特許第5872461号(P5872461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872461
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】データを処理するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H03M 13/15 20060101AFI20160216BHJP
   H04L 27/22 20060101ALI20160216BHJP
   H04L 27/38 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   H03M13/15
   H04L27/22 A
   H04L27/00 G
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-517498(P2012-517498)
(86)(22)【出願日】2010年6月28日
(65)【公表番号】特表2012-532488(P2012-532488A)
(43)【公表日】2012年12月13日
(86)【国際出願番号】US2010001844
(87)【国際公開番号】WO2011008238
(87)【国際公開日】20110120
【審査請求日】2013年6月27日
(31)【優先権主張番号】61/269,753
(32)【優先日】2009年6月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ホウ‐シン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ウェン
【審査官】 菊地 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0161788(US,A1)
【文献】 特開2001−156743(JP,A)
【文献】 特表2006−522553(JP,A)
【文献】 特開2005−006338(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0150796(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/056363(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/065100(WO,A2)
【文献】 国際公開第2010/068270(WO,A1)
【文献】 ETSI EN 302 769,2010年 4月,V1.1.1,pp.1,45-50,URL,http://www.etsi.org/deliver/etsi_en/302700_302799/302769/01.01.01_60/en_302769v010101p.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 13/15
H04L 27/22
H04L 27/38
IEEE Xplore
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
FECフレームヘッダのデータを処理する方法であって、
受信された複素データのシンボルを復調するステップと、
復調された複素データのシンボルを使用して、推定された擬似雑音系列を計算するステップと、
前記推定された擬似雑音系列とReed-Mullerコードワードとの2値の相関を計算するステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記2値の相関と第一の閾値とを比較するステップと、
前記2値の相関が前記第一の閾値に等しいか又は前記第一の閾値よりも大きい場合に、前記復調された複素データのシンボルからの推定されたReed-Mullerコードワードを復号するステップと、
前記推定されたReed-Mullerコードワードに多数決論理の復号化を施すステップと、
前記推定されたReed-Mullerコードワードに関するReed-Muller対称性尺度を計算するステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記対称性尺度を第二の閾値と比較するステップと、
前記対称性尺度が前記第二の閾値よりも大きいか又は前記第二の閾値に等しい場合に、多数決論理復号化を施してフレームヘッダデータを生成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記復調するステップは、直交位相シフトキーイングデマッパにより行われる、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記復調するステップは、16直交振幅変調デマッパにより行われる、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
FECフレームヘッダのデータを処理する装置であって、
受信された複素データのシンボルをデマッパにより復調する復調器と、
復調された複素データのシンボルを使用して、推定された擬似雑音系列を計算するプロセッサと、
前記推定された擬似雑音系列とReed-Mullerコードワードとの2値の相関を計算する回路と、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記2値の相関を第一の閾値と比較する第一のコンパレータと、
前記2値の相関が前記第一の閾値に等しいか又は前記第一の閾値よりも大きい場合に、推定された32ビットのReed-Mullerコードワードを復号化するデコーダと、
前記推定された32ビットのReed-Mullerコードワードに多数決論理の復号化を施す回路と、
Reed-Muller対称性尺度を計算する回路と、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきであるかを判定するため、前記対称性尺度を第二の閾値と比較する第二のコンパレータと、
多数決論理復号化を施してフレームヘッダデータを生成する回路と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項5】
前記復調器は、直交位相シフトキーイングデマッパを使用する、
請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記復調器は、16直交振幅変調デマッパを使用する、
請求項4記載の装置。
【請求項7】
FECフレームヘッダのデータを処理する方法であって、
直交位相シフトキーイング(QPSK)を使用して、受信された複素データのシンボルを復調するステップと、
QPSK復調された複素データのシンボルを使用して、第一の推定された擬似雑音系列を計算するステップと、
前記第一の推定された擬似雑音系列のReed-Mullerコードワードとの第一の2値の相関を計算するステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記第一の2値の相関を第一の閾値と比較するステップと、
前記第一の2値の相関が前記第一の閾値に等しいか又は前記第一の閾値よりも大きい場合、前記復調された複素データのシンボルから第一の推定されたReed-Mullerコードワードを復号化するステップと、
前記第一の推定されたReed-Mullerコードワードに関して多数決論理の復号化を行うステップと、
前記推定されたReed-Mullerコードワードに関する第一のReed-Muller対称性尺度を計算するステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記第一のReed-Muller対称性尺度を第二の閾値と比較するステップと、
前記第一のReed-Muller対称性尺度が前記第二の閾値よりも大きいか又は前記第二の閾値に等しい場合、フレームヘッダデータの第一のセットを生成するため、多数決論理の復号化を実行するステップと、
16直交振幅変調(QAM)を使用して前記受信された複素データのシンボルを復調するステップと、
QAM復調された複素データのシンボルを使用して、第二の推定された擬似雑音系列を計算するステップと、
前記第二の推定された擬似雑音系列のReed-Mullerコードワードとの第二の2値の相関を計算するステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記第二の2値の相関を第三の閾値と比較するステップと、
前記第二の2値の相関が前記第三の閾値に等しいか又は前記第三の閾値よりも大きい場合に、第二の推定されたReed-Mullerコードワードを復号化するステップと、
前記第二の推定されたReed-Mullerコードワードに多数決論理の復号化を施すステップと、
前記第二の推定されたReed-Mullerコードワードに関する第二のReed-Muller対称性尺度を計算するステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記第二のReed-Muller対称性尺度を第四の閾値と比較するステップと、
前記第二のReed-Muller対称性尺度が前記第四の閾値よりも大きいか又は前記第四の閾値に等しい場合に、フレームヘッダデータの第二のセットを生成するため、多数決論理の復号化を行うステップと、
次に受信された複素データのシンボルを復調することなしに、前記フレームヘッダデータの第一のセット又は前記フレームヘッダデータの第二のセットのうち生成されたものに依存して前記FECヘッダを抽出するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7の方法を実行する装置。
【請求項9】
FECフレームヘッダデータを処理する方法であって、
受信された複素データのシンボルを直交振幅変調デマッパにより復調するステップと、
軟相関を実行して擬似雑音系列を測定するステップと、
前記軟相関の出力をスケーリングするステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記スケーリングされた軟相関の出力と第一の閾値とを比較するステップと、
前記スケーリングされた軟相関の出力が前記第一の閾値に等しいか又は前記第一の閾値よりも大きい場合に、推定されたReed-Mullerコードワードを復号化するステップと、
前記推定されたReed-Mullerコードワードに関して多数決論理の復号化を実行するステップと、
前記推定されたReed-Mullerコードワードに関するReed-Muller対称性尺度を計算するステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記Reed-Muller対称性尺度を第二の閾値と比較するステップと、
前記Reed-Muller対称性尺度が前記第二の閾値よりも大きいか又は前記第二の閾値に等しい場合に、フレームヘッダデータを生成するために多数決論理の復号化を行うステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
FECフレームヘッダデータを処理する装置であって、
受信された複素データのシンボルを直交振幅変調デマッパにより復調する復調器と、
軟相関を実行して擬似雑音系列を測定する回路と、
前記軟相関の出力をスケーリングする回路と、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記スケーリングされた軟相関の出力と第一の閾値との第一の比較を実行する回路と、
前記スケーリングされた軟相関の出力が前記第一の閾値に等しいか又は前記第一の閾値よりも大きい場合に、推定された32ビットのReed-Mullerコードワードを復号化するデコーダと、
前記推定された32ビットのReed-Mullerコードワードに関して多数決論理の復号化を実行する回路と、
Reed-Muller対称性尺度を計算する回路と、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記Reed-Muller対称性尺度と第二の閾値との第二の比較を実行する回路と、
多数決論理の復号化を行い、フレームヘッダデータを生成する回路と、
を備えることを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVB-C2伝送規格で使用されるような、前方誤り訂正(FEC)フレームのヘッダを回復する方法に関する。
本出願は、2009年6月29日に提出された“FEC FRAME HEADER DETECTION ALGORITHM FOR DVB-C2”と題された米国特許仮出願61/269753号の利益を特許請求するものであり、その内容は完全な形で本明細書に盛り込まれる。
【背景技術】
【0002】
デジタル伝送技術は、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)又はQAM(Quadrature Amplitude Modulation)の何れかを使用してデータを変調することがある。変調されたデータは、その回復を正確且つロバストにするために変調の前に更なる暗号化手法を受けることがある。デジタルビデオブロードキャスティング(DVB:Digital Video Broadcasting)規格は、データ伝送のためにQPSK及びQAM技術を使用する。
【0003】
DVB規格のコンソーシアムは、様々な伝送システムについて規格を定義するグループである。それらの規格のうちの1つは、デジタルケーブル伝送向けに使用されるDVB-C規格である。第二の世代のデジタルケーブル規格であるDVB-C2規格は、情報のReed-Muller符号化を使用し、PN(Pseudo-Noise)系列との混合が続く。受信機は、情報ビットの回復の前にPN系列の影響を除く必要がある。
【0004】
FEC(Froward Error Correction)のフレームヘッダは、それぞれのFECブロックにおいてACM(Adaptive Coding and Modulation)又はVCM(Variable Coding and Modulation)をサポートするため、DVB-C2伝送規格で使用される。FECフレームヘッダ(FECFrame)は、それぞれのFECFrame又は2つの連続するFECFrameの前に付加され、符号化レート、変調タイプ及び物理レイヤのパイプ識別子を受信機に示す。従って、FECFrameの検出は、DVB-C2受信機において必要とされる。2つのタイプのFECフレームヘッダをエンコーダで生成することができる。第一に、ロバストモードで、FECフレームヘッダは、直交位相シフトキーイング(QPSK)を使用して生成される。第二に、高効率モードで、FECフレームヘッダは、16直交振幅変調(16-QAM)を使用して生成される。本発明において、FECFrameヘッダのタイプに基づいて、DVB-C2規格との使用に適したFECFrame検出の方法及び装置が記載される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、DVB-C2伝送規格における使用に適した、FECフレームのヘッダの検出のための方法及び装置に向けられる。
【0006】
本発明の態様によれば、FECフレームヘッダの回復のための方法が提供される。本方法は、受信された複素データのシンボルを復調し、続いて、推定される32ビット擬似雑音系列を計算し、2値の相関を計算することを含む。相関の出力は、回復方法を現在のシンボルに関して継続すべきか又は次のシンボルを復調すべきかを判定するために、ある閾値と比較される。本方法が現在のシンボルに関して継続する場合、推定される32ビットReed-Mullerコードワードが復号され、コードワードの最後の10ビットに関して多数決論理、Reed-Muller(RM)対称性測定の計算が続く。対称性測定は、現在のシンボルに関する回復方法を継続すべきか又は次のシンボルを復調すべきかを判定するため、ある閾値と比較される。本方法が現在のシンボルに関して継続する場合、FECヘッダの16情報ビットを回復するために、多数決論理が実行される。
【0007】
本発明の別の態様によれば、装置が提供される。本装置は、例えばデマッパ(demapper)により、受信された複素データのシンボルを復調する復調器、復調された複素データのシンボルを使用して推定された擬似雑音系列を計算する回路、推定された擬似雑音系列のReed-Mullerコードワードとの2値の相関を計算するプロセッサ、2値の相関と第一の閾値とを比較する第一のコンパレータ、2値の相関が第一の閾値よりも大きいか又は第一の閾値に等しい場合に推定される32ビットRMコードワードを生成するデコーダ、推定される32ビットRMコードワードで動作する多数決論理復号化回路、RMの対称性測定を計算する回路、対称性特性を第二の閾値と比較する第二のコンパレータ、及び、FECフレームヘッダの16情報ビットを回復する多数決論理復号化のための回路を含む。
【0008】
本発明の別の態様によれば、FECフレームヘッダの回復の別の方法が提供される。本方法は、例えばQPSKデマッパにより、直交位相シフトキーイング(QPSK)を使用して受信された複素データのシンボルを復調するステップ、続いて、推定される32ビット擬似雑音系列を計算し、2値の相関を計算するステップを含む。相関の出力は、現在のシンボルに関して回復方法を継続すべきか又は次のシンボルを復調すべきかを判定するため、ある閾値と比較される。回復の方法が現在のシンボルに関して継続する場合、推定された32ビットのReed-Mullerコードワードが復号化され、続いて、コードワードの最後の10ビットに関して多数決論理復号化、及びReed-Muller(RM)の対称性測定の計算が行われる。対称性測定は、現在のシンボルに関して回復方法を継続すべきか又は次のシンボルを復調すべきかを判定するため、ある閾値と比較される。回復の方法が現在のシンボルに関して継続する場合、FECヘッダの16情報ビットを回復するため、多数決論理復号化が行われる。また、本方法は、前のステップと並行して、16直交振幅変調により受信された複素データのシンボルを復調し、続いて、推定された32ビット擬似雑音系列を計算し、2値の相関を計算する。相関出力は、回復方法を現在のシンボルに関して継続すべきか又は次のシンボルを復調すべきかを判定するため、ある閾値に比較される。回復方法が現在のシンボルに関して継続する場合、推定される32ビットのReed-Mullerコードワードが復号化され、続いて、コードワードの最後の10ビットに関する多数決論理復号化が行われ、Reed-Muller(RM)対称性測定の計算が行われる。対称性の測定は、回復方法を現在のシンボルに関して継続すべきか又は次のシンボルを復調すべきかを判定するため、ある閾値に比較される。回復方法が現在のシンボルに関して継続する場合、FECヘッダの16情報ビットを回復するために多数決論理の復号化が行われる。FECフレームヘッダがロバストモードで送出されたか又は高効率モードで送出されたかに依存して、同時に実行される2つの方法の対応する経路は、FECフレーム検出を示す統計的決定(decision statistic)を与える。本発明の別の態様によれば、上述された方法を実現する装置が提供される。
【0009】
本発明の別の態様によれば、FECフレームヘッダの回復のための方法が提供される。本方法は、例えばデマッパを使用して、QPSKを使用して受信された複素データのシンボルを復調し、続いて、擬似雑音系列を測定するために軟相関(soft correlation)を計算し、軟相関出力のスケーリングが行われる。スケーリングされた軟相関出力は、回復方法を現在のシンボルに関して継続すべきか又は次のシンボルを復調すべきかを判定するため、ある閾値に比較される。回復方法が現在のシンボルに関して継続する場合、推定される32ビットのReed-Mullerコードワードが復号化され、続いて、コードワードの最後の10ビットに関する多数決論理復号化が行われ、Reed-Muller(RM)対称性測定の計算が行われる。対称性の測定は、回復方法を現在のシンボルに関して継続すべきか又は次のシンボルを復調すべきかを判定するため、ある閾値に比較される。回復方法が現在のシンボルに関して継続する場合、FECヘッダの16情報ビットを回復するため、多数決論理の復号化が行われる。
【0010】
本発明の別の態様によれば、装置が提供される。本装置は、QPSKデマッパによるような、受信された複素データのシンボルを復調する復調器、擬似雑音系列を測定するために軟相関を計算する回路、軟相関出力をスケーリングするスケーラ、スケーリングされた軟相関を第一の閾値と比較する第一のコンパレータ、スケーリングされた軟相関が第一の閾値よりも大きいか又は第一の閾値に等しい場合、推定される32ビットのRMコードワードを生成するデコーダ、推定された32ビットのRMコードワードに関して動作する多数決論理の復号化回路、RM対称性測定を計算する回路、対称性測定を第二の閾値と比較する第二のコンパレータ、FECフレームヘッダの16情報ビットを回復する多数決論理復号化の回路を有する。
【0011】
本発明の別の態様によれば、FECフレームヘッダ検出の方法が提供される。本方法は、受信されたデータシンボルの擬似雑音系列との第一のスケーリングされた相関を形成し、Reed-Mullerコードワードの受信されたデータシンボルのバージョンとの第二のスケーリングされた相関を形成し、第一のスケーリングされた相関と第二のスケーリングされた相関とを合計して統計的決定を生成し、統計的決定をある閾値と比較して、FECフレームヘッダが検出されたかを判定する。
【0012】
本発明の別の態様によれば、FECフレームヘッダ検出のための装置が提供される。本装置は、受信されたデータシンボルのPN系列とのスケーリングされた相関と、RMコードワードの受信されたデータシンボルのバージョンとのスケーリングされた相関をそれぞれ形成する。また、本装置は、2つのスケーリングされた相関を合計する加算器、FECフレームヘッダが検出されたかを判定するため、合計をある閾値と比較するコンパレータを有する。
【0013】
本発明のこれらの態様、特徴及び利点、並びに他の態様、特徴及び利点は、添付図面と共に読まれることとなる、例示的な実施の形態の以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1a】ロバストFECフレームヘッダの実施の形態を示す図である。
図1b】高効率FECフレームヘッダの実施の形態を示す図である。
図1c】データスライスパケットにおけるFECフレームヘッダの位置を示す図である。
図2】RM(32,16)コードのジェネレータマトリクスを示す図である。
図3】本発明の1実施の形態に係るFECヘッダ回復の方法のフローダイアグラムである。
図4】本発明に係るFECヘッダを回復する装置を示す図である。
図5】ロバストモード又は高効率モードの何れかにおける、本発明に係るFECヘッダ回復の方法を示す図である。
図6】ロバストモード又は高効率モードの何れかを使用した、本発明に係るFECヘッダを回復する装置を示す図である。
図7】ロバストモード及び軟相関を使用したFECヘッダの回復の方法を示す図である。
図8】ロバストモード及び軟相関を使用したFECヘッダの回復の装置を示す図である。
図9】本発明に係るFECヘッダの統計的決定を判定する方法を示す図である。
図10】本発明に係るFECヘッダの統計的決定を判定する装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施の形態では、DVB-C2ブロードキャスティング規格における使用に適した、FECフレームヘッダ処理のアプローチが記載される。
図1(a)及び図1(b)において、FECフレームヘッダを生成する2つの符号化スキームが示される。はじめに、L1のシグナリング部1の16ビットは、Reed-Muller(32,16)エンコーダによりFEC符号化される。続いて、32ビットのReed-Mullerコードワードのそれぞれのビットは、分割され、上側のブランチと下側のブランチとが形成される。下側のブランチは、それぞれのReed-Mullerコードワードにおける循環シフトを適用し、結果として得られるデータを、MPS系列と呼ばれる特定のPN系列を使用してスクランブリングする。2つの符号化スキームにおける差は、ロバストFECフレームヘッダについてQPSKコンスタレーションが使用され、高効率FECフレームヘッダについて16QAMコンスタレーションが使用される点である。FECフレームヘッダにおける情報ビットの構造及びデータスライスパケットにおけるヘッダの位置は、図1(c)に示される。このように、受信機において、ロバストモードにおける受信されたQPSKシンボルから、又は高効率モードにおける受信された16QAMシンボルから、推定された32ビットのRMコードワードを生成するため、PN系列の影響を除く必要がある。
【0016】
ロバストなFECフレームヘッダ検出は、以下のステップにより実行することができる。
【0017】
1.32シンボルの複素系列(s0, s1,..., s31)=(ri, ri+1,…,ri+31)はロバストなFECフレームヘッダであり、それらを、QPSKデマッパにより、64ビット系列(a0,a1…,a63)に復調することとする。複素シンボルであるriは、その対応するチャネルゲインを除去した後の受信されたデータシンボルである。
【0018】
2.推定される32ビットのPN系列
<外1>

<外2>
により計算する。この場合、(x)yは、x modulo yの結果であり、排他的又は演算が使用される。
【0019】
3.2値の相関
<外3>

<外4>
により計算する。変数
<外5>
は、Reed-Muller符号であるFECフレームヘッダの下側のブランチにおける32ビットスクランブリング系列を表し、
<外6>
は、受信されたコードワードを表す。
CP<T1である場合、ステップ1に進み、シンボルのインデックスを1だけ進める。すなわちi=i+1である。
CP≧T1である場合、ステップ4を実行する。
【0020】
4.32ビットコードワードのそれぞれのビットは、上側のブランチのビットとその対応する下側のブランチのビットとの対数尤度の割合を結合することで復号化される。幾つかの簡単な簡略化の後、推定される32ビットのRMコードワード
<外7>
は、以下のように復号化される。
【0021】
【数1】
5.推定される32ビットのRMコードワード
<外8>
は、3段の多数決論理復号化により復号化される。最後の10ビット
<外9>
は、第一段において、受信されたコードベクトル
<外10>
から復号化される。これらの10ビットは、変更されたコードベクトル
<外11>
を形成するため、
<外12>
から除かれる。
【0022】
6.変更されたコードベクトル
<外13>
は、対称的な構造を有しており、32シンボルの複素系列(s0, s1,..., s31)がFECフレームヘッダであるかを2度確認するために使用することができる。受信された変更されたコードベクトルのRM自己相関は、以下のように計算される。
【0023】
【数2】
次いで、RMの対称性測定は、
【数3】
により計算される。
CRM<T2である場合、ステップ1に進み、シンボルのインデックスを1だけ進める。すなわちi=i+1である。
CRM≧T2である場合、これはFECフレームヘッダが検出されたことを意味し、ステップ4を実行する。
【0024】
7.多数決論理復号化の第一段は、ステップ6で実行される。16情報ビットを得るために、残りの2段の多数決論理復号化の手順を実行する。
【0025】
高効率のFECフレームヘッダ検出は、以下のステップにより実行することができる。
【0026】
1.16シンボルの複素系列(s0, s1,..., s16)=(ri, ri+1,…,ri+15)はロバストなFECフレームヘッダであり、それらを、16QAMデマッパにより、64ビット系列(a0,a1…,a63)に復調することとする。複素シンボルであるriは、その対応するチャネルゲインを除去した後の受信されたデータシンボルである。
【0027】
2.推定される32ビットのPN系列
<外14>

<外15>
により計算する。この場合、(x)yは、x modulo yの結果であり、排他的又は演算が使用される。
【0028】
3.2値の相関
<外16>

<外17>
により計算する。
CP<T1である場合、ステップ1に進み、シンボルのインデックスを1だけ進める。すなわちi=i+1である。
CP≧T1である場合、ステップ4を実行する。
【0029】
4.32ビットのRMコードワードのそれぞれのビットは、上側のブランチのビットとその対応する下側のブランチのビットとの対数尤度の割合を結合することで復号化される。幾つかの簡単な簡略化の後、推定される32ビットのRMコードワード
<外18>
は、以下のように復号化される。
【0030】
【数4】
この場合σ2は推定される雑音の分散である。
【0031】
5.推定される32ビットのRMコードワード
<外19>
は、3つのステージの多数決論理復号化により復号化される。最後の10ビット
<外20>
は、第一のステージにおいて、受信されたコードベクトル
<外21>
から復号化される。これらの10ビットは、変更されたコードベクトル
<外22>
を形成するため、
<外23>
から除かれる。
【0032】
6.変更されたコードベクトル
<外24>
は、対称的な構造を有しており、32シンボルの複素系列(s0, s1,..., s31)がFECフレームヘッダであるかを2度確認するために使用することができる。受信された変更されたコードベクトルのRM自己相関は、以下のように計算される。
【0033】
【数5】
次いで、RMの対称性測定は、
【数6】
により計算される。
CRM<T2である場合、ステップ1に進み、シンボルのインデックスを1だけ進める。すなわちi=i+1である。
CRM≧T2である場合、これはFECフレームヘッダが検出されたことを意味し、ステップ7を実行する。
【0034】
7.多数決論理復号化の第一のステージは、ステップ6で実行される。16情報ビットを得るために、残りの2つのステージの多数決論理復号化の手順を実行する。
【0035】
FECフレームヘッダのモードは未知であるため、2つの可能性のあるモードは、それぞれのシンボルのインデックスiにおいてトレーニングされるべきであり、すなわち、riは、ロバストモード又は高効率モードにおけるFECフレームヘッダの第一シンボルであるとする。
【0036】
ロバストなFECフレームヘッダモードにおいて、ステップ2及び3を置き換えるため、軟相関を使用することが可能である。
【0037】
【数7】

は、PN系列の測度としての
[外25]

の軟相関である。RM対称性測定と組み合わせて軟相関が使用されるとき、スケーリングが必要とされる。
変更されたコードベクトルλ~(1)
【数71】

は対称な構造を有し、その理由は、送信される32ビットRMコードベクトルλに関し、λ(1)は生成行列(generator matrix)の初めから6つの行の線形結合であり、これら6つの行は対称的な構造を有するからである。
【0038】
FECフレームヘッダ検出の判定は、ステップ3及び7における2つのステージにより行われる。統計的決定は、
【数8】
により形成され、この場合、α1及びα2は、結合係数である。これは、検出のステップ3において、CPの値が何であろうと、検出の手順は、ステップ6に進められ、C及び閾値T3を使用して、FECフレームヘッダであるかが判定される。α1=0である場合、ステップ2及び3がスキップされ、判定を行うためにRM対称性測定のみが使用されることを意味する。α2=0である場合、ステップ6がスキップされ、判定を行うためにPN相関のみが使用されることを意味する。
【0039】
対称性測定は、
【数9】
により計算することができる。Kの数が大きくなると、RM対称性測定はよりロバストになる。さらに、
<外26>
に結合は、RMの対称性測定として使用される。
【0040】
本発明の1実施の形態は、図3に例示されており、図3は、FECフレームヘッダの検出の方法を示す。受信された複素データのシンボルは、ステップ310で、デマッパにより復調される。復調された出力は、ステップ320で、推定された32ビットのPN系列を計算するために使用される。ステップ330で、推定された32ビットのPN系列の2値の相関が計算され、ステップ334で、相関出力は、第一の閾値に比較される。相関が第一の閾値未満である場合、ステップ338で、シンボルのインデックスが増加され、ステップ310で、プロセスは、次のシンボルの復調に進む。相関が第一の閾値よりも大きいか又は第一の閾値に等しい場合、ステップ340で、32ビットのRMコードワードのそれぞれのビットは、上側のブランチのビットと、それらの対応する下側のブランチのビットとの対数尤度の割合を結合して、推定される32ビットのRMコードワードを生成することで復号化される。ステップ350で、変更されたコードベクトルの10ビットを生成するため、多数決論理復号化の第一のステージが実行される。ステップ360で、この変更されたコードベクトルは、自己相関を実行することで、32シンボルの複素データのシンボルがFECフレームヘッダであるかを2度確認するために使用される。ステップ364でチェックされたときに、自己相関値が第二の閾値未満である場合、ステップ368で、シンボルのインデックスが増加され、ステップ310に進むことで、次のシンボルの復調が実行される。相関が第二の閾値よりも大きいか又は第二の閾値に等しい場合、ステップ370で、FECフレームヘッダの16情報ビットを取得するため、多数決論理復号化の残りの2つのステージが実行される。
【0041】
図4は、本発明の別の実施の形態を例示しており、図4は、FECフレームヘッダ検出の装置を示す。受信された複素データシンボルは、復調器410で復調される。復調された出力は、推定された32ビットのPN系列を計算し、推定された32ビットのPN系列の2値の相関を計算するために使用されるプロセッサ430と接続される。相関出力は、プロセッサ430により第一の閾値に比較される。相関が第一の閾値未満である場合、シンボルのインデックスが増加され、復調器410により、次のシンボルの復調が行われる。相関が第一の閾値よりも大きいか又は第一の閾値に等しい場合、32ビットのRMのコードワードのそれぞれのビットは、上側のブランチとそれらの対応する下側のブランチのビットとの対数尤度の割合を結合して、推定される32ビットのRMコードワードを生成することで、プロセッサ430の出力とそのコンパレータの信号の出力と接続されるデコーダにより復号化される。多数決論理の復号化の第一のステージは、変更されたコードベクトルの10ビットを生成するデコーダ440により実行される。この変更されたコードベクトルは、自己相関を実行することで、32シンボルの複素データシンボルがFECフレームヘッダであるかを2度確認するため、RMの対称性測定を計算するためにデコーダ440により使用される。デコーダ440によりチェックされたときに、自己相関値が第二の閾値未満である場合、シンボルのインデックスが増加され、次のシンボルの復調が復調器410により実行される。相関が第二の閾値よりも大きいか又は第二の閾値に等しい場合、多数決論理の復号化の残りの2つのステージがデコーダ440により実行され、FECフレームヘッダの16情報ビットが取得される。
【0042】
図5は、本発明の別の実施の形態を例示しており、図5は、FECフレームヘッダ検出の方法を示している。本方法は、ステップ510においてQPSK復調を使用する上述された検出方法を使用し、同時にステップ520において16QAM復調を使用した検出の方法を使用することを含む。ステップ530において、FECフレームヘッダがロバストモード又は高効率モードの何れかで検出されたかが判定される。
【0043】
図6は、本発明の別の持視の形態を例示しており、図6は装置を示している。本装置は、QPSK復調を使用する検出回路610及び16QAM復調を使用する検出回路620から構成される。これらの回路の出力は、ロバストモード又は高効率モードにおいてFECフレームヘッダを検出する回路630に接続される。
【0044】
図7は、本発明の1実施の形態を例示しており、図7は、FECフレームヘッダ検出700の方法を示す。受信された複素データのシンボルは、ステップ710で、QPSKデマッパにより復調される。復調された出力は、ステップ720で、軟相関を計算するために使用される。ステップ730で、軟相関がスケーリングされ、ステップ734で、スケーリングされた軟相関の出力は、第一の閾値と比較される。相関が第一の閾値未満である場合、ステップ338で、シンボルのインデックスは1だけ増加され、ステップ710で、プロセスは、次のシンボルの復調に進む。相関が第一の閾値よりも大きいか又は第一の閾値に等しい場合、ステップ740で、32ビットのRMコードワードのそれぞれのビットは、上側のブランチのビットとそれらの対応する下側のブランチのビットの対数尤度の割合を結合して、推定される32ビットのRMコードワードを生成することで復号化される。多数決論理の復号化の第一ステージは、ステップ750で、変更されたコードベクトルの10ビットを生成するために行われる。この変更されたコードベクトルは、自己相関を行うことにより、32シンボルの複素データのシンボルがFECフレームヘッダであるかを2度確認するため、ステップ760で使用される。ステップ764でチェックされたときに、相関値が第二の閾値未満である場合、シンボルのインデックスは、ステップ768で増加され、次のシンボルの復調は、ステップ710に進んで実行される。相関が第二の閾値よりも大きいか又は第二の閾値に等しい場合、ステップ770で、FECフレームヘッダの16情報ビットを取得するため、多数決の復号化の残りの2つのステージが実行される。
【0045】
図8は、本発明の別の実施の形態を例示しており、図8は、FECフレームヘッダ検出800の装置を示す。受信された複素データのシンボルは、復調器810により復調される。復調された出力は、回路830に接続され、軟相関を計算するために使用される。軟相関は、回路830においてスケーラによりスケーリングされ、相関出力は、回路830において第一の閾値と比較される。相関が第一の閾値未満である場合、シンボルのインデックスは増加され、次のシンボルの復調が復調器810により行われる。相関が第一の閾値よりも大きいか又は第一の閾値に等しい場合、32ビットのRMコードワードのそれぞれのビットは、上側のブランチのビットのそれらの対応する下側のブランチのビットとの対数尤度の割合を結合して、回路830の出力とその比較結果とに接続されるデコーダ840により、推定される32ビットのRMコードワードを生成することで復号化される。多数決論理復号化の第一ステージは、回路830により実行され、回路840は、変更されたコードベクトルの10ビットを生成する。この変更されたコードベクトルは、自己相関を実行することで、32シンボルの複素データのシンボルがFECフレームヘッダであるかを2度確認するため、デコーダ840におけるRMの対称性回路により使用される。デコーダ840における第二のコンパレータによりチェックされたとき、自己相関値が第二の閾値未満である場合、シンボルのインデックスが増加され、次のシンボルの復調が復調器810により実行される。相関が第二の閾値よりも大きいか又は第二の閾値に等しい場合、FECフレームヘッダの16情報ビットを得るため、残りの2つのステージの多数決論理復号化がデコーダ840により実行される。
【0046】
図9は、本発明の別の態様を例示するものであり、図9は、FECフレームヘッダ検出のための統計的決定を形成する方法900を示す。第一のスケーリングされた相関は、ステップ910で形成され、続いてステップ920で、第二のスケーリングされた相関が形成される。スケーリングされた相関出力は、ステップ930で合計され、ステップ940で、FECフレームヘッダが検出されたかを判定するため、ある閾値と比較される。
【0047】
図10は、本発明の別の態様が例示しており、図10は、FECフレームヘッダ検出の統計的決定を形成する装置1000を示す。第一のスケーリングされた相関を形成する回路1010と第二のスケーリングされた相関を形成する回路1020は、スケーリングされた相関回路の出力を合計する加算器1030と接続される。加算器の出力は、コンパレータ1040に接続され、コンパレータは、加算器の出力をある閾値と比較して、FECフレームヘッダが検出されたかを判定する。
【0048】
図示される様々な構成要素の機能は、専用ハードウェアと同様に、適切なソフトウェアと関連してソフトウェアを実行可能なハードウェアの使用を通して提供される場合がある。プロセッサにより提供されたとき、単一の専用プロセッサ、単一の共有プロセッサ、又はそのうちの幾つかが共有される複数の個々のプロセッサにより提供される場合がある。さらに、用語「プロセッサ」又は「コントローラ」の排他的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアを排他的に示すために解釈されるべきではなく、限定されるものではないが、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)ハードウェア、ソフトウェアを記憶するリードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び不揮発性ストレージを暗黙的に含む場合がある。
【0049】
コンベンショナル及び/又はカスタムといった他のハードウェアが含まれる場合もある。同様に、図示されるスイッチは、概念的なものである。それらの機能は、プログラムロジックの動作を通して、専用ロジックを通して、プログラム制御と専用ロジックの相互作用を通して、又は手動的に実行される場合があり、特定の技術は、脈からより詳細に理解されるように、実現者により選択可能である。
【0050】
本実施の形態は、本発明の原理を例示するものである。従って、当業者であれば、本実施の形態で明示的に記載又は図示されていないが本発明を実施する様々な構成であって、本発明の精神及び範囲に含まれる様々な構成を創作できることを理解されるであろう。
【0051】
本実施の形態で示される全ての例及び条件付き言語は、当該技術分野を拡大するために本発明者により与えられる本発明及び概念を理解することにおいて読者を支援することが意図され、係る特定の示される例及び条件に限定されるものではないことを理解されたい。
【0052】
さらに、本発明の原理、態様及び実施の形態を示している全ての説明は、本発明の特定の例と同様に、本発明の構造的に等価な概念及び機能的に等価な概念の両者を包含することが意図される。さらに、係る等価な概念は、現在知られている既知の等価な概念と同様に将来に開発される等価な概念、すなわち構造に係らず、同じ機能を実行する開発された構成要素を含むことが意図される。
【0053】
従って、本実施の形態で提示されたブロック図は、本発明を実施する例示的な回路の概念図を表していることを当業者により理解されるであろう。同様に、任意のフローチャート、フローダイアグラム、状態遷移図、擬似コード等はコンピュータ読み取り可能な媒体で実質的に表現され、コンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているか否かに係らず、コンピュータ又はプロセッサにより実行される様々なプロセスを表すことを理解されたい。
【0054】
本発明の請求項では、特定の機能を実行する手段として表現される構成要素は、a)その機能を実行する回路素子の組み合わせ、b)その機能を実行するソフトウェアを実行する適切な回路と結合される、ファームウェア、マイクロコード等を含む任意の形式のソフトウェアを含む、その機能を実行する任意のやり方を包含することが意図される。係る請求項により定義される本発明は、様々な示される手段により提供される機能は結合され、請求項が求めるやり方で互いに纏められる事実にある。従って、それらの機能を提供する手段は本実施の形態で示される構成要素に等価であると見なされる。
【0055】
本発明の「1実施の形態」又は「実施の形態」に対する明細書における参照は、本発明の他の変形と同様に、本実施の形態と共に記載された特定の特徴、構造、特性等が本発明の少なくとも1つの実施の形態に含まれることを意味している。従って、明細書を通して様々な位置で登場する記載「1実施の形態では」又は「実施の形態では」の出現は、他の変形と同様に、必ずしも、同じ実施の形態を全て示すものではない。
【0056】
結論として、ロバストモードと高効率モードの両者でFECフレームヘッダを検出するFECフレームヘッダ検出の方法及び装置が提供される。本明細書で記載される原理の下で、両方法は、FECフレームヘッダがロバストモードで送出されたか又は高効率モードで送出されたかを判定するために使用される。また、軟相関を使用して、ロバストモードにおけるFECフレームヘッダ検出の方法及び装置が提供される。FECフレームヘッダ検出の統計的決定を生成する方法及び装置が提供される。
以下、上記の実施形態に関する付記を例示的に列挙する。
(付記1)
前方誤り訂正(FEC)フレームヘッダのデータを処理する方法であって、
受信された複素データのシンボルを復調するステップと、
復調された複素データのシンボルを使用して、推定された擬似雑音系列を計算するステップと、
前記推定された擬似雑音系列とReed-Mullerコードワードとの2値の相関を計算するステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記2値の相関と第一の閾値とを比較するステップと、
前記2値の相関が前記第一の閾値に等しいか又は前記第一の閾値よりも大きい場合に、前記復調された複素データのシンボルからの推定されたReed-Mullerコードワードを復号するステップと、
前記推定されたReed-Mullerコードワードに多数決論理の復号化を施すステップと、
前記推定されたReed-Mullerコードワードに関するReed-Mullerの対称性測定の値(Reed-Muller対称性尺度)を計算するステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記対称性測定の値を第二の閾値と比較するステップと、
前記対称性測定の結果が前記第二の閾値よりも大きいか又は前記第二の閾値に等しい場合に、多数決論理復号化を施してフレームヘッダデータを生成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
(付記2)
前記復調するステップは、直交位相シフトキーイングによるデマッパにより行われる、
付記1記載の方法。
(付記3)
前記復調するステップは、16直交振幅変調によるデマッパにより行われる、
付記1記載の方法。
(付記4)
前方誤り訂正(FEC)フレームヘッダのデータを処理する装置であって、
受信された複素データのシンボルをデマッパにより復調する復調器と、
復調された複素データのシンボルを使用して、推定された擬似雑音系列を計算するプロセッサと、
前記推定された擬似雑音系列とReed-Mullerコードワードとの2値の相関を計算する回路と、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記2値の相関を第一の閾値と比較する第一のコンパレータと、
前記2値の相関が前記第一の閾値に等しいか又は前記第一の閾値よりも大きい場合に、推定された32ビットのReed-Mullerコードワードを復号化するデコーダと、
前記推定された32ビットのReed-Mullerコードワードに多数決論理の復号化を施す回路と、
Reed-Mullerの対称性測定の値を計算する回路と、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきであるかを判定するため、前記対称性測定の値を第二の閾値と比較する第二のコンパレータと、
多数決論理復号化を施してフレームヘッダデータを生成する回路と、
を備えることを特徴とする装置。
(付記5)
前記復調器は、直交位相シフトキーイングによるデマッパを使用する、
付記4記載の装置。
(付記6)
前記復調器は、16直交振幅変調デマッパを使用する、
付記4記載の装置。
(付記7)
前方誤り訂正(FEC)フレームヘッダのデータを処理する方法であって、
直交位相シフトキーイング(QPSK)を使用して、受信された複素データのシンボルを復調するステップと、
QPSK復調された複素データのシンボルを使用して、第一の推定された擬似雑音系列を計算するステップと、
前記第一の推定された擬似雑音系列のReed-Mullerコードワードとの第一の2値の相関を計算するステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記第一の2値の相関を第一の閾値と比較するステップと、
前記第一の2値の相関が前記第一の閾値に等しいか又は前記第一の閾値よりも大きい場合、前記復調された複素データのシンボルから推定されたReed-Mullerコードワードを復号化するステップと、
前記第一の推定されたReed-Mullerコードワードに関して多数決論理の復号化を行うステップと、
前記推定されたReed-Mullerコードワードに関する第一のReed-Mullerの対称性測定の値を計算するステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記第一のReed-Mullerの対称性測定の値を第二の閾値と比較するステップと、
前記第一のReed-Mullerの対称性測定の値が前記第二の閾値よりも大きいか又は前記第二の閾値に等しい場合、フレームヘッダデータの第一のセットを生成するため、多数決論理の復号化を実行するステップと、
16直交振幅変調(QAM)を使用して前記受信された複素データのシンボルを復調するステップと、
QAM復調された複素データのシンボルを使用して、第二の推定された擬似雑音系列を計算するステップと、
前記第二の推定された擬似雑音系列のReed-Mullerコードワードとの第二の2値の相関を計算するステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記第二の2値の相関を第三の閾値と比較するステップと、
前記第二の2値の相関が前記第三の閾値に等しいか又は前記第三の閾値よりも大きい場合に、第二の推定されたReed-Mullerコードワードを復号化するステップと、
前記第二の推定されたReed-Mullerコードワードに多数決論理の復号化を施すステップと、
前記第二の推定されたReed-Mullerコードワードに関する第二のReed-Mullerの対称性の測定の値を計算するステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記第二の対称性測定の値を第四の閾値と比較するステップと、
前記第二のReed-Mullerの対称性測定の値が前記第四の閾値よりも大きいか又は前記第四の閾値に等しい場合に、フレームヘッダデータの第二のセットを生成するため、多数決論理の復号化を行うステップと、
次に受信された複素データのシンボルを復調することなしに、前記フレームヘッダデータの第一のセット又は前記フレームヘッダデータの第二のセットのうちのどちらが生成されたかに依存して、前記フレームヘッダデータの第一のセット又は前記フレームヘッダデータの第二のセットの何れかから前記FECヘッダを抽出するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
(付記8)
付記7の方法を実行する装置。
(付記9)
前方誤り訂正(FEC)フレームヘッダデータを処理する方法であって、
受信された複素データのシンボルを直交振幅変調によるデマッパにより復調するステップと、
軟相関を実行して擬似雑音系列を測定するステップと、
前記軟相関の出力をスケーリングするステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記スケーリングされた軟相関の出力と第一の閾値とを比較するステップと、
前記スケーリングされた軟相関の出力が前記第一の閾値に等しいか又は前記第一の閾値よりも大きい場合に、推定された32ビットのReed-Mullerコードワードを復号化するステップと、
前記推定された32ビットのReed-Mullerコードワードに関して多数決論理の復号化を実行するステップと、
前記推定された32ビットのReed-Mullerコードワードに関するReed-Mullerの対称性測定の値を計算するステップと、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記Reed-Mullerの対称性測定の値を第二の閾値と比較するステップと、
前記第二のReed-Mullerの対称性測定の値が前記第二の閾値よりも大きいか又は前記第二の閾値に等しい場合に、フレームヘッダデータを生成するために多数決論理の復号化を行うステップと、
を含むことを特徴とする方法。
(付記10)
前方誤り訂正(FEC)フレームヘッダデータを処理する装置であって、
受信された複素データのシンボルを直交振幅変調によるデマッパにより復調する復調器と、
軟相関を実行して擬似雑音系列を測定する回路と、
前記軟相関の出力をスケーリングする回路と、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記スケーリングされた軟相関の出力と第一の閾値とを比較する回路と、
前記スケーリングされた軟相関の出力が前記第一の閾値に等しいか又は前記第一の閾値よりも大きい場合に、推定された32ビットのReed-Mullerコードワードを復号化するデコーダと、
前記推定された32ビットのReed-Mullerコードワードに関して多数決論理の復号化を実行する回路と、
Reed-Mullerの対称性測定の値を計算する回路と、
次に受信された複素データのシンボルが復調されるべきかを判定するため、前記Reed-Mullerの対称性測定の値を第二の閾値と比較する回路と、
多数決論理の復号化を行い、フレームヘッダデータを生成する回路と、
を備えることを特徴とする装置。
(付記11)
前方誤り訂正(FEC)フレームヘッダデータの検出方法であって、
受信されたデータのシンボルの擬似雑音系列との第一のスケーリングされた相関を形成するステップと、
Reed-Mullerコードワードの前記受信されたデータシンボルのバージョンとの第二のスケーリングされた相関を形成するステップと、
前記第一のスケーリングされた相関と前記第二のスケーリングされた相関とを合計して、統計的決定を生成するステップと、
FECフレームヘッダが検出されたかを判定するために前記統計的決定を閾値と比較するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
(付記12)
前方誤り訂正(FEC)フレームヘッダデータを検出する装置であって、
受信されたデータのシンボルの擬似雑音系列との第一のスケーリングされた相関を形成する第一の回路と、
Reed-Mullerコードワードの前記受信されたデータシンボルのバージョンとの第二のスケーリングされた相関を形成する第二の回路と、
前記第一のスケーリングされた相関と前記第二のスケーリングされた相関とを合計して、統計的決定を生成する加算器と、
FECフレームヘッダが検出されたかを判定するために前記統計的決定を閾値と比較するコンパレータと、
を備えることを特徴とする装置。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10