(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871875
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】プラズマ処理方法
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20160216BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/302 101B
H05H1/46 M
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-203619(P2013-203619)
(22)【出願日】2013年9月30日
(65)【公開番号】特開2014-82205(P2014-82205A)
(43)【公開日】2014年5月8日
【審査請求日】2013年9月30日
(31)【優先権主張番号】201210393470.X
(32)【優先日】2012年10月16日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512302452
【氏名又は名称】中微半▲導▼体▲設▼▲備▼(上海)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】徐 蕾
(72)【発明者】
【氏名】倪 ▲図▼▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】席 朝▲暉▼
【審査官】
藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−310245(JP,A)
【文献】
特開2010−118222(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/094416(WO,A1)
【文献】
特開2008−130398(JP,A)
【文献】
特開2009−246091(JP,A)
【文献】
特開2013−191554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/46
H01L 21/3065
H01L 21/205
C23C 16/505
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理装置のプラズマ処理方法であって、前記プラズマ処理装置は処理待ち基板が固定されたベースを含む反応チャンバを含み、第一RF周波数出力を有する第一RF電源と第二RF周波数出力を有する第二RF電源とがRF電界を前記反応チャンバ内に加えることをさらに含み、前記処理方法は、
パルス処理ステップの前に実行され、プラズマを点火するとともにマッチング周波数を取得する連続処理ステップと、
パルス処理ステップと
を含み、
前記連続処理ステップは、
第一RF電源が高電力のRF電界を反応チャンバに加えるとともに、第二RF電源によって加えられた高電力RF電界は前記第一RF電源の出力周波数をチューニングして、第一RF電源に最小の反射電力を有させる第一マッチング周波数を取得する処理と、
第一RF電源が高電力のRF電界を反応チャンバに加えるとともに、第二RF電源によって加えられた低電力RF電界は前記第一RF電源の出力周波数をチューニングして、第一RF電源に最小の反射電力を有させる第二マッチング周波数を取得する処理と
を含み、
前記パルス処理ステップは、第一RF電源は高電力のRF電界を反応チャンバに加え、第二RF電源によって反応チャンバ内に加えられたRF電界の電力を高電力と低電力との間で切り替え、第一RF電源の出力周波数を同期して第一マッチング周波数と第二マッチング周波数との間で切り替える処理を含み、
前記連続処理ステップにおいて、第一RF電源の出力周波数をチューニングして第一または第二マッチング周波数を取得する時間は1秒より長く、かつ前記パルス処理ステップにおける切り替えの時間は0.5秒より短い、方法。
【請求項2】
前記第一RF電源はプラズマが生じるように高周波数のRF電界をプラズマ反応チャンバに出力し、
前記第二RF電源は低周波数のRF電界を反応チャンバ内のベースに出力し、
前記高周波数のRFは10MHZより大きく、
前記低周波数のRFは10MHZより小さいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プラズマ処理装置は、
前記第一RF電源とベースとの間に接続された第一マッチング回路と、
前記第二RF電源とベースとの間に接続された第二マッチング回路と
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プラズマ処理装置は、第一RF電源の出力周波数のチューニングを制御する制御装置をさらに備えるとともに、第一及び第二マッチング周波数を取得し、取得された第一及び第二マッチング周波数を前記制御装置に記憶し、前記制御装置は、前記パルス処理ステップにおける第一と第二RF電源の出力電力状態を判断し、第一RF電源の出力周波数を第一及び第二マッチング周波数として選択することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記連続処理ステップは、第一RF電源が低電力のRF電界を反応チャンバに加えるとともに、第二RF電源は低電力のRF電界を加え、前記第一RF電源の出力周波数をチューニングし、第一RF電源に最小の反射電力を有させる第三マッチング周波数を取得する処理をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第二RF電源によって加えられた低電力のRF電界は、前記高電力のRF電界の強度の1/2より小さいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
同時に前記第二RF電源によって加えられる低電力のRF電界はゼロであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
プラズマ処理装置のプラズマ処理方法であって、前記プラズマ処理装置は処理待ち基板が固定されたベースを含む反応チャンバを含み、第一RF周波数出力を有する第一RF電源と第二RF周波数出力を有する第二RF電源とがRF電界を前記反応チャンバ内に加えることをさらに含み、第二RF電源出力は高電力出力と低電力出力との二種類の出力電力を有し、前記低電力出力は前記高電力出力より小さく、かつゼロより大きく、前記処理方法は、
パルス処理ステップの前に実行され、プラズマを点火するとともにマッチング周波数を取得する連続処理ステップと、
パルス処理ステップと
を含み、
前記連続処理ステップは、
第一RF電源及び第二RF電源がRF電界を反応チャンバに加え、第二RF電源は低電力出力を有するRF電界を反応チャンバに加え、前記第二RF電源の出力周波数をチューニングし、第二RF電源に最小の反射電力を有させる第一マッチング周波数を取得する処理と、
第二RF電源は高電力出力を有するRF電界を反応チャンバに加え、前記第二RF電源の出力周波数をチューニングし、第二RF電源に最小の反射電力を有させる第二マッチング周波数を取得する処理と
を含み、
前記パルス処理ステップは、第二RF電源の反応チャンバ内に加えたRF電界の電力を高電力と低電力との間で切り替え、第二RF電源の出力周波数を第二RF電源の出力電力と同期して第一マッチング周波数と第二マッチング周波数との間で切り替える処理を含み、
前記連続処理ステップにおいて、第一RF電源の出力周波数をチューニングして第一または第二マッチング周波数を取得する時間は1秒より長く、かつ前記パルス処理ステップにおける切り替えの時間は0.5秒より短い、方法。
【請求項9】
プラズマ処理装置のプラズマ処理方法であって、前記プラズマ処理装置は処理待ち基板が固定されたベースを含む反応チャンバを含み、異なるRF周波数出力を有する複数のRF電源がRF電界を前記反応チャンバ内に加えることをさらに含み、前記複数のRF電源のうちの少なくとも一つのパルスRF電源の出力電力は複数の電力状態を有し、前記処理方法は、
パルス処理ステップの前に実行され、プラズマを点火するとともにマッチング周波数を取得する連続処理ステップと、
パルス処理ステップと
を含み、
前記連続処理ステップは、
前記複数のRF電源はそれぞれ同時にRF電界を反応チャンバに出力し、反応チャンバが第一インピーダンスを有するようにその中のパルスRF電源の出力を第一電力出力状態に調節し、少なくとも一つの可変周波数のRF電源における可変周波数素子を調節し、第一マッチング周波数を取得して前記第一インピーダンスとマッチングする処理と、
反応チャンバが第二インピーダンスを有するように前記パルスRF電源の出力を第二電力出力状態に調節し、少なくとも一つの可変周波数のRF電源における可変周波数素子を調節し、第二マッチング周波数を取得して前記第二インピーダンスとマッチングする処理を含み、
前記パルス処理ステップは、
前記複数のRF電源はRF電界を反応チャンバに出力し、前記パルスRF電源の出力を第一電力出力状態を有させるように設定するとともに、前記可変周波数のRF電源の出力を第一マッチング周波数を有させるように設定する処理と、
前記パルスRF電源の出力を第二電力出力状態を有させるように設定するとともに、前記可変周波数のRF電源の出力を第二マッチング周波数を有させるように設定する処理と
を含み、
前記連続処理ステップにおいて、前記可変周波数のRF電源の出力周波数をチューニングして第一または第二マッチング周波数を取得する時間は1秒より長く、かつ前記パルス処理ステップにおける切り替えの時間は0.5秒より短い、方法。
【請求項10】
前記パルスRF電源によって加えられた第一電力出力状態の電力出力は、前記第二電力出力状態の電力出力の1/2より小さいことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第一電力出力状態の場合に、前記パルスRF電源の出力はゼロであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第一電力出力状態の場合に、前記パルスRF電源の出力はゼロより大きく、前記パルスRF電源と前記可変周波数のRF電源とは同一のRF電源であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
プラズマ処理装置のプラズマ処理方法であって、前記プラズマ処理装置は処理待ち基板が固定されたベースを含む反応チャンバを含み、異なるRF周波数出力を有する複数のRF電源がRF電界を前記反応チャンバの内部に加えることをさらに含み、前記複数のRF電源のうちの少なくとも一つのパルスRF電源の出力電力は複数の電力状態を有し、前記処理方法は、
パルス処理ステップの前に実行され、プラズマを点火するとともにマッチング周波数を取得する連続処理ステップと、
パルス処理ステップと
を含み、
前記連続処理ステップは、
前記複数のRF電源はそれぞれ同時にRF電界を反応チャンバに出力し、反応チャンバが第一インピーダンスを有するようにその中のパルスRF電源の出力を第一出力状態に調節し、少なくとも一つの可変周波数のRF電源の可変周波数素子を調節し、第一マッチング周波数を取得して前記第一インピーダンスとマッチングする処理と、
反応チャンバが第二インピーダンスを有するように前記パルスRF電源の出力を第二出力状態に調節し、少なくとも一つの可変周波数のRF電源の可変周波数素子を調節し、第二マッチング周波数を取得して前記第二インピーダンスとマッチングする処理と
を含み、
前記パルス処理ステップは、
前記複数のRF電源はRF電界を反応チャンバに出力し、前記パルスRF電源の出力を第一出力状態を有させるように設定するとともに、前記可変周波数のRF電源の出力を第一マッチング周波数を有させるように設定する処理と、
前記パルスRF電源の出力を第二出力状態を有させるように設定するとともに、前記可変周波数のRF電源の出力を第二マッチング周波数を有させるように設定する処理と
を含み、
前記連続処理ステップにおいて、前記可変周波数のRF電源の出力周波数をチューニングして第一または第二マッチング周波数を取得する時間は1秒より長く、かつ前記パルス処理ステップにおける切り替えの時間は0.5秒より短い、方法。
【請求項14】
前記パルスRF電源の第一出力状態は第一RF周波数を有し、第二出力状態は第二RF周波数を有し、第一RF周波数は第二RF周波数より1.5倍大きいことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記可変周波数のRF電源は、第一出力状態及び第二出力状態を有し、第一出力状態及び第二出力状態は異なる反射電力を有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記可変周波数のRF電源の第一出力状態及び第二出力状態は、同じ出力電力を有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラズマ処理方法およびプラズマ処理装置に関する。具体的には、プラズマ処理装置にRF電力を供給するためのRF電源およびそのRF電源の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体加工において、プラズマ加工装置を広く採用して半導体ウェハー(wafer)を加工して、マイクロサイズの半導体部品および導体接続を得る。プラズマ装置は、一般的に、コンデンサーカップリング型(CCP)とインダクタンスカップリング型(ICP)の反応チャンバがある。これらの装置は一般的に、二つのRF(Radio Frequency)電源を有し、そのうちの一方はプラズマを生じさせるように反応チャンバ内に入った反応気体をイオン化することに用いられ、他方のRF電源はウェハーの表面に入射されたイオンエネルギーを制御することに用いられる。
【0003】
図1に示すプラズマ処理装置は、反応チャンバ100を含み、反応チャンバ内に下電極を含むベース22が含まれている。下電極の上側に、処理待ちの基板の固定装置、例えば、静電チャック21を含み、ウェハー20が静電チャック21の上面に固定されている。さらに、静電チャックとウェハーを囲んでエッジリング10を含む。反応チャンバ100内において、ベースに対向する上側にガススプレーヘッド11をさらに含み、ガススプレーヘッドがガス供給元110に接続されて、反応チャンバ100内へ均等にガスを供給することに用いられる。また、ガススプレーヘッドの中に上電極として、ベース内の下電極に対向して、コンデンサーカップリングをさらに形成する。一つの第一RF電源31はマッチング装置1を介して下電極に接続され、一つの第二RF電源32はマッチング装置2を介して下電極に接続されて、第一RF電源と第二RF電源とのいずれも一定のRF周波数を有する。プラズマのインピーダンスは、プラズマ内気圧、RF電力、およびプラズマ濃度などのパラメータの変化に従って変化するものなので、反射電力を最小化するように入力電力のパラメータとインピーダンスを常に調節する必要がある。プラズマ処理の過程において、第一および第二RF電源31,32とも下電極に電力を供給して、マッチング装置1,2は、RF反射電力を最小化するように、それぞれ内部の可動部品によってインピーダンスのパラメータを調節する。同様に、入力インピーダンスをより速く調節するようにRF電源31またはRF電源32の周波数を調節してもよいが、上記のマッチング装置1,2におけるインピーダンスを調節することも、RF電源31,32における周波数を調節することも、機械部品(例えば、機械駆動の可変コンデンサーまたは可変インダクタンス)の移動によって実現する必要がある。なお、反射電力を最小化するときに、前記機械部品は任意の方向に移動して、フィードバックの反射電力値に応じて機械部品を適当な位置にさらに移動するように制御する。そのため、このマッチング装置のインピーダンスまたはRF電源の周波数をスキャンする過程について時間がかかり、秒レベルに達する。例えば、1秒より長い。
【0004】
現在、多くのプラズマ加工の流れにおいて、パルスプラズマ加工技術を用いる必要がある。部分の加工時間帯におけるRF電源は、電力を常に供給することでなく、オンとオフの切り替えまたは高電力と低電力のRFの切り替えを繰り返して、その出力電力の波形はパルスになるので、パルスプラズマ加工と称される。切り替えの周波数は一般的に、10K〜100KHZ程度であり、さらに、オンとオフのデューティ比も調整可能であって、所望に応じて10%〜90%の範囲で設定できる。このように、オンとオフまたは高電力と低電力を切り替えるごとに、反応チャンバにおけるインピーダンスを高速に変化させて、そして、毎回の変化の時間もミリ秒レベル、ひいてはマイクロ秒レベルである。上記の場合は、マッチング回路またはRF電源における自動周波数チューニング(Auto frequency tuning)が採用されて、応答時間はミリ秒レベルにはるかに及ばないため、両方ともパルスプラズマ加工の需要に達できない。
【0005】
そこで、上記の問題に基づいて、業界では、既存のハードウェアまたは既存のハードウェアに対して簡単に調整を行うだけで、パルスプラズマ加工において高速なインピーダンスマッチングを実現することが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術に存在する欠陥に鑑みて、本発明はパルスプラズマ加工に適用するプラズマ処理装置のプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、プラズマ処理装置のプラズマ処理方法を提供する。前記プラズマ処理装置は処理待ち基板が固定されたベースを含む反応チャンバを含み、異なるRF周波数出力を有する複数のRF電源がRF電界を前記反応チャンバ内に加えることをさらに含み、前記複数のRF電源のうちの少なくとも一つのパルスRF電源の出力電力は複数の電力状態を有し、前記処理方法は、
マッチング周波数取得ステップと、パルス処理ステップとを含み、
前記マッチング周波数取得ステップは、
前記複数のRF電源はそれぞれ同時にRF電界を反応チャンバに出力し、反応チャンバが第一インピーダンスを有するようにその中のパルスRF電源の出力を第一電力出力状態に調節し、少なくとも一つの可変周波数のRF電源における可変周波数素子を調節し、第一マッチング周波数を取得して前記第一インピーダンスとマッチングする処理と、反応チャンバが第二インピーダンスを有するように前記パルスRF電源の出力を第二電力出力状態に調節し、少なくとも一つの可変周波数のRF電源における可変周波数素子を調節し、第二マッチング周波数を取得して前記第二インピーダンスとマッチングする処理とを含み、
前記パルス処理ステップは、
前記複数のRF電源はRF電界を反応チャンバに出力し、前記パルス電源の出力を第一電力出力状態を有するように設定するとともに、前記可変周波数電源の出力を第一マッチング周波数を有するように設定する処理と、前記パルス電源の出力を第二電力出力状態を有するように設定するとともに、前記可変周波数電源の出力を第二マッチング周波数を有するように設定する処理とを含む。
【0008】
前記パルス処理ステップにおいて、パルスRF電源の出力電力状態の切り替えの時間は0.5秒より短い。前記の少なくとも一つの可変周波数のRF電源における可変周波数素子を調節し第一又は第二マッチング周波数を取得する時間は一般的に0.5秒より長く、ひいては、1秒より長い。ただし、可変周波数のRF電源における可変周波数素子は機械駆動の可変コンデンサーまたは可変インダクタンスであってもよい。
【0009】
前記パルスRF電源によって加えた第一電力出力状態時の出力電力は、前記第二電力出力状態時の出力電力の1/2より小さく、ひいては、第一電力出力状態時の前記パルスRF電力出力はゼロである。
【0010】
前記パルスRF電源を二つ以上含んでよいが、第一および第二パルスRF電源の出力を重ねて、第三電力出力状態が発生し反応チャンバに第三インピーダンスを有させ、前記可変周波数電源における可変周波数素子を調節し第三マッチング周波数を取得する。ただし、第一または第二パルスRF電源の出力電力は低電力で出力する場合に、ゼロより大きければ、前記第一または第二パルスRF電源は何れも前記可変周波数パルスRF電源であってもよい。
【0011】
本発明の方法を採用し制御するパルスプラズマ処理装置は、ハードウェアに対して様々な変換を行わなくても、高速に切り替える反応チャンバにおけるインピーダンスに対してマッチングを実現できる。パルス処理に入る前に、数秒の時間で可変周波数のRF電源をチューニングし、パルス処理階段に現れられるインピーダンスにマッチングされるマッチング周波数を取得する。その後、パルス処理階段において、直接に前記マッチング周波数を用いて、パルス切り替えのプラズマ反応チャンバにおけるインピーダンスに対してマッチングすることを実現する。
【0012】
なお、パルスRF電源は出力周波数を交替に切り替えるものであってもよく、出力周波数を第一出力周波数と第二出力周波数との間で切り替え、当該切り替えの時間は0.5秒より短い。第一出力周波数は第二出力周波数より1.5倍大きい。パルスRF電源は出力状態を切り替えるときに、周波数を変える動作を行う他の可変周波数のRF電源の出力電力は一定に保たれるが、反射電力と出力周波数はパルスRF電源の出力状態に従って同期に変化していく。
【0013】
本発明の上記以外の特徴、目的および利点は、添付の図面を参照しつつ、非限定的な実施形態について詳細に説明することによって、明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】従来の技術によるプラズマ処理装置の構成を示す模式図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による第一および第二RF電源の出力電力を示す模式図である。
【
図3】本発明の第2実施形態による第一および第二RF電源の出力電力を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の具体的な実施形態について、添付の図面を参照しつつ、さらに詳細に説明する。
【0016】
図2は、本発明の第1実施形態であって、その中の第一RF電源RF1と第二RF電源RF2のRF電力は
図1における第一RF電源31と第二RF電源32の出力電力を表す。プラズマ加工の過程において、まず、プラズマを点火し、その後にいくつかの過渡ステップを経過する可能性があって、主なプラズマ加工ステップである連続処理階段に入る。プラズマの点火などのステップは伝統的な従来技術であって、本発明の方法に直接的な影響がないので、
図2において破線のみで表示する。そのため、連続処理階段において、第一RF電源(RF1)と第二RF電源(RF2)とも、反応チャンバにおける光学センサーが前記プラズマ加工が所定の段階に進んだことを検出するまでに高電力状態にある。例えば、プラズマエッチングのときに、ある材料層が70%以上エッチングされたことを検出し、低速エッチング階段に入る必要があるときに、プラズマ加工プロセスの需要のためにパルス処理階段に入り、RF2によって出力されるRF電力は一定のパルス周波数(例えば、10K〜100K)で高電力出力と低電力出力を切り替える。ただし、低電力出力はゼロであってもよい、つまり、RF2は高電力出力と電力出力オフを切り替えてよい。前記の二種類のパルスRF電力出力とも反応チャンバ100におけるプラズマの状態を変化させて、さらに、インピーダンスを変化させる。前記低電力出力は高電力出力を一定の程度、例えば、高電力出力ステップにおける出力電力の1/2を下回れば、反応チャンバにおけるプラズマは明らかな変化が生じ、インピーダンスマッチングを高速に調節する必要がある。本発明は、伝統的な連続処理階段では、RF2は低電力時間帯を含み、前記低電力時間帯におけるRF2の出力電力は後続のパルス処理階段における低出力電力と同様で、かつ当該低電力時間帯の時間長さt1は十分に長く、例えば、t1は1秒より長いということを特徴とする。このように伝統的な自動周波数チューニング(AFT)を採用すると、RF電源RF1の出力周波数を調節してインピーダンスマッチングを実現することが実現できる。低電力ステップに対応するマッチング周波数であるRF1-MFL(RF1 match frequency at low power level)を取得し、第一RF電源31の記憶手段または他のRF電源31の出力を制御できる制御装置に記憶させる。同様に、連続処理階段において、RF1とRF2とも高電力階段にある状態が存在する。この際に、第一RF電源31における自動周波数チューニングによって、後続のパルスマッチング階段における高電力ステップに適用するマッチング周波数であるRF1-MFH(RF1 match frequency at high power level)を取得してもよい。連続処理階段において、低電力ステップのマッチング周波数RF1-MFLと高電力ステップのマッチング周波数RF1-MFHをそれぞれ取得した後、パルス処理階段のうちの対応の高電力ステップにおいて、RF1の出力周波数を既に記憶されたRF1-MFHにそのまま設定することができ、前記自動周波数チューニング(AFT)により再度調節する必要がなくなった。パルス処理階段のうちの対応の低電力ステップにおいて、RF2の出力周波数を既に記憶されたRF1-MFLにそのまま設定する。このように、パルス処理階段における高周波数の切り替えでも、良好なマッチングを実現できる。パルス処理において、周期パルスを複数含み、パルスのそれぞれは、
図2に示されたt2時間における低RF電力ステップ、および高RF電力ステップを含み、高電力ステップの時間と一つのパルスサイクルの時間により構成されたデューティ比も所望に応じて調整できる。
【0017】
図2における前記RF2は、入射されたプラズマエネルギーを調節する低周波数RF電力、例えば、2MHZであってもよく、RF2は、プラズマ濃度のソースRF電力を制御するために、その周波数は60MHZ程度であってもよい。上記の第1実施形態に示すように、連続処理階段における第一RF電源において自動周波数チューニング(AFT)を二回行うことによって、RF1、RF2をそれぞれ取得し、これと同時に電力が供給されるときに取得した高電力ステップのマッチング周波数は57.8MHZであって、RF1のみが加えられたときに取得した低電力ステップのマッチング周波数は58.2MHZである。次のパルス処理階段において、RF電源の自動チューニング機能をオフにして、RF電源32の出力電力が高電力出力と低電力出力との間でパルス切り替えることに対応するように、RF電源31の出力の周波数を57.8MHZ〜58.2MHZの周波数の間で切り替える。
【0018】
本発明は、第1実施形態における前記の低周波数RF電源RF2の出力電力に対してパルス切り替えを行う以外に、高周波数RF電源RF1の出力電力に対してパルス切り替えを行ってもよい。この際に、2MHZのRF電源とパルスの60MHZの電源に対応する二つのマッチング周波数、例えば、1.92MHZと1.95MHZを取得できる。具体的なパラメータは、反応チャンバにおけるハードウェアパラメータと、入り込みガスとRFエネルギーのパラメータに関する。
【0019】
図3は本発明の第2実施形態を示す。その中のRF1とRF2は、パルス処理階段において、パルス高低電力切り替えを同時に行う。RF2の低電力ステップの時間t2は、RF1の低電力ステップの時間t3より長く、よって第1実施形態の状態に比較して、プラズマ状態、即ち、RF1とRF2が同時に低電力にある状態が増やされた。パルス処理階段におけるこのような状態にあるインピーダンスをマッチングするために、連続処理階段においてインピーダンスマッチング周波数チューニングステップが設けられるとともに、RF1とRF2の電力が低電力(例えば、400Wより小さい)に設定されて、自動周波数チューニングによって、この状態で対応するマッチング周波数、例えば、58.0MHZを取得する。取得されたマッチング周波数も記憶手段に記憶されて、パルス処理階段に入るまでに、RF1とRF2は同時に低電力で出力するときに第一RF電源の出力周波数を58.0MHZに設定する。その後、全体のパルス処理階段の処理を完成するまでに58.2MHZと57.8MHZに相次いで切り替える。
【0020】
本発明において、前記パルスRF電源は、マッチング周波数取得階段における低電力出力がゼロより大きい時に、他の周波数可変機能を有するRF電源の出力周波数を調節してマッチング周波数を取得してもよいし、パルスRF電源自身の出力周波数を調節してマッチング周波数を取得してもよい。パルスRF電源は、マッチング周波数取得階段における低電力出力がゼロ、すなわち、パルスRF電源の出力がオフになった場合に、マッチング周波数は他の周波数可変機能を有するRF電源の出力周波数の調節によって取得するしかない。そのため、
図3に示す第2実施形態におけるt1時間帯において、仮に、RF1とRF2の出力電力は小さいが、ゼロより大きい場合に、RF1のRF周波数出力を調節してマッチング周波数を取得する以外、同時にRF1とRF2の出力周波数を調節して最適なマッチング周波数を取得できる。
【0021】
本発明では、二つのRF電源を用いてプラズマ処理を制御する以外、第三RF電源RF3またはより多くのRF電源を加えて、プラズマ処理をさらに調節してもよい。追加のRF電源は連続でもよいし、パルスでもよい。これらのRF電源もRFマッチングに際する最適なマッチング周波数に影響を与えるおそれがあるため、前の連続処理階段において相応的な時間帯を設けて、対応するマッチング周波数を取得する必要がある。
【0022】
他のいずれかのパルス処理階段におけるマッチングインピーダンスを変化させるパラメータも、予め連続処理階段において、短時間t1における状態シミュレーションによって、パルスの切り替えの場合と同じインピーダンスを取得できる。その後、自動周波数チューニング機能を利用して、当該インピーダンスとマッチングするマッチングRF周波数を取得する。パルス処理階段に入った後、自動チューニング機能をオフにし、前に取得されたマッチングRF周波数を用いて周波数のマッチングを最高速に実現する。
【0023】
本発明では、一つのプラズマ処理プロセスのうち、連続処理階段とパルス処理階段におけるエッチングを完成した後に、次回の同じプラズマ処理プロセスにおいて、すべての加工パラメータ、例えば、RF周波数、エネルギー、反応チャンバの構成、ガス種類などに明らかな変化がないので、後続の同じプラズマ処理プロセスにおいて、前のステップで取得されたマッチング周波数、例えば、57.8MHZ、58.2MHZ、58.0MHZなどを使用できる。このように、全体の加工処理効率をさらに向上できる。マッチング周波数をより精確に取得するために、複数回の類似のプラズマ加工を行った後、パルスプラズマ処理階段のインピーダンスを再度シミュレーションするような処理を行って、再度自動チューニングして、精確なマッチング周波数を取得する。
【0024】
本発明におけるRF電源31とRF電源32は類似の構成を有し、前記RF電源31は可変周波数を生成する周波数発生装置310を含み、周波数発生装置310内に可変コンデンサーが含まれる。可変コンデンサーのパラメータを変えて、出力周波数の数値を変化できる。また、当該のコンデンサーのパラメータの調節によって、前記の自動周波数チューニング(AFT)を実現して最適なマッチング周波数を取得する。周波数発生装置310から出力されたRF信号は電力増幅器の増幅を介して、所望の電力を後端のマッチング装置1に出力して、最後にプラズマ反応チャンバ内の下電極に達する。RF電源31は自動周波数チューニングを行って取得された複数のマッチング周波数を記憶する記憶手段をさらに含む。一つの制御装置は前記電力増幅器の増幅倍数を制御することによって、RF電源の出力電力を取得する。パルス処理階段において、電力増幅倍数を二つの数値に切り替えるように周期的に制御する。前記制御装置も可変コンデンサーに対する調節によって、マッチング周波数を取得する。
【0025】
本発明における前記RF電源31,32のうちのパルス変化のRF電源は前記出力電力の高低の切り替えでもよいし、出力周波数の高低の切り替えでもよい。例えば、RF電源31はパルスRF電源であって、その出力周波数は第一周波数と第二周波数との間で切り替え、対応するように第二RF電源32の出力電力は変化しない。本発明の方法を利用して、マッチング周波数取得ステップにおいて、第二RF電源32の出力周波数を調節して、対応する少なくとも二つのインピーダンスの状態におけるマッチング周波数を取得し、そして、その後のパルス処理階段において、取得されたマッチング周波数をそのまま利用して、高速のマッチングを実現する。また、出力電力が変化しない第二RF電源32は、パルスRF電源31と同じ構成の電源を選択してもよい。RF電源31または32は、少なくとも二種類の出力状態を有して、出力状態ごとに、それぞれ調節できる少なくとも三組のパラメータ、すなわち、前方向出力電力(Rf)、反射電力(Pr)、周波数(Freq)を有して、パルスRF電源31が二つの出力状態の間で切り替わるときに、RF電源32の出力電力は変化せずに、反射電力(Pr)は変化し、出力周波数(Freq)もAFTの機能の調節により変える。
【0026】
以上、本発明の具体的な実施形態について説明した。理解すべきことは、本発明が上記の特定の実施形態に限定されるわけではなく、当業者が特許請求の範囲内で様々な変形または修正を行うことは可能であることである。これは本発明の実質的内容に影響がない。
【符号の説明】
【0027】
10 エッジリング
11 ガススプレーヘッド
20 ウェハー
21 静電チャック
22 ベース
31 第一RF電源
32 第二RF電源
100 反応チャンバ
110 ガス供給元