特許第5871940号(P5871940)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5871940補助電源を利用した代替動作モードを備える電子式回路遮断器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871940
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】補助電源を利用した代替動作モードを備える電子式回路遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 83/02 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
   H01H83/02 E
【請求項の数】12
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-534980(P2013-534980)
(86)(22)【出願日】2011年10月15日
(65)【公表番号】特表2013-541166(P2013-541166A)
(43)【公表日】2013年11月7日
(86)【国際出願番号】US2011056488
(87)【国際公開番号】WO2012054363
(87)【国際公開日】20120426
【審査請求日】2014年9月25日
(31)【優先権主張番号】12/908,455
(32)【優先日】2010年10月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】398032740
【氏名又は名称】シュナイダー エレクトリック ユーエスエイ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100158148
【弁理士】
【氏名又は名称】荒木 淳
(74)【代理人】
【識別番号】513091412
【氏名又は名称】太田 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ベイアーシュミット
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー ディー シュレーダー
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−105425(JP,U)
【文献】 特開2009−158186(JP,A)
【文献】 特開2009−077625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 69/00−69/01
H01H 71/00−83/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次電源を少なくとも一つの負荷に接続するように構成された制御可能な機械的接点を備える電子式回路遮断器に、電力を供給する方法であって、
前記回路遮断器内の制御回路において、前記一次電源から前記負荷への電力の流れを監視し、故障状態を検出し、トリップ信号を生成し、故障状態の検出に応答して前記接点を自動的に開くステップと、
前記接点が閉じているときに、前記一次電源から、前記制御回路に電力を供給するステップと、
前記接点が開いているときに、補助電源から前記制御回路に電力を供給するステップと
前記補助電源が前記制御回路に電力を供給している間で、前記接点が開いている間に、ファームウェアのアップグレードを受信及び格納するステップと、を有する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記一次電源から前記負荷への電力の流れの特性を示す出力信号を生成するステップと、
故障状態を検出するために、前記出力信号からのデータをサンプリングし、前記データを処理するステップと、
前記データサンプリングの失敗を検出し、前記データサンプリングにあらかじめ選択された数の失敗が検出されるのに応答して、トリップ信号を生成するステップと
を有する方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記データサンプリングの前記失敗は、前記一次電源から前記負荷へ供給される交流電圧のゼロクロスがないことを検出することにより検出される方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記接点が開いている間で、前記補助電源が前記制御回路に電力を供給している間に、トリップ信号を生成する原因となった故障状態の種類を表示するステップを有する方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記制御回路を、前記接点が閉じているときの故障保護動作モードと、前記接点が開いているときの代替動作モードとを、自動的に切り替えるステップを有する方法。
【請求項6】
一次電源を少なくとも一つの負荷に接続するように構成された制御可能な機械的接点と、
前記一次電源から前記負荷への電力の流れを監視し、故障状態を検出し、故障状態の検出に応答して前記接点を自動的に開くためにトリップ信号を生成する制御回路と、
前記接点が閉じているときに、前記一次電源から、前記制御回路に電力を供給する電圧調整器と、
前記接点が開いているときに、前記制御回路に電力を供給する補助電源と、
前記一次電源から前記負荷までの電力の流れに接続され、前記電力の流れの特性を示す出力信号を生成する少なくとも一つのセンサと、
を備え、
前記制御回路は、故障状態を検出するために、前記出力信号からのデータをサンプリングし、前記データを処理し、
前記制御回路は、また、前記データサンプリングの失敗を検出し、前記データサンプリングにあらかじめ選択された数の失敗が検出されるのに応答して、トリップ信号を生成し、
前記制御回路は、前記補助電源が前記制御回路に電力を供給している間で、前記接点が開いている間に、ファームウェアのアップグレードを受信及び格納する、
電子式回路遮断器。
【請求項7】
請求項6に記載の電子式回路遮断器において、前記制御回路は、前記一次電源から前記負荷へ供給される交流電圧のゼロクロスがないことを検出することにより、前記データサンプリングの失敗を検出する電子式回路遮断器。
【請求項8】
請求項6に記載の電子式回路遮断器において、前記制御回路は、前記接点が開いている間で、前記補助電源が前記制御回路に電力を供給している間に、トリップ信号を生成する原因となった故障状態の種類を表示する電子式回路遮断器。
【請求項9】
請求項6に記載の電子式回路遮断器において、前記補助電源はバッテリである電子式回路遮断器。
【請求項10】
請求項6に記載の電子式回路遮断器において、前記補助電源を前記制御回路に接続するスイッチを備える電子式回路遮断器。
【請求項11】
請求項10に記載の電子式回路遮断器において、前記制御回路は、前記接点が閉じているときに前記接点を通して、又は前記接点が開いているときに前記補助電源を通して、電力を受け取るように構成されたマイクロコントローラを備え、
前記マイクロコントローラは、故障状態を検出し、故障状態の検出に応答して前記接点を開き、前記接点が閉じているときの故障保護動作モードと前記接点が開いているときの代替動作モードとの間で自動的に切り替わるようにプログラムされている電子式回路遮断器。
【請求項12】
請求項11に記載の電子式回路遮断器において、前記マイクロコントローラは、前記接点を通して前記電源が前記マイクロコントローラに接続していることを検出し、前記接点を通して前記電源が前記マイクロコントローラに接続していないときに前記代替モードに自動的に切り替わるようにプログラムされている電子式回路遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子式回路遮断器、及び、特に、トリップ信号が生成された後、補助電源を使用して非故障保護動作モードに入る、改良型回路遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子式回路遮断器を動作させるとき、遮断器のマイクロコントローラのソフトウェア又はファームウェアのアップグレードに使用されるいかなる機能も、負荷の保護を中断もしくは犠牲にすることなく完了することが、非常に望ましい。従来の電子式回路遮断器においては、一旦トリップすると、遮断器を制御するマイクロコントローラは、電力を得られず、マイクロコントローラはアクセス不能になる。そのため、従来から周知の電子式回路遮断器におけるマイクロコントローラの状態は、遮断器接点が閉じているか開いているかにそれぞれ対応して、オン又はオフのいずれかである。
【0003】
ファームウェアのアップグレードを実行するためには、1)遮断器を負荷中心から取除くこと、2)遮断機がアップグレード処理中も故障保護を実行すること、又は3)遮断器を故障保護が必要とされない動作モードに入れることのいずれかが必要である。1)について、遮断器を負荷中心から取除くことは、遮断器取外しの安全面だけでなく、メンテナンス期間並びに遮断器及び関連機器の消耗の観点から、ファームウェアのアップグレードには望ましくない。2)について、アップグレード処理中、又は、遮断器を故障保護が必要とされない動作モードに入れることができるか否かを決定する間も、故障保護を提供するのにマイクロプロセッサオーバヘッドが必要とされる。保護を提供しながらファームウェアをアップデートする一例においては、別々の二つのプログラムセクション及び一つのブートセクションが必要である。保護が損なわれないように、既存のプログラムが故障保護の検出を続ける一方で、新規プログラムがメモリの別々のセクションに書き込まれなければならない。そして、一旦新規プログラムが認証されれば、プロセッサはリセットされなければならず、マイクロコントローラのブートセクションは、常に最新のプログラムを適用するために、どのファームウェアプログラムを今後使用するかを追跡しなければならない。故障が検出されたときの状況を処理するために追加プロセッサオーバヘッドが必要とされ、遮断器が危険な動作モードに入ることができないようにするために、新規プログラムがプログラムセクションに書き込まれる。
【0004】
今日の住宅用電子式回路遮断器(AFCI)は、多くの異なる種類の故障状態を監視し、これら多くの異なる種類の故障状態から保護している。回路遮断器がトリップしたとき、的確且つ迅速に故障状態を是正するために、回路遮断器がどんな種類の故障を遮断したかを知ることは有効である。このような回路遮断器内の電子モジュールは、電子部品に電力が供給される場合にのみ、遮断した故障を表示することができる。通常、これを行うには、手動ハンドルで回路遮断器を再び閉じて、電子モジュールに電力を供給する必要がある。しかしながら、遮断した故障の原因を表示するために回路遮断器を再び閉じるということは、その故障が存在し続けていれば、その故障に再び通電することも意味する。回路遮断器を安全に再び閉じるためには、電子技術者が、負荷中心を開き、回路遮断器から回線負荷及び中性負荷線を取除かなければならない。電子モジュールに遮断した故障を表示させるには、危険であると考えられるレベルにまで故障に再び通電することなく電子モジュールに電力を供給する第二の手段を取ることが望ましく、これにより回路遮断器から負荷線を取除く必要はなくなる。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態において、電子式回路遮断器は、一次電源を少なくとも一つの負荷に接続するように構成された制御可能な機械的接点と、一次電源から負荷への電力の流れを監視し、故障状態を検出し、それに応答してトリップ信号を生成し、接点を自動的に開く制御回路とを備える。一次電源は、接点が閉じているときに制御回路に電力を供給し、補助電源は、接点が開いているときに制御回路に電力を供給する。
【0006】
遮断器接点が開いている間に補助電源から制御回路に電力を供給することによって、この遮断器システムは、回路遮断器がトリップした原因を決定するために、危険な故障に対して回路遮断器を閉じる必要はなくなる。また、ファームウェアをアップデートする、トリップの原因を表示する、又は分岐配線診断を実行するために、回路遮断器から分岐回路配線を取除く必要も、又は負荷中心から回路遮断器を取除く必要もなくなる。
【0007】
一実施形態において、前記一次電源から負荷への電力の流れに接続され、電力の流れの特性を示す出力信号を生成する少なくとも一つのセンサを備え、前記制御回路は、故障状態を検出するために、前記出力信号からのデータをサンプリングし、該データを処理する。前記制御回路は、また、データサンプリングの失敗を検出し、データサンプリングにあらかじめ選択された数の失敗が検出されるのに応答して、トリップ信号を生成する。前記制御回路は、一次電源から負荷へ供給される交流電圧にゼロクロスがないことを検出することにより、データサンプリングの失敗を検出するが、これは遮断器ハンドルで接点を手動で開いたときにも起こり、制御回路にトリップ信号を発生させる。
【0008】
本発明は、添付図面と合わせて以下の説明を参照することにより、最も良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、補助電源及び代替動作モードを備える電子式回路遮断器の電気回路の一部分の回路図である。
図2図2は、電子式回路遮断器の補助電源を起動し、該遮断器の動作モードを制御するための、図1の回路内のマイクロコントローラにより実行されるルーチンのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、特定の望ましい実施形態と関連して記載されるが、本発明は、これら特定の実施形態に限定されないものと理解される。それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲において特定される本発明の要旨及び範囲に含まれうる全ての代替、改良及び均等構成を包含することが意図される。
【0011】
図1は、例えば120ボルト交流電源のような一次電源10から一以上の負荷11に供給される電力を監視する回路遮断器の制御回路の一部分を示すものである。通常運転時、すなわち故障が発生していないときは、電源10は、トリップ回路13内の、通常閉じている遮断器接点12を通して、交流電力を負荷11に供給する。加えて、電圧監視回路16を通して前置電圧調整回路17に供給される直流出力を生成するために、電源10からの交流電力を整流するダイオードブリッジ15から、遮断器内のマイクロコントローラ14に、直流電力が供給される。前置電圧調整回路17は、同様に、電圧調整器18に電力を供給し、電圧調整器18は、調整された直流入力電圧をマイクロコントローラ14に供給する。
【0012】
回路遮断器により故障が検出されたとき、マイクロコントローラ14は、トリップ信号を生成し、この信号は、トリップ回路13に提供され、遮断器接点12を自動的に開くことにより、負荷11への電流を遮断する。また、マイクロコントローラは、通常、トリップの原因を特定する情報、例えば接地故障又はアーク故障等も格納する。
【0013】
遮断器接点12が開いている間にマイクロコントローラ14を使用可能にするために、スイッチ20aを閉じることにより、例えばバッテリ等の補助電源20から、マイクロコントローラ14に電力が供給される。これにより、補助電源20は電圧調整器18に接続され、続いてマイクロコントローラ14に電力を供給する。バッテリは、スイッチを必要とせずに遮断器に直接プラグ接続することが好ましい。
【0014】
遮断器接点12が開いている間にマイクロコンピュータ14を動作可能にしておくのが望ましい理由は、いくつか存在する。例えば、負荷中心から遮断器を取除く必要なしに、及び/又は電子遮断器内に追加プロセッサオーバヘッドを設ける必要なしに、マイクロコントローラ14のファームウェアをアップグレードできること又は分岐配線診断を実施できることが望ましい。他の一例として、遮断器接点がトリップ信号により開いている間に、トリップを発生した故障の種類を決定するために、マイクロコントローラにアクセスできることが望ましい。
【0015】
図2のフローチャートは、電子式回路遮断器が、通常の動作モード(例えば、故障保護)又は代替動作モード(例えば、ファームウェアアップグレード)のいずれかを提供する、互いに排他的な2つの代替動作モードのいずれかに入るのを、マイクロコントローラ12内のファームウェアが許可する方法を示すものである。具体的には、2つの代替動作モードは、マイクロコントローラ14に、メイン遮断器の閉じられた接点12を通して一次電源により電力を供給すること、又は、例えば、全ての回路遮断器に含まれる、手動で遮断器接点12を制御及びリセットする手動ハンドルの使用によって、遮断器接点が開いているときに補助電源20により電力を供給することを許可する。
【0016】
図2を参照すると、いずれかの電源により電力が供給されると、ステップ30でマイクロコントローラの初期状態がリセットされてファームウェアが初期状態に入り、ステップ31で診断が初期化され、ステップ32で故障検出が初期化される。故障検出の初期化に続いて、ステップ33〜35の一つの経路及びステップ36〜37の並列経路で表現される並列処理過程に進む。
【0017】
「故障検出」経路において、ステップ33は、故障状態の検出に使用されるデータ(例えば、電圧監視回路16からのデータ)のサンプリングを行い、続いてステップ34は、サンプリングしたデータを、故障の発生を検出するアルゴリズムに使用する。故障が検出されない限り、ステップ35は、否定的な応答をし、電圧監視回路16からのデータのサンプリングを続けるために、システムをステップ33に戻す。このループは、ステップ33でデータがサンプリングされ、ステップ34で実行されるアルゴリズムにより故障状態が検出されない限り、続行される。
【0018】
並列処理過程における、平行する「システム診断検出」経路において、ステップ36は、サンプリング開始の失敗(例えば、一次交流電圧のゼロクロスが発生しない等)を検出すること等により、いつサンプルデータの失敗が存在するかを検出する。これは、電子式回路遮断器における標準的なフェイルセーフ診断の特徴であって、典型的にはファームウェア内の従来のウォッチドッグタイマにより実行され、そのため、マイクロコントローラ14にプロセッサオーバヘッドを追加することはない。ステップ37は、ステップ36で検出された失敗をカウントし、連続した失敗の数が、実際に失敗が検出されたことを示す、あらかじめ設定された「失敗数」に達するかを決定する。ステップ37が否定的な応答を続ける限り、システムはステップ36に戻り、サンプルデータの失敗の監視を続ける。このループは、あらかじめ設定された「失敗数」に達しない限り続く。遮断器が手動で遮断された場合、すなわち接点12が開かれた場合、システムはタイムアウトし、肯定的な応答がされる。
【0019】
ステップ35又はステップ37のいずれかで肯定的な応答がされると、ステップ38でトリップ信号が発信される。トリップ信号は、トリップ回路13に送信され、遮断器システムから一次電源を取り除くために、主接点12を開く。ステップ38でトリップ信号が生成された後、ステップ39で代替動作モードが開始される。
【0020】
代替動作モードは、マイクロコントローラ14に電力を供給するために、補助電源20を電圧調整器18に接続するためにスイッチ20aが閉じられている場合に限り続く。補助電源20が接続されている場合、マイクロコントローラは電力を受信し続け、そのため、マイクロコントローラにより、様々な動作が実行されうる。マイクロコントローラが補助電源20から電力を供給されている場合、主接点12が開いているため、サンプリング開始事象は起こらない。そのため、いくつかのウォッチドッグタイムアウトが連続して起こるため、ステップ37における肯定的な応答の原因となり、ステップ38においてトリップ信号を生成し、ステップ39で代替動作モードを開始する。代替動作モードにおいては、トリップ信号が常時存在するため、主接点12が閉じても、トリップ回路13はこれらの接点をすぐに開く。補助電源が取除かれた場合、例えば、スイッチ20aが開かれた場合、又はバッテリが寿命に達した場合に、代替動作モードは終了する。これは、補助電源が存在するとき、自己保護機能を提供する。
【0021】
図2に記載された実施例において、システムは、ステップ39から「ファームウェアのアップデート」のルーチンに進む。このルーチンの最初のステップは、マイクロコントローラ14の通信ポートを確認するステップ40であり、その後、ステップ41において、新規ファームウェアを取得し、バッファに格納する。そして、主接点12が開いている間に、ステップ42は、新規ファームウェアを書込み、確認する。前述のように、代替モードでは、例えば、故障の原因又は分岐配線診断を読み出して表示する等の、他の動作も実行できる。主接点12が開いているので、代替モードの間は、負荷11に電力が供給されず、そのため、故障保護は必要ではない。これにより、例えばファームウェアのアップデートや故障原因の表示等の動作が、負荷中心から負荷線を切る又は遮断器を取除くことなく、代替モードで実行できる。
【0022】
いつ代替動作モードに入るかを決めるために、一次交流電圧ゼロクロスに関する従来の診断検査を使用すると、追加プロセッサオーバヘッドは不要になる。プロセッサオーバヘッドとは、トリップ信号の発信に先行して動作を実行するために、追加のクロックサイクル又はより大きな電力を使用することをいう。ウォッチドッグタイマは、典型的には、電子遮断器の標準ファームウェアの一部であり、追加のオーバヘッド又は追加のタイミングの制約はない。
【0023】
本発明の特定の実施形態及び適用例が示され、記載されているが、本発明は、本明細書において開示されたものと同一の構造及び構成に限定されず、種々の改良、変更及び変形が、添付の特許請求の範囲において特定される本発明の要旨及び範囲から逸脱することなく、上記の記載から明確であるものと理解されたい。
図1
図2