特許第5871899号(P5871899)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871899
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】関節鏡視下切除装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
   A61B17/16
【請求項の数】11
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-501441(P2013-501441)
(86)(22)【出願日】2011年3月24日
(65)【公表番号】特表2013-521992(P2013-521992A)
(43)【公表日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】US2011029708
(87)【国際公開番号】WO2011119784
(87)【国際公開日】20110929
【審査請求日】2014年3月19日
(31)【優先権主張番号】61/316,860
(32)【優先日】2010年3月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/443,301
(32)【優先日】2011年2月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397071355
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ジェイ・ロレース
【審査官】 佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−507590(JP,A)
【文献】 米国特許第6258093(US,B1)
【文献】 特開2006−985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側管状部材と、
前記外側管状部材内に配置されている内側管状部材(10)であって、本体(12)の長さに沿って延在しているフルート(13)を具備している、前記本体(12)を有している関節鏡視下フライス(11)を含んでいる前記内側管状部材(10)と、
を備えている切除装置において、
前記フルートが、前記フルートの表面縁部に沿って配置されている放物線状の波パターンを含んでいることを特徴とする関節鏡視下切除装置。
【請求項2】
前記放物線状の波パターンが、前記フルートの長さ全体に沿って延在していることを特徴とする請求項1に記載の関節鏡視下切除装置。
【請求項3】
前記フライス(11)がフルートを有する先端部をさらに備え、かつ前記先端部の前記フルートの数が、前記本体の前記フルートの数と相違することを特徴とする、請求項1または2に記載の関節鏡視下切除装置。
【請求項4】
前記本体の前記フルートの数が、前記先端部の前記フルートの数より多いことを特徴とする請求項3に記載の関節鏡視下切除装置。
【請求項5】
前記本体の前記フルートの数が、前記先端部の前記フルートの数より少ないことを特徴とする請求項3に記載の関節鏡視下切除装置。
【請求項6】
前記先端部の前記フルートが、前記フルートの表面縁部に沿って配置されている放物線状の波パターンを含んでいることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の関節鏡視下切除装置。
【請求項7】
前記関節鏡視下切除装置が、前記内側管状部材と前記フライスとの間に配置されている移行部分を含んでおり、
前記移行部分が、近位部分とテーパ状の遠位部分とを含んでいることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の関節鏡視下切除装置。
【請求項8】
前記関節鏡視下切除装置が、前記内側管状部材と前記フライスとの間に配設されている開口部(14)を含んでいることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の関節鏡視下切除装置。
【請求項9】
前記開口部(14)が、前記内側管状部材の長さに沿って延在している通路(15)に連通していることを特徴とする請求項8に記載の関節鏡視下切除装置。
【請求項10】
外側管状部材と、
前記外側管状部材内に配置されている内側管状部材であって、本体の長さに沿って延在しているフルートを具備している前記本体と、フルートを具備している先端部と、を有している関節鏡視下フライスを含んでいる前記内側管状部材と、
を備えている関節鏡視下切除装置において、
前記先端部の前記フルートの数が、前記本体の前記フルートの数と相違し、前記本体又は前記先端部の前記フルートが、前記フルートの表面縁部に沿って配置されている放物線状の波パターンを含んでいることを特徴とする関節鏡視下切除装置。
【請求項11】
交互の前記フルートが、前記フルートの表面縁部に沿って配置されている放物線状の波パターンを含んでいることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の関節鏡視下切除装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、米国特許出願第61/316860号明細書及び米国特許出願第61/443301号明細書に基づく優先権を主張するものである。これら特許出願の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、組織を切除するための関節鏡視下切除装置に関する。
【背景技術】
【0003】
関節鏡視下切除装置は、例えば内視鏡手術すなわち関節鏡視下手術のような非観血的手術を実施する際に利用されている。一般に、これら関節鏡視下切除装置は、ブレード装置及びバリ取り装置(burr device)を非限定的に含んでいる。ブレード装置及びバリ取り装置の両方が、切除ポート又は切除窓を形成するために、その側壁及び/又は端壁に開口部を有している遠位端において終端している、細長い外側管状部材を含んでいる。また、ブレード装置及びバリ取り装置の両方が、外側管状部材内に同軸に配置されている細長い内側管状部材を含んでおり、内側管状部材は、外側管状部材の遠位端に形成された切除ポート/切除窓に隣接して配置されている、遠位端を有している。ブレード装置の内側管状部材の遠位端は、外側管状部材の遠位端に形成された切除ポート/切除窓を介して組織を係合させるための表面又は縁部を有しており、多くの場合において、組織を切断又は切除するように切除ポート/切除窓と協働する。代替的には、バリ取り装置の内側管状部材の遠位端は、外側管状部材の遠位端において切除ポート/切除窓を介して組織を穿孔及び研削するために、溝が螺旋状に切られたフライス(burr)を有しているフライスを備えており、多くの場合において、組織を切断又は切除するように切除ポート/切除窓と協働する。内側管状部材は、その近位端において、一般にハンドピースを介して回転させることによって開削するようになっており、ハンドピースは、当該ハンドピースに設けられた手動スイッチによって制御される小型の電気モータを内蔵している。制御盤に設けられた1つ以上の足踏みスイッチがハンドピースに給電する。
【0004】
フライスの螺旋状のフルートは、性能を高めるために設計された顕著な幾何学的特徴を全く有していない。当該フルートは、典型的には、滑らか且つ非鋸刃状の切断縁部を有しており、エンドミル又はドリルの設計に従っている。さらに、これらフライスは、当該フライス本体の全体に沿って同一数のフルートを有している。典型的には、ブレード装置の内側部材の表面又は縁部は直線状の切断縁部を有している。
【0005】
これら切断に関連する形体の特徴によって攻撃的な切断作用がある程度抑えられるが、これにより組織又は骨が、装置の動作を妨げる可能性及び手術領域内における外科医の視像を不明瞭にする可能性を高める、比較的大きな断片に切除される場合がある。さらに、これら特徴は、装置が利用中に不快な高調波や共鳴を発する可能性を高める。さらに、同一数のフルートがフライスの本体に沿って形成されていることによって、一の切断方法のみが実施可能となるので、バリ取り装置の用途が狭められる。従って、これら制限を緩和させることができる関節鏡視下切除装置が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一の実施態様では、本発明は切除装置に関する。切除装置は、外側管状部材と外側管状部材内に配置されている内側管状部材と含んでおり、内側管状部材は、フルートを備えた本体を有しているフライスを含んでおり、フルートは本体の長さに沿って延在しており、フルートは、当該フルートの表面縁部に沿って配置されている放物線状の波パターンを含んでいる。一の実施例では、放物線状の波パターンがフルートの長さ全体に沿って延在している。
【0007】
他の実施態様では、本発明は切除装置に関する。切除装置は、外側管状部材と外側管状部材内に配置されている内側管状部材とを含んでおり、内側管状部材は、フルートを備えた本体とフルートを備えた先端部とを有しているフライスを含んでおり、本体のフルートは、本体の長さに沿って延在しており、先端部及び本体は、異なる数のフルートを含んでいる。一の実施例では、本体のフルートの数は先端部のフルートの数より多い。他の実施例では、本体のフルートの数は先端部のフルートの数より小さい。
【0008】
さらなる他の実施例では、本体又は先端部に形成されたフルートは、フルートの表面縁部に沿って配置されている放物線状の波パターンを含んでいる。さらなる実施例では、装置は、内側管状部材と外側管状部材との間に位置する移行部分をさらに含んでおり、移行部分は、近位部分とテーパ状の遠位部分とを含んでいる。さらにさらなる実施例では、装置は、内側管状部材とフライスとの間に配設された開口部をさらに含んでいる。一の実施例では、開口部は、内側管状部材の長さに沿って延在している通路に連通している。
【0009】
さらなる他の実施態様では、本発明は切除装置に関する。切除装置は、外側管状部材と外側管状部材内に配置されている内側管状部材とをさらに含んでおり、内側管状部材は、フルートを備えた本体とフルートを備えた先端部とを含んでおり、本体のフルートは、本体の長さに沿って延在しており、先端部及び本体は、異なる数のフルートを含んでおり、本体又は先端部に形成されたフルートは、フルートの表面縁部に沿って配置されている放物線状の波パターンを含んでいる。
【0010】
本発明の利用可能性に関するさらなる領域は、以下に示す発明の詳細な説明から明らかとなるだろう。本発明の好ましい実施例を示す発明の詳細な説明及び例示が、説明することを目的とするにすぎず、本発明の技術的範囲を制限することを意図しないことに留意すべきである。
【0011】
添付図面は、本明細書に組み込まれると共に本明細書の一部分を形成するものであり、本発明の実施例を説明するものであり、発明の詳細な説明と共に、本発明の原理、特性、及び特徴を説明するために利用される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明における内側管状部材の第1の実施例を表わす。
図2】本発明における内側管状部材の第2の実施例を表わす。
図3】本発明における内側管状部材の第3の実施例を表わす。
【発明を実施するための形態】
【0013】
好ましい実施例に関する以下の説明は、その性質上、単なる例示にすぎず、本発明に関する開示内容、その用途、又はその利用を限定することを意図する訳ではない。
【0014】
図1図3は、バリ取り装置と共に利用するための内側管状部材、特に内側管状部材の遠位端を表わす。図1は、本体12を有しているフライス11を含んでいる内側管状部材10を表わす。本体12は、本体12の長さに沿って延在している螺旋状のフルート13を具備している。フルート13の表面縁部13aは、フルート13の全長に沿って配設されている放物線状の波パターンPを備えている。フライス11は、任意の数のフルート13を有している。そして、フルート13は、フライス11を貫通している長手方向軸線に対して任意の角度で配置されている。さらに、フルート13は、実際には放物線状ではない可能性がある代替的な幾何学パターンを有している場合があるが、この場合であっても、放物線状の波パターンの切断特性を有している。
【0015】
開口部14は、フライス11の近傍において内側管状部材10とフライス11との間に配置されており、内側管状部材10の長さに沿って延在している通路15に向かって開口している。通路15は、手術中において断片化された組織及び骨を流通させることができる。真空吸引装置(図示しない)が、通路15を通じて組織を吸引するために、内側管状部材10の近端部(図示しない)に取り付けられている。
【0016】
フルート13に形成された放物線状の波パターンPは、特に骨を切断する際に利用する場合に、より攻撃的な切断作用がフライス11に付与されるので、フライス11は骨をより小さな断片に切断することができる。骨の断片をより小さくすることによって、真空吸引装置は、より容易に骨の断片を除去することができるので、切除装置の動作が阻害される可能性、及び手術領域の視像が不明瞭になる可能性を低減することができる。さらに、放物線状の波パターンPは、フライスの幾何学的形状と一致しないように意図的に形成されているので、バリ取り装置が発生させる不快な高調波や共鳴を低減させることができる。このような低減と波パターンPが一定の加速を発生させるという事実とによって、より滑らかな切断性能及び可制御性が切除装置に付与される。
【0017】
図2は、フライス21を含んでいる他の内側管状部材20を表わす。フライス21は、本体22の長さに沿って延在している螺旋状のフルート23を具備している本体22と、螺旋状のフルート25を有している先端部24とを有している。先端部24に形成されているフルート25の数は、本体22に形成されているフルート23の数より少ない。先端部24に形成されているフルート25の数をより少なくすることによって、先端部24は本体22より攻撃的に切断することができる。フルート25それぞれの切断領域がより大きくなるからである。図3は、ヘリカル31を含んでいるさらなる他の内側管状部材30を表わす。ヘリカル31は、本体32の長さに沿って延在している螺旋状のフルート33を具備している本体32と、螺旋状のフルート35を具備している先端部34とを有している。内側管状部材20と異なり、フライス31の先端部34に形成されているフルート35の数は、本体32に形成されているフルート33の数より多い。先端部34に形成されているフルート35の数をより多くすることによって、先端部34は本体32ほど攻撃的に切断することができない。フルート35それぞれの切断領域がより小さくなるからである。
【0018】
先端部に形成されたフルートの数が本体に形成されたフルートの数と相違するようにフルートからフライスへの移行部分を形成することによって、利用者は、より多くの用途で利用することができる。一のフライスを利用して異なる切断手法を実施可能なことは、2つの相違する装置を利用することより効果的である。さらに、一のフライスのみを備品して利用すれば良いので、このタイプのフライスを利用することは、より高いコスト効果を発揮する。
【0019】
任意の相違する数のフルートがフライス21,31それぞれに形成されている場合がある。そして、フルート23,25,33,35が、フライス21,31を 貫通する長手方向軸線に対して任意の角度で配置されている場合がある。さらに、フルート13に形成された波パターンPと同様に、放物線状の波パターンがフルート23,25,33,35のうち任意のフルートの長さに沿って形成されていることは、本発明の技術的範囲に属する。波パターンは、フルート 23,25,33,35の長さの全体又は一部分に沿ってフルート23,25,33,35の表面縁部に配置されていても良い。さらに、波パターンを有しているフルートが交互にあっても、本発明の技術的範囲に属する。さらに、フルート23,25,33,35は、実際には放物線状ではない可能性がある代替的な幾 何学的形状を有している場合があるが、この場合であっても、放物線状の波パターンの切断特性を有している。
【0020】
フライス21,31の両方が、内側管状部材20,30とフライス21,31との間に配置されている移行部分26,36に結合されている。移行部分26,36は、近位部分27,37とテーパ状の遠位部分28,38とを含んでいる。上述のように、利用の際には、内側管状部材10,20,30のすべてが外側管状部材内に配置される。
【0021】
内側管状部材10,20,30とそれらの構成部材とは、金属材料から作られている。しかしながら、他の材料であっても、組織の切断に必要な力に耐えるに十分な強度を有していれば利用することができる。フルートと、フルートに形成された放物線状の波パターンと、開口部とは、機械加工プロセス又は当業者にとって既知の他のプロセスを介して形成される。
【0022】
対応する図面を参照しつつ上述したように、本発明の技術的範囲を逸脱することなく、典型的な実施例に様々な改良を加えることができるので、上記説明及び添付図面に示されたすべての事項については、限定するものではなく、説明するためのものであると解釈されるべきである。従って、本発明の技術的範囲は、上述の典型的な実施例のうち任意の実施例によって限定されるべきではないが、特許請求の範囲に記載の請求項及びその均等物にのみ従って規定されるべきである。
【符号の説明】
【0023】
10 内側管状部材
11 フライス
12 本体
13 フルート
13a 表面縁部
14 開口部
15 通路
20 内側管状部材
21 フライス
22 本体
23 螺旋状のフルート
24 先端部
25 螺旋状のフルート
26 移行部分
27 近位部分
28 遠位部分
30 内側管状部材
31 フライス
32 本体
33 螺旋状のフルート
34 先端部
35 螺旋状のフルート
36 移行部分
37 近位部分
38 遠位部分
P 放物線状の波パターン
図1
図2
図3