特許第5872419号(P5872419)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5872419-タンクレーダ用台座 図000002
  • 特許5872419-タンクレーダ用台座 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872419
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】タンクレーダ用台座
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/284 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
   G01F23/284
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-183348(P2012-183348)
(22)【出願日】2012年8月22日
(65)【公開番号】特開2014-41051(P2014-41051A)
(43)【公開日】2014年3月6日
【審査請求日】2014年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】503218067
【氏名又は名称】住友重機械マリンエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】大貫 通俊
【審査官】 羽飼 知佳
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/154814(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 23/284
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶においてタンクレーダを支持するタンクレーダ用台座であって、
タンクの天井壁上に位置するように設けられ、前記タンクの内部と連通する筒状の台座本体部と、
前記台座本体部上に設けられ、前記タンクレーダが載置される載置部と、を備え、
前記台座本体部の下端において前記天井壁の下面に設けられた障害物に近接する一部領域に連続するように設けられ、前記タンクの内部に突出する突出部を有すること、を特徴とするタンクレーダ用台座。
【請求項2】
前記障害物は、その先端部が前記台座本体部側へ向けて折れ曲がるL字状のロンジであること、を特徴とする請求項1記載のタンクレーダ用台座。
【請求項3】
前記突出部は、その突出長さが前記障害物の上下方向における長さと等しくなるように突出すること、を特徴とする請求項1又は2記載のタンクレーダ用台座。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶においてタンクレーダを支持するタンクレーダ用台座に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の船舶では、タンク内に貯留された液体内容物のレベルを検知するためのものとして、タンクレーダが用いられる場合がある。このようなタンクレーダは、下記の非特許文献1に示すように、タンクレーダ用台座に載置されて支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】東京計器株式会社ホームページ“タンクレーダ”、[平成24年8月8日検索]、インターネット<URL:http://www.tokyo-keiki.co.jp/marine/j/products/saab_star.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記従来技術では、例えばタンク内が複雑な構造を有する場合、当該構造に起因してタンクレーダからの電波が遮断等される可能性があり、精度よいタンクのレベル検知を行うことが困難になるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、精度よいレベル検知を行うことが可能なタンクレーダ用台座を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係るタンクレーダ用台座は、船舶においてタンクレーダを支持するタンクレーダ用台座であって、タンクの天井壁上に位置するように設けられ、タンクの内部と連通する筒状の台座本体部と、台座本体部上に設けられ、タンクレーダが載置される載置部と、を備え、台座本体部の下端に連続するように設けられ、タンクの内部に突出する突出部を有すること、を特徴とする。
【0007】
この本発明のタンクレーダ用台座では、タンク内に突出する突出部により、タンクレーダから発せられる電波がタンク内の構造に起因して遮断されたり干渉を受けたりするのを防ぐことができると共に、当該電波の指向性を高めることができる。その結果、本発明によれば、精度よいレベル検知を行うことが可能となる。
【0008】
また、天井壁の下面には、その先端部が台座本体部側へ向けて折れ曲がるL字状のロンジが設けられており、突出部は、台座本体部においてL字状のロンジ側の下端に設けられていることが好ましい。ここで、先端部が台座本体部側へ向けて折れ曲がるL字状のロンジにあっては、その構造上、タンクレーダの電波を特に遮断し易い。そのため、上述のように、当該L字状のロンジ側に突出部が設けられていると、タンクレーダからの電波の遮断及び干渉を防ぐという上記作用効果は特に有効なものとなる。
【0009】
また、突出部は、その突出長さが天井壁の下面に設けられたロンジの上下方向における長さと等しくなるように突出することが好ましい。この場合、タンクレーダからの電波の遮断及び干渉を防ぐという上記作用効果を、好適に発揮することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、精度よいレベル検知を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係るタンクレーダ用台座の一部を断面化して示す側面図である。
図2図1のII−II線に沿っての断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、「上」「下」の語は、船体の上下方向に対応したものである。
【0013】
図1は一実施形態に係るタンクレーダ用台座の一部を断面化して示す側面図であり、図2図1のII−II線に沿っての断面図である。図1,2に示すように、本実施形態のタンクレーダ用台座1は、船舶10においてタンクレーダユニット11を支持するものである。このタンクレーダ用台座1は、液体内容物を貯留するタンク12の天井壁13を構成する上甲板14上に配設されている。ここでのタンクレーダ用台座1は、一例として、上方から見て、タンク12の前後端部であって対角線上の位置に一対配置されている。
【0014】
船舶10としては、タンカー等の船舶が挙げられ、適用される船舶は限定されるものではない。また、タンク12についても、同様に限定されるものではなく、燃料タンクやバラストタンク等の種々のタンクが挙げられる。
【0015】
タンクレーダユニット11は、タンクレーダ15を少なくとも含んで構成されている。タンクレーダ15は、タンク12内における液体内容物のレベル(液位)を、電波(ビーム)を用いて非接触で検知する。なお、タンクレーダは“タンクゲージ”とも称され、タンクレーダからの電波は“レーダ電波”又は“ビーム”とも称される。
【0016】
このタンクレーダ用台座1は、円筒状の台座本体部2と、台座本体部2上に設けられた載置部3と、台座本体部2の下端の一部に形成された突出部4と、を備えている。台座本体部2は、上甲板14上(タンク12外)に位置するように当該上甲板14に固定されている。具体的には、台座本体部2は、その下端が上甲板14の貫通孔14aに内挿された状態で、上甲板14に溶接されている。これにより、台座本体部2は、その筒孔としての内部がタンク12の内部に連通している。また、台座本体部2の上下寸法は、少なくとも、タンクレーダ15によるレベル検知において推奨される推奨距離以上とされている。
【0017】
載置部3は、タンクレーダユニット11が載置されるものであり、台座本体部2の軸中心上にタンクレーダ15が配置されるようタンクレーダユニット11を保持する。載置部3は、フランジ2a,3aを介して台座本体部2にボルト固定されている。これにより、載置部3のタンクレーダユニット11(タンクレーダ15)から電波Bが下方へ向けて発せられ、この電波は台座本体部2内を下方へ通じてタンク12内へと到達可能となっている。
【0018】
突出部4は、台座本体部2の下端に連続するように設けられ、タンク12の内部に突出する。つまり、突出部4は、台座本体部2の下端に一体的に設けられ、タンク12内において下方へ突出している。換言すると、突出部4は、台座本体部2の下端から、タンク12内で下方に向けて張り出すよう延在する形状を有している。突出部4は、上方視で円弧状断面を呈している(図2参照)。この突出部4は、その基端側の外周面が上甲板14に溶接されて固定されている。
【0019】
ここで、上甲板14(天井壁13)の下面16には、骨部材としてのロンジ17が複数形成されている。これら複数のロンジ17は、その先端部が水平に折れ曲がるL字状を呈している。ここでは、複数のロンジ17のうちタンクレーダ用台座1に近接する一のロンジ17a(図1の左側のロンジ17)は、先端部が台座本体部2側へ向けて折れ曲がるL字状のロンジを構成する。そして、突出部4にあっては、台座本体部2において当該ロンジ17a側の下端に設けられている。
【0020】
具体的には、突出部4は、台座本体部2の下端におけるロンジ17a側の一部がタンク12内に突出するように設けられている。図2に示すように、ここでの突出部4は、上方から見て、台座本体部2におけるロンジ17aに最も近接する周方向1/8〜1/4の領域にて突出している。なお、突出部4が設けられるロンジ17a側としては、これに限定されず、中心線Cからロンジ17a側であってもよいし、その少なくとも一部であってもよい。
【0021】
図1,2に戻り、突出部4の側面4aは、台座本体部2の下面との間でエッジが形成されない(台座本体部2の下面と滑らかに連なる)ような曲面を含んでいる。つまり、突出部4の側面4aは、上方に行くに従って周方向外側へ滑らかに拡がっている。また、突出部4は、その突出長さがロンジ17aの上下方向における長さと等しくなるように突出している。
【0022】
以上のように構成された本実施形態のタンクレーダ用台座1では、タンク12内に突出する突出部4により、タンクレーダ15から発せられる電波を、タンク12内の障害物に左右されずにボトムまで確実に届くように伝播させることが可能となる。すなわち、タンクレーダ15の電波がタンク12内のロンジ17等で遮断されたり干渉を受けたりするのを防ぎ、且つ、当該電波の指向性を高めることができる。その結果、本実施形態によれば、精度よいレベル検知を行うことが可能となる。
【0023】
また、先端部が台座本体部2側へ向けて折れ曲がるL字状のロンジ17aは、その折曲形状に特に起因してタンクレーダ15の電波の進行を阻害し易く、電波を遮断し易い。この点、本実施形態では、上述したように、当該L字状のロンジ17a側に突出部4が設けられているため、電波の進行を阻害を防止でき、タンクレーダ15からの電波の遮断及び干渉を防ぐという上記作用効果は顕著となる。
【0024】
また、本実施形態では、上述したように、突出部4の突出長さがロンジ17の上下方向における長さと等しくなるように突出している。このように、突出部4の突出長さとロンジ17の上下長さとが略等しいと、タンクレーダ15からの電波の遮断及び干渉を防ぐという上記作用効果を、好適に発揮することができる。つまり、例えば、突出部4が長尺のために突出部4の製造が困難になること、及び、突出部4が短尺のために電波の遮断及び干渉を十分に防止できないこと、を回避できる。
【0025】
ちなみに、本実施形態では、上記のように、突出部4の側面4aが曲面とされており、台座本体部2の下面との間でエッジが形成されないようになっている。よって、例えばタンク12としてバラストタンクを適用した場合において、タンクレーダ用台座1の塗装を好適に行うことができ、錆びの発生を抑制することが可能となる。
【0026】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0027】
例えば上記実施形態では、台座本体部2を円筒状としたが、多角筒状としていてもよく、要は、台座本体部は筒状であればよい。また、上記実施形態では、タンク12内にL字状のロンジ17が設けられているが、これに限定されず、T字状又はI字状のロンジが設けられている場合や、トランスが設けられている場合もある。
【0028】
また、上記実施形態では、上方視においてタンク12の前後端部の対角線上にタンクレーダ用台座1を一対配置したが、これに限定されるものではない。タンクレーダ用台座1は、タンク12の仕様や容量等に応じて適宜配置可能であり、例えば上方視においてタンク12の中央に1つ配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0029】
1…タンクレーダ用台座、2…台座本体部、3…載置部、4…突出部、10…船舶、12…タンク、13…天井壁、15…タンクレーダ、16…下面、17,17a…ロンジ。
図1
図2