(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
送電コイル(11)を備える給電台(10)に、受電コイル(51)を内蔵する携帯機器(50)をセットし、前記給電台(10)の送電コイル(11)に前記携帯機器(50)の受電コイル(51)を電磁結合して、前記送電コイル(11)から前記受電コイル(51)に電磁誘導作用で電力搬送すると共に、前記携帯機器(50)から前記給電台(10)に、電力を調整する電力の増減要求信号を伝送して、前記給電台(10)が前記増減要求信号に基づいて前記送電コイル(11)の出力を調整して、前記携帯機器(50)の要求電力を給電するようにしてなる無接点給電方法であって、
前記携帯機器(50)は、所定の周期で前記給電台(10)から給電される受電電力を要求電力に比較して、受電電力が要求電力よりも小さいと前記増減要求信号として増加要求信号を前記給電台(10)に伝送し、受電電力が要求電力よりも大きいと前記増減要求信号として減少要求信号を前記給電台(10)に伝送し、
かつ、前記増減要求信号は、前記給電台(10)の出力を増加させる要求値の大きさ及び/又は要求値の変化値に応じて大きくなる重み付けポイントを含み、所定の周期で出力される前記重み付けポイントを加算して、加算される重み付けポイントが設定ポイントになることを検出して異物検出する無接点給電方法。
前記給電台(10)から前記携帯機器(50)に給電を開始して、あらかじめ設定している設定時間経過した後、前記重み付けポイントを加算して異物検出する請求項1ないし4のいずれかに記載される無接点給電方法。
前記給電台(10)が充電台(10A)で、前記携帯機器(50)が電池内蔵機器(50A)で、前記充電台(10A)から前記電池内蔵機器(50A)に給電される電力で前記電池内蔵機器(50A)の電池(52)を充電する請求項1ないし7のいずれかに記載される無接点給電方法。
前記給電台(10)が、前記送電コイル(11)を前記携帯機器(50)の受電コイル(51)に接近させるように移動させる移動機構(16)を有する請求項1ないし9のいずれかに記載される無接点給電方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の充電台は、異物を検出するための温度センサと、この温度センサの検出温度から異物判定する判定回路を設ける必要があるので、異物検出のための回路構成が複雑で製造コストが高くなる欠点がある。また、温度センサから離れてセットされる異物を安定して確実に検出できなかったり、検出時間が相当に遅くなって異物が高温に発熱する等の欠点がある。さらに、以上の充電台は、異物の発熱を温度センサで検出して異物がセットされたことを判定するので、異物を検出する状態で異物が異常な高温に加熱されて、安全に異物検出できない欠点もある。
【0007】
さらに、無接点給電方法は、送電コイルと受電コイルとを電磁結合して電力搬送するので、受電コイルと送電コイルとの相対位置がずれると送電効率が低下する欠点がある。この状態は、たとえば、給電台から携帯機器に電力搬送している状態で、携帯機器が振動などが原因で位置ずれすることで発生する。送電効率が低下すると、携帯機器の受電電力が低下し、また携帯機器と給電台との間の通信も不安定になって正常な給電を実現できなくなる。
【0008】
本発明は、さらに以上の欠点を解消することを目的に開発されたもので、本発明の大切な目的は、簡単な回路構成で製造コストを安価にしながら、セットされる異物を安定して確実に検出できる無接点給電方法を提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、速やかに異物がセットされたことを検出できる無接点給電方法を提供することにある。
さらにまた、本発明の他の大切な目的は、送電コイルと受電コイルとの相対的な位置ずれからなる異常判定も検出できる無接点給電方法を提供することにある。
【0009】
本発明の無接点給電方法は、送電コイル11を備える給電台10に、受電コイル51を内蔵する携帯機器50をセットし、給電台10の送電コイル11に携帯機器50の受電コイル51を電磁結合して、送電コイル11から受電コイル51に電磁誘導作用で電力搬送する。携帯機器50は、給電台10に電力を調整する電力の増減要求信号を伝送する。給電台10は、増減要求信号に基づいて送電コイル11の出力を調整して、携帯機器50の要求電力を給電する。さらに、携帯機器50は、所定の周期で、給電台10から給電される受電電力を要求電力に比較して、受電電力が要求電力よりも小さいと増減要求信号として増加要求信号を給電台10に伝送し、受電電力が要求電力よりも大きいと増減要求信号として減少要求信号を給電台10に伝送する。増減要求信号は、給電台10の出力を増加させる要求値の大きさに応じて大きくなる増加要求の重み付けポイントと、要求値の変化値に応じて大きくなる変化量の重み付けポイントの何れか又は両方を含み、所定の周期で出力される重み付けポイントを加算して、加算される重み付けポイントが設定ポイントになると、異物がセットされたと判定する。
【0010】
以上の無接点給電方法は、簡単な回路構成で製造コストを安価にしながら、セットされる異物を安定して確実に検出できる特徴がある。この特徴は、以上の無接点給電方法が、給電台の出力を増加させる増加要求信号に、要求値の大きさや要求値の変化値に応じて大きくなる重み付けポイントを設け、この重み付けポイントを加算して、加算される重み付けポイントが設定ポイントになると、給電台に異物がセットされたと判定するからである。とくに、以上の方法は、重み付けポイントを要求値や要求値の変化値の大きさに応じて大きくして、これを加算して加算値が設定値以上になると異物がセットされたと判定するので、給電台にセットされる異物を速やかに検出できる特徴がある。それは、給電台に異物がセットされて、受電電力が低下すると、要求値や要求値の変化値の重み付けポイントが増加して、給電台の出力を増加させるからである。
【0011】
さらに、以上の無接点給電方法は、送電コイルと受電コイルとの相対的な位置ずれ等の異常判定もできる特徴がある。それは、送電コイルと受電コイルとの相対位置がずれて送電効率が低下すると、受電電力が低下して、増加要求信号の大きさや変化値が大きくなって、重み付けポイントが大きくなるからである。また、給電台の送電コイルや電源回路が故障して出力が低下する状態になっても、携帯機器の受電電力が低下して、増加要求信号の大きさや変化値が大きくなって重み付けポイントが増加するので、これ等の異常判定もできる特徴がある。
【0012】
とくに、以上の方法は、増加要求信号に、要求値の大きさに応じて大きくする増加要求の重み付けポイントと、要求値の変化値に応じて大きくする変化量の重み付けポイントを設けて、増加要求の重み付けポイントと変化量の重み付けポイントの両方を加算することで、より速やかに異物がセットされたことを検出し、また受電コイルの位置ずれや一部の回路の故障などの異常判定もより速やかにできる特徴がある。
【0013】
ただ、以上の方法は、増加要求信号に、要求値の大きさに応じて大きくする増加要求の重み付けポイントのみを設け、あるいは、要求値の変化値に応じて大きくする変化量の重み付けポイントのみを設け、増加要求の重み付けポイントのみを加算し、あるいは変化量の重み付けポイントのみを加算して、異物検出や異常判定をすることもできる。
【0014】
さらに、以上の無接点給電方法は、携帯機器が出力する増加要求信号の重み付けポイントを加算して異物判定し、また相対位置のずれを検出するので、異物検出や異常判定のために給電台に温度センサ等を設ける必要がなく、回路構成を簡単にしながら、異常判定なども含めて検出できる特徴がある。
【0015】
また、以上の無接点給電方法は、従来のように異物の発熱を温度センサで検出して異物判定するのでなく、異物がセットされると、送電効率が低下して、携帯機器が出力する増減要求信号の重み付けポイントを加算して異物検出と位置ずれを検出するので、異物を異常な高温に加熱することなく、異物がセットされたことを安全に検出できる特徴も実現する。
【0016】
本発明の無接点給電方法は、重み付けポイントを、所定の範囲で、要求値の大きさに比例して大きくすることができる。
この無接点給電方法は、より安定に、しかも正確に異物検出や異常判定できる特徴がある。
【0017】
また、本発明の無接点給電方法は、重み付けポイントを、所定の範囲で、要求値の変化値の大きさに比例して大きくすることもできる。
この無接点給電方法も、安定に、しかも正確に異物検出や異常判定できる特徴がある。
【0018】
さらに、本発明の無接点給電方法は、給電台10の出力制限の設定値に制限することができる。
この無接点給電方法は、異物の異常な加熱をより効果的に防止しながら、より確実に異物検出と異常判定できる。それは、給電台の出力を設定値に制限するので、受電電力が要求電力よりも小さい状態で、携帯機器が出力する増加要求信号の重み付けポイントが大きくなるからである。
【0019】
また、本発明の無接点給電方法は、給電台10から携帯機器50に給電を開始して、あらかじめ設定している設定時間経過した後、重み付けポイントを加算して異物検出することができる。
以上の無接点給電方法は、設定時間経過して受電電力の安定する状態で異物検出するので、増加要求信号の重み付けポイントを大きくして、速やかに異物検出できる特徴がある。
【0020】
さらに、本発明の無接点給電方法は、受電電力が所定の範囲に安定した後、重み付けポイントを加算して異物検出することができる。
この無接点給電方法は、携帯機器の受電電力が安定する状態、すなわち、給電台の出力が一定となる状態で、重み付けポイントを加算して異物検出するので、異物検出をより正確にしかも速やかに検出できる特徴がある。とくに、給電台の出力を設定値に制限する状態で異物検出することで、より正確に異物検出できる特徴がある。それは、給電台に異物がセットされて、送電効率が低下する状態で、給電台の出力が出力電力閾値に制限される状態では、増加要求信号の重み付けポイントが大きくなって、加算値が速やかに大きくなるからである。また、出力を制限しない給電台が、最大出力の状態で、受電電力が要求電力に満たない状態となることもある。この状態においても、増加要求信号の重み付けポイントが大きくなるので、これを加算することで速やかに異物検出できる。したがって、本発明の無接点給電方法は、給電台の出力を、あらかじめ設定している出力に制限することなく、異物検出することもできる。
【0021】
さらに、本発明の無接点給電方法は、加算される重み付けポイントを、携帯機器50の減少要求信号でリセットまたは減算することができる。
以上の無接点給電方法は、異物検出の誤判定を防止しながら確実に異物判定できる特徴がある。それは、携帯機器が減少要求信号を出力する状態は、送電効率が高く、異物がセットされない状態と判定できるので、加算する重み付けポイントを減少要求信号でリセットまたは減算することで、重み付けポイントの加算ポイントを速やかに減少させて、加算ポイントが設定ポイントに達するのを阻止できるからである。
【0022】
さらに、本発明の無接点給電方法は、給電台10を充電台10Aとして、携帯機器50を電池内蔵機器50Aとし、充電台10Aから電池内蔵機器50Aに給電される電力で電池内蔵機器50Aの電池52を充電することができる。
この無接点給電方法は、電池内蔵機器を充電台にセットして、充電台から電池内蔵機器に電力搬送して、電池内蔵機器の電池を充電しながら、異物検出や異常判定できる特徴がある。
【0023】
さらに、本発明の無接点給電方法は、電池内蔵機器50Aが電池52を定電圧・定電流にて充電することができる。
この無接点給電方法は、リチウムイオン電池やリチウムポリマー電池等の電池を、定電圧・定電流特性で安定して充電できる。
【0024】
また、本発明の無接点給電方法は、給電台10に、送電コイル11を携帯機器50の受電コイル51に接近させるように移動させる移動機構16を有する構造とすることができる。
この無接点給電方法は、携帯機器を自由な位置セットして、送電コイルを受電コイルに接近でき、しかも送電コイルを受電コイルに接近して給電を開始した後、確実に安定して異物検出できる特徴がある。
【0025】
また、本発明の無接点給電方法は、携帯機器50が、受電コイル51の出力を降圧して負荷に供給することができる。
この無接点給電方法は、携帯機器側において、受電コイルが受電する電力を降圧して負荷に供給するので、送電コイルから搬送される電力を受電コイルで高電圧に受電可能となる。このため、受電コイルの出力電圧を高くして、受電コイルに流れる電流を小さくできる。これにより、受電コイルの配線幅を大きくすることなく、また受電コイルの線径を大きくすることなく、携帯機器に省スペースに内蔵でき、体積エネルギー密度への影響を低減できる。また、受電コイルに流れる電流を小さくできることで、電力搬送における電力の無駄な消費、すなわち、受電コイルの抵抗による電力消費を低減して効率よく電力搬送できる。
【0026】
さらに、本発明の無接点給電方法は、携帯機器50で増加要求信号の重み付けポイントを加算して異物検出することができる。さらにまた、本発明の無接点給電方法は、給電台10で増加要求信号の重み付けポイントを加算して異物検出することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための無接点給電方法を例示するものであって、本発明は無接点給電方法を以下の方法や回路構成に特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0029】
図1は、本発明の無接点給電方法で電力搬送する給電台と携帯機器を示すブロック図である。この図は、給電台10の上に携帯機器50を載せて、給電台10から携帯機器50に給電する状態を示している。以下の実施例は、給電台10を充電台10Aとし、携帯機器50を電池内蔵機器50Aとして、充電台10Aから電池内蔵機器50Aに給電して、電池内蔵機器50Aの電池52を充電する状態を示している。
【0030】
ただし、本発明は、給電台を充電台として、携帯機器を電池内蔵機器に特定するものではない。携帯機器は照明器具や充電アダプタとして、給電台から携帯機器に給電して、携帯機器に電力供給することができる。照明の携帯機器は、給電台から給電される電力で光源を点灯し、充電アダプタの携帯機器は、給電台から給電される電力でもって、充電アダプタに接続される電池内蔵機器に電池の充電電力を供給して、電池内蔵機器の電池を充電する。また、携帯機器は、パック電池であっても良い。
【0031】
給電台10は、ケース20の上面に、携帯機器50を一定の位置にセットして載せる上面プレート21を設けて、この上面プレート21の内側に送電コイル11を配置している。送電コイル11は、交流電源12を接続して、交流電源12をコントロール回路13で制御している。
【0032】
コントロール回路13は、携帯機器50から伝送される増減要求信号で交流電源12を制御して、送電コイル11に供給する電力を調整する。コントロール回路13は、受信回路14から入力される増加要求信号で交流電源12から送電コイル11への出力電力を大きくし、減少要求信号で送電コイル11への出力を小さくして、携帯機器50から要求された要求電力を給電する。コントロール回路13は、交流電源12の出力を最大出力に以下に調整し、あるいはあらかじめ設定している設定電力以下に調整する。コントロール回路13は、増加要求信号によって交流電源12の出力を増加させるが、交流電源12の出力が最大電力に、あるいは設定電力まで増加される状態においては、増加要求信号を検出しても、交流電源12の出力を増加させない。
【0033】
給電台10は、送電コイル11を受電コイル51に電磁結合して、送電コイル11から受電コイル51に電力搬送、すなわち給電する。携帯機器50を上面プレート21の自由な位置にセットして、電池52を充電する給電台10は、送電コイル11を受電コイル51に接近するように移動させる移動機構16を内蔵している。この給電台10は、送電コイル11をケース20の上面プレート21の下に配設して、上面プレート21に沿って移動させて受電コイル51に接近させる。
【0034】
給電台10と携帯機器50は、携帯機器50を給電台10の定位置にセットする位置決め部機構を設けて、携帯機器50を給電台10の定位置にセットすることができる。位置決め部機構は、受電コイル51を送電コイル11に接近させるように、携帯機器50を給電台10の定位置にセットする。送電コイル11に接近する受電コイル51は、電磁誘導作用で送電コイル11から受電コイル51に電力搬送して給電する。
【0035】
図2の位置決め部機構22は、給電台10の定位置に携帯機器50をセットする嵌合構造である。
図2の嵌合構造は、給電台10の上面に携帯機器50を嵌入する嵌入凹部23を設けて、嵌入凹部23に携帯機器50を入れて定位置にセットしている。図示しないが、位置決め部機構は、給電台と携帯機器との対向面に嵌合構造の凹凸を設けて、携帯機器を給電台の定位置にセットすることもできる。嵌合構造は、携帯機器の位置ずれを防止できる。しかしながら、この構造の給電台も、携帯機器との間に異物がセットされることがあり、また給電中に携帯機器の近傍に金属製の異物がセットされることがあるので、エラー検出して、異物検出や異常判定する必要はある。
【0036】
送電コイル11は、上面プレート21と平行な面で渦巻き状に巻いてなる平面コイルで、上面プレート21の上方に交流磁束を放射する。この送電コイル11は、上面プレート21に直交する交流磁束を上面プレート21の上方に放射する。送電コイル11は、交流電源12から交流電力が供給されて、上面プレート21の上方に交流磁束を放射する。送電コイル11は、磁性材からなるコア(図示せず)に線材を巻いてインダクタンスを大きくできる。コアのある送電コイルは、磁束を特定部分に集束して、効率よく電力を受電コイルに伝送できる。ただ、送電コイルは、必ずしもコアを設ける必要はなく、空芯コイルとすることもできる。空芯コイルは軽いので、送電コイルを上面プレートの内面で移動させる構造にあっては、移動機構を簡単にできる。送電コイル11は、受電コイル51の外径にほぼ等しくして、受電コイル51に効率よく電力搬送する。
【0037】
交流電源12は、コントロール回路13でもって送電コイル11に供給する電力が調整されて、たとえば、20kHz〜1MHzの高周波電力を送電コイル11に供給する。送電コイル11を受電コイル51に接近するように移動させる給電台10は、交流電源12を、可撓性のリード線を介して送電コイル11に接続している。交流電源12は、発振回路と、この発振回路から出力される交流を電力増幅するパワーアンプと備える。
【0038】
給電台10は、送電コイル11を受電コイル51に接近させた状態で、交流電源12で送電コイル11に交流電力を供給する。送電コイル11の交流電力は、受電コイル51に搬送されて、電池52を充電する。給電台10は、電池52が満充電され、あるいは異物検出し、あるいはまた異常判定する状態で、携帯機器50から伝送される信号で送電コイル11への電力供給を停止して、電池52の充電を停止する。
【0039】
図1と
図2の携帯機器50は電池内蔵機器50Aで、この携帯機器50は、給電台10の送電コイル11に電磁結合される受電コイル51を内蔵している。受電コイル51に誘導される受電電力で電池52を充電する。したがって、
図1の携帯機器50は、電池52と、受電コイル51と、この受電コイル51に誘導される交流を直流に変換する整流回路56と、整流回路56から出力される直流で電池52を充電する充電電流や電圧を調整する充電制御回路53と、携帯機器50の情報信号を給電台10に伝送する伝送回路54と、整流回路56の出力から受電電力を検出して、受電電力を、電池52を充電するために必要な電力である要求電力に比較して増減要求信号を検出すると共に、この増減要求信号から異物検出する検出回路55とを備える。
【0040】
電池52は、リチウムイオン電池又はリチウムポリマー電池である。ただし、電池は、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池などの充電できる全ての電池とすることができる。携帯機器50は、1個ないし複数の電池52を内蔵している。複数の電池52は、直列又は並列に接続され、あるいは直列と並列に接続される。
【0041】
整流回路56は、図示しないが、受電コイル51に誘導される交流をダイオードブリッジで全波整流して脈流を平滑コンデンサーで平滑化する。整流回路は、ダイオードブリッジで交流を整流するが、整流回路には、FETをブリッジに接続して、交流に同期してFETをオンオフに切り換えて整流する同期整流回路も使用できる。FETの同期整流回路はオン抵抗が小さく、整流回路の発熱を少なくして、携帯機器のケース内温度の上昇を少なくできる。また、平滑コンデンサーは必ずしも必要でなく、ダイオードブリッジや同期整流回路の出力で電池を充電することもできる。
【0042】
充電制御回路53は、リチウムイオン電池やリチウムポリマー電池等を定電圧・定電流充電し、またニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池を定電流充電する。さらに、充電制御回路53は、電池52の満充電を検出して、満充電信号を伝送回路54を介して給電台10に伝送する。給電台10は、伝送回路54から伝送される満充電信号や携帯機器50の情報信号を受信回路14で検出する。給電台10は、携帯機器50からの情報信号を検出し、コントロール回路13で交流電源12を制御する。給電台10は、満充電信号を検出すると、送電コイル11への電力供給を停止させる。
【0043】
伝送回路54は、携帯機器50から給電台10に、給電台10の出力を増加又は減少するための増加要求信号と減少要求信号からなる増減要求信号、電池52の満充電信号、充電している電池52の電圧、充電電流、電池温度、電池のシリアル番号、電池の充電電流を特定する許容充電電流、電池の充電をコントロールする許容温度等の電池情報などの種々の情報信号を給電台10に伝送する。伝送回路54は、受電コイル51の負荷インピーダンスを変化させて、送電コイル11に種々の情報信号を伝送する。この伝送回路54は、図示しないが、受電コイル51に変調回路を接続している。変調回路は、コンデンサーや抵抗等の負荷とスイッチング素子とを直列に接続して、スイッチング素子のオンオフを制御して種々の情報信号を給電台10に伝送する。
【0044】
給電台10の受信回路14は、送電コイル11のインピーダンス変化、電圧変化、電流変化等を検出して、伝送回路54から伝送される情報信号を検出する。受電コイル51の負荷インピーダンスが変化すると、これに電磁結合している送電コイル11のインピーダンスや電圧や電流が変化するので、受信回路14は、これ等の変化を検出して、携帯機器50の情報信号を検出することができる。
【0045】
ただし、伝送回路は、搬送波を変調して伝送する回路、すなわち送信機とすることもできる。この伝送回路から伝送される情報信号の受信回路は、搬送波を受信して、情報信号を検出する受信器である。伝送回路と受信回路とは、携帯機器から給電台に情報信号を伝送できる全ての回路構成とすることができる。
【0046】
検出回路55は、所定の周期で、整流回路56から出力される受電電力を要求電力に比較して増減要求信号を出力する比較部55Aと、比較部55Aの増加要求信号から異物検出を判定する判定部55Bとを備える。
【0047】
比較部55Aは、整流回路56の出力電圧と電流の積から受電電力を検出し、検出する受電電力を要求電力に比較して増減要求信号を出力する。比較部55Aは、電池52を充電するために必要な電力を要求電力として検出する。比較部55Aは、電池52の種類、電池電圧、充電する電流等を検出して、電池52を充電するために必要な電力、すなわち要求電力を検出する。リチウムイオン電池やリチウムポリマー電池は、定電圧・定電流特性で充電されるので、電池52が満充電に近づくにしたがって充電電流は減少する。したがって、電池52が満充電に近づくにしたがって要求電力を小さくする。
図1と
図2は、携帯機器50を電池内蔵機器50Aとして、消費電力で電池52を充電する。この携帯機器50は、要求電力を電池52の充電電力とするが、携帯機器は必ずしも電池内蔵機器には限定しない。電池内蔵機器でない携帯機器は、要求電力を負荷の消費電力や定格電力として検出する。
【0048】
増減要求信号は、給電台10の出力を増加させる増加要求信号と、出力を小さくする減少要求信号である。比較部55Aは、受電電力が要求電力よりも小さいことを検出して増加要求信号を出力し、受電電力が要求電力よりも大きいことを検出して減少要求信号を出力する。比較部55Aは、負荷に最適な電力を供給できるように、受電電力を要求電力に比較して、増加要求信号又は減少要求信号からなる増減要求信号を出力する。
【0049】
比較部55Aは、要求電力と受電電力との差の大きさを含む増減要求信号を出力する。増減要求信号は給電台10に伝送されて、給電台10の出力を増加し、あるいは減少して出力を調整する。
図3は、増減要求信号が、給電台10の出力を変化させる倍率を示している。この増減要求信号は、受電電力と要求電力との差の値によって、給電台10の出力を1/2倍〜2倍に変更する。受電電力が要求電力よりも小さい状態では、増加要求信号でもって給電台10の出力を1倍〜2倍に増加し、受電電力が要求電力よりも大きい状態では、減少要求信号でもって給電台10の出力を1/2倍〜1倍に減少させる。この図の比較部55Aは、給電台10の出力を、1/2倍〜2倍に調整するが、さらに広い範囲で増減する倍率を調整することもできる。
【0050】
図4のラインAは、増減要求信号の信号レベルを示す。この増減要求信号は、増加倍率で信号レベルを変化して、信号レベルでもって増加要求信号と減少要求信号とを伝送する。ただ、図示しないが、比較部は、増加要求信号と減少要求信号とを別々の信号として給電台に伝送することもできる。
図4に示す増減要求信号は、給電台10の出力を増減する倍率、すなわち増加倍率である1/2倍〜2倍によって、信号レベルを変化させる。信号レベルが異なる増減要求信号は、伝送回路54と受信回路14を介して給電台10に伝送される。給電台10は、受信回路14で受信する増減要求信号で交流電源12の出力を増減して、携帯機器50の受電電力を要求電力に近づける。
【0051】
さらに、比較部55Aから出力される増加要求信号は、出力を増加させる要求値の大きさに応じて大きい「増加要求の重み付けポイント」を含む信号である。増加要求の重み付けポイントを
図4のラインBで示している。ラインBで示す増加要求の重み付けポイントは、受電電力と要求電力との差で特定される増加倍率によって変化し、所定の範囲においては、要求値の大きさに比例して直線状に大きく、小さい範囲では0ポイント、設定値よりも大きい範囲では一定のポイント値としている。増加要求の重み付けポイントは、
図4の鎖線で示すラインCのように、増減要求信号の増加倍率で特定することもできる。
【0052】
さらに、比較部55Aは、増加要求信号の要求値の変化値に応じて大きくなる変化量の重み付けポイントを含む信号とすることもできる。
図5は、増加要求信号の変化量に対する重み付けポイントを例示している。変化量の重み付けポイントは、増加要求信号の前回値との差、すなわち、増加要求信号の傾きで特定する。変化値が大きいと、変化量の重み付けポイントを大きくする。
図5に示す変化量の重み付けポイントは、所定の範囲においては変化値に比例して直線的に大きく、変化値の小さい範囲では0ポイント、設定値よりも大きい状態で一定のポイント値としている。
【0053】
判定部55Bは、比較部55Aから出力される重み付けポイントを加算して異物がセットされたかどうかを判定する。判定部55Bは、加算する重み付けポイントがあらかじめ設定しているポイント値になると、異物がセットされたと判定する。異物がセットされると重み付けポイントが大きくなるからである。
【0054】
図6は、携帯機器50が給電台10にセットされて受電電力が変化する状態を示している。携帯機器50は、受電電力と要求電力とを比較し、受電電力が要求電力よりも小さい状態で増加要求信号を出力して給電台10の出力を増加させる。給電台10は増加要求信号を検出して次第に出力を増加させる。したがって、携帯機器50の受電電力は次第に増加する。異物がセットされない状態では送電効率が高く、携帯機器50の受電電力は曲線Aで示すように、次第に上昇して要求電力となる。
【0055】
図7は、給電台10に正常にセットされた携帯機器50が増加要求信号と減少要求信号とを給電台10に出力して、受電電力(曲線Aで表示)を要求電力とする状態を示している。この図に示すように、携帯機器50は、受電電力と要求電力とを比較して、受電電力が要求電力よりも小さい状態では増加要求信号を出力し、受電電力が要求電力よりも大きくなると減少要求信号を出力する。すなわち、携帯機器50は増加要求信号と減少要求信号とを交互に出力することで、給電台10の出力を調整して受電電力を要求電力に維持する。このとき、判定部55Bは、減少要求信号を検出することで、給電台10から携帯機器50への送電効率が高く、異物がセットされない状態と判定することもできる。
【0056】
ここで、具体的には、電池52がリチウムイオン電池の場合には、充電制御回路53は、電池52を定電圧・定電流充電する。給電台10は、携帯機器50の電池52の電圧、電流等の電池情報により、例えば、最大4.2Vで充電する場合、電池電圧が4.2V以下のときは所定の定電流となるように、受信回路14が受信する増減要求信号に基づいてコントロール回路13が交流電源12を制御して、送電コイル11への出力を調整(詳細には、出力アップ要求と、出力ダウン要求が交互に出る)する。送電コイル11への出力が調整されて、充電される電池電圧が4.2Vとなると、給電台10は、電池電圧を4.2Vに維持できるように、受信回路14が受信する増減要求信号に基づいてコントロール回路13が交流電源12を制御して、送電コイル11への出力を調整(詳細には、出力アップ要求と、出力ダウン要求が交互に出る)する。
【0057】
これに対して、携帯機器50と一緒に異物がセットされると、異物が送電コイル11の電力を吸収して送電効率が低下する。この状態において、携帯機器50の受電電力は、
図6の曲線Bで示すように要求電力まで増加しない。給電台10の出力が最大値まで増加し、あるいはあらかじめ設定している所定の電力に制限されるからである。この状態において、受電電力が要求電力よりも小さいので、携帯機器50の比較部55Aは、継続して増加要求信号を出力する。
【0058】
図8は、携帯機器50と一緒に異物が載せられて、異物が送電コイル11の電力の一部を吸収する状態で携帯機器50が増加要求信号を出力する状態を示している。この状態において、送電コイル11の電力の一部が異物に吸収されるので、電力の送電効率が低下する。したがって、送電コイル11の出力電力は有効に受電コイル51に給電されず、携帯機器50の受電電力が低下する。携帯機器50は受電電力(曲線Bで表示)が要求電力よりも小さいことを検出して増加要求信号を出力する。増加要求信号を検出した給電台10は出力を増加させるが、送電コイル11の電力が異物に吸収されて、携帯機器50の受電電力は要求電力に至らない。したがって、携帯機器50は増加要求信号を継続して給電台10に出力する。出力される増加要求信号は、増加要求の重み付けポイントを含むので、これが判定部55Bで加算されてポイント値が増加する。判定部55Bは、ポイント値が増加して設定ポイントになると、異物がセットされたと判定する。
【0059】
ここで、送電効率とは、給電台10から携帯機器50に電力搬送される効率、すなわち給電台10の出力電力に対する携帯機器50の受電電力の比率であって、携帯機器50側における電池電圧と充電電流の積を、給電台10側における出力電圧と出力電流の積で割り算した値に相当する。給電台10に異物がセットされる状態では、この送電効率は低下する。給電台10の出力電力に対して携帯機器50の受電電力が低下するからである。受電電力が低下して送電効率が低下する状態になると、携帯機器50から増加要求信号が継続して出力される。このように、増加要求信号が継続して出力される状態は、送電効率が低下している状態であって、この状態において増減要求信号の重み付けポイントが加算されて設定ポイントに達することにより、異物がセットされたと判定される。
【0060】
判定部55Bは、
図6において、受電電力が一定値に安定した後、重み付けポイントの加算を開始する。受電電力は、給電を開始して所定の時間経過すると一定値に安定するので、判定部55Bは設定時間経過した後、重み付けポイントの加算を開始することができる。設定時間経過した後、重み付けポイントを加算する判定部55Bは、設定時間をカウントするタイマを備えている。受電電力が一定値に安定した後に重み付けポイントを加算する判定部55Bは、受電電力が一定の範囲となることを判定する処理部を備えている。
【0061】
受電電力が一定値に安定した後、重み付けポイントを加算する判定部55Bは、より正確に異物がセットされたことを検出できる。ただ、判定部55Bは給電を開始した時から重み付けポイントを加算して異物がセットされたことを検出することもできる。この判定部55Bは、異物がセットされたと判定するポイント値を大きくする。異物がセットされてもされなくても、受電電力が一定値になるまでに、重み付けポイントが加算されるからである。
【0062】
さらに、携帯機器50に給電する状態で、携帯機器50が移動して送電コイル11と受電コイル51との相対位置がずれて送電効率が低下し、あるいは給電中に異物がセットされることも検出できる。
図6の領域Xは、送電コイル11と受電コイル51との相対位置がずれて送電効率が低下し、あるいは携帯機器50の近傍に異物がセットされて、異物が送電コイル11の電力の一部を吸収して送電効率が低下して、受電電力が一時的に低下する状態を示している。給電中に送電効率が低下して一時的に受電電力が低下すると、携帯機器50から給電台10に増加要求信号が伝送されて、給電台10の出力は次第に増加する。給電台10の出力は、領域Xにおける送電効率の低下が少ない状態では要求電力まで増加し、送電効率の低下が大きい状態では、給電台10が最大出力となり、あるいはあらかじめ設定している設定電力となる状態で受電電力は要求電力よりも小さくなる。
【0063】
領域Xで示すように、給電している途中に送電コイル11と受電コイル51との相対位置がずれて発生する送電効率の低下は、たとえば、携帯電話である携帯機器50を充電台10に載せて充電する状態で、携帯電話が受信して、ベルが鳴ったり、あるいはバイブレーターが振動して移動し、あるいはユーザーや物が携帯電話に接触して携帯電話の位置がずれることで発生する。携帯機器50と給電台10との相対位置がずれ、あるいは近傍に異物がセットされると効率よく給電できなくなる。この状態が検出されると、たとえばランプ(図示せず)等を点灯し、あるいは音声や警告音でユーザーに異常な状態を知らせることができるので、ユーザーが異物を除去し、位置を修正し、あるいは送電コイル11を受電コイル51に接近させる構造の給電台10にあっては、送電コイル11を受電コイル51に接近して、正常な状態に復帰して給電できる。
【0064】
以上のような給電中の異常を速やかに判定する検出回路55は、比較部55Aから判定部55Bに出力する増減要求信号に、給電台10の出力を増減させる要求値の変化値に応じて大きくなる変化量の重み付けポイントを設け、所定の周期で出力される変化量の重み付けポイントを判定部55Bで加算する。比較部55Aが出力する変化量の重み付けポイントは、前回の要求値との差、すなわち、増加要求信号の要求値が変化する傾きが大きくなると大きくなる。したがって、
図6の領域Xで示すように、給電している途中に受電電力が低下してこれを増加するように変化すると、変化量の重み付けポイントは大きくなる。増加要求信号の変化値が急激に変化するからである。したがって、変化量の重み付けポイントは、
図6の領域Xで示すように、受電電力が変化するタイミングで大きくなる。判定部55Bは、この重み付けポイントを加算し、加算するポイント値が設定ポイントになることを検出して異常判定する。すなわち、加算するポイント値が設定ポイントになると、異常な状態と判定する。
【0065】
以上の検出回路55は、比較部55Aで重み付けポイントを検出して、重み付けポイントを含む信号を判定部55Bに出力する。ただ、検出回路55は、比較部55Aから出力される増減要求信号の信号レベルから重み付けポイントを判定部55Bで検出し、検出する重み付けポイントを加算して異物検出し、また異常判定することもできる。
【0066】
判定部55Bは、加算する重み付けポイントを減少要求信号でリセットする。あるいは、判定部55Bは、減少要求信号を検出すると、加算する重み付けポイントを減算することもできる。前述のように、減少要求信号が検出される状態は、送電効率が高く、異物がセットされない状態と判定できるので、加算する重み付けポイントを減少要求信号でリセットし、あるいは減算することで、異物検出の誤判定を防止しながら確実に異物判定できる。ただし、判定部55Bは、減少要求信号と増加要求信号とが繰り返し入力されることを検出して、加算するポイント値をリセットまたは減算することもでき、また、受電電力が一定の範囲となって安定化される状態でリセットまたは減算することもできる。さらに、携帯機器50の受電電力は、一定の時間経過すると安定化されるので、所定の時間経過した後、重み付けポイントを加算して異常判定し、その後、所定の時間経過した後、加算する重み付けポイントをリセットすることもできる。また、判定部55Bは、受電電力が一定値に安定化する状態で増加要求の重み付けポイントをリセットし、増減要求信号と増加要求信号とが交互に繰り返し入力される状態で変化量の重み付けポイントをリセットすることもできる。
【0067】
検出回路55は、異物検出すると異物検出信号を給電台10に伝送する。給電台10は、異物検出信号を検出すると、コントロール回路13で交流電源12を制御して、交流電源12から送電コイル11への電力供給を停止する。ただ、給電台10は、送電コイル11の供給電力をあらかじめ設定している最低値に調整することもでき、また、給電台10の出力を、異物を異常な高温に加熱することなく給電を継続できる出力に設定する方法にあっては、異物を検出する状態で給電台10から携帯機器50への給電を停止することなく、出力を設定値に制限して給電しながら、異物がセットされたことをユーザーに表示して、異物を除去することを促すこともできる。
【0068】
以上の検出回路55は、
図7に示すように、以下に示すフローチャートでエラー検出を検出する。
[n=1、2のステップ]
携帯機器50が給電台10にセットされて給電台10から携帯機器50に給電が開始されると、判定部55Bのタイマがカウントを開始する。設定時間経過すると、タイマがタイムアップする。
タイマがタイムアップして設定時間が経過すると、n=2のステップで、判定部55Bは増加要求信号に含まれる増加要求の重み付けポイントと、変化量の重み付けポイントを加算する。
[n=3、4のステップ]
減少要求信号が出力されたかどうかを判定し、減少要求信号が出力されると、n=4のステップで、重み付けポイントの加算値をリセットして、n=1のステップにジャンプし、減少要求信号が出力されないと、n=5のステップに進む。
[n=5、6のステップ]
重み付けポイントの加算値を設定ポイントと比較し、重み付けポイントの加算値が設定ポイントよりも大きくなると、n=6のステップで、異物がセットされたと判定し、あるいは異常判定と判定して、すなわちエラー検出して、給電を停止する。重み付けポイントの加算値が設定ポイントよりも小さいと、n=2のステップにジャンプして、n=2〜5のステップをループする。
【0069】
以上の検出回路55は、増加要求の重み付けポイントと、変化量の重み付けポイントの両方を加算してエラー検出するが、この方法は、給電を開始するときに、携帯機器50と一緒に異常がセットされたことを検出でき、また、給電している途中で異物がセットされ、あるいは携帯機器50が位置ずれする等のエラー検出もできる。検出回路55は、増加要求の重み付けポイントのみを加算してエラー検出することもでき、また変化量の重み付けポイントのみを加算してエラー検出することもできる。増加要求の重み付けポイントのみを加算する検出回路55は、携帯機器50と一緒に異物がセットされたことを検出でき、また、
図5に示すように、給電している途中で受電電力が要求電力よりも小さくなる状態で、異物がセットされ、あるいは携帯機器50が位置ずれする等のエラー検出もできる。変化量の重み付けポイントのみを加算してエラー検出する検出回路55は、給電中に異物がセットされ、あるいは携帯機器50が位置ずれして送電効率が一時的に低下することを検出してエラー検出する。
【0070】
検出回路55は、
図6に示すように、給電を開始してから所定時間経過した後、増加要求の重み付けポイントを加算してエラー検出し、その後、所定の時間が経過すると、変化量の重み付けポイントを加算してエラー検出することもできる。
【0071】
さらに、以上の給電台10と携帯機器50は、携帯機器50から給電台10に増減要求信号を伝送して、増減要求信号で給電台10の出力をコントロールすると共に、携帯機器50に設けた検出回路55で、増減要求信号の重み付けポイントを加算して異物検出し、また異常判定してエラー検出している。ただ、給電台10と携帯機器50は、携帯機器50から給電台10に受電電力と増減要求信号を伝送し、給電台10が増減要求信号を検出して出力をコントロールすると共に、給電台10側において、携帯機器50から伝送される増減要求信号の重み付けポイントを加算して異物検出することもできる。この給電台10と携帯機器50は、
図1と
図2の鎖線で示すように、給電台10側に設けた検出回路15で、携帯機器50から伝送される増減要求信号の重み付けポイントを加算して異物検出し、また異常判定してエラー検出する。
【0072】
さらに、
図10に示す携帯機器50は、受電コイル51の出力電圧を高くすると共に、受電コイル51から出力される電力を降圧して負荷に供給する構造としている。図に示す携帯機器50は電池内蔵機器50Aで、給電台10から搬送される電力を高い電圧に変換して受電する受電コイル51と、この受電コイル51に誘導される交流を直流に変換する整流回路56と、整流回路56から出力される直流電力を降圧して出力する降圧回路58と、降圧回路58から出力される直流で電池52を充電する充電電流や電圧を調整する充電制御回路53とを備えている。
【0073】
図の携帯機器50は、給電台10から搬送される電力を高電圧にて受電するために、受電コイル51の巻き数を多くしている。受電コイル51の巻き数を多くする構造は、給電台10の送電コイル11から搬送される電力の大きさを変えることなく、受電コイル51で受電する電圧を大きくできる。このため、給電台10として、既存のものを使用しながら、受電コイル51の受電電圧を大きくできる。例えば、巻き数を2倍とする受電コイルは、受電する電圧を2倍にできる。電磁誘導によって受電コイル51に生じる起電力が、受電コイル51の巻き数に比例するからである。ここで、受電コイル51は、受電コイル51の出力を整流する整流回路56の耐圧やコイルの線径等を考慮して、出力電圧が最適な電圧となるように、その巻き数を決定する。さらに、図の携帯機器50は、受電コイル51の出力側に整流回路56を設けており、受電コイル51から出力される高電圧の交流電力を、整流回路56で高電圧の直流電力に変換して出力している。
【0074】
さらに、携帯機器50は、受電コイル51が受電した高電圧の電力を降圧して負荷に供給するために、整流回路56の出力側に降圧回路58を備えている。この降圧回路58は、DC/DCコンバータで、整流回路56から入力される高電圧の直流電力を所定の電圧に降圧して負荷側に出力している。図に示す携帯機器50は、給電台10から搬送される電力を消費する負荷として、充電可能な電池52と、この電池52を充電するための充電制御回路53とを備えている。したがって、降圧回路58は、整流回路56の出力を、負荷に最適な電圧、すなわち、電池52を充電する充電制御回路53に最適な電圧に降圧して出力している。
【0075】
以上の携帯機器50も検出回路55を備えており、この検出回路55が、降圧回路58の出力から受電電力を検出している。さらに、検出回路55は、検出した受電電力と、電池52を充電するために必要な電力である要求電力とを比較して増減要求信号を検出すると共に、この増減要求信号から異物検出している。検出回路55で検出された増減要求信号は伝送回路54を介して給電台10に伝送している。
【0076】
以上のように、給電台10から搬送される電力を受電コイル51で高電圧に受電して、受電コイル51の交流出力を整流回路56で直流に変換し、さらに、整流回路56の出力を降圧して負荷に供給する方法は、受電コイル51や整流回路56で処理する電圧を高くできるので、受電コイル51や整流回路56に流れる電流を小さくできる。このため、受電コイル51や整流回路56の配線幅を大きくすることなく、また受電コイル51の線径を大きくすることなく、携帯機器50に省スペースに内蔵できる。これにより、携帯機器50に受電コイル51を内蔵する構造においても、体積エネルギー密度への影響を低減できる。さらに、受電コイル51や整流回路56に流れる電流を小さくできることで、電力搬送における電力の無駄な消費、すなわち、受電コイル51の抵抗や整流回路56の素子による電力消費を低減して効率よく電力搬送できる。