特許第5871998号(P5871998)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871998
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】湿気検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/20 20060101AFI20160216BHJP
   G01N 21/81 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   G01M3/20 N
   G01N21/81
【請求項の数】18
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-146386(P2014-146386)
(22)【出願日】2014年7月17日
(65)【公開番号】特開2015-21972(P2015-21972A)
(43)【公開日】2015年2月2日
【審査請求日】2014年7月17日
(31)【優先権主張番号】102126086
(32)【優先日】2013年7月22日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】507200488
【氏名又は名称】新普科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】楊志坤
(72)【発明者】
【氏名】何沛然
(72)【発明者】
【氏名】林佑儒
【審査官】 福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭57−030297(JP,Y2)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0111976(US,A1)
【文献】 米国特許第04793180(US,A)
【文献】 特開平11−191403(JP,A)
【文献】 特開平04−294744(JP,A)
【文献】 実開昭59−146490(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/20
G01N 21/81
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体壁を有する筐体と、ケース及び湿気インジケータ材料を有する湿気検出センサとを含み、
前記ケースは、前記筐体壁を貫通するとともに前記筐体と結合し、前記ケースは複数の穿孔と一つの透光部を有し、前記透光部は前記筐体外に露出し、前記穿孔により前記筐体内部空間と前記ケース内部空間が連通し、
前記湿気インジケータ材料は、前記ケース内に位置し、前記湿気インジケータ材料の色は前記ケース内部の湿気の変化に伴って変化し、
前記湿気検出センサは、更に、吸湿材料及び仕切り板を含み、前記仕切り板は前記ケース内に設置され、前記ケース内部空間をそれぞれ独立した第1空間及び第2空間に分割し、
前記仕切り板は、上表面及び前記上表面に相対する下表面を有し、前記第1空間は前記第2空間の上方に位置し、前記穿孔はいずれも前記上表面より上に位置し、
前記筐体内部空間は、前記第2空間と連通せず、前記穿孔を介して前記第1空間と連通し、
前記湿気インジケータ材料及び前記吸湿材料は前記第1空間内に位置し、
前記吸湿材料は、水分を吸収した後、水溶液に変化することを特徴とする湿気検出装置。
【請求項2】
前記吸湿材料は塩化カルシウム無水物であることを特徴とする請求項1記載の湿気検出装置。
【請求項3】
前記湿気検出センサは更に前記第2空間に位置する吸水材料を含み、前記吸水材料は、コットン紙、吸水スポンジ、吸水発泡体、又はデンプン-アクリロニトリル共重合体であることを特徴とする請求項1記載の湿気検出装置。
【請求項4】
前記湿気インジケータ材料は塩化コバルト無水物又はオレンジシリコンであることを特徴とする請求項1記載の湿気検出装置。
【請求項5】
前記仕切り板は、貫通して複数の開孔が設けられ、各前記開孔は、前記上表面から前記下表面へ延伸し、前記水溶液は前記第1空間からこれら開孔を通過して流れ、前記第2空間内に収集され、且つ前記開孔のサイズは前記吸湿材料と前記湿気インジケータ材料のサイズよりも小さいことを特徴とする請求項記載の湿気検出装置。
【請求項6】
前記第2空間に位置する吸水材料を含むことを特徴とする請求項に記載の湿気検出装置。
【請求項7】
前記湿気検出センサは、更に、前記ケースと前記筐体壁との間に形成された間隙を密封するペースト剤を含むことを特徴とする請求項1記載の湿気検出装置。
【請求項8】
前記湿気検出センサは、更に、前記ケースと前記筐体壁との間に形成された間隙を密封するワッシャを含むことを特徴とする請求項1記載の湿気検出装置。
【請求項9】
前記筐体壁は、開口を有し、且つ前記ケースの外表面にねじ山を設けて、前記ケースを前記筐体壁にねじ結合させることを特徴とする請求項1記載の湿気検出装置。
【請求項10】
前記湿気インジケータ材料は、塩化コバルト無水物であることを特徴とする請求項9記載の湿気検出装置。
【請求項11】
前記ケースは、第1ケースと第2ケースを含み、前記第1ケースは前記穿孔及び開口端を有し、前記第2ケースは前記透光部を有し、
前記第2ケースは、更に、筒体及び板状体を有し、
前記筒体は、第1端部及び前記第1端部に相対する第2端部を有し、そのうち、前記第1端部は前記開口端に進入するとともに、前記筒体の外表面と前記第1ケースの内表面が相互に密設し、
前記板状体は、前記第2端部と結合し、且つ前記板状体は前記筐体外に位置することを特徴とする請求項1記載の湿気検出装置。
【請求項12】
前記第1ケースと前記第2ケースは前記ケース内部空間である収容空間を囲むように設けられることを特徴とする請求項1記載の湿気検出装置。
【請求項13】
前記第2ケースと前記第1ケースが分離できるように、前記第2ケースの前記筒体の外表面と前記第1ケースの内表面が相互に密設することを特徴とする請求項1記載の湿気検出装置。
【請求項14】
前記第1端部は、閉塞端であり、且つ前記板状体はリング状板であり、前記リング状板は、前記筒体の外表面を囲むように設けられることを特徴とする請求項11に記載の湿気検出装置。
【請求項15】
前記筐体壁は、開口を有し、前記第1ケースは前記開口を介して前記筐体壁に嵌設され、且つ前記板状体は前記開口を遮蔽することを特徴とする請求項11記載の湿気検出装置。
【請求項16】
前記筐体は、電子モジュールを収容し、且つ前記第1ケースは第1コード孔を有し、前記第2ケースは第2コード孔を有し、前記電子モジュールのリード線を前記第1コード孔及び前記第2コード孔の順に通過させて前記筐体の外側へ延伸させることを特徴とする請求項11、12、13、14又は15記載の湿気検出装置。
【請求項17】
前記湿気検出センサは、更に、カバー部材を含み、前記カバー部材は、前記リード線と前記第2コード孔との間の間隙を密封することを特徴とする請求項16記載の湿気検出装置。
【請求項18】
前記カバー部材は、シーリング材及びシーリングリングのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項17記載の湿気検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿気検出装置に関し、特に、筐体内が乾燥状態に維持されているかを検出する湿気検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
石油価格の高騰、環境保護意識の高まりに伴い、電池モジュールを動力源とする交通運輸車両が一般的な交通手段となることは、将来の趨勢となる。前述の交通運輸車両は、例えば、電動自転車、電動オートバイ、ハイブリッド自動車など電動輸送機器である。
【0003】
しかし、湿度が高い地域では、交通運輸車両に応用された電池モジュールは、湿気の影響を受けやすく、電池モジュールの寿命が短くなる。特に、これら電動車両が運行中に、雨が降ったり、路面が積水すると、電池モジュールへ湿気が容易に浸入し、電池モジュールに非常に重大な損害が発生する恐れがある。
【0004】
電子装置の使用寿命を延長し、又は電子装置の安全性を確保するために、多くの電子装置はいずれも乾燥状態を維持する作動環境が必要である。電池モジュールを例に挙げると、電池モジュールは通常筐体内に収容され、電池モジュールは、湿気が多い環境では、非常に危険であるので、電池モジュールの作動環境を確保するために、筐体内部の空間を乾燥状態に維持する必要がある。従って、電池モジュールを収容する筐体内部の湿気をモニタリングすることが好ましく、電池モジュールが湿気により破損する前に予め処置を行うことができる。
【0005】
例えば、電子式湿気検出装置のような従来の湿気検出装置は、二つの櫛型回路が相互に交差して設けられる。電池モジュール内の湿気が一定程度に達すると、二つの櫛型回路は相互に導通して電子信号を生成し、電池モジュールの保護回路へ伝送して、電池モジュールの動作を中断させる。別の方法は、無線自動識別システム(RFID)などの無線通信モジュールを介して、信号をアラーム装置へ伝送してアラーム装置によりユーザに対し電池モジュールが湿気に晒されていることを知らせる。
【0006】
しかし、上述の方法は、電子式方法でなければ、ユーザが電池モジュールを収容した筐体内が乾燥状態に保たれているか直観的に知ることができず、又上記方法を利用すると、電力を消費する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は湿気検出装置を提供し、それが設けられた湿気検出センサにより、ユーザは湿気検出装置内部が乾燥状態に維持されているか否かを直接知ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例は、湿気検出装置を提供し、湿気検出装置は、筐体、電子モジュール及び湿気検出センサを含む。筐体は、筐体壁を有し、電子モジュールは、筐体内に位置する。湿気検出センサは、ケース及び湿気インジケータ材料を含み、ケース内に湿度インジケータ材料を収容し、且つ湿度インジケータ材料の色はケース内部の湿度の増加に伴い変化する。ケースは筐体壁を貫通し、筐体と結合する。ケースは、複数の穿孔及び一つの透光部を有し、そのうち、透光部は筐体外に露出し、穿孔は筐体内部の空間とケース内部空間を連通させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の湿気検出装置は湿気検出センサを有し、ユーザが湿気検出センサ内の湿気インジケータ材料の色を直接観測でき、湿気検出装置の内部空間が湿気を含んでいないか評価することができる。
【0010】
本発明の達成するための技術、方法及び効果を更に理解するために、以下の本発明に関する詳細な説明、図面を参照すると、更に本発明の特徴が理解できる。これにより更に深く、具体的に理解できるが、添付した明細書及び図面は、本発明を説明するために用いるものであり、本発明に制限を加えるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例の湿気検出装置の断面図を示す。
図2A】本発明の実施例の湿気検出装置の立体分解図である。
図2B】本発明の別の実施例の湿気検出装置の立体分解図である。
図3】本発明の更に別の実施例の湿気検出装置の立体分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、本発明の実施例の湿気検出装置の立体分解図である。湿気検出装置1は、筐体10、電子モジュール20及び湿気検出センサ30を含む。電子モジュール20は、筐体10内に主要され、湿気検出センサ30によりユーザが筐体10内の湿度をモニタリングでき、電子モジュール30が湿気を含んでいないか知ることができる。
<実施例>
【0013】
具体的には、筐体10は、筐体壁を有し、筐体壁上に筐体壁を貫通して形成された開口100を有する。電子モジュール20、例えば、電池モジュールを、筐体10内に設置する。筐体10が六面体である時、開口100は前記筐体10の任意の壁上に形成することができる。
【0014】
湿気検出センサ30は、筐体10内に湿気が侵入しているか否かを検出することができる。本発明の実施例の湿気検出センサ30はケース31及び湿気インジケータ材料32を含む。
【0015】
湿気インジケータ材料32は、ケース31内に収容され、且つ湿気インジケータ材料32の色は、湿度によって変化する。本実施例の湿気インジケータ材料32は、例えば、塩化コバルト無水物又はオレンジシリコンなどである。塩化コバルト無水物は青色であり、塩化コバルト無水物が吸水による水和反応後、ピンク色の塩化コバルト六水和物(CoCl2.6H2O)となる。そして、オレンジシリコンは吸水後、緑色になる。
【0016】
ケース31は、筐体壁を貫通し、筐体10と結合する。本実施例のケース31は開口100を通過して筐体10内へ延伸し、筐体10に組み立てられる。ケース31は、複数の穿孔313及び一つの透光部を有する。透光部は筐体10外に露出し、穿孔313は、筐体10内部空間とケース31内部空間を連通させる。実施例において、湿気検出センサ30は、ペースト材(図示せず)をさらに含んでもよく、ケース31と筐体壁との間に形成された間隙を密封する。
【0017】
実施例において、ケース31は、主に、第1ケース310及び第2ケース320を組み立ててなり、第1ケース310と第2ケース320は収容空間を囲むように設けられる。湿気インジケータ材料32は、収容空間内に配置される。少なくとも一部の第1ケース310は、筐体10内に位置し、少なくとも一部の第2ケース320は筐体10の外側に露出する。特に、本実施例において、第2ケース320は、第1ケース310と相互に分離することができる。
【0018】
この他、筐体10内の第1ケース310は、ケース壁を貫通して形成される複数の穿孔313を有して、ケース31の内部空間と筐体10の内部空間を連通させる。穿孔313は、円孔又はスリット状溝であってもよい。本発明の実施例において、湿気インジケータ材料32は、顆粒状を呈することができ、穿孔313が円孔である時、湿気インジケータ材料32が穿孔313から筐体10内に落脱することを防止するために、湿気インジケータ材料32の粒径は穿孔313の孔径より大きくなければならない。同様の理由により、穿孔313がスリット状溝である時、湿気インジケータ材料32の粒径はスリット状溝の幅より大きくなければならない。
【0019】
本実施例において、第2ケース320は、前記透光部を含み、前記透光部は可視光を透過させて、ユーザが筐体10の外側から湿気インジケータ材料32の色の変化を観察でき、筐体10内の湿度の変化を判定できることを指す。湿気インジケータ材料32は、吸水により色が変化したとき、筐体10内部の電子モジュール20は既に湿気を受けていることを示し、ユーザに湿気を受けた電子モジュール20に対し処置を行うことを知らせ、第2ケース320を取り外して、湿気インジケータ材料32を取り出して交換するか又は、物理又は化学方式により還元処理を行う。前記物理方式は、例えば、湿気インジケータ材料を加熱する方法である。
【0020】
本実施例において、第1ケース310は、第1コード孔314を有し、且つ第2ケース320は第2コード孔324を有して、電子モジュール20のリード線21を第1コード孔314及び第2コード孔324を順に通過して筐体10の外側へ延伸する。電子モジュール20が組電池である場合、リード線21は実際は組電池の電圧コードである。そして電圧コードは第1コード孔313及び第2コード孔324を通過した後、負荷装置に接続して、負荷装置に給電する。
【0021】
湿気検出センサ30は更に、カバー部材33を含んでもよい。前記カバー部材33はシーリング材及び/またはシーリングリングを含んでもよい。カバー部材33はリード線21と第2コード孔324との間の間隙を密封して湿気が外界からケース31内に進入して、湿気インジケータ材料32の検出結果に影響を与えることを防止する。実施例において、カバー部材33はシーリングリングである。前記リード線21は、外界の湿気がケース31の内部空間にできるだけ進入しないように、貫通して設けられ、シーリングリングと相互に密設する。又、第2ケース320の交換が必要な場合、リード線21及びシーリングリングは、第2ケース320と相互に分離する。別の実施例において、カバー部材33はシーリングリング以外にも、シーリング材を共に使用して、外界からの湿気を隔絶する効果がさらに向上できる。シーリング材は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂又はエポキシ樹脂であってもよい。本発明の実施例の湿気検出センサについて詳細な構造を以下のように説明する。図1及び図2Aを参照すると、図2Aは、本発明実施例の湿気検出センサの立体分解図である。
【0022】
第1ケース310は、第1板状体311及び第1筒体312を含むことができ、第1筒体312のうちの一端の開口は、第1板状体311に遮蔽されて閉合端312aを形成し、第1筒体312のもう一端は、依然開口端312bである。前記穿孔313は、第1板状体311又は第1筒体312に形成することができる。前記閉合端312aは開口100を通過して筐体10内に延伸して、第1ケース310の外表面を開口100の外壁と結合させる。実施例において、第1板状体311は、弧形プレートであり、第1筒体312の端部を第1板状体311の周縁と接合する。別の実施例において、第1ケース310は、半球状ケースであってもよい。しかし、第1ケース310の形状はこれに制限されない。
【0023】
実施例において、第1ケース310の外表面が開口100の側壁と結合する場合、シーリングリング又はシーリング材により第1ケース310の外表面と開口100の側壁との間に形成される間隙に充填することができる。別の実施例において、第1ケース310の外表面及び開口100の側壁にはそれぞれおねじ及びめねじが設けられて、第1ケース310を筐体10にねじ結合する。
【0024】
本実施例の湿気検出センサ30は、更に、ワッシャ36を含み、湿気検出センサ30及び筐体壁との間に形成される間隙を密封する。詳細には、ワッシャ36は第1ケース310と開口100の側壁との間に形成される間隙に位置する。
【0025】
本実施例において、第2ケース320は第1ケース310に直接組み立てられ、組み立て方法は、ねじ結合手段又は係合手段によってもよい。その他の実施例において、第1ケース310と第2ケース320の間にその他の接続部材により組み合わせることができる。この他、第1ケース310と第2ケース320は一体形成であってもよい。この状況の下では、湿気インジケータ材料32は、第1ケース310と第2ケース320内に密封される。従って、湿気インジケータ材料32は、還元可能な材料を選択しなければならない。所謂還元可能材料とは、前記材料が吸水後、物理的または化学的な方法により吸水前の状態に還元できることを指し、例えば、塩化コバルト無水物である。
【0026】
第2ケース320は、第2板状体321及び第2筒体322を含む。第2筒体322は第1端部322a及び第1端部322aに相対する第2端部322bを有する。第2筒体322が第1筒体312に組み立てられる場合、第1端部322aは第1筒体312の開口端312bに進入するとともに、第2筒体322の外表面と第1筒体312の内表面が相互に密設する。つまり、第2筒体322の外径は、第1筒体312の内径よりも小さく、第2筒体322を第1筒体312中に取り付けることができる。実施例において、第2筒体322の外側壁及び第1筒体312が近接する開口端312bの内側壁にはそれぞれねじ山が設けられ、第1筒体312と第2筒体322が相互にねじ結合が可能である。本実施例において、第2板状体321及び第2筒体322はいずれも透明ケースであり、第2板状体321及び第2筒体322の材質は、例えばアクリル又はプラスチックである。別の実施例において、第2板状体321だけが透明材質により構成される。
【0027】
第2板状体321は、第2端部322bと結合し、閉塞端を形成する。つまり、第2板状体321は、第2筒体322を第2端部322bの開口において完全に密封して、ケース31の内部空間を完全に外界から隔絶する。その他、第2板状体321は筐体10の外側へ露出するとともに、筐体10の開口100を完全に遮蔽する。そして、第2板状体321と第2筒体322は一体成形であってもよい。ユーザが湿気インジケータ材料32を交換する又は湿気インジケータ材料32の還元処理を行う場合、筐体10外から露出した第2板状体321に対し加力することにより、第2ケース320と第1ケース310が分離できる。例えば、第2板状体321を回転することにより、第2筒体322から第1筒体312を回転させて引き出し、第2ケース320を第1ケース310から取り外す。
【0028】
本実施例において、第2板状体321は更に、第2板状体321の外側表面に形成された溝321aを含む。ユーザは、溝321aに硬貨又は適切な工具を挿入して回転させ、湿気検出センサ30を筐体10から取り外す又は、湿気検出センサ30を筐体10に取り付けることができる。
【0029】
第2ケース320の外形は上記実施例に制限されない。図2Bを参照すると、本発明の湿気検出センサ30の別の実施例の立体分解図である。本実施例の部材は図2A中の部材とほぼ同一であるので、以下において、異なる部分について詳細に説明する。図2Bの実施例において、第2筒体322の第1端部322aは閉塞端であり、且つ第2板状体321がリング状板であり、第2筒体322の外側表面を囲むように設けられ、且つ第2端部322bに隣接する。つまり、第2ケース320の外形は礼帽に類似し、第2板状体321は礼帽のつばに類似する。
【0030】
図3は、本実施例の別の実施例の湿気検出センサの立体分解図である。各部材の設置が、前の実施例と同一の部分はここでは詳細に述べない。以下において、本実施例と前の実施例が異なる個所について説明を行う。本実施例の湿気検出センサ30'は、更に仕切り板34を含む。仕切り板34は、ケース31内に設置され、ケース31内部空間をそれぞれ独立した第1空間31a及び第2空間31bに分離し、第2空間31bは第1空間31aの下方に位置する。
【0031】
詳細には、本実施例の湿気検出センサ30'が、筐体10の側壁に設置された場合、仕切り板34は開口100が位置する筐体壁表面にほぼ垂直である。つまり、前記状況の下、仕切り板34は、第1板状体322の内表面、第2板状体321の内表面及び第1筒体312(又は第2筒体322)の内壁面に当接し、そして、収容空間を上下二つの部分に分割する。湿気検出センサ30'が筐体10の底面に設置される場合、仕切り板34は筐体10の底面とほぼ平行である。つまり、仕切り板34は第1筒体312(又は第2筒体322)の内壁面に当接する。
【0032】
仕切り板34は、上表面34a及び上表面34aと相対する下表面34bを有する。本実施例において、上表面34aは第1空間31aを囲むように設けられる壁面のうちの一つであり、下表面34Bは、第2空間31bを囲むように設けられる壁面のうちの一つである。且つ仕切り板34は、複数の開孔340を有し、各開孔340は、上表面34aから下表面34bへ延伸して第1空間31aと第2空間31bをこれら開孔340を介して相互に連通する。
【0033】
実施例において、湿気検出センサ30'は、更に、吸湿材料35を含み、吸湿材料35と湿気インジケータ材料32はいずれも第1空間31a内に位置する。吸湿材料35は、ユーザが電子モジュール20を除湿する前に、先ず筐体10内の一部の湿気を吸収する。本実施例において、吸湿材料35は、塩化カルシウム無水物であり、塩化カルシウム無水物は湿気を吸収した後、水溶液に変化する。水溶液は第1空間31aからこれら開孔340を通過して流れ、第2空間31b内に収集される。開口340は円孔又は長形孔であってもよく、湿気インジケータ材料32と吸湿材料35のサイズは各開口340の最小孔径よりも大きい。例えば、湿気インジケータ材料32と吸湿材料35は、いずれも顆粒状を呈しており、且つ開孔340が円孔である。湿気インジケータ材料32と吸湿材料35の粒径は開孔340の孔径より大きい。同様に、開孔340が長形孔である場合、湿気インジケータ材料32と吸湿材料35の粒径は開孔340の幅よりも大きい。
【0034】
本実施例において、第1ケース310が前記穿孔313を形成する場合、これら穿孔313はいずれも仕切り板34の上表面34aより上に位置する。つまり、筐体10内の空間は穿孔313を介して第1空間31aと連通するが、しかし筐体10内の空間は第2空間31bと連通しないので、第2空間31bに収集された水溶液の筐体10内への流入を防止できる。
【0035】
本実施例において、湿気検出センサ30'は、更に吸水材料37を含み、吸水材料37は、例えば、コットン紙、吸水スポンジ、吸水発泡体、デンプン-アクリロニトリル共重合体などである。吸水材料37は、第2空間31bに位置し、第1空間31aから第2空間31b内に流入する水溶液を吸収するので、湿気検出装置1が移動、振動又は回転した場合に、第2空間31bの水溶液が第1空間31aに逆流し、更に穿孔313を通過して筐体10内の空間に流れて、筐体10内部空間が乾燥状態に維持されないことを防止する。
【0036】
その他の実施例において、吸湿材料35は、シリカゲル、粘土系乾燥剤、活性酸化アルミニウムなどのような乾燥剤であってもよい。前記吸湿材料35は、吸水後、液状にならない。このような状況の下、前記吸湿材料は第1空間31a又は第2空間31bに設置でき、前記仕切り板34を使用しなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上より、本発明は非電子式で、低コスト、信頼性が高い湿気検出装置を提供し、且つ、筐体内が乾燥された動作環境にあるか否かを外側から直接知ることができる。本発明の実施例の湿気検出装置が使用する湿気検出センサは電力を使用する必要がない。即ち、ユーザは、湿気検出装置内部が湿気を受けているかを知ることができるので、簡便且つ容易に実施できるメリットを有する。本発明の実施例の湿気検出装置において、透明な第2ケースを筐体外側に設置することにより、ユーザは湿気インジケータ材料の色を直接観察することができ、湿気検出装置内部の湿気状況を評価できる。この他、本発明の別の実施例の湿気検出センサに吸湿材料を更に組み合わせることにより、湿気検出装置の初歩的な除湿ができる。
【0038】
本発明を実施例により上記のように開示したが、本発明を限定するものではなく、如何なる当業者により、本発明の本質及び範囲を逸脱しなければ、変更及び装飾などの等価置換が行え、依然本発明の特許請求の範囲内である。
【符号の説明】
【0039】
1 湿気検出装置
10 筐体
100 開口
20 電子モジュール
21 リード線
30、30' 湿気検出センサ
31 ケース
310 第1ケース
311 第1板状体
312 第1筒体
312a 閉合端
312b 開口端
313 穿孔
314 第1コード孔
320 第2ケース
321 第2板状体
321a 溝
322 第2筒体
322a 第1端部
322b 第2端部
324 第2コード孔
32 湿気インジケータ材料
33 シーリング材
34 仕切り板
34a 上表面
34b 下表面
340 開孔
31a 第1空間
31b 第2空間
35 吸湿材料
36 ワッシャ
37 吸水材料
図1
図2A
図2B
図3