(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は本実施形態に係る電子部品試験装置1の全体構成を示す概略断面図、
図2は本発明の実施形態に係るハンドラ2の斜視図、
図3はDUT8の取り廻し方法を示すトレイの概念平面図、
図4はストッカ201、202の構造を示す斜視図、
図5はカスタマトレイを示す斜視図、
図6はテストトレイを示す部分分解斜視図、
図7は
図3の測定部におけるZ軸駆動装置70、マッチプレート60、テストトレイ及びソケット7Aを示す断面図である。
【0024】
なお、
図3は本実施形態の電子部品試験装置1におけるDUT8の取り廻し方法を理解するための図であって、実際には上下方向に並んで配置されている部材を平面的に示した部分もある。従って、その機械的(3次元的)構造は
図2を参照して説明する。
【0025】
本実施形態の電子部品試験装置1は、DUT8に高温又は低温の温度ストレスを与えた状態でDUT8が適切に動作するか否かを試験(検査)し、当該試験結果に応じてDUT8を分類する装置であって、
図1に示すように、主としてハンドラ2とテストヘッド3とテスタ本体4とを備えている。当該電子部品試験装置1によるこうした温度ストレスを与えた状態での動作テストは、試験対象となるDUT8が多数搭載されたトレイ(以下、カスタマトレイKSTともいう。
図5参照)から、当該ハンドラ2内を搬送されるテストトレイTST(
図6参照)にDUT8を載せ替えて実施される。
【0026】
このため、本実施形態のハンドラ2は、
図2及び
図3に示すように、これから試験を行うDUT8を格納し、また試験済のDUT8を分類して格納する格納部200と、格納部200から送られるDUT8をチャンバ部100に送り込むローダ部300と、テストヘッド3を含むチャンバ部100と、チャンバ部100で試験が行われた試験済みのDUT8を分類して取り出すアンローダ部400とから構成されている。
【0027】
本実施形態におけるテストヘッド3の上部には、DUT8とテストヘッド3との間の電気的な接続を中継するハイフィックス(HIFIX:High Fidelity Tester Access Fixture)5が装着されている。さらに、このハイフィックス5の上部には、ソケットボード6、及びソケットボード6に固定されたソケット7Aを備えている。
【0028】
ソケット7Aは、
図1に示すように、ケーブル4aを通じてテスタ本体4に接続され、ソケット7Aに電気的に接触させたDUT8をケーブル4aを通じてテスタ本体4に接続し、当該テスタ本体4からの試験信号によりDUT8をテストする。なお、ハンドラ2の一部に空間部分2bが設けられており、当該空間部分2bにテストヘッド3が交換自在に配置される。試験時においては、ハンドラ2内に設けられたZ軸駆動装置70(後述)がプッシャ30(後述)を介してDUT8を押圧することにより、ハンドラ2の貫通孔2aを通してDUT8をテストヘッド3上のソケット7Aに接触させることが可能となっている。そして、DUT8の品種が変更される際には、当該品種のDUT8の形状、ピン数に適したソケット7Aを有するテストヘッド3に交換される。
【0030】
<格納部200>
格納部200には、試験前のDUT8を格納する試験前ストッカ201と、試験の結果に応じて分類されたDUT8を格納する試験済ストッカ202とが設けられている。
【0031】
これらの試験前ストッカ201及び試験済ストッカ202は、
図4に示すように、枠状のトレイ支持枠203と、このトレイ支持枠203の下部から侵入して上部に向かって昇降可能とするエレベータ204とを具備して構成されている。トレイ支持枠203には、カスタマトレイKSTが複数積み重ねられて支持され、この積み重ねられたカスタマトレイKSTのみがエレベータ204によって上下に移動される。
【0032】
そして、試験前ストッカ201には、これから試験が行われるDUT8が格納されたカスタマトレイKSTが積層されて保持される一方で、試験済みストッカ202には、試験済みのDUT8が適宜に分類されたカスタマトレイKSTが積層されて保持されている。
【0033】
なお、これら試験前ストッカ201と試験済ストッカ202は同じ構造をしているので、試験前ストッカ201と試験済ストッカ202とのそれぞれの数を必要に応じて適宜数に設定することが出来る。
【0034】
図2及び
図3に示す例では、試験前ストッカ201に2個のストッカSTK−Bを設け、またその隣にアンローダ部400へ送られる空ストッカSTK−Eを2個設けるとともに、試験済ストッカ202に8個のストッカSTK−1、STK−2、・・・、STK−8を設けて試験結果に応じて最大8つの分類に仕分けして格納できるように構成されている。つまり、良品と不良品の別の外に、良品の中でも動作速度が高速のもの、中速のもの、低速のもの、或いは不良の中でも再試験が必要なもの等に仕分けされる。
【0035】
<ローダ部300>
上述したカスタマトレイKSTは、格納部200と装置基板105との間に設けられたトレイ移送アーム205によってローダ部300の窓部306に装置基板105の下側から運ばれる。そして、このローダ部300において、カスタマトレイKSTに積み込まれたDUT8をX−Y搬送装置304によって一旦プリサイサ(preciser)305に移送し、ここでDUT8の相互の位置を修正した後、さらにこのプリサイサ305に移送されたDUT8を再びX−Y搬送装置304を用いて、ローダ部300に停止しているテストトレイTSTに積み替える。
【0036】
カスタマトレイKSTからテストトレイTSTへDUT8を積み替えるX−Y搬送装置304としては、
図2に示すように、装置基板105の上部に架設された2本のレール301と、この2本のレール301によってテストトレイTSTとカスタマトレイKSTとの間を往復する(この方向をY方向とする)ことが可能な可動アーム302と、この可動アーム302によって支持され、可動アーム302に沿ってX方向に移動可能な可動ヘッド303とを備えている。
【0037】
このX−Y搬送装置304の可動ヘッド303には、吸着ヘッド(不図示)が下向きに装着されており、この吸着ヘッドが空気を吸引しながら移動することで、カスタマトレイKSTからDUT8を吸着し、そのDUT8をテストトレイTSTに積み替える。こうした吸着ヘッドは、可動ヘッド303に対して例えば8本程度装着されており、一度に8個のDUT8をテストトレイTSTに積み替えることが出来る。
【0038】
図6は本実施形態で用いられるテストトレイTSTの構造を示す分解斜視図である。このテストトレイTSTは、方形フレーム12に複数の桟13が平行且つ等間隔に設けられ、これら桟13の両側及び桟13と対向するフレーム12の辺12aに、それぞれ複数の取付片14が等間隔に突出して形成されている。これら桟13の間及び桟13と辺12aとの間と、2つの取付片14とによって、インサート収納部15が構成されている。
【0039】
各インサート収納部15には、それぞれ1個のインサート16が収納されるようになっており、このインサート16はファスナ17を用いて2つの取付片14にフローティング状態で取り付けられている。このために、インサート16の両端部には、それぞれ取付片14への取付用孔21が形成されている。こうしたインサート16は、例えば1つのテストトレイTSTに、16×4個程度取り付けられている。このように、インサート16は、テストトレイTSTに組み込まれてテストトレイTSTの一部を構成している。なお、本実施形態では、インサート16とテストトレイTSTとが着脱可能な構造となっているが、インサート16がテストトレイTSTの一部として一体的に形成されていてもよい。
【0040】
各インサート16は、同一形状、同一寸法とされており、それぞれのインサート16にDUT8が収納される。インサート16の収納部19は、収納するDUT8の形状に応じて決められる。
【0041】
なお、一般的なカスタマトレイKSTにあっては、DUT8を保持するための凹部が、DUT8の形状よりも比較的大きく形成されているので、カスタマトレイKSTに格納された状態におけるDUT8の位置は、大きなバラツキを有している。従って、この状態でDUT8を吸着ヘッドに吸着し、直接テストトレイTSTに運ぶと、テストトレイTSTに形成された収納凹部に正確に落とし込むことが困難となる。このため、本実施形態のハンドラ2では、カスタマトレイKSTの設置位置とテストトレイTSTとの間にプリサイサ305と呼ばれるDUT8の位置修正手段が設けられている。このプリサイサ305は、比較的深い凹部を有し、この凹部の周縁が傾斜面で囲まれた形状とされているので、吸着ヘッドに吸着されたDUT8をこの凹部に落とし込むと、当該傾斜面でDUT8の落下位置が修正されることとなる。これにより、8個のDUT8の相互の位置が正確に定まり、位置が修正されたDUT8を再び吸着ヘッドで吸着してテストトレイTSTに積み替えることで、テストトレイTSTに形成された収納凹部に精度良くDUT8を積み替えることが出来る。
【0042】
<チャンバ部100>
上述したテストトレイTSTは、ローダ部300でDUT8が積み込まれた後、チャンバ部100に送り込まれ、当該テストトレイTSTに搭載された状態で各DUT8がテストされる。
【0043】
チャンバ部100は、テストトレイTSTに積み込まれたDUT8に目的とする高温又は低温の熱ストレスを印加する恒温槽(ソークチャンバ)101と、この恒温槽101で熱ストレスが印可された状態にあるDUT8をテストヘッド3に接触させる測定部(テストチャンバ)102と、測定部102で試験されたDUT8から、印加された熱ストレスを除去する除熱槽(アンソークチャンバ)103とで構成されている。なお、除熱槽103は、恒温槽101や測定部102と熱的に断絶することが好ましく、実際には恒温槽101と測定部102との領域に所定の熱ストレスが印加され、除熱槽103はこれらとは熱的に断絶されているが、便宜的にこれらをチャンバ部100と称する。
【0044】
恒温槽101には、
図3に概念的に示すように垂直搬送装置が設けられており、測定部102が空くまでのあいだ、複数枚のテストトレイTSTがこの垂直搬送装置に支持されながら待機する。主として、この待機中において、DUT8に高温又は低温の熱ストレスが印加される。
【0045】
測定部102には、その中央にテストヘッド3が配置される。この測定部102の内部には、
図7に示すように、上下動を行うZ軸駆動装置70が設けられている。このZ軸駆動装置70の下方には、マッチプレート60内に保持されたプッシャ30がZ軸駆動装置70の下面と対向するように備えられており、Z軸駆動装置70の上下動に伴ってプッシャ30も上下動するようになっている。
【0046】
試験時では、テストトレイTSTのインサート16内に収納されたDUT8と、このプッシャ30とが対応するように、
図7中のX軸方向に沿ってテストトレイTSTが運ばれる。そして、当該テストトレイTSTに収められている各DUT8の上面は、プッシャ30と対向した状態となる。
【0047】
この状態で、Z軸駆動装置70が
図7中の下方に向かって動くことにより押圧力を印加すると、DUT8は、プッシャ30を介して下方に押し付けられる。この押し付け力によって、DUT8の入出力端子9とテストヘッド3とが電気的に接触し、DUT8のテストが行われる。
【0048】
試験終了後は、テストトレイTSTは除熱槽103で除熱されて、試験済DUT8の温度を室温に戻した後、アンローダ部400に搬出される。
【0049】
<アンローダ部400>
アンローダ部400にも、ローダ部300に設けられたX−Y搬送装置304と同一構造のX−Y搬送装置404、404が設けられ、このX−Y搬送装置404、404によって、アンローダ部400に運び出されたテストトレイTSTから試験済のDUT8がカスタマトレイKSTに積み替えられる。
【0050】
アンローダ部400の装置基板105には、
図2に示すように、当該アンローダ部400へ運び込まれたカスタマトレイKSTが装置基板105の上面に臨むように配置される一対の窓部406、406が二対開設されている。
【0051】
また、それぞれの窓部406の下側には、カスタマトレイKSTを昇降させるための昇降テーブル(不図示)が設けられており、ここでは試験済みのDUT8が積み替えられて満載となったカスタマトレイKSTを載せて下降し、この満載トレイをトレイ移送アーム205に受け渡す。
【0052】
次に、テストヘッド3の上部に取り付けられるソケット7Aについて詳述する。
【0053】
図8(A)及び
図8(B)は本実施形態においてDUT8の試験時における動作を示す断面図、
図9は本実施形態におけるソケット7Aの異方導電性ゴムシート20を示す斜視図、
図10は本実施形態におけるDUT8を示す平面図、
図11(A)〜
図14(B)は本実施形態におけるソケット、インサート、及び配線基板の第1〜第4変形例を示す断面図である。
【0054】
本実施形態におけるソケット7Aは、
図8(A)及び
図8(B)に示すようにDUT8の入出力端子9に接触する異方導電性ゴムシート20と、当該異方導電性ゴムシート20を固定するソケットガイド50と、を備えている。
【0055】
この異方導電性ゴムシート20は、
図9に示すように、平板状の本体部21と、本体部21の略中央において図中の上方に向かって突出している凸部22と、を有している。この本体部21は、絶縁部24と、当該絶縁部24の一部に設けられた導通部23と、から構成される。
【0056】
本体部21は、導電性粒子が密に充填されたゴム材料を平板状に形成しつつ、当該平板内における導通部23を形成したい部位に対して厚さ方向に磁場を作用させて、当該導電性粒子を集合させることによって作られる。この時、本体部21において導電性粒子が集合した部位が導通部23を形成し、本体部21におけるその他の部位が絶縁部24を形成する。
【0057】
導通部23は、
図9に示すように、DUT8が有する入出力端子9(
図10参照)と対応するように凸部22の周囲に設けられており、ソケット7Aの下方に位置する配線基板40上のパッド41と接触した状態で載置される(
図8(A)又は
図8(B)参照)。なお、本実施形態では、入出力端子9の数が合計52個のDUT8を用いる場合について一例として示す。
【0058】
上記の導電性粒子としては、例えば、鉄、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、銀、アルミニウム、又は、これらの合金等を挙げることができる。また、上記のゴム材料としては、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、天然ゴム等を挙げることができる。
【0059】
また、本体部21は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、天然ゴム等のゴム材料の中に、例えば、表面が金めっき処理された金属細線等を保持させた構造を有していてもよい。この時、本体部21における当該金属細線が導通部23を形成し、本体部21におけるその他の部分が絶縁部24を形成する。
【0060】
なお、本実施形態では、導通部23と絶縁部24とを一体的に形成しているが、それらを個別に形成してもよい。例えば、絶縁性を有する板状部材に貫通孔を設け、当該貫通孔に導電性を有する弾性体を装着することによって導通部23を形成してもよい。
【0061】
凸部22は、
図9に示すように、本体部21の略中央で図の上方に向かって突出した略長方体状の部位であり、シリコーンゴム、ウレタンゴム、天然ゴム等のゴム材料から形成される。
【0062】
本実施形態において、凸部22は本体部21と一体的に形成しているが、これらをそれぞれ個別に形成してもよい。例えば、略長方体状の上記ゴム材料を、本体部21の上面に接着材等で固定することにより凸部22を形成してもよい。
【0063】
この凸部22は、本体部21においてDUT8の入出力端子9が形成されていない部分(
図10における破線部分)と対応する位置に設けられている。本実施形態においてこの凸部22は、DUT8の入出力端子9と同程度の高さ距離を有しているが(
図8(B)参照)、この高さ距離は、入出力端子9や導通部23の種類、数等の条件に応じて適宜調節される。
【0064】
本実施形態において、凸部22は略長方体状をしているが、特にこれに限定されない。例えば、DUT8に設けられた入出力端子9の配置等に応じて、凸部22の形状を円柱状や多角柱状、又は錐台状等にしてもよい。
【0065】
本実施形態におけるソケットガイド50は、異方導電性ゴムシート20の周囲を取り囲むように配置され、当該異方導電性ゴムシート20の上面端部と係合することによって異方導電性ゴムシート20を固定する部材である(
図8(A)又は
図8(B)参照)。
【0066】
本実施形態におけるソケットボード6は、以上に説明したソケット7Aと、このソケット7Aが実施される配線基板40と、を備えている。このソケットボード6は、ソケット7Aにおける異方導電性ゴムシート20の導通部23と、配線基板40上のパッド41とが対向するように位置調整した後、ソケットガイド50を介してソケット7Aを配線基板40の上に、例えばネジ等を用いて固定される。
【0067】
本実施形態では、
図8(A)に示すように、先に述べたテストトレイTSTのインサート16におけるDUT8の入出力端子9と対応する位置に第1の貫通孔25が設けられている。また、当該インサート16における異方導電性ゴムシート20の凸部22と対応する位置には第2の貫通孔26が設けられている。第1の貫通孔25は、DUT8の入出力端子9が挿入可能な形状を有している。また、第2の貫通孔26は、異方導電性ゴムシート20の凸部22が挿入可能な形状を有している。
【0068】
このため、DUT8の試験前においてDUT8がインサート16内に収納されると、DUT8の入出力端子9は第1の貫通孔25の上方から挿入された状態となる(
図8(A)参照)。その後、試験時においてプッシャ30がDUT8を押圧すると、凸部22が第2の貫通孔26の下方から挿入されたのち、当該凸部22の上面がDUT8の下面に接触した状態となる(
図8(B)参照)。
【0069】
なお、ソケット及びインサートの形状は特に上記のものに限られない。
図11(A)に例示するソケット7Bでは、ソケット7Aのようにインサート16の下面に第2の貫通孔26が設けられておらず、試験時において、凸部22Bの上面がインサート16の下面に接触する(
図11(B)参照)。
【0070】
また、
図12(A)に示すソケット7Cのように、インサート16の下面に凸部161を設けることにより、試験時において、当該凸部161が異方導電性ゴムシート20の上面に接触する構造であってもよい(
図12(B)参照)。なお、この凸部161、及び後述する凸部162、42を、シリコーンゴム、ウレタンゴム、天然ゴム等のゴム材料で構成してもよい。
【0071】
また、
図13(A)に示すソケット7Dのように、インサート16の下面に凸部162を設けると共に、当該凸部162が挿入可能な貫通孔27を異方導電性ゴムシート20に設けることにより、貫通孔27に挿入された凸部162が、配線基板40の上面に接触する構造であってもよい(
図13(B)参照)。
【0072】
また、
図14(A)に示すソケット7Eのように、配線基板40に凸部42を設けると共に、当該凸部42が挿入可能な貫通孔28を異方導電性ゴムシート20に設けることにより、貫通孔28に挿入された凸部42がインサート16の下面に接触する構造であってもよい(
図14(B)参照)。
【0073】
次に本実施形態の作用について説明する。
【0074】
チャンバ部100内の試験工程において、DUT8は、
図6に示すインサート16の中に収納された状態でテストトレイTSTに搭載され、テストヘッド3の上部に搬送される。
【0075】
このテストトレイTSTがテストヘッド3の上方における所望の位置で停止すると、Z軸駆動装置70(
図7参照)が作動を始めることによりプッシャ30が下降し、このプッシャ30がDUT8の上面を押圧することで当該DUT8とインサート16が下降する(
図8(A)参照)。これにより、DUT8の入出力端子9が異方導電性ゴムシート20の導通部23に接触する(
図8(B)参照)。その後、更にプッシャ30がDUT8を押し付けることにより、DUT8の入出力端子9が導通部23に押し込まれ、導通部23内の導電性粒子同士が接触することで導通部23が導通し、DUT8の入出力端子9と配線基板40上のパッド41とが導通する。
【0076】
このプッシャ30の押圧力は、DUT8の品種等に応じて、最適な条件に設定する必要がある。この時、条件設定を誤って、過度な押圧力を異方導電性ゴムシート7Aの導通部23に印加してしまうと、この過度な押圧力によって導通部23が損傷を受け、その後に押圧力を適切な強さに設定し直したとしても、正常な導通を図れなくなる場合がある。すなわち、過度な押圧力が誤って導通部23に加えられると、それが原因でソケット7Aの寿命が極端に短くなるという問題がある。
【0077】
本実施形態では、プッシャ30がDUT8を押圧する際に、異方導電性ゴムシート20の凸部22の上面が当該DUT8の下面に接触した状態となる(
図8(B)参照)。このため、適正値を超過した押圧力をプッシャ30が誤ってDUT8に加えた場合においても、その超過した押圧力は凸部22の弾性による反発力によって相殺されるため、DUT8の入出力端子9が適正な押込み量を超えて導通部23に押し込まれることが軽減される。これにより、プッシャ30による適正値を超過した押圧力によって導通部23が損傷することを抑制でき、ソケット7Aの長寿命化を図ることができる。
【0078】
また、これと同時に、損傷を受けた導通部23が原因で試験装置内が汚染されることも軽減できるため、試験装置のクリーニングサイクルの回数を低減したり、短縮化を抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態では、異方導電性ゴムシート20の凸部22を、本体部21と同様のゴム材料で形成している。このため、プッシャ30による押圧によってDUT8及び異方導電性ゴムシート20の導通部23が受ける衝撃を緩和することができる。
【0080】
さらに、本実施形態では、異方導電性ゴムシート20の凸部22を、本体部21と一体的に形成している。このため、異方導電性ゴムシート20の本体部21上に凸部22を高精度で形成することができる。
【0081】
本実施形態におけるテストトレイTSTが本発明のトレイの一例に相当し、本実施形態におけるインサート16の底面が本発明のトレイの底面の一例に相当し、本実施形態における凸部22、22B、161、162、42が本発明における被試験電子部品の押込量を制限する制限手段の一例に相当し、本実施形態におけるテストヘッド3が本発明の試験装置本体の一例に相当し、本実施形態におけるハンドラ2が本発明の電子部品搬送装置の一例に相当する。
【0082】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。