(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5872003
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】折りたたみ式椅子型簡易便器
(51)【国際特許分類】
A47K 11/04 20060101AFI20160216BHJP
A61G 5/00 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
A47K11/04
A61G5/00 508
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-172931(P2014-172931)
(22)【出願日】2014年8月27日
【審査請求日】2014年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102234
【氏名又は名称】ウチヱ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123869
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良隆
(72)【発明者】
【氏名】内山 稔章
【審査官】
藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭60−189298(JP,U)
【文献】
特開2002−200006(JP,A)
【文献】
特開2005−034334(JP,A)
【文献】
特開2000−037320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背もたれ部とリヤーパイプ部が一本のパイプで構成された左右一対の背もたれ・リヤーパイプと、左右一対のフロントパイプとで脚体が構成され、前記背もたれ・リヤーパイプとフロントパイプ間に横設された便座受けに開閉式便座を有し、前記便座には着脱式の便器を備え、前記便座の上に載置する開閉式座りパットを有する椅子型簡易便器であって、前記フロントパイプの上部と便座受けの前部とが相互に上下方向に回動可能に枢着され、前記便座受けの後部は前記背もたれ・リヤーパイプに回動連結部材を介して上下方向に回動可能に枢着され、前記フロントパイプと背もたれ・リヤーパイプとを前後方向につなぐ左右一対の折りたたみ用連結杆を介して便座受けとフロントパイプが上下方向に回動して便器本体が前後方向に折りたたまれる構造となし、前記背もたれ・リヤーパイプと回動連結部材との連結部に前記便器本体の折りたたみ状態と開脚状態のロック機構を備えたことを特徴とする折りたたみ式椅子型簡易便器。
【請求項2】
前記便器本体の折りたたみ状態と開脚状態のロック機構は、手動式のレバー操作による凹凸嵌合方式であって、便座受けの後部に設けられてその反対側端部に形成した円周壁面を有する左右一対のロックプレート部が当該円周壁面の中心部に横設した支軸にて背もたれ・リヤーパイプに上下方向に回動可能に軸着され、前記左右一対のロックプレート部の当該円周壁面に間隔をおいて形成した折りたたみ状態ロック用凹部と開脚状態ロック用凹部を有する略L形の回動連結部材と、前記回動連結部材の左右一対のロックプレート部間に背もたれ・リヤーパイプを貫通して回動連結部材の回動軸と同軸に取着され、円周面に複数の係合用凹部を有する補助ロック円筒と、背もたれ・リヤーパイプに一定ストローク上下動可能に取付けられた操作レバーと、前記左右一対のロックプレート部間に設けられた補助ロック円筒の下方に位置し、背もたれ・リヤーパイプ内に垂直方向にスライド可能に収納されて前記操作レバーと一体にねじ止めされ、かつ背もたれ・リヤーパイプとの間に掛けたスプリングにて常時上方向の力を付与された筒状のロック用スライド部材と、前記回動連結部材のロックプレート部に設けられた折りたたみ状態ロック用凹部と開脚状態ロック用凹部に凹凸嵌合可能に前記ロック用スライド部材に前記回動連結部材の回動軸と平行に取着された主ロックピンと、前記ロック用スライド部材に内装されて前記主ロックピンと同軸に前後方向に回動可能に取着され、前記補助ロック円筒の係合用凹部に凹凸嵌合可能となすとともにスプリングにて常時下方への引張力を付与された補助ロックピンとから構成され、本体開脚時には前記主ロックピンが前記回動連結部材に形成した開脚状態ロック用凹部に嵌合して本体開脚状態がロックされ、前記操作レバーを下方へ押し下げると、前記主ロックピンが前記回動連結部材のロック用凹部から外れて本体開脚状態のロックが解除されるとともに、前記補助ロックピンが前記補助ロック円筒の係合用凹部に嵌合して前記ロック解除状態が保持され、本体が折りたたまれると前記主ロックピンが前記回動連結部材の折りたたみ状態ロック用凹部に嵌合して本体折りたたみ状態がロックされる仕組みとなしたことを特徴とする請求項1に記載の折りたたみ式椅子型簡易便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高齢者や足腰の弱い人、身体の不自由な人が、介護者の手助けを借りずに自力で安全にかつ容易に、しかも清潔に使用できる椅子型簡易便器の改良に係り、軽量化とコンパクト化に加え、狭く限られたスペースにも収納、保管することが可能な折りたたみ式椅子型簡易便器に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者や足腰の弱い人、身体の不自由な人のために開発された椅子型の簡易便器は、各種施設や病院、一般家庭において広く普及しつつある。この種の従来の椅子型簡易便器としては、例えば以下に記載するものが知られている。
(1).椅子型の便器本体の座面部に蝶番で取着された開閉式の便座の下にバケツ形便器(図面省略)が取付けられ、かつ便座の上側に蝶番で取着された開閉式の座りパットが設けてあり、便座の両サイドには肘掛けが取付けられたもので、この椅子型の簡易便器は、便器使用時には座りパットを起こして背もたれに相重ね、この座りパットを背もたれにして用を足し、一方、椅子として使用する場合は、前記座りパットを倒して便座の上に相重ねるようになっている椅子型簡易便器(特許文献1参照)。
(2).脚体に高さ調整可能に支持された座部枠体に開閉式便座を有し、前記座部枠体には背もたれが一体に設けられ、前記便座には着脱式の便器を有し、前記便座の両サイド部には肘掛けを兼ねる一対の着脱式把手を備え、便座の上に載置する開閉式座りパットを有する椅子型簡易便器であって、前記脚体は相平行する左右一対の接地部材と該接地部材の上面に立設した垂直板とで構成され、該脚体に前記座部枠体がねじピン挿通方式の高さ調整機構により高さ調整可能に取付けられ、前記開閉式便座と開閉式座りパットはそれぞれ前記座部枠体の背面側に相重なるように着脱可能に取着され、前記肘掛けを兼ねる左右一対の着脱式把手は、それぞれ長把手部と該長把手部の端部より直角に屈曲した垂直部および該垂直部より長把手部と相平行するごとく直角に屈曲した短把手部を有する1本の部材で構成され、かつ前記座部枠体と背もたれ部の側面に高さ位置可変に着脱可能に取付けられ、それぞれ長把手部を上側に、短把手部を下側に、または短把手部を上側に、長把手部を下側にして取着できる構造となした椅子型簡易便器(特許文献2参照)。
(3).脚体に高さ調整可能に支持された座部枠体に背もたれが一体に設けられ、便座の両サイド部に跳ね上げ式または着脱式の肘掛けを備え、便座の上に載置する開閉式座りパットを有する椅子型簡易便器であって、前記脚体は相平行する左右一対の接地部材と該接地部材の上面に立設した広幅の垂直板とで構成され、該脚体に前記座部枠体がねじピン挿通方式の高さ調整機構により高さ調整可能に取付けられ、前記開閉式便座と開閉式座りパットがそれぞれ前記座部枠体の背面側に相重なるように着脱可能に取着された椅子型簡易便器において、前記座部枠体は左右両側板と後面板、内側に傾斜した前面板および該前面板の下部内面に沿って上下にスライド可能に装着された湾曲板とから構成され、前記背もたれは背当て材が左右一対の支柱間に前後方向に移動可能に装着されて背もたれ深さを調整可能となし、前記開閉式便座の開閉動作力の軽減と倒れを防止するための弾性支持手段と、前記開閉式座りパットの開閉動作力を軽減するための弾性手段を備えたことを特徴とし、さらに前記弾性支持手段にはバネシリンダーを、前記弾性手段にはキックバネをそれぞれ使用し、前記バネシリンダーは開閉式便座を弾性支持するごとく前記座部枠体に取付けられ、前記キックバネは前記開閉式座りパットに一定方向の回動力を付勢するごとく該座りパットの枢着部に装着されている椅子型簡易便器(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平5−38619号公報
【特許文献2】特許第3199368号公報
【特許文献3】特開2006−110189号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した3種類の椅子型簡易便器を含む従来の一般的な椅子型簡易便器は、極めて単純な構造の携帯式の簡易便器を除いて、すべて椅子型簡易便器本体を折りたたむことができない構造となっているため、持ち運びに不便であるのみならず、狭く限られたスペースに簡単に収納や保管することができず、一般家庭や各種施設等において椅子型簡易便器の収納や保管場所の確保に苦慮しているのが実情である。
【0005】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたもので、前記した3種類の椅子型簡易便器を含む従来の一般的な椅子型簡易便器としての機能を損なうことなく、椅子型簡易便器本体を前後方向に容易に折りたたむことができる折りたたみ式椅子型簡易便器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る折りたたみ式椅子型簡易便器は、背もたれ部とリヤーパイプ部が一本のパイプで構成された左右一対の背もたれ・リヤーパイプと、左右一対のフロントパイプとで脚体が構成され、前記背もたれ・リヤーパイプとフロントパイプ間に横設された便座受けに開閉式便座を有し、前記便座には着脱式の便器を備え、前記便座の上に載置する開閉式座りパットを有する椅子型簡易便器であって、前記フロントパイプの上部と便座受けの前部とが相互に上下方向に回動可能に枢着され、前記便座受けの後部は前記背もたれ・リヤーパイプに回動連結部材を介して上下方向に回動可能に枢着され、前記フロントパイプと背もたれ・リヤーパイプとを前後方向につなぐ左右一対の折りたたみ用連結杆を介して便座受けとフロントパイプが上下方向に回動して便器本体が前後方向に折りたたまれる構造となし、前記背もたれ・リヤーパイプと回動連結部材との連結部に前記便器本体の折りたたみ状態と開脚状態のロック機構を備えたことを特徴とするものである。
【0007】
又、前記便器本体の折りたたみ状態と開脚状態のロック機構は、手動式のレバー操作による凹凸嵌合方式
であって、便座受けの後部に設けられてその反対側端部に形成した円周壁面を有する左右一対のロックプレート部が当該円周壁面の中心部に横設した支軸にて背もたれ・リヤーパイプに上下方向に回動可能に軸着され、前記左右一対のロックプレート部の当該円周壁面に間隔をおいて形成した折りたたみ状態ロック用凹部と開脚状態ロック用凹部を有する略L形の回動連結部材と、前記回動連結部材の左右一対のロックプレート部間に背もたれ・リヤーパイプを貫通して回動連結部材の回動軸と同軸に取着され、円周面に複数の係合用凹部を有する補助ロック円筒と、背もたれ・リヤーパイプに一定ストローク上下動可能に取付けられた操作レバーと、前記
左右一対のロックプレート部間に設けられた補助ロック円筒の下方に位置し、背もたれ・リヤーパイプ内に垂直方向にスライド可能に収納されて前記操作レバーと一体にねじ止めされ、かつ背もたれ・リヤーパイプとの間に掛けたスプリングにて常時上方向の力を付与された筒状のロック用スライド部材と、前記
回動連結部材のロックプレート部に設
けられた折りたたみ状態ロック用凹部と開脚状態ロック用凹部に凹凸嵌合可能に前記ロック用スライド部材に
前記回動連結部材の回動軸と平行に取着された主ロックピンと、前記ロック用スライド部材に内装されて前記
主ロックピンと同軸に前後方向に回動可能に取着され、前記補助ロック円筒の係合用凹部に凹凸嵌合可能となすとともにスプリングにて常時下方への引張力を付与された補助ロックピンとから構成され、本体開脚時には前記主ロックピンが前記回動連結部材に形成した開脚状態ロック用凹部に嵌合して本体開脚状態がロックされ、前記操作レバーを下方へ押し下げると、前記主ロックピンが前記回動連結部材のロック用凹部から外れて本体開脚状態のロックが解除されるとともに、前記補助ロックピンが前記補助ロック円筒の係合用凹部に嵌合して前記ロック解除状態が保持され、本体が折りたたまれると前記主ロックピンが前記回動連結部材の折りたたみ状態ロック用凹部に嵌合して本体折りたたみ状態がロックされる仕組みとなしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の折りたたみ式椅子型簡易便器は、便器本体を簡単な操作で前後方向に折りたたむことができる構造となっているので、持ち運びに便利であるのみならず、狭く限られたスペースにも簡単に収納や保管することができ、一般家庭や各種施設等において椅子型簡易便器の収納や保管場所の確保も容易である。又、便器本体が不用意に開脚したり折りたたまれないようにするためのロック機構を設けたことにより、便器本体の開脚状態及び折りたたみ状態の安定性及び安全性がより高められ、極めて実用性に富むものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る折りたたみ式椅子型簡易便器の構造例を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す簡易便器の折りたたみ状態と開脚状態のロック機構部を拡大して示す縦断側面図である。
【
図3】
図2に示すロック機構部の主要な構成部材を示したもので、(a)は回動連結部材と補助ロック円筒を示す斜視図、(b)は操作レバーを示す斜視図、(c)はロック用スライド部材と主ロックピン及び補助ロックピンを示す斜視図である。
【
図4-a】
図2及び
図3に示すロック機構部の動作説明図で便器本体の開脚状態(使用状態)を示す概略断面図である。
【
図4-b】同様に
図2及び
図3に示すロック機構部の動作説明図で便器本体の折りたたみ動作に入る際に操作レバーを下方へ押し下げた状態を示す概略断面図である。
【
図4-c】同様に
図2及び
図3に示すロック機構部の動作説明図で便器本体の折りたたみ動作に入った際の状態を示す概略断面図である。
【
図4-d】同様に
図2及び
図3に示すロック機構部の動作説明図で便器本体が折りたたまれた状態を示す概略断面図である。
【
図5】同上簡易便器の折りたたみ状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜
図5において1は脚体、2は便座受け、3は開閉式便座、4は開閉式座りパット、5は跳ね上げ式肘掛け、12は便器本体の折りたたみ状態と開脚状態のロック機構である。
図1〜
図5に示す折りたたみ式椅子型簡易便器は、左右一対の接地部材1−1a付きフロントパイプ1−1と、背もたれ部とリヤーパイプ部が一本のパイプで構成された接地部材1−2a付き左右一対の背もたれ・リヤーパイプ1−2と、前記左右のフロントパイプ1−1間に横設した連結部材1−1bと、前記左右の背もたれ・リヤーパイプ1−2間に横設した連結部材1−2bと、前記左右のフロントパイプ1−1と前記左右の背もたれ・リヤーパイプ1−2間にその両端部を上下方向に回動可能に枢着されて前後方向に横設した左右一対の折りたたみ用連結杆1−3とからなる脚体1、この脚体1の前記フロントパイプ1−1と背もたれ・リヤーパイプ1−2間にその両端部を上下方向に回動可能に枢着された便座受け2及び該便座受けの前端部に横設した連結部材2−1、便座受け2に後端部を上下方向に回動可能に取付けられた開閉式便座3、開閉式便座3の上に載置する開閉式座りパット4、背もたれ・リヤーパイプ1−2と便座受け2との間に設けた跳ね上げ式肘掛け5、便座受け2に取付けられた着脱式のバケツ形便器(図面省略)とで構成されている。1−2cは背もたれである。
【0011】
脚体1において、左右一対のフロントパイプ1−1の上端部と便座受け2の前端部は軸ピン11にて上下方向に回動可能に枢着され、便座受け2の後端部は当該便座受け2の端部に接続ピン13にて締結した、後述する便器本体の折りたたみ状態と開脚状態のロック機構12を構成する主要構成部材の一つである略L形の回動連結部材12−1を介して支軸12−7を支点に上下方向に回動可能に枢着されている。又、折りたたみ用連結杆1−3は、前記便座受け2の下方に位置してその前端部をフロントパイプ1−1に、後端部を背もたれ・リヤーパイプ1−2に、それぞれ軸ピン14−1、14−2にて上下方向に回動可能に枢着されている。
【0012】
前記便器本体の折りたたみ状態と開脚状態のロック機構12は、手動式のレバー操作による凹凸嵌合方式を採用したもので、その構造は
図2、
図3に示すように前記略L形の回動連結部材12−1、前記回動連結部材の回動軸と同軸に取着された補助ロック円筒12−2、背もたれ・リヤーパイプ1−2の背面に一定ストローク上下動可能に取付けられた手動式の操作レバー12−3、背もたれ・リヤーパイプ1−2内に垂直方向にスライド可能に収納されて前記操作レバーと一体に動作する筒状のロック用スライド部材12−4、前記回動連結部材12−1と凹凸嵌合するように前記ロック用スライド部材に貫通取着された主ロックピン12−5、前記補助ロック円筒12−2に凹凸嵌合するように前記ロック用スライド部材内部に収納されて前記主ロックピン12−5に取付けられた補助ロックピン12−6とから構成されている。
【0013】
即ち、前記略L形の回動連結部材12−1は、前記便座受け2の後端部に設けられてその反対側端部が背もたれ・リヤーパイプ1−2に支軸12−7により上下方向に回動可能に軸着され、かつその回動軸心と同心の円周壁面を有する左右一対のロックプレート部12−1aの当該円周壁面に所望の間隔をおいて形成した開脚状態ロック用凹部12−1bと折りたたみ状態ロック用凹部12−1cの2つのロック用凹部を有している。この回動連結部材12−1の左右一対のロックプレート部12−1aには、円周面に複数の係合用凹部12−2aを有する補助ロック円筒12−2が一体的に設けられ、左右一対のロックプレート部12−1aの部分が背もたれ・リヤーパイプ1−2に外嵌され、該左右のロックプレート部12−1間に前記補助ロック円筒12−2が背もたれ・リヤーパイプ1−2を貫通して、当該回動連結部材12−1の回動支点となる支軸12−7に取着されている。手動式の操作レバー12−3は、背もたれ・リヤーパイプ1−2の背面に穿設したガイド孔(長孔)12−3a内に貫通させて取付けた締結用ねじピン12−3bを介して一定ストローク上下動可能に取付けられている。又、ロック用スライド部材12−4は、前記補助ロック円筒12−2の下方位置の背もたれ・リヤーパイプ1−2内に垂直方向にスライド可能に収納され、前記ガイド孔12−3a内を上下に摺動する操作レバー締結用ねじピン12−3bにより当該操作レバー12−3と一体に取付けられ、かつ背もたれ・リヤーパイプ1−2の背面に突設したピン12−4aと、前記ガイド孔12−3a内を貫通してロック用スライド部材12−4に突設したピン12−4bとの間に掛けたスプリング12−4eにて常時上方向の力を付与されている。前記ロック用スライド部材12−4に取着された主ロックピン12−5は、前記回動連結部材12−1のロックプレート部12−1aの円周壁面に間隔をおいて形成した開脚状態ロック用凹部12−1bと折りたたみ状態ロック用凹部12−1cに凹凸嵌合可能にロック用スライド部材12−4に取付けられている。12−5aは背もたれ・リヤーパイプ1−2に穿設された主ロックピン12−5のロック解除用ガイド孔である。又、補助ロックピン12−6は、尖端部が前記補助ロック円筒12−2の係合用凹部12−2aに凹凸嵌合可能に前記主ロックピン12−5に取付けられ、かつ該補助ロックピンの後端部とロック用スライド部材12−4に取着されたピン12−6aとの間に掛けたスプリング12−6bにて常時下方への引張力を付与されている。
なお、略L形の回動連結部材12−1は、必ずしも便座受け2と別体形のものに限るものではなく、便座受け2自体に一体に設けて構成してもよい。
【0014】
上記のごとく構成された便器本体の折りたたみ状態と開脚状態のロック機構12の動作を
図4−a〜
図4−dに基づいて説明すると、便器本体の開脚時には
図4−aに示すようにロック用スライド部材12−4に取着された主ロックピン12−5が回動連結部材12−1のロックプレート部12−1aの円周壁面に形成した開脚状態ロック用凹部12−1bに嵌合して本体開脚状態がロックされている。この時、主ロックピン12−5に回動可能に取付けられた補助ロックピン12−6は、回動連結部材12−1の回動支軸に取着された補助ロック円筒12−2の操作レバー12−3側の周面にスプリング12−6bの付勢力により接している。次に、操作レバー12−3をスプリング12−4eに抗して下方へ押し下げると、
図4−bに示すように当該操作レバー12−3と一体に上下動するロック用スライド部材12−4も下方へ押し下げられることにより、該ロック用スライド部材12−4に取着されている主ロックピン12−5が開脚状態ロック用凹部12−1bより外れて背もたれ・リヤーパイプ1−2に穿設されたロック解除用ガイド孔12−5a内に移動し本体開脚状態のロックが解除されるとともに、補助ロックピン12−6の尖端部が補助ロック円筒12−2の係合用凹部12−2aに嵌合して前記ロック解除状態が保持される。この状態で回動連結部材12−1の支軸12−7を回動支点として便器本体を上方へ持ち上げると、
図4−cに示すように補助ロックピン12−6が補助ロックプレート12−2の係合用凹部12−2aから外れるとともに、主ロックピン12−5がロックプレート部12−1aの円周壁面部に移動し当該円周壁面に接した状態となる。その後、便器本体をさらに上方へ回動させて背もたれ・リヤーパイプ1−2側に折りたたむと、
図4−dに示すように主ロックピン12−5がロックプレート部12−1aの折りたたみ状態ロック用凹部12−1cに嵌合して本体折りたたみ状態がロックされる。又この時、補助ロックピン12−6は補助ロック円筒12−2の係合用凹部12−2aより外れることによりロック用スライド部材12−4がフリーの状態となるので、スプリング12−4eの作用によりロック用スライド部材12−4が上方へ移動し、補助ロックピン12−6は円板状補助ロックプレート12−2の開脚時(
図4−a)と反対側の周面に接した状態となる。
【0015】
便器本体が折りたたまれてロックされた
図4−dに示す状態から当該便器本体を開脚する際には、操作レバー12−3をスプリング12−4eに抗して下方へ押し下げることにより、ロック用スライド部材12−4も操作レバー12−3と一体に下方へ押し下げられるので、主ロックピン12−5がロック用凹部12−1cより外れて折りたたみ状態のロックが解除された状態となり開脚が可能となる。便器本体をさらに開いて
図4−aに示す状態になると、ロック用スライド部材12−4がスプリング12−4eにより上方へ引っ張られることにより主ロックピン12−5が開脚状態ロック用凹部12−1bに嵌合し開脚状態がロックされる。
【0016】
上記便器本体の折りたたみ状態と開脚状態のロック機構12を備えた折りたたみ式椅子型簡易便器において、便器本体の折りたたみ動作時及び開脚動作時には、便座受け2の下方に位置してその前端部をフロントパイプ1−1に、後端部を背もたれ・リヤーパイプ1−2に、それぞれ軸ピン14−1、14−2にて上下方向に回動可能に枢着された折りたたみ用連結杆1−3を介して、その折りたたみ動作及び開脚動作に伴いフロントパイプ1−1が開閉する仕組みとなっている。即ち、便器本体の折りたたみ動作時には、折りたたみ用連結杆1−3を介してフロントパイプ1−1が便座受け2に相重なり、便器本体の開脚動作時には折りたたみ用連結杆1−3を介してフロントパイプ1−1が開脚する。
【0017】
上記構造の折りたたみ式椅子型簡易便器は、
図5にその折りたたんだ状態を示すように、便器本体が背もたれ・リヤーパイプ1−2側に相重なるように折りたたまれ、左右一対の背もたれ・リヤーパイプ1−2の接地部材1−2aの大きさや形状等を考慮することにより自立させて置くことが可能である。
【0018】
なお、開閉式便座3、前記開閉式便座3の上に載置する開閉式座りパット4、及び跳ね上げ式肘掛け5は、本出願人が先に提案してすでに実用されている技術である。このうち、開閉式便座3は、当該便座の背もたれ側底面に横設した1本のロッド(図示せず)の両端部を、前記便座受け2の後端部に回動可能に取付けて当該ロッドを支点に開閉自在となしている。この開閉式便座3は、不使用時には脚体1の背面側の背もたれ・リヤーパイプ1−2に縦向きに支持され、使用時には当該便座受け2の上面に載置されるようになっている。
【0019】
又、前記開閉式便座3の上に載置する開閉式座りパット4は、二つ折構造のパットの付け根部を脚体1の背面側の背もたれ・リヤーパイプ1−2にブラケット等を介してねじ等により回動可能に枢着され、使用時には前記開閉式便座3の上に相重なり、当該座りパットを開く時(脚体背面側に起こす時)には当該座りパット4に対して背もたれ側に回動して二つに折りたたまれて縦向きに支持されるようになっている。
【0020】
跳ね上げ式肘掛け5は、その後端部を背面側の背もたれ・リヤーパイプ1−2に軸ピン5−1にて上下方向に回動可能に枢着され、かつ前端側に設けたジョイント5−2に軸ピン5−4にて上下方向に回動可能に枢着された支持部材5−3が、便座受け2に軸ピン5−6にて枢着された接合突起5−5が着脱可能に嵌合されて水平に支持されると共に、前記支持部材5−3の下端部に枢着したL形ストッパー5−7を前記接合突起5−5の真下に回動位置させることによってロック(抜け止め)され、L形ストッパー5−7を横方向に回動位置させることによってロックが解除される仕組みとなっている。
【符号の説明】
【0021】
1 脚体
1−1 フロントパイプ
1−1a、1−2a 接地部材
1−1b、1−2b、2−1 連結部材
1−2 背もたれ・リヤーパイプ
1−2c背もたれ
1−3 折りたたみ用連結杆
2 便座受け
3 開閉式便座
4 開閉式座りパット
5 跳ね上げ式肘掛け
5−1、5−4、5−6 軸ピン
5−2 ジョイント
5−3 支持部材
5−5 接合突起
5−7 L形ストッパー
11、14−1、14−2 軸ピン
12 折りたたみ状態と開脚状態のロック機構
12−1 回動連結部材
12−1a ロックプレート部
12−1b 開脚状態ロック用凹部
12−1c 折りたたみ状態ロック用凹部
12−2 補助ロック円筒
12−2a 係合用凹部
12−3 操作レバー
12−3a ガイド孔
12−3b 締結用ねじピン
12−4 ロック用スライド部材
12−4a、12−4b、12−6a ピン
12−4e、12−6b スプリング
12−5 主ロックピン
12−5a ロック解除用ガイド孔
12−6 補助ロックピン
12−7 支軸
13 接続ピン
【要約】 (修正有)
【課題】椅子型簡易便器本体を前後方向に容易に折りたたむことができる折りたたみ式椅子型簡易便器を提供する。
【解決手段】左右一対の背もたれ・リヤーパイプ1−2と、左右一対のフロントパイプ1−1とで脚体1が構成され、背もたれ・リヤーパイプ1−2とフロントパイプ1−1間に横設された便座受け2を有し、フロントパイプ1−1の上部と便座受け2の前部とが相互に上下方向に回動可能に枢着され、便座受け2の後部は背もたれ・リヤーパイプ1−2に上下方向に回動可能に枢着され、フロントパイプ1−1と背もたれ・リヤーパイプ1−2とを前後方向につなぐ左右一対の折りたたみ用連結杆1−3を介して便座受け2とフロントパイプ1−1が上下方向に回動して便器本体が前後方向に折りたたまれる構造となし、背もたれ・リヤーパイプ1−2と便座受け2の連結部に便器本体の折りたたみ状態と開脚状態のロック機構12を備える。
【選択図】
図1