特許第5872343号(P5872343)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5872343電源タップ用親機、及び電源タップ制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872343
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】電源タップ用親機、及び電源タップ制御システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20160216BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   H04Q9/00 301D
   H04Q9/00 311S
   H02J13/00 311K
   H02J13/00 311B
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-65203(P2012-65203)
(22)【出願日】2012年3月22日
(65)【公開番号】特開2013-198043(P2013-198043A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2014年8月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】399041158
【氏名又は名称】西日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【復代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100084858
【弁理士】
【氏名又は名称】東尾 正博
(74)【代理人】
【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由
(72)【発明者】
【氏名】玉田 妙子
【審査官】 宮田 繁仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−060672(JP,A)
【文献】 特開2011−014975(JP,A)
【文献】 特開2008−193307(JP,A)
【文献】 特開2007−194929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03J 9/00− 9/06
H04Q 9/00− 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
子機として複数の電源タップ(10)を登録可能に設けられ、かつ自己に登録された電源タップとコンピュータネットワークを構築する電源タップ用親機(20)において、
無線通信を行う無線通信部(21)と、
単相3線式のL1相又はL2相の一系統を伝送路とした電力線通信を行うPLC通信部(22)と、
登録された前記電源タップ(10)ごとに、当該電源タップ(10)との通信に用いる通信手段を前記無線通信部(21)及び前記PLC通信部(22)の中から所定の判定処理で選択する通信手段判定部(24)と、
を備え、
前記判定処理は、前記一系統と同系統に接続されている前記電源タップとの通信に前記PLC通信部を選択し、前記一系統と異系統に接続されている前記電源タップ(10)との通信に前記無線通信部(21)を選択する処理になっていることを特徴とする電源タップ用親機。
【請求項2】
前記電源タップ(10)の固有識別情報、前記無線通信部(21)を用いた当該電源タップ(10)への通信の可否情報、及び前記PLC通信部(22)を用いた当該電源タップ(10)への通信の可否情報を対応付けて登録する子機情報記憶部(23)をさらに備え、
前記判定処理は、前記子機情報記憶部(23)に登録されている前記可否情報に基いて前記無線通信部(21)又は前記PLC通信部(22)を選択する処理になっている請求項1に記載の電源タップ用親機。
【請求項3】
一個以上の電源タップ(10)と、請求項1又は2に記載の電源タップ用親機(20)とからなり、
前記電源タップ(10)は、前記電源タップ用親機(20)の無線通信部(21)に対応する無線通信部(11)と、前記電源タップ用親機(20)のPLC通信部(22)に対応するPLC通信部(12)とを備えている電源タップ制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、子機として複数の電源タップを登録可能に設けられ、かつ自己に登録された電源タップとコンピュータネットワークを構築する電源タップ用親機、及びこれを用いた電源タップ制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各家庭において機器単位で消費電力の把握、電源ON/OFFの遠隔制御を行うことが望まれるようになっている。この需要に応えるため、電源タップと、電源タップ用親機とがコンピュータネットワークを構築し、消費電力、リレーON/OFFといった所定項目について刃受、電源タップといった所定単位で制御可能な電源タップ制御システムが利用されている。この種の電源タップ制御システムでは、電源タップ用親機が、使用者宅内のパーソナルコンピュータ、インターネット等を介して電源タップ用親機と接続されている使用者の携帯端末、インターネットを介して電源タップ用親機と接続されているサービスセンタの管理サーバといった他のコンピュータから受信した命令や、自己に実装された所定のプログラムに従って、電源タップへ消費電力、電源ON/OFFといった監視項目の報告命令、リレーON/OFFの切替命令といった各種の制御信号を送信し、これを受信した電源タップが、応答するようになっている。電源タップ用親機は、他のコンピュータから受信した命令や、自己に実装された所定のプログラムに従って、電源タップから取得した監視項目の情報を他のコンピュータに送信する。使用者は、他のコンピュータに実装された閲覧プログラムにより、消費電力等を画面出力で確認することができるようになっている。
【0003】
従来、電源タップ用親機と電源タップの通信には、IEEE802.11シリーズに係る無線LAN規格や、IEEE802.15.4シリーズに係るZigbee、Z-Waveといった無線通信規格が採用されている(例えば、特許文献1、非特許文献1)。無線通信においては、電源タップ用親機と電源タップとの間に、一以上の他の電源タップが中継局として介在するマルチホップ通信を実現することにより、電源タップ用親機と電源タップとの直通無線通信が不可な場合においても、他の電源タップを中継局として通信エリアを拡大することが可能である。このため、使用者が子機として電源タップを配置可能な範囲を拡大することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−112155号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「NTT技術ジャーナル 2011 vol.23 No.9」:第36頁〜第39頁:「スマートコミュニティ実現に向けた技術開発の取り組み」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般家庭に電源タップ制御システムを普及するには、電源タップ用親機、電源タップを電波法上、免許を要しない無線局にすることが必要である。このような宅内無線通信は、小電力なので、電波が強くなく、障害物の有無、部屋跨ぎ、階跨ぎなどの悪条件になるエリアに電源タップを配置する場合、親機や他の電源タップと通信不可であったり、通信の安定性が不足したりすることがある。
【0007】
そこで、この発明が解決しようとする課題は、電源タップ用親機と、子機として登録されている電源タップの通信が可能な宅内エリアを拡大することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、この発明は、無線通信の限界を補い、使用者が子機として電源タップを配置可能な位置範囲の拡大に貢献する通信手段として、単相3線式のL1相又はL2相の一系統を伝送路とした電力線通信を採用する。この電力線通信には、L1相の系統に接続された端末と、L2相の系統に接続された端末間で実用的な通信品質の確保を期待できない特徴がある。そこで、この発明に係る電源タップ用親機は、無線通信を行う無線通信部と、前記電力線通信を行うPLC通信部と、自己に登録された電源タップごとに、当該電源タップとの通信に用いる通信手段を前記無線通信部及び前記PLC通信部の中から所定の判定処理で選択する通信手段判定部とを備える。この判定処理では、電源タップ用親機と異系統に接続されている電源タップとの通信に無線通信を選択する。したがって、使用者は、無線通信手段をもった電源タップを電源タップ用親機に登録し、無線通信可能なエリアにおいては、従来通り、L1相又はL2相の適宜のコンセントに接続することができる。また、前記の判定処理では、無線通信が不可能で、かつ電源タップ用親機と同系統に接続されている電源タップとの通信に電力線通信を選択する。したがって、使用者は、無線通信不可能なエリアにおいては、電力線通信手段をもった電源タップを電源タップ用親機に登録し、電源タップ用親機と同系統のコンセントに接続することができ、この分、電源タップ用親機と、子機として登録されている電源タップの通信が可能な宅内エリアが拡大される。
【0009】
この発明において、無線通信可能かつ電力線通信も可能なコンセントに電源タップを接続する場合、当該電源タップと電源タップ用親機の通信に無線通信、電力線通信のどちらを用いてもよい。一般に電力線通信は無線通信より安定し易いため、なるべく電力線通信を使用することが好ましい。すなわち、前記判定処理においては、前記PLC通信部を前記無線通信部より優先的に選択することが好ましい。
【0010】
前記電源タップ用親機は、前記電源タップの固有識別情報、前記無線通信部を用いた当該電源タップへの通信の可否情報、及び前記PLC通信部を用いた当該電源タップへの通信の可否情報を対応付けて登録する子機情報記憶部をさらに備え、前記判定処理は、前記子機情報記憶部に登録されている前記可否情報に基いて前記無線通信部又は前記PLC通信部を選択する処理になっていることも好ましい。一般に、電源タップが同じコンセントに接続されている限り、無線通信、電力線通信による電源タップへの到達性が変化しない、と考えられる。ある電源タップへの無線通信、電力線通信の到達性は、最初の通信時に親機側で判別可能なので、無線通信部、PLC通信部を用いた通信の可否情報を固有識別情報と対応付けて子機情報記憶部に登録することができる。この登録後、仮に到達性が無くなっても、直後の通信時に親機側で子機情報記憶部を更新することができる。電源タップ用親機は、電源タップとの通信ごとに通信手段の選択を行うが、選択の都度、無線通信部、PLC通信部で物理的に到達性を確認せずに済み、判定処理を迅速に終えることができる。
【0011】
一個以上の電源タップと、この発明に係る電源タップ用親機とからなる電源タップ制御システムを構築する場合、前記電源タップは、前記電源タップ用親機の無線通信部に対応する無線通信部と、前記電源タップ用親機のPLC通信部に対応するPLC通信部とを備えていることが好ましい。親機側で選択する無線通信部、PLC通信部と対応する無線通信部、PLC通信部を備えている電源タップを用いれば、使用者は、無線通信可能なエリアであるか、電源タップ用親機と同系統のコンセントに接続した電源タップであるかを気にせずにネットワーク構築を試みることができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明は、子機として複数の電源タップを登録可能に設けられ、かつ自己に登録された電源タップとコンピュータネットワークを構築する電源タップ用親機において、無線通信を行う無線通信部と、単相3線式のL1相又はL2相の一系統を伝送路とした電力線通信を行うPLC通信部と、登録された前記電源タップごとに、当該電源タップとの通信に用いる通信手段を前記無線通信部及び前記PLC通信部の中から所定の判定処理で選択する通信手段判定部と、を備え、前記判定処理は、前記一系統と異系統に接続されている前記電源タップとの通信に前記無線通信部を選択し、前記無線通信部による通信が不可能で、かつ当該一系統と同系統に接続されている前記電源タップとの通信に前記PLC通信部を選択する処理になっている構成の採用により、電源タップ用親機と、子機として登録されている電源タップの通信が可能な宅内エリアの拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る電源タップ用親機と電源タップの宅内通信環境を示す概念図
図2】実施形態に係る電源タップ用親機の機能ブロック図
図3図2の子機情報記憶部で管理するテーブルの概念図
図4図2の通信手段判定部が行う判定処理のフローチャート図
図5】実施形態に係る電源タップ用親機に電源タップを初期登録する処理のシーケンス図
図6】実施形態に係る電源タップ用親機が電源タップとのリンク状態を確認する処理のシーケンス図
図7】実施形態に係る電源タップ用親機が電源タップのステータスを確認する処理のシーケンス図
図8】実施形態に係る電源タップ用親機が電源タップのON/OFF制御をする処理のシーケンス図
図9】実施形態に係る電源タップ用親機に登録されている電源タップのステータスを閲覧する処理のシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の一例としての実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態に係る電源タップ制御システムは、一個以上の電源タップ10と、子機として複数の電源タップ10を登録可能に設けられた電源タップ用親機20とからなる。電源タップ用親機20(以下、単に「親機20」と呼ぶ。)、電源タップ10(以下、単に「タップ10」と呼ぶ。)のそれぞれは、分電盤でL1相とL2相の2系統に振り分けられた単相3線式のAC電源のコンセントに接続して使用するものである。図示例では、親機20がL1相の系統に接続され、二個以上のタップ10の中に、L1相の系統に接続されるものと、L2相の系統に接続されるものとが含まれている。
【0015】
親機20は、図2に示すように、無線通信を行う無線通信部21と、単相3線式のL1相又はL2相の一系統を伝送路とした電力線通信を行うPLC通信部22と、子機として登録されたタップ10ごとに所定項目の情報を管理する子機情報記憶部23と、子機情報記憶部23に登録されたタップ10ごとに、当該タップ10との通信に用いる通信手段を無線通信部21及びPLC通信部22の中から所定の判定処理で選択する通信手段判定部24とを備えている。
【0016】
タップ10は、親機20の無線通信部21に対応する無線通信部11と、親機20のPLC通信部22に対応するPLC通信部12とを備えている。
【0017】
なお、タップ10は、他に、プラグ、一個以上の刃受及び刃受単位での電源ON/OFF切替え用リレーを含む配線用差込接続器部、刃受単位でリレーを制御する制御部13と、刃受単位で電力量を計測する電力計測機能部14と、所定の情報を記憶する記憶部15と、無線通信部11、21を用いた親機20への初期登録処理の開始命令の入力に用いるボタン16と、PLC通信部12、22を用いた親機20への初期登録処理の開始命令の入力に用いるボタン17とを備えている。
【0018】
無線通信部21、11は、マルチホップ通信を実行可能な無線通信規格に準拠したハードウェア及びデバイスドライバによって実現されている。マルチホップ通信は、無線通信部21と、発信元又は最終宛先となる電源タップ10の無線通信部11との間に、他のタップ10の無線通信部11が中継局として介在する無線ネットワーク通信のことをいう。マルチホップ通信に対応した無線通信規格として、IEEE802.11シリーズに係る無線LAN規格、IEEE802.15シリーズに係るZigBee(登録商標)、Z−Wave(登録商標)といった無線通信規格に準拠している。ZigBee、Z−Waveといった920MHz帯、950MHz帯を使用する無線通信は、2.4GHz帯の無線通信よりも宅内での通信安定性に優れる点で、無線通信部21、11に好適である。無線通信部21、11を親機20、タップ10に対するドングルで着脱可能にすれば、使用者側で、異なる無線通信規格に変更することができる。
【0019】
PLC通信部22、12は、電力線通信モデムとして機能するハードウェア及びデバイスドライバによって実現されている。
【0020】
なお、図1の親機20は、タップ10と構築する宅内のコンピュータネットワークをインターネットやWAN(広域ネットワーク)に接続するゲートウェイと一体に設けられた通信機器になっている。親機20は、図1のようにゲートウェイと一体に設ける必要なく、ゲートウェイの配下に接続する別機器にすることもでき、利用形態に合わせて適宜に決定すればよい。
【0021】
子機情報記憶部23は、図3に示す項目を管理するデータベースになっている。項目「ホームID」は、親機20の固有識別情報である。「ホームID」は、親機20と接続された他のコンピュータが親機20を識別するための情報として使用することができる。ホームIDについては、他のコンピュータから親機20を認識可能である限り、適宜の割り当て方、登録の仕方を採用すればよい。
【0022】
項目「ノードID」は、子機として登録されたタップ10の固有識別情報である。子機情報記憶部23は、タップ10を親機20に無線通信の子機として初期登録する処理、又はタップ10を親機20に電力線通信の子機として初期登録する処理のうち、先に実行された方の処理時に「ノードID」の登録処理を行う。親機20にタップ10を無線子機、電力線通信子機として初期登録するための処理は、一般的な無線親機と無線子機間の初期登録処理、電力線通信モデム親機と子機間の初期登録処理と同じ技術を適用することができる。ノードIDは、親機20が同一タップ10との無線通信及び電力線通信をそれぞれ認識可能な限り、適宜の割り当て方、登録の仕方を採用すればよい。例えば、タップ10の無線通信部11及びPLC通信部12に別々の通信用アドレスを割り当ててタップ10を使用者に提供する場合、記憶部15にノードIDが書き込まれているタップ10を使用者に提供し、タップ10が親機20との無線通信、電力線通信の際、ノードIDも親機20に送信し、このノードIDを子機情報記憶部23が登録するようにすることもできる。また、タップ10の無線通信部11及びPLC通信部12に共通の通信用アドレスを割り当ててタップ10を使用者に提供する場合、子機情報記憶部23は、無線通信部21又はPLC通信部22から通知されたタップ10の通信用アドレスと対応付けてノードIDを割当て、又は、この通信用アドレスをノードIDとして登録することができる。通信用アドレスは、機器固有の情報であればよく、例えば、MACアドレス等である。
【0023】
項目「電力系統」は、PLC通信部22を用いた当該「ノードID」のタップ10への通信が可能か否かを示す可否情報である。子機情報記憶部23は、この可否情報は、通信可能を示す「enable」又は通信不可能を示す「disable」として記述され、当該「ノードID」に対応付けて登録する。例えば、PLC通信部22がノードID:「tap000001」のタップ10との電力線通信の到達性を判断するPLCリンク状態確認処理において到達性を認めたとき、これを通知された子機情報記憶部23は、ノードID:「tap000001」と対応付けて項目「電力系統」に「enable」と記述し、PLC通信部22が到達性を否定したとき、子機情報記憶部23が同様に「disable」と記述する。電力系統:「enable」は、親機20が接続されているL1相又はL2相の一系統と同系統であることに相当し、電力系統:「disable」は、異系統であることに相当する。PLCリンク状態確認処理には、採用する通信プロトコルに従った一般的な電力線通信モデム親機と子機間のリンク状態確認処理を適用すればよい。
【0024】
項目「無線到達性」は、無線通信部21を用いた当該ノードIDのタップ10への通信が可能か否かを示す可否情報である。この可否情報も、項目「電力系統」の場合と同様に登録される。例えば、無線通信部21がノードID:「tap000001」のタップ10との無線通信の到達性を判断する無線リンク状態確認処理において到達性を認めたとき、又は否定したとき、子機情報記憶部23は、ノードID:「tap000001」と対応付けて項目「無線到達性」に「enable」、又は「disable」と記述する。無線リンク状態確認処理には、採用する通信プロトコルに従った一般的な無線親機と子機間のリンク状態確認処理を適用すればよい。
【0025】
項目「ルーティングテーブル」は、当該ノードIDのタップ10への無線通信に用いるホップの経路情報である。無線通信部21が前記の無線リンク状態確認処理において到達性を認めた経路情報を子機情報記憶部23に通知し、子機情報記憶部23は当該ノードIDと対応付けて経路情報を登録する。この経路情報は、経路を構築するタップ10のノードIDによって記述されるようになっている。例えば、マルチホップ通信によって親機20からノードID:「tap000001」への無線通信の到達性が認められた場合、ノードID:「tap000001」と対応付けられた経路情報には、中継局となるタップ10のノードID:「tap000003」、ノードID:「tap000002」が含まれている。また、直通無線通信によって親機20からノードID:「tap000001」への無線通信の到達性が認められた場合、ノードID:「tap000001」と対応付けられた経路情報には、「tap000001」のみが記述される。経路情報は、採用するマルチホップ通信対応のプロトコルに従った一般的な経路情報収集処理を適用すればよい。
【0026】
項目「エンドポイント」は、当該ノードIDのタップ10に備わる刃受を特定するための識別情報である。エンドポイントについては、親機20からのタップ10の制御が可能である限り、適宜の割り当て方、登録の仕方を採用すればよい。
【0027】
項目「電力量」は、当該ノードIDのタップ10に備わる電力計測機能部14によってエンドポイントごとに計測された電力量を示す情報である。子機情報記憶部23は、電力計測機能部14から通知された電力量をエンドポイントごとに対応付けて登録するようになっている。
【0028】
項目「ON/OFF状態」は、当該ノードIDのタップ10における刃受単位の電源ON/OFF状態を示す情報である。この情報は、リレー閉状態で電源供給可を示す「on」、リレー開状態で電源供給不可を示す「off」として記述されるようになっている。
【0029】
通信手段判定部24は、中継局以外の制御命令送信先とされたタップ10の「ノードID」に対応付けて登録されている項目「電力系統」の可否情報、項目「無線到達性」の可否情報に基いて、当該「ノードID」の電源タップ10との通信に用いる通信手段を所定の判定処理で選択する。
【0030】
図4に示すように、ノードID:「tap000001」のタップ10を制御命令送信先とする場合を例に、この判定処理を具体的に説明する(以下、適宜、図2を参照のこと。)。通信手段判定部24は、先ず、ノードID:「tap000001」と対応付けて登録されている「電力系統」の可否情報を子機情報記憶部23から取得し、到達性を判断する(S1)。
【0031】
(S1)において、その可否情報が「enable」の場合、通信手段判定部24は、PLC通信部22を用いることを選択し、判定処理を終了する(S2)。(S1)において、その可否情報が「disable」の場合、通信手段判定部24は、ノードID:「tap000001」に対応付けて登録されている「無線到達性」の可否情報及び「ルーティングテーブル」の経路情報を子機情報記憶部23から取得し、直通無線通信が可能か否かを判断する(S3)。
【0032】
(S3)において、その可否情報が、「enable」であって、その経路情報が、制御命令送信先とするタップ10のノードIDのみである、すなわち「tap000001」である場合、通信手段判定部24は、無線通信部21を用いる直通無線通信を選択し、判定処理を終了する(S4)。(S3)において、その可否情報が「disable」の場合、又は、その経路情報が複数のノードIDを含む場合、例えば「tap000002;tap000001」の場合、通信手段判定部24は、マルチホップ通信によって無線通信が可能か否かを判断する(S5)。
【0033】
(S5)において、その経路情報が複数のノードIDを含む場合、通信手段判定部24は、無線通信部21、中継局を用いるマルチホップ通信を選択し、判定処理を終了する(S6)。(S5)において、その可否情報が「disable」の場合、通信手段判定部24は、通信不可と判断し、判定処理を終了する(S7)。
【0034】
このように、通信手段判定部24は、親機20と異系統に接続されているタップ10との通信に無線通信部21を選択する。また、通信手段判定部24は、無線通信部21による通信が不可能であって、親機20と同系統に接続されているタップ10との通信にPLC通信部22を選択する。ここで、通信手段判定部24は、(S1)〜(S2)に示すように、PLC通信部22を無線通信部21より優先的に選択し、判定処理を終了するため、無駄になる無線通信の判断を省略することができる。また、通信手段判定部24は、(S3)〜(S4)に示すように、タップ10との直通無線通信をマルチホップ通信より優先的に選択し、判定処理を終了するため、無駄になるマルチホップ通信の判断を省略することができる。
【0035】
親機20に各タップ10を子機として初期登録する処理のシーケンスを図5に示す。コンセントに接続されている親機20は、初期登録要求を、例えば、ブロードキャストのMACアドレス(宅内部ブロードキャストドメイン内)で送信する等の方法により、無線通信、電力線通信を用いて定期的に送信する。定期的送信に代えて、又は加えて、使用者が親機20とネットワーク接続されている他のコンピュータ30の登録処理用プログラム及び入力手段を用いて、親機20に初期登録処理の開始命令を送信するようにしてもよい。
【0036】
次に、使用者は、登録するタップ10を親機20の近くのコンセントに接続し、タップ10のボタン16、17を押す。押されたタップ10は、記憶部15に書き込まれている無線子機、電力線通信子機としての初期登録に所要の情報や、親機20によるタップ制御に所要の情報を親機20に応答する。これを受信した親機20の子機情報記憶部23は、ノードIDを登録し、初期登録処理を終える。使用者は、子機としての登録が終わったことを親機20のランプ表示、コンピュータ30による画面出力といった適宜の手段で確認することができる。タップ10を追加登録する場合、同様の初期登録処理を繰り返す。
【0037】
なお、親機20が接続されているL1相又はL2相の同系統、もしくは異系統のどちらにおいても、例えば電力線の断線等を理由に電力線通信子機としての初期登録に失敗した場合、使用者は、同タップ10を他のコンセントに接続して、再度、ボタン17を押せばよい。また、タップ10のボタン16、17を1個に統合し、一度のボタン押しで無線子機、電力線通信子機としての初期登録処理が実行されるようにしてもよい。また、無線子機の初期登録、電力線通信子機の初期登録のいずれを先に実行してもよい。また、親機20が初期登録要求をユニキャストでタップ10の無線通信部11若しくはPLC通信部12の通信用アドレスに送信するようにしたい場合、使用者が他のコンピュータ30の登録処理用プログラム及び入力手段を用いてタップ10の通信用アドレスを含む登録処理に必要な情報を親機20に送信し、この情報を親機20が利用するようにすればよい。また、無線通信に用いるタップ10のアドレス、又は電力線通信に用いるタップ10のアドレスをノードIDに利用しない場合、親機20が、これらを対応付けて記憶することは勿論である。
【0038】
使用者は、前記の初期登録処理により、子機としての登録を終えたタップ10を任意のコンセントに接続することができる。
【0039】
親機20は、子機としたタップ10をもつとき、定期的に、リンク状態を確認する。任意のコンセントに接続されているタップ10と親機20の無線通信、電力線通信のリンク状態確認処理のシーケンスを図6に示す。電力線通信子機として登録されているタップ10に電力線通信要求を送信する。要求を受信したタップ10は、通信可を示すメッセージ「OK」又は通信不可を示すメッセージ「NG」を親機20に応答する。親機20は、応答、又はタイムアウトによって無応答を確認した後、残りのタップ10にも電力線通信要求を送信し、タップ10も同様に応答する。親機20が全てのタップ10について電力線通信のリンク状態を確認したら、子機情報記憶部23は、「OK」を応答したタップ10のノードIDと対応付けて電力系統:「enable」を登録し、「NG」を応答したタップ10又は応答無しのタップ10のノードIDと対応付けて電力系統:「disable」を登録し、電力線通信のリンク状態確認処理を終える。
【0040】
親機20は、電力線通信のリンク状態確認処理を終えると、無線通信のリンク状態確認処理を開始する。すなわち、親機20は、無線子機として登録されているタップ10に無線通信要求を送信する。要求を受信したタップ10は、通信可を示すメッセージ「OK」又は通信不可を示すメッセージ「NG」を親機20に応答する。親機20は、応答、又はタイムアウトによって無応答を確認した後、残りのタップ10にも無線通信要求を送信し、タップ10も同様に応答する。親機20が全てのタップ10について無線通信のリンク状態を確認したら、子機情報記憶部23は、「OK」を応答したタップ10のノードIDと対応付けて無線到達性:「enable」と、ルーティングテーブル:当該タップ10までの経路上のノードIDを登録し、「NG」を応答したタップ10又は応答無しのタップ10のノードIDと対応付けて無線到達性:「disable」を登録し、無線通信のリンク状態確認処理を終える。
【0041】
なお、電力系統、無線到達性等の登録は、タップ10からの応答の有無を確認する都度、実行するようにしてもよい。また、電力線通信のリンク状態確認処理、無線通信のリンク状態確認処理のいずれを先に実行してもよい。いずれを先に実行する場合でも、子機として登録されているタップ10への通信要求を定期的に送信することに代えて、又は加えて、使用者が他のコンピュータ30のリンク状態確認処理用プログラム及び入力手段を用いて、親機20にリンク状態確認処理の開始命令を送信するようにしてもよい。また、無線通信に用いるタップ10のアドレスをノードIDに利用しない場合、マルチホップ通信で無線到達性があるとき、その経路情報にある中継局のノードIDと中継局のアドレスを親機20が対応付けて記憶することは勿論である。
【0042】
タップ10と親機20の無線通信及び電力線通信のリンク状態確認処理を終えると、親機20は、当該タップ10のステータス確認処理を定期的に実行する。このステータス確認処理のシーケンスを図7に示す。親機20は、電力量の報告命令の送信先とするタップ10との通信に用いる通信手段を通信手段判定部24で選択する。この選択は、タップ10ごとに行う。全タップ10について選択を終えたら、親機20は、子機情報記憶部23の先頭に登録されているタップ10に対し、選択した方の無線通信部21又はPLC通信部22を用いて、電力量の報告命令を送信する。これを受信したタップ10は、電力計測機能部14を用いてエンドポイントごとの電力量を取得し、当該報告命令を受信した方の無線通信部11又はPLC通信部12を用いて、エンドポイントごとの電力量を応答する。親機20は、順次、残りのタップ10に対しても同様に報告命令を送信し、これを受信したタップ10も同様に応答する。親機20は、全てのタップ10について応答を受信したら、子機情報記憶部23によって各タップ10のノードIDに対応付けてエンドポイントごとの電力量を登録する。なお、この登録は、タップ10からの応答の都度に実行するようにしてもよい。
【0043】
次に、親機20は、全てのタップ10について電力量の登録を終えたら、先頭のタップ10に対し、先に選択した方の無線通信部21又はPLC通信部22を用いて、ON/OFF状態の報告命令を送信する。これを受信したタップ10は、エンドポイントごとのON/OFF状態を制御部13に問い合わせ、取得したエンドポイントごとのON/OFF状態を、当該報告命令を受信した無線通信部11又はPLC通信部12を用いて応答する。親機20は、順次、残りのタップ10に対しても同様に報告命令を送信し、これを受信したタップ10も同様に応答する。親機20は、全てのタップ10について応答を受信したら、子機情報記憶部23によって各タップ10のノードIDに対応付けてエンドポイントごとのON/OFF状態を登録する。なお、この登録は、タップ10からの応答の都度に実行するようにしてもよい。
【0044】
タップ10と親機20の無線通信及び電力線通信のリンク状態確認処理を終えると、図8に示すように、使用者は、他のコンピュータ30のON/OFF制御用プログラム及び入力手段を用いて、タップ10及び刃受単位でのON/OFF制御要求を親機20に送信することができる。これを受信した親機20は、ON/OFF制御命令の送信先とするタップ10との通信に用いる通信手段を通信手段判定部24で選択する。この選択を終えた親機20は、当該タップ10に対し、選択した方の無線通信部21又はPLC通信部22を用いて、エンドポイントを指定したON/OFF制御命令を送信する。これを受信したタップ10は、制御部13を用いて指定されたエンドポイントのリレーON/OFF切替を行い、この実行結果を、当該ON/OFF制御命令を受信した無線通信部11又はPLC通信部12を用いて応答する。この応答を受信した親機20は、子機情報記憶部23によって当該タップ10のノードIDに対応付けてエンドポイントごとのON/OFF状態を登録する。
【0045】
図9に示すように、使用者は、他のコンピュータ30の閲覧用プログラム及び入力手段を用いて、子機情報記憶部23に登録されているタップ10のステータス情報の閲覧要求を親機20に送信することができる。これを受信した親機20は、要求対象の登録情報をコンピュータ30に応答する。応答を受信したコンピュータ30は、閲覧用プログラムによって閲覧画面を出力する。
【0046】
図1に示すように、親機20に子機として登録し、リンク状態確認処理済みの多数のタップ10が宅内の様々な部屋のコンセントに接続されている場合において、次の通信環境を例に、親機20と、タップ10の通信が可能な宅内エリアを説明する。なお、説明の便宜上、以下では図中の丸囲い番号に対応する枝番号Nを「タップ10−N」として付記する。先ず、親機20と同じ部屋A内のタップ10−1は、親機20と直通無線通信が可能なエリアにあって、親機20と同じL1相の系統に接続されている。したがって、親機20とタップ10−1の通信には、直通無線通信、電力線通信の双方を使用可能である。親機20は、タップ10−1と通信を開始する前に、図4の判定処理を行い、ステップ(S1)〜(S2)により、電力線通信を選択する。電力線通信のリンク状態確認処理後に、例えば電力線の断線等の通信環境変化で電力線通信が不可になっている場合、図1の親機20は、タップ10−1との電力線通信に失敗する。失敗を検出した親機20は、タップ10−1のノードIDに対応付けられている項目「電力系統」を「disable」に更新する。その後、親機20は、タップ10−1との通信を再び試み、図4の判定処理のステップ(S1)〜(S4)により、直通無線通信を選択する。図1のタップ10−1は、親機20の選択と同じ通信手段で応答する。
【0047】
親機20から階跨ぎ、部屋跨ぎとなる部屋B内のタップ10−2は、親機20との直通無線通信ができず、部屋A内のタップ10−1を中継局としたマルチホップ通信が可能なエリアにあって、親機20と同じL1相の系統に接続されている。したがって、親機20とタップ10−2の通信には、無線マルチホップ通信、電力線通信の双方を使用可能である。親機20は、タップ10−2と通信を開始する前に、図4の判定処理のステップ(S1)〜(S2)により、タップ10−2との通信に電力線通信を優先的に選択する。図1の親機20は、タップ10−2との電力線通信に失敗した場合、タップ10−2のノードIDに対応付けられている項目「電力系統」を「disable」に更新し、その後、タップ10−2との通信を再び試み、図4の判定処理のステップ(S1)〜(S6)により、無線マルチホップ通信を選択する。図1のタップ10−2は、親機20の選択と同じ通信手段で応答する。
【0048】
親機20から階跨ぎ、部屋跨ぎとなる部屋C内のタップ10−3は、親機20との直通無線通信ができず、部屋B内のタップ10−2及び部屋A内のタップ10−1を中継局としたマルチホップ通信が可能なエリアにあって、親機20と同じL1相の系統に接続されている。したがって、親機20とタップ10−3の通信には、無線マルチホップ通信、電力線通信の双方を使用可能である。親機20は、タップ10−3と通信を開始する前に、図4の判定処理のステップ(S1)〜(S2)により、タップ10−3との通信に電力線通信を優先的に選択する。図1の親機20は、タップ10−3との電力線通信に失敗した場合、タップ10−3のノードIDに対応付けられている項目「電力系統」を「disable」に更新し、その後、タップ10−3との通信を再び試み、図4の判定処理のステップ(S1)〜(S6)により、無線マルチホップ通信を選択する。図1のタップ10−3は、親機20の選択と同じ通信手段で応答する。
【0049】
部屋C内のタップ10−4は、親機20との直通無線通信、マルチホップ通信が不可能なエリアにあって、親機20と同じL1相の系統に接続されている。したがって、親機20とタップ10−4の通信には、電力線通信のみを使用可能である。親機20は、タップ10−4と通信を開始する前に、図4の判定処理のステップ(S1)〜(S2)により、タップ10−4との通信に電力線通信を選択する。図1のタップ10−4は、親機20の選択と同じ通信手段で応答する。
【0050】
親機20から部屋跨ぎとなる部屋D内のタップ10−5は、親機20と直通無線通信が可能なエリアにあって、親機20と異系統になるL2相の系統に接続されている。したがって、親機20とタップ10−5の通信には、直通無線通信のみを使用可能である。親機20は、タップ10−5と通信を開始する前に、図4の判定処理のステップ(S1)〜(S4)により、直通無線通信を選択する。図1のタップ10−5は、親機20の選択と同じ通信手段で応答する。
【0051】
部屋D内のタップ10−6は、親機20との直通無線通信ができず、部屋D内のタップ10−5を中継局としたマルチホップ通信が可能なエリアにあって、親機20と異系統になるL2相の系統に接続されている。したがって、親機20とタップ10−6の通信には、無線マルチホップ通信のみを使用可能である。親機20は、タップ10−6と通信を開始する前に、図4の判定処理のステップ(S1)〜(S6)により、無線マルチホップ通信を選択する。図1のタップ10−6は、親機20の選択と同じ通信手段で応答する。
【0052】
部屋C内のタップ10−7は、親機20との直通無線通信ができず、部屋D内のタップ10−6、タップ10−5を中継局としたマルチホップ通信が可能なエリアにあって、親機20と異系統になるL2相の系統に接続されている。したがって、親機20とタップ10−7の通信には、無線マルチホップ通信のみを使用可能である。親機20は、タップ10−7と通信を開始する前に、図4の判定処理のステップ(S1)〜(S6)により、無線マルチホップ通信を選択する。図1のタップ10−7は、親機20の選択と同じ通信手段で応答する。
【0053】
部屋C内のタップ10−8は、親機20との直通無線通信及びマルチホップ通信が不可能なエリアにあって、親機20と異系統になるL2相の系統に接続されている。したがって、タップ10−8は、親機20と通信不可な宅内エリアにある。親機20は、タップ10−8と通信を開始する前に、図4の判定処理のステップ(S1)〜(S7)により、通信不可と判断し、図1のタップ10−8に対する制御命令の送信を実行しない。
【0054】
仮に、親機20とタップ10−1〜タップ10−8で電源タップ制御システムを仮に無線通信のみで構築する場合、タップ10−4、タップ10−8は、親機20と通信不可な宅内エリアに配置されることになる。一方、この実施形態は、親機20とタップ10の通信に電力線通信を併用可能なため、親機20と同系統のタップ10−4の通信が可能となる。また、仮に、親機20とタップ10−1〜タップ10−8で電源タップ制御システムを電力線通信のみで構築する場合、タップ10−5〜タップ10−8は、親機20と通信不可な宅内エリアに配置されることになる。一方、この実施形態は、親機20とタップ10の通信に無線通信を併用可能なため、親機20と無線通信が可能なタップ10−5〜タップ10−7の通信が可能となる。このように、この実施形態は、親機20と、子機として登録されているタップ10の通信が可能な宅内エリアの拡大することができる。この発明の技術的範囲は、上述の実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載に基く技術的思想の範囲内での全ての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0055】
10 タップ
11、21 無線通信部
12、22 PLC通信部
20 親機
23 子機情報記憶部
24 通信手段判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9