特許第5872214号(P5872214)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コヴィディエン リミテッド パートナーシップの特許一覧

特許5872214ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材
<>
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000002
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000003
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000004
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000005
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000006
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000007
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000008
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000009
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000010
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000011
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000012
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000013
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000014
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000015
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000016
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000017
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000018
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000019
  • 特許5872214-ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材 図000020
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872214
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】ブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20160216BHJP
   A61B 17/00 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   A61B17/34
   A61B17/00 320
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-196351(P2011-196351)
(22)【出願日】2011年9月8日
(65)【公開番号】特開2012-66073(P2012-66073A)
(43)【公開日】2012年4月5日
【審査請求日】2014年7月29日
(31)【優先権主張番号】61/384,893
(32)【優先日】2010年9月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/212,232
(32)【優先日】2011年8月18日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507362281
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー フィッシュボイト
(72)【発明者】
【氏名】ロバート シー. スミス
【審査官】 八木 敬太
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−501711(JP,A)
【文献】 特開2008−296027(JP,A)
【文献】 特開2006−289083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
A61B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科塞栓子であって、該外科塞栓子は、
長手方向軸を規定する長細いシャフトと、
該長細いシャフトの遠位端に隣接して配置される塞栓子部材と
を含み、
該塞栓子部材が、
近位部分であって、該近位部分が、該近位部分の全長に沿って凸状であり、該近位部分が、半径方向に対向しかつ遠位に延在する一対の領域と、半径方向に対向しかつ近位に配置される一対の領域とを含み、該遠位に延在する領域および該近位に配置される領域が、該近位部分の円周の縁が波状になるように交互の態様で該近位部分の円周に沿って配置される、近位部分と、
該近位部分に隣接して配置される中央部分であって、該中央部分が、第1の対の表面と第2の対の表面とを含み、該第1の対の表面が、互いに対して該中央部分の半径方向に対向する側面上に配置され、それぞれの該遠位に延在する領域と長手方向に連続して配置され、該第2の対の表面が、該第1の対の表面の間に配置され、それぞれの該近位に配置される領域と長手方向に連続して配置され、互いに対して該中央部分の半径方向に対向する側面上にさらに配置され該第1の対の表面の各々の全長が凹状であり、該第2のの表面の各々の全長が凸状である、中央部分と、
該中央部分の遠位に配置され、丸い最遠位部分を含むガイドナブであって、該ガイドナブの長さの大半が円筒形である、ガイドナブと
を含む、外科塞栓子。
【請求項2】
前記ガイドナブの前記丸い最遠位部分は、組織に対して非外傷性である、請求項1に記載の外科塞栓子。
【請求項3】
前記ガイドナブの長さの大半は前記長手方向軸と概ね平行である、請求項1に記載の外科塞栓子。
【請求項4】
前記中央部分の一部分の横断面は概ね楕円形である、請求項1に記載の外科塞栓子。
【請求項5】
前記近位部分の最近位部分の横断面は円である、請求項1に記載の外科塞栓子。
【請求項6】
前記近位部分の少なくとも一部分は、該近位部分の最近位表面と前記ガイドナブの前記最遠位部分との間に配置される想像線の外側へ半径方向に延在する、請求項1に記載の外科塞栓子。
【請求項7】
前記中央部分の少なくとも一部分は、前記想像線の外側へ半径方向に延在する、請求項6に記載の外科塞栓子。
【請求項8】
前記ガイドナブの少なくとも一部分は、前記想像線の外側へ半径方向に延在する、請求項7に記載の外科塞栓子。
【請求項9】
前記ガイドナブの長さの大半は円筒形であり、該ガイドナブの該円筒形部分の少なくとも一部分は前記想像線の外側へ半径方向に延在する、請求項7に記載の外科塞栓子。
【請求項10】
前記塞栓子部材の少なくとも一部分は、透明と半透明とのうちの1つである、請求項1に記載の外科塞栓子。
【請求項11】
外科トロカールアセンブリであって、該外科トロカールアセンブリは、
カニューレと、
外科塞栓子と
を含み、
該外科塞栓子の少なくとも一部分が、該カニューレを通す挿入のために構成され、該外科塞栓子が、
塞栓子ハウジングと、
該塞栓子ハウジングから遠位に延在し、長手方向軸を規定する長細いシャフトと、
該長細いシャフトの遠位端に隣接して配置される塞栓子部材と
を含み、
該塞栓子部材が、
近位部分であって、該近位部分が、該近位部分の全長に沿って凸状であり、該近位部分が、遠位に延在する領域および近位に配置される領域を含み、該近位部分の円周の縁が波状になるように該近位に配置される領域が該近位部分の円周に沿って該遠位に延在する領域に隣接する、近位部分と、
該近位部分に隣接して配置され、第1の表面および第2の表面を含む中央部分であって、該第1の表面が、該遠位に延在する領域と長手方向に連続し、該第2の表面が、該近位に配置される領域と長手方向に連続し、該中央部分の円周の周りに該第1の表面に対して約90度で配置され、該第1の表面の全長が凹状であり、該第2の表面の全長が凸状である、中央部分と、
該中央部分から遠位に延在し、丸い最遠位部分を含むガイドナブであって、該ガイドナブの長さの大半が円筒形である、ガイドナブと
を含む、外科トロカールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2010年9月21日に出願した米国仮出願シリアル番号第61/384,893号の利益および優先権を主張する。上記仮出願の全内容が参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本開示は、概して、内視鏡手順において組織を通してガイドするためのブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材に関し、より具体的には、外科手順の間に腹腔膜の鈍的解剖のためのブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(要約)
本発明は、そのさまざまな例の実施形態に従って、長手方向軸を規定する長細いシャフトと、長細いシャフトの遠位端に隣接して配置される塞栓子部材とを含む外科塞栓子に関する。塞栓子部材は、近位部分であって、近位部分の長さの大半に沿って凸状である近位部分と、近位部分に隣接して配置される中央部分であって、中央部分が、互いに対して中央部分の半径方向の反対の側面上に配置される第1の対の表面と、第1の対の表面の間に配置され、そして互いに対して中央部分の半径方向の反対の側面上にさらに配置される第2の組の表面とを含み、少なくとも、第1の対の表面の各々の長さの一部分が、凹状であり、少なくとも、第2の組の表面の各々の長さの一部分が、凸状である、中央部分と、中央部分の遠位に配置され、かつ丸い最遠位部分を含むガイドナブとを含み得る。ガイドナブの丸い最遠位部分は、組織に対して非外傷性であるかもしれない。ガイドナブの長さの大半は、円筒形であり得、そして/またはガイドナブの長さの大半は、長手方向軸と概ね平行であり得る。中央部分の一部分の横断面は、概ね楕円形であり得、または、他の実施形態において、円であり得る。いくつかの実施形態において、少なくとも、近位部分の一部分は、近位部分の最近位表面とガイドナブの最遠位部分との間に配置される想像線の外側へ半径方向に延在し得る。少なくとも、中央部分の一部分は、想像線の外側へ半径方向に延在し得る。さらにまたは代替的に、少なくとも、ガイドナブの一部分は、想像線の外側へ半径方向に延在し得る。さまざまな実施形態において、第1の対の表面の各々の全長は、凹状であり得、第2の組の表面の各々の全長は、凸状であり得る。近位部分は、近位部分の全長に沿って凸状であり得る。有利に、少なくとも、塞栓子部材の一部分は、透明と半透明とのうちの1つであり得る。
【0004】
他の実施形態において、本発明は、カニューレと、外科塞栓子とを含む外科トロカールアセンブリに関し得、少なくとも、外科塞栓子の一部分が、カニューレを通す挿入のために構成される。外科塞栓子は、塞栓子ハウジングと、塞栓子ハウジングから遠位に延在し、かつ長手方向軸を規定する長細いシャフトと、長細いシャフトの遠位端に隣接して配置される塞栓子部材とを含み得る。塞栓子部材は、近位部分を含み得、近位部分が、近位部分の長さの大半に沿って凸状である。塞栓子部材はまた、近位部分に隣接して配置され、かつ第1の表面および第2の表面を含む中央部分を含み得る。第2の表面は、中央部分の円周で、第1の表面に対して約90度で配置され得る。第1の表面の長さの大半は、凹状であり得、第2の表面の長さの大半は、凸状であり得る。塞栓子部材は、中央部分から遠位に延在するガイドナブも含み得、そして丸い最遠位部分を含み得る。
【0005】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
外科塞栓子であって、該外科塞栓子は、
長手方向軸を規定する長細いシャフトと、
該長細いシャフトの遠位端に隣接して配置される塞栓子部材と
を含み、
該塞栓子部材が、
近位部分であって、該近位部分の長さの大半に沿って凸状である、近位部分と、
該近位部分に隣接して配置される中央部分であって、該中央部分が、互いに対して該中央部分の半径方向に対向する側面上に配置される第1の対の表面と、該第1の対の表面の間に配置され、互いに対して該中央部分の半径方向に対向する側面上にさらに配置される第2の組の表面とを含み、該第1の対の表面の各々の長さの少なくとも一部分が凹状であり、該第2の組の表面の各々の長さの少なくとも一部分が凸状である、中央部分と、
該中央部分の遠位に配置され、丸い最遠位部分を含むガイドナブと
を含む、外科塞栓子。
(項目2)
上記ガイドナブの上記丸い最遠位部分は、組織に対して非外傷性である、上記項目のいずれかに記載の外科塞栓子。
(項目3)
上記ガイドナブの長さの大半は円筒形である、上記項目のいずれかに記載の外科塞栓子。
(項目4)
上記ガイドナブの長さの大半は上記長手方向軸と概ね平行である、上記項目のいずれかに記載の外科塞栓子。
(項目5)
上記中央部分の一部分の横断面は概ね楕円形である、上記項目のいずれかに記載の外科塞栓子。
(項目6)
上記近位部分の最近位部分の横断面は円である、上記項目のいずれかに記載の外科塞栓子。
(項目7)
上記近位部分の少なくとも一部分は、該近位部分の最近位表面と上記ガイドナブの上記最遠位部分との間に配置される想像線の外側へ半径方向に延在する、上記項目のいずれかに記載の外科塞栓子。
(項目8)
上記中央部分の少なくとも一部分は、上記想像線の外側へ半径方向に延在する、上記項目のいずれかに記載の外科塞栓子。
(項目9)
上記ガイドナブの少なくとも一部分は、上記想像線の外側へ半径方向に延在する、上記項目のいずれかに記載の外科塞栓子。
(項目10)
上記ガイドナブの長さの大半は円筒形であり、該ガイドナブの該円筒形部分の少なくとも一部分は上記想像線の外側へ半径方向に延在する、上記項目のいずれかに記載の外科塞栓子。
(項目11)
上記第1の対の表面の各々の全長は凹状であり、上記第2の組の表面の各々の全長は凸状である、上記項目のいずれかに記載の外科塞栓子。
(項目12)
上記近位部分は該近位部分の全長に沿って凸状である、上記項目のいずれかに記載の外科塞栓子。
(項目13)
上記塞栓子部材の少なくとも一部分は、透明と半透明とのうちの1つである、上記項目のいずれかに記載の外科塞栓子。
(項目14)
外科トロカールアセンブリであって、該外科トロカールアセンブリは、
カニューレと、
外科塞栓子と
を含み、
該外科塞栓子の少なくとも一部分が、該カニューレを通す挿入のために構成され、該外科塞栓子が、
塞栓子ハウジングと、
該塞栓子ハウジングから遠位に延在し、長手方向軸を規定する長細いシャフトと、
該長細いシャフトの遠位端に隣接して配置される塞栓子部材と
を含み、
該塞栓子部材が、
近位部分であって、該近位部分の長さの大半に沿って凸状である、近位部分と、
該近位部分に隣接して配置され、第1の表面および第2の表面を含む中央部分であって、該第2の表面が、該中央部分の円周の周りに該第1の表面に対して約90度で配置され、該第1の表面の長さの大半が凹状であり、該第2の表面の長さの大半が凸状である、中央部分と、
該中央部分から遠位に延在し、丸い最遠位部分を含むガイドナブと
を含む、外科トロカールアセンブリ。
【0006】
(摘要)
外科塞栓子は、長手方向軸を規定する長細いシャフトと、長細いシャフトの遠位端に隣接して配置される塞栓子部材とを含む。塞栓子部材は、近位部分を含み得、近位部分が、近位部分の長さの大半に沿って凸状である。塞栓子部材はまた、近位部分に隣接して配置される中央部分を含み得、中央部分が、互いに対して中央部分の半径方向の反対の側面上に配置される第1の対の表面と、第1の対の表面の間に配置され、そして互いに対して中央部分の半径方向の反対の側面上にさらに配置される第2の組の表面とを含み、少なくとも、第1の対の表面の各々の長さの一部分が、凹状であり、少なくとも、第2の組の表面の各々の長さの一部分が、凸状である。塞栓子部材はまた、中央部分の遠位に配置され、かつ丸い最遠位部分を含むガイドナブを含み得る。ガイドナブの丸い最遠位部分は、組織に対して非外傷性であるかもしれない。
【0007】
本開示されたブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材のさまざまな実施形態は、図面に関連して本明細書に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、ブレードレス塞栓子であって、その遠位端でブレードレス塞栓子部材の第1の実施形態を含むブレードレス塞栓子の透視図である。
図2図2は、図1のブレードレス塞栓子部材の透視図である。
図3図3は、図1のブレードレス塞栓子部材の上部平面図であり、底部平面図が、上部平面図の鏡像である。
図4図4は、ブレードレス塞栓子部材の遠位端の方を向いて、ブレードレス塞栓子部材の近位端から観察される図1のブレードレス塞栓子部材の近位端の図である。
図5図5は、ブレードレス塞栓子部材の近位端の方を向いて、ブレードレス塞栓子部材の遠位端から観察される図1のブレードレス塞栓子部材の遠位端の図である。
図6図6は、図1のブレードレス塞栓子部材の右側の正面図であり、左側の正面図が、右側の正面図の鏡像である。
図7図7は、ブレードレス塞栓子であって、その遠位端でブレードレス塞栓子部材の第2の実施形態を含むブレードレス塞栓子の透視図である。
図8図8は、図7のブレードレス塞栓子部材の透視図である。
図9図9は、図7のブレードレス塞栓子部材の上部平面図であり、底部平面図が、上部平面図の鏡像である。
図10図10は、ブレードレス塞栓子部材の遠位端の方を向いて、ブレードレス塞栓子部材の近位端から観察される図7のブレードレス塞栓子部材の近位端の図である。
図11図11は、ブレードレス塞栓子部材の近位端の方を向いて、ブレードレス塞栓子部材の遠位端から観察される図7のブレードレス塞栓子部材の遠位端の図である。
図12図12は、図7のブレードレス塞栓子部材の右側の正面図であり、左側の正面図が、右側の正面図の鏡像である。
図13図13は、ブレードレス塞栓子であって、その遠位端でブレードレス塞栓子部材の第3の実施形態を含むブレードレス塞栓子の透視図である。
図14図14は、図13のブレードレス塞栓子部材の透視図である。
図15図15は、図13のブレードレス塞栓子部材の上部平面図である。
図16図16は、図13のブレードレス塞栓子部材の底部平面図である
図17図17は、ブレードレス塞栓子部材の遠位端の方を向いて、ブレードレス塞栓子部材の近位端から観察される図13のブレードレス塞栓子部材の近位端の図である。
図18図18は、ブレードレス塞栓子部材の近位端の方を向いて、ブレードレス塞栓子部材の遠位端から観察される図13のブレードレス塞栓子部材の遠位端の図である。
図19図19は、図13のブレードレス塞栓子部材の右側の正面図であり、左側の正面図が、右側の正面図の鏡像である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(詳細な説明)
本開示されたブレードレス塞栓子およびブレードレス塞栓子部材の実施形態は、図面に関連して詳細に説明され、同様の参照数字が、いくつかの図面の各々において対応する構成要素を明記する。
【0010】
本開示の各実施形態のブレードレス塞栓子100は、塞栓子シャフト120と、塞栓子ハウジング140と、ブレードレス塞栓子部材200を含む。塞栓子シャフト120は、塞栓子ハウジング140から遠位に延在する。ブレードレス塞栓子部材200は、塞栓子シャフト120の遠位端に隣接して配置される。ブレードレス塞栓子部材200は、カニューレアセンブリ1000を通して、組織内に挿入可能である。ブレードレス塞栓子部材200の3つの実施形態は、添付した図面に示され、図1〜6が、ブレードレス塞栓子部材の第1の実施形態200aを例示し、図7〜12が、ブレードレス塞栓子部材の第2の実施形態200bを例示し、そして図13〜19が、ブレードレス塞栓子部材の第3の実施形態200cを例示する。
【0011】
図1〜6に関連して、ブレードレス塞栓子部材の第1の実施形態200aが示される。ブレードレス塞栓子部材200aは、近位部分220aと、中央部分240aと、丸いガイドナブ260aとを含む。(湾曲を例示するように示された)想像線280aは、中央部分240aに対して近位部分220aを示す。
【0012】
特に、図3に関連して、ブレードレス塞栓子部材の220aの上面図が示される。この図において、近位部分220aは、1組の凸状表面222aと、1組の凹状表面242aを含む中央部分240aとを含む。丸いガイドナブ260aは、中央部分240aから遠位に延在し、概ね円筒形であり、そして例えば、半径曲線によって規定され、組織に対して非外傷性である丸い最遠位部分262aを含む。さらに、図3において円錐を表す想像線に関して示されるように、ブレードレス塞栓子部材200aの近位部分220aと丸いガイドナブ260aとの両方の一部分は、円錐の範囲の外側にある。
【0013】
ブレードレス塞栓子部材200aの遠位−近位図を例示する図5に関連して、丸いガイドナブ260aの末端図は、円形であり、中央部分240aの末端図は、楕円形であり、そして近位部分220aの末端図は、円形である。図4は、ブレードレス塞栓子部材200aの近位−遠位図を例示し、その内部管腔を示す。
【0014】
図6に関連して、ブレードレス塞栓子部材200aの側面図が示される。ブレードレス塞栓子部材200aのこの図は、図3のブレードレス塞栓子部材200aの上面図から半径方向で90度をオフセットされる。この図において、近位部分220aの外表面224aは、概ね直線およびまたは凸状であり、中央部分240aの外表面244aは、凸状である。すなわち、中央部分240aは、凹状部分(図3)と凸状部分(図6)との両方を含む。さらに、図6において円錐を表す想像線に関連して示されるように、ブレードレス塞栓子部材200aの近位部分220aと、中央部分240aと、丸いガイドナブ260aとの一部分は、円錐の範囲の外側にある。
【0015】
丸いガイドナブ260aは、組織の開口部、例えば、事前に切断された外科用メスの切開内に最初の挿入を可能にし、そして組織の他の切断または切開なしに、組織をやさしく解剖するために、組織層の間にブレードレス塞栓子部材200aの前進を容易にする。最初の挿入および続いた遠位挿入の後に、中央部分240aと近位部分220aとは、組織の開口部をやさしく拡大し続ける。
【0016】
さまざまな実施形態において、少なくとも、ブレードレス塞栓子部材200aの一部分は、透明および/または半透明である。これらの実施形態において、透明/半透明のブレードレス塞栓子部材200aは、例えば、ブレードレス塞栓子100および/または器具の挿入および/または前進の間に、ブレードレス塞栓子部材200aに隣接する組織を観察することを容易にする。
【0017】
図7〜12に関連してブレードレス塞栓子部材の第2の実施形態200bが示される。ブレードレス塞栓子部材200bは、円錐形部分220bと、丸いガイドナブ260bとを含む。
【0018】
特に、図9に関連して、ブレードレス塞栓子部材200bの上面図が示される。この図において、円錐形部分220bは、1組の概ね直線の表面222bを含む。丸いガイドナブ260bは、円錐形部分220bから遠位に延在し、概ね円筒形であり、そして例えば、半径曲線によって規定され、組織に対して非外傷性である丸い最遠位部分262bを含む。
【0019】
ブレードレス塞栓子部材220bの遠位−近位図を例示する図11に関連して、丸いガイドナブ260bの末端図は、円形であり、そして円錐形部分220bの末端図は、円形である。図10は、ブレードレス塞栓子部材200bの近位−遠位図を例示し、その内部管腔を示す。
【0020】
図12に関連して、ブレードレス塞栓子部材200bの側面図が示される。ブレードレス塞栓子部材200bのこの図は、図9のブレードレス塞栓子部材200bの上面図から半径方向で90度をオフセットされる。この図において、近位部分220bの外表面224bは、概ね直線ある。
【0021】
丸いガイドナブ260bは、組織の開口部、例えば、事前に切断された外科用メスの切開内に最初の挿入を可能にし、そして組織の他の切断または切開なしに、組織をやさしく解剖するために、組織層の間にブレードレス塞栓子部材200bの前進を容易にする。最初の挿入および続いた遠位挿入の後に、円錐形部分220bは、組織の開口部をやさしく拡大し続ける。
【0022】
さまざまな実施形態において、少なくとも、ブレードレス塞栓子部材200bの一部分は、透明および/または半透明である。これらの実施形態において、透明/半透明のブレードレス塞栓子部材200bは、例えば、ブレードレス塞栓子100および/または器具の挿入および/または前進の間に、ブレードレス塞栓子部材200bに隣接する組織を観察することを容易にする。
【0023】
図13〜19に関連して、ブレードレス塞栓子部材の第3の実施形態200cが示される。ブレードレス塞栓子部材200cは、近位部分220cと、中央部分240cと、丸いガイドナブ260cとを含む。波線280cは、近位部分220cを中央部分240cと分ける。
【0024】
特に、図15に関連して、ブレードレス塞栓子部材の200cの上面図が示される。この図において、近位部分220cは、1組の概ね直線/凸状表面222cを含み、表面の大半が、塞栓子シャフト120によって規定される長手方向軸と概ね平行である。この図において、中央部分240cは、丸いガイドナブ260cに向かって先細にされる1組の概ね直線表面242cを含む。丸いガイドナブ260cは、中央部分240cから遠位に延在し、概ね円筒形であり、そして例えば、半径曲線によって規定され、組織に対して非外傷性である丸い最遠位部分262cを含む。
【0025】
図16に関連して、ブレードレス塞栓子部材200cの底面図が示される。この図において、中央部分240cの表面244cは、長手方向軸に対して概ね平行である近位部分と、丸いガイドナブ260cに向かって先細にされる遠位部分とを含む。
【0026】
ブレードレス塞栓子部材200cの遠位−近位図を例示する図18に関連して、丸いガイドナブ260cの末端図は、円形であり、中央部分240cの末端図は、円形であり、そして近位部分220cの末端図は、円形である。図17は、ブレードレス塞栓子部材200cの近位−遠位図を例示し、その内部管腔を示す。
【0027】
図19に関連して、ブレードレス塞栓子部材200cの側面図が示される。ブレードレス塞栓子部材200cのこの図は、図15のブレードレス塞栓子部材200cの上面図から半径方向で90度をオフセットされる。この図において、近位部分220cの外表面226c(上部の表面)は、概ね直線であり、丸いガイドナブ260cに向かって先細にされ、近位部分220cの外表面226c(低い方の表面)は、概ね直線であり、かつ長手方向軸に概ね平行である。中央部分の外側面246cは、丸いガイドナブ260cに向かって、概ね直線に先細にされる。
【0028】
従って、図13〜19に関連して認識され得るように、ブレードレス塞栓子部材200cの中央部分240cは、概ね(3つの面を有する)ピラミッドの形状であり、そして3つの面の各々の間の交差で平坦な部分250cを含む。さらに、中央部分240cの近位表面は、波線280cによって規定されるような波状である。
【0029】
丸いガイドナブ260cは、組織の開口部、例えば、事前に切断された外科用メスの切開内に最初の挿入を可能にし、そして組織の他の切断または切開なしに、組織をやさしく解剖するために、組織層の間にブレードレス塞栓子部材200cの前進を容易にする。最初の挿入および続いた遠位挿入の後に、中央部分240cと近位部分220cとは、組織の開口部をやさしく拡大し続ける。
【0030】
さまざまな実施形態において、少なくとも、ブレードレス塞栓子部材200cの一部分は、透明および/または半透明である。これらの実施形態において、透明/半透明のブレードレス塞栓子部材200cは、例えば、ブレードレス塞栓子100および/または器具の挿入および/または前進の間に、ブレードレス塞栓子部材200cに隣接する組織を観察することを容易にする。
【0031】
使用中、ブレードレス塞栓子100は、カニューレアセンブリ1000内に導入され、組み立てられたユニットは、目標組織、例えば、腹腔膜に当って位置決定される。ブレードレス塞栓子部材200は、組織に対して操作され、それによって、丸いガイドナブ260は、組織を係合し、そして下にある体腔へのアクセスを得るように組織をやさしく解剖し、または分離する。ブレードレス塞栓子100は、次に、カニューレアセンブリ1000から取り外され得る。器具は、外科手順を行うために、カニューレアセンブリ1000内に導入され得る。
【0032】
本開示のさまざまな実施形態は、図面で示されるが、本開示が、技術が可能にする範囲ほど広く、本明細書も同様に読まれることが意図されるように、本開示が実施形態に限定されることは意図されていない。そのゆえ、上の説明は、限定としてではなく、むしろ単にさまざまな実施形態の代表的な例として構成されるべきである。当業者は、本開示の範囲および真意内の他の修正を予想する。
【符号の説明】
【0033】
100 塞栓子
120 塞栓子シャフト
140 塞栓子ハウジング
200a 塞栓子部材
1000 カニューレアセンブリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19