特許第5871888号(P5871888)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5871888フレキシブル基板用組成物及び当該組成物から形成されるフレキシブル基板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871888
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】フレキシブル基板用組成物及び当該組成物から形成されるフレキシブル基板
(51)【国際特許分類】
   C08G 73/10 20060101AFI20160216BHJP
   C08L 79/08 20060101ALI20160216BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   C08G73/10
   C08L79/08 A
   H05K1/03 610N
   H05K1/03 670A
【請求項の数】11
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2013-250751(P2013-250751)
(22)【出願日】2013年12月4日
(65)【公開番号】特開2014-118568(P2014-118568A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2013年12月4日
(31)【優先権主張番号】101147208
(32)【優先日】2012年12月13日
(33)【優先権主張国】TW
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594006345
【氏名又は名称】奇美實業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100178685
【弁理士】
【氏名又は名称】田浦 弘達
(72)【発明者】
【氏名】梁 育豪
【審査官】 繁田 えい子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−266868(JP,A)
【文献】 特開平07−118625(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0160317(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 73
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミック酸、ポリイミド、及びその組み合わせからなる群から選択されるポリマーであって、テトラカルボン酸二無水物成分及びジアミン成分を含む混合物を反応に付すことによって得られるポリマー
溶剤;及び
シリカ、酸化アルミウム、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される充填剤
を含み、
当該テトラカルボン酸二無水物成分は、二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物及びフッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物を含み、
当該二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物の使用量は、テトラカルボン酸二無水物成分の全使用量に対して、30モル%〜70モル%であり、フッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物の使用量は、テトラカルボン酸二無水物成分の全使用量に対して、30モル%〜70モル%であり、
前記ポリマー中のポリイミドのイミド化率は70%〜99.5%である、
フレキシブル基板用組成物。
【請求項2】
二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物が、総原子数が7〜9であり、かつ、原子数1又は2の架橋を含む、四価の架橋炭化水素基を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物が、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、6−(カルボキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5−トリカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−5−エン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−チアビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.2.1]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−チアビシクロ[3.2.1]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−チアビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.2.2]ノナン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.2.2]ノナン−2,4,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.2.2]ノナン−8−エン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.2.2]ノナン−8−エン−2,4,6,7−テトラカルボン酸二無水物、8−アザビシクロ[3.2.2]ノナン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、8−アザビシクロ[3.2.2]ノナン−2,4,6,7−テトラカルボン酸二無水物、8−オキサビシクロ[3.2.2]ノナン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、8−オキサビシクロ[3.2.2]ノナン−2,4,6,7−テトラカルボン酸二無水物、8−チアビシクロ[3.2.2]ノナン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、8−チアビシクロ[3.2.2]ノナン−2,4,6,7−テトラカルボン酸二無水物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
フッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物が、9,9−ビス(トリフルオロメチル)−9H−キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、
【化1】
(式中、X1及びX2の少なくとも一方は、フッ素又はトリフルオロメチル基である)、
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】

及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物の使用量が、テトラカルボン酸二無水物成分の全使用量に対して、35モル%〜65モル%であり、フッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物の使用量が、テトラカルボン酸二無水物成分の全使用量に対して、35モル%〜65モル%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物の使用量が、テトラカルボン酸二無水物成分の全使用量に対して、40モル%〜60モル%であり、フッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物の使用量が、テトラカルボン酸二無水物成分の全使用量に対して、40モル%〜60モル%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
ジアミン成分が、フッ素含有ジアミン化合物を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
フッ素含有ジアミン化合物が、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェニル)エーテル、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェニル)スルフィド、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、
【化8】

【化9】

【化10】

及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
フッ素含有ジアミン化合物の使用量が、ジアミン成分の全使用量に対して、50モル%〜100モル%である、請求項7又は8に記載の組成物。
【請求項10】
ポリイミドのイミド化率が80%〜99%である、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
請求項1〜1のいずれか1項に記載の組成物から形成されるフレキシブル基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル基板用組成物に関し、より詳細には、テトラカルボン酸二無水物成分及びジアミン成分を重合反応に付すことにより得られるポリマーを含むフレキシブル基板用組成物に関する。当該テトラカルボン酸二無水物成分は、二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物及びフッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物を含む。本発明はまた、当該組成物から形成されるフレキシブル基板にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機ポリマー材料を、種々の電子部品及び/又は電子素子にして、電気絶縁性、耐熱性、機械的性質などの性質を改善している。ポリイミドは、優れた機械的性質及びより良好な電気的特性を提供するため、当該技術において最も広範に使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−293933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2002−293933号公報(特許文献1)は、プリント回路基板用接着剤として使用されるシラン変性ポリアミック酸樹脂組成物を開示している。このシラン変性ポリアミック酸樹脂組成物は、溶剤とシラン変性ポリアミック酸樹脂を含む。シラン変性ポリアミック酸樹脂は、ポリアミック酸とエポキシ基含有シラン部分縮合物とを反応させることにより得られる。ポリアミック酸のカルボン酸基とシラン部分縮合物のエポキシ基が互いに反応して、シラン部分縮合物が、ポリアミック酸のテトラカルボン酸二無水物部分に結合する。しかし、シラン変性ポリアミック酸樹脂の熱安定性は劣っており、また、シラン部分縮合物は、加熱中にポリアミック酸から分離する。このような理由から、当該組成物から作られるフレキシブル基板は、一般的に耐湿性が劣っている。従って、シラン変性ポリアミック酸組成物を、フレキシブル液晶ディスプレー又は電子書籍(イーブック)用のフレキシブル基板に適用すると、その耐湿性において大きな課題が認められることになる。
【0005】
従って、より良い耐湿性を有するフレキシブル基板を形成し得る組成物を開発することが、当業界において求められている。
【0006】
本発明の目的は、優れた成膜性を有し、かつ、優れた耐湿性を有するフレキシブル基板を形成するのに適したフレキシブル基板用組成物を提供すること、及び、当該組成物を用いたフレキシブル基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、まず、ポリマーと溶剤を含むフレキシブル基板用組成物が提供される。当該ポリマーは、ポリアミック酸、ポリイミド、及びその組み合わせからなる群から選択され、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分を含む混合物を反応に付すことによって得られる。当該テトラカルボン酸二無水物成分は、二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物及びフッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物を含む。二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物の使用量は、テトラカルボン酸二無水物成分の全使用量に対して、30モル%〜70モル%であり、フッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物の使用量は、テトラカルボン酸二無水物成分の全使用量に対して、30モル%〜70モル%である。
【0008】
本発明によれば、さらに、上記組成物から形成されるフレキシブル基板が提供される。
【発明の効果】
【0009】
上記のフレキシブル基板用組成物は、成膜性と耐湿性に優れており、フレキシブル基板の素材として非常に優れている。さらに当該組成物を用いたフレキシブル基板は、同様に成膜性と耐湿性に優れており、極めて実用的である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1]フレキシブル基板用組成物
本発明のフレキシブル基板用組成物は、ポリマーと溶剤を含む。
【0011】
当該ポリマーは、ポリアミック酸、ポリイミド、及びその組み合わせからなる群から選択され、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分を含む混合物を反応に付すことによって得られる。当該テトラカルボン酸二無水物成分は、二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物及びフッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物を含む。二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物の使用量は、テトラカルボン酸二無水物成分の全使用量に対して、30モル%〜70モル%であり、フッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物の使用量は、テトラカルボン酸二無水物成分の全使用量に対して、30モル%〜70モル%である。
【0012】
二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物が30モル%未満であると、そのフレキシブル基板用組成物は、十分な粘度を持たなくて、塗膜が形成しにくくなる。二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物が70モル%より多いと、その組成物から形成されるフレキシブル基板は、耐湿性が劣る。フッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物が30モル%未満であると、その組成物から形成されるフレキシブル基板は、耐湿性が劣る。フッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物が70モル%より多いと、そのフレキシブル基板用組成物は、十分な粘度を持たなくて、塗膜が形成しにくくなる。
【0013】
本発明のフレキシブル基板用組成物の各成分については、以下に詳細に説明する。
[1]−1:ポリマー
本発明のフレキシブル基板用組成物に含有されるポリマーは、ポリアミック酸、ポリイミド、及びその組み合わせからなる群から選択される。後述するように、いずれも「二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物及びフッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物を含むテトラカルボン酸二無水物成分」、並びに、ジアミン成分、を含む混合物を反応に付することによって製造される。
【0014】
ポリアミック酸
ポリアミック酸の製造方法は、以下の工程を含む。
(a)二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物及びフッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物を含むテトラカルボン酸二無水物成分、並びに、ジアミン成分を溶剤に溶解して混合物とし;
(b)当該混合物を0℃〜100℃の温度で1時間〜24時間重合反応に付して反応溶液を得;そして
(c)当該反応溶液をエバポレーターで減圧留去してポリアミック酸を得る。
【0015】
あるいは、当該反応溶液を、大量の貧溶媒に注いで沈殿を得、この沈殿を次いで、減圧下に乾燥させてポリアミック酸を得ることができる。
【0016】
テトラカルボン酸二無水物成分の使用量は、ジアミン成分100モルに対して、20モル〜200モル、より好ましくは30モル〜120モルである。
【0017】
重合反応のための溶剤は、フレキシブル基板用組成物において使用される溶剤と同一でも異なっていてもよい。重合反応のための溶剤には特別な限定はなく、当該溶剤が反応物質及び生成物を溶解することができればよい。重合反応のための溶剤としては、例えば、(1)非プロトン性の極性溶剤、例えば、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、等;及び(2)フェノール性溶剤、例えば、m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノール、等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。重合反応のための溶剤の使用量は、テトラカルボン酸二無水物成分及びジアミン成分の合計100重量部に対して、好ましくは200〜2000重量部、より好ましくは300〜1800重量部である。
【0018】
重合反応のための溶剤は、ポリアミック酸の沈殿が生じない限り、適切な量の貧溶媒と組み合わせて使用することができる。貧溶媒としては、例えば、(1)アルコール類、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、等;(2)ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、等;(3)エステル類、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、エチレングリコールエチルエーテルセテート、等;(4)エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールn−プロピルエーテル、エチレングリコールi−プロピルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、等;(5)ハロゲン化炭化水素類、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、等;(6)炭化水素類、例えば、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、等;及びそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。上記例の貧溶媒は単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。貧溶媒の使用量は、ジアミン成分100重量部に対して、好ましくは0〜60重量部、より好ましくは0〜50重量部である。
【0019】
ポリイミド
ポリイミドの製造方法は、以下の工程を含む。
(a)二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物及びフッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物を含むテトラカルボン酸二無水物成分、並びに、ジアミン成分を溶剤に溶解して混合物とし;そして
(b)当該混合物を重合反応に付してポリアミック酸を得、次いで、当該ポリアミック酸を脱水/閉環反応―当該反応は、脱水剤及び触媒の存在下で加熱することによって行われる―に付す。ポリアミック酸化合物のアミド酸官能基は、脱水/閉環反応を介してイミド官能基に変換され(すなわち、イミド化)、ポリイミド化合物を得る。
【0020】
当該重合反応及び脱水/閉環反応の反応温度と反応時間は、当該技術における通常の条件を採用することができる。重合反応の加熱温度は、好ましくは0℃〜100℃である。重合反応は、好ましくは、1時間〜24時間行われる。脱水/閉環反応の加熱温度は、好ましくは30℃〜200℃である。脱水/閉環反応は、好ましくは、0.5時間〜50時間行われる。
【0021】
脱水/閉環反応のための溶剤は、フレキシブル基板用組成物に使用される溶剤と同一であってもよい。脱水/閉環反応のための溶剤の使用量は、ポリアミック酸100重量部に対して、好ましくは200〜2000重量部、より好ましくは300〜1800重量部である。
【0022】
脱水/閉環反応のための脱水剤としては、例えば、無水酸化合物、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸1モルに対して、0.01モル〜20モルである。脱水/閉環反応のための触媒としては、例えば、ピリジン化合物、例えば、ピリジン、トリメチルピリジン、ジメチルピリジン、等;及び3級アミン、例えば、トリエチルアミン、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。触媒の使用量は、脱水剤1モルに対して、0.5モル〜10モルである。
【0023】
当該ポリイミドのイミド化率は、好ましくは、60%〜100%、より好ましくは70%〜99.5%、最も好ましくは80%〜99%である。ポリイミドのイミド化率が60%〜100%である場合、それから形成されるフレキシブル基板は、特に優れた耐湿性を有する。
【0024】
テトラカルボン酸二無水物成分
テトラカルボン酸二無水物成分は、二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物及びフッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物を含む。
【0025】
二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物は、四価の架橋炭化水素基―当該基の総原子数は7〜9であり、かつ、当該基は、原子数が1又は2の架橋を含む―を含む。
【0026】
二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、6−(カルボキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5−トリカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−5−エン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−チアビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.2.1]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−チアビシクロ[3.2.1]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−チアビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.2.2]ノナン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.2.2]ノナン−2,4,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.2.2]ノナン−8−エン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.2.2]ノナン−8−エン−2,4,6,7−テトラカルボン酸二無水物、8−アザビシクロ[3.2.2]ノナン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、8−アザビシクロ[3.2.2]ノナン−2,4,6,7−テトラカルボン酸二無水物、8−オキサビシクロ[3.2.2]ノナン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、8−オキサビシクロ[3.2.2]ノナン−2,4,6,7−テトラカルボン酸二無水物、8−チアビシクロ[3.2.2]ノナン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、8−チアビシクロ[3.2.2]ノナン−2,4,6,7−テトラカルボン酸二無水物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0027】
上記例の二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物は、単独で使用しても、2種以上の混合物として使用してもよい。
【0028】
二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物は、好ましくは、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.2.1]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.2.2]ノナン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.2.2]ノナン−8−エン−2,4,6,7−テトラカルボン酸二無水物、8−オキサビシクロ[3.2.2]ノナン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、8−チアビシクロ[3.2.2]ノナン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0029】
フッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物は、9,9−ビス(トリフルオロメチル)−9H−キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、
【0030】
【化1】
(式中、X及びXの少なくとも一方は、フッ素又はトリフルオロメチル基である)、
【0031】
【化2】
【0032】
【化3】
【0033】
及びそれらの組み合わせから選択される。
【0034】
上記例のフッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物は、単独で使用しても、2種以上の混合物として使用してもよい。
【0035】
フッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物は、好ましくは、9,9−ビス(トリフルオロメチル)−9H−キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、1,4−ジフルオロ−2,3,5,6−ピロメリト酸二無水物、3,6−ビス(トリフルオロメチル)−1,2,4,5−ピロメリト酸二無水物、
【0036】
【化4】
【0037】
及びそれらの組み合わせから選択される。
【0038】
二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物の使用量は、テトラカルボン酸二無水物成分の全使用量に対して、好ましくは35モル%〜65モル%、より好ましくは40モル%〜60モル%である。フッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物の使用量は、テトラカルボン酸二無水物成分の全使用量に対して、好ましくは35モル%〜65モル%、より好ましくは40モル%〜60モル%である。
【0039】
テトラカルボン酸二無水物成分は、場合により、他のテトラカルボン酸二無水物化合物を含むことができる。他のテトラカルボン酸二無水物化合物としては、例えば、エタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、シス−3,7−ジブチルシクロヘプチル−1,5−ジエン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシルシクロペンチル酢酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−コハク酸二無水物、ピロメリト酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキシド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、及び5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−二カルボン酸二無水物、式(1)〜(6)で表されるテトラカルボン酸二無水物化合物
【0040】
【化5】
【0041】
【化6】
【0042】
並びにそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
式(5)中、Xは、芳香環構造を有する二価基を表し;nは、1〜2の整数を表し;X31及びX32は、同一でも異なっていてもよく、互いに無関係に、水素又はアルキル基を表す。
【0044】
式(5)のテトラカルボン酸二無水物化合物は、好ましくは、
【0045】
【化7】
【0046】
からなる群から選択される。
【0047】
式(6)中、Xは、芳香環構造を有する二価基を表し;X41及びX42は、同一でも又は異なっていてもよく、互いに無関係に、水素又はアルキル基を表す。
【0048】
式(6)のテトラカルボン酸二無水物化合物は、好ましくは、
【0049】
【化8】
【0050】
である。
【0051】
ジアミン成分
ジアミン成分は、好ましくは、フッ素含有ジアミン化合物を含む。フッ素含有ジアミン化合物が、ジアミン成分に含まれる場合、それから形成されるフレキシブル基板は、優れた耐湿性を有している。
【0052】
フッ素含有ジアミン成分は、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェニル)エーテル、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェニル)スルフィド、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、
【0053】
【化9】
【0054】
【化10】
【0055】
【化11】
【0056】
及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0057】
上記例のフッ素含有ジアミン化合物は、単独で使用しても、2種以上の混合物として使用してもよい。
【0058】
フッ素含有ジアミン化合物は、好ましくは、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェニル)エーテル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、
【0059】
【化12】
【0060】
及びそれらの組み合わせから選択される。
【0061】
ジアミン成分は、場合により、少なくとも1つの他のジアミン化合物を含むことができる。フッ素含有ジアミン化合物の使用量は、ジアミン成分の全使用量に対して、好ましくは50モル%〜100モル%、より好ましくは60モル%〜100モル%、最も好ましくは70モル%〜100モル%である。
【0062】
他のジアミン化合物としては、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、4,4’−ジアミノヘプタン、1,3−ジアミノ−2,2−ジメチルプロパン、1,6−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサン、1,7−ジアミノ−2,5−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−4,4−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−3−メチルヘプタン、1,9−ジアミノ−5−メチルノナン、2,11−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、5−[4−(4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]フェニルメチレン−1,3−ジアミノベンゼン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−(4−エチルフェニル)シクロヘキサン、式(a)〜(n)のジアミン化合物
【0063】
【化13】
【0064】
(式中、
は、−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、又は−CO−を表し、
11は、ステロイド含有基、C〜C30アルキル基、又は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジン及びピペラジンからなる群から生じる一価の窒素含有環状構造を表す)、
【0065】
【化14】
【0066】
(式中、
は、−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、又は−CO−を表し、
21及びR22は、互いに無関係に、脂環式基、芳香族基、及び複素環基からなる群から選択される二価基を表し、
23は、C〜C18アルキル基、C〜C18アルコキシ基、シアノ基、又は塩素原子を表す)、
【0067】
【化15】
【0068】
(式中、
は、水素、C〜Cアシル基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルコキシ基、又は塩素原子を表し、
各繰り返し単位中のRは、同一であっても異なっていてもよく、
nは、1〜3の整数を表す)、
【0069】
【化16】
【0070】
(式中、tは、2〜12の整数を表す)、
【0071】
【化17】
【0072】
(式中、uは、1〜5の整数を表す)、
【0073】
【化18】
【0074】
(式中、
及びR42は、同一でも異なっていてもよく、互いに無関係に、二価の有機基を表し、
41は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジン及びピペラジンからなる群から生じる二価の窒素含有環状構造を表す)、
【0075】
【化19】
【0076】
(式中、
、R51、R52及びR53は、同一でも異なっていてもよく、互いに無関係に、C〜C12炭化水素基を表し、
pは、1〜3の整数を表し、
qは、1〜20の整数を表す)、
【0077】
【化20】
【0078】
(式中、
は、−O−又はシクロヘキシレンを表し、
61は、−CH−を表し、
62は、フェニレン又はシクロヘキシレンを表し、
63は、水素又はペプチル基を表す)、
【0079】
【化21】
【0080】
【化22】
及び
【0081】
【化23】
【0082】
並びに、それらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0083】
式(a)のジアミン化合物の例としては、好ましくは、2,4−ジアミノフェニルエチルホルマート、3,5−ジアミノフェニルエチルホルマート、2,4−ジアミノフェニルプロピルホルマート、3,5−ジアミノフェニルプロピルホルマート、1−ドデコキシ−2,4−アミノベンゼン、1−ヘキサデコキシ−2,4−アミノベンゼン、1−オクタデコキシ−2,4−アミノベンゼン、
【0084】
【化24】
【0085】
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0086】
式(b)のジアミン化合物の例としては、好ましくは、
【0087】
【化25】
【0088】
【化26】
【0089】
(式中、vは、3〜12の整数を表す)、
【0090】
【化27】
【0091】
(式中、vは、3〜12の整数を表す)、
【0092】
【化28】
【0093】
(式中、vは、3〜12の整数を表す)、
及び
【0094】
【化29】
【0095】
(式中、vは、3〜12の整数を表す)、
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0096】
式(c)のジアミン化合物の例としては、好ましくは、
(1)nが1の場合、p−ジアミノベンゼン、m−ジアミノベンゼン、o−ジアミノベンゼン、2,5−ジアミノトルエン、等;
(2)nが2の場合、4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、等;及び
(3)nが3の場合、1,4−ビス(4’−アミノフェニル)ベンゼン、等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。式(c)のジアミン化合物は、より好ましくは、p−ジアミノベンゼン、2,5−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4−ビス(4’−アミノフェニル)ベンゼン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0097】
式(e)のジアミン化合物は、好ましくは、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィドである。
【0098】
式(h)のジアミン化合物は、好ましくは、
【0099】
【化30】
及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0100】
[1]−2:溶剤
本発明のフレキシブル基板用組成物に含有される溶剤は、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールn−プロピルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジグリコールジメチルエーテル、ジグリコールジエチルエーテル、ジグリコールモノメチルエーテル、ジグリコールモノエチルエーテル、ジグリコールモノメチルエーテルアセテート、ジグリコールモノエチルエーテルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルエタンアミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0101】
[1]−3:添加剤
本発明のフレキシブル基板用組成物には、フレキシブル基板用組成物の所望の性質が損なわれない質的・量的範囲内で、添加剤を添加することができる。添加剤は、当該技術の一般的な形態に従って用いることができる。当該添加剤としては、例えば、充填剤、可塑剤、耐候剤、粘度調整剤、表面処理剤、酸化防止剤、消泡剤、着色剤、熱安定剤、接着促進剤、離型剤、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記例の添加剤は、単独で使用しても組み合わせて使用してもよい。
【0102】
添加剤の量は、添加剤の種類や目的等に応じて自由に設定することが可能であるが、一般的にはポリマー100重量部に対して、好ましくは0.1〜40重量部、より好ましくは1〜30重量部である。
【0103】
充填剤としては、例えば、シリカ、酸化アルミウム、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。充填剤の市販の例は、日産化学工業株式会社製のIPA−ST(粒度:12nm)、EG−ST(粒度:12nm)、IPA−ST−L(粒度:45nm)、及びIPA−ST−ZL(粒度:100nm)のような製品である。上記例の充填剤は、単独で使用しても組み合わせて使用してもよい。
【0104】
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(例えば、TCI株式会社製のBHTのような市販の製品)、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記例の酸化防止剤は、単独で使用しても組み合わせて使用してもよい。
【0105】
消泡剤としては、例えば、シリコン系消泡剤(例えば、東レ・ダウコーニング株式会社製のSH−203のような市販の製品)、アセチレンジオール系消泡剤(例えば、日産化学工業株式会社製のサーフィノールDF−100D、及びサーフィノールDF−37のような市販の製品)、フッ素含有シリコン系消泡剤(例えば、信越化学工業株式会社製のFA−630のような市販の製品)、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記例の消泡剤は、単独で使用しても組み合わせて使用してもよい。
【0106】
充填剤を使用する場合、フレキシブル基板用組成物から作られるフレキシブル基板は、優れた成膜性を有する。
【0107】
本発明のフレキシブル基板用組成物の製造方法には、特に限定はない。一般的混合方法を使用することができる。例えば、本発明のフレキシブル基板用組成物は、ポリアミック酸及び/又はポリイミド、溶剤、並びに添加剤(任意の添加)を混合し、次いで十分に混合されるまで攪拌することによって製造することができる。
【0108】
フレキシブル基板用組成物の粘度は、塗布方法に応じて調整することができる。粘度は、1cps〜20000cpsである。
【0109】
[2]フレキシブル基板
本発明のフレキシブル基板は、上記フレキシブル基板用組成物を基にして製造することができる。
【0110】
具体的には例えば、本発明のフレキシブル基板用組成物を当該技術に一般に使用される塗布方法を用いて支持基板上に塗布し、次いで乾燥及び硬化処理を行い、形成されたフレキシブル基板を次いで、支持基板から剥離する。基板への本発明のフレキシブル基板用組成物の塗布方法としては、例えば、スピンコーティング、キャストコーティング、ロールコーティング、等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0111】
乾燥処理は、溶剤を除去するために、当該技術に周知の方法で行うことができる。乾燥処理は、50℃〜200℃の乾燥温度で、1分間〜1時間行われる。
【0112】
硬化処理は、残った溶剤を完全に除去するために、かつ、より緻密な構造を有するフレキシブル基板を提供するために、当該技術において周知の方法で行うことができる。硬化処理は、150℃〜500℃の硬化温度で、10分間〜2時間行われる。
【0113】
フレキシブル基板は、当該技術において周知の方法、例えば、ストリッピング、ドライエッチング、ウェットエッチング、等、で支持基板から剥離する。
【0114】
支持基板としては、例えば、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、シリコンウエハ、液晶表示装置で一般に使用される同様のもの、が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0115】
本発明のフレキシブル基板は、フレキシブル液晶ディスプレー又は電子書籍に適している。
【実施例】
【0116】
以下、実施例により本発明の好適な実施態様を説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものと解釈するべきではない。
【0117】
実施例
[ポリアミック酸の製造]
合成例1
窒素注入口、攪拌器、凝縮器及び温度計を備えた、500mlの四つ口フラスコを窒素でパージし、ここに、p−ジアミノベンゼン(2.70g,0.025モル)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(4.95g,0.025モル)、及びN−メチル−2−ピロリドン(80g)を含む原料組成物を加えた。上記原料組成物が溶解するまで室温で攪拌を行った。次いで、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物(6.20g,0.025モル)、3,6−ビス(トリフルオロメチル)−1,2,4,5−ピロメリト酸二無水物(8.85g,0.025モル)、及びN−メチル−2−ピロリドン(20g)を加えて室温で2時間反応させた。上記反応後、反応溶液を得て、これを次いで、水(1500ml)に注入してポリマーを沈殿させた。濾過後に得られたポリマーを次いで、3回、メタノールで洗浄し濾過し、その後当該ポリマーを、真空オーブン中で60℃で乾燥させて、ポリアミック酸(A−1−1)を得た。
【0118】
合成例2〜3
合成例2〜3のポリアミック酸を、表1に示されるテトラカルボン酸二無水物成分及びジアミン成分とそれらの量を用いて合成例1の方法に従って製造した。
【0119】
[ポリイミドの製造]
合成例4
窒素注入口、攪拌器、凝縮器及び温度計を備えた、500mlの四つ口フラスコを窒素でパージし、ここに、p−ジアミノベンゼン(2.70g,0.025モル)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(4.95g,0.025モル)、及びN−メチル−2−ピロリドン(80g)を含む原料組成物を加えた。上記原料組成物が溶解するまで室温で攪拌を行った。次いで、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物(6.20g,0.025モル)、3,6−ビス(トリフルオロメチル)−1,2,4,5−ピロメリト酸二無水物(8.85g,0.025モル)、及びN−メチル−2−ピロリドン(20g)を加えて室温で6時間反応させた。上記反応後、反応溶液を得た。この反応溶液に、N−メチル−2−ピロリドン(97g)、無水酢酸(5.61g) 及びピロリドン(19.75g)を加えた。60℃で2時間攪拌することによって、イミド化を行った。反応溶液を水(1500ml)に注入してポリマーを沈殿させた。濾過後に得られたポリマーを次いで、3回、メタノールで洗浄し濾過し、その後当該ポリマーを、真空オーブン中で60℃で乾燥させて、ポリイミド(A−2−1)を得た。
【0120】
合成例5〜20
合成例5〜20のポリイミドを、表1及び表2に示されるテトラカルボン酸二無水物成分及びジアミン成分とそれらの量、並びに、脱水/閉環反応条件を用いて合成例4の方法に従って製造した。
【0121】
[フレキシブル基板用組成物とフレキシブル基板の製造]
実施例1
合成例1のポリアミック酸100重量部、及びエチレングリコールn−ブチルエーテル800重量部を室温で攪拌して、フレキシブル基板用組成物を得た。このフレキシブル基板用組成物を100mm×100mm×0.7mmのガラス基板上にスピンコーティングにより塗布して、ガラス基板上に塗膜を形成した。この塗膜を110℃で2分間乾燥させ、次いで、250℃で60分間焼成して、ガラス基板上のフレキシブル基板を含む積層体を得た。
【0122】
参考例4〜8、13、14、実施例2、3、9〜12及び比較例1〜6
参考例4〜8、13、14、実施例2、3、9〜12及び比較例1〜6のフレキシブル基板用組成物とフレキシブル基板を、表3に示されるポリマー、溶剤及び添加剤とそれらの量を用いて実施例1の方法に従って製造した。これらのフレキシブル基板用組成物とフレキシブル基板を、以下の評価方法に従って評価した。結果を表3に示す。
【0123】
比較例7
窒素注入口、攪拌器、凝縮器及び温度計を備えた、500mlの四つ口フラスコを窒素でパージし、ここに、エポキシプロパノール(日油株式会社製のEPIOL OHとして市販されているもの、1400g)及びテトラメトキシシランの部分縮合物(多摩化学工業株式会社製のM Silicate 51として市販されているもの、8957.9g)を加え、次いで連続攪拌して90℃に加熱した。次いでジブチル錫ジラウレート触媒(2.0g)を加えた。約630gのメタノールを留去し次いで室温に冷却した。さらに約80gのメタノールを、13kPaの減圧留去により除去して、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(S1)を得た。
【0124】
窒素注入口、攪拌器、凝縮器及び温度計を備えた、2Lの三つ口フラスコを窒素でパージし、ここに、ポリアミック酸(株式会社I.S.T製のPyre−MLとして市販されているもの、1400g)及びN−メチルピロリドン(500g)を加え、次いで連続攪拌して80℃に加熱した。次いで39.4gのエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(S1)及び0.23gの2−メチルイミダゾール触媒を加え、80℃で4時間反応させた。フラスコの内容物を室温に冷却して、シラン変性ポリアミック酸組成物を得た。
【0125】
このシラン変性ポリアミック酸組成物を、100mm×100mm×0.7mmのガラス基板上にスピンコーティングにより塗布して、ガラス基板上に塗膜を形成した。この塗膜を110℃で2分間乾燥し、次いで250℃で60分間焼成して、ガラス基板上のフレキシブル基板を含む積層体を得た。
【0126】
ガラス基板上のフレキシブル基板の表面を、肉眼で観察した。いくつかの凹凸が見つかったが、クラックは観察されなかった。ガラス基板上からスクレーパーで剥離されたフレキシブル基板を60℃の水に24時間浸した。6%の吸湿率が、吸湿試験における式を用いて算出され、評価結果は、×であった。
【0127】
[評価項目]
1.イミド化率
イミド化率は、ポリイミド中のアミック酸官能基の数とイミド環の数の合計に対するイイド環の数の割合を意味し、百分率で表される。合成例1〜20から得られた各ポリマーを、減圧下で乾燥し、次いで、適切な重水素化溶剤、例えば、重水素化ジメチルスルホキシド、に溶解した。H−NMR測定を、基準物質としてテトラメチルシランを用いて室温(例えば、25℃)で行った。イミド化率(%)は次の式を用いて算出した:
【0128】
イミド化率(%)=[1−△1/(△2×α)]×100
【0129】
(式中、
△1は、化学シフト10ppm付近のNH基のプロトン由来のピーク面積であり;
△2は、その他のプロトン由来のピーク面積であり;
αは、当該ポリマー中のNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
【0130】
2.成膜性
参考例4〜8、13、14、実施例1〜3、9〜12及び比較例1〜7のそれぞれのフレキシブル基板用組成物を100mm×100mm×0.7mmのガラス基板上にスピンコーティングにより塗布してガラス基板上に塗膜を形成した。この塗膜を110℃で2分間乾燥し、次いで、250℃で60分間焼成して、ガラス基板上のフレキシブル基板を含む積層体を得た。ガラス基板上のフレキシブル基板の表面を、肉眼で観察し、以下の基準により評価した:
【0131】
◎:表面にクラックがなく非常に平らである。
○:表面にクラックはないが、いくつかの凹凸がある。
×:表面にクラックと不連続のブロックがある。
3.吸湿試験
評価項目2から得られた各フレキシブル基板を、ガラス基板からスクレーパーを用いて剥離した。各フレキシブル基板の重さを量り、W1として記録し、次いで60℃の水に24時間浸した。フレキシブル基板を水から取り出し、清潔な布で拭いて乾かし、次いで、重さを量り、W2として記録した。吸湿率(%)を、次の式を用いて算出した:
【0132】
吸湿率(%)=[(W2−W1)/(W1)]×100%
【0133】
フレキシブル基板の吸湿率は、以下の基準により評価した:
◎:吸湿率<1.5%;
○:1.5%≦吸湿率<5%;
×:吸湿率≧5%;
−:塗膜が形成され得ず、吸湿率を測定することができない。
【0134】
【表1】
【0135】
注:
「--」:無添加
a-1-1: ビシクロ[2.2.2]オクタン-2-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物
a-1-2: 8-チアビシクロ[3.2.2]ノナン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物
a-1-3: 7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物
a-2-1: 3,6-ビス(トリフルオロメチル)-1,2,4,5-ピロメリト酸二無水物
a-2-2: 1,4-ジフルオロ-2,3,5,6-ピロメリト酸二無水物
a-2-3: 9,9-ビス(トリフルオロメチル)-9H-キサンテン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物
a-3-1: 3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-コハク酸二無水物
a-3-2: ピロメリト酸二無水物
a-3-3: 1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
b-1-1: ビス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-アミノフェニル)エーテル
b-1-2: 2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニル
b-2-1: p-ジアミノベンゼン
b-2-2: 4,4’-ジアミノジフェニルメタン
b-2-3: 4,4’-ジアミノジフェニルエーテル
【0136】
【表2】
【0137】
注:
「--」: 無添加
a-1-1: ビシクロ[2.2.2]オクタン-2-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物
a-1-2: 8-チアビシクロ[3.2.2]ノナン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物
a-1-3: 7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物
a-2-1: 3,6-ビス(トリフルオロメチル)-1,2,4,5-ピロメリト酸二無水物
a-2-2: 1,4-ジフルオロ-2,3,5,6-ピロメリト酸二無水物
a-2-3: 9,9-ビス(トリフルオロメチル)-9H-キサンテン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物
a-3-1: 3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-コハク酸二無水物
a-3-2: ピロメリト酸二無水物
a-3-3: 1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
b-1-1: ビス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-アミノフェニル)エーテル
b-1-2: 2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニル
b-2-1: p-ジアミノベンゼン
b-2-2: 4,4’-ジアミノジフェニルメタン
b-2-3: 4,4’-ジアミノジフェニルエーテル
【0138】
【表3】
【0139】
注:
「--」: 無添加
「−」: 測定せず
B-1: エチレングリコール n-ブチルエーテル
B-2: N-メチル-2-ピロリドン
B-3: γ-ブチロラクトン
C-1: シリカ(日産化学工業株式会社製のIPA-STとして市販されているもの, 粒度12 nm)
C-2: 酸化防止剤(TCI株式会社製のBHTとして市販されているもの)
C-3: 消泡剤(東レ・ダウコーニング株式会社製のSH-203として市販されているもの)
【0140】
表1、2及び3に示されるように、参考例4〜8、13、14、実施例1〜3、9〜12の各々において、30モル%〜70モル%の二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物と30モル%〜70モル%のフッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物を含むテトラカルボン酸二無水物成分、及びジアミン成分を用いてフレキシブル基板用組成物のポリマーを得た。当該ポリマーを含む組成物は優れた成膜性を有し、当該ポリマーを含む組成物から作られたフレキシブル基板は、優れた耐湿性を有している。
【0141】
参考例6、7、14、実施例3、12の各々において、フレキシブル基板用組成物のポリマーは、フッ素含有ジアミン化合物を含むジアミン成分を用いて得られたものである。当該ポリマーを含む組成物から作られるフレキシブル基板は、より優れた耐湿性を有している。
【0142】
さらに、参考例8、13、実施例9〜12の各々において、フレキシブル基板用組成物に含まれるポリマー(ポリイミド)は、60%〜100%のイミド化率を有しており、その結果、当該フレキシブル基板用組成物から作られたフレキシブル基板は、より優れた耐湿性を有している。
【0143】
さらに、参考例6、実施例10の各々において、フレキシブル基板用組成物に充填剤が添加されている。これらの組成物から作られたフレキシブル基板は、より優れた成膜性を有している。



【0144】
比較例1において、フレキシブル基板用組成物のポリマーは、25モル%の二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物及び60モル%のフッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物を含むテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを反応に付すことによって得られたものである。当該ポリマーを含む組成物の成膜性は劣っており、当該組成物から作られたフレキシブル基板の表面には多数のクラックが存在している。
【0145】
比較例2において、フレキシブル基板用組成物のポリマーは、60モル%の二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物及び25モル%のフッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物を含むテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを反応に付すことによって得られたものである。当該ポリマーを含む組成物から作られたフレキシブル基板の耐湿性は劣っている。
【0146】
比較例3において、フレキシブル基板用組成物のポリマーは、75モル%の二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物及び25モル%の他のテトラカルボン酸二無水物化合物を含むテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを反応に付すことによって得られたものである。テトラカルボン酸二無水物成分に、フッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物は含まれていない。当該組成物から作られたフレキシブル基板の耐湿性は劣っている。
【0147】
比較例4において、フレキシブル基板用組成物のポリマーは、25モル%の二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物及び75モル%のフッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物を含むテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを反応に付すことによって得られたものである。当該ポリマーを含む組成物の成膜性は劣っており、当該組成物から作られたフレキシブル基板の表面には多数のクラックが存在している。
【0148】
比較例5において、フレキシブル基板用組成物のポリマーは、10モル%の二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物及び10モル%のフッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物を含むテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを反応に付すことによって得られたものである。ジアミン成分として、フッ素含有ジアミン化合物が用いられている。しかし、上記ポリマーを含む組成物の成膜性は劣っており、当該組成物から作られたフレキシブル基板の表面には多数のクラックが存在している。
【0149】
比較例6において、フレキシブル基板用組成物のポリマーは、95モル%の二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物及び5モル%の他のテトラカルボン酸二無水物化合物を含むテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを反応に付すことによって得られたものである。テトラカルボン酸二無水物成分に、フッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物は含まれていない。当該組成物から作られたフレキシブル基板の耐湿性は劣っている。
【0150】
比較例7のシラン変性ポリアミック酸樹脂組成物は、特開2002−293933号公報の記載に従って製造されたものである。当該シラン変性ポリアミック酸樹脂組成物から作られたフレキシブル基板の耐湿性は劣っている。
【0151】
要約すると、30モル%〜70モル%の二環式の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物と30モル%〜70モル%のフッ素含有テトラカルボン酸二無水物化合物を含むテトラカルボン酸二無水物成分、及びジアミン成分を用いてフレキシブル基板用組成物のポリマーを得ると、当該ポリマーを含むフレキシブル基板用組成物は優れた成膜性を有し、当該組成物から作られたフレキシブル基板は優れた耐湿性を有する。
【0152】
本発明は、最も実際的かつ好ましい実施態様であると考えられるものに関連して記載されているが、この発明は開示された実施態様に限定されず、最も広い解釈の精神及び範囲に含まれる種々のアレンジメント及び等価のアレンジメントに及ぶものと理解される。