(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記芯材は、前記ヘッドレスト本体の左右方向に延びる軸部を有し、当該軸部の両端部が前記一対の被軸支部とされており、前記一対の軸支部は、前記軸部の両端部を回転可能に軸支する一対の軸受部とされている請求項3に記載のヘッドレスト。
前記樹脂フレームは、前記ステーに取り付けられた取付部の左右両端部から前記一対のサイド部が前記ステーの前方側へ延出されており、シートバックの上下方向から見てシートバックの前方側が開放された開断面形状に形成されている請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のヘッドレスト。
前記ヘッドレスト本体が前記反転した位置からシートバック後方側へ変位することを規制する変位規制部を有する請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のヘッドレスト。
前記支持部材は、前記ヘッドレスト本体の左右両側に配置された左右一対のサイドサポート部を有し、前記ヘッドレスト本体が反転された状態では、前記一対のサイドサポート部が前記ヘッドレスト本体の上部よりもシートバック前方側へ突出する請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のヘッドレスト。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、
図1〜
図10を参照して、本発明の実施形態に係るヘッドレスト及び車両用シートについて説明する。なお、各図中に適宜示される矢印FR、矢印UP、矢印Wは、それぞれ車両用シートの前方向、上方向、幅方向を示している。また、本実施形態では、車両用シートの前方向、上方向、幅方向は、各々、車両用シートが搭載された車両の前方向、上方向、幅方向と略一致している。
【0028】
(車両用シートの構成)
図1に示される本実施形態に係る車両用シート10は車両室内に設けられている。この車両用シート10は、運転席か助手席かを問わず、又フロントかリアかを問わない。また、車両用シート10は、シートバックの角度調整を行える可動式か、シートバックの角度調整を行えない固定式かを問わない。車両用シート10は、乗員Pが着座するシートクッション(図示省略)と、シートクッションのシート後端部に連結されて乗員の背凭れとなるシートバック12(上方側の一部を図示)と、シートバック12の上端部に連結されたヘッドレスト14とを備えている。なお、各図中に適宜示される矢印Aはシートバック12の前方向を示し、矢印Bはシートバック12の上方向を示している。また、本実施形態では、ヘッドレスト14の前後方向、左右方向(幅方向)及び上下方向は、シートバック12の前後左右上下の方向と略一致している。
【0029】
(ヘッドレストの構成)
図1〜
図4に示されるように、ヘッドレスト14は、ヘッドレスト本体16と、支持部材18とを備えており、ヘッドレスト本体16が連結部20を介して支持部材18に回転可能に連結されている。このヘッドレスト本体16は、支持部材18に対して
図2に示される通常位置と
図1及び
図3に示される反転位置との間で回転可能(
図3の矢印R参照)とされている。この反転位置は、支持部材18の下方側で且つシートバック12の前面側に設定されており、乗員Pが必要とするときに、乗員Pの頸部をヘッドレスト本体16によって支持可能な位置とされている(
図1図示状態)。
【0030】
なお、乗員が必要とするときとは、運転者においては、好ましくは非走行時であって快適性やリラックスが必要な時という意味である。また、乗員が快適性を求める時とは、運転者以外の乗員においては、車両の走行時、非走行時を問わず快適性やリラックスが必要な時という意味である。以下、ヘッドレスト14の構成部材について順次詳細に説明する。
【0031】
(ヘッドレスト本体の構成)
ヘッドレスト本体16は、枕状のクッションであり、樹脂製の芯材22と、芯材22を覆った本体側発泡体(パッド)24と、本体側発泡体24を覆った本体側表皮材(カバー)26とによって構成されている。
【0032】
図2及び
図4〜6に示されるように、芯材22は、例えば樹脂材料の射出成形などにより形成されたものであり、シート幅方向に沿って長尺な略矩形平板状に形成された本体部22Aを有している。本体部22Aの外周縁部には、額縁状の補強部22Bが一体に設けられており、本体部22Aの中央側には、軽量化を図るための複数の円孔22Cが形成されている。また、本体部22Aの一方の長辺縁部(
図2、4、5では下側の縁部)には、シート幅方向に延びる軸部22Dが一体に設けられている。この軸部22Dの両端部は、本体部22Aの長手方向両端部からシート幅方向外側へ突出しており、後述する連結部20の一部を構成する左右一対の被軸支部22D1とされている。
【0033】
図2〜
図4に示されるように、本体側発泡体24は、例えばポリウレタンフォーム等のクッション性を有する発泡体からなり、芯材22及び本体側表皮材26と一体に発泡成形されている。芯材22は、本体部22Aが本体側発泡体24内に埋設されており、一対の被軸支部22D1が本体側発泡体24の外側に突出(露出)している。
【0034】
本体側表皮材26は、例えば、布材、皮革又は合成皮革等の材料が縫製されることにより袋状に形成されており、本体側発泡体24の表面を被覆している。この本体側表皮材26には、芯材22の一対の被軸支部22D1と対向する部位にそれぞれ円孔26Aが形成されており、一対の被軸支部22D1は各円孔26Aに挿通されて本体側表皮材26の外側に突出(露出)している。
【0035】
上記構成のヘッドレスト本体16が製造される際には、芯材22に設けられた一対の被軸支部22D1を図示しないシール部材によってシールすると共に、当該芯材22を本体側表皮材26の内側に挿入し、一対の被軸支部22D1を各円孔26Aに挿通させる。そして、それら(芯材22及び本体側表皮材26)を発泡成形型にセットした状態で、本体側発泡体24の材料である発泡原料を本体側表皮材26内に注入して発泡膨張させる。これにより、一体発泡成形によってヘッドレスト本体16が製造される。
【0036】
上記のように製造されたヘッドレスト本体16は、その一面が乗員Pの頭部(後頭部)を支持するための頭部支持面(第1造形面)16Aとされている。この頭部支持面16Aは、緩やかな凸曲面状に形成されており、ヘッドレスト本体16が
図2に示される通常位置に位置する状態でシートバック前方側を向くように設けられている。また、ヘッドレスト本体16は、頭部支持面16Aとは反対側の面が乗員Pの頸部を支持するための頸部支持面(第2造形面)16Bとされている。この頸部支持面16Bは、緩やかな凹曲面状に形成されており、ヘッドレスト本体16が
図1及び
図3に示される反転位置に位置する状態でシートバック前方側を向くように設けられている。このヘッドレスト本体16は、乗員Pの頸部を支持する部位(
図1及び
図3では下側の部位)の厚さ寸法が他の部位に比べて厚く形成されている。
【0037】
(支持部材の構成)
支持部材18は、金属製のステー28と、ステー28の上部側に取り付けられた樹脂製の樹脂フレーム30と、樹脂フレーム30及びステー28の上部側を覆ったステー側発泡体(パッド)32と、ステー側発泡体32を覆ったステー側表皮材(カバー)34とによって構成されている。
【0038】
ステー28は、例えば金属製のパイプ材が曲げ加工されることにより形成されたものである。このステー28は、シート前後方向から見て略逆U字状に形成されており、左右一対の脚部28Aと、一対の脚部28Aの上端部をシート幅方向に連結した基部28Bとによって構成されている。一対の脚部28Aは、
図1に示されるように、シートバック12の上端部に設けられた左右一対のヘッドレストサポート36に装着されている(なお、
図1では、シート右側の脚部28A及びヘッドレストサポート36の図示が省略されている)。
【0039】
ヘッドレストサポート36は、シートバック12の骨格部材であるシートバックフレーム38の上端部に固定されたヘッドレストサポートブラケット40に装着されている。これにより、ステー28すなわちヘッドレスト14がシートバック12の上端部に連結されている。一対の脚部28Aのうちの一方には、
図5(A)に示されるように、複数のノッチ29が当該一方の上下方向に並んで形成されている。そして、ヘッドレストサポート36に設けられた図示しないロック部材が上記複数のノッチ29のうちの何れか一つと係合することにより、ステー28がヘッドレストサポート36に対して上下動不能に拘束される。但し、ヘッドレストサポート36には、ノッチ29に対する上記ロック部材の係合状態を解除する図示しない操作ボタンが設けられており、当該操作ボタンを操作することにより、シートバック12に対するステー28(すなわちヘッドレスト14)の高さ位置を調節できるようになっている。
【0040】
一方、樹脂フレーム30は、例えば樹脂材料の射出成形などにより形成されたものであり、シートバック12の上下方向から見てシートバック12の前方側が開放された開断面形状(断面略U字状)に形成されている。この樹脂フレーム30は、ステー28の上部側に取り付けられた取付部30Aと、取付部30Aのシート幅方向両端部からシートバック前方側(ヘッドレスト本体16の左右両側)へ延びる左右一対のサイド部30Bとを備えている。また、この樹脂フレーム30の外周縁部には、額縁状の補強部30Cが設けられている。
【0041】
取付部30Aは、シート幅方向に沿って長尺な略矩形平板状に形成されており、板厚方向がシート前後方向に沿う状態で配置されている。この取付部30Aには、ステー28の一対の脚部28Aが挿通された左右一対の挿通部30A1と、ステー28の基部28Bが嵌合した嵌合部30A2とが設けられており、これにより、樹脂フレーム30がステー28に取り付けられている。この取付部30Aの上端部には、ステー28の基部28Bよりも上方へ突出した上方突出片30A3が設けられている。この上方突出片30A3は、ステー側発泡体32の形状を保持するためのものである。また、取付部30Aの中央部には、軽量化を図るための複数の円孔30A4が形成されている。
【0042】
左右のサイド部30Bは、シートバック12の上下方向に沿って長尺な矩形平板状に形成されており、板厚方向がシート幅方向に沿う状態で配置されている。左右のサイド部30Bの上部側には、それぞれ軽量化を図るための円孔30B1が形成されており、左右のサイド部30Bの下部側には、それぞれ軸支部としての軸受部30B2が形成されている。左右の軸受部30B2は、前述した一対の被軸支部22D1と共に後述する連結部20を構成している。
【0043】
一方、ステー側発泡体32は、例えばポリウレタンフォーム等のクッション性を有する発泡体からなり、ステー28、樹脂フレーム30及びステー側表皮材34と一体に発泡成形されている。樹脂フレーム30及びステー28の上部側は、ステー側発泡体32内に埋設されており、一対の軸受部30B2がステー側発泡体32に形成された開口を介してステー側発泡体32の外側に露出している。
【0044】
ステー側表皮材34は、例えば、布材、皮革又は合成皮革等の材料が縫製されることにより袋状に形成されており、ステー側発泡体32の表面を被覆している。この本体側表皮材26には、樹脂フレーム30の一対の軸受部30B2と対向する部位にそれぞれ円孔34Aが形成されており、一対の軸受部30B2は各円孔34Aを介してステー側表皮材34の外側に露出している。
【0045】
上記構成の支持部材18が製造される際には、樹脂フレーム30に設けられた一対の被軸支部30B2を図示しないシール部材によってシールすると共に、当該樹脂フレーム30をステー28の上部側に取り付ける。そして、樹脂フレーム30を取り付けたステー28の上部側をステー側表皮材34の内側に挿入する。次いで、それら(ステー側表皮材34、樹脂フレーム30及びステー28)を発泡成形型にセットした状態で、ステー側発泡体32の材料である発泡原料をステー側表皮材34内に注入して発泡膨張させる。これにより、一体発泡成形によって支持部材18が製造される。
【0046】
上記のように製造された支持部材18は、
図4に示されように、バックサポート部18Aと、左右一対のサイドサポート部18Bとを備えており、シートバック12の上下方向から見てシートバック前方側が開放された開断面形状(断面略U字状)に形成されている。バックサポート部18Aは、内部に埋設された樹脂フレーム30の取付部30Aによって補強され、左右のサイドサポート部18Bは、内部に埋設された樹脂フレーム30のサイド部30Bによって補強されている。
【0047】
バックサポート部18Aは、ヘッドレスト本体16のシート幅方向の寸法よりも若干長めの幅寸法を有し、ヘッドレスト本体16のシート上下方向の寸法と略同等の高さ寸法を有している。このバックサポート部18Aの前面は、本体支持面18A1(第3造形面)とされており、ヘッドレスト本体16が
図2に示される通常位置に位置する状態では、当該本体支持面18A1がヘッドレスト本体16の頸部支持面16Bと接触するようになっている。この状態では、本体支持面18A1が頸部支持面16Bと嵌り合うように本体支持面18A1の形状が設定されており、ヘッドレスト本体16は、頸部支持面16Bをバックサポート部18Aによってシートバック後方側から支持される。
【0048】
左右のサイドサポート部18Bは、バックサポート部18Aのシート幅方向両端部からシートバック前方側へ突出しており、ヘッドレスト本体16が
図2に示される通常位置に位置する状態では、左右のサイドサポート部18Bによってヘッドレスト本体16の左右両側面が覆われる。一方、ヘッドレスト本体16が
図1及び
図3に示される反転位置に位置する状態では、ヘッドレスト本体16の下部側が左右のサイドサポート部18Bよりも下方側へ突出すると共に、左右のサイドサポート部18Bがヘッドレスト本体16の上部よりもシートバック前方側に突出するようになっている。
【0049】
(連結部の構成)
連結部20は、ヘッドレスト本体16の芯材22に設けられた左右の被軸支部22D1と、支持部材18の樹脂フレーム30に設けられた左右の軸受部30B2とによって構成されている。
図7に示されるように、被軸支部22D1は、軸線方向がシート幅方向に沿った円筒状に形成されている。この被軸支部22D1には、軸線方向に延びる複数(ここでは4つ)の切込み部42が形成されることにより、一対のスナップフィット部46が設けられている。一対のスナップフィット部46は、被軸支部22D1の軸線を介して互いに反対側に形成されており、互いに接近する方向へ弾性変形可能とされている。一対のスナップフィット部46の先端部には、被軸支部22D1の半径方向外側へ突出する爪部46Aが形成されている。
【0050】
図8に示されるように、軸受部30B2は、軸線方向がシート幅方向に沿った円筒状に形成されており、サイド部30Bの下部からシート幅方向外側へ一体に突出している。この軸受部30B2の内周部には、段部48が形成されており、当該段部48よりもシート幅方向内側が小径部とされ、段部48よりもシート幅方向外側が前記小径部よりも大径な大径部とされている。
【0051】
図9に示されるように、軸受部30B2の内側には、被軸支部22D1が回転可能に挿入されており、スナップフィット部46の爪部46Aが段部48に引っ掛かることにより、軸受部30B2からの被軸支部22D1の抜け出しが規制されている。これにより、芯材22が樹脂フレーム30に対してシート幅方向に沿った軸線回りに回転可能に連結されている。但し、樹脂フレーム30に対する芯材22の回転可能範囲は、芯材22に設けられた可動側ストッパ22E(
図7参照)と、樹脂フレーム30に設けられた固定側ストッパ30D(
図10参照)とによって所定の範囲(
図5(A)〜
図5(C)に示される位置と
図6(A)〜
図6(C)に示される位置との間)に制限されている。これらの可動側ストッパ22E及び固定側ストッパ30Dは、変位規制部(過回転防止ストッパ)50を構成している。
【0052】
図7に示されるように、芯材22に設けられた可動側ストッパ22Eは、本体部22Aにおける被軸支部22D1の付け根付近からシート幅方向外側へ一体に突出しており、被軸支部22D1と同心の円弧状に形成されている。一方、
図10に示されるように、樹脂フレーム30に設けられた固定側ストッパ30Dは、サイド部30Bのシート幅方向内側面からシート幅方向内側へ向けて一体に突出しており、軸受部30B2と同心の円弧状に形成されている。
【0053】
この可動側ストッパ22Eは、
図5(B)に示されるように芯材22が通常位置に位置する状態では、湾曲方向一端部が固定側ストッパ30Dの湾曲方向一端部と当接する。これにより、通常位置よりもシートバック後方側(
図5(B)の矢印R1方向)への芯材22(すなわちヘッドレスト本体16)の回転が規制されるようになっている。なお、芯材22が通常位置に位置する状態では、前述したように、ヘッドレスト本体16が支持部材18のバックサポート部18Aによってシートバック後方側から支持される。また、この状態では、ヘッドレスト本体16が支持部材18の左右のサイドサポート部18Bの間に嵌まり込むことにより、ヘッドレスト本体16が支持部材18に対して不用意にシートバック前方側へ回転しないようになっている。
【0054】
一方、通常位置に位置するヘッドレスト本体16の上部側を手動にてシートバック前方側へ引き出せば、ヘッドレスト本体16を軸部22D回りに回転させて反転位置へと反転させることができる。そして、
図6(B)に示されるように、芯材22が反転位置に位置する状態では、可動側ストッパ22Eの湾曲方向他端部が固定側ストッパ30Dの湾曲方向他端部と当接する。これにより、反転位置よりもシートバック後方側(
図6(B)の矢印R2方向)への芯材22(すなわちヘッドレスト本体16)の回転(変位)が規制されるようになっている。
【0055】
なお、本実施形態では、ヘッドレスト本体16を支持部材18に連結する(組み付ける)際には、左右のサイドサポート部18Bを左右のサイド部30Bと共に互いに離間する方向(
図4の矢印E参照)へ弾性変形させて、ヘッドレスト本体16の左右両端部に設けられた一対の被軸支部22D1を、左右のサイド部30Bに設けられた一対の軸受部30B2に嵌合させる構成になっている。
【0056】
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0057】
本実施形態では、シートバック12の上端部に連結されるステー28の上部側に樹脂フレーム30が取り付けられた支持部材18によって、ヘッドレスト本体16の頸部支持面16Bがシートバック後方側から支持される。この状態では、ヘッドレスト本体16の頭部支持面16Aがシートバック前方側を向くので、当該頭部支持面16Aによって乗員Pの頭部を支持することができる。また、このヘッドレスト本体16は、連結部20によって樹脂フレーム30の左右のサイド部30Bに連結されており、支持部材18に対してシートバック12の前面側かつ下方側へ反転可能とされている。ヘッドレスト本体16が反転された状態では、ヘッドレスト本体16の頸部支持面16Bがシートバック前方側を向くので、当該頸部支持面16Bによって乗員Pの頸部を支持することができる。これにより、必要に応じて乗員Pの快適性を向上させることができる。
【0058】
このように、本実施形態では、ヘッドレスト本体16を反転させて乗員Pの頸部を支持する構成であるため、通常使用時には、乗員Pの頸部を支持するための構成がヘッドレスト本体16の下端とシートバック12の上端との間に介在しない。これにより、ヘッドレスト本体16の高さ調節の範囲に制約が生じないようにすることができるので、通常使用時における乗員保護性能を向上させることができる。
【0059】
つまり、ヘッドレストサポート36の操作ボタンを操作して、ヘッドレスト本体16の高さ位置を調節することにより、乗員Pの体格(頭部の高さ)に応じた適切な位置にヘッドレスト本体16を配置させることができ、ヘッドレスト14による鞭打ち防止効果を向上させることができる。
【0060】
また、乗員Pがヘッドレスト本体16を反転させて、頸部支持面16Bに頸部を支持させる場合でも、乗員Pの頸部に頸部支持面16Bがフィットするように、シートバック12に対するヘッドレスト14の高さ位置を調節することができる。これにより、乗員Pの快適性を向上させることができる。
【0061】
しかも、本実施形態では、支持部材18が樹脂フレーム30を含んで構成されているため、支持部材18の軽量化を図ることができる。また、ヘッドレスト本体16を樹脂フレーム30に連結する(組み付ける)際には、左右のサイド部30B(左右のサイドサポート部18B)が互いに離間するように樹脂フレーム30を弾性変形させて、ヘッドレスト本体16の左右両端部に設けられた一対の被軸支部22D1を、左右のサイド部30Bに設けられた一対の軸受部30B2と係合させればよい。これにより、ヘッドレスト本体16を樹脂フレーム30に容易に組み付けることができる。
【0062】
また、本実施形態では、上述の如く樹脂フレーム30の左右のサイド部30Bを弾性変形させてヘッドレスト本体16を樹脂フレーム30に連結する構成なので、一体発泡成形によって支持部材18を製造することができ、支持部材18の製造を容易なものにすることができる。つまり、樹脂フレーム30の代わりに金属製のフレームが採用されている場合、上述の如き弾性変形が困難であるため、例えばボルトを用いてヘッドレスト本体を上記金属製フレームに連結する構成になる。その場合、見栄えを良好にする観点から、ステー側表皮材34によってボルトを覆う(隠す)必要があり、ステー側表皮材34の一部をめくってボルト等の締結作業を行うことになる。その結果、ステー側表皮材34をステー側発泡体32等と一体に発泡成形することができなくなり、発泡成形後のステー側発泡体32にステー側表皮材34を被せる構成になる。それにより、支持部材の製造が煩雑になるが、本実施形態では、上述の如き構成により、支持部材18の製造を容易なものにすることができる。
【0063】
同様に、本実施形態では、一体発泡成形によってヘッドレスト本体16を製造することができるので、ヘッドレスト本体16の製造を容易なものにすることができる。また、ヘッドレスト本体16の芯材22が樹脂製であるため、ヘッドレスト本体16の軽量化を図ることができる。しかも、ヘッドレスト本体16の骨格を構成する芯材22と、支持部材18の骨格の一部を構成する樹脂フレーム30とが、それぞれ一部品で成立しており、上述の如きボルト等の連結部材も不要であるため、部品点数を大幅に削減することができ、低コスト化を図ることができる。
【0064】
また、本実施形態では、樹脂フレーム30の左右のサイド部30Bに設けられた軸受部30B2に、ヘッドレスト本体16の芯材22が備える軸部22Dの両端部(一対の被軸支部22D1)が回転可能に嵌合することにより、ヘッドレスト本体16が樹脂フレーム30に連結されている。このように、芯材22に軸部22Dが設けられているため、左右のサイド部30Bにそれぞれ軸部22Dが設けられる場合と比較して、軸心精度を容易に確保することができる。
【0065】
さらに、本実施形態では、樹脂フレーム30は、ステー28に取り付けられた取付部30Aの左右両端部から一対のサイド部30Bがシートバック前方側へ延出されており、シートバック12の上下方向から見てシートバック前方側から開放された断面略U字状(開断面形状)に形成されている。このように、樹脂フレーム30が断面略U字状に形成されているため、樹脂フレーム30の剛性を確保しつつ軽量化を図ることができる。
【0066】
また、本実施形態では、固定側ストッパ30D及び可動側ストッパ22Eによって、ヘッドレスト本体16が反転位置よりもシートバック後方側へ変位することが規制される。このため、ヘッドレスト本体16の頸部支持面16Bによって乗員Pの頸部を支持する際に、ヘッドレスト本体16がシートバック後方側へ不用意に変位しないようにすることができる。これにより、乗員Pの頸部を安定的に支持することができる。
【0067】
また、本実施形態では、ヘッドレスト本体16が反転された状態では、支持部材18に設けられた左右一対のサイドサポート部18Bが、ヘッドレスト本体16の上部よりもシートバック前方側へ突出する。このため、乗員Pの頸部をヘッドレスト本体16の頸部支持面16Bによって支持する際には、左右のサイドサポート部18Bによって乗員Pの頭部を左右両側から支持することができる。これにより、乗員Pの頭部が不用意にヘッドレスト本体16から脱落しないようにすることができる。さらに、一度の反転操作によって、サイドサポート部18Bをヘッドレスト本体16の上部よりもシートバック前方側へ突出させることができるので、操作性が良好である。
【0068】
(実施形態の補足説明)
上記実施形態では、ヘッドレスト本体16が反転された状態では、一対のサイドサポート部18Bがヘッドレスト本体16の上部よりもシートバック前方側へ突出する構成にしたが、本発明はこれに限らず、各サイドサポート部のシートバック前方側への突出量は適宜変更することができる。
【0069】
また、上記実施形態では、ヘッドレスト本体16が反転位置からシートバック後方側へ変位することを規制する変位規制部50(可動側ストッパ22E及び固定側ストッパ30D)を備えた構成にしたが、本発明はこれに限らず、変位規制部が省略された構成にしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、樹脂フレーム30がシートバック12の上下方向から見てシートバック前方側が開放された開断面形状に形成された構成にしたが、本発明はこれに限らず、樹脂フレームの形状は適宜変更することができる。
【0071】
また、上記実施形態では、芯材22に設けられた軸部22Dの両端部(一対の被軸支部22D1)が、樹脂フレーム30の一対のサイド部30Bに設けられた軸受部30B2(軸支部)に嵌合する構成にしたが、本発明はこれに限らず、樹脂フレームの一対のサイド部にそれぞれ設けられた軸部(軸支部)が、芯材の左右両端部にそれぞれ設けられた軸受部(被軸支部)に嵌合する構成にしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、ヘッドレスト本体16の芯材22が樹脂製とされた構成にしたが、本発明はこれに限らず、芯材が金属材料(例えば、アルミニウム)によって製造される構成にしてもよい。
【0073】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。