【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記問題に鑑み、経口用製剤の服用性を改善することを目的に鋭意検討した結果、増粘剤としてカルボキシビニルポリマー等の第1の増粘剤とキサンタンガム等の第2の増粘剤とを組み合わせ、粘度調節剤として少量の多価金属化合物を加えたコーティング用組成物で錠剤等の経口用固形物を被覆することで、不快味がマスキングされ、更に粘膜を滑りやすくなるため嚥下しやすくなることおよび製造が容易になることを見出した。更に本発明者らは増粘剤にヒドロキシプロピルメチルセルロース、特定の性質を有する糖または糖アルコールを加えることで嚥下後速やかに皮膜が崩壊し溶出遅延を防止できることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明の第一の態様は以下のコーティング用組成物である。
[1−1]金属架橋増粘剤である第1の増粘剤、好ましくは、カルボキシビニルポリマーおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される第1の増粘剤;
多価金属化合物;ならびに、
キサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上の第2の増粘剤(ただし、第1の増粘剤がアルギン酸ナトリウムである場合に、第2の増粘剤はアルギン酸ナトリウムではない)を含むコーティング用組成物。
[1−1a]カルボキシビニルポリマー、多価金属化合物及びキサンタンガムを含むコーティング用組成物。
[1−2] 第1の増粘剤が、実質的に多価金属イオンにより架橋されていないカルボキシビニルポリマーまたはアルギン酸ナトリウムである前記 [1−1]に記載のコーティング用組成物。
[1−2a]カルボキシビニルポリマーが実質的に架橋されていない前記 [1−1a]に記載のコーティング用組成物。
[1−3]さらに20℃の溶解度が30以上の糖又は糖アルコールを含む前記 [1−1]、[1−2]、[1−1a]、および[1−2a]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[1−4]さらにヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む前記 [1−1]〜[1−3]、[1−1a]、および[1−2a]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[1−5] 第1の増粘剤の含有量が3〜15質量%(溶媒を除く全成分中の質量%、以下同じ)であって、第2の増粘剤の含有量が10〜40質量%であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であることを特徴とする前記請求項[1−4]に記載のコーティング用組成物。
[1−5a]カルボキシビニルポリマーの含有量が3〜15質量%(溶媒を除く全成分中の質量%、以下同じ)であって、キサンタンガムの含有量が10〜40質量%であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であることを特徴とする前記[1−4]に記載のコーティング用組成物。
[1−6] 多価金属化合物の含有量が第1の増粘剤の含有量に対して5〜15質量%であることを特徴とする前記[1−1]〜[1−5]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[1−6a]多価金属化合物の含有量がカルボキシビニルポリマーの含有量に対して5〜15質量%であることを特徴とする前記[1−1a]、[1−2a]、[1−3]、[1−4]および[1−5a]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[1−7] アルコールを溶媒として含むことを特徴とする[1−1]〜[1−6]、[1−1a]、[1−2a]、[1−5a]および[1−6a]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
本発明の第一の態様のコーティング用組成物によりコーティングした経口用組成物は、滑り易さが良好で粘膜への付着性もなく良好な嚥下性を有する。または十分な不快味マスキング効果が得られる。好ましくは両方の効果を兼ね備える。さらに好ましい態様のコーティング用組成物では、薬剤の溶出性も改善されている。また別の好ましい態様のコーティング用組成物では、薬物核に容易にスプレーコーティングができ、乾燥も容易である。
【0008】
また、本発明の第二の態様は以下の経口用組成物である。
[2−1] 有効成分を含有する薬物核と;
該薬物核に、
金属架橋増粘剤である第1の増粘剤、好ましくは、カルボキシビニルポリマーおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される第1の増粘剤、
多価金属化合物、ならびに
キサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上の第2の増粘剤(ただし、第1の増粘剤がアルギン酸ナトリウムである場合に、第2の増粘剤はアルギン酸ナトリウムではない)を含むコーティング
を有する経口用組成物。
[2−1a]有効成分を含有する薬物核と、該薬物核にカルボキシビニルポリマー、多価金属化合物及びキサンタンガムを含むコーティングを有する経口用組成物。
[2−2] 第1の増粘剤が、実質的に多価金属イオンにより架橋されていないカルボキシビニルポリマー又はアルギン酸ナトリウムである前記[2−1]に記載の経口用組成物。
[2−2a]カルボキシビニルポリマーが実質的に架橋されていない前記 [2−1a]に記載の経口用組成物。
[2−3]さらに 20℃の溶解度が30以上の糖又は糖アルコールを含む前記 [2−1]、 [2−2]、[2−1a]、および[2−2a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[2−4] さらにヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む前記 [2−1]〜[2−3]、[2−1a]、および[2−2a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[2−5] 第1の増粘剤の含有量が3〜15質量%(コーティング中の全成分に対する質量%、以下同じ)であって、第2の増粘剤の含有量が10〜40質量%であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であることを特徴とする前記[2−4]に記載の経口用組成物。
[2−5a]カルボキシビニルポリマーの含有量が3〜15質量%(コーティング中の全成分に対する質量%、以下同じ)であって、キサンタンガムの含有量が10〜40質量%であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であることを特徴とする前記[2−4]に記載の経口用組成物。
[2−6] 多価金属化合物の含有量が第1の増粘剤の含有量に対して5〜15質量%であることを特徴とする前記[2−1]〜[2−5]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[2−6a]多価金属化合物の含有量がカルボキシビニルポリマーの含有量に対して5〜15質量%であることを特徴とする前記[2−1a]、[2−2a]、[2−3]、[2−4]、および[2−5a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[2−7] 薬物核が、有効成分を含有する錠核であることを特徴とする前記 [2−1]〜[2−6]、[2−1a]、[2−2a]、[2−5a]、および[2−6a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[2−8] 第2の増粘剤が、キサンタンガム、グアガムおよび実質的に多価金属イオンにより架橋されていないアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上の増粘剤である前記[2−1]〜[2−7]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[2−9]薬物核と前記コーティングの間にさらにシールコーティングを有する、前記[2−1]〜[2−8]、[2−1a]、[2−2a]、[2−5a]、および[2−6a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
本発明の第二の態様の経口用組成物は、滑り易さが良好で粘膜への付着性もなく良好な嚥下性を有する。または不快味マスキング効果が得られる。好ましくは両方の効果を兼ね備える。さらに好ましい態様の経口用組成物では、薬剤の溶出性も改善されている。
【0009】
また、本発明の第三の態様は以下の経口用組成物である。
[3−1] 多価金属化合物を溶解したアルコール溶液に金属架橋増粘剤である第1の増粘剤、好ましくは、カルボキシビニルポリマーまたはアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される第1の増粘剤、およびキサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上の第2の増粘剤(ただし、第1の増粘剤がアルギン酸ナトリウムである場合に、第2の増粘剤はアルギン酸ナトリウムではない)を分散させた液を、有効成分を含有する薬物核にスプレーコーティングすることにより得られる経口用組成物。
[3−1a]多価金属化合物を溶解したアルコール溶液にカルボキシビニルポリマーおよびキサンタンガムを分散させた液を、有効成分を含有する薬物核にスプレーコーティングすることにより得られる経口用組成物。
[3−2] 第1の増粘剤が、実質的に多価金属イオンにより架橋されていないカルボキシビニルポリマー又はアルギン酸ナトリウムである前記[3−1]に記載の経口用組成物。
[3−2a]カルボキシビニルポリマーが実質的に架橋されていない前記[3−1a]に記載の経口用組成物。
[3−3] スプレーコーティングする液に、さらに20℃の溶解度が30以上の糖又は糖アルコールがさらに分散していることを特徴とする前記 [3−1]、[3−2]、[3−1a] および[3−2a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[3−4] スプレーコーティングする液に、さらにヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む前記 [3−1]〜[3−3]、[3−1a]、および[3−2a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[3−5] スプレーコーティングする液の第1の増粘剤の含有量が3〜15質量%(溶媒を除く全成分中の質量%、以下同じ)であって、第2の増粘剤の含有量が10〜40質量%であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であることを特徴とする前記[3−4]に記載の経口用組成物。
[3−5a]スプレーコーティングする液のカルボキシビニルポリマーの含有量が3〜15質量%(溶媒を除く全成分中の質量%、以下同じ)であって、キサンタンガムの含有量が10〜40質量%であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であることを特徴とする前記[3−4]に記載の経口用組成物。
[3−6] 多価金属化合物の含有量が第1の増粘剤の含有量に対して5〜15質量%であることを特徴とする前記[3−1]〜[3−5]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[3−6a]多価金属化合物の含有量がカルボキシビニルポリマーの含有量に対して5〜15質量%であることを特徴とする前記[3−1a]、[3−2a]、[3−3]、[3−4]、および[3−5a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[3−7] 薬物核が、有効成分を含有する錠核であることを特徴とする前記 [3−1]〜[3−6]、[3−1a]、[3−2a]、[3−5a]、および[3−6a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[3−8] 第2の増粘剤が、キサンタンガム、グアガムおよび実質的に多価金属イオンにより架橋されていないアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上の増粘剤である前記[3−1]〜[3−7]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[3−9]前記スプレーコーティングを施す薬物核がシールコーティングを有する薬物核である、前記[3−1]〜[3−8]、[3−1a]、[3−2a]、[3−5a]、および[3−6a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
本発明の第三の態様の経口用組成物は、滑り易さが良好で粘膜への付着性もなく良好な嚥下性を有する。または十分な不快味マスキング効果が得られる。好ましくは両方の効果を兼ね備える。さらに好ましい態様の経口用組成物では、薬剤の溶出性も改善されている。
【0010】
また、本発明の第四の態様は以下の経口用組成物の製造方法である。
[4−1]経口用組成物の製造方法であって、多価金属化合物を溶解したアルコール溶液に金属架橋増粘剤である第1の増粘剤、好ましくは、カルボキシビニルポリマーおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される第1の増粘剤、ならびにキサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上の第2の増粘剤(ただし、第1の増粘剤がアルギン酸ナトリウムである場合に、第2の増粘剤はアルギン酸ナトリウムではない)を分散させた液を、有効成分を含有する薬物核にスプレーコーティングすることを特徴とする経口用組成物の製造方法。
[4−1a]経口用組成物の製造方法であって、多価金属化合物を溶解したアルコール溶液にカルボキシビニルポリマーおよびキサンタンガムを分散させた液を、有効成分を含有する薬物核にスプレーコーティングすることを特徴とする経口用組成物の製造方法。
[4−2] 第1の増粘剤が、実質的に多価金属イオンにより架橋されていないカルボキシビニルポリマー又はアルギン酸ナトリウムである前記[4−1]に記載の経口用組成物の製造方法。
[4−2a]カルボキシビニルポリマーが実質的に架橋されていない前記[4−1a]に記載の経口用組成物の製造方法。
[4−3] スプレーコーティングする液に、さらに20℃の溶解度が30以上の糖又は糖アルコールがさらに分散していることを特徴とする前記 [4−1]、[4−2]、[4−1a]および[4−2a]のいずれか1項に記載の経口用組成物の製造方法。
[4−4] スプレーコーティングする液に、さらにヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む前記 [4−1]〜[4−3]、[4−1a]、および[4−2a]のいずれか1項に記載の経口用組成物の製造方法。
[4−5] スプレーコーティングする液の第1の増粘剤の含有量が3〜15質量%(溶媒を除く全成分中の質量%、以下同じ)であって、第2の増粘剤の含有量が10〜40質量%であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であることを特徴とする前記[4−4]に記載の経口用組成物の製造方法。
[4−5a]スプレーコーティングする液のカルボキシビニルポリマーの含有量が3〜15質量%(溶媒を除く全成分中の質量%、以下同じ)であって、キサンタンガムの含有量が10〜40質量%であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であることを特徴とする前記[4−4]に記載の経口用組成物の製造方法。
[4−6] 多価金属化合物の含有量が第1の増粘剤の含有量に対して5〜15質量%であることを特徴とする前記[4−1]〜[4−5]のいずれか1項に記載の経口用組成物の製造方法。
[4−6a]多価金属化合物の含有量がカルボキシビニルポリマーの含有量に対して5〜15質量%であることを特徴とする前記[4−1a]、[4−2a]、[4−3]、[4−4]、および[4−5a]のいずれか1項に記載の経口用組成物の製造方法。
[4−7] 薬物核が、有効成分を含有する錠核であることを特徴とする前記 [4−1]〜[4−6]、[4−1a]、[4−2a]、[4−5a]、および[4−6a]のいずれか1項に記載の経口用組成物の製造方法。
[4−8] 第2の増粘剤が、キサンタンガム、グアガムおよび実質的に多価金属イオンにより架橋されていないアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上の増粘剤である前記[4−1]〜[4−7]のいずれか1項に記載の経口用組成物の製造方法。
[4−9]前記スプレーコーティングを施す薬物核がシールコーティングを有する薬物核である、前記[4−1]〜[4−8]、[4−1a]、[4−2a]、[4−5a]、および[4−6a]のいずれか1項に記載の経口用組成物の製造方法。
本発明の第四の態様の経口用組成物の製造方法は、薬物核に容易にスプレーコーティングができ、乾燥も容易である。また本製造方法で得られた経口用組成物は、滑り易さが良好で粘膜への付着性もなく良好な嚥下性を有する。または十分な不快味マスキング効果が得られる。好ましくは両方の効果を兼ね備える。さらに好ましい態様の製造方法で得られた経口用組成物では、薬剤の溶出性も改善されている。
【0011】
また、本発明の第五の態様は以下のコーティング用組成物である。
[5−1] 水分に接することによりゲル化する増粘剤、20℃の溶解度が30以上の糖又は糖アルコールおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むコーティング用組成物。
[5−2] 増粘剤がキサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上である前記[5−1]に記載のコーティング用組成物。
[5−2a]増粘剤がキサンタンガムを含む前記[5−1]に記載のコーティング用組成物。
[5−3]増粘剤がカルボキシビニルポリマー及びアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される前記[5−1]に記載のコーティング用組成物。
[5−3a]増粘剤がカルボキシビニルポリマーを含む前記[5−1]に記載のコーティング用組成物。
[5−4]増粘剤がカルボキシビニルポリマー及びアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される1種と、キサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上(ただし、同物質の組合せを除く)とを含む前記[5−1]に記載のコーティング用組成物。
[5−4a]増粘剤がカルボキシビニルポリマー及びキサンタンガムを含む前記[5−1]に記載のコーティング用組成物。
[5−5]さらに多価金属化合物を含む前記[5−3]、[5−4]、[5−3a]または[5−4a]に記載のコーティング用組成物。
[5−6]ヒドロキシプロピルメチルセルロースと前記糖又は糖アルコールの配合比が1:1〜1:4であることを特徴とする前記[5−1]〜[5−5]、および[5−2a]〜[5−4a]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[5−7] ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%(溶媒を除く全成分中の質量%、以下同じ)であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であって、カルボキシビニルポリマーの含有量が3〜15質量%であって、前記キサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上の含有量が10〜40質量%であることを特徴とする前記[5−4]〜 [5−6]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[5−7a] ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%(溶媒を除く全成分中の質量%、以下同じ)であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であって、カルボキシビニルポリマーの含有量が3〜15質量%であって、キサンタンガムの含有量が10〜40質量%であることを特徴とする前記[5−4a]、[5−5]、および[5−6]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[5−8] アルコールを溶媒として含むことを特徴とする前記[5−1]〜[5−7]、[5−2a]〜[5−4a]、および[5−7a]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[5−9] 前記糖又は糖アルコールがエリスリトール、還元麦芽糖水飴およびトレハロースからなる群から選択される前記[5−1]〜[5−8]、[5−2a]〜[5−4a]、および[5−7a]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[5−10] 前記糖又は糖アルコールがエリスリトールである前記[5−9]に記載のコーティング用組成物。
本発明の第五の態様のコーティング組成物によりコーティングした経口用組成物は、コーティングしていない経口用組成物とほぼ同等の薬剤の溶出性を示す。また好ましい態様のコーティング用組成物では、滑り易さが良好で粘膜への付着性もなく良好な嚥下性を有する。または不快味マスキング効果が得られる。好ましくは両方の効果を兼ね備える。また別の好ましい態様のコーティング用組成物では、薬物核に容易にスプレーコーティングができ、乾燥も容易である。
【0012】
また、本発明の第六の態様は以下の経口用組成物である。
[6−1]有効成分を含有する薬物核と、水分に接することによりゲル化する増粘剤、20℃の溶解度が30以上の糖又は糖アルコールおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むコーティング
を有する経口用組成物。
[6−2] 増粘剤がキサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上である前記[6−1]に記載の経口用組成物。
[6−2a]増粘剤がキサンタンガムを含む前記[6−1]に記載の経口用組成物。
[6−3] 増粘剤がカルボキシビニルポリマー及びアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される前記[6−1]に記載の経口用組成物。
[6−3a]増粘剤がカルボキシビニルポリマーを含む前記[6−1]に記載の経口用組成物。
[6−4] 増粘剤がカルボキシビニルポリマー及びアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される1種と、キサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上(ただし、同物質の組合せを除く)とを含む前記[6−1]に記載のコーティング用組成物。
[6−4a]増粘剤がカルボキシビニルポリマー及びキサンタンガムを含む前記[6−1]に記載の経口用組成物。
[6−5] さらに多価金属化合物を含む前記[6−3]、[6−4]、[6−3a]、および[6−4a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[6−6] ヒドロキシプロピルメチルセルロースと前記糖又は糖アルコールの配合比が1:1〜1:4であることを特徴とする前記[6−1]〜[6−5]、および[6−2a]〜[6−4a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[6−7] ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%(コーティング中の全成分に対する質量%、以下同じ)であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であって、カルボキシビニルポリマーおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される1種の含有量が3〜15質量%であって、前記キサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上の含有量が10〜40質量%であることを特徴とする前記[6−4]〜[6−6]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[6−7a]ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%(コーティング中の全成分に対する質量%、以下同じ)であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であって、カルボキシビニルポリマーの含有量が3〜15質量%であって、キサンタンガムの含有量が10〜40質量%であることを特徴とする前記[6−4a]、[6−5]、および[6−6]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[6−8]薬物核が、シールコーティングを有する薬物核である、前記[6−1]〜[6−7]、[6−2a]〜[6−4a]、および[6−7a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[6−9] 前記糖又は糖アルコールがエリスリトール、還元麦芽糖水飴およびトレハロースからなる群から選択される前記[6−1]〜[6−8]、[6−2a]〜[6−4a]、および[6−7a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[6−10] 前記糖又は糖アルコールがエリスリトールである前記[6−9]に記載の経口用組成物。
本発明の第六の態様の経口用組成物は、増粘剤によりコーティングされているにもかかわらず、コーティングしていない経口用組成物とほぼ同等の薬剤の溶出性を示す。また好ましい態様の経口用組成物では、滑り易さが良好で粘膜への付着性もなく良好な嚥下性を有する。または十分な不快味マスキング効果が得られる。好ましくは両方の効果を兼ね備える。
【0013】
また、本発明の第七の態様は以下の経口用組成物である。
[7−1]アルコール溶液に、水分に接することによりゲル化する増粘剤、20℃の溶解度が30以上の糖又は糖アルコールおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを分散させた液を、有効成分を含有する薬物核にスプレーコーティングすることにより得られる経口用組成物。
[7−2] 増粘剤がキサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上である前記[7−1]に記載の経口用組成物。
[7−2a]増粘剤がキサンタンガムを含む前記[7−1]に記載の経口用組成物。
[7−3]増粘剤がカルボキシビニルポリマー及びアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される前記[7−1]に記載の経口用組成物。
[7−3a]増粘剤がカルボキシビニルポリマーを含む前記[7−1]に記載の経口用組成物。
[7−4]増粘剤がカルボキシビニルポリマー及びアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される1種と、キサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上(ただし、同物質の組合せを除く)とを含む前記[7−1]に記載の経口用組成物。
[7−4a]増粘剤がカルボキシビニルポリマー及びキサンタンガムを含む前記[7−1]に記載の経口用組成物。
[7−5]スプレーコーティングする液が、さらに多価金属化合物を含む前記[7−3]、[7−4]、[7−3a]または[7−4a]に記載の経口用組成物。
[7−6] スプレーコーティングする液のヒドロキシプロピルメチルセルロースと前記糖又は糖アルコールの配合比が1:1〜1:4であることを特徴とする前記[7−1]〜[7−5]、および[7−2a]〜[7−4a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[7−7] スプレーコーティングする液のヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%(溶媒を除く全成分中の質量%、以下同じ)であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であって、カルボキシビニルポリマーの含有量が3〜15質量%であって、前記キサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上の含有量が10〜40質量%であることを特徴とする前記[7−4]〜 [7−6]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[7−7a] スプレーコーティングする液のヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%(溶媒を除く全成分中の質量%、以下同じ)であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であって、カルボキシビニルポリマーの含有量が3〜15質量%であって、キサンタンガムの含有量が10〜40質量%であることを特徴とする前記[7−4a]、[7−5]、および[7−6]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[7−8]前記スプレーコーティングを施す薬物核がシールコーティングを有する薬物核である、前記[7−1]〜[7−7]、[7−2a]〜[7−4a]、および[7−7a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[7−9] 前記糖又は糖アルコールがエリスリトール、還元麦芽糖水飴およびトレハロースからなる群から選択される前記[7−1]〜[7−8]、[7−2a]〜[7−4a]、および[7−7a]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
[7−10] 前記糖又は糖アルコールがエリスリトールである前記[7−9]に記載の経口用組成物。
本発明の第七の態様の経口用組成物は、薬物核にアルコール溶液をスプレーコーティングし、乾燥して得られるものであり、製造が容易である。また増粘剤によりコーティングされているにもかかわらず、コーティングしていない経口用組成物とほぼ同等の薬剤の溶出性を示す。また好ましい態様の経口用組成物では、滑り易さが良好で粘膜への付着性もなく良好な嚥下性を有する。または十分な不快味マスキング効果が得られる。好ましくは両方の効果を兼ね備える。
【0014】
また、本発明の第八の態様は以下の経口用組成物の製造方法である。
[8−1]経口用組成物の製造方法であって、多価金属化合物を溶解したアルコール溶液に水分に接することによりゲル化する増粘剤、20℃の溶解度が30以上の糖又は糖アルコールおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを分散させた液を、有効成分を含有する薬物核にスプレーコーティングすることを特徴とする経口用組成物の製造方法。
[8−2] 増粘剤がキサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上である前記[8−1]に記載の経口用組成物の製造方法。
[8−2a]増粘剤がキサンタンガムを含む前記[8−1]に記載の経口用組成物の製造方法。
[8−3]増粘剤がカルボキシビニルポリマー及びアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される前記[8−1]に記載の経口用組成物の製造方法。
[8−3a]増粘剤がカルボキシビニルポリマーを含む前記[8−1]に記載の経口用組成物の製造方法。
[8−4]増粘剤がカルボキシビニルポリマー及びアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される1種と、キサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上(ただし、同物質の組合せを除く)とを含む前記[8−1]に記載の経口用組成物の製造方法。
[8−4a]増粘剤がカルボキシビニルポリマー及びキサンタンガムを含む前記[8−1]に記載の経口用組成物の製造方法。
[8−5] スプレーコーティングする液のヒドロキシプロピルメチルセルロースと前記糖又は糖アルコールの配合比が1:1〜1:4であることを特徴とする前記[8−1]〜[8−4]、および[8−2a]〜[8−4a]のいずれか1項に記載の経口用組成物の製造方法。
[8−6] スプレーコーティングする液のヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%(溶媒を除く全成分中の質量%、以下同じ)であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であって、カルボキシビニルポリマーおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される1種の含有量が3〜15質量%であって、前記キサンタンガム、グアガムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上の含有量が10〜40質量%であることを特徴とする前記[8−4]または[8−5]に記載の経口用組成物の製造方法。
[8−6a] スプレーコーティングする液のヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%(溶媒を除く全成分中の質量%、以下同じ)であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であって、カルボキシビニルポリマーの含有量が3〜15質量%であって、キサンタンガムの含有量が10〜40質量%であることを特徴とする前記[8−4a]または[8−5]に記載の経口用組成物の製造方法。
[8−7] 薬物核が、有効成分を含有する錠核であることを特徴とする前記 [8−1]〜[8−6]、[8−2a]〜[8−4a]、および[8−6a]のいずれか1項に記載の経口用組成物の製造方法。
[8−8]前記スプレーコーティングを施す薬物核がシールコーティングを有する薬物核である、前記[8−1]〜[8−7]、[8−2a]〜[8−4a]、および[8−6a]のいずれか1項に記載の経口用組成物の製造方法。
[8−9] 前記糖又は糖アルコールがエリスリトール、還元麦芽糖水飴およびトレハロースからなる群から選択される前記[8−1]〜[8−8]、[8−2a]〜[8−4a]、および[8−7a]のいずれか1項に記載の経口用組成物の製造方法。
[8−10] 前記糖又は糖アルコールがエリスリトールである前記[8−9]に記載の経口用組成物の製造方法。
本発明の第八の態様の経口用組成物の製造方法は、薬物核に容易にスプレーコーティングができ、乾燥も容易である。また本製造方法で得られた経口用組成物は、増粘剤によりコーティングされているにもかかわらず、コーティングしていない経口用組成物とほぼ同等の薬剤の溶出性を示す。また好ましい態様の製造方法で得られたコーティング用組成物では、滑り易さが良好で粘膜への付着性もなく良好な嚥下性を有する。または十分な不快味マスキング効果が得られる。好ましくは両方の効果を兼ね備える。
【0015】
また、本発明の第九の態様は以下の経口用組成物である。
[9−1]有効成分を含有する薬物核と;
該薬物核に、
水が存在した時に多価金属イオンによって架橋されたカルボキシビニルポリマーおよび多価金属イオンによって架橋されたアルギン酸ナトリウムからなる群から選択されるゲル状物質、ならびに
キサンタンガムおよびグアガムからなる群から選択される少なくとも1種以上の増粘剤を含むコーティング
を有する経口用組成物。
[9−2]さらに 20℃の溶解度が30以上の糖又は糖アルコールを含む前記 [9−1]に記載の経口用組成物。
[9−3] さらにヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む前記 [9−1]または[9−2]に記載の経口用組成物。
[9−4] ゲル状物質の含有量が3〜15質量%(コーティング中の全成分に対する質量%、以下同じ)であって、増粘剤の含有量が10〜40質量%であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が5〜35質量%であって、前記糖又は糖アルコールの含有量が10〜50質量%であることを特徴とする前記[9−1]から[9−3]のいずれか1項に記載の経口用組成物。
本発明の第九の態様の経口用組成物は、本発明の第二の態様の経口用組成物が口腔内の唾液等の水分により生成されるものと同等である。すなわち、本発明の第九の態様の経口用組成物は、滑り易さが良好で粘膜への付着性もなく良好な嚥下性を有する。または不快味マスキング効果が得られる。好ましくは両方の効果を兼ね備える。さらに好ましい態様の経口用組成物では、薬剤の溶出性も改善されている。