(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記本体が、前記第1のアクチュエータから離れて前記第1の距離を移動し、前記第1のアクチュエータの方に前記第2の距離を移動する、請求項1に記載の電気機械デバイス。
開口と光源とをさらに備え、前記第1の位置では、前記本体が、前記光源からの光が前記開口を通過できるようにし、前記第2の位置では、前記本体が、少なくとも部分的に前記光源からの光が前記開口を通過することを遮断する、請求項2に記載の電気機械デバイス。
前記本体が、前記中立位置から前記第2の位置に移動するときよりも、前記中立位置から前記第1の位置に移動するとき、前記開口に対してより大きい距離を移動する、請求項3に記載の電気機械デバイス。
前記本体を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させるための時間が、前記本体を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるための時間よりも長い、請求項1に記載の電気機械デバイス。
第1のアクチュエータと、第2のアクチュエータと、ディスプレイにおいて画素に配置されるそれぞれの第1のアクチュエータと第2のアクチュエータとの間に結合された本体とのアレイと、
前記ディスプレイと通信するように構成され、画像データを処理するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと通信するように構成されたメモリデバイスと、
をさらに備える、請求項1に記載の電気機械デバイス。
前記プロセッサに前記画像データを送るように構成された画像ソースモジュールをさらに備え、前記画像ソースモジュールが、受信機、トランシーバ、および送信機のうちの少なくとも1つを備える、請求項12に記載の電気機械デバイス。
第1の電圧を前記第1のアクチュエータに印加し、第2の電圧を前記第2のアクチュエータに印加するように構成された制御マトリックスをさらに備え、前記第1の電圧が前記第2の電圧とは異なる、請求項1に記載の電気機械デバイス。
前記光変調手段が、前記第1のアクチュエータ手段から離れて前記第1の距離を移動し、前記第1のアクチュエータ手段の方に前記第2の距離を移動する、請求項18に記載の装置。
光を通過させるための開口手段をさらに備え、前記第1の位置では、前記光変調手段が、光が前記開口手段を通過できるようにし、前記第2の位置では、前記光変調手段が、少なくとも部分的に光が前記開口手段を通過することを遮断する
請求項18に記載の装置。
前記光変調手段を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させるための時間が、前記光変調手段を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるための時間よりも長い、請求項18に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明は、本開示の発明的態様を説明するためのいくつかの実装形態を対象とする。しかしながら、本明細書の教示が多数の様々な方法に適用され得ることを、当業者であれば容易に認識されよう。説明する実装形態は、動いている(たとえばビデオ)か静止しているか(たとえば静止画像)か、およびテキストであるか、グラフィックであるか、絵であるかにかかわらず、画像を表示するように構成され得る任意のデバイス、装置、またはシステムで実施され得る。より詳細には、説明する実装形態は、たとえば、限定はしないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応携帯電話、モバイルテレビ受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブル型コンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、複写機、スキャナ、ファクシミリデバイス、全地球測位システム(GPS)受信機/ナビゲータ、カメラ、デジタルメディアプレーヤ(たとえばMP3プレーヤ)、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、時計、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子書籍デバイス(たとえば電子リーダー)、コンピュータモニタ、自動車用ディスプレイ(走行距離計および速度計ディスプレイなどを含む)、コックピット制御またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(車両の後部ビューカメラのディスプレイなど)、電子写真、電子掲示板または標示、プロジェクタ、建築構造、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯機/乾燥機、パーキングメータ、パッケージング(たとえばマイクロ電気機械システム(MEMS)用途を含む電気機械システム(EMS)用途、ならびに非EMS用途)、美的構造(宝石または衣類上の画像の表示など)、および様々なEMSデバイスを含む、様々な電子デバイスに含まれ得る、または関連付けられ得ることが企図される。本明細書の教示は、たとえば、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波フィルタ、センサー、加速度計、ジャイロスコープ、動き感知デバイス、磁力計、家電用の慣性構成要素、家電製品のパーツ、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動スキーム、製造プロセス、および電子テスト機器など、非ディスプレイ用途でも使用され得る。したがって、教示は、単に図に表される実装形態に限定されるものではなく、代わりに、当業者には容易に明らかであるように広い適用性を有するものとする。
【0020】
ディスプレイデバイスのための画像化の特性(たとえば、コントラスト比、画像鮮明度および色純度)を向上させるために、光変調器遷移時間(たとえば、開位置から閉位置に光変調器を移動させる)が短縮され得る。たとえば、開位置から閉位置への短縮された光変調器遷移時間は、対応する光変調器が完全に閉状態に達する前に、光が画素から漏れるという危険を低下させる。さもなければ画像化品質が低下するポイントまでシャッター遷移時間が増加するのを防止しながら、ディスプレイにおけるそれぞれの光変調本体の総移動距離を増加させることによって、ディスプレイの開口比を増加させるためのシステム、装置、および方法が本明細書で提供される。総移動距離を増加させることによって、ディスプレイにおけるより大きい開口比が可能になり、これは、より大きい節電、および表示輝度の増加を提供する。光変調本体の総移動距離は、本体が開位置から閉位置に、およびその逆に移動する距離を含む。一例では、光変調本体の移動距離は、中立位置から非対称であり、本体は、第2の方向よりも第1の方向により大きい距離を移動する。非対称の移動は、デバイスが、少なくとも一方向への遷移時間に影響を及ぼす、または遷移時間を増加させることなく、より長い移動距離で設計されるのを可能にする。一実装形態では、非対称のシャッター移動構成の使用は、光変調器を駆動するために低電圧を使用するとき、一方向への移動時間に影響を及ぼす、または移動時間を増加させることなく、節電を可能にすることができる。
【0021】
応用例の全体的な理解を提供するために、次に、画像を表示するための装置および方法を含めて、いくつかの例示的な実装形態について説明する。しかしながら、本明細書で説明するシステムおよび方法は、対象とされる応用例に適するように適合され、修正され得ること、本明細書で説明するシステム、装置、および方法は、他の適切な応用例で使用され得ること、およびそのような他の追加および修正は、本明細書の範囲から逸脱しないことを当業者であれば理解されよう。
【0022】
図1は、開口に関して第2の方向に移動するときよりも第1の方向に移動するとき、中立位置に関して異なる距離を移動する本体を含み得るディスプレイの一例の概略図である。より詳細には、
図1は、直視型のMEMS式ディスプレイ装置100を示す。ディスプレイ装置100は、行および列に配列された複数の光変調器102a〜102d(全体として「光変調器102」)を含む。ディスプレイ装置100において、光変調器102aおよび102dは開状態にあり、光を通過させる。光変調器102bおよび102cは閉状態にあり、光の通過を妨げる。光変調器102a〜102dの状態を選択的にセットすることによって、ディスプレイ装置100は、1つのランプまたは複数のランプ105あるいは別の光源で照射された場合、バックライト付きディスプレイ用の画像104を形成するのに利用することができる。別の実装形態では、装置100は、装置の前面から発する周辺光の反射によって、画像を形成することができる。別の実装形態では、装置100は、ディスプレイの前面に配置された1つのランプまたは複数のランプからの光の反射によって、すなわちフロントライトを使用して、画像を形成することができる。閉状態または開状態の一方において、光変調器102は、たとえば、限定はしないが、光の特性または経路を遮断、反射、吸収、フィルタ処理、分極、回析、またはさもなければ変更することによって、光路における光に干渉する。
【0023】
ディスプレイ装置100において、各光変調器102は、画像104中の画素106に対応する。いくつかの他の実装形態では、ディスプレイ装置100は、複数の光変調器を利用して、画像104中の画素106を形成することができる。たとえば、ディスプレイ装置100は、3つの色固有光変調器102を含み得る。特定の画素106に対応する色固有光変調器102のうちの1つまたは複数を選択的に開くことによって、ディスプレイ装置100は、画像104中のカラー画素106を生成することができる。別の例では、ディスプレイ装置100は、画像104中のグレースケールを提供するために、画素106ごとに2つ以上の光変調器102を含む。画像に関して、「画素」は、画像の解像度によって定義される最も小さいピクチャ要素に対応する。ディスプレイ装置100の構造構成要素に関して、「画素」という用語は、画像の単一画素を形成する光を変調するのに使用される、機械構成要素と電気構成要素との組合せを指す。
【0024】
ディスプレイ装置100は、画像化光学素子を必要としないという点で、直視型ディスプレイである。ユーザは、ディスプレイ装置100を直接見ることによって画像を見る。代替実装形態では、ディスプレイ装置100は、投影型ディスプレイに組み込まれる。そのような実装形態では、ディスプレイは、光をスクリーン上または壁上に投影することによって画像を形成する。投影の用途では、ディスプレイ装置100は、投影画像104よりもかなり小さい。
【0025】
直視型ディスプレイは、透過モードまたは反射モードのいずれかで動作し得る。透過型ディスプレイでは、光変調器は、ディスプレイの後ろに配置された1つのランプまたは複数のランプから発する光をフィルタリングし、または選択的に遮断する。ランプからの光は、場合によっては、光ガイドまたは「バックライト」に注入される。透過直視型ディスプレイの実装形態は、光変調器を含む一方の基板がバックライトのすぐ上に配置されるサンドイッチアセンブリ配列を円滑にするように、透明基板またはガラス基板の上に構築されることが多い。いくつかの透過型ディスプレイの実装形態では、色固有光変調器は、カラーフィルタ材料を各光変調器102に関連付けることによって作成される。他の透過型ディスプレイの実装形態では、後述のように、異なる原色を有するランプの照度を変えることによって、フィールド順次式カラー方法を使用して、色が生成され得る。
【0026】
各光変調器102は、シャッター108および開口109を含む。画像104中の画素106を照明するために、シャッター108は、見ている人に向かって光が開口109を通過できるように配置される。画素106を未点灯のまま保つために、シャッター108は、光が開口109を通過するのを妨げるように配置される。開口109は、反射材料または光吸収材料を通じてパターニングされた開口部によって画定される。
【0027】
光変調器アレイ102a〜102dは、画素ごとに単一のMEMS光変調器を有するものとして示されている。各画素中に複数のMEMS光変調器が設けられる他の実装形態も可能であり、そうすることによって、各画素中の単なる2進「オン」または「オフ」光学状態以上のものを可能にする。画素中に複数のMEMS光変調器が設けられ、光変調器の各々に関連付けられた開口109が不等面積をもつ符号化面積分割グレースケールのいくつかの形が可能である。
【0028】
他の実装形態では、ローラー式光変調器、光タップ、エレクトロウェッティング式光変調アレイ、ならびに他の光変調器が、光変調器アレイ102a〜102d内のシャッターアセンブリ108の代わりに用いられ得る。
【0029】
随意に、ディスプレイ100は、水(または他の透明な導電性または極性の流体)の層または油の層でシャッター108を維持する。流体は、スイッチング速度を増加させ、静止摩擦を低減することができる。
【0030】
ディスプレイ装置は、基板と、シャッターの移動を制御するための、光変調器とに接続された制御マトリックスも含む。制御マトリックスは、画素の行ごとに、少なくとも1つの書込み許可相互接続110(「スキャンライン相互接続」とも呼ばれる)と、各画素列に対する1つのデータ相互接続112と、ディスプレイ装置100中のすべての画素に、または少なくとも複数の列と複数の行の両方にある画素に共通電圧を与える1つの共通相互接続114とを含む、一連の電気相互接続(たとえば、相互接続110、112および114)を含む。適切な電圧(「書込み許可電圧、V
we」)の印加に応じて、所与の画素行に対する書込み許可相互接続110は、行中の画素を、新規シャッター移動命令を受諾するように準備する。データ相互接続112は、新規移動命令を、データ電圧パルスの形で伝達する。データ相互接続112に印加されるデータ電圧パルスは、いくつかの実装形態において、シャッターの静電的な移動に直接寄与する。他の実装形態では、データ電圧パルスは、スイッチ、たとえばトランジスタ、または、データ電圧よりも通常、振幅が高い別個の駆動電圧の、光変調器102への印加を制御する他の非線形回路要素を制御する。次いで、これらの駆動電圧を印加した結果、シャッター108の静電駆動移動が生じる。制御マトリックスは、たとえば、
図3に関して本明細書で後述する回路も含み得る。回路は、限定はしないが、各シャッターアセンブリに関連付けられたトランジスタおよびキャパシタを含み得る。いくつかの実装形態では、各トランジスタのゲートは、画素のアレイにおける行のスキャンライン相互接続に電気的に接続されている。一構成では、各トランジスタのソースは、それに対応するデータ相互接続に電気接続される。各シャッターアセンブリのアクチュエータは、2つの電極を含み得る。各トランジスタのドレインは、対応するキャパシタの1つの電極、および対応するアクチュエータの電極のうちの1つと並列に電気接続され得る。シャッターアセンブリに関連付けられたキャパシタの他方の電極およびアクチュエータの他方の電極は、共通または接地電位に接続され得る。代替実装形態では、トランジスタは、半導体ダイオードおよび/または金属絶縁体金属サンドイッチ型スイッチ素子で置き換えることができる。
【0031】
図2は、ディスプレイ装置100のブロック
図150である。
図1および
図2を参照すると、上記のディスプレイ装置100の要素に加えて、ブロック
図150に示すように、ディスプレイ装置100は、複数のスキャンドライバ152(「書込み許可電圧源」とも呼ばれる)および複数のデータドライバ154(「データ電圧源」とも呼ばれる)を含む。スキャンドライバ152は、スキャンライン相互接続110に書込み許可電圧を印加する。データドライバ154は、データ相互接続112にデータ電圧を印加する。ディスプレイ装置のいくつかの実装形態において、データドライバ154は、特に画像104のグレースケールがアナログ方式で導出されるべきである場合、光変調器にアナログデータ電圧を提供するように構成される。アナログ動作において、光変調器102は、ある範囲の中間電圧がデータ相互接続112を通して印加されると、シャッター108における、ある範囲の中間開状態が生じ(たとえば、シャッターが部分的に開き得る)、その結果、画像104におけるある範囲の中間照度状態すなわちグレースケールが生じるように設計される。
【0032】
他の場合には、データドライバ154は、2つ、3つまたは4つのデジタル電圧レベルの縮小セットのみを制御マトリックスに印加するように構成される。これらの電圧レベルは、デジタル方式で、シャッター108の各々に対して、開状態、または閉状態をセットするように設計される。
【0033】
スキャンドライバ152およびデータドライバ154は、デジタルコントローラ回路156(「コントローラ156」とも呼ばれる)に接続される。コントローラ156は、入力される画像信号157を処理してディスプレイ100の空間アドレス指定およびグレースケール機能に適したデジタル画像フォーマットにする、入力処理モジュール158を含む。各画像の画素位置およびグレースケールデータは、必要に応じてデータがデータドライバ154に送り出され得るように、フレームバッファ159に記憶される。データは、行および画像フレームでグルーピングされた所定のシーケンスに編成されて、ほぼ直列方式でデータドライバ154に送られる。データドライバ154は、直列並列データコンバータと、レベルシフティングと、一部の用途向けにはデジタルアナログ電圧コンバータとを含み得る。
【0034】
ディスプレイ装置100は、場合によっては、共通電圧源とも呼ばれる1組のコモンドライバ153を含む。いくつかの実装形態において、コモンドライバ153は、たとえば、一連の共通相互接続114に電圧を供給することによって、光変調器アレイ103内のすべての光変調器にDC共通電位を提供する。他の実装形態では、コモンドライバ153は、コントローラ156からのコマンドに従って、光変調器アレイ103に対し電圧パルスまたは信号、たとえば、アレイ103の複数の行および列中のすべての光変調器の同時作動を駆動および/または開始することが可能であるグローバル作動パルスを出す。
【0035】
異なるディスプレイ機能のためのドライバ(たとえば、スキャンドライバ152、データドライバ154、およびコモンドライバ153)はすべて、コントローラ156におけるタイミング制御モジュール160によって時間同期される。モジュール160からのタイミングコマンドが、ランプドライバ168と、画素アレイ103内の特定の行の書込み許可およびシーケンシングと、データドライバ154からの電圧の出力と、光変調器作動を可能にする電圧の出力とにより、赤、緑および青および白色ランプ(それぞれ162、164、166、および167)の照度を調整する。
【0036】
コントローラ156は、アレイ103におけるシャッター108の各々が、新規画像104に適した照度レベルにリセットされ得るためのシーケンシングまたはアドレス指定方式を決定する。新規画像104は、周期的間隔でセットされ得る。たとえば、ビデオディスプレイの場合、カラー画像104またはビデオフレームは、10〜300ヘルツの範囲の周波数でリフレッシュされる。いくつかの実装形態において、アレイ103への画像フレームの設定は、交替画像フレームが、赤、緑および青など、交替する一連の色で照射されるように、ランプ162、164、および166の照明と同期される。それぞれの色のための画像フレームは、カラーサブフレームと呼ばれる。フィールド順次式カラー方法と呼ばれるこの方法では、カラーサブフレームが、20Hzを超過する周波数で交替される場合、人間の脳は、交替するフレーム画像を、広い連続する範囲の色を有する画像の知覚に平均する。代替実装形態では、原色をもつ4つ以上のランプが、ディスプレイ装置100において利用されてよく、赤、緑、および青以外の原色を利用する。
【0037】
いくつかの実装形態では、ディスプレイ装置100が開状態と閉状態との間でのシャッター108のデジタル切替えのために設計されている場合、コントローラ156は、適切なグレースケールで画像104を生成するために、アドレス指定シーケンスおよび/または画像フレーム間の時間間隔を決定する。特定のフレームでシャッター108が開いている時間量を制御することによって、様々なレベルのグレースケールを生成するプロセスは、時分割グレースケールと呼ばれる。時分割グレースケールのいくつかの実装形態では、コントローラ156は、その画素の所望の照明レベルまたはグレースケールに従って、シャッター108が開状態のままでいることができる時間期間または時間の小部分を決定する。他の実装形態では、画像フレームごとに、コントローラ156は、複数のサブフレーム画像をアレイ103の複数の行および列にセットし、コントローラは、グレースケールの符号語内で使用されるグレースケール値または有効値に比例して、各サブフレーム画像が照射される期間を変える。たとえば、一連のサブフレーム画像の照明時間は、バイナリコード系列1、2、4、8…に比例して変わり得る。次いで、アレイ103の各画素のシャッター108は、グレーレベルでのピクセルのバイナリ符号語内の対応する位置における値に従って、サブフレーム画像内で開状態または閉状態にセットされる。
【0038】
他の実装形態では、コントローラは、特定のサブフレーム画像に所望のグレースケール値に比例して、ランプ162、164、および166からの光の強度を変える。いくつかのハイブリッド技術は、シャッター108のアレイからカラーおよびグレースケールを形成することにも利用可能である。たとえば、上記で説明した時分割技術は、画素当たりの複数のシャッター108を使用して結合され得、または特定のサブフレーム画像のグレースケール値は、サブフレームタイミングとランプ強度の両方の組合せによって確立され得る。
【0039】
いくつかの実装形態において、画像状態104についてのデータは、コントローラ156によって、変調器アレイ103に、スキャンラインとも呼ばれる個々の行の順次アドレス指定によりロードされる。シーケンス中の行すなわちスキャンラインごとに、スキャンドライバ152は、アレイ103のその行について、書込み許可相互接続110に書込み許可電圧を印加し、続いて、データドライバ154が、選択された行中の各列について、所望のシャッター状態に対応するデータ電圧を供給する。このプロセスは、アレイ中のすべての行についてデータがロードされるまで繰り返す。いくつかの実装形態において、データ読み出しのための選択された行のシーケンスは、線形であり、アレイ中の上から下に進む。他の実装形態では、選択された行のシーケンスは、視覚的アーティファクトを最小限にするために擬似ランダム化される。さらなる実装形態では、シーケンシングはブロックで編成され、この場合、ブロックに対して、画像状態104の特定の一部のみについてのデータが、たとえば、シーケンス中のアレイの5行おきにのみアドレス指定することによってアレイにロードされる。
【0040】
いくつかの実装形態において、アレイ103に画像データをロードするためのプロセスは、シャッター108を作動させるプロセスとは、時間的に分離される。これらの実装形態において、変調器アレイ103は、アレイ103中の各画素に対するデータメモリ要素を含むことができ、制御マトリックスは、メモリ要素に記憶されたデータに従って、シャッター108の同時作動を開始するためのトリガ信号を、コモンドライバ153から搬送するためのグローバル作動相互接続を含み得る。
【0041】
代替実装形態では、画素アレイ103と、画素を制御する制御マトリックスとが、方形の行および列以外の構成で配列され得る。たとえば、画素は、六角形アレイまたは曲線をなす行および列で配列され得る。概して、本明細書で使用するスキャンラインという用語は、書込み許可相互接続を共有する、任意の複数の画素を指すものである。
【0042】
ディスプレイ100は、タイミング制御モジュール160、フレームバッファ159、スキャンドライバ152、データドライバ154、ならびにドライバ153および168を含む複数の機能ブロックを含む。各ブロックは、識別可能なハードウェア回路および/または実行可能コードのモジュールを表すことが理解され得る。いくつかの実装形態では、機能ブロックは、回路基板および/またはケーブルによって互いに接続される別個のチップまたは回路として設けられている。代替として、これらの回路の多くは、同じ基板上の画素アレイ103とともに製作され得る。いくつかの実装形態では、基板は、たとえばガラスまたはプラスチックなど、透明である。他の実装形態では、ブロック
図150からの複数の回路、ドライバ、プロセッサ、および/または制御機能は、単一のシリコンチップ内に互いに統合され得、次いで、そのシリコンチップは画素アレイ103を保持する基板に直接結合される。
【0043】
コントローラ156は、コントローラ156内に実装されるアドレス指定、カラー、および/またはグレースケールアルゴリズムが特定の用途の必要に従って変えられ得るプログラミングリンク180を含む。いくつかの実装形態では、プログラミングリンク180は、たとえば周囲光または温度センサーなど、環境センサーから情報を伝え、その結果、コントローラ156は、環境状態と対応して画像化モードまたはバックライト電力を調整することができるようになる。コントローラ156は、ランプならびに光変調器の作動のために必要な電力を供給する電源入力182も含む。必要に応じて、ドライバ152、153、154、および/または168は、182における入力電圧を、シャッター108の作動、または、たとえばランプ162、164、166、および167などのランプの照明に十分な様々な電圧に変換するためのDC−DCコンバータを含み得る、またはそれに関連付けられ得る。
【0044】
図3は、コントローラ156と通信することに適した、および
図1のディスプレイ装置100に組み込まれた光変調器を制御することに適した制御マトリックス300の概略図である。制御マトリックス300は、画素のアレイ301、たとえばディスプレイ100の
画素106のアレイ、またはブロック
図150の画素のアレイ103(「アレイ」)にアドレス指定することができる。各画素は、アクチュエータによって制御されるシャッターアセンブリ302を含み得る。いくつかの実装形態では、各画素は、二重アクチュエータシャッターアセンブリを含む。いくつかの実装形態では、各画素は、シングルアクチュエータ「弾性」アセンブリを含む。各画素は、たとえばディスプレイ100の開口109などの開口を含む開口層も含む。
【0045】
制御マトリックス300は、シャッターアセンブリ108が形成される基板の表面に、拡散または薄膜堆積電気回路として組み立てられ得る。制御マトリックス300は、制御マトリックス300中の画素301の各行に対するスキャンライン相互接続306と、制御マトリックス300中の画素301の各列に対するデータ相互接続308とを含み得る。各スキャンライン相互接続306は、スキャンドライバ152など、書込み許可電圧源307を、対応する画素301の行中の画素301に電気接続する。各データ相互接続308は、データドライバ154など、データ電圧源(「V
dソース」)309を、対応する画素301の列中の画素301に電気接続する。制御マトリックス300中で、データ電圧V
dは、シャッターアセンブリ302の作動に必要なエネルギーの大部分を提供する。このように、データ電圧源309は、駆動電圧源としても働く。
【0046】
画素アレイ320中の各画素301または各シャッターアセンブリ302に対して、制御マトリックス300は、トランジスタ310とキャパシタ312とを含む。各トランジスタ310のゲートは、画素301が置かれているアレイ320中の行のスキャンライン相互接続306に電気接続される。各トランジスタ310のソースは、それに対応するデータ相互接続308に電気接続される。各シャッターアセンブリ302のアクチュエータ303は、2つの電極を含む。各トランジスタ310のドレインは、対応するキャパシタ312の1つの電極、および対応するアクチュエータ303の電極のうちの1つと並列に電気接続される。シャッターアセンブリ302内のキャパシタ312の他方の電極およびアクチュエータ303の他方の電極は、共通または接地電位に接続される。代替実装形態では、トランジスタ310は、半導体ダイオードおよび/または金属絶縁体金属サンドイッチ型スイッチ素子で置き換えることができる。
【0047】
動作時、画像を形成するために、制御マトリックス300は、各スキャンライン相互接続306にV
weを順に印加することによって、シーケンス中のアレイ320中の各行を書込み可能にする。書込み可能にされた行に対して、行中の画素301のトランジスタ310のゲートへのV
weの印加により、トランジスタ310を通してデータ相互接続308に電流が流れて、シャッターアセンブリ302のアクチュエータ303に電位を印加することができる。行が書込み可能にされている間、データ電圧V
dが、データ相互接続308に選択的に印加される。アナロググレースケールを与える実装形態では、各データ相互接続308に印加されるデータ電圧は、書込み可能にされたスキャンライン相互接続306とデータ相互接続308との交差に置かれた画素301の所望の輝度との関係で変えられる。デジタル制御方式を提供する実装形態では、データ電圧は、比較的低規模の電圧(すなわち、グランドに近い電圧)になるように、またはV
at(作動閾電圧)を満たし、もしくは超えるように選択される。データ相互接続308へのV
atの印加に応答して、対応するシャッターアセンブリ302内のアクチュエータ303が作動し、シャッターアセンブリ302内のシャッターを開く。データ相互接続308に印加された電圧は、制御マトリックス300が行にV
weを印加するのをやめた後でも、画素301のキャパシタ312に蓄えられたままとどまる。したがって、シャッターアセンブリ302が作動するのに十分な程長い時間、行において電圧V
weを待ち、保持する必要はなく、そのような作動は、書込み許可電圧が行から除去された後も進行し得る。キャパシタ312は、アレイ320内のメモリ要素としても機能し、画像フレームの照明のために必要な期間の間、作動命令を記憶する。
【0048】
シャッターアセンブリ302は、対応するアクチュエータとともに、双安定にされ得る。すなわち、シャッターは、いずれかの位置にシャッターを保持するための電力がほとんどまたはまったく要求されることなく、少なくとも2つの均衡位置(たとえば開または閉)に存在し得る。より具体的には、シャッターアセンブリ302は、機械的に双安定であり得る。シャッターアセンブリ302のシャッターが正しい位置でセットされると、その位置を維持するのに、電気エネルギーまたは保持電圧は要求されない。シャッターアセンブリ302の物理要素に対する機械的圧力が、シャッターを所定の場所で保持し得る。
【0049】
シャッターアセンブリ302はまた、対応するアクチュエータとともに、電気的に双安定にされ得る。電気的に双安定のシャッターアセンブリでは、シャッターアセンブリの作動電圧を下回る電圧範囲が存在し、この電圧範囲は、(シャッターが開または閉のいずれかの状態で)閉アクチュエータに印加されると、シャッターに対向力が加えられたとしても、アクチュエータを閉のままに、かつシャッターを所定の位置に保持する。対向力は、スプリングによって加えることができ、または対向力は、「開」もしくは「閉」アクチュエータなどの対向アクチュエータによって加えることができる。
【0050】
図4Aおよび
図4Bは、様々な実装形態における包含に適したシャッター式光変調器(シャッターアセンブリ)400を詳細に示す。シャッターアセンブリ400は、電気機械式シャッターを含み得る。光変調器400は、二重アクチュエータシャッターアセンブリの一例であり、開状態で
図4Aに示されている。
図4Bは、閉状態にある二重アクチュエータシャッターアセンブリ400の図である。シャッターアセンブリ400は、シャッター406の両側にアクチュエータ402および404を含む。各アクチュエータ402および404は、独立に制御される。第1のアクチュエータ、シャッター開アクチュエータ402は、シャッター406を開くように働く。第2の対向アクチュエータ、シャッター閉アクチュエータ404は、シャッター406を閉じるように働く。アクチュエータ402および404は両方とも、コンプライアントビーム電極アクチュエータである。アクチュエータ402および404は、シャッターがその上方で懸架されている開口層407に対して実質的に、平行な平面にあるシャッター406を駆動することによって、シャッター406を開閉する。シャッター406は、アクチュエータ402および404に取り付けられたアンカー408によって、開口層407の少し上方で懸架される。シャッター406の移動軸に沿って、シャッター406の両端に取り付けられたサポートの含有により、シャッター406の面外運動が低減され、基板に対して実質的に平行な平面に運動が制限される。シャッターアセンブリ400とともに使用するのに適した制御マトリックスは、対向するシャッター開アクチュエータ402およびシャッター閉アクチュエータ404の各々につき、1つのトランジスタおよび1つのキャパシタを含み得る。
【0051】
シャッター406は、光が通り得る2つのシャッター開口412を含む。開口層407は、3つの開口409からなるセットを含む。
図4Aにおいて、シャッターアセンブリ400は開状態にあり、したがって、シャッター開アクチュエータ402は作動しており、シャッター閉アクチュエータ404はその弛緩位置にあり、かつ開口412および409の中心線が一致する。
図4Bにおいてシャッターアセンブリ400は閉状態に移されており、したがって、シャッター開アクチュエータ402はその弛緩位置にあり、シャッター閉アクチュエータ404は作動しており、かつシャッター406の遮光部分はこのとき、開口409(点線として示す)を通る光の透過を遮断するための所定の位置にある。
【0052】
各開口は、その周囲に、少なくとも1つの辺をもつ。たとえば、方形開口409は、4つの辺をもつ。円形、楕円、卵型、または他の湾曲開口が開口層407に形成される代替実装形態では、各開口は、単一辺のみを有し得る。他の実装形態では、開口は、数学的な意味において分離され、または独立する必要はなく、連結されてよい。すなわち、開口の一部または成形セクションが、各シャッターとの対応を維持し得る一方で、これらのセクションのいくつかは、開口の単一の連続外周が複数のシャッターによって共有されるように連結され得る。
【0053】
様々な出口角をもつ光を、開状態にある開口412および409に通すために、開口層407中の開口409の対応する幅またはサイズよりも大きい幅またはサイズをシャッター開口412に与えることが有利である。閉状態において光が漏れるのを効果的に遮断するために、シャッター406の遮光部分が開口409と重なるように構成され得る。
図4Bは、シャッター406内の遮光部分の辺と、開口層407内に形成される開口409の1つの辺との間の所定の重複416を示す。
【0054】
静電アクチュエータ402および404は、その電圧変位挙動により、シャッターアセンブリ400に双安定特性が与えられるように設計される。シャッター開アクチュエータおよびシャッター閉アクチュエータの各々について、作動電圧を下回る電圧範囲が存在し、この電圧範囲は、そのアクチュエータが閉状態である(シャッターは開または閉のいずれかである)間に印加されると、対向アクチュエータに駆動電圧が印加された後でも、アクチュエータを閉のままに、かつシャッターを所定の位置に保持する。そのような対向力に対してシャッターの位置を維持するのに必要とされる最小電圧は、維持電圧V
mと呼ばれる。
【0055】
図5は、シャッター式光変調器(シャッターアセンブリ)502を組み込んだディスプレイ装置500の断面図である。各シャッターアセンブリは、シャッター503とアンカー505とを組み込んでいる。アンカー505とシャッター503との間で接続されると、表面の少し上でシャッターを懸架するのを助けるコンプライアントビームアクチュエータについては図示していない。シャッターアセンブリ502は、プラスチックまたはガラスなど、透明な材料で作られ得る透明基板504上に配設される。基板504上に配設された後ろ向き反射層、反射膜506が、シャッターアセンブリ502のシャッター503の閉位置の下に置かれた複数の表面開口508を画定する。反射膜506は、表面開口508を通らない光を、ディスプレイ装置500の後ろに向かって逆反射する。反射開口層506は、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティング、レーザアブレーション、または化学気相堆積を含むいくつかの気相堆積技術によって薄膜方式で形成された含有物をもたない微粒金属膜であり得る。別の実装形態では、後ろ向き反射層506は、誘電鏡などの鏡から形成され得る。誘電鏡は、高および低屈折率の材料を交互に繰り返す誘電薄膜の積層として作製される。シャッターが自由に移動する反射膜506からシャッター503を分離する垂直ギャップは、0.5〜10ミクロンの範囲内である。垂直ギャップの規模は、
図4Bに示す重複416など、閉状態における、シャッター503の辺と、開口508の辺との間の横の重複よりも小さい可能性がある。
【0056】
ディスプレイ装置500は、基板504を平面光ガイド516から分離する随意のディフューザ512および/または随意の輝度強化膜514を含む。光ガイドは、たとえばガラスまたはプラスチックなどの透明材料を含む。光ガイド516は、1つまたは複数の光源518によって照射され、バックライトを形成する。光源518は、たとえば、限定はしないが、白熱電球、蛍光灯、レーザー、または発光ダイオード(LED)でよい。反射体519は、ランプ518から光ガイド516に光を向けるのを助ける。前向き反射膜520が、バックライト516の後ろに配設され、シャッターアセンブリ502に向かって光を反射する。シャッターアセンブリ502のうちの1つを通らない、バックライトからの光線521などの光線は、バックライトに戻され、膜520から再度反射される。この方式において、第1の経路上に画像を形成するためにディスプレイを離れることができない光は、リサイクルし、シャッターアセンブリ502のアレイ中の他の開いた開口の透過のために利用可能にすることができる。そのような光リサイクルは、ディスプレイの照明効率を上げることがわかっている。
【0057】
光ガイド516は、ランプ518から開口508の方に、したがってディスプレイの前面の方に光を向け直す1組の幾何学的光リダイレクタまたはプリズム517を含む。光リダイレクタは、代替可能に断面が三角形、台形になる、または湾曲することができる形状をもつ光ガイド516のプラスチック本体内に成形することができる。プリズム517の密度は概して、ランプ518からの距離とともに増大する。
【0058】
代替実装形態では、開口層506は、光吸収材料で作ることができ、代替実装形態では、シャッター503の表面は、光吸収材料または光反射材料のいずれかでコーティングすることができる。代替実装形態では、開口層506は、光ガイド516の表面に直接堆積され得る。代替実装形態では、開口層506は、(後で説明する「MEMSダウン」構成を参照)シャッター503およびアンカー505と同じ基板上に配設される必要はない。
【0059】
一実装形態では、光源518は、異なる色、たとえば、赤色、緑色、および青色のランプを含み得る。人間の脳が、異なる色の画像を単一の多色画像に平均するのに十分なレートで、異なる色のランプで画像を連続して照明することによって、カラー画像が形成され得る。様々な色固有画像が、シャッターアセンブリ502のアレイを使用して形成される。別の実装形態では、光源518は、4つ以上の異なる色を有するランプを含む。たとえば、光源518は、赤色、緑色、青色および白色ランプ、または赤色、緑色、青色および黄色ランプを有し得る。
【0060】
カバープレート522は、ディスプレイ装置500の前面を形成する。カバープレート522の後ろ側は、コントラストを増すために、ブラックマトリックス524でカバーされ得る。代替実装形態では、カバープレートは、カラーフィルタ、たとえば、シャッターアセンブリ502のうちの異なるものに対応する、固有の赤色、緑色、および青色フィルタを含む。カバープレート522は、シャッターアセンブリ502から所定の距離だけ離れて支えられ、ギャップ526を形成する。ギャップ526は、機械的サポートもしくはスペーサ527によって、および/またはカバープレート522を基板504に付着させる粘着シール528によって維持される。
【0061】
粘着シール528は、作動流体530を封じ込める。作動流体530は、約10センチポアズを下回り得る粘度、約2.0を上回り得る比誘電率、および約10
4V/cmを上回る絶縁破壊強度で作製される。作動流体530は、潤滑剤としても働き得る。一実装形態では、作動流体530は、高い表面濡れ性をもつ疎水性液体である。代替実装形態では、作動流体530は、基板504の屈折率よりも大きい、または小さい屈折率を有する。
【0062】
MEMS式ディスプレイアセンブリが作動流体530用に液体を含むとき、液体は少なくとも部分的に、MEMS式光変調器の可動部を囲む。駆動電圧を低減するために、液体は、70センチポアズを下回り得る、さらには10センチポアズを下回り得る粘性を有する。70センチポアズを下回る粘度をもつ液体は、4000グラム/モルを下回るか、または場合によっては400グラム/モルを下回る低分子量を有する材料を含み得る。好適な作動流体530は、限定はしないが、脱イオン水、メタノール、エタノールおよび他のアルコール、パラフィン、オレフィン、エーテル、シリコーンオイル、フッ化シリコーンオイル、または他の天然もしくは合成の溶剤もしくは潤滑剤を含む。有用な作動流体は、ポリジメチルシロキサン、たとえば、ヘキサメチルジシロキサンおよびオクタメチルトリシロキサン、またはアルキルメチルシロキサン、たとえば、ヘキシルペンタメチルジシロキサンであり得る。有用な作動流体はアルカン、たとえば、オクタンまたはデカンであり得る。有用な流体はニトロアルカン、たとえば、ニトロメタンであり得る。有用な流体は芳香族化合物、たとえば、トルエンまたはジエチルベンゼンであり得る。有用な流体はケトン、たとえば、ブタノンまたはメチルイソブチルケトンであり得る。有用な流体はクロロカーボン、たとえば、クロロベンゼンであり得る。有用な流体はクロロフルオロカーボン、たとえば、ジクロロフルオロエタンまたはクロロトリフルオロエチレンであり得る。また、これらのディスプレイアセンブリについて考えられる他の流体には、酢酸ブチルおよびジメチルホルムアミドが含まれる。
【0063】
多くの実装では、上記の流体の混合物を組み込むことが有利である。たとえば、アルカンの混合物またはポリジメチルシロキサンの混合物は、混合物が様々な分子量の範囲で分子を含む場合、有用であり得る。また、異なる系統からの流体または異なる特性を有する流体を混合することによって、特性を最適化することも可能である。たとえば、ヘキサメチルジシロキサンの表面濡れ特性がブタノンの低粘性と結合されて、改良された流体が作られ得る。
【0064】
薄板金属または成形プラスチックアセンブリブラケット532は、カバープレート522と、基板504と、バックライト516と、他の構成要素部とを合わせて、辺の周りに保持する。アセンブリブラケット532は、複合ディスプレイ装置500に剛性を加えるために、ねじまたはインデントタブで固定される。いくつかの実装形態では、光源518は、エポキシポッティング化合物によって、所定の場所に成形される。反射体536は、光ガイド516の辺から漏れた光を光ガイドに戻すのを助ける。シャッターアセンブリ502およびランプ518に制御信号ならびに電力を与える電気相互接続は、
図5に示していない。
【0065】
ディスプレイ装置500は、MEMSアップ構成と呼ばれ、MEMS式光変調器が、基板504の前面、すなわち見ている人の方を向く表面上に形成される。シャッターアセンブリ502は、反射開口層506のすぐ上に構築される。MEMSダウン構成と呼ばれる代替実装形態では、シャッターアセンブリは、反射開口層が形成される基板とは別個の基板上に配設される。複数の開口を画定する反射開口層が形成される基板は、本明細書では、開口プレートと呼ばれる。MEMSダウン構成において、MEMS式光変調器を収容する基板は、ディスプレイ装置500におけるカバープレート522に取って代わり、上部基板の後面、すなわち見ている人とは反対を向き、バックライト516の方を向く表面にMEMS式光変調器が配置されるように配向される。MEMS式光変調器は、そうすることによって、反射開口層からのギャップに直接対向して、かつギャップにわたって配置される。ギャップは、開口プレートと、MEMS変調器が形成される基板とを接続する、一連のスペーサポストによって維持され得る。いくつかの実装形態では、スペーサは、アレイ中の各画素内に、または各画素間に配設される。MEMS光変調器を、それらの対応する開口から分離するギャップまたは距離は、10ミクロン未満、または重複416など、シャッターと開口との間の重複よりも小さい距離であり得る。
【0066】
本明細書で説明するディスプレイは、ハンドヘルドデバイス、電子リーダー、ワイヤレスデバイス、または情報を提示するためにディスプレイを使用する任意のデバイスに含まれ得る。
図6Aおよび
図6Bは、本明細書で説明したように、複数の光変調器ディスプレイ要素を含むディスプレイデバイス640の一例を示すシステムブロック図である。ディスプレイデバイス640は、たとえば、スマートフォン、セルラー電話または携帯電話であり得る。ただし、ディスプレイデバイス640の同じ構成要素またはその若干異なる形態はまた、テレビ、コンピュータ、タブレット、電子リーダー、ハンドヘルドデバイス、およびポータブルメディアデバイスなど、様々なタイプのディスプレイデバイスを示す。
【0067】
ディスプレイデバイス640は、ハウジング641、ディスプレイ630、アンテナ643、スピーカ644、入力デバイス648およびマイクロフォン646を含む。ハウジング641は、射出成形および真空成形など、様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング641は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから形成され得る。ハウジング641は、異なる色の、または異なるロゴ、ピクチャもしくはシンボルを含む他の取外し可能な部分と交換され得る取外し可能な部分(図示せず)を含み得る。
【0068】
ディスプレイ630は、本明細書で説明したように、双安定ディスプレイまたはアナログディスプレイを含む様々なデバイスのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ630はまた、たとえば、プラズマ、EL、OLED、STN LCDもしくはTFT LCDなどのフラットパネルディスプレイ、またはCRTもしくは他のチューブデバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。加えて、ディスプレイ630は、本明細書で説明するように、光変調器方式ディスプレイを含み得る。
【0069】
ディスプレイデバイス640の構成要素は、
図6Bに概略的に示されている。ディスプレイデバイス640は、ハウジング641を含んでおり、その中に少なくとも部分的に収容された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス640はネットワークインターフェース627を含んでおり、ネットワークインターフェース627はアンテナ643を含んでおり、アンテナ643はトランシーバ647に結合され得る。ネットワークインターフェース627は、ディスプレイデバイス640に表示されることのある画像データのソースであり得る。したがって、ネットワークインターフェース627は、画像ソースモジュールの一例であるが、プロセッサ621および入力デバイス648も、画像ソースモジュールの働きをすることができる。トランシーバ647はプロセッサ621に接続され、プロセッサ621は調整ハードウェア652に接続される。調整ハードウェア652は、(信号をフィルタリングするか、または別の方法で操作するなど)信号を調整するように構成され得る。調整ハードウェア652は、
スピーカ644およびマイクロフォン646に接続され得る。プロセッサ621は、入力デバイス648およびドライバコントローラ629にも接続され得る。ドライバコントローラ629は、フレームバッファ628およびアレイドライバ622に結合されてよく、アレイドライバ622は、次いでディスプレイアレイ630に結合され得る。
図6Aおよび
図6Bに明示されていない要素を含む、ディスプレイデバイス640における1つまたは複数の要素は、メモリデバイスとして機能するように構成され、プロセッサ621と通信するように構成され得る。いくつかの実装形態では、電源650は、特定のディスプレイデバイス640の設計における実質的にすべての構成要素に電力を提供することができる。
【0070】
ネットワークインターフェース627は、ディスプレイデバイス640がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信できるように、アンテナ643およびトランシーバ647を含む。ネットワークインターフェース627はまた、たとえば、プロセッサ621のデータ処理要件を緩和するためのいくつかの処理能力を有し得る。アンテナ643は、信号を送信および受信することができる。いくつかの実装形態では、アンテナ643は、IEEE 16.11規格、たとえばIEEE 16.11(a)、(b)、もしくは(g)、またはIEEE 802.11規格、たとえばIEEE 802.11a、b、g、n、およびそのさらなる実装形態に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実装形態では、アンテナ643は、Bluetooth(登録商標)規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ643は、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Global System for Mobile communications(GSM)、GSM/汎用パケット無線サービス(GPRS:General Packet Radio Service)、拡張データGSM環境(EDGE:Enhanced Data GSM Environment)、地上基盤無線(TETRA:Terrestrial Trunked Radio)、広帯域CDMA(W−CDMA)、Evolution Data Optimized(EV−DO)、1xEV−DO、EV−DO Rev A、EV−DO Rev B、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+:Evolved High Speed Packet Access)、Long Term Evolution(LTE)、AMPS、または3G、4Gもしくは5G技術を利用するシステムなど、ワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される他の既知の信号を受信するように設計され得る。トランシーバ647は、アンテナ643から受信された信号を、プロセッサ621によって受信でき、さらにプロセッサ621によって操作できるように前処理することができる。トランシーバ647はまた、プロセッサ621から受信された信号を、アンテナ643を介してディスプレイデバイス640から送信できるように処理することができる。
【0071】
いくつかの実装形態では、トランシーバ647は、受信機によって置き換えられ得る。さらに、いくつかの実装形態では、ネットワークインターフェース627は、プロセッサ621に送られることになる画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ621は、ディスプレイデバイス640の動作全体を制御することができる。プロセッサ621は、圧縮された画像データなどのデータを、ネットワークインターフェース627または画像ソースから受信し、そのデータを生の画像データへ、または生の画像データに素早く変換できるフォーマットへと処理する。プロセッサ621は、処理されたデータをドライバコントローラ629に、または記憶のためにフレームバッファ628に送ることができる。生データは通常、画像内の各ロケーションにおける画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、ビット深度、彩度およびグレースケールレベルを含み得る。
【0072】
プロセッサ621は、ディスプレイデバイス640の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPUまたは論理ユニットを含み得る。調整ハードウェア652は、
スピーカ644に信号を送信するための、およびマイクロフォン646から信号を受信するための増幅器およびフィルタを含み得る。調整ハードウェア652は、ディスプレイデバイス640内の個別構成要素であってよく、またはプロセッサ621もしくは他の構成要素に組み込まれてもよい。
【0073】
ドライバコントローラ629は、プロセッサ621によって生成された生画像データを、直接プロセッサ621から、またはフレームバッファ628から取得でき、かつ生画像データをアレイドライバ622への高速送信に向けて適切に再フォーマットすることができる。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ629は、生画像データを、ディスプレイアレイ630でスキャンするのに適した時間的順序を有するように、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができる。ドライバコントローラ629は、フォーマットされた情報をアレイドライバ622に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ629は、独立型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ621に関連付けられることが多いが、そのようなコントローラは、多くの方法で実装され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ621中に埋め込まれること、ソフトウェアとしてプロセッサ621中に埋め込まれること、またはアレイドライバ622とハードウェアで完全に統合されることがある。
【0074】
アレイドライバ622は、フォーマットされた情報をドライバコントローラ629から受信することができ、ビデオデータを、ディスプレイ要素のディスプレイのx−yマトリックスから来る数百、場合によっては数千(またはそれよりも多く)のリード線に1秒当たり多数回適用される波形の並列セットに再フォーマットすることができる。
【0075】
いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ629、アレイドライバ622、およびディスプレイアレイ630は、本明細書で説明するタイプのディスプレイのいずれにも適している。たとえば、ドライバコントローラ629は、従来型のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(光変調器ディスプレイ要素コントローラなど)であり得る。さらに、アレイドライバ622は、従来型のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(光変調器ディスプレイ要素ドライバなど)であり得る。その上、ディスプレイアレイ630は、従来型のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(光変調器ディスプレイ要素のアレイを含むディスプレイなど)であり得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ629は、アレイドライバ622と統合され得る。そのような実装形態は、高集積システム、たとえば、携帯電話、ポータブル電子デバイス、ウォッチまたは小面積ディスプレイにおいて有用であり得る。
【0076】
いくつかの実装形態では、入力デバイス648は、たとえば、ユーザがディスプレイデバイス640の動作を制御することを可能にするように構成され得る。入力デバイス648は、QWERTYキーパッドもしくは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、ディスプレイアレイ630と統合されたタッチセンシティブスクリーン、または感圧性もしくは感熱性の膜を含むことができる。マイクロフォン646は、ディスプレイデバイス640の入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実装形態では、マイクロフォン646を介したボイスコマンドが、ディスプレイデバイス640の動作を制御するために使用され得る。
【0077】
電源650は、様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源650は、ニッケルカドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーなどの充電式バッテリーであり得る。充電式バッテリーを使用した実装形態では、充電式バッテリーは、たとえば、壁コンセントまたは光起電デバイスもしくはアレイから来る電力を使用して充電可能であり得る。代替的に、充電式バッテリーはワイヤレス充電可能であり得る。電源650は、再生可能エネルギー源、キャパシタ、またはプラスチック太陽電池もしくは太陽電池塗料を含む太陽電池であってもよい。電源650はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成され得る。
【0078】
いくつかの実装形態では、電子ディスプレイシステム内のいくつかの場所に位置し得るドライバコントローラ629に制御プログラマビリティが存在する。いくつかの他の実装形態では、アレイドライバ622に制御プログラマビリティが存在する。上述の最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素において、および様々な構成で実施され得る。
【0079】
たとえばディスプレイデバイス640などのディスプレイデバイスのためのより高い輝度およびより大きい節電を達成するために、ディスプレイアレイ630における所与の画素の開口比または画素アレイが増加され得る。開口は、光を通過させるために割り振られたディスプレイ上の領域である。開口は、開口板のスロットを指し得る。所与の画素内で、画素サイズに対するたとえばスロットなど開口の面積の比率が開口比である。ディスプレイデバイス640などのディスプレイデバイスのための画像化の特徴(たとえば、コントラスト比、画像鮮明度および色純度)を向上させるために、光変調器遷移時間(たとえば、開位置から閉位置に光変調器を移動させる)は、短縮され得る。たとえば、開位置から閉位置への短縮された光変調器遷移時間は、対応する光変調器が完全に閉状態に達する前に、光が画素から漏れるという危険を低下させる。ディスプレイデバイスにおけるそれぞれの光変調本体についての非対称の移動を作り出し、それによって、光変調本体の総移動距離を増加させ、それによる、ディスプレイの開口比の増加、(たとえば、開位置から閉位置への移動など)光変調本体の遷移時間の短縮化、および遷移時間に影響を及ぼしたり、増加させることなく、光変調本体を作動させるのに必要な駆動電圧の低減の利点のうちの1つまたは複数を可能にするためのシステム、装置、および方法が提供される。
【0080】
たとえば、一実装形態では、たとえばシャッターアセンブリ400など、光変調アセンブリは、2つのアクチュエータ間に結合された本体を含む。各アクチュエータは、別個に制御される。第1のアクチュエータは、本体を開位置に移動させるように働き、第2の対向するアクチュエータは、本体を閉位置に移動させるように働く。両方のアクチュエータは、コンプライアントビーム電極アクチュエータを含む。アクチュエータは、本体がその上に懸架される1つまたは複数の開口を含む開口層に実質的に平行な平面において本体を駆動させることによって、本体を移動させる。光変調本体の総移動距離は、本体が開位置から閉位置に、およびその逆に移動する距離を含む。一実装形態では、光変調本体の移動距離は、非対称であり、これは、中立位置から、本体が第2の方向よりも第1の方向により大きい距離を移動することを意味する。
【0081】
一実装形態では、本体は、中立位置から閉位置まで移動するよりも、中立位置から開位置まで、より大きい距離を移動し、開位置では、光は、開口を通過することができ、閉位置では、光は、開口を通過することを遮断される。他の実装形態では、本体は、中立位置から開位置まで移動するよりも、中立位置から閉位置まで、より大きい距離を移動する。
【0082】
光変調本体の非対称の移動は、特に開位置から閉位置に移動するとき、より長い光変調器遷移時間を必要とすることなく、開口比の増加を可能にする。たとえば、総移動距離10μm(中立位置から閉位置まで5μm、および中立位置から開位置まで5μm)、閉遷移時間t
1、および駆動電圧V
1を有する対称形の光変調器アセンブリは、実質的に同じ閉遷移時間t
1、および駆動電圧V
1を保持しながら、総移動距離を11μmに増加させるように変えられ得る。これは、非対称の移動を達成するために光変調器アセンブリを設計することによって達成され得、光変調器アセンブリは、中立位置から閉位置まで4μm、および中立位置から開位置まで7μmを含む、11μmの総移動距離を有する。この例では、総移動距離の増加(10μmから11μm)は、ディスプレイデバイスの開口比の全体的な増加を可能にする。非対称の移動(中立位置から閉位置まで4μm、および中立位置から開位置まで7μm)は、10μmのみのより小さい総移動距離を有する光変調器アセンブリと、開位置から閉位置まで、実質的に同じ遷移時間t
1、および駆動電圧V
1を維持することが可能である。
【0083】
上記で説明したように、光変調器アセンブリが中立位置から閉位置までのより短い距離を移動することが可能であるので、光変調本体の非対称の移動は、光変調器遷移時間の全体的な減少も可能にする。たとえば、総移動距離10μm(中立位置から閉位置まで5μm、および中立位置から開位置まで5μm)、閉遷移時間t
1、および駆動電圧V
1を有する対称形の光変調器アセンブリは、非対称の移動を有するように設計され得る(たとえば、中立位置から閉位置まで4μm、および中立位置から開位置まで6μm)。これは、実質的に駆動電圧をV
1で維持しながら、開位置から閉位置までの遷移時間がt
2に低減することを可能にし、この場合、t
2はt
1未満である。
【0084】
所望の遷移時間を維持しながら、光変調器アセンブリを閉位置に駆動させるためのアクチュエータに、より低い駆動電圧が印加され得るので、光変調本体の非対称の移動は、光変調本体を駆動するために必要な電圧の低減も可能にし得る。代替として、光変調器の性能に悪影響を与えない可能性がある開位置までの遷移時間を増加させ得る開位置まで光変調器アセンブリを駆動させるためのアクチュエータに、より低い駆動電圧が印加され得る。たとえば、総移動距離10μm(中立位置から閉位置まで5μm、および中立位置から開位置まで5μm)、閉遷移時間t
1、および駆動電圧V
1を有する対称形の光変調器アセンブリは、非対称の移動を有するように設計され得る(たとえば、中立位置から閉位置まで4μm、および中立位置から開位置まで6μm)。これは、開位置から閉位置への遷移時間を実質的にt
1で維持しながら、駆動電圧をV
2に低減することを可能にし、この場合、V
2はV
1未満である。
図7〜
図9は、非対称の移動のために設計された光変調アセンブリのいくつかの実装形態を示す。
【0085】
図7Aは、中立位置に配置された光変調アセンブリ700の一例の平面図である。光変調アセンブリ700は、第1のアクチュエータ723と第2のアクチュエータ725との間に結合された本体702を含む。
図7Aに示される本体702は、たとえば
図4Aおよび
図4Bに示される光変調器など、シャッター式光変調器であるが、本体702は、中立位置から2つの対向する方向に移動することができる任意の本体とすることができる。第1のアクチュエータ723および第2のアクチュエータ725は、
図4A〜
図4Bに関して上述した静電アクチュエータでもよい。第1のアクチュエータ723は、コンプライアント電極706とコンプライアント電極712とを含む。第2のアクチュエータ725は、コンプライアント電極708とコンプライアント電極710とを含む。コンプライアント電極708および706は、コンプライアントサポートビームと呼ばれ得るビームを含む。コンプライアント電極710および712は、コンプライアントアクチュエータビームまたは駆動ビームと呼ばれ得る、それぞれアンカー730および724から延びるビームを含む。いくつかの実装形態では、コンプライアント電極は、導電性であり得る。コンプライアント電極706は、1対のアンカー720に接続されている。電極712は、電極アンカー724に接続されている。コンプライアント電極708は、1対のアンカー726に接続されている。電極710は、電極アンカー730に接続されている。アンカー720〜730は、基板(図示せず)に結合されており、基板の表面よりある距離だけ上方に本体702を懸架するのを助けることができる。
図7Aに示される例では、コンプライアント電極708とアンカー730との間の距離705は、コンプライアント電極706と電極アンカー724との間の距離704よりも大きい。いくつかの実装形態では、距離704は2〜25μmにわたり得る。
図7Aに示される例では、先端ギャップ732、電極710の一方の先端とコンプライアント電極708との間の距離は、先端ギャップ734、電極712の一方の先端とコンプライアント電極706との間の距離と実質的に同じである。いくつかの実装形態では、先端ギャップ732は、先端ギャップ734よりも大きいまたはより小さくてもよい。先端ギャップ732または734は、たとえば、約2μmでもよい。先端ギャップ732または734は、約1〜5μmの距離でよい。
【0086】
本体702は、開口板において形成される少なくとも1つの開口714(破線として示される)に対して整合するように構成された少なくとも1つの開口部716を含む。
図7Aの開口714は方形形状であり、一般に、開口部716の形状にマッチする。いくつかの実装形態では、各開口は、その周囲に、少なくとも1つの辺をもつ。たとえば、方形開口714は、4つの辺をもつ。円形、楕円、卵型、または他の湾曲開口が形成される代替実装形態では、各開口は、単一辺のみを有し得る。他の実装形態では、開口は、数学的な意味において分離され、または独立する必要はなく、連結されてよい。すなわち、開口の一部または成形セクションが、それぞれの本体を有する一方、これらのセクションのいくつかは、開口の単一の連続外周が複数の本体によって共有されるように連結され得る。様々な出口角をもつ光を、開状態にある開口714に通すために、開口部716の幅またはサイズは、開口714の対応する幅またはサイズよりも大きくてよい。閉状態で光が逃げるのを効果的に遮断するために、本体702の光遮断部分は、開口714の幅よりも広くなるように構成され得る。
【0087】
図7Aに示される二重アクチュエータアセンブリは、
図4A〜
図4Bの二重アクチュエータアセンブリに関して説明したように機能し得る。
図7Aは、外側の力が本体702に影響していない中立位置にある光変調アセンブリ700を示す。コンプライアント電極706および708は、静止位置にある。
図7Aでは、本体702の開口部716は、開口714に部分的に重なっている。いくつかの実装形態では、開口部716は、中立位置にある間、開口714にまったく重ならない可能性がある。いくつかの実装形態では、開口部716は、中立位置にある間、開口714に実質的に完全に重なり得る。
【0088】
図7Bは、第1の位置にある光変調アセンブリ700の一例の平面図である。
図7Bは、
図7Aに示される中立位置から距離736を移動した後の本体702を表す。
図7Bに示すように、本体702は、第1のアクチュエータ723から離れて移動している。
図7Bでは、本体702の開口部716は、開口714よりも大きい。いくつかの実装形態では、本体702の開口部716は、同じサイズであり、したがって、開口714に完全に整合することが可能であり得る。他の実装形態では、開口部716は、開口714よりも小さくてよい。いくつかの実装形態では、開口部716は、
図7Aに示すように、開口714に部分的に重なり得る。いくつかの実装形態では、
図7Bに示す第1の位置は、開位置であり、ここで、本体702によって、光源からの少なくとも一部の光は開口714を通過することができる。
【0089】
図7Cは、第2の位置にある光変調アセンブリ700の一例の平面図である。
図7Cは、
図7Aに示される中立位置から距離738を移動した後の本体702を表す。
図7Cに示すように、本体702は、第1のアクチュエータ723の方に移動している。
図7Cでは、本体702の開口部716は、実質的には開口714と重ならない。いくつかの実装形態では、本体702の開口部716は、開口714に部分的に重なり得る。いくつかの実装形態では、
図7Cに示す第2の位置は、閉位置であり、ここで、光変調アセンブリは、光源からの光が開口714を通過するのを完全に遮断する。
【0090】
図7A〜
図7Cに示すように、中立位置(
図7Aに示される)と第1の位置(
図7Bに示される)との間の距離736は、中立位置(
図7Aに示される)と第2の位置(
図7Cに示される)との間の距離738よりも長い。したがって、中立位置から第1の位置への、および中立位置から第2の位置への本体702の移動距離は、等しくなく、したがって非対称である。さらに、本体702は、第2の距離738を移動するときよりも第1の距離736を移動するとき、開口714に関してより大きい距離を移動する。しかしながら、いくつかの実装形態では、本体702は、第1の距離736を移動するときよりも第2の距離738を移動するとき、開口714に関してより大きい距離を移動する。
図7A〜
図7Cの本体702の総移動距離は、距離736+距離738、すなわち、本体が
図7Bの第1の位置から
図7Cの第2の位置に進む距離である。本体702は、
図7Cの第2の位置から
図7Bの第1の位置に戻るときも、この総移動距離を移動する。いくつかの実装形態では、中立位置からの本体702の非対称の移動によって、本体702の設定された遷移時間を依然として維持しながら、本体702の総移動距離(たとえば、開位置から閉位置、またはその逆)を増加させることができる。移動距離の増加の結果、開口714のサイズは、画素アレイの複数の画素について増加し得、それによって、本体702の設定された遷移時間(たとえば、開位置から閉位置に移動する)を維持しながら、ディスプレイの開口比を増加させることができる。したがって、非対称の移動は、デバイスが、少なくとも一方向への遷移時間に影響を及ぼす、または遷移時間を増加させることなく、より長い移動距離で設計されるのを可能にする。より大きい開口比は、より高いディスプレイ輝度および節電になる。
【0091】
図7Aを再度参照すると、いくつかの実装形態では、第2のアクチュエータ725のバネ電極ギャップ705を対向する第1のアクチュエータ723のバネ電極ギャップ704よりも大きくすることによって、光変調本体の非対称の移動が達成され得る。バネ電極ギャップは、電極アンカー730を本体702から遠ざけることによって大きくなり得る。一方または両方のバネ電極ギャップ704および705を増加させることによって、本体702の総移動距離を増加させることができる。たとえば、
図7Aに示すように、電極アンカー730は、電極アンカー724とコンプライアント電極706との間の距離704よりもコンプライアント電極708からより大きい距離705に配置され得る。
図7Aに示す例では、電極710は、実質的に等しい先端ギャップ732および734を維持するために、電極712よりも長い。しかしながら、いくつかの実装形態では、電極710は、電極712と同じサイズまたはそれよりも短くてもよい。また、
図7Aでは、電極710のビームの間の角度740は、電極712のビームの間の角度742よりも小さい。しかしながら、いくつかの実装形態では、角度740は、角度742と同じサイズまたはそれよりも大きくてもよい。
【0092】
いくつかの実装形態では、アクチュエータ723など1つのアクチュエータに印加される作動電圧は、他のアクチュエータ725に印加される作動電圧と異なる。電極710に印加される作動電圧は、電極712に印加される電圧よりも低く設定され得る。たとえば、作動電圧V
atは、約25ボルトに設定され、電極712に印加され得、一方、電極710に印加される電圧がV
at−Vcであるように、電極710に印加される電圧は、量Vcだけ低減される。このようにして、シャッター702を開位置に移動するために使用される電力量が低減され、それによって、全体的な消費電力が低減する。電圧の低減は、開位置へのシャッターのより遅い作動時間につながるが、低減した開作動時間は、閉作動時間に影響を及ぼさず、したがって、ディスプレイのシャッター性能および光学性能に悪影響を及ぼさない。代替として、低減した電圧V
at−Vcは、電極712に印加され得、一方、電圧V
atは電極710に印加される。このようにして、アクチュエータ725がシャッターの中立位置からのより長い移動距離T+nを補償しうるように、作動速度が増加する。中立位置から開位置および閉位置に非対称的に移動する本体702を有する光変調アセンブリ700に異なる作動電圧の印加が適用され得るが、本体406が中立から開位置および閉位置に実質的に対称的に移動する光変調器アセンブリ400に、異なる作動電圧の印加が適用され得る。
【0093】
図8は、開閉動作のために異なる駆動電圧を使用して光変調器を制御するための制御マトリックス800の一部の概略図である。制御マトリックス800は、二重アクチュエータシャッターアセンブリ812を含む画素のアレイ804を制御する。たとえばシャッターアセンブリ400および700など、二重アクチュエータシャッターアセンブリは、別々のシャッター開およびシャッター閉アクチュエータを含むシャッターアセンブリである。
図8には1つの画素804しか示されていないが、制御マトリックスは拡張し、類似の画素の多数の行または列を組み込むことを理解されたい。さらに、制御マトリックス800は、たとえば、本開示の範囲を逸脱することなく、弾性変調器、シングルアクチュエータ変調器、非シャッター式変調器、および変調器400および700など、任意の適したタイプのMEMS変調器およびアクチュエータとともに使用され得る。制御マトリックス800は、制御マトリックス800における画素804の列ごとに列ライン相互接続802を含む。
シャッターアセンブリ812のアクチュエータは、電気的に双安定、または機械的に双安定になり得る。光制御マトリックス800は、画素ごとに単一のMEMS光変調器を有するものとして示されている。各画素中に複数のMEMS光変調器が設けられる他の実施形態も可能であり、そうすることによって、各画素中の単なる2進「オン」または「オフ」光学状態以上のものを可能にする。画素中に複数のMEMS光変調器が設けられ、光変調器の各々に関連付けられた開口が不等面積をもつ符号化面積分割グレースケールのいくつかの形が可能である。
【0094】
制御マトリックス800は、行および列の様式で配置される複数の同一の画素から構成されるディスプレイ全体に共通の、ここでは「グローバルライン」と呼ばれる複数のラインを含む。これらのグローバルラインは、作動ライン相互接続806、コモンライン相互接続818、シャッターライン相互接続820、および更新ライン相互接続822を含む。いくつかの実装形態では、これらのグローバルラインは、ディスプレイ全体にわたって1つのノードとして動作される。たとえば、ディスプレイにわたる全更新ノード、または、ディスプレイにわたる全作動ノードは、同時に変更される。いくつかの実装形態では、これらのグローバルライン相互接続は、画素サブグループにグルーピングされ得る。たとえば、画素の各奇数行にはそれらのグローバルラインが接続され得、画素のグローバルラインの各偶数行は、奇数行が偶数行とは独立して動作され得るように、別々に接続され得る。制御マトリックス800は、画素の各行配列に一意の行ライン824、および画素の各列配列に一意の列ライン802を含む。制御マトリックスの各画素804は、データ読み出しトランジスタ834、データ保存キャパシタ838、更新トランジスタ836、アクチュエータノード840および842、ならびに二重インバータラッチを含む。制御マトリックス800では、データ保存キャパシタ838は、コモンライン相互接続818に接続される。しかしながら、いくつかの実装形態では、データ保存キャパシタ838は、シャッターライン相互接続820に接続され得る。いくつかの実装形態では、コモンライン相互接続818は、次の行の行相互接続824として働くことができ、したがって、コモンライン相互接続818を完全に除去することができる。
【0095】
二重インバータラッチは、トランジスタ826および830から構成される第1のインバータ、およびトランジスタ828および832から構成される第2のインバータを含む。シャッターアセンブリ812は、アクチュエータノード840および842に接続された、シャッターアセンブリ700のアクチュエータ723および725と同様、静電アクチュエータを含む。チャージ電圧またはV
atとも呼ばれる駆動電圧以上の電圧差が、アクチュエータとシャッターとの間に課されるとき、シャッターアセンブリは、光を通過させることができる開状態、または光の通過を遮断する閉状態に駆動され得る。制御マトリックス800は、p−チャネルトランジスタとn−チャネルトランジスタの両方の、2つの相補型タイプのトランジスタを使用する。したがって、相補型のMOS制御マトリックスまたはCMOS制御マトリックスと呼ばれる。データ読み出しトランジスタ834、更新トランジスタ836、および交差結合インバータの下部トランジスタ830および832は、nMOSタイプから製造され、交差結合インバータの上部トランジスタ826および828は、pMOSタイプのトランジスタから製造されている。他の実装形態では、CMOSトランジスタのタイプが逆転され得る(すなわち、nMOSの代わりにpMOS)、または他のタイプのトランジスタが使用され得る(すなわち、BJT、JFET、または任意の他の適切なタイプのトランジスタ)ことを当業者であれば理解されよう。
【0096】
いくつかの実装形態では、作動ライン806は、V
at以上に維持される電圧源に接続される。シャッターライン820は、接地電位の近くに維持される。いくつかの実装形態では、シャッター極性は、フル駆動電圧(すなわち、約25ボルト)に維持され得る。いくつかの構成では、シャッターの極性は、必要に応じて、1つまたは複数の電位間で周期的に交替し得る。たとえば、シャッターは、各全ビデオフレーム後の25ボルトと0ボルトとの間で、または他の場合には、より高いまたはより低い頻度で交替され得る。必要な電圧をシャッターライン相互接続820に印加することによって、シャッター極性は制御され得る。いくつかの実装形態では、
シャッター極性が交替することに対応して、データの極性も交替する。
【0097】
各アクチュエータノード840および842は、そのそれぞれのトランジスタ826および828の「オン/オフ」状態に応じて、作動ライン806に接続される。たとえば、左のアクチュエータノード840に接続されているトランジスタ826が「オン」状態であるとき、電荷が作動ライン806からアクチュエータノード840に流れることができる。次に、およそV
atの電圧は、アクチュエータノード840に接続されているアクチュエータとシャッター(シャッターが共通電位であると仮定する)との間に課せられ、シャッターは、その所望の状態に駆動される。
【0098】
トランジスタ826が「オフ」状態であり、トランジスタ828が「オン」状態であるとき、類似のプロセスが行われる。しかしながら、この場合には、左のアクチュエータノード840に接続されているトランジスタ826が「オン」状態であるとき、電荷が作動−Vcライン850からアクチュエータノード842に流れることができる。次に、およそV
at−Vcの電圧は、アクチュエータノード842に接続されているアクチュエータとシャッター(シャッターが共通電位であると仮定する)との間に課せられ、シャッターは、その所望の状態に駆動され、これは、シャッターを逆の状態に駆動させることになる。いくつかの実装形態では、およそV
atの電圧は、
アクチュエータノード842に接続されたアクチュエータに印加され、類似の電圧がシャッターに印加され、それによって、シャッターとアクチュエータとの間に0ボルトの電位が作られる。
【0099】
制御マトリックス800は、データ保存キャパシタ838を含む。以下でさらに説明するように、キャパシタ838は、格納された電荷によって、データ読み出しまたは書込み操作の一部として、コントローラ156などのコントローラによって画素804に送られる「データ」命令(たとえば、開くまたは閉じる)を記憶する。キャパシタ838に格納された電圧は、部分的に、制御マトリックス800における二重インバータラッチのラッチ状態を決定する。
【0100】
データロード動作の間、アレイの各行は、アドレス指定シーケンスで書込み可能である。制御マトリックス800における電圧源(図示せず)が、書込み許可電圧を、選択された行に対応する行ライン相互接続824に印加する。書込み許可された行の行ライン相互接続824に対する電圧の印加は、対応する行ラインにおける画素804のデータ読み出しトランジスタ834をオンにし、それによって画素を書込み許可する。画素804の選択された行が書込み許可されている間、データ電圧源は、適切なデータ電圧を制御マトリックス800における画素804の各列に対応する列相互接続802に印加する。列相互接続802に印加される電圧は、それによって、それぞれの画素804のデータ保存キャパシタ838に格納される。いくつかの実装形態では、列相互接続802に印加される電圧は、負でも正でもよい(たとえば、−5ボルトから5ボルトにわたる)。
【0101】
光変調アセンブリ700に示される本体は、基板に対して横方向に移動し、光を遮断するまたは通過させるために、開口714上に移動する。いくつかの実装形態では、本体702の開口部716は、開口714に整合し、光が開口714を通過できるようにすることができる。いくつかの実装形態では、本体702の開口部716は、開口714上に部分的に重なり、一部の光が開口を通過し、一部の光が開口を通過するのを遮断するようにすることができる。いくつかの実装形態では、本体702の開口部716は、開口714に実質的にまったく整合せず、それによって、すべての光が開口714を通過するのを遮断する。
【0102】
たとえば、第1の位置で、本体702は、開口714とまったく重ならず、それによって、光が開口714を通過することができる。いくつかの実装形態では、第1の位置にある間、本体702は、開口714に部分的に重なり、一部の光が開口714を通過し、一部の光が開口714を通過するのを遮断するようにすることができる。
【0103】
図9は、ディスプレイデバイス900の一部の一例の平面図である。特に、
図9は、基板904の上に配置された、たとえば
図4Aおよび
図4Bに関して説明した光変調器アセンブリ400など、光変調器アセンブリ902のアレイを含む、
図5に示されるディスプレイの簡略平面図を示す。光変調器アセンブリ902のアレイは、ディスプレイにおいて画素に配置され、
図7A〜
図7Cに関して説明したように機能し得る。光変調器アセンブリ902は、
図7A〜
図7Cに関して説明したように光変調本体、または、本明細書で説明する光変調器のうちの任意のものを含むことができる。たとえば、
図9の光変調アセンブリ902は、異なるサイズのコンプライアント電極を含む。しかしながら、様々な実装形態では、光変調器アセンブリ902は、
図7Aの光変調アセンブリ700に関して示し、説明したような構成を含み得る。一実装形態では、基板904は、たとえばガラスまたはプラスチックなどの透明材料から作られ、ディスプレイ平面にわたって光源906、908および910から均一に分散する光の光ガイドとして機能する。
図9に示される例は3つの光源を含むが、必要に応じて、より多いまたはより少ない光源が使用され得る。一例では、光源906、908、および910は、たとえばそれぞれ赤、緑、青の光源など異なる色のものでもよい。
【0104】
限定はしないが、白熱光源、蛍光光源、レーザーまたは発光ダイオード(LED)を含む、いくつかの異なるタイプの光源906、908および910がディスプレイデバイス900で採用され得る。さらに、ディスプレイデバイス900の光源906、908、および910は、複数の光源を含む単一のアセンブリに結合され得る。たとえば、赤、緑、青のLEDの組合せは、小さい半導体チップの白色LEDと結合または置換され得、または小さいマルチ光源パッケージに統合され得る。同様に、各光源は、たとえば赤、黄、緑、および青色LEDの組合せなど、4色のLEDのアセンブリを表すことができる。
【0105】
光変調器アセンブリ902のアレイは、光源906、908および910によって発せられる光を変調するように機能する。いくつかの実装形態では、光変調器アセンブリ902のアレイは、環境から発生する光を変調する。たとえば
図3に記載されている制御マトリックス300など、関連する制御マトリックスからの電気信号を使用して、光変調器アセンブリ902のアレイは、
図7A〜
図7Cに関して説明した方法で開状態または閉状態に設定され得る。開状態では、光変調本体902は、光源906、908および910からの光が見ている人まで通過できるようにし、それによって、直視型画像を形成する。いくつかの実装形態では、光変調器アセンブリ902は、画像を形成するために、外側の光源から、または環境から見ている人に対して光を反射することができる。
【0106】
ディスプレイデバイス900において、光変調器アセンブリ902は、見ている人の方を向く基板904の表面に形成される。他の実装形態では、基板904は逆転され得、したがって、光変調器は、見ている人から離れた方を向く表面に形成される。いくつかの実装形態では、開口層は、基板904の一番上の面に直接形成される。開口層は、開口912を含む。他の実装形態では、開口912を含む開口層は、光変調本体902のアレイが形成される基板以外の分離した基板(図示せず)に配置されている。光変調器アセンブリ902は、
図7A〜
図7Cに関して上述したような類似の方法で、これらの開口に関して光を変調する。
【0107】
変形および変更を、本出願の原理から実質的に逸脱することなく、上記で説明した実装形態に加えることができる。そのような変形および変更は、添付の請求の範囲内にも含まれるものとする。したがって、上記の実装形態は、あらゆる点で適用の制限よりもむしろ例示と見なされるものとする。
高速のスイッチング速度を維持しながら、ディスプレイにおけるそれぞれの光変調本体の総移動距離を増加させることによって、ディスプレイの開口比を増加させるためのシステム、装置、および方法が提供される。総移動距離を増加させることによって、ディスプレイにおけるより大きい開口比が可能になり、これは、より大きい節電、および表示輝度の増加を提供する。光変調本体の総移動距離は、本体が開位置から閉位置に、およびその逆に移動する距離を含む。一例では、光変調本体(たとえば、上述した光変調本体のうちの任意のもの)の移動距離は非対称であり、中立位置から、本体は、第2の方向よりも第1の方向により大きい距離を移動する。