(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物体側から順に、物体側に凸形状の負のメニスカスレンズからなる第1レンズと、物体側に凸形状の正レンズからなる第2レンズと、像側に凹形状の負レンズからなる第3レンズと、物体側が凸形状の正レンズからなる第4レンズと、像側に凹形状の負のメニスカスレンズからなる第5レンズからなり、
さらに、前記第2レンズの物体側又は像側に配置された開口絞りを備え、
前記第3レンズの像側レンズ面と前記第4レンズの物体側レンズ面とが貼り合わされている
撮像レンズ系。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一の実施形態に係る撮像レンズ系の断面と最大画角での主光線及び上光線を示す図である。
【
図2】本発明の比較例に係る撮像レンズ系の断面と最大画角での主光線及び上光線を示す図である。
【
図3】本発明の実施例1に係る撮像レンズ系のレンズ構成を示す断面図である。
【
図4】本発明の実施例2に係る撮像レンズ系のレンズ構成を示す断面図である。
【
図5】本発明の実施例3に係る撮像レンズ系のレンズ構成を示す断面図である。
【
図6】本発明の実施例4に係る撮像レンズ系のレンズ構成を示す断面図である。
【
図7】本発明の実施例5に係る撮像レンズ系のレンズ構成を示す断面図である。
【
図8】本発明の実施例6に係る撮像レンズ系のレンズ構成を示す断面図である。
【
図9】本発明の実施例7に係る撮像レンズ系のレンズ構成を示す断面図である。
【
図10】本発明の実施例8に係る撮像レンズ系のレンズ構成を示す断面図である。
【
図11】本発明の実施例9に係る撮像レンズ系のレンズ構成を示す断面図である。
【
図12】本発明の実施例1に係る撮像レンズ系の基本レンズデータ及び非球面データを示す表である。
【
図13】本発明の実施例2に係る撮像レンズ系の基本レンズデータ及び非球面データを示す表である。
【
図14】本発明の実施例3に係る撮像レンズ系の基本レンズデータ及び非球面データを示す表である。
【
図15】本発明の実施例4に係る撮像レンズ系の基本レンズデータ及び非球面データを示す表である。
【
図16】本発明の実施例5に係る撮像レンズ系の基本レンズデータ及び非球面データを示す表である。
【
図17】本発明の実施例6に係る撮像レンズ系の基本レンズデータ及び非球面データを示す表である。
【
図18】本発明の実施例7に係る撮像レンズ系の基本レンズデータ及び非球面データを示す表である。
【
図19】本発明の実施例8に係る撮像レンズ系の基本レンズデータ及び非球面データを示す表である。
【
図20】本発明の実施例9に係る撮像レンズ系の基本レンズデータ及び非球面データを示す表である。
【
図21】本発明の比較例に係る撮像レンズ系の基本レンズデータ及び非球面データを示す表である。
【
図22】本発明の実施例1〜9及び比較例の特性値を示す表である。
【
図23】本発明の実施例1に係る撮像レンズ系の横収差図である。
【
図24】本発明の実施例2に係る撮像レンズ系の横収差図である。
【
図25】本発明の実施例3に係る撮像レンズ系の横収差図である。
【
図26】本発明の実施例4に係る撮像レンズ系の横収差図である。
【
図27】本発明の実施例5に係る撮像レンズ系の横収差図である。
【
図28】本発明の実施例6に係る撮像レンズ系の横収差図である。
【
図29】本発明の実施例7に係る撮像レンズ系の横収差図である。
【
図30】本発明の実施例8に係る撮像レンズ系の横収差図である。
【
図31】本発明の実施例9に係る撮像レンズ系の横収差図である。
【
図32】本発明の比較例に係る撮像レンズ系の横収差図である。
【
図33】本発明の実施例1に係る撮像レンズ系の像面湾曲図である。
【
図34】本発明の実施例2に係る撮像レンズ系の像面湾曲図である。
【
図35】本発明の実施例3に係る撮像レンズ系の像面湾曲図である。
【
図36】本発明の実施例4に係る撮像レンズ系の像面湾曲図である。
【
図37】本発明の実施例5に係る撮像レンズ系の像面湾曲図である。
【
図38】本発明の実施例6に係る撮像レンズ系の像面湾曲図である。
【
図39】本発明の実施例7に係る撮像レンズ系の像面湾曲図である。
【
図40】本発明の実施例8に係る撮像レンズ系の像面湾曲図である。
【
図41】本発明の実施例9に係る撮像レンズ系の像面湾曲図である。
【
図42】本発明の比較例に係る撮像レンズ系の像面湾曲図である。
【
図43】本発明の実施例1に係る撮像レンズ系の軸上色収差図である。
【
図44】本発明の実施例2に係る撮像レンズ系の軸上色収差図である。
【
図45】本発明の実施例3に係る撮像レンズ系の軸上色収差図である。
【
図46】本発明の実施例4に係る撮像レンズ系の軸上色収差図である。
【
図47】本発明の実施例5に係る撮像レンズ系の軸上色収差図である。
【
図48】本発明の実施例6に係る撮像レンズ系の軸上色収差図である。
【
図49】本発明の実施例7に係る撮像レンズ系の軸上色収差図である。
【
図50】本発明の実施例8に係る撮像レンズ系の軸上色収差図である。
【
図51】本発明の実施例9に係る撮像レンズ系の軸上色収差図である。
【
図52】本発明の比較例に係る撮像レンズ系の軸上色収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例である撮像レンズ系1の断面図を示しており、後述する実施例1に対応している。
図1では、図中の左側を物体側、右側を像側としており、光線は物体側から撮像レンズ系1に入射する。
【0013】
図1に示すように、撮像レンズ系1は、物体側から順に、物体側に凸形状の負のメニスカスレンズからなる第1レンズL1と、物体側に凸形状の正レンズからなる第2レンズL2と、開口絞りStと、負レンズからなる第3レンズL3と、物体側が凸形状の正レンズからなる第4レンズL4と、像側に凹形状のメニスカスレンズからなる第5レンズL5と、を備えている。
【0014】
さらに、撮像レンズ系1は、第2レンズL2の物体側又は像側に配置された開口絞りStを備える。例えば、開口絞りStは、第2レンズL2の物体側又は像側に隣接する位置に配置されていることが好ましい。撮像レンズ系1では、第3レンズL3の像側レンズ面と第4レンズL4の物体側レンズ面とが貼り合わされている。
【0015】
図1には、撮像レンズ系1の最大画角(最大視野)における主光線K0と、絞りStより像側に位置するレンズ(第3レンズL3、第4レンズL4及び第5レンズL5)の有効径の上端を通る最大画角における上光線K1(最大画角の上部マージナル光線)と、が記載されている。
【0016】
上述のレンズ構成にすることにより、第4レンズL4から第5レンズL5に向かう最大画角における上光線K1を光軸Zの方向に向かわせることができる。これにより、第3レンズL3及び第4レンズL4の有効径を大きくすることが可能となる。よって、第3レンズL3及び第4レンズL4の設計の自由度が上がるので、撮像レンズ系1の結像位置における横収差及び像面湾曲を小さく抑えることが可能となる。
【0017】
図1には、撮像レンズ系1が撮像装置に適用される場合を考慮して、撮像レンズ系1の結像位置に撮像素子2も図示してある。撮像素子2は、撮像レンズ系1により形成される像を受光して電気信号に変換する。撮像素子2は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等からなる。
【0018】
また、第5レンズL5と撮像素子2の間には、撮像装置の構成に応じて撮像素子用カバーガラスや各種フィルタ(赤外線カットフィルタ、紫外線カットフィルタ、可視光カットフィルタ、ローパスフィルタ等)を配置しても良い。撮像レンズ系1では、第1カバーガラスCG1及び第2カバーガラスCG2が第5レンズL5と撮像素子2の間に配置されている。第1カバーガラスCG1及び第2カバーガラスCG2は、d線に対する屈折率Nd=1.517のガラス板である。第1カバーガラスCG1の厚さは0.3mmであり、第2カバーガラスCG2の厚さは0.4mmである。必要に応じてガラス板の材質、厚さ、及び数を変えても良いし、ガラス板を無くしても良い。
【0019】
撮像レンズ系1と撮像素子2とを組み合わせて撮像装置として用いるときに、さらに、撮像レンズ系1の物体側に配置された平板状のカバーガラスを有してもよい。これにより、撮像レンズ系1の第1レンズL1に傷及び汚れがつくことを防止することができる。
【0020】
撮像レンズ系1において、第5レンズL5は負のパワーを有するメニスカスレンズであり、下記の条件式(1)を満足することが望ましい。
【0021】
−4≦f5/f≦−1.5 (1)
但し、
f:撮像レンズ系1のレンズ系全体の焦点距離
f5:第5レンズL5の焦点距離
とする。
なお、条件式(1)は、−3.6≦f5/f≦−2.2を満足することがより好ましい。
【0022】
f5/fを−1.5以下にすることにより、撮像レンズ系1のバックフォーカスを長くすることができる。これにより、撮像レンズ系1はフランジバックを長くすることが出来るようになるので、空いたスペースに前述したフィルタ類等の部品を挿入することができる。なお、フランジバックとは、第5レンズL5の像側レンズ面の有効径の外側で最も像面に近い位置から像面IMまでの距離をいう。
【0023】
ここで、f5/fを−4以上にすることにより、横収差の悪化を抑制することができる。f5/fを−1.5以下にすることにより、フランジバックを長くできる。フランジバックは、具体的に下記の条件式(2)を満足するように長くとれるようになる。
【0024】
FB/f≧0.52 (2)
但し
FB:第5レンズL5の像側レンズ面の有効径の外側において最も像面に近い位置から像面IMまでの空気換算距離
f:撮像レンズ系1のレンズ系全体の焦点距離
とする。
なお、条件式(2)は、0.67≧FB/f≧0.58を満足することがより好ましい。
【0025】
また、撮像レンズ系1において、第5レンズL5を像側に凹形状の負のメニスカスレンズとすることにより、第4レンズL4における光軸Zからの光線高さが相対的に高くなる。これにより、第4レンズL4及び第3レンズL3の有効径を大きくすることが可能となるので、第4レンズL4及び第3レンズL3におけるレンズ面の設計の自由度が上がる。結果として、撮像レンズ系1の横収差及び軸上色収差を小さくすることが出来る。具体的には下記の条件式(3)を満足することにより、撮像レンズ系1の横収差及び軸上色収差をさらに小さくすることが出来る。
【0026】
L4R2D≧L5R1D (3)
但し、
L4R2D:第4レンズL4の像側レンズ面の有効径
L5R1D:第5レンズL5の物体側レンズ面の有効径
とする。
【0027】
この場合、第5レンズL5の像側レンズ面の形状は、光軸Zからレンズ有効径端までの範囲で凹形状が凸形状に切り替わる極値を有しないことが好ましい。また、第5レンズL5の像側レンズ面の曲率半径は下記条件式(4)を満足することが望ましい。
【0028】
0.5≦L5R2R/f≦3 (4)
但し、
f:撮像レンズ系1のレンズ系全体の焦点距離
L5R2R:第5レンズL5の像側レンズ面の曲率半径
とする。
なお、条件式(4)は、0.7≦L5R2R/f≦1.1を満足することがより好ましい。
【0029】
この条件式(4)を満足しない場合、最大画角で第5レンズL5に入射する上光線K1が光軸Zに向かう光線になりにくいため、第4レンズL4の有効径を大きくすることが難しい。
【0030】
また、撮像レンズ系1において、F値が2.0未満の場合、下記の条件式(5)〜(8)を満足することが好ましい。これにより、撮像レンズ系1の横収差及び像面湾曲をさらに小さくすることが可能となる。
【0031】
−2.2≦f1/f≦−0.9 (5)
0.5≦f2/f≦1.6 (6)
−2.8≦f3/f≦−0.5 (7)
0.6≦f4/f≦1.7 (8)
但し、
f1:第1レンズL1の焦点距離
f2:第2レンズL2の焦点距離
f3:第3レンズL3の焦点距離
f4:第4レンズL4の焦点距離
f:撮像レンズ系1のレンズ系全体の焦点距離
とする。
【0032】
なお、条件式(5)は、−1.7≦f1/f≦−1.1を満足することがより好ましく、−1.7≦f1/f≦−1.3を満足することがさらに好ましい。条件式(6)は、0.8≦f2/f≦1.3を満足することがより好ましく、0.8≦f2/f≦1.1を満足することがさらに好ましい。条件式(7)は、−2.1≦f3/f≦−1.0を満足することがより好ましく、−2.1≦f3/f≦−1.9を満足することがさらに好ましい。条件式(8)は、1.0≦f4/f≦1.4を満足することがより好ましい。
【0033】
また、撮像レンズ系1では、第2レンズL2及び第4レンズL4が両凸レンズ、第3レンズL3が両凹レンズであり、下記条件式(9)を満足することが好ましい。これにより、撮像レンズ系1の色収差を低減することができる。
【0034】
ν4−ν3≧15 (9)
但し、
ν3:第3レンズL3のアッベ数
ν4:第4レンズL4のアッベ数
とする。
【0035】
第3レンズL3及び第4レンズL4の貼り合せレンズにおいて、負のパワーを有する第3レンズL3のアッベ数を小さくして、正のパワーを有する第4レンズL4のアッベ数を大きくすることが好ましい。これにより、撮像レンズ系1の色収差を補正することができる。
【0036】
さらに、第3レンズL3、第4レンズL4、及び第5レンズL5に非球面レンズを用いることにより、さらに横収差及び像面湾曲を小さくすることができる。その場合、ガラスモールド非球面レンズは高価なため、プラスチック非球面レンズを用いる方が望ましい。
【0037】
撮像レンズ系1は、下記条件式(10)を満足することが好ましい。
0.36≦ρ345/ρ12≦0.52 (10)
但し、
ρ12:第1レンズL1及び第2レンズL2の合成パワー
ρ345:第3レンズL3、第4レンズL4及び第5レンズL5の合成パワー
とする。
ここで、第1レンズL1及び第2レンズL2の合成焦点距離をf12とすると、ρ12=1/f12と表せる。第3レンズL3、第4レンズL4及び第5レンズL5の合成焦点距離をf345とすると、ρ345=1/f345と表せる。
【0038】
撮像レンズ系1では、温度変化による焦点位置変化を小さくする必要がある。温度変化による焦点位置変化は、各々のレンズの温度変化による屈折率変化及びレンズ形状の変化により生じる。ガラスは温度が高くなるにつれて屈折率が大きくなるものが多く、逆にプラスチックは温度が高くなるにつれて屈折率が小さくなるものが多い。ガラスに比べてプラスチックの温度変化に対する屈折率変化量はかなり大きい。また、ガラスよりもプラスチックの線膨張係数の方が大きい。そのため、温度変化時におけるレンズの膨張又は収縮に起因するレンズ形状の変化は、ガラスよりもプラスチックの方が大きい。
【0039】
第1レンズL1及び第2レンズL2がガラスレンズ、第3レンズL3、第4レンズL4、及び第5レンズL5がプラスチックレンズの場合、0.36≦ρ345/ρ12≦0.52を満足することにより、第1レンズL1及び第2レンズL2の焦点位置変化を、第3レンズL3、第4レンズL4、及び第5レンズL5の焦点位置変化で打ち消して、撮像レンズ系1のレンズ系全体の焦点位置変化を小さくすることが出来る。
【0040】
本実施形態の撮像レンズ系1によれば、各レンズの材質、各面の形状、各レンズのパワーを好適に設定することにより、F値が小さく、結像性能が高く、温度変化に対する焦点位置変化の小さい撮像レンズ系を安価に提供することが出来る。
【実施例】
【0041】
以下、具体的な実施例を用いて、本実施形態の撮像レンズ系1をより詳細に説明する。
〈実施例1〉
実施例1に係る撮像レンズ系1の構成は
図3に示す通りであり、対応する基本レンズデータ及び非球面データの表を
図12に示す。また、本実施例の横収差図を
図23、像面湾曲図を
図33、軸上色収差図を
図43に示す。
【0042】
図23の横収差図は、最大画角を10分割して各画角におけるY方向(タンジェンシャル方向)とX方向(サジタル方向)の横収差を示している。横収差図には、画角0を含む11組(像面における像高が、0.0、0.3、0.6、0.9、1.2、1.5、1.8、2.1、2.4、3.044、3.278)、合計22のグラフが示されている。グラフの横軸は各画角でのY方向又はX方向の相対瞳座標を示しており、縦軸は像面における光軸に直角な方向の横収差値を示している。また各グラフには5つの波長における横収差値が示されている。主波長である0.546μmは実線で示されている。他の4つの波長は4種類の破線で示されており、破線の長さが短い方からそれぞれ、0.486μm、0.436μm、0.656μm、0.588μmの波長を示している。
【0043】
図33の像面湾曲図では、Tはタンジェンシャル方向、Sはサジタル方向を表している。横軸は像面湾曲値でプラス側がファー方向、マイナス側がニア方向を表している。縦軸は最大画角で正規化された相対画角となっている。
【0044】
図43の軸上色収差図では、横軸は焦点位置でプラス側がファー方向、マイナス側がニア方向を表しており、縦軸は波長を表している。
【0045】
図3において、図の左側を物体側、右側を像側としており、像面をIMとして図示している。また、開口絞りStは形状や大きさを表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。
【0046】
図12の基本レンズデータ及び非球面データにおいて、Siは、最も物体側の構成要素の面を1番目として像側に向かうに従って順次増加するi番目の面を示す。Riは、i番目の面の曲率半径を示す。Diは、i番目の面Siとi+1番目の面Si+1との間の光軸Z上の距離(面間隔)を示す。Ndiは、面間隔Diの媒質のd線(波長0.5876μm)に対する屈折率を示す。νdj(j=1〜5の整数)は、レンズ番号L1〜L5に対応するレンズの材料のd線に対するアッベ数を示す。基本レンズデータには、無限遠に位置する物体面と、開口絞りSt(レンズNo.欄)と、も含めて記載されている。曲率半径は物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負として記載されている。
図12において、曲率半径及び面間隔の単位はmmである。また、
図12には、非球面データとして各レンズ面の非球面係数が記載されており、非球面データのない面は球面である。
【0047】
非球面の形状については次式で表される。
Sag(h)=(h
2/R)/{1+√(1−(1+K)×h
2/R
2)}
+A4×h
4+A6×h
6+A8×h
8+A10×h
10+A12×h
12
但し
h:光軸に垂直な方向のレンズ面の高さ
Sag(h):光軸Z上の非球面の頂点における接平面から、高さhにおける非球面上の位置までの光軸Z方向の距離(サグ量)
R:曲率半径
K:コーニック係数(円錐係数)
An:n次の非球面係数
とする。
【0048】
〈実施例2〉
実施例2に係る撮像レンズ系1の構成は、
図4に示す通りであり、対応する基本レンズデータ及び非球面データを
図13に示す。また、本実施例の横収差図を
図24、像面湾曲図を
図34、軸上色収差図を
図44に示す。
【0049】
〈実施例3〉
実施例3に係る撮像レンズ系1の構成は、
図5に示す通りであり、対応する基本レンズデータ及び非球面データを
図14に示す。また、本実施例の横収差図を
図25、像面湾曲図を
図35、軸上色収差図を
図45に示す。
【0050】
〈実施例4〉
実施例4に係る撮像レンズ系1の構成は、
図6に示す通りであり、対応する基本レンズデータ及び非球面データを
図15に示す。また、本実施例の横収差図を
図26、像面湾曲図を
図36、軸上色収差図を
図46に示す。
【0051】
〈実施例5〉
実施例5に係る撮像レンズ系1の構成は、
図7に示す通りであり、対応する基本レンズデータ及び非球面データを
図16に示す。また、本実施例の横収差図を
図27、像面湾曲図を
図37、軸上色収差図を
図47に示す。
【0052】
〈実施例6〉
実施例6に係る撮像レンズ系1の構成は、
図8に示す通りであり、対応する基本レンズデータ及び非球面データを
図17に示す。また、本実施例の横収差図を
図28、像面湾曲図を
図38、軸上色収差図を
図48に示す。
【0053】
〈実施例7〉
実施例7に係る撮像レンズ系1の構成は、
図9に示す通りであり、対応する基本レンズデータ及び非球面データを
図18に示す。また、本実施例の横収差図を
図29、像面湾曲図を
図39、軸上色収差図を
図49に示す。
【0054】
〈実施例8〉
実施例8に係る撮像レンズ系1の構成は、
図10に示す通りであり、対応する基本レンズデータ及び非球面データを
図19に示す。また、本実施例の横収差図を
図30、像面湾曲図を
図40、軸上色収差図を
図50に示す。
【0055】
〈実施例9〉
実施例9に係る撮像レンズ系1の構成は、
図11に示す通りであり、対応する基本レンズデータ及び非球面データを
図20に示す。また、本実施例の横収差図を
図31、像面湾曲図を
図41、軸上色収差図を
図51に示す。
【0056】
〈比較例〉
比較例に係る撮像レンズ系の構成は、
図2に示す通りであり、対応する基本レンズデータ及び非球面データを
図21に示す。また、本実施例の横収差図を
図32、像面湾曲図を
図42、軸上色収差図を
図52に示す。
【0057】
図2は本発明の比較例の断面図を示しており、
図1と同じように最大画角における主光線K0と、開口絞りSt以降のレンズの有効径の端を通る最大画角における上光線K1と、を記載している。第1レンズL1〜第4レンズL4までは撮像レンズ系1と同じ構成であるが、第5レンズL5が両凸形状の正レンズである点が本実施形態に係る撮像レンズ系1と異なっている。
【0058】
[各実施例及び比較例の特性値]
図22に実施例1〜9及び比較例の撮像レンズ系1のF値、焦点距離f、及び前述の条件式(1)〜(10)の特性値(f1/f〜f5/f、FB/f、L4R2D、L5R1D、L5R2R/f、ρ345/ρ12)を示す。また、
図22に、実施例1〜9において、常温(25℃)から85℃又は−40℃に変化させたときの撮像レンズ系1の焦点位置の変化量(近軸ピント変動量)を示す。
【0059】
図22に示すように、実施例1〜9のうち、条件式(1)〜(10)のいずれかを満たしていないものもある。例えば、条件式(1)に関して、実施例1〜7は満足しており、実施例8及び9は満足していない。条件式(2)に関して、実施例1〜8は満足しており、実施例9は満足していない。条件式(3)に関して、実施例1〜3及び5は満足しており、実施例4及び6〜9は満足していない。なお、比較例は、条件式(1)、(3)、(4)及び(10)を満足していない。
【0060】
実施例1〜9は、比較例に比べて横収差及び像面湾曲が小さくなっている。また、条件式(3)を満足していない実施例4、6、及び7に比べて、条件式(3)を満足している実施例1〜3及び5は軸上色収差が小さくなっている。実施例8及び9は、実施例1〜3に比べて、軸上色収差は同等だが、横収差が若干大きくなっている。
【0061】
また、
図22に示すように、実施例1〜9において、常温(25℃)から85℃又は−40℃に変化させたときの撮像レンズ系1の焦点位置の変化量(近軸ピント変動量)を、0.024mm以下に抑えている。
【0062】
なお、本発明の撮像レンズ系1としては、上記実施例のものに限られるものではなく、その他の種々の態様の変更が可能である。
【0063】
この出願は、2013年10月3日に出願された日本出願特願2013−208450を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。