図7)に位置付けられ、これによってシリンジ検出手段168、鍔部材検出手段170、浮上防止手段172、第1のシリンジ押圧手段174、第2のシリンジ押圧手段176及びシリンジ排出検出手段178は、回転テーブル104から上方に離隔する位置に位置付けられる。
【0049】
昇降テーブル156が上昇位置にあるとき、
図7から理解される通り、第1のシリンジ押圧手段174が第1のプランジャロッド締付域Hに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6から上方に後退し、また、第2のシリンジ押圧手段176が第2のプランジャロッド締付手段Iに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6から上方に後退し、第1及び第2のシリンジ押圧手段174,176による押圧が解除される。また、浮上防止手段172、シリンジ検出手段168、鍔部材検出手段170及びシリンジ排出検出手段178が上方に後退する。従って、昇降テーブル156を上昇位置に位置付けることによって、回転テーブル104の矢印102で示す方向の回転が許容される。
【0050】
このようにシリンジ保持手段106によってシリンジ6を実質上水平状態に保持し、回転テーブル104に対して昇降テーブル156を昇降動自在とし、この昇降テーブル156に第1及び第2のシリンジ押圧手段174,176等を設けることによって、組付装置自体の構成の簡略化を図ることができる。
【0051】
鍔部材装着手段112及びそれに関連する構成
次いで、
図8〜
図13を参照して、組付装置の鍔部材装着手段及びそれに関連する構成について説明する。
図8は、組付装置の鍔部材装着手段及びその近傍を一部断面で示す断面図であり、
図9〜
図11は、鍔部材装着手段による鍔部材の装着動作を説明するための断面図であり、
図12は、鍔部材装着手段の鍔部材供給手段を示す側面図であり、
図13は、鍔部材供給手段の第1の切換シュートの切換動作を説明するための部分平面図である。
【0052】
図8を参照して、図示の鍔部材装着手段112は、旋回部材202と、この旋回部材202に対して相対的に回転自在である受け部材204とを備えている。装置本体142には旋回軸206が設けられ、この旋回軸206に旋回部材202が固定されている。受け部材204は、旋回軸206に回転自在に装着されている。旋回部材202と受け部材204との間には、偏倚手段を構成するコイルばね208が介在されている。この形態では、旋回部材202に突起210が設けられ、また受け部材204には凹部212が設けられ、コイルばね208の一端部が上記突起210に被嵌され、その他端部が凹部212に受け入れられている。このコイルばね208は受け部材204に作用し、
図8において時
計方向に弾性的に偏倚する。このことに関連して、更に、旋回部材202には、旋回阻止手段を構成する当接ねじ214が設けられている。当接ねじ214は旋回部材202の一部に螺合され、その先端部は受け部材204に向けて突出している。従って、当接ねじ214は受け部材204の一部に当接して
図8において時計方向の旋回動を阻止し、これによって旋回部材202と受け部材204とは、
図8に示す所定の角度位置関係に保持される。尚、旋回阻止手段としての当接ねじ214を受け部材204に設けるようにしてもよく、かかる場合、当接ねじ214は旋回部材202の一部に当接する。
【0053】
旋回部材202は、
図8に示す受け位置と、
図9〜
図11に示す装着位置との間を旋回自在に構成されている。かかる旋回部材202の旋回動は、例えば、図示していないカム手段、レバー部材等の組合せによって行われる。旋回部材202が上記受け位置にあるとき、鍔部材供給手段114からの鍔部材24の受け取りが行われ、旋回部材202が上記装着位置にあるとき、鍔部材24のシリンジ6のフランジ22(
図2参照)への装着が行われる。
【0054】
受け部材204には、先細に突出する薄いプレート状の保持部216が設けられている。この保持部216は、旋回部材202が上記受け位置にあるとき半径方向外方に向けて突出し、旋回部材202が装着位置にあるとき下方に向けて突出する。鍔部材24は、後述するように、受け部材204の保持部216に一時的に保持された後、シリンジ6のフランジ22に装着される。
【0055】
鍔部材装着手段112は、更に、鍔部材押圧手段218を備えている。装置本体142の一部には支持レール220が装着され、この支持レール220にスライダ222がスライド自在に装着されている。鍔部材押圧手段218は取付支持体224を備え、この取付支持体224がスライダ222に装着されている。取付支持体224には載置テーブル226が取り付けられ、受け部材204の保持部216に保持される鍔部材24は、この載置テーブル226上に載置される。また、取付支持体224には支持ブロック228が取り付けられ、この支持ブロック228に軸部材230が軸線方向にスライド自在に支持されている。軸部材230の一端部には、押圧部材232が装着されている。また、軸部材230の他端部は支持ブロック228を貫通して突出し、この突出端部に当接部材234が固定され、軸部材230を被嵌して押圧部材232と支持ブロック228との間にはコイルばね236が介在されている。かく構成されているので、コイルばね236は押圧部材232に作用して
図8において左方に、受け部材204に近接する方向に弾性的に偏倚し、当接部材234が支持ブロック228に当接することによって
図8に示す状態に保持される。この鍔部材押圧手段218は、支持レール220に沿って受け部材204に近接及び離隔する方向に
図8(
図9〜
図11)において左右方向に移動自在であり、図示しないカム手段によって
図8(及び
図10)に示す第1の位置と
図9に示す第2の位置との間を移動する。
【0056】
この鍔部材装着手段112による鍔部材24の装着は、次の通りに行われる。鍔部材供給手段114(これについては後述する)によって鍔部材装着域Cに供給された鍔部材24は、
図8に示すように、吸引搬送機構242の吸引部材244に吸引されて鍔部材押圧手段218の載置テーブル226上に搬送される。このとき、鍔部材押圧手段218は第1の位置に保持され、また旋回部材202は受け位置に保持され、受け部材204の保持部216は、載置テーブル226に向けて延びている。
【0057】
鍔部材24が載置されると、吸引搬送機構242の吸引部材244による吸引が解除され、鍔部材24が載置テーブル226上に載置された状態にて鍔部材押圧手段218が上記第1の位置から
図9に示す第2の位置まで移動される。かくすると、
図9に示す通り、鍔部材押圧手段218の押圧部材232が鍔部材24に作用してこれを受け部材204の
保持部216に被嵌し、鍔部材24がこの保持部216に一時的に保持される。このとき、鍔部材24は載置テーブル226の上面に沿って案内され、また押圧部材232の先端部上部には鍔部材24の浮き上がりを防止するための突起246が設けられているので、保持部216の保持が確実に行われる。尚、受け部材204と鍔部材24との間にに大きな負荷が作用すると、コイルばね236の弾性偏倚力に抗して押圧部材232及び軸部材230が
図9において右方に移動する。このようにして鍔部材24の受け部材204への保持が終了すると、鍔部材押圧手段218は、元の第1の位置に戻る。
【0058】
しかる後、旋回部材202が上記受け位置から
図10に示す装着位置に旋回される。かくすると、
図10に示す通り、受け部材204の保持部216が鍔部材装着域Cに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6の上方にて下方に向いて延び、この保持部216に保持された鍔部材24の短い鍔部26はシリンジ6のフランジ22に当接することなく通過するが、その長い鍔部28の下部がこのシリンジ6のフランジ22に当接し、受け部材204は、コイルばね208の弾性偏倚力に抗して旋回部材202に対して
図10において反時計方向に相対的に幾分回動される。従って、コイルばね208の弾性力が受け部材204及び鍔部材24を介してシリンジ6に伝達され、このシリンジ6はそのフランジ22が受けブロック192の一部に当接することによって、受けブロック192に対して所定の位置関係に位置付けられ、また鍔部材24は、その一方の鍔部28がシリンジ6のフランジ22に当接することによって、このシリンジ6に対して所定の位置関係に位置付けられ、シリンジ6及び鍔部材24をシリンジ保持手段106に対して所定の位置関係に正確に且つ確実に位置付けることができる。尚、受けブロック192には、シリンジ6のフランジ22に対応して、これを収容するための収容凹部250が設けられている。
【0059】
その後、
図11に示す通り、鍔部材24が受け部材204の保持部216から、鍔部材装着域Cに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6のフランジ22に装着される。鍔部材装着手段112は、更に、押圧装着部材252を備えている。この押圧装着部材252は、
図8(及び
図9、
図10)に示す後退位置と、
図11に示す装着位置との間を移動自在であり、例えばカム手段(図示せず)によってこれらの位置に移動される。鍔部材24を装着するときには、
図11に示す通り、押圧装着部材252が後退位置から装着位置に移動される。かくすると、その先端部が受け部材204の保持部216に保持された鍔部材24の鍔部26,28に作用して下方に移動し、この鍔部材24をシリンジ6のフランジ22に被嵌し、かくして、シリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6に鍔部材24が所要の通りに装着される。
【0060】
このようにして鍔部材24のシリンジ6への装着が行われる。この装着時に、シリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6の浮き上がりを防止するために、浮上防止手段254(
図8に示すが、
図9〜
図11では省略している)が設けられている。浮上防止手段254は、この形態では装置本体142側に設けられ、支持アーム256と、この支持アーム256の支持部258に上下方向に移動自在に支持された軸部材260とを備え、軸部材260の一端部には作用片262が装着され、その他端部には当接片264が装着され、支持アーム256の支持部258と作用片262との間に軸部材260を被嵌してコイルばね266が介在されている。かく構成されているので、作用片262はコイルばね266の作用によって下方に弾性的に偏倚され、当接片264が支持部258に当接することによって
図8に示す位置、即ち鍔部材装着域Cに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6の幾分上方に位置する。従って、シリンジ6が上方に浮き上がると浮上防止手段254の作用片262に当接し、これによってシリンジ6の浮き上がりを確実に防止することができる。尚、シリンジ6が作用片262に当接するとコイルばね266が幾分弾性変形し、これによって、当接の際の衝撃が弱められ、シリンジ6の破損等を回避することができる。
【0061】
図12及び
図13を参照して、鍔部材装着域Cに鍔部材24を供給するための鍔部材供給手段114について説明すると、図示の鍔部材供給手段114は、多数の鍔部材24が収容される鍔部材収容容器272(鍔部材供給源を構成する)と、鍔部材収容容器272からの鍔部材24を鍔部材装着域Cに送給するための鍔部材送給機構274とを備えている。鍔部材収容容器272は支持体276に装着され、この支持体276が装置本体142の一部に取り付けられている。鍔部材収容容器272には、図示していないが、収容された鍔部材24を一個ずつ送出するための送出手段が設けられ、この送出手段の作用によって鍔部材24が鍔部材収容容器272から送給される。
【0062】
図示の鍔部材送給機構274は、鍔部材24を送給するための第1の固定シュート278及び第1の切換シュート280と、鍔部材装着域Cに位置するシリンジ保持手段106の各保持受部132に対応して設けられた鍔部材送給手段282,284,286とを具備している。第1の固定シュート278は支持脚288,290を介して装置本体142に支持されている。また、第1の切換シュート280は、その上端部を中心として
図13に二点鎖線280Aで示す第1の角度位置から
図13に実線で示す第2の角度位置を通り
図13に二点鎖線280Bで示す第3の角度位置までの間を旋回自在に支持されている。この形態では、装置本体142に装着されたベース部材292と支持脚288に装着された支持フレーム294に軸受を介して旋回軸296が旋回自在に支持され、この旋回軸296の下端部にアーム298が固定され、かかるアーム298に、旋回軸296を旋回させるための駆動源、例えば空圧シリンダ機構(図示せず)が連結されている。また、旋回軸296の他端部には支持アーム300が固定され、この支持アーム300に支持接続部材302を介して第1の切換シュート280が取り付けられている。かく構成されているので、空圧シリンダ機構が伸縮することによってアーム298を介して旋回軸296が旋回され、これによって第1の切換シュート280は、旋回軸296を中心として(換言すると、この旋回軸296の上方に第1の切換シュート280の上端部が位置するので、その上端部を中心として)第1〜第3の角度位置の間を旋回する。この第1の切換シュート280の下流端部には、移動阻止部材281が阻止位置と許容位置との間を移動自在に設けられている。阻止位置にあるときには移動阻止部材281が第1の切換シュート280内に位置して鍔部材24の移動を阻止するが、許容位置に移動すると移動阻止部材281が第1の切換シュート281内から後退し、鍔部材24の下流側への移動を許容する。移動阻止部材281のこのような移動は、例えば空圧シリンダ機構(図示せず)によって行われる。
【0063】
各鍔部材送給手段282,284,286は実質上同一の構成であり、両側に位置する一対の案内部材304,306を備え、一対の案内部材304,306間に無端状搬送ベルト308が配設され、この搬送ベルト308が一対のローラ310(
図12及び
図13において一方にみ示す)間に巻き掛けられ、搬送ベルト308は、その上側部が矢印312(
図12参照)で示す方向に移動される。
【0064】
この形態では、第1の固定シュート278及び第1の切換シュート280は、
図12に示す通り、それらの下流側に向けて下方に傾斜して設けられ、これらシュート278、280にはその長手方向に延びる一つの案内凹部が設けられている。従って、鍔部材収容容器272から送出された鍔部材24は、第1の固定シュート278の案内凹部に案内されて下流側に送給され、更に第1の切換シュート280の案内凹部に案内されて下流側に送給され、かかる送給は、鍔部材24自体の自重を利用して行われる。
【0065】
第1の切換シュート280は旋回自在であり、
図13に示す第1の角度位置280Aに位置するとき、この第1の切換シュート280は第1の固定シュート278から片側(
図13において下側)に位置する鍔部材送給手段282に向けて延び、第1の固定シュート
278を通して移動する鍔部材243は、この第1の切換シュート280を通して鍔部材送給手段282に導かれ、その搬送ベルト308によって鍔部材装着域Cに向けて送給される。また、
図13に実線で示す第2の角度位置(又は二点鎖線280Bで示す第3の角度位置)に位置するとき、第1の切換シュート280は、第1の固定シュート278から中央(又は他側)に位置する鍔部材送給手段284(又は286)に向けて延び、第1の固定シュート278を通して移動する鍔部材243は、第1の切換シュート280を通して鍔部材送給手段284(又は286)に導かれ、その搬送ベルト308によって鍔部材装着域Cに向けて送給される。このように第1の切換シュート280を利用することによって、単一の鍔部材収容容器272から送出された鍔部材24を三つの鍔部材送給手段282,284,286に選択的に送給することができる。また、第1の切換シュート280においては鍔部材24の自重を利用しているので、切換シュート280の構成、従って鍔部材供給手段114の構成を簡単にすることができる。
【0066】
鍔部材送給手段282,284,286には、それぞれ、その下流側部に第1検出スイッチ(図示せず)が設けられ、その上流側部に第2検出スイッチ(図示せず)が設けられる。各第1検出スイッチは、対応する鍔部材送給手段282,284,286の搬送ベルト308上に保持された鍔部材24が少なくなるとこれを検知し、一方各第2検出スイッチは、対応する鍔部材送給手段282,284,286の搬送ベルト308上に保持された鍔部材24が多くなるとこれを検知する。例えば、鍔部材送給手段282(又は284,286)の第1検出手段(図示せず)が鍔部材24が少なくなったことを検知すると、第1の切換シュート280が第1の角度位置(又は第2の角度位置、第3の角度位置)に位置付けられた後に、第1の切換シュート280の移動阻止部材281が阻止位置から許容位置に位置付けられ、このようにして鍔部材収容容器272からの鍔部材24が第1の切換シュート280を通して鍔部材送給手段282(又は284,286)に送給される。また、このように鍔部材24が供給されて第2検出手段が鍔部材24が多くなったことを検知すると、移動阻止部材281が阻止位置に位置付けられ、これによって第1の切換シュート280からの鍔部材24の送給が停止する。このよにして3つの鍔部材送給手段282,284,286に対する鍔部材24の自動的供給が行われる。
【0067】
プランジャロッド挿入手段116及びそれに関連する構成
次に、
図14〜
図17を参照して、組付装置のプランジャロッド挿入手段116及びそれに関連する構成について説明する。
図14は、図示の組付装置のプランジャロッド挿入手段及びその近傍を一部切り欠いて示す断面図であり、
図15はプランジャロッドを挿入したときの状態を示す、
図14に対応する断面図であり、
図16は、プランジャロッド挿入手段のプランジャロッド供給手段を示す側面図であり、
図17は、プランジャロッド供給手段の第2の切換シュートの切換動作を説明するための部分平面図である。
【0068】
図14を参照して、図示のプランジャロッド挿入手段116は、プランジャロッド供給手段118(
図16及び
図17参照)に加えて、プランジャロッド40を一時的に保持するためのプランジャロッド保持手段322と、プランジャロッド保持手段322に保持されたプランジャロッド40を押圧して挿入するロッド押圧手段324とを備えている。プランジャロッド保持手段322は、装置本体142に装着された支持ロッド326と、この支持ロッド326の上端部に設けられた支持テーブル328を有し、支持テーブル328の上面に、プランジャロッド40を支持するロッド受部330が形成されている。このプランジャロッド保持手段322に関連して、プランジャロッド40を搬送する搬送アーム機構332が設けられ、プランジャロッド供給手段118によってプランジャロッド挿入域Fまで供給されたプランジャロッド40は、この搬送アーム機構332の保持部材334に保持されてプランジャロッド保持手段322の支持テーブル328のロッド受部330に載置され、プランジャロッド40は、その一端側(雄ねじ46側)がプランジャロッド挿入域Fに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6に対向して位置
する。
【0069】
また、ロッド押圧手段324は、プランジャロッド40を押圧する押圧ロッド336を備えている。装置本体142の一部には支持レール338が装着され、この支持レール338にスライダ340がスライド自在に装着され、このスライダ340に取付支持体342が取り付けられている。取付支持体342にはベース部材344が装着され、このベース部材344に支持ブロック346が取り付けられ、この支持ブロック346に滑り軸受348を介して上記押圧ロッド336の後端部が軸線方向にスライド自在に支持されている。押圧ロッド336の先端側はプランジャロッド保持手段322に向けて延び、その先端部が、装置本体142に取り付けられた支持ロッド350に滑り軸受352を介して軸線方向にスライド自在に支持されている。かく支持された押圧ロッド336には、更に、係止プレート354が固定され、この係止プレート354と滑り軸受348との間に一対のばね受け356を介してコイルばね358が介在されている。また、押圧ロッド336の後端部は滑り軸受348を貫通し、その後端面に当接片として機能するボルト360が螺着されている。更に、支持ブロック346には案内ロッド362が固定され、この案内ロッド362の先端部が係止プレート354の孔にスライド自在に受け入れられている。かく構成されているので、コイルばね358は係止プレート354に作用してこれと共に押圧ロッド336を
図14において左方に、プランジャロッド保持手段322に近接する方向に弾性的に偏倚し、ボルト360が滑り軸受348に当接することによって
図14に示す状態に保持される。このロッド押圧手段324は、支持レール338に沿ってプランジャロッド保持手段322に近接及び離隔する方向に
図14(
図15)において左右方向に移動自在であり、図示しないカム手段によって
図14に示す後退位置と
図15に示す挿入位置との間を移動される。
【0070】
この形態では、更に、押圧ロッド336の先端部に、これよりも細い作用ロッド364が設けられ、この作用ロッド364がプランジャロッド保持手段322に保持されたプランジャロッド40の押圧部48に作用するように構成されている。また、この押圧ロッド336の先端部の上端部に逆三角状の浮上防止片366が設けられている。この浮上防止片366は、作用ロッド364がプランジャロッド40に作用したときにこのプランジャロッド40の後端部が上方に浮き上がるのを防止する。
【0071】
更に、支持ブロック346には支持プレート368が装着され、この支持プレート368の先端部に検知センサ370が取り付けられている。検知センサ370は、例えば発光素子と受光素子の組合せからなるセンサから構成され、滑り軸受348の幾分後ろ側上方に配置される。後の説明から理解される通り、プランジャロッド40の先端部が、プランジャロッド挿入域Fに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6又はこれに装着された鍔部材24に当接して異常停止すると、コイルばね358の弾性偏倚作用に抗して作用ロッド364及び押圧ロッド336が支持ブロック346に対して相対的に
図14及び
図15において右方に移動し、これによって押圧ロッド336の後端部が滑り軸受348から後方に突出し、検知センサ370は、ボルト360又は押圧ロッド336の後端部を検出し、かく検出することによって、プランジャロッド40の先端部がシリンジ6に所要の通りに挿入されなかったことを検知する。
【0072】
次に、プランジャロッド挿入手段116によるプランジャロッド40の挿入動作について説明する。プランジャロッド供給手段118からのプランジャロッド40は、
図14に示す通り、プランジャロッド保持手段322の支持テーブル328のロッド受部332に載置される。
【0073】
次いで、
図15に示すように、カム手段(図示せず)の作用によって、ロッド押圧手段324が
図14の後退位置から
図15に示す挿入位置まで移動される。かくすると、スラ
イダ340の移動に伴って押圧ロッド336及び作用ロッド364が矢印372で示す方向に移動し、作用ロッド364の先端が支持テーブル328に載置されたプランジャロッド40の押圧部48に作用してこれを矢印372で示す方向に移動し、このようにしてプランジャロッド40がプランジャロッド挿入域Fに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6に向けて移動され、その先端部がシリンジ6の後端側に挿入される。このとき、プランジャロッド40の先端部は、鍔部材24の一方の鍔部28に形成された開口36を通して挿入されるので、かく挿入された後は、このプランジャロッド40によって、鍔部材24のシリンジ6からの離脱が確実に防止される。
【0074】
プランジャロッド挿入域Fに設けられた上記浮上防止手段172は、鍔部材装着手段112に関連して設けられた浮上防止手段254と実質上同様の構成であり、支持アーム376と、この支持アーム376に上下方向に移動自在に支持された軸部材378と、軸部材378の一端部に装着された作用片380と、軸部材378の他端部に装着された当接片382と、支持アーム376と作用片380との間に介在されたコイルばね384とを有し、支持アーム376が昇降テーブル156の第3の突出部162の下面に設けられている。かく構成されているので、シリンジ6が上方に浮き上がると浮上防止手段172の作用片380に当接し、これによってシリンジ6の浮き上がりが防止される。
【0075】
次に、
図16及び
図17を参照して、プランジャロッド挿入域Fにプランジャロッド40を供給するためのプランジャロッド供給手段118について説明する。このプランジャロッド供給手段118は、その基本的構造が上述した鍔部材供給手段114と略同一である。
【0076】
図示のプランジャロッド供給手段118は、多数のプランジャロッド40が収容されるロッド収容容器392(プランジャロッド供給源を構成する)と、ロッド収容容器392からのプランジャロッド40をプランジャロッド挿入域Fに送給するためのプランジャロッド送給機構394とを備えている。ロッド収容容器392は、図示していないが、装置本体142の一部に取り付けられ、送出手段(図示せず)によってプランジャロッド40がロッド収容容器392から送給される。
【0077】
図示のプランジャロッド送給機構394は、プランジャロッド40を送給するための第2の固定シュート396及び第2の切換シュート398と、プランジャロッド挿入域Fに位置するシリンジ保持手段106の各保持受部132に対応して設けられたプランジャロッド送給手段400,402,404とを具備している。第2の固定シュート396は支持脚406,407を介して装置本体142に支持されている。また、第2の切換シュート398は、その上端部を中心として
図17に二点鎖線398Aで示す第1の角度位置から
図17に実線で示す第2の角度位置を通り
図17に二点鎖線398Bで示す第3の角度位置までの間を旋回自在に支持されている。この形態では、装置本体142に装着されたベース体409に軸受を介して旋回軸408が旋回自在に支持され、この旋回軸408の下端部にアーム部材410が固定され、このアーム410に駆動源としての空圧シリンダ機構(図示せず)が連結されている。また、旋回軸408の他端部には支持アーム412及び支持接続部材414を介して第2の切換シュート398が取り付けられている。この第2の切換シュート398の下流端部には、第1の切換シュート280と同様に、移動阻止部材が阻止位置と許容位置との間を移動自在に装着され、例えば空圧シリンダ機構によって阻止位置と許容位置に選択的に位置付けられる。尚、各プランジャロッド送給手段400,402,404の構成は、上述した鍔部材送給手段282,284,286と実質上同一である。
【0078】
プランジャロッド送給機構394では、第2の固定シュート396は
図16において左から右に向けて下方に傾斜して延び、第2の切換シュート398は、
図16において右か
ら左に向けて下方に傾斜して延びている。従って、ロッド収容容器392から送出されたプランジャロッド40は、第2の固定シュート396に案内されて
図16において左から右に向けて下流側に送給され、更に第2の切換シュート398に案内されて
図16において右から左に向けて下流側に送給され、かかる送給は、プランジャロッド40の自重を利用して行われる。
【0079】
図17に二点鎖線398Aで示す第1の角度位置に位置するとき、第2の切換シュート398は片側のプランジャロッド送給手段400に向けて延び、第2の固定シュート396からのプランジャロッド40をプランジャロッド送給手段400に導く。また、
図17に実線で示す第2の角度位置(又は二点鎖線398Bで示す第3の角度位置)に位置するとき、第2の切換シュート398は、中央(又は他側)に位置するプランジャロッド送給手段402(又は404)に向けて延び、第2の固定シュート396からのプランジャロッド40をプランジャロッド送給手段402(又は404)に導く。このように、上述したプランジャロッド送給機構394においても、第2の切換シュート398を利用することによって、単一のロッド収容容器392から送出されたプランジャロッド40を三つのプランジャロッド送給手段400,402,404に選択的に送給することができる。尚、各プランジャロッド送給手段400,402,404へのプランジャロッド40の送給制御は、鍔部材24の鍔部材送給手段282,284,286への送給制御と同様に行うことができる。
【0080】
仮締めプランジャロッド締付手段120及びそれに関連する構成
次に、
図18及び
図19を参照して、図示の組付装置の仮締めプランジャロッド締付手段120及びそれに関連する構成について説明する。
図18は、仮締めプランジャロッド締付手段120及びその近傍を示す断面図であり、
図19は、仮締めプランジャロッド締付手段120によって仮締めした状態を示す、
図18に対応する断面図である。
【0081】
図18を参照して、図示の仮締めプランジャロッド締付手段120は、シリンジ6の後端側に挿入されたプランジャロッド40を回転保持するための回転保持手段412を備えている。図示の回転保持手段412は、外側スリーブ部材414と、この外側スリーブ部材414の内側にボールスプライン416を介して支持された回転軸418とを有し、回転軸418は外側スリーブ部材414と一体的に回転駆動するが、これに対して軸線方向(
図18及び
図19において左右方向)に相対的に移動自在である。
【0082】
外側スリーブ部材414は一対の軸受420を介して支持ブロック422に支持され、この支持ブロック422は取付支持体424に装着され、この取付支持体424がベース体426に取り付けられている。装置本体142の一部には支持レール428が取り付けられ、またベース体426にスライダ430が装着され、スライダ430が支持レール428にスライド自在に装着されている。かく構成されているので、図示していないカム手段によって、スライダ430は
図18に示す位置から
図19に示す位置まで第1のプランジャロッド締付域Hに位置するシリンジ保持手段106に対して近接及び離隔する方向に移動自在であり、これによって仮締めプランジャロッド締付手段120は、
図18に示す後退位置と
図19に示す締付位置との間を移動する。
【0083】
この形態では、外側スリーブ部材414の後端側は支持ブロック422を貫通して後方に突出し、この突出端部に駆動歯車432が固定されている。また、取付支持体424には、上方に延びる支持壁434が設けられ、この支持壁434に電動モータ436が取り付けられている。電動モータ436の出力軸438は支持壁434を貫通して突出し、この出力軸438の突出端部に出力歯車440が固定され、出力歯車440が駆動歯車432に噛合されている。かく構成されているので、電動モータ436が付勢されると、その回動力が出力軸438、出力歯車440、駆動歯車432、外側スリーブ部材414及び
ボールスプライン416を介して回転軸418に伝達され、この回転軸418が所定方向、即ちプランジャロッド40の雄ねじ46がシリンジ6のガスケット21の雌ねじ23に螺着する方向に回動される。
【0084】
回転軸418の先端部にはエアチャック手段442が装着されている。エアチャック手段442は半径方向に移動する複数の把持部材444を有している。回転軸418の内部には、その軸線方向に延びるエア流路446が形成され、このエア流路446は開閉弁448を介してエア供給源(図示せず)に接続されている。従って、開閉弁448が開状態となってエア供給源からの圧力空気が供給されると、エアチャック手段442はチャック状態となり、把持部材444が半径方向内方に移動してプランジャロッド40の後端部を把持する。
【0085】
また、エアチャック手段442と外側スリーブ部材414との間には、一対のばね受け450,452を介してコイルばね454が介在されている。このコイルばね454は、回転軸418を被嵌して装着され、回転軸418を
図18及び
図19において右方に、第1のプランジャロッド締付域Hに位置するシリンジ保持手段106に向けて弾性的に保持する。更に、回転軸418の後端部には当接リング456が固定されている。かく構成されているので、スライダ430が
図18に示す位置にあるとき、コイルばね454の弾性偏倚作用によって当接リング456が支持壁434に当接し、これによって回転軸418及びエアチャック手段442は
図18に示す位置に弾性的に保持される。
【0086】
次に、上述した仮締めプランジャロッド締付手段120による仮締め動作について説明する。プランジャロッド挿入域Fにおいてシリンジ6の後端側に挿入されたプランジャロッド40を仮締めするとき、まず、カム手段(図示せず)の作用によってスライダ430が
図18に示す位置から
図19に示す位置に位置付けられる。かくすると、
図19に示す通り、第1のプランジャロッド締付域Hに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6に挿入されたプランジャロッド40の後端部が、エアチャック手段442の把持部材444内に受け入れられ、その押圧部48が把持部材444の内突起460に当接することによって、コイルばね454の弾性偏倚力に抗して回転軸418及びエアチャック手段442が相対的に
図19において左方に移動され、プランジャロッド40はコイルばね454の作用によってシリンジ6のガスケット21に弾性的に圧接される。
【0087】
次いで、開閉弁448が解放されてエア供給源からの圧力空気がエア流路446を通してエアチャック手段442に送給され、この圧力空気によってエアチャック手段442がチャック状態となり、複数の把持部材444は、プランジャロッド40の押圧部48をチャッキングする。
【0088】
しかる後、電動モータ436が回転駆動される。かくすると、回転軸418及びエアチャック手段442を介してプランジャロッド40が所定方向に回動され、かかる回動によって、プランジャロッド40の雄ねじ46がシリンジ6のガスケット21の雌ねじ23に螺合して仮締めされ、この仮締めに伴って、コイルばね454の作用によって回転軸418,エアチャック手段442及びプランジャロッド40が矢印464(
図19)で示す挿入方向に移動される。
【0089】
この実施形態では、プランジャロッドを例えば約3.5回転することによってシリンジ製剤2のガスケット21に締め付けられるように構成されている。このような場合、この仮締めのとき、電動モータ436は回転量制御され、プランジャロッド40を例えば約3回転まで高速回転する。かく回転すると、電動モータ436の回転が停止し、プランジャロッド40の仮締めが終了する。仮締め終了後、エア供給源からの圧力空気の供給が停止され、その後スライダ430が元の位置に復帰し、これによって仮締めプランジャロッド
締付手段120は元の状態に戻る。
【0090】
プランジャロッド40を仮締めするとき、第1のシリンジ押圧手段174は、第1のプランジャロッド締付域Hに位置するシリンジ保持手段106に保持されたシリンジ6を上方から押圧し、従ってシリンジ6がシリンジ保持手段106に対して相対的に回動することはなく、プランジャロッド40の仮締めを確実に行うことができる。第1のシリンジ押圧手段174は、プランジャロッド挿入域Fに設けられた上記浮上防止手段172と略同様の構成であり、昇降テーブル156の第4の突出部164に装着された滑り軸受472と、この滑り軸受472に上下方向に移動自在に支持された軸部材474と、軸部材474の一端部に装着された押圧片476と、軸部材474の他端部に装着された当接片478と、滑り軸受472と押圧片476との間に介在されたコイルばね490とを有している。かく構成されているので、昇降アーム156が下降位置に位置付けられると、
図18及び
図19に示す通り、押圧片476がシリンジ保持手段196に保持されたシリンジ6に作用し、コイルばね490の弾性偏倚力に抗して押圧片476及び軸部材474が上方に移動され、これによって押圧片476は、コイルばね490の作用によってシリンジ6を弾性的に押圧保持する。
【0091】
第2のプランジャロッド締付域Iに設けられた本締めプランジャロッド締付手段122及び第2のシリンジ押圧手段174は、第1のプランジャロッド締付域Hに設けられた仮締めプランジャロッド締付手段120及び第1のシリンジ押圧手段172と実質上同一の構成であり、それ故に、それらにの説明は省略する。尚、本締めプランジャロッド締付手段122の電動モータは、小さい回転駆動トルクでもって回転トルク制御され、低速回転してプランジャロッド40を例えば約0.5回転する。それ故に、プランジャロッド40を本締めする際にシリンジ6のガスケット21に比較的大きな負荷が作用するのを回避することができ、これによってガスケット21の回動が防止できる。このような回転トルク制御は、電動モータに供給する駆動電流の大きさを小電流にすることによって達成することができ、ガスケット21とプランジャロッド40との間に、ガスケット21を回動させるような負荷が発生すると、電動モータ自体の回転が停止するようになる。
【0092】
以上、本発明に従うプランジャロッド付きシリンジ製剤の組付装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0093】
例えば、図示の実施形態では、シリンジ6に鍔部材24及びプランジャロッド40を装着してシリンジ製剤2を完成しているが、シリンジ6にプランジャロッド40を装着してシリンジ製剤2として完成する場合もあり、このような場合、鍔部材24を装着する必要がないので、鍔部材装着域Cの鍔部材装着手段112を省略することができる。
【0094】
また、例えば図示の実施形態では、注射針を有しないシリンジ製剤に適用して説明したが、本発明は、注射針を有するシリンジ製剤に、また2つのチャンバを有するシリンジ製剤にも同様に適用することができ、この明細書ではシリンジのバレル内に薬液が充填されたものをシリンジ製剤という。
【0095】
本発明のプレフィルドシリンジ製剤で使用する薬剤は、合成医薬品、タンパク質医薬品を問わずあらゆる医薬品を含み、また、溶液製剤、凍結乾燥等の固形製剤のいずれにも使用できるが、物理的ストレスの影響を受けやすい、溶液製剤、特にタンパク質溶液製剤が好ましい。
【0096】
本発明の溶液製剤で使用するタンパク質は、例えば、モノクローナル抗体、顆粒状コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒状マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)
、エリスロポエチン(EPO)、インターフェロン、IL−1やIL−6等のインターロイキン、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、トロンボポエチン、ウロキナーゼ、血清アルブミン、血液凝固第VIII因子、レプチン、幹細胞成長因子(SCF)等を含むが、これらに限定されない。
【0097】
本発明の溶液製剤に使用するタンパク質は、哺乳動物、特にヒトの生理活性タンパク質と実質的に同じ生物学的活性を有するものであり、天然由来のもの、及び遺伝子組換え法によって得られたものを含む。遺伝子組換え法によって得られるタンパク質には天然タンパク質とアミノ酸配列が同じであるもの、或いは該アミノ酸配列の1又は複数を欠失、置換、付加したもので前記生物学的活性を有するものを含む。
【0098】
本発明のタンパク質溶液製剤に使用するタンパク質としては、糖鎖を有するタンパク質が好ましい。糖鎖の由来としては、特に制限はないが、哺乳動物細胞に付加される糖鎖が好ましい。例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞、BHK細胞、ヒト由来の細胞に付加される糖鎖が挙げられる。
【0099】
例えば、本発明のタンパク質溶液製剤に使用するタンパク質がEPOである場合には、EPOはいかなる方法で製造されたものでもよく、ヒト尿より種々の方法で抽出し、分離精製したもの、遺伝子工学的手法(例えば特開昭61−12288号)によりチャイニーズハムスター卵巣細胞、BHK細胞、ヒト由来の細胞等に産生せしめ、種々の方法で抽出し分離精製したものが用いられる。
【0100】
本発明のタンパク質溶液製剤には、希釈剤、溶解補助剤、等張化剤、賦形剤、PH調整剤、無痛化剤、緩衝剤、含硫還元剤、酸化防止剤等を含有してもよい。例えば、等張化剤としては、ポリエチレングリコール;デキストラン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、グルコース、フラクトース、ラクトース、キシロース、マンノース、マルトース、シュークロース、ラフィノース等の糖類を用いることができる。含硫還元剤としては、N−アセチルシステイン、N−アセチルホモシステイン、チオクト酸、チオジグリコール、チオエタノールアミン、チオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸及びその塩、チオ硫酸ナトリウム、グルタチオン、並びに炭素原子数1〜7のチオアルカン酸等のスルフヒドリル基を有するもの等が挙げられる。また、酸化防止剤としては、エリソルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、L−アスコルビン酸及びその塩、L−アスコルビン酸パルミテート、L−アスコルビン酸ステアレート、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、没食子酸トリアミル、没食子酸プロピル或いはエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等のキレート剤が挙げられる。更には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩;クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム等の有機塩等の溶液製剤に通常添加される成分を含んでいてもよい。
【0101】
本発明のタンパク質溶液製剤には更に、各タンパク質に適切な安定化剤を含んでいてもよく、安定化剤には界面活性剤(例えば、非イオン界面活性剤であるソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド;陰イオン界面活性剤であるアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホコハク酸エステル塩;天然系の界面活性剤であ
るレシチン、グリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、特にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好ましく、とりわけポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80)及びポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)が好ましい)、及びアミノ酸(例えば、D−、L−及びDL−体のロイシン、トリプトファン、セリン、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン及びアセチルトリプトファン並びにその塩であり、より好ましいのはL−ロイシン、L−トリプトファン、L−グルタミン酸、L−アルギニン、L−ヒスチジン及びL−リジン並びにその塩である)等を含むが、これに限定されない。
【0102】
本発明の安定なタンパク質溶液製剤中に含まれるタンパク質の量は、使用するタンパク質、治療すべき疾患の種類、疾患の重症度、患者の年齢等に応じて決定できる。
一般的には、0.01μg/ml以上、好ましくは0.1μg/ml以上、更に好ましくは1μg/ml以上、更に好ましくは10μg/ml以上、更に好ましくは50μg/ml以上のタンパク質を含む。特に、プレフィルドシリンジ溶液製剤の場合には、0.1μg/ml以上、好ましくは1μg/ml以上、更に好ましくは10μg/ml以上、更に好ましくは50μg/ml以上のタンパク質を含む。
【0103】
例えばEPOの場合には、溶液製剤中のEPOの量は、一般には100〜500000IU/ml、好ましくは200〜100000IU/ml、更に好ましくは750〜72000IU/mlである。また、G−CSFの場合には、一般には1〜1000μg/ml、好ましくは10〜800μg/ml、更に好ましくは50〜500μg/mlである。
【0104】
本発明の溶液製剤はこれらの成分をリン酸及び/又はクエン酸緩衝液等の溶液製剤の分野で公知の水性緩衝液に溶解することによって調製できる。リン酸緩衝液は、リン酸−水素ナトリウム−リン酸二水素ナトリウム系が好ましく、クエン酸緩衝液としてはクエン酸ナトリウムの緩衝液が好ましい。
【0105】
本発明のタンパク質溶液製剤がエリスロポエチン溶液製剤である場合には、その中にはEPO、非イオン性界面活性剤(例えばポリソルベート80、ポリソルベート20)、等張剤(例えば塩化ナトリウム)及び必要に応じて安定化剤(例えばアミノ酸、好ましくはL−ヒスチジン)を含み、pHを5.0−8.0、好ましくは5.5−7.0とすることが好ましい。
【0106】
本発明のタンパク質溶液製剤がG−CSF溶液製剤である場合には、その中にはG−CSF、非イオン性界面活性剤(例えばポリソルベート80、ポリソルベート20)、及び必要に応じて希釈剤、溶解補助剤、等張化剤、賦形剤、pH調製剤、無痛化剤、緩衝剤、含硫還元剤、酸化防止剤等を含み、pHを5.0−7.0、好ましくは6.0−6.8とすることが好ましい。
【0107】
本発明を以下の実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明の範囲はこれに限定されない。