【実施例】
【0083】
本発明の化合物の調製
一般
特にことわらない限り、化学実験室で普通に使用される方法を使用して、全ての反応を商業上得られる装置中で行なう。空気及び/又は水分に敏感である出発物質を保護ガスの雰囲気下で貯蔵し、それらを用いる相当する反応及び操作を保護ガス(窒素又はアルゴン)の雰囲気下で行なう。
化合物をBeilstein 規則に従ってAutonom ソフトウェア(Beilstein) を使用し、又はLexichem (リリース2.0.0; OpenEye Scientific Software) を使用して命名する。化合物が構造式及びその命名法の両方により表される場合、不一致の場合には、構造式が決定的である。
マイクロウェーブ反応を、好ましくは撹拌しながら、シールされた容器(好ましくは2、5又は20mL)中でバイオテージ製イニシアーター/反応器又はCEM製エクスプローラー中で行なう。
クロマトグラフィー
分取中間圧力クロマトグラフィー(MPLC)について、ミリポア製シリカゲル(名称:グラヌラ・シリカSi-60A 35-70μm、NP相)又はマチェレイ・ナゲル製C-18 RP-シリカゲル(RP-相)(名称:ポリゴプレプ100-50 C18)を使用する。
また、自動化順相クロマトグラフィーをIsco製のコンビフラッシュ・フォキシィ200 分別コレクターと組み合わせてのコンビフラッシュ・コンパニオンXL装置で行なう。このために、商業上得られるRediSepRf(例えば、120gのシリカゲル)一方向カラムを使用する。加えて、自動化順相クロマトグラフィーをまたバイオテージ製Isoleraフラッシュ精製装置を使用して行なってもよい。このために、バイオテージから商業上得られる一方向カラムSNAPカートリッジ(例えば、50g のシリカゲル)を使用する。
薄層クロマトグラフィーをメルク製ガラス(蛍光インジケーターF-254を含む)の上の既製シリカゲル60 TLCプレートで行なう。
【0084】
本発明の実施例化合物の分取高圧クロマトグラフィー(HPLC)をウォーターズ製カラム(名称:XTerra Prep. MS C18、5μm、30 x 100mmもしくはXTerra Prep. MS C18、5μm、50 x 100mm OBD又はシンメトリイC18、5μm、19 x 100mm或いはサンファイアーC18 OBD、19 x 100mm、5μm又はサンファーアー・プレプC 10μm OBD 50 x 150mmもしくはX-ブリッジ・プレプC18 5μm OBD 19 x 50mm又はX-ブリッジ・プレプC18 10μm OBD 50 x 150mm)、アギレント製カラム(名称:ゾルバックスSB-C8 5μm PrepHT 21.2 x 50mm)及びフェノメネクス製カラム(名称:ジェミニC18 5μm AXIA 21.2 x 50mm又はジェミニC18 10μm 50 x 150mm)を使用して行なう。化合物をH
2O/アセトニトリル又はH
2O/MeOH の異なる勾配を使用して溶離し、この場合、0.1 % HCOOH を水に添加する(酸条件)。塩基性条件下のクロマトグラフィーのために、H
2O/アセトニトリル勾配をまた使用し、下記のレシピを使用して水を塩基性にする:炭酸水素アンモニウム溶液(H
2O 1Lにつき158g)5 ml及びアンモニア(MeOH中7M)2 mlをH
2O で1Lにする。
本発明の実施例化合物の順相の分取高圧クロマトグラフィー(HPLC)をマチェレイ&ナゲル製カラム(名称:ヌクレオシル、50-7, 40 x 250 mm) 及びVDSoptilab製カラム (名称:クロマシル100 NH
2, 10 μM, 50 x 250 mm)を用いて行なう。DCM/MeOHの勾配を使用して化合物を溶離し、この場合、0.1 % NH
3 をMeOHに添加する。
中間体化合物の分析HPLC(反応制御)をアギレント製カラム(名称:ゾルバックスSB-C8、5μm、21.2 x 50mm又はゾルバックスSB-C8 3.5μm 2.1 x 50mm)及びフェノメネクス製カラム(名称:ジェミニC18 3μm 2 x 30mm)を用いて行なう。その分析装置はまた夫々の場合に質量検出器を備えている。
HPLC-質量分光分析/UV分光分析
HPLC-MS装置(質量検出器を備えた高性能液体クロマトグラフィー)を使用して、本発明の実施例化合物を特性決定するための保持時間/MS-ESI
+を得る。注出ピークで溶離する化合物を保持時間t
Ret.=0.00とする。
【0085】
HPLC-MS 方法
HPLC: アギレント1100シリーズ
MS: アギレントLC/MSD SL
カラム: ウォーターズ、Xブリッジ
TM C18、2.5μm、2.1 x 20mm
部品番号186003201
溶離剤: A:0.1%のNH
3(=pH9-10)
B:アセトニトリルHPLC等級
検出: MS:ポジチブ及びネガチブ
質量範囲: 120-800m/z
流量: 1.00mL/分
カラム温度:60℃
勾配: 0.00分:5%の溶媒B
0.00-2.50分:5%→95%のB
2.50-2.80分:95%のB
2.81-3.10分:95%→5%のB
本発明の化合物を下記の合成の方法により調製し、一般式の置換基は先に示された意味を有する。これらの方法は本発明の例示として意図され、その主題及び特許請求された化合物の範囲をこれらの実施例に限定するものではない。出発化合物の調製が記載されていない場合、それらは商業上得られ、又は既知の化合物もしくは本明細書に記載された方法と同様にして調製されてもよい。文献に記載された物質は公表された合成の方法と同様にして調製される。
A.TMS-保護アルキンB-1 の調製
反応スキーム 1
【0086】
【化50】
【0087】
TMS-保護アルキン B-1をソノガシラによるパラジウム触媒クロスカップリング反応により相当するピリジルハライドA-1 (好ましくはBr、I又はCl) からTMS-アセチレンを使用して調製する。そのハライドA-1 をフルオロピリジンED-1から二級アミン及び一級 (R
0 = H) アミンR
0R
1NHによる求核置換により合成し得る。
a) TMS-保護アルキン B-1aの合成方法
【化51】
【0088】
3-ブロモ-5-フルオロ-ピリジン ED-1a (4.26 g, 23.5 ミリモル) 及びイソプロピルピペラジン (7.58 g, 59.1 ミリモル) をn-BuOH (16 mL) に入れ、100℃で6日間撹拌する。冷却後、その反応混合物を0.1 N塩酸で酸性にし、EAで3回抽出する。水相を水酸化ナトリウム溶液でpH 10 に調節し、DCM で3回抽出する。合わせた有機相をMgSO
4 で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。残渣を少量のDCM に吸収させ、DCM 中で予め膨潤されたポリマー結合イソシアネート (Argonaut, Art.No. 800260) 4gに添加し、室温で2時間撹拌する。次いでその樹脂を濾過し、DCM で洗浄し、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。こうして得られた3-ブロモ-ピリジン A-1a (HPLC-MS: t
Ret. = 1.59 分; MS (M+H)
+ = 284)を更に精製工程を用いずに再度使用する。
【0089】
3-ブロモ-ピリジン A-1a (3.88 g, 8.18 ミリモル) 、CuI (124 mg, 0.65 ミリモル) 及び (PPh
3)
2PdCl
2 (95.0 mg, 0.14 ミリモル) を保護ガスの下でジイソプロピルアミン (5 mL)に入れ、TMS-アセチレン (1.5 mL, 10.6 ミリモル) と合わせ、マイクロウェーブ反応器中で100 ℃で30分間撹拌する。冷却後、その反応混合物を1 N 塩酸で希釈し、DCM で3回抽出する。その酸水相をpH 9に調節し、DCM で3回抽出する。合わせた有機相をMgSO
4 で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。残渣を順相クロマトグラフィーにより精製する。B-1a (HPLC-MS: t
Ret. = 2.13 分; MS (M+H)
+ = 203)の生成物を含む画分を蒸発させ、高真空下で乾燥させる。
この方法と同様にして、その他のTMS-保護アルキン B-1をピリジルハライドED-1、相当する一級又は二級 (R
0 = H) アミン R
0R
1NH 及びTMS-アセチレンから合成する(表1を参照のこと)。
表1:調製されたTMS-保護アルキン B-1
【0090】
【表2】
【0091】
B. 本発明の型I 化合物の調製 (合成方法1A及び1B)
反応スキーム 2
【化52】
【0092】
本発明の型I の化合物を反応スキーム 2に示されたようにアジド D-3から出発してCuSO
4 及びアスコルビン酸ナトリウムの存在下でアルキン C-1による環化付加により合成方法1Aにより調製し得る。アジド D-3をアジド D-1及び好適なアミン R
2NH
2 (ED-3) からアミドカップリング反応により合成でき、文献から知られているカップリング方法、例えば、SOCl
2 、塩化オキサリル/DMF又はGHOSEZ 試薬を使用する酸クロリドへの活性化が使用し得る。加えて、カップリング試薬、例えば、HATU、TBTU、DCC 及びその他の普通の試薬がアミド結合に使用し得る。
その反応順序の反転において、型Iの化合物をまた合成方法1Bにより安息香酸 D-2と好適なアミン R
2NH
2 (ED-3) のアミド結合により調製し得る。その安息香酸 D-2をCuSO
4 及びアスコルビン酸ナトリウムの存在下でアルキン C-1によるアジド D-1の環化付加により合成し得る。
反応スキーム 3 -アジドD-1の調製
【0093】
【化53】
【0094】
アジド D-1 を相当するアニリンED-2から、例えば、塩酸の存在下の、亜硝酸ナトリウムによるジアゾ化、続いてアジ化ナトリウムとの反応により調製し得る。そのアニリンED-2は市販されており、又は文献から知られている方法を使用して調製し得る。
反応スキーム 4 -TMS-保護アルキン B-1からのアルキン C-1の遊離
【0095】
【化54】
【0096】
アルキン C-1をTMS-保護化合物B-1 からKF、K
2CO
3 又は文献から知られているその他の開裂試薬を使用してin situ で遊離してもよく、その直後にそれらを更に使用する。しかしながら、殆どの場合、単離が可能である。
a)アジド D-1a の合成方法
【化55】
【0097】
3-アミノ-4-メチル安息香酸 ED-2a (10 g, 65.5 ミリモル) を2N HCl (300 mL) に吸収させ、0℃に冷却し、水30 mL 中の亜硝酸ナトリウム(5.42 g, 69.0 ミリモル) の溶液と混合し、30分間撹拌する。次いで水30 mL 中のアジ化ナトリウム (4.73 g, 72.0 ミリモル) の溶液を滴下して添加し、その添加が完結する時にその混合物を更に30分間撹拌し、次いで室温に加熱する。生成したD-1aの沈澱を濾過し、水で繰り返し洗浄し、次いで凍結乾燥する (HPLC-MS: t
Ret = 1.61分; MS (M+H)
+ = 178)。
この方法と同様にして、更なるアジド D-1を相当するアニリンED-2から合成し得る。
b)アジドD-3aの合成方法
【0098】
【化56】
【0099】
安息香酸 D-1a (1.00 g, 5.66 ミリモル) を塩化チオニル3.38 mL (46.6 ミリモル) に吸収させ、室温で一夜撹拌する。過剰の塩化チオニルを減圧で除去し、残っている固体をDCM (20 mL) に吸収させ、DIPEA 1.05 mL (6.27 ミリモル) と合わせ、次いでDCM (10 mL) に溶解された3-アミノ-5-tert.-ブチル-イソオキサゾール ED-3a (714.6 mg, 5.098 ミリモル) を室温で滴下して添加し、その混合物を30分間撹拌する。処理のために、溶媒を減圧で除き、残っている残渣を少量のDMF に吸収させる。濾過及びRP-HPLC によるクロマトグラフィー精製(勾配: 15-98 % アセトニトリル) により、D-3aを得る (HPLC-MS: t
Ret = 2.36 分; MS (M+H)
+ = 300)。
この方法と同様にして、更なるアジド D-3を相当するD-1-中間体から得る(表4を参照のこと)。
表4: 調製されたアジドD-3
【0100】
【表3】
【0101】
c) 実施例化合物I-1 の合成方法(合成方法1A)
【化57】
【0102】
TMS-保護アルキン B-1b (730 mg, 2.67 ミリモル) 及びKF (261 mg, 4.49 ミリモル) をMeOH (20 mL)に入れ、室温で30分間撹拌する。TMS 基の完全な開裂後に、アジド D-3a (487 mg, 1.63 ミリモル) 、アスコルビン酸ナトリウム溶液 (1.8 mL, H
2O中1M) 及びCuSO
4 溶液 (800 μL, H
2O中0.1M)を連続して添加し、40℃で2日間撹拌する。次いでその反応混合物をロータリーエバポレーターを使用して蒸発させ、残渣をEDTA水溶液に吸収させ、室温で2時間撹拌し、EA (毎回50 mL)で3回抽出する。合わせた有機相をMgSO
4 で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。残渣を少量のDMF に吸収させ、分取RP-HPLC により精製する。I-1 (HPLC-MS: t
Ret = 2.04 分; MS (M+H)
+ = 501)の生成物を含む画分を凍結乾燥する。
d)安息香酸D-2aの合成方法
【0103】
【化58】
【0104】
TMS-保護アルキン B-1b (2.20 g, 8.03 ミリモル) 及びKF (1.07 g, 18.3 ミリモル) をMeOH (30 mL)に入れ、室温で2時間撹拌する。TMS 基の完全な開裂後に、アジド D-1a (1.23 g, 6.92 ミリモル) 、アスコルビン酸ナトリウム溶液 (4.0 mL, H
2O 中1M) 及びCuSO
4 溶液 (14 mL, H
2O 中0.1M) を連続して添加し、その混合物を40℃で2日間撹拌する。次いでロータリーエバポレーターを使用してその反応混合物を蒸発させ、残渣をEDTA水溶液に吸収させ、室温で2時間撹拌し、生成物D-2aの一部を固体として濾過し、少量の水で洗浄する。濾液をEA (毎回75 mL)で3回抽出し、MgSO
4 で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。生成物を含む残渣を少量のDMF 中に生成物の最初の部分とともに吸収させ、分取HPLCにより精製する。D-2aの生成物を含む画分を凍結乾燥する。
この方法と同様にして、更なる安息香酸 D-2 をアジド D-1及びアルキン B-1から調製し得る。.
e)実施例化合物I-2 の合成方法(合成方法1B)
【0105】
【化59】
【0106】
安息香酸 D-2a (61.9 mg, 164 μモル) をDCM (2 mL)に入れ、N-(1-クロロ-2-メチルプロプ-1-エンイル)-N,N-ジメチルアミン (GHOSEZ 試薬; 100 mg, 748 μモル) と混合し、室温で1時間撹拌する。この反応混合物をED-3b (37.5 mg, 237μモル) 、ピリジン (33 μL) とDCM (3 mL)の混合物に徐々に添加し、更に30分間撹拌する。次いでロータリーエバポレーターを使用してその反応混合物を蒸発させ、残渣を少量のDMF に吸収させ、分取RP-HPLC により精製する。I-2 (HPLC-MS: t
Ret = 1.92 分; MS (M+H)
+ = 511)の生成物を含む画分を合わせ、凍結乾燥する。
C.本発明の型I化合物の調製(合成方法2)
反応スキーム 5
【0107】
【化60】
【0108】
型Iの実施例化合物をまた反応スキーム 5に従ってBUCHWALD-HARTWIG 反応によりブロミドD-4 及び好適なアミン R
0R
1NH から合成してもよく、その場合、文献から知られている異なる触媒- リガンド系を使用し得る。ブロミドD-4 をCuSO
4 及びアスコルビン酸ナトリウムの存在下でアルキン C-2a によるアジド D-3の環化付加により直接調製し、又はアルキンC-2aから出発して安息香酸 D-5によるアジド D-1の環化付加、続いて好適なアミン R
2NH
2 (ED-3)とのアミド結合により調製する。
f)アルキンC-2aの合成方法 (BESTMANN-OHIRA反応)
【0109】
【化61】
【0110】
ベンズアルデヒドED-4a (1.48 g, 7.71 ミリモル) 及びジアゾホスホネートED-5a (2.03 g, 10.6 ミリモル; BESTMANN-OHIRA 試薬, Synlett 1996, 521を参照のこと) を室温でMeOH (20 mL)に入れ、乳鉢中で粉砕されたK
2CO
3 (1.26 g, 8.37 ミリモル) と合わせ、室温で12時間撹拌する。次いでロータリーエバポレーターを使用してその反応混合物を蒸発させ、DCM (30 mL) に吸収させ、H
2O (毎回15 mL) で3回抽出する。有機相をMgSO
4 で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。得られるアルキン C-2a (HPLC-MS: t
Ret. = 1.37 分) を更に精製しないで更に使用し得る。
アルキン C-2a をin situ で調製することがまた可能である(以下を参照のこと)。
g)ブロミドD-4aの合成方法 (アルキン C-2a のin situ 調製を伴なう)
【0111】
【化62】
【0112】
ベンズアルデヒドED-4a (1.52 g, 7.90 ミリモル) 及びジアゾホスホネートED-5a (1.55 g, 8.04 ミリモル) をMeOH (80 mL)に入れ、K
2CO
3 (1.30 g, 9.44 ミリモル) と合わせ、室温で12時間撹拌する。アルキンC-2aへの完全な変換後に、アジド D-3a (2.01 g, 6.72 ミリモル) 、アスコルビン酸ナトリウム溶液 (8.5 mL, H
2O 中8M) 及びCuSO
4 溶液 (27 mL, H
2O 中0.1M)を連続して添加し、その混合物を45℃で15時間撹拌する。次いでロータリーエバポレーターを使用してその反応混合物を蒸発させ、残渣をEDTA水溶液 (75 mL) に吸収させ、4時間撹拌し、水相をEA (毎回100 mL) で3回抽出する。両方の相中に残っている固体を濾過し、その後に有機相からの生成物と合わせる。合わせた有機相をMgSO
4 で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。得られる生成物D-4a (HPLC-MS: t
Ret = 2.31分; MS (M+H)
+ = 481/483)を更に精製しないで更に使用する。
この方法と同様にして、更なるブロミドD-4 を相当する成分ED-4a 、ED-5a から合成し、またアジド D-3を合成する (表5)。
表5:調製されたブロミドD-4
【0113】
【表4】
【0114】
h)実施例化合物I-3 の合成方法(合成方法2)
【化63】
【0115】
ブロミド D-4a (92.3 mg, 0.192 ミリモル) 、NaOtBu (110 mg, 1.11 ミリモル) 、ビフェニル-2-イル-ジ-tert.-ブチル-ホスファン (37.9 mg, 385 μモル) 及びPd
2(dba)
3 を保護ガスの下で1,4-ジオキサン (1.2 mL) に入れ、N,N,N'-トリメチルエチレンジアミン (120 μL, 926 μモル) を添加し、その混合物を45℃で15時間撹拌する。次いでそれを少量のDMF で希釈し、分取RP-HPLC により精製する。I-3 (HPLC-MS: t
Ret = 2.12分; MS (M+H)
+ = 503) の生成物を含む画分を凍結乾燥する。
実施例化合物I-1 (合成方法 1A) もしくはI-2 (合成方法 1B) を合成するために上記された方法a)〜e)と同様にして、又は実施例化合物I-3 (合成方法 2)を合成するための方法 f)〜h)と同様にして、更なる実施例I-4 〜I-93を相当する前駆体から合成する(表6を参照のこと)。加えて、更なる型I実施例化合物を記載された方法により調製し得る。
表6: 実施例化合物I-1 〜I-93
【0116】
【表5】
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
D.本発明の型II化合物の調製 (合成方法1A及び1B)
反応スキーム 6
【化64】
【0133】
本発明の型IIの化合物を反応スキーム 6により示されたように合成方法1AによりアニリンE-3 から出発して好適なカルボン酸R
2COOH (ED-7) とのアミドカップリング反応により合成し得る。アニリンE-3 をアジド E-2 によるアルキンC-1 の銅触媒環化付加により調製し、そのアジドを順にモノ保護ビスアニリン E-1からジアゾ化及びアジ化ナトリウムとの反応により合成する。化合物E-1 をニトロアニリンED-6から出発してアミノ官能基における保護基の導入及びニトロ基のその後の還元により調製する。
その反応順序の反転において、型IIの化合物をまた合成方法1Bによりアジド E-5から出発してアルキン C-1による銅触媒環化付加で調製し得る。アジド E-5をニトロ化合物E-4 からニトロ基の還元、ジアゾ化及びアジ化ナトリウムによるその後のアジド生成により合成し得る。そのニトロ化合物E-4 を順にニトロアニリンED-6から好適なカルボン酸R
2COOH (ED-7)とのアミドカップリング反応により直接調製し得る。
合成方法1Aの改良において、好適な更に官能化されたカルボン酸R
2COOH (ED-7) を使用する場合、型II化合物をアミドカップリング後にこれらの官能基にて更に誘導体化し得る。換言すれば、アニリン E-3から出発して、アミド結合に加えて、更なる反応工程を行なうべきであり、必要により特別なカルボン酸ED-7を調製してもよい(別の最終反応工程、合成方法 1A*)。
合成方法1Bの改良において、型II化合物をまた臭素化合物E-6 (これは上記のようにアジド E-5からアルキン C-2a による環化付加により得られてもよい)からBUCHWALD-HARTWIG によるパラジウム触媒クロスカップリングにより調製し得る。換言すれば、合成方法1Bにおいてアジド E-5から出発して、その合成経路が分岐し、目標化合物をまた別の合成方法 1B* により得てもよい。
a)アニリン E-3a の合成方法(合成方法 1A)
工程 1: モノ保護ビス-アニリンE-1aの調製
【0134】
【化65】
【0135】
DIPEA (73 mL, 402 ミリモル) をTHF (300 mL) 中のニトロアニリン ED-6a (51.0 g, 335 ミリモル) に添加し、次いでベンジルクロロホルメートを氷で冷却しながら徐々に添加し (52 mL, 368 ミリモル) 、その反応混合物を室温で撹拌しながら一夜放置する。H
2O を添加し、ロータリーエバポレーターを使用して有機溶媒を除く。沈澱した固体を濾過し、Z-保護中間体 (HPLC-MS: t
Ret = 2.25分; MS (M-H)
- = 285)をMeOH/H
2O (1200 mL/50 mL) から再結晶する。
そのZ-保護中間体 Z-ED-6a (5.00 g, 17.5 ミリモル) をMeOH (30 mL) に入れ、ラネーニッケル (500 mg) と合わせ、8バールの水素圧力下で室温で18時間撹拌する。その反応混合物をSiO
2により濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して濾液を蒸発させる。粗生成物をn-ペンタンとともに撹拌し、こうして得られた固体E-1a (HPLC-MS: t
Ret = 1.86分; MS (M+H)
+ = 257)を濾過し、更に精製しないで更に使用する。
工程 2:アジド E-2aの調製
【0136】
【化66】
【0137】
亜硝酸ナトリウム水溶液 (1.57 g, H
2O 100 mL中22.8ミリモル) を氷で冷却しながらジオキサン (50 mL) 及び塩酸 (2N, 80 mL)中のモノ保護ビス-アニリン E-1a (3.90 g, 15.2 ミリモル) に徐々に滴下して添加し、この温度で1時間撹拌しながら放置する。次いでアジ化ナトリウム水溶液 (2.18 g, H
2O 50 mL中33.5ミリモル) を滴下して添加し、その混合物を室温で解凍し、30時間撹拌する。E-2a (HPLC-MS: t
Ret = 2.35 分; MS (M-H)
- = 281)からなる得られる固体を更に精製しないで更に使用する。
工程 3: Z-保護アニリンZ-E-3aの調製
【0138】
【化67】
【0139】
シリル保護基を開裂するために、B-1l (2.78 g, 10.7 ミリモル) 及びK
2CO
3 (3.42 g, 24.8 ミリモル) をMeOH (50 mL) に入れ、室温で2時間撹拌する。この混合物に、アジド E-2a (3.01 g, 10.7 ミリモル) 、アスコルビン酸Na (1.07 g, 5.38 ミリモル) 及びCuSO
4 水溶液 (0.8 M, 1.3 mL)を添加し、その混合物を室温で3日間撹拌する。ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除き、残渣をEA及び半飽和NaHCO
3溶液に吸収させ、EAで3回抽出する。合わせた有機相をMgSO
4 で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。こうして得られたZ-保護アニリン Z-E-3a を更に精製しないで更に使用する。
工程 4: 遊離アニリンE-3aの調製
【0140】
【化68】
【0141】
Z-保護アニリン Z-E-3a (3.02 g, 6.40 ミリモル) をTHF (30 mL) 及びH
2O (1 mL)に入れ、Pd/C (10 %, 1.24 g, 1.29 ミリモル) と合わせ、5バールの水素圧力で60℃で30時間撹拌する。その反応混合物を冷却後に濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して濾液を蒸発させる。残渣をDCM 及び少量のMeOHに吸収させ、NP-クロマトグラフィー (DCM/MeOH = 100:1 〜80:20)により精製する。E-3a (HPLC-MS: t
Ret = 1.31 分; MS (M+H)
+ = 337) の生成物を含む画分を合わせ、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。
この方法と同様にして、更なるアニリン E-3を相当するニトロアニリン ED-6 及びシリル-保護アセチレン B-1から調製する(表7を参照のこと)。
表7: 調製されたアニリン E-3
【0142】
【表6】
【0143】
b)実施例化合物II-1の合成方法 (合成方法 1A)
【化69】
【0144】
ピコリン酸ED-7a (60.0 mg, 0.31 ミリモル) をDMF (0.5 mL)に入れ、HATU (119 mg, 0.31 ミリモル) 及びDIPEA (120 μL, 0.72 ミリモル) と混合し、室温で10分間撹拌する。次いでアニリン E-3a (106 mg, 0.31 ミリモル) を添加し、その混合物を室温で3日間撹拌する。その反応混合物を分取RP-クロマトグラフィーにより直接精製する。II-1 (HPLC-MS: t
Ret = 2.12 分; MS (M+H)
+ = 510) の生成物を含む画分を合わせ、凍結乾燥する。
c)実施例化合物II-2の合成方法 (合成方法 1A*)
工程 1: カルボン酸ED-7b の合成
【0145】
【化70】
【0146】
AlCl
3 (25.4 g, 190 ミリモル) を氷で冷却しながらCS
2 (200 mL) 中のメチルフラン-2-カルボキシレート (20.0 g, 159 ミリモル) 及びtert.-ブチルブロミド (21.4 mL, 190 ミリモル) に回分添加し、その混合物を室温で6時間撹拌する。その反応混合物を氷水に注ぎ、濃塩酸(25 mL) と混合し、10分間撹拌する。次いで水相をEA200 mLで2回抽出する。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。こうして得られたメチル 5-tert.-ブチル-フラン-2-カルボキシレートを更に精製工程にかけないで更に使用する。
【0147】
エーテル性HCl 溶液(4 N, 200 mL) を室温でCCl
4 (200 mL)中の得られるメチル 5-tert.-ブチル-フラン-2-カルボキシレート (10.0 g, 55.0 ミリモル) 、パラ-ホルムアルデヒド(9.88 g, 329 ミリモル) 及びZnCl
2 (15.0 g, 110 ミリモル) に添加し、その混合物を室温で4日間撹拌する。その反応混合物を氷水に注ぎ、EA 200 mL で2回抽出する。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。粗生成物を少量のEAに吸収させ、NPクロマトグラフィー (PE/EA = 98:2) により精製する。その3-クロロメチル誘導体Z-1a (メチル 5-tert-ブチル-4-クロロメチル-フラン-2-カルボキシレート) の生成物を含む画分を合わせ、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。
LiOH水溶液 (1 M, 35 mL)をTHF (30 mL) 中のそのメチルエステルZ-1a (3.02 g, 13.1 ミリモル) に添加し、その反応混合物を室温で30時間撹拌する。次いでロータリーエバポレーターを使用してその混合物を蒸発させ、水性残渣をDCM (夫々の場合に50 mL) で2回抽出する。合わせた有機相を水酸化ナトリウム溶液(1M, 50 mL)で1回再抽出する。合わせた水相を塩酸(6N)で酸性にし、DCM で4回抽出する。合わせた有機相をMgSO
4 で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。こうして得られたカルボン酸ED-7b (HPLC-MS: t
Ret = 0.00 分; MS (M-H)
- = 197)を更に精製しないで更に使用する。
工程 2: 実施例化合物II-2の合成
【0148】
【化71】
【0149】
カルボン酸ED-7b (570 mg, 2.88 ミリモル) をSOCl
2 (2.2 mL, 28.9 ミリモル) と合わせ、75℃で1.5 時間撹拌する。次いでロータリーエバポレーターを使用してその反応混合物を蒸発させ、残渣を少量のトルエンに吸収させ、再度蒸発させる(全部で3回)。残渣をDCM (25 mL) に吸収させ、アニリン E-3a (800 mg, 2.38 ミリモル) 及びDIPEA (1.5 mL) と合わせ、室温で4時間撹拌する。ロータリーエバポレーターを使用してその混合物を蒸発させ、残渣を少量のDMF に吸収させ、水及びHCOOH と混合し、固体を濾過し、水洗し、真空乾燥機中で50℃で乾燥させる。
こうして得られたクロロメチル誘導体 (100 mg, 0.09 ミリモル) の一部をDMF に吸収させ、イソ-プロピルアミン (33.1 mg, 0.56 ミリモル) と合わせ、室温で1時間撹拌する。その反応混合物を少量の水と合わせ、分取RPクロマトグラフィーにより精製する。II-2 (HPLC-MS: t
Ret = 1.97 分; MS (M+H)
+ = 558)の生成物を含む画分を合わせ、凍結乾燥する。
記載された反応を、アミン (この場合には、イソプロピルアミン) を添加しないことにより、またその反応をアルコールR
iiiOH、例えば、エタノール中で、又はアルコールR
iiiOHの添加により行なって相当するフリルメチルエーテルを得ることにより変更してもよい。
【0150】
【化72】
【0151】
d)アジド E-5a の合成方法(合成方法 1B)
【化73】
【0152】
HATU (4.90 g, 12.9 ミリモル) 及びDIPEA (8.2 mL) をTHF (40 mL) 中のフランカルボン酸ED-7c (2.00 g, 12.0 ミリモル) に添加し、その混合物を室温で30分間撹拌する。次いでニトロアニリン ED-6a (2.00 g, 13.0 ミリモル) を添加し、その混合物を40℃で20時間撹拌する。ロータリーエバポレーターを使用してその反応混合物を蒸発させ、残渣をDCM に吸収させ、希塩酸で2回抽出する。有機相をMgSO
4 で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。残渣を少量のDCM 及びMeOHに吸収させ、NPクロマトグラフィー (DCM/MeOH = 100:0〜80:20)により精製する。E-4aの生成物を含む画分を合わせ、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。
NH
4Cl 水溶液(H
2O 10 mL 中816 mg)をEtOH (10 mL)中の得られたそのニトロ化合物E-4a (3.33 g, 11.0 ミリモル) に添加し、75℃に加熱し、この温度で鉄ファイリング (2.42 g, 44.0 ミリモル) を回分添加し、その反応混合物を30分間撹拌する。冷却後、それをセライトにより濾過し、EtOHで洗浄し、ロータリーエバポレーターを使用して濾液を蒸発させる。残渣を水と混合し、EAで3回抽出する。合わせた有機相をNaCl溶液で洗浄し、MgSO
4 で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させ、高真空で乾燥させる。粗生成物を少量のDCM 及びMeOHに吸収させ、NPクロマトグラフィー (DCM/MeOH = 100:0 〜80:20)により精製する。
こうして得られたそのアニリン (2.88 g, 10.6 ミリモル) をジオキサン (100 mL)に入れ、トリメチルシリルアジド (2.44 g, 21.1 ミリモル) 及び亜硝酸tert.-ブチル (5.45 g, 52.9 ミリモル) と合わせ、室温で2時間撹拌する。次いでロータリーエバポレーターを使用してその反応混合物を蒸発させ、残渣を少量のDCM 及びMeOHに吸収させ、NP-クロマトグラフィー (DCM/MeOH = 100:0〜80:20)により精製する。E-5aの生成物を含む画分を合わせ、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。
この方法と同様にして、更なるアジド E-5をニトロアニリンED-6及び相当するカルボン酸ED-7から調製する(表8を参照のこと)。
表8:調製されたアジドE-5
【0153】
【表7】
【0154】
e)実施例化合物II-3の合成方法 (合成方法 1B)
【化74】
【0155】
シリル保護基を開裂するために、B-1d (140 mg, 0.44 ミリモル) 及びKF (40.0 mg, 0.69 ミリモル) をMeOH (50 mL) に入れ、室温で2時間撹拌する。アジド E-5a (100 mg, 0.34 ミリモル) 、アスコルビン酸Na水溶液 (1 M, 0.2 mL) 及びCuSO
4 水溶液 (0.1 M, 0.8 mL)をこの混合物に添加し、それを45℃で20時間撹拌する。ロータリーエバポレーターを使用してその反応混合物を蒸発させ、残渣を少量のDMF に吸収させ、分取RP-HPLCにより精製する。II-3 (HPLC-MS: t
Ret = 2.14分; MS (M+H)
+ = 542) の生成物を含む画分を合わせ、凍結乾燥する。
実施例化合物II-1 (合成方法 1A) 及びII-2 (合成方法 1A → 1A*, 変更) を合成するために上記された方法a)〜c)と同様にして、又は実施例化合物II-3 (合成方法 1B) を合成するための方法d)及びe)と同様にして、更なる実施例II-4〜II-45 を相当する前駆体から合成する(表9を参照のこと)。加えて、更なる型II実施例化合物を記載された方法により調製し得る。
表9:実施例化合物II-1〜II-45
【0156】
【表8】
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
【0164】
特別なカルボン酸ED-7の調製
反応スキーム 7: 特別なピラゾールカルボン酸ED-7の調製 (合成方法 A)
【化75】
【0165】
特別なピラゾール-5-カルボン酸ED-7を反応スキーム7に記載されたように1,3-ジケトンZ-2 からアルキルヒドラジンによる環化続いて塩基性エステル開裂により調製し得る。その1,3-ジケトンZ-2 をメチルケトンED-8からシュウ酸ジエチルとの縮合により合成し得る。使用されるケトンED-8及びヒドラジンR
INHNH
2 に応じて、必要により4種までの位置異性体を記載された反応順序で生成してもよく、これらから所望のカルボン酸ED-7をクロマトグラフィーにより単離する。
反応スキーム 8: 特別なピラゾールカルボン酸ED-7* の更なる可能な調製方法(合成方法 B)
【0166】
【化76】
【0167】
3-メチル-ピラゾールカルボン酸ED-7をまた反応スキーム 8に示されたようにアルキルハライドによるアルキル化及びその後のピラゾールED-9からのエステル開裂により調製し得る。使用されるアルキルハライドはクロリド、ブロミド及びヨージドであることが好ましい。ED-9についての相当する互変異性体が必要により或る程度存在してもよいので、所望のカルボン酸ED-7を位置異性体の混合物からクロマトグラフィーにより単離し得る。
a)ピラゾールカルボン酸ED-7e の合成方法(合成方法 A)
【化77】
【0168】
メチルプロピルケトンED-8a (1.5 mL, 14.1 ミリモル) をEtOH (70 mL)に入れ、シュウ酸ジエチル (2.3 mL, 17.0 ミリモル) 及びカリウム-tert.-ブトキシド (1.73 g, 15.4 ミリモル) と合わせ、75℃で30分間撹拌する。次いでその反応混合物を室温に冷却し、tert.-ブチルヒドラジン塩酸塩 (3.49 g, 18.0 ミリモル) を添加し、その混合物を75℃で1.5 時間撹拌する。ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除き、残渣をTHF (15 mL) に吸収させ、LiOH水溶液 (1M, 21.0 mL)と合わせ、室温で20時間撹拌する。その反応混合物をH
2O で希釈し、水相をDCM で2回抽出する。有機相を捨てる。水相を塩酸でpH 1 にし、DCM で5回抽出する。合わせた有機相をMgSO
4 で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。残渣を少量のDCM に吸収させ、クロマトグラフィー (DCM/MeOH = 100:0 〜80:20)により精製する。ED-7e の生成物を含む画分を合わせ、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。
b)ピラゾールカルボン酸ED-7f の合成方法(合成方法 B)
【0169】
【化78】
【0170】
DMF (7 mL) 中のED-9a (2.00 g, 14.3 ミリモル) を氷で冷却しながら無水DMF (8 mL) 中のNaH (694 mg, 60 %, 17.4 ミリモル) の懸濁液に滴下して添加し、その混合物を1時間にわたって室温へと徐々に解凍する。次いでイソプロピルブロミド (2.7 mL, 28.8 ミリモル) を添加し、その混合物を室温で20時間撹拌する。その反応混合物を少量の水と混合し、次いでケン化のためにLiOH水溶液 (H
2O 3 mL中414 mg) を添加し、その混合物を40℃で2時間撹拌する。その反応混合物を塩酸で中和し、ロータリーエバポレーターを使用して或る程度まで蒸発させ、残渣を分取RP-MPLC により精製する。ED-7f (HPLC-MS: t
Ret. = 0.00分; MS (M-H)
- = 167)の生成物を含む画分を合わせ、凍結乾燥する。
これらの方法a)及びb)と同様にして、更なるピラゾールカルボン酸ED-7を相当する遊離体ED-8又はED-9から合成し得る。
表10: 型I化合物を調製するための更なるカルボン酸ED-7
【0171】
【表9】
【0172】
反応スキーム1 〜6 並びに型I及びIIの実施例化合物に関する更なる言及
その他の同様の化合物が詳しく記載された反応を使用して同様に調製し得る目的で指示が以上の反応方法にある場合、これはまた当業者が直ぐに認識する反応温度、反応の長さ、精製の性質(装置、勾配)、使用すべき当量、使用される保護基等の変化についての必要があり得るという可能性を含み、それ故、当業者が記載された反応を直ぐに適合するであろう。
アミドカップリング反応について、カルボン酸を活性化する方法が使用され、これらが文献から知られている。こうして、例えば、酸がSOCl
2 、塩化オキサリル/DMF又はGHOSEZ 試薬 (1-クロロ-N,N.2-トリメチルプロペニルアミン) で酸塩化物に変換されてもよく、これらが補助塩基、例えば、TEA 、DIPEA 、ピリジン又はその他の普通の有機塩基を添加して相当するアミンと反応させられてアミドを得る。また、カルボン酸が特別なカップリング試薬、例えば、HATU、TBTU、DCC 、EDC 、PyBOP 、CDI 、PPCA及び文献から知られているその他の試薬で活性化され、上記のようにアミン及び補助塩基と反応させられてアミドを得てもよい。
本発明の型I及び型IIの化合物中の基-NR
0R
1は必要によりスキームに示されていないその他の反応工程で変性されてその他の基-NR
0R
1を生成してもよく、こうして本発明の更なる化合物I及びIIを得てもよい。これらの反応工程は置換、アルキル化、アシル化又は付加の反応であってもよい。
【0173】
ピリジルアルキン C-1は、文献から知られている方法を使用して、相当するピリジルハライドからトリメチルシリルアセチレンとのパラジウム触媒SONOGASHIRAクロスカップリング反応によりヨウ化銅 (I)の存在下で調製されてもよい。こうして得られたトリメチルシリル保護アルキンがin situ でK
2CO
3 又はKFによるトリメチルシリル基の開裂により反応されて末端アルキンを生成する。また、アルキン C-1はまた相当するピリジルカルボアルデヒドからBESTMANN-OHIRAの反応により調製されてもよい。これに必要とされるピリジルカルボアルデヒドは文献から知られている方法、例えば、相当するヘテロ芳香族基のVILSMAIER-HAACK ホルミル化により合成されてもよい。
加えて、その他の遊離体成分の合成に関する下記の刊行物が参考にされる:
WO 2004/050642 、WO 2005/056535 、WO 2005/090333、WO 2005/115991、US 2006/100204 、WO 2008/003770、WO 2009/003999、WO 2009/003998、WO 2008/089034、WO 2007/056016、WO 2007/075896、WO 2008/021388、WO 2005/023761。
下記の実施例は本発明をこれらの実施例に限定しないで本発明の化合物の生物学的活性を記載する。
一般式 (1)の化合物は治療分野におけるそれらの多くの可能な適用を特徴とする。特定のシグナル酵素の抑制、特に培養されたヒト腫瘍細胞の増殖だけでなく、その他の細胞、例えば、内皮細胞の増殖に関する抑制効果が、関係するこれらの適用が特に挙げられるべきである。
【0174】
キナーゼ試験B-Raf(V600E)
一連の希釈において、試験物質溶液10μL/ウェルをマルチウェルプレートに入れる。一連の希釈を一般に2μMから0.119nM又は0.017nMまでの濃度の範囲をカバーするように選ぶ。必要により2μMの初期濃度を50μM、10μMもしくは0.4μM又は0.2857μMに変え、従って更なる希釈を行なう。DMSOの最終濃度は5%である。 B-Raf(V600E)キナーゼ溶液10μL/ウェル(20mM TrisHCl pH7.5、0.1mM EDTA、0.1mM EGTA、0.286mM オルトバナジン酸ナトリウム、10%のグリセロール、1mg/mLのウシ血清アルブミン、1mMジチオスレイトール中に2.5ngのB-Raf(V600E)キナーゼを含む)をピペットで入れ、その混合物を室温で振とうしながら1時間インキュベートする。そのキナーゼ反応を20μL/ウェルのATP溶液[最終濃度:250μM ATP、30mM TrisHCl pH7.5、0.02%のBrij、0.2 mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mM酢酸マグネシウム、0.1mM EGTA、ホスファターゼカクテル(シグマ、#P2850、製造業者により推奨された希釈)]及び10μL/ウェルのMEK1溶液[50ngのビオチニル化MEK1(標準操作に従って、例えば、EZ-リンク・スルホ-NHS-LC-ビオチン試薬、ピアス、#21335を用いて精製MEK1から調製された)を含む]の添加により開始し、室温で一定の振とうにより60分間行なう。その反応を100mM EDTA溶液12μL/ウェルの添加により停止し、インキュベーションを更に5分間続ける。その反応溶液55μL/ウェルをストレプトアビジン被覆プレート(例えば、ストレプタウェル・ハイボンド、ロシュ#11989685001)に移し、ビオチニル化MEK1をプレートに結合するために、室温で1時間にわたって穏やかに振とうする。液体の除去後に、プレートを1xPBS200μL/ウェルで5回洗浄し、一次抗体+ユーロピウム標識二次抗体[アンチ・ホスホ-MEK(Ser217/221)、セル・シグナリング#9121及びEu-N1標識ヤギ抗ウサギ抗体、パーキン・エルマー#AD01015]の溶液100μL/ウェルを添加し、一次抗体を1:2000に希釈し、二次抗体をデルフィア・アッセイ・バッファー(パーキン・エルマー、#1244-111)中で0.4-0.5μg/mLに希釈する。室温で1時間振とうした後、その溶液を注ぎ出し、デルフィア洗浄バッファー(パーキン・エルマー、#4010-0010/#1244-114)200μL/ウェルで5回洗浄する。エンハンスメント溶液(パーキン・エルマー、#4001-0010/#1244-105)200μL/ウェルの添加後に、その混合物を室温で10分間振とうし、次いでプログラム“デルフィア時間分解蛍光(ユーロピウム)”を使用するワラック・ビクター中で測定する。ソフトウェア・プログラム(GraphPadPrizm)を使用して、IC
50値をこれらの用量-活性曲線から得る。
上記アッセイを使用して測定された実施例化合物のIC
50値を表10に示す。
表10
【0175】
【表10】
【0176】
【表11】
【0177】
培養されたヒトメラノーマ細胞(SK-MEL28、突然変異したB-RAFV600E)の増殖の抑制の測定
培養されたヒト腫瘍細胞の増殖を測定するために、メラノーマ細胞系SK-MEL28[アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)からの]の細胞を10%のウシ胎児血清、2%の重炭酸ナトリウム、1mM ピルビン酸ナトリウム、1%の非必須アミノ酸(例えば、カムブレックスからの#BE13-114E)及び2mM グルタミンを補給された、MEM培地中で培養する。SK-MEL28細胞を補給されたMEM培地(上を参照のこと)中でウェル当り2500細胞の密度で96ウェル平底皿に入れ、インキュベーター中で一夜インキュベートする(37℃で5%のCO
2で)。活性物質を50μMから3.2nMまでの濃度の範囲をカバーするように種々の濃度で細胞に添加する。必要により50μMの初期濃度を10μM又は2μMに変え、したがって更なる希釈を行なう(0.6nM又は0.12nMまで)。更に72時間のインキュベーション期間後に、アラマーブルー試薬(セロテク社、#BUF012B)20μLを夫々のウェルに添加し、細胞を更に3-6時間インキュベートする。アラマーブルー試薬の色の変化を蛍光スペクトロフォトメーター(例えば、ジェミニ、モレキュラー・デバイシズ)中で測定する。ソフトウェア・プログラム(GraphPadPrizm)を使用して、EC
50値を計算する。
全ての実施例化合物I-1 〜I-93及びII-1〜II-45 がこの細胞SK-MEL-28 アッセイで良好〜非常に良好な活性、即ち、1μM未満、一般に300nM未満のEC
50値を示す。
【0178】
培養されたヒトメラノーマ細胞(A375、突然変異したB-RAFV600E)の増殖の抑制の測定
培養されたヒト腫瘍細胞の増殖を測定するために、メラノーマ細胞系[アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)からの]の細胞を、10%ウシ胎児血清及び2%重炭酸ナトリウムを補給した、DMEM培地中で培養する。試験物質をSK-MEL28細胞について記載された操作(上記を参照のこと)に従ってA375細胞について試験するが、それらをウェル当り5000の細胞で接種する。
実施例化合物I-1 〜I-93及びII-1〜II-45 の殆どが細胞A375アッセイで良好〜非常に良好な活性、即ち、500nM未満、一般に200nM未満のEC
50値を示す。
活性物質はそれらがB-RAF突然変異を有しない細胞系について有意な一層低い耐増殖活性を有することを特徴とする。こうして、例えば、実施例化合物I-1 〜I-93及びII-1〜II-45 はB-Raf V600E突然変異のないメラノーマ細胞(例えば、A375)についてのEC
50値(これは一般にB-RAF突然変異メラノーマ細胞のそれよりも少なくとも10倍高い)を有する。
ホスホ-ERK減少のEC
50値及びB-RAF突然変異細胞系における耐増殖活性のEC
50値は活性物質の細胞選択性と良い相関関係がある。
【0179】
培養されたヒトメラノーマ細胞(SK-MEL-28、突然変異したB-RAFV600E)におけるホスホ-ERKシグナルの減少の測定
培養されたヒト腫瘍細胞のホスホ-ERKシグナルの減少を測定するために、メラノーマ細胞系SK-MEL28[アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)からの]の細胞を、10%のウシ胎児血清、2%の重炭酸ナトリウム、1mM ピルビン酸ナトリウム、1%の非必須アミノ酸(例えば、カムブレックスから得られる、#BE13-114E)及び2mM グルタミンを補給された、MEM培地中で培養する。SK-MEL-28細胞をウェル当り7500の細胞の密度で96ウェル平底皿中で補給MEM 培地(上記を参照のこと)に入れ、インキュベーター中で一夜インキュベートする(37℃で5%のCO
2で)。活性物質を10μMから2.4nMまでの濃度の範囲をカバーするように異なる濃度で細胞に添加する。必要により10μMの初期濃度を50μM又は2.5μMに変え、従って更なる希釈を行なう(12.2nM又は0.6nMまで)。更に2時間のインキュベーション期間後に、細胞を4%のホルムアルデヒド溶液で固定し、PBS 中0.1%のトリトンX-100で透過性にする。非特異性抗体結合をTBS-T に溶解された5%脱脂粉乳とともにインキュベートすることにより減少する。リン酸化ERK をマウスモノクローナル抗ジリン酸化ERK1/2抗体(シグマからの#M8159)で検出する。PBS 中0.1%のトゥイーン20を使用する洗浄工程後に、結合された一次抗体を二次抗体(DAKOからのペルオキシダーゼ結合ポリクローナルウサギ抗マウスIgG、#PO161)により検出する。更なる洗浄工程後に、基質(Bender MedSystems製TMBペルオキシダーゼ基質溶液#BMS406)を添加する。その着色反応を数分後に1Mリン酸で停止する。染色をモレキュラー・デバイシズ製スペクトラマックス・プラスリーダーで450 nmで測定する。ソフトウェア・プログラム(GraphPadPrizm)を使用してEC
50値を計算する。
上記アッセイを使用して測定された実施例化合物のホスホ-ERK減少のEC
50値は一般に1μM未満、たいていは150nM未満である。
【0180】
本発明の物質はB-RAFキナーゼインヒビターである。DNA染色続いてFACS又はセロミックス・アレイ・スキャン分析により実証し得るように、本発明の化合物により得られる増殖の抑制はとりわけDNA合成期に入ることを防止することによりもたらされる。処理された細胞は細胞サイクルのG1期で静止する。
それ故、本発明の化合物はまたその他の腫瘍細胞について試験される。例えば、これらの化合物は結腸癌腫細胞系、例えば、Colo205に対し有効であり、この指示及びその他の指示に使用し得る。これは種々の型の腫瘍の治療についての本発明の化合物の有用性を実証する。
それらの生物学的性質に基づいて、本発明の一般式 (1)の化合物、それらの互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、これらの混合物及び全ての上記形態の塩は過度又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患を治療するのに適している。
このような疾患として、例えば、ウイルス感染症(例えば、HIV及びカポージ肉腫);炎症性疾患及び自己免疫疾患(例えば、大腸炎、関節炎、アルツハイマー病、腎炎及び創傷治癒);細菌、菌類及び/又は寄生虫感染症;白血病、リンパ腫及び充実性腫瘍(例えば、癌腫及び肉腫);皮膚疾患(例えば、乾癬);細胞(例えば、繊維芽細胞、肝細胞、骨及び骨髄細胞、軟骨細胞もしくは平滑筋細胞又は上皮細胞(例えば、子宮内膜過形成))の数の増大を特徴とする過形成に基づく疾患;骨疾患及び心血管疾患(例えば、再狭窄及び肥大)が挙げられる。それらはまた増殖している細胞(例えば、毛髪細胞、腸細胞、血液細胞及び始原細胞)を放射線、UV治療及び/又は細胞増殖抑制治療により生じるDNA損傷から保護するのに適している。
【0181】
例えば、下記の癌が本発明の化合物で治療し得るが、これらに限定されない:脳腫瘍、例えば、聴神経鞘腫、星状細胞腫、例えば、毛様細胞性星状細胞腫、原線維性星状細胞腫、原形質性星状細胞腫、大円形細胞性星状膠腫、未分化星状細胞腫及びグリア芽細胞腫、脳リンパ腫、脳転移、下垂体腫瘍、例えば、プロラクチノーマ(prolactinoma)、HGH(ヒト成長ホルモン)産生腫瘍及びACTH産生腫瘍(副腎皮質刺激ホルモン)、頭蓋咽頭腫、髄芽細胞腫、髄膜腫及び乏突起膠腫;神経腫瘍、例えば、栄養神経系の腫瘍、例えば、交感神経芽細胞腫、神経節神経腫、パラガングリオーマ(クロム親和性細胞腫、クロム親和性腫瘍)及び頚動脈小体腫瘍、末梢神経系の腫瘍、例えば、切断神経腫、神経繊維腫、ノイリノーマ(神経鞘腫、シュワン鞘腫)及び悪性シュワン鞘腫だけでなく、中枢神経系の腫瘍、例えば、脳の腫瘍及び骨髄腫瘍;腸癌、例えば、直腸の癌腫、結腸癌、直腸結腸癌、肛門癌、大腸の癌、小腸及び十二指腸の癌腫;眼瞼腫瘍、例えば、基底細胞腫又は基底細胞癌;膵臓癌又は膵臓の癌腫;膀胱癌又は膀胱の癌腫;肺癌(気管支癌)、例えば、小細胞気管支癌(燕麦細胞癌)及び非小細胞気管支癌、例えば、扁平上皮癌、腺癌及び大細胞気管支癌;乳癌、例えば、乳癌、例えば、浸潤性腺管癌、膠様癌、小葉侵食癌、管状癌、腺のう癌及び乳頭状癌;非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えば、バーキットリンパ腫、低悪性非ホジキンリンパ腫(NHL)及び菌状息肉症;子宮癌もしくは子宮内膜癌又は子宮体癌;CUP症候群(未知の原発性の癌);卵巣癌又は卵巣癌腫、例えば、粘液性、子宮内膜の、又はしょう液性の癌;胆嚢癌;胆管癌、例えば、クラトスキン(Klatskin)腫瘍;精巣癌、例えば、精上皮腫及び非精上皮腫;リンパ腫(リンパ肉腫)、例えば、悪性リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えば、慢性リンパ性白血病、白血性細網内症、免疫細胞腫、プラスマ細胞腫(多発性ミエローマ)、免疫芽細胞腫、バーキットリンパ腫、T-ゾーン菌状息肉腫、大細胞退生リンパ芽細胞腫及びリンパ芽細胞腫;喉頭癌、例えば、声帯の腫瘍、声門上、声門及び声門下の咽頭腫瘍;骨の癌、例えば、骨軟骨腫、軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液繊維腫、骨腫、類骨骨腫、骨芽細胞腫、好酸球性肉芽腫、巨細胞腫、軟骨肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、細網肉腫、形質細胞腫、線維性形成異常、若年性骨のう胞及び動脈瘤の骨のう胞;頭部及び首の腫瘍、例えば、唇、舌、口の床、口腔、歯肉、口蓋、唾液腺、喉、鼻腔、副鼻腔、喉頭及び中耳の腫瘍;肝臓癌、例えば、肝細胞癌(HCC);白血病、例えば、急性白血病、例えば、急性リンパ性/リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML);慢性白血病、例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML);胃癌、例えば、乳頭状腺癌、管状腺癌及び粘液性腺癌、印環細胞癌腫、扁平腺癌、小細胞癌及び未分化癌腫;メラノーマ、例えば、表在性、結節性、悪性のほくろ性の、また末端性ほくろ性のメラノーマ;腎臓癌、例えば、腎臓細胞癌もしくは副腎腫又はグラービッツ腫瘍;食道癌又は食道の癌腫;陰茎癌;前立腺癌;咽頭癌又は咽頭の癌腫、例えば、鼻咽頭癌、中咽頭癌及び下咽頭癌;網膜芽細胞腫;膣癌又は膣癌腫;扁平上皮癌、腺癌、in situ癌腫、悪性メラノーマ及び肉腫;甲状腺癌、例えば、乳頭状、のう胞状また延髄の甲状腺癌だけでなく、退生癌腫;棘細胞癌、類表皮癌及び皮膚の扁平上皮癌;胸腺腫、尿道の癌及び外陰部の癌。
【0182】
新規化合物は、必要によりまた放射線治療又はその他の“技術水準”の化合物、例えば、細胞増殖抑制性物質もしくは細胞傷害性物質、細胞増殖インヒビター、坑脈管形成物質、ステロイド又は抗体と組み合わせて、上記疾患の予防、短期治療又は長期治療に使用し得る。
一般式 (1)の化合物は、それら自体で、又は本発明のその他の活性物質と組み合わせて、必要によりまたその他の薬理学的活性物質と組み合わせて使用し得る。
本発明の化合物と組み合わせて投与し得る化学治療薬として、ホルモン、ホルモン類似体及び坑ホルモン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルベストラント、メゲストロールアセテート、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、アミノグルテチミド、シプロテロンアセテート、フィナステリド、ブセレリンアセテート、フルドロコルチンゾン、フルオキシメステロン、メドロキシプロゲステロン、オクトレオチド)、アロマターゼインヒビター(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール、ボロゾール、エキセメスタン、アタメスタン)、LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト(例えば、ゴセレリンアセテート、ルプロリド)、成長因子(成長因子、例えば、“血小板由来成長因子”及び“肝細胞成長因子”)のインヒビター(インヒビターは、例えば、“成長因子”抗体、“成長因子受容体”抗体及びチロシンキナーゼインヒビター、例えば、セツキシマブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ及びトラスツズマブである);坑代謝産物(例えば、坑葉酸塩、例えば、メトトレキセート、ラルチトレキセド、ピリミジン類似体、例えば、5-フルオロウラシル、カペシタビン及びゲムシタビン、プリン及びアデノシン類似体、例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン及びペントスタチン、シタラビン、フルダラビン);坑腫瘍抗生物質(例えば、アントラサイクリン、例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン及びイダルビシン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ストレプトゾシン);白金誘導体(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン);アルキル化剤(例えば、エストラムスチン、メクロレタミン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロホスファミド、イフォスファミド、テモゾロミド、ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン及びロムスチン、チオテパ)、坑有糸分裂剤(例えば、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン及びビンクリスチン;並びにタキサン、例えば、パクリタキセル、ドセタキセル);トポイソメラーゼインヒビター(例えば、エピポドフィロトキシン、例えば、エトポシド及びエトポフォス、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン、ミトキサントロン)及び種々の化学治療薬、例えば、アミフォスチン、アナグレリド、クロドロナト、フィルグラスチン、インターフェロンアルファ、ロイコボリン、リツキシマブ、プロカルバジン、レバミソール、メスナ、ミトタン、パミドロネート及びポルフィマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0183】
その他の可能な組み合わせパートナーは2-クロロデスオキシアデノシン、2-フルオロデスオキシシチジン、2-メトキシエストラジオール、2C4 、3-アレチン、131-I-TM-601、3CPA、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、16-アザ-エポチロン B、A 105972、A 204197、アルデスロイキン、アリトレチノイン、アルトレタミン、アルボシジブ、アモナフィド、アントラピラゾール、AG-2037 、AP-5280 、アパジクオン、アポミン、アラノース、アルグラビン、アルゾキシフェン、アタメスタン、アトラセンタン、オーリスタチンPE、AVLB、AZ10992 、ABX-EGF 、ARRY-300、ARRY-142886/AZD-6244、ARRY-704/AZD-8330 、AS-703026 、アザシチジン、アザエポチロンB 、アゾナフィド、BAY-43-9006 、BBR-3464、BBR-3576、ベバシズマブ、ビリコダールジシトレート、BCX-1777、ブレオシン、BLP-25、BMS-184476、BMS-247550、BMS-188797、BMS-275291、BNP-1350、BNP-7787、BIBW 2992、BIBF 1120 、ブレオマイシン酸、ブレオマイシンA 、ブレオマイシンB 、ブリオスタチン-1、ボルテオミブ、ブロスタリシン、ブスルファン、CA-4プロドラッグ、CA-4、カプセル、カルシトリオール、カネルチニブ、カンフォスファミド、カペシタビン、カルボキシフタラトプラチン、CCI-779 、CEP-701 、CEP-751 、CBT-1 セフィキシム、セフラトニン、セフトリアキソン、セレコキシブ、セルモロイキン、セマドチン、CH4987655/RO-4987655 、クロロトリアニセン、シレンギチド、シクロスポリン、CDA-II、CDC-394 、
【0184】
CKD-602 、クロファラビン、コルチシン、コンブレタスタチンA4、CHS-828 、CLL-テラ、CMT-3 クリプトフィシン52、CTP-37、CP-461、CV-247、シアノモルホリノドキソルビシン、シタラビン、D 24851 、デシタビン、デオキソルビシン、デオキシルビシン、デオキシコホルマイシン、デプシペプチド、デスオキシエポチロンB 、デキサメタゾン、デキストラゾキサネト、ジエチルスチルベストロール、ジフロモテカン、ジドックス、DMDC、ドラスタチン10、ドラニダゾール、E7010 、E-6201、エダトレキサト、エドトレオチド、エファプロキシラル、エフロルニチン、EKB-569 、EKB-509 、エルサミトルシン、エポチロンB 、エプラツズマブ、ER-86526、エルロチニブ、ET-18-OCH3、エチニルシチジン、エチニルエストラジオール、エキサテカン、エキサテカンメシレート、エキセメスタン、エキシスリンド、フェンレチニド、フロクスウリジン、葉酸、FOLFOX、FOLFIRI 、ホルメスタン、ガラルビシン、ガリウムマルトレート、ゲフィニチブ、ゲムツズマブ、ギマテカン、グルホスファミド、GCS-IOO 、G17DT イムノゲン、GMK 、GPX-100 、GSK-5126766 、GSK-1120212 、GW2016、グラニセトロン、ヘキサメチルメラミン、ヒスタミン、ホモハリングトニン、ヒアルロン酸、ヒドロキシ尿素、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、イバンドロネート、イブリツモマブ、イダトレキセート、イデネストロール、IDN-5109、IMC-1C11、イムノール、インジスラム、インターフェロンアルファ-2a 、インターフェロンアルファ-2b 、インターロイキン-2、イオナファルニブ、イプロプラチン、イロフルベン、イソホモハリコンドリン-B、イソフラボン、イソトレチノイン、イキサベピロン、JRX-2 、JSF-154 、J-107088、共役エストロゲン、カハリドF 、ケトコナゾール、KW-2170 、ロバプラチン、レフルノミド、レノグラスチム、ロイプロリド、ロイポレリン、レキシドロナム、LGD-1550、リネゾリド、ルテチウムテキサフィリン、ロメトレキソール、ロソキサントロン、LU 223651 、ルルトテカン、マフォスファミド、マリマスタト、メクロエタミン、メチルテストステロン、メチルプレドニソロン、MEN-10755 、MDX-H210、MDX-447 、
【0185】
MGV 、ミドスタウリン、ミノドロン酸、ミトマイシン、ミボブリン、MK-2206 、MLN518、モテキサフィンガドリニウム、MS-209、MS-275、MX6 、ネリドロネート、ネオバスタット、ニメスリド、ニトログリセリン、ノラトレキセド、ノレリン、N-アセチルシステイン、06-ベンジルグアニン、オメプラゾール、オンコファージ、オルミプラチン、オルタタキセル、オキサントラゾール、エストロゲン、パツピロン、ペグフィルグラスチン、PCK-3145、ペグフィルグラスチン、PBI-1402、PEG-パクリタキセル、PEP-005 、P-04、PKC412、P54 、PI-88 、ペリチニブ、ペメトレキセド、ペントリックス、ペリフォシン、ペリリルアルコール、PG-TXL、PG2 、PLX-4032/RO-5185426 、PT-100、ピコプラチン、ピバロイルオキシメチルブチレート、ピキサントロン、フェノキソジオール O、PKI166、プレビトレキセド、プリカマイシン、ポリプレン酸、ポルフィロマイシン、プレドニゾン、プレドニソロン、キナメド、キヌプリスチン、RAF-265 、ラモセトロン、ランピマーゼ、RDEA-119/BAY 869766、レベッカマイシン類似体、レビミド、RG-7167 、リゾキシン、rhu-MAb 、リセドロネート、リツキシマブ、ロフェコキシブ、Ro-31-7453、RO-5126766、RPR 109881A 、ルビダゾン、ルビテカン、R-フルビプロフェン、S-9788、サバルビシン、SAHA、サルグラモスチム、サトラプラチン、SB 408075 、SU5416、SU6668、SDX-101 、セムスチン、セオカルシトール、SM-11355、SN-38 、SN-4071 、SR-27897、SR-31747、SRL-172 、ソラフェニブ、スピロプラチン、スクアラミン、スベラニロヒドロキサム酸、ステント、T 900607、T 138067、TAS-103 、タセジナリン、タラポルフィン、タリキタール、タキソテレ、タキソプレキシン、タザロテン、テガフル、テモゾラミド、テスミリフェン、テストステロン、テストステロンプロピオネート、テスミリフェン、テトラプラチン、テトロドトキシン、テザシタビン、サリドマイド、セラルックス、セラルビシン、チメクタシン、チアゾフリン、チピファルニブ、トラパザミン、トクラデシン、トムデックス、トレモフィン、トラベクテジン、トランスMID-107 、トランスレチン酸、トランズツマブ、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリアピン、トリメトレキセート、TLK-286TXD 258 、ウロシジン、バルルビシン、バタラニブ、ビンクリスチン、ビンフルニン、ビルリジン、WX-UK1、ベクチビクス、キセロダ、XELOX 、XL-281、XL-518/R-7420 、YM-511、YM-598、ZD-4190 、ZD-6474 、ZD-4054 、ZD-0473 、ZD-6126 、ZD-9331 、ZDI839、ゾレドロナート及びゾスキダールである。
【0186】
好適な製剤として、例えば、錠剤、カプセル、座薬、溶液、特に注射用の溶液(s.c.、i.v.、i.m.)及び注入用の溶液、エリキシル剤、エマルション又は分散可能な粉末が挙げられる。一種以上の医薬上活性な化合物の含量は全体としての組成物の0.1〜90質量%、好ましくは0.5〜50質量%の範囲、即ち、以下に明記される用量範囲を得るのに充分である量であるべきである。明記された用量は、必要により、1日に数回与えられてもよい。
好適な錠剤は、例えば、一種以上の活性物質を既知の賦形剤、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトース、崩壊剤、例えば、トウモロコシ澱粉又はアルギン酸、バインダー、例えば、澱粉又はゼラチン、滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム又はタルク及び/又は放出を遅延するための薬剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、又はポリ酢酸ビニルと混合することにより得られてもよい。錠剤はまた幾つかの層を含んでもよい。
従って、被覆錠剤は錠剤と同様にして製造されたコアーを錠剤被覆に通常使用される物質、例えば、コリドン又はセラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖で被覆することにより調製されてもよい。遅延放出を得、又は不適合性を防止するために、コアーはまた幾つかの層からなってもよい。同様に、錠剤被覆物はおそらく錠剤について上記された賦形剤を使用して、遅延放出を得るために幾つかの層からなってもよい。
本発明の活性物質又はこれらの組み合わせを含むシロップ又はエリキシル剤は更に甘味料、例えば、サッカリン、シクラメート、グリセロール又は糖及び風味増強剤、例えば、風味料、例えば、バニリン又はオレンジエキスを含んでもよい。それらはまた懸濁アジュバント又は増粘剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、湿潤剤、例えば、脂肪アルコールとエチレンオキサイドの縮合生成物、又は防腐剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾエートを含んでもよい。
【0187】
注射溶液及び注入溶液は必要により乳化剤及び/又は分散剤を使用して、通常の方法で、例えば、等張剤、防腐剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾエート、又は安定剤、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸のアルカリ金属塩を添加して調製され、例えば、水を希釈剤として使用する場合、有機溶媒が必要により可溶化剤又は溶解助剤として使用され、注射バイアルもしくはアンプル又は注入びんに移されてもよい。
一種以上の活性物質又は活性物質の組み合わせを含むカプセルは、例えば、活性物質を不活性担体、例えば、ラクトース又はソルビトールと混合し、それらをゼラチンカプセルに詰めることにより調製し得る。
好適な座薬は、例えば、この目的に用意された担体、例えば、中性脂肪もしくはポリエチレングリコール又はそれらの誘導体と混合することにより製造し得る。
使用し得る賦形剤として、例えば、水、医薬上許される有機溶媒、例えば、パラフィン(例えば、石油留分)、植物油(例えば、落花生油又はゴマ油)、一官能性又は多官能性アルコール(例えば、エタノール又はグリセロール)、担体、例えば、天然鉱物粉末(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば、高度に分散されたケイ酸及びケイ酸塩)、糖(例えば、蔗糖、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、使用済み亜硫酸塩液、メチルセルロース、澱粉及びポリビニルピロリドン)及び滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる。
製剤は通常の方法により、好ましくは経口経路もしくは経皮経路、特に好ましくは経口経路により投与される。経口投与について、錠剤は、勿論、上記担体とは別に、種々の添加剤、例えば、澱粉、好ましくはジャガイモ澱粉、ゼラチン等と一緒に添加剤、例えば、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムを含んでもよい。更に、滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクが錠剤形成プロセスに同時に使用されてもよい。水性懸濁液の場合、活性物質が上記賦形剤に加えて種々の風味増強剤又は着色剤と合わされてもよい。
非経口使用のために、好適な液体担体とともに活性物質の溶液が使用されてもよい。
静脈内使用のための用量は時間当り1-1000mg、好ましくは時間当り5-500mgである。
しかしながら、体重、投与の経路、薬物に対する個々の応答、その製剤の性質及び薬物が投与される時間又は間隔に応じて、明記された量から逸脱することが時々必要であるかもしれない。こうして、或る場合には、先に示された最小用量より少ない量を使用することが充分であるかもしれず、一方、その他の場合には上限が超えられる必要があるかもしれない。多量を投与する場合、それらをその日にわたって広げられる幾つかの一層少ない用量に分けることが推奨されるかもしれない。
下記の製剤実施例は本発明を説明するが、その範囲を限定しない。
【0188】
医薬製剤の実施例
A) 錠剤 錠剤当り
式(1)の活性物質 100mg
ラクトース 140mg
トウモロコシ澱粉 240mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ステアリン酸マグネシウム
5mg
500mg
微粉砕された活性物質、ラクトース及びトウモロコシ澱粉の一部を一緒に混合する。その混合物を篩分け、次いで水中ポリビニルピロリドンの溶液で湿らせ、混錬し、湿式造粒し、乾燥させる。顆粒、残りのトウモロコシ澱粉及びステアリン酸マグネシウムを篩分け、一緒に混合する。その混合物を圧縮して好適な形状及びサイズの錠剤を製造する。
B) 錠剤 錠剤当り
式(1)の活性物質 80mg
ラクトース 55mg
トウモロコシ澱粉 190mg
微結晶性セルロース 35mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ナトリウムカルボキシメチル澱粉 23mg
ステアリン酸マグネシウム
2mg
400mg
微粉砕された活性物質、トウモロコシ澱粉の一部、ラクトース、微結晶性セルロース及びポリビニルピロリドンを一緒に混合し、その混合物を篩分け、残りのトウモロコシ澱粉及び水で処理して顆粒を生成し、これを乾燥させ、篩分ける。ナトリウムカルボキシメチル澱粉及びステアリン酸マグネシウムを添加し、混合し、その混合物を圧縮して好適なサイズの錠剤を形成する。
【0189】
C) アンプル溶液
式(1)の活性物質 50mg
塩化ナトリウム 50mg
注射用の水 5ml
活性物質を水にそれ自体のpH又は必要によりpH5.5〜6.5で溶解し、塩化ナトリウムを添加してそれを等張性にする。得られた溶液を濾過して発熱物質を除き、濾液を無菌条件下でアンプルに移し、次いでこれらを滅菌し、溶融によりシールする。アンプルは活性物質5mg、25mg及び50mgを含む。