(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態における情報配信システムの装置構成を示す概略構成図である。同図において、情報配信システム1は、コンテンツ配信装置100と、地上サーバ装置200と、地上無線装置300と、車上サーバ装置400と、車上無線装置500とを具備する。また、コンテンツ配信装置100、地上サーバ装置(サーバ装置)200は、それぞれコンテンツネットワーク610に接続されている。車上サーバ装置400は、コンテンツネットワーク610に無線接続されている。また、地上サーバ装置200は、業務ネットワーク620に接続されている。車上サーバ装置400は、業務ネットワーク620に無線接続されている。また、地上無線装置300は、地上サーバ装置200に接続されている。車上無線装置500は、車上サーバ装置400に接続されている。
ここでいう携帯端末装置は、表示画面を有し携帯可能な通信機器である。例えば、携帯端末装置900は、携帯電話機、スマートフォン、または、通信機能を有するゲーム機であってもよいし、あるいは情報配信システム1専用の端末装置であってもよい。
【0016】
コンテンツ配信装置100は、地上サーバ装置200および車上サーバ装置400に各種コンテンツを配信(送信)する。ここでいうコンテンツは、動画像や静止画像やテキスト(文字)や音声やこれらの組み合わせなど、知覚(例えば視覚ないし聴覚)の対象となるデータである。ここでいうデータにはプログラムを含む。例えば、コンテンツ配信装置100は、閲覧用の動画像や、書籍や、店舗情報や、沿線情報(鉄道の沿線の情報)や、広告などを配信する。
【0017】
コンテンツネットワーク610と業務ネットワーク620とは、いずれも通信ネットワークである。コンテンツネットワーク610は、コンテンツ配信装置100が地上サーバ装置200や車上サーバ装置400に送信したコンテンツを伝送する。業務ネットワーク620は、列車の運行に関する各種情報を配信する。例えば、業務ネットワーク620は、業務ネットワーク620に接続された運行管理用のサーバ装置が送信する線区毎の運行情報や列車毎の運行情報を配信(伝送)する。なお、本実施形態では、業務ネットワーク620が配信する情報もコンテンツの一種であり、携帯端末装置900に表示させるためのデータとして用いられる。
【0018】
ここで、線区とは、「○○線」といった路線名で区別される個々の鉄道区間である。
また、以下では、車両編成を物理的存在とし、列車を鉄道ダイヤ上の概念として両者を区別する。車両編成とは、運行するために編成された一連の車両である。車両編成は、1台の車両にて編成されていてもよい。一方、列車とは、鉄道ダイヤ(鉄道の運行計画)における、始発駅から終着駅までの車両編成の運行行程である。列車には単行列車(1台の車両からなる車両編成にて運行される列車)を含む。
【0019】
なお、コンテンツネットワーク610や業務ネットワーク620として、様々な形態の通信ネットワークを用いることができる。例えば、コンテンツネットワーク610や業務ネットワーク620は、専用の通信ネットワークであってもよいし、インターネットであってもよい。また、コンテンツネットワーク610と業務ネットワーク620とは同一のネットワークであってもよいし別個のネットワークであってもよい。
【0020】
車上無線装置500は、車両編成10内に設置された無線装置であり、通信圏内に位置する携帯端末装置900と近距離無線通信を行う。特に、車上無線装置500は、車上サーバ装置400と携帯端末装置900との通信を媒介する。
ここでいう車両編成10内は、車両編成10の内部に位置する携帯端末装置900と近距離通信可能な位置である。すなわち、車上無線装置500は、車両編成10の内部に位置する携帯端末装置900(典型的には、車両編成10の乗客が所持している携帯端末装置900)と通信を行う。例えば、車上無線装置500は、車両編成10を構成する各車両(列車利用情報生成部421−1〜n;nは自然数)の天井に1つずつ設置される。但し、車上無線装置500の設置形態はこれに限らず、車両編成10内に1つ以上の車上無線装置500が設置されていればよい。例えば、1台の車両に複数の車上無線装置500が設置されていてもよいし、車上無線装置500が設置されていない車両があってもよい。
【0021】
車上無線装置500は、携帯端末装置900と通信接続すると、車両編成10(車上無線装置500が設置されている車両編成)が走行している線区を示す利用線区情報を当該携帯端末装置900に送信する。例えば、車上サーバ装置400が、車上無線装置500を介して携帯端末装置900と通信を行っている状態(認証等の接続処理に成功して通信可能となった状態)で、車上無線装置500を介して携帯端末装置900に利用線区情報を送信する。すなわち、車上サーバ装置400が車上無線装置500に利用線区情報を送信し、車上無線装置500は、当該利用線区情報を携帯端末装置900に無線送信する。
後述するように、この利用線区情報は、車上サーバ装置400が携帯端末装置900に送信する情報を選択するために用いられる。
【0022】
また、車上無線装置500は、さらに、車両編成10が運行中の列車を識別する利用列車情報を携帯端末装置900に送信する。また、車上無線装置500は、さらに、車両編成10のうち車上無線装置500が設置されている車両を識別する利用車両情報を携帯端末装置900に送信する。また、車上無線装置500は、さらに、利用線区情報の有効期限情報(利用線区情報に設定された有効期限を示す情報。以下、単に「有効期限情報」と称する)を携帯端末装置900に送信する。
これらの情報も、利用線区情報と同様、例えば車上サーバ装置400が携帯端末装置900に接続した際に、車上無線装置500を介して携帯端末装置900に送信する。また、これらの情報も、利用線区情報と同様、車上サーバ装置400が携帯端末装置900に送信する情報を選択するために用いられる。
【0023】
なお、車上無線装置500が行う近距離無線通信の方式として様々なものを用いることができる。例えば、車上無線装置500が、WiMAX(登録商標)またはNFC(Near Field Communication)など電波を用いた近距離無線通信を行うようにしてもよい。あるいは、車上無線装置500が、赤外線通信または超音波通信など、電波以外の媒体を用いた近距離無線通信を行うようにしてもよい。なお、車上無線装置500が利用車両情報(車上無線装置500が設置されている車両を識別する情報)を送信する場合は、Bluetooth(登録商標)または赤外線通信など比較的通信範囲の狭い通信方式を用いて車両毎に異なる利用車両情報を送信することが望ましい。
また、車上無線装置500が同時に通信可能な携帯端末装置900の数についても様々なものを用いることができる。
【0024】
車上サーバ装置400は、車上無線装置500を介して携帯端末装置900と通信を行う。そして、車上サーバ装置400は、携帯端末装置900からの要求に応じて、コンテンツ配信装置100や業務ネットワーク620から取得したコンテンツなど各種コンテンツを送信する。また、上記のように、車上サーバ装置400は、車上無線装置500を介して利用線区情報を携帯端末装置900に送信する。
【0025】
なお、車上サーバ装置400の設置場所は、
図1に示す車両編成10内に限らず、車上無線装置500と通信可能に設置されていればよい。例えば、車上サーバ装置400が、駅構内または車両基地内など、地上に設置されていてもよい。ここでいう地上は、車両編成(の内部および外面)以外の場所を指す。
車上サーバ装置400が地上に設置されている場合、例えば、車上サーバ装置400は、地上に設けられた基地局装置、および、車両編成10に設けられて基地局装置と通信を行う無線装置を介して車上無線装置500に通信接続される。
【0026】
地上無線装置300は、地上に設置された無線装置であり、携帯端末装置900と近距離無線通信を行う。特に、地上無線装置300は、地上サーバ装置200と携帯端末装置900との通信を媒介する。
なお、以下では、地上無線装置300が駅構内に設置されている場合を例に説明するが、地上無線装置300の設置場所は駅構内に限らず車両編成以外の場所であればよい。
なお、車上無線装置500の場合と同様、地上無線装置300が行う近距離無線通信の方式として様々なものを用いることができる。また、車上無線装置500の通信方式と地上無線装置300の通信方式とは同一であってもよいし異なっていてもよい。また、車上無線装置500の場合と同様、地上無線装置300が同時に通信可能な携帯端末装置900の数についても様々なものを用いることができる。
【0027】
地上サーバ装置200は、コンテンツ配信装置100や業務ネットワーク620から取得するコンテンツを、地上無線装置300を介して携帯端末装置900に送信する。その際、地上サーバ装置200は、携帯端末装置900が、利用線区情報を車上無線装置500から取得したか否かを判定し(具体的には、携帯端末装置900が利用線区情報を記憶しているか否かを判定し)、判定結果に応じた情報を当該携帯端末装置に送信する。当該判定結果に応じた情報を送信することで、後述するように、地上サーバ装置200は、鉄道の利用状況に応じた情報提供(例えば、乗車した線区をスタンプ代わりに用いるスタンプラリーの提供)を行うことができる。
【0028】
また、車上無線装置500が利用線区情報に加えて利用列車情報を送信する場合、地上サーバ装置200は、携帯端末装置900が利用線区情報を車上無線装置500から取得したと判定すると、携帯端末装置900が車上無線装置500から取得した利用列車情報に応じた情報を携帯端末装置900に送信する。
また、車上無線装置500が利用線区情報に加えて利用車両情報を送信する場合、地上サーバ装置200は、携帯端末装置900が利用線区情報を車上無線装置500から取得したと判定すると、携帯端末装置900が車上無線装置500から取得した利用車両情報に応じた情報を携帯端末装置900に送信する。
【0029】
また、車上無線装置500が利用線区情報に加えて有効期限情報を送信する場合、地上サーバ装置200は、携帯端末装置900が利用線区情報を車上無線装置500から取得したと判定すると、当該利用線区情報の有効期間内か否かを判定して、判定結果に応じた情報を当該携帯端末装置に送信する。
これらの情報に応じた情報を送信することで、後述するように、地上サーバ装置200は、より細やかな情報提供を行うことができる。
【0030】
なお、車両編成10の数は、
図1に示す1編成に限らない。車上サーバ装置400および車上無線装置500を具備する車両編成10が複数あってもよい。特に、複数車上サーバ装置400が異なる線区を走行していてもよいし、複数の車上サーバ装置400が同一の線区を走行していてもよい。
また、コンテンツ配信装置100の数や、地上サーバ装置200の数や、地上無線装置300の数も
図1に示す1つに限らない。特に、地上無線装置300を複数設置して、より広い通信圏を確保するようにしてもよい。
また、携帯端末装置900の数も
図1に示す2つに限らず、1つでもよいし3つ以上であってもよい。例えば、携帯端末装置900が利用客(鉄道利用客)の所持する携帯電話機やスマートフォンである場合、多数の携帯端末装置900が同時に車上無線装置500や地上無線装置300に接続することが考えられる。
【0031】
図2は、地上サーバ装置200の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、地上サーバ装置200は、コンテンツネットワーク通信部211と、業務ネットワーク通信部212と、携帯端末装置通信部213と、制御部220と、記憶部230とを具備する。制御部220は、列車利用情報判定部221と、配信データ生成部222とを具備する。
【0032】
コンテンツネットワーク通信部211は、コンテンツネットワーク610に接続してコンテンツ配信装置100と通信を行う。特に、コンテンツネットワーク通信部211は、コンテンツ配信装置100が送信する各種コンテンツを受信して制御部220に出力する。
業務ネットワーク通信部212は、業務ネットワーク620に接続して通信を行う。特に、業務ネットワーク通信部212は、業務ネットワーク620が配信する列車の運行に関する各種情報を受信して制御部220に出力する。
携帯端末装置通信部213は、地上無線装置300を介して携帯端末装置900と通信を行う。特に、携帯端末装置通信部213は、携帯端末装置900が利用線区情報を取得したか否かの判定結果に応じて配信データ生成部222が出力する情報を、携帯端末装置900に送信する。
【0033】
制御部220は、地上サーバ装置200の各部を制御する。制御部220は、例えば、地上サーバ装置200の具備するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、地上サーバ装置200の具備する記憶デバイスからプログラムを読み出して実行することで実現される。
列車利用情報判定部221は、地上サーバ装置200が携帯端末装置900と通信接続すると、携帯端末装置900が利用線区情報を取得したか否かを判定する。
配信データ生成部222は、列車利用情報判定部221の判定結果に応じた情報(コンテンツネットワーク通信部211や業務ネットワーク通信部212が取得したコンテンツや、携帯端末装置900に表示させる表示画面データなど)を、携帯端末装置通信部213を介して携帯端末装置900に送信する。
【0034】
記憶部230は、携帯端末装置900と接続する際の認証情報などの接続情報や、地上サーバ装置200の具備するCPUが実行するためのプログラムなど各種データを記憶する。記憶部230は、地上サーバ装置200が具備する記憶デバイスにて実現される。
【0035】
図3は、車上サーバ装置400の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、車上サーバ装置400は、コンテンツネットワーク通信部411と、業務ネットワーク通信部412と、携帯端末装置通信部413と、車両情報取得部414と、制御部420と、記憶部430とを具備する。制御部420は、列車利用情報生成部421と、配信データ生成部422とを具備する。
【0036】
コンテンツネットワーク通信部411は、コンテンツネットワーク610に接続してコンテンツ配信装置100と通信を行う。特に、コンテンツネットワーク通信部411は、コンテンツ配信装置100が送信する各種コンテンツを受信して制御部420に出力する。
業務ネットワーク通信部412は、業務ネットワーク620に接続して通信を行う。特に、業務ネットワーク通信部412は、業務ネットワーク620が配信する列車の運行に関する各種情報を受信して制御部420に出力する。
【0037】
携帯端末装置通信部413は、車上無線装置500を介して携帯端末装置900と通信を行う。特に、携帯端末装置通信部413は、列車利用情報生成部421が出力する利用線区情報を携帯端末装置900に送信する。また。携帯端末装置通信部413は、配信データ生成部422が出力するコンテンツ等の情報を携帯端末装置900に送信する。
車両情報取得部414は、車両編成10に設置されたセンサを用いて、各車両の室温や乗車率や車両編成10の外気温など、車両編成10に個別の情報(従って、列車に個別の情報)を取得する。
【0038】
制御部420は、車上サーバ装置400の各部を制御する。制御部420は、例えば、車上サーバ装置400の具備するCPUが、車上サーバ装置400の具備する記憶デバイスからプログラムを読み出して実行することで実現される。
列車利用情報生成部421は、車上サーバ装置400が携帯端末装置900と通信接続すると、利用線区情報を生成し、携帯端末装置通信部413を介して携帯端末装置900に送信する。
配信データ生成部422は、コンテンツネットワーク通信部411や業務ネットワーク通信部412が取得したコンテンツや、携帯端末装置900に表示させる表示画面データなどを、携帯端末装置通信部413を介して携帯端末装置900に送信する。
【0039】
記憶部430は、携帯端末装置900と接続する際の認証情報などの接続情報や、車上サーバ装置400の具備するCPUが実行するためのプログラムなど各種データを記憶する。記憶部430は、車上サーバ装置400が具備する記憶デバイスにて実現される。
【0040】
図4は、携帯端末装置900の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、携帯端末装置900は、近距離通信部911と、制御部920と、記憶部930と、表示部940と、操作入力部950とを具備する。
近距離通信部911は、地上無線装置300や車上無線装置500と無線通信を行う。具体的には、近距離通信部911は、地上無線装置300の通信圏内において地上無線装置300と近距離無線通信を行う。同様に、近距離通信部911は、車上無線装置500の通信圏内において車上無線装置500と近距離無線通信を行う。特に、近距離通信部911は、地上無線装置300や車上無線装置500からのコンテンツや表示画面データ等を受信して制御部920に出力する。また、近距離通信部911は、車上無線装置500を介して車上サーバ装置400が送信する利用線区情報を受信して制御部920に出力する。また、近距離通信部911は、制御部920が記憶部930から読み出して近距離通信部911に出力する利用線区情報を、地上無線装置300を介して地上サーバ装置200に送信する。
【0041】
制御部920は、携帯端末装置900の各部を制御する。特に、制御部920は、ユーザ操作に従って、情報配信システム1から情報を取得するためのアプリケーションプログラム(以下、「情報配信サービスアプリ」と称する)を実行する。そして、制御部920は、近距離通信部911を介して地上無線装置300や車上無線装置500と通信を行ってコンテンツ等の情報を取得し、表示部940を制御して、取得した情報を表示させる。また、制御部920は、車上無線装置500からの利用線区情報を取得すると記憶部930に記憶させる(書き込む)。そして、制御部920は、地上サーバ装置200との通信接続状態(接続に成功して通信可能な状態)において、記憶部930から利用線区情報を読み出し、近距離通信部911および地上無線装置300を介して地上サーバ装置200に送信する。
制御部920は、例えば、携帯端末装置900の具備するCPUが携帯端末装置900の具備する記憶デバイスからプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0042】
記憶部930は、携帯端末装置900の具備するCPUが実行するためのプログラムを記憶し、近距離通信部911が受信したコンテンツを一時的に記憶するなど、各種データを記憶する。特に、記憶部930は、車上サーバ装置400からの利用線区情報を記憶する。記憶部930は、携帯端末装置900が具備する記憶デバイスにて実現される。
【0043】
表示部940は、例えば液晶パネルなどの表示画面を有し、制御部920の制御に従って、動画像や静止画像やテキストなど各種画像を表示する。特に、表示部940は、情報配信システム1が配信する各種情報(地上サーバ装置200や車上サーバ装置400からのコンテンツや表示画面など)を表示する。
操作入力部950は、例えば表示部940の表示画面に設けられたタッチセンサ(タッチパネル)などの入力デバイスを有し、ユーザ操作を検出して検出したユーザ操作を示す情報を制御部920に出力する。
【0044】
次に
図5を参照して、列車利用情報生成部421が生成する列車利用情報について説明する。以下に説明するように、列車利用情報は利用線区情報の一例に該当する。
図5は、列車利用情報生成部421が生成する列車利用情報のデータ構造の例を示す説明図である。同図において、列車利用情報は、送信年月日および送信時分秒の送信日時情報と、線区番号と、列車番号と、号車番号と、通番と、チェックディジット(Check Digit;CD)とを含む。
【0045】
送信日時情報は、列車利用情報の送信日時(車上サーバ装置400が、車上無線装置500を介して携帯端末装置900に列車利用情報を送信した日時)を示す。
図5の例の送信日時情報は、2012年01月31日12時10分15.001秒を示している。この送信日時情報は、例えば送信日から1週間有効など、列車利用情報の有効期限を示す情報として用いられる。
線区番号は、列車利用情報を送信する車上無線装置500が設置されている車両編成10が走行している線区を識別する情報である。従って、線区番号は利用線区情報の一例に該当する。
【0046】
列車番号は、列車利用情報を送信する車上無線装置500が設置されている車両編成10が運行する列車を識別する情報である。従って、列車番号は、利用列車情報の一例に該当する。
号車番号は、列車利用情報を送信する車上無線装置500が設置されている車両編成10のうち、車上無線装置500が設置されている車両11−i(iは、i≦nの自然数)を識別する情報である。従って、号車番号は、利用車両情報の一例に該当する。
【0047】
通番は、列車利用情報を区別するために付されている。例えば、同一の車両に乗車した2人の乗客が、各々の所持する携帯端末装置900を用いて同時に車上サーバ装置400に通信接続した場合、両者が取得する列車利用情報の送信日時情報や線区番号や列車番号や号車番号の値は同一となり得る。かかる場合にも、列車利用情報が通番を含むことで、両者の列車利用情報を区別し得る。列車利用情報を区別可能とすることで、地上サーバ装置200(列車利用情報判定部221)は、列車利用情報の不正コピーを検出し得る。
チェックディジットは、例えばチェックサムなど、送信日時情報や線区番号や列車番号や号車番号や通番の値から定まる値を有する。列車利用情報がチェックディジットを含むことで、携帯端末装置900(制御部920)や地上サーバ装置200(列車利用情報判定部221)は、列車利用情報を送受信する際のノイズ混入や、列車利用情報の偽造を検出し得る。
【0048】
列車利用情報生成部421は、例えば、送信日時情報と線区番号と列車番号と号車番号と通番とチェックディジットとをつなげた数字「201201311210150010105240300325」を列車利用情報として生成する。
ただし、本発明は、利用線区情報等のデータ構造に依存しない。従って、列車利用情報生成部421が生成する、利用線区情報等のデータ構造として上記のものに限らず様々なものを用いることができる。例えば、列車利用情報生成部421が、送信日時情報と線区番号と列車番号と号車番号を別個の情報として生成するようにしてもよい。また、列車利用情報生成部421が、送信日時情報と線区番号と列車番号と号車番号との一部のみ(例えば、線区番号と列車番号のみ)を含む情報を生成するようにしてもよい。また、列車利用情報生成部421が生成した数字を暗号化するようにしてもよい。
【0049】
次に、
図6〜
図12を参照して、携帯端末装置900が表示する画面、および、情報配信システム1が提供するサービスについて説明する。
図6は、携帯端末装置900が表示するアプリケーション起動アイコン画面の例を示す説明図である。同図の領域A11に示す「○○鉄道情報サービス」のアイコンの押下操作を操作入力部950が検出すると、制御部920は、情報配信サービスアプリを起動する。
【0050】
図7は、有効な列車利用情報を記憶していない状態で携帯端末装置900が地上サーバ装置200に通信接続した場合に表示するトップページの例を示す説明図である。ここで、有効な列車利用情報とは、列車利用情報の有効期限が定められている場合は、有効期間内の列車利用情報をいい、列車利用情報の有効期限が定められていない場合は、列車利用情報そのものをいう。また、トップページとは、情報配信サービスアプリの表示画面の階層構造において最上位に位置する画面である。
【0051】
また、同図に示す各選択項目のうち、「列車運行情報(路線別)」では、○○線は最大20分の遅れといった、路線(線区)毎の運行情報を表示する。
「列車運行情報(列車別)」では、12時15分発予定の列車は平常どおり運転中といった、より詳細な運行情報を表示する。
「駅構内案内図(○○駅)」では、携帯端末装置900が位置する駅(従って、携帯端末装置900を所持する利用客が位置する駅)の構内の地図を表示する。
「駅構内店舗情報(○○駅)」では、駅構内の店舗に関する情報(例えば飲食店のメニューや、セール情報など)を表示する。
「乗換情報」では、目的地の入力操作を受けて、現在値から目的地までの列車を検索する。
【0052】
また、「車内ネットワーク接続のご案内」では、車上サーバ装置400と通信接続する方法の説明を表示する。利用客は、携帯端末装置900を用いて車上サーバ装置400に通信接続して列車利用情報を取得することで、店舗で利用可能なクーポンを取得できるなど、より多くサービスやより細やかなサービスを受けられるようになる。
「クーポン取得方法」では、車上サーバ装置400と通信接続して列車利用情報を取得することで得られるクーポンを紹介する。
「沿線情報(路線別)」では、沿線で行われるイベント情報や沿線のニュースなど、沿線に関する情報を表示する。
【0053】
ここで、地上無線装置300が駅構内に設置されて駅構内の利用客が所持する携帯端末装置900と通信を行う際、記憶部930が有効な列車利用情報を記憶していなければ、当該利用客が乗車前の状態にあることが考えられる。そうすると、当該利用客が、これから利用しようとしている路線(線区)に関する情報や、乗車時刻までの待ち時間を過ごすための駅構内の情報を欲していることが考えられる。
そこで、地上サーバ装置200は、
図7に示すトップページにおいて、運行情報や駅構内の情報などへのショートカットを携帯端末装置900に表示させることで、乗車前の利用客の便宜を図ることができる。
【0054】
図8は、携帯端末装置900が車上サーバ装置400に通信接続した場合に表示するトップページの例を示す説明図である。
同図に示す各選択項目のうち、「運行情報(ご乗車中の列車)」では、携帯端末装置900を所持している利用客が乗車中の列車の運行情報を表示する。
「列車情報(ご乗車中の列車)」では、携帯端末装置900を所持している利用客が乗車中の列車の、各車両の乗車率や、後方駅(直前に発車した駅)や、停車駅(次に停車する駅)や、各車両の室温や、車両編成10の外気温など、利用客が乗車中の列車に関する情報を表示する。
【0055】
「沿線情報(○○線)」では、利用客が利用中の路線(線区)の沿線情報を表示する。
「クーポン」では、携帯端末装置900が取得したクーポンを表示する。
図9は、携帯端末装置900が表示するクーポン画面の例を示す説明図である。例えば、車上サーバ装置400は、利用客が利用した路線に応じて、当該路線の沿線の店舗のクーポンを提供する。これにより、車上サーバ装置400は、利用客が実際に利用する可能性の高いクーポンを提供することができる。
【0056】
「スタンプラリー」では、例えば、5つ以上の線区で携帯端末装置900を用いて車上サーバ装置400に接続することで、利用客が特別なコンテンツを視聴可能となるなど、携帯端末装置900が取得する列車利用情報(特に利用線区情報)をスタンプ代わりに用いたスタンプラリーを行う。
「エンタメ」では、例えば電子書籍やお笑いの動画像など、娯楽性のあるコンテンツを提供する。
【0057】
ここで、列車に乗車中の利用客は、乗車中の列車の目的地到着時刻や、比較的空いている車両の情報など、乗車中の列車に関する情報を欲することが考えられる。
また、携帯端末装置900は、車上無線装置500を介して車上サーバ装置400に接続している。従って、車上サーバ装置400は、車上サーバ装置400自らの設置場所にかかわらず、携帯端末装置900と通信を行っている車上無線装置500を特定することで、携帯端末装置900の位置する車両編成10を特定することができ、ひいては、携帯端末装置900を所持している利用客(乗客)が乗車中の列車を特定することができる。
そこで、車上サーバ装置400は、利用客が乗車中の列車や線区に関する情報へのショートカットを携帯端末装置900に表示させることで、乗車中の利用客の便宜を図ることができる。
【0058】
図10は、有効な列車利用情報を記憶している状態で携帯端末装置900が地上サーバ装置200に通信接続した場合に表示するトップページの例を示す説明図である。
図7および
図10に示す例のように、地上サーバ装置200は、記憶部930が有効な列車利用情報を記憶しているか否か(すなわち、携帯端末装置900が車上サーバ装置400から有効な列車利用情報を取得したか否か)に応じて、携帯端末装置900の表示するトップページを変化させる。
【0059】
図10の例に示す各項目のうち、「沿線情報(○○線)」では、記憶部930が記憶している列車利用情報(特に利用線区情報)の示す路線(線区)の沿線情報を表示する。
このように、地上サーバ装置200は、記憶部930の記憶している利用線区情報に応じた沿線情報を送信することで、利用客が利用している線区の沿線情報を提供し得る。従って、利用客にとって役に立つ可能性の比較的高い情報を提供できる。
【0060】
また、地上サーバ装置200は、記憶部930の記憶している利用線区情報に応じたクーポンを提供することで、車上サーバ装置400について説明したのと同じく、利用客が利用した路線に応じて、当該路線の沿線の店舗のクーポンを提供することができる。これにより、地上サーバ装置200は、利用客が実際に利用する可能性の高いクーポンを提供することができる。
【0061】
また、地上サーバ装置200は、車上サーバ装置400について説明したのと同じく、携帯端末装置900が取得する列車利用情報(特に利用線区情報)をスタンプ代わりに用いたスタンプラリーを行うことができる。すなわち、地上サーバ装置200は、利用客の鉄道利用状況に応じてサービスを提供することができる。
【0062】
また、地上サーバ装置200は、列車利用情報の有効期限に基づいて、列車利用情報が有効な場合に該当する線区の沿線情報やクーポン情報を提供することで、利用客が利用しなくなった線区に関する情報の提供を中止することができ、利用客にとって役に立つ可能性のより高い情報を選択的に提供することができる。
【0063】
「駅周辺情報情報(○○駅)」では、携帯端末装置900が位置する駅(従って、携帯端末装置900を所持する利用客が位置する駅)の周辺情報(例えば、駅周辺の店舗情報やイベント情報など)を表示する。
ここで、地上無線装置300が駅構内に設置されて駅構内の利用客が所持する携帯端末装置900と通信を行う際、記憶部930が有効な列車利用情報(特に利用線区情報および利用列車情報)を記憶していれば、地上サーバ装置200は、列車利用情報に基づいて、利用客が駅に降車した時刻を推定することができる。そして、地上サーバ装置200は、推定した降車時刻から現在時刻までの時間が所定の閾値時間以下か否かを判定することで、利用客が降車後の状態にあるか否かを判定(推定)することができる。
また、降車後の利用客は、降車後の行動のための情報を欲することが考えられる。
そこで、地上サーバ装置200は、
図10に示すトップページにおいて、利用客の降車後の行動に役立つと思われる降車駅の周辺情報へのショートカットを携帯端末装置900に表示させることで、降車後の利用客の便宜を図ることができる。
【0064】
さらに、地上サーバ装置200が、記憶部930が記憶している利用線区情報に基づいて、短距離利用客(通勤など)と長距離利用客(旅行や出張など)との区別に応じた情報提供を行うようにしてもよい。例えば、利用客が駅周辺情報へのショートカットをタッチした際、地上サーバ装置200は、記憶部930の記憶している利用線区情報が、都市近郊線など短距離の線区を示しているか、都市間を結ぶ長距離の線区を示しているかを判定する。そして、短距離の線区を示していると判定した場合、地上サーバ装置200は、駅周辺の飲み屋の情報や新たに開店する店舗の情報など、通勤時の利用客に役立つ情報を提供する。一方、長距離の線区を示していると判定した場合、地上サーバ装置200は、観光案内や他社線の駅への道順など、旅行時や出張時の利用客に役立つ情報を提供する。
このように、地上サーバ装置200は、記憶部930が記憶している利用線区情報や利用列車情報に応じた情報を提供する(携帯端末装置900に送信して表示させる)ことで、利用者に役立つ可能性のより高い情報を提供することができる。
【0065】
さらに、地上サーバ装置200が、長距離利用客と判定した利用客に対して、記憶部930が記憶している利用線区情報の履歴に基づいて、往路か復路かを推定するようにしてもよい。例えば、地上サーバ装置200は、同一線区における逆方向の列車への乗車の記録があれば復路と判定し、無ければ往路と判定する。そして、往路の場合は、旅行時や出張時の利用客に役立つ情報を提供し、復路の場合は、通勤時の利用客と同様の情報を提供する。
このように、地上サーバ装置200は、記憶部930が記憶している利用線区情報の履歴に応じた情報を提供する(携帯端末装置900に送信して表示させる)ことで、利用者に役立つ可能性のより高い情報を提供することができる。
【0066】
なお、地上サーバ装置200が、利用客の降車駅に加えて乗車駅も判定するようにしてもよい。例えば、利用客が車両編成10に乗車した際に、車上サーバ装置400が携帯端末装置900に自動接続して乗車駅を識別するための情報(例えば、乗車時刻情報または乗車駅の識別番号など)を携帯端末装置900に記憶させておく。そして、地上サーバ装置200は、携帯端末装置900から当該情報を読み出して、利用客の乗車位置を判定する。
地上サーバ装置200は、利用客の乗車駅を判定することで、線区のうちの利用区間を特定して当該利用区間沿線の情報を提供するなど、利用客に役立つ可能性のより高い情報を提供することができる。
【0067】
なお、列車利用情報の有効期間を1時間など短時間に設定することで、利用者が乗車前か降車後かの区別を、制御部220が有効時間情報に基づいて行うようにしてもよい。
【0068】
「駅構内案内図(○○駅)」では、利用者の降車位置に応じた案内図を表示する。
図11は、携帯端末装置900が表示する駅構内案内図の例を示す説明図である。同図の例において、携帯端末装置900は、駅構内案内図に利用者の降車位置を付して表示している。
ここで、地上サーバ装置200は、記憶部930が記憶している利用車両情報に基づいて、利用者が乗車していた車両(号車番号)を特定することで、ホームにおける利用者の降車位置を推定することができる。地上サーバ装置200は、推定した降車位置を駅構内案内図に付して携帯端末装置900に送信し表示させる。
これにより、利用客は、自らの現在位置をより正確に把握し得る。
このように、地上サーバ装置200は、記憶部930が記憶している利用線区情報や利用車両情報に応じた情報を提供する(携帯端末装置900に送信して表示させる)ことで、利用者にとってより便利な情報を提供することができる。
【0069】
「遺失物のお問合せ」では、利用者が乗車していた車両を提示する。
図12は、携帯端末装置900が表示する遺失物問合せ用画面の例を示す説明図である。同図の例において、携帯端末装置900は、利用者が乗車していた路線や列車や車両等を表示している。地上サーバ装置200は、これらの情報を列車利用情報(特に、利用線区情報、利用列車情報および利用号車情報)から取得し、携帯端末装置900に送信して表示させる。
これにより、利用客は、自らが乗車していた列車や車両を降車後に把握することができ、遺失物の問合せに役立てることができる。
このように、地上サーバ装置200は、記憶部930が記憶している利用線区情報や利用列車情報や利用号車情報に応じた情報を提供する(携帯端末装置900に送信して表示させる)ことで、利用者にとってより便利な情報を提供することができる。
【0070】
次に
図13および
図14を参照して、情報配信システム1の動作について説明する。
図13は、車上サーバ装置400と携帯端末装置900とが通信する際に行う処理の例を示すシーケンス図である。
携帯端末装置900において利用客が情報配信サービスアプリの起動操作を行うと、携帯端末装置900は、まず、車上サーバ装置400に接続要求を送信する(シーケンスS101)。そして車上サーバ装置400は、認証処理などの接続処理を行う(シーケンスS102)。
【0071】
接続に成功すると、車上サーバ装置400(配信データ生成部422)は、乗車中のトップページ(
図8参照)の表示用データを生成する(シーケンスS103)。また、車上サーバ装置400(列車利用情報生成部421)は、列車利用情報を生成する(シーケンスS104)。そして、車上サーバ装置400(携帯端末装置通信部413)は、配信データ生成部422が生成した表示用データと、列車利用情報生成部421が生成した列車利用情報とを携帯端末装置900に送信する(シーケンスS105)。
【0072】
車上サーバ装置400からの情報を受信した携帯端末装置900では、制御部920が列車利用情報を記憶部930に記憶させる(シーケンスS106)。また、制御部920は、トップページの表示用データに基づいて、乗車中のトップページを表示部940に表示させる(シーケンスS107)。
そして、表示項目を選択するユーザ操作を操作入力部950が検出すると(シーケンスS111)、制御部920は、表示用データの要求を、近距離通信部911を介して車上サーバ装置400に送信する(シーケンスS112)。
【0073】
携帯端末装置900からの要求を受信した車上サーバ装置400では、配信データ生成部422が表示用データを生成する(シーケンスS113)。例えば、配信データ生成部422は、コンテンツ配信装置100や業務ネットワーク620からのコンテンツを携帯端末装置900への送信用に加工する。
そして、配信データ生成部422は、生成した表示用データを、携帯端末装置通信部413を介して携帯端末装置900に送信する(シーケンスS114)。
制御部420からの表示用データを受信した携帯端末装置900では、制御部920が、受信したデータに基づくコンテンツを表示部940に表示させる(シーケンスS115)。
【0074】
図14は、地上サーバ装置200と携帯端末装置900とが通信する際に行う処理の例を示すシーケンス図である。
携帯端末装置900において利用客が情報配信サービスアプリの起動操作を行うと、携帯端末装置900は、まず、地上サーバ装置200に接続要求を送信する(シーケンスS201)。その際、記憶部930が列車利用情報を記憶していれば、携帯端末装置900は、接続要求に列車利用情報を含めて送信する。
そして地上サーバ装置200は、認証処理などの接続処理を行う(シーケンスS202)。
【0075】
接続に成功すると、列車利用情報判定部221は、接続要求に含まれている列車利用情報の有無および内容を確認し、また、列車利用情報があれば記憶部230に記憶させる(シーケンスS203)。
そして、配信データ生成部222は、シーケンスS203における列車利用情報判定部221の確認結果に基づいて、トップページの表示用データを生成する(シーケンスS204)。具体的には、列車利用情報判定部221は、列車利用情報の有無および内容に基づいて、上述したように、利用客が乗車前か降車後かを判定する。そして、配信データ生成部222は、列車利用情報判定部221の判定結果に基づいて、乗車前のトップページの表示用データまたは降車後のトップページの表示用データを生成する。
そして、配信データ生成部222は、生成した表示用データを、携帯端末装置通信部213を介して携帯端末装置900に送信する(シーケンスS205)。
【0076】
地上サーバ装置200からの情報を受信した携帯端末装置900では、制御部920が、トップページの表示用データに基づいて、乗車前のトップページまたは降車後のトップページを表示部940に表示させる(シーケンスS205)。
そして、表示項目を選択するユーザ操作を操作入力部950が検出すると(シーケンスS211)、制御部920は、表示用データの要求を、近距離通信部911を介して地上サーバ装置200に送信する(シーケンスS212)。
【0077】
携帯端末装置900からの要求を受信した地上サーバ装置200では、配信データ生成部222が表示用データを生成する(シーケンスS213)。その際、配信データ生成部222は、上述したように列車利用情報に応じたデータを生成する。
そして、配信データ生成部222は、生成したデータを、携帯端末装置通信部213を介して携帯端末装置900に送信する(シーケンスS214)。
制御部220からの表示用データを受信した携帯端末装置900では、制御部920が、受信したデータに基づくコンテンツを表示部940に表示させる(シーケンスS215)。
【0078】
以上のように、制御部420は、携帯端末装置900と通信を行っている状態で、利用線区情報を携帯端末装置900に送信する。また、制御部220は、携帯端末装置900と通信を行っている状態で、携帯端末装置900が利用線区情報を制御部420から取得したか否かを判定し、判定結果に応じた情報を携帯端末装置900に送信する。
これにより、制御部220は、例えば利用者が利用した線区の沿線の店舗のクーポンを送信するなど、利用客の鉄道利用状況や利用線区に応じて情報を提供できる。
すなわち、制御部220は、列車に乗車する前の利用客や降車した後の利用客に対して、利用客の状況に応じた情報を提供することができる。
【0079】
また、制御部420は、利用線区情報に加えて利用列車情報を携帯端末装置900に送信する。また、制御部220は、携帯端末装置900が取得した利用列車情報に応じた情報を携帯端末装置900に送信する。
これにより、制御部220は、例えば利用客が乗車前か降車後かを判定して判定結果に応じた情報を提供するなど、利用客の状況に応じて役立つ可能性のより高い情報を提供することができる。
【0080】
また、制御部420は、利用線区情報に加えて利用車両情報を携帯端末装置900に送信する。また、制御部220は、携帯端末装置900が取得した利用車両情報に応じた情報を携帯端末装置900に送信する。
これにより、制御部220は、例えば利用客が乗車していた車両を特定して、利用客に役立つ可能性のより高い情報を提供することができる。
【0081】
また、制御部420は、利用線区情報に加えて利用線区情報の有効期限情報を携帯端末装置900に送信する。また、制御部220は、利用線区情報が有効期間内か否かを判定して、判定結果に応じた情報を提供する。これにより、制御部220は、例えば列車利用から一定期間のみ該当線区の沿線情報を携帯端末装置900に送信するなど、よりタイムリーに情報を提供することができる。
【0082】
なお、地上サーバ装置200や車上サーバ装置400の、全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0083】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。