(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
機械的な切換部品(MTF,TTF)又は真空遮断管(MSV,TTV)の複数の操作段階用の操作部品(24)が組み込まれた回転可能な切換軸(22)を備えた、タップ付変成器(16)の少なくとも二つの巻線タップ(12,14)の間を無中断で切り換えるタップ切換器(10)であって、
操作部品(24)には、それぞれ正面側又は周囲側に複数の輪郭、突起、カム(30)又はそれらと同等の形状を有する、切換軸(22)により回転可能な同心の円板カム(28)が組み込まれており、
切換軸(22)と同心に配置された、円板カム(28)の円環形状の留め具用の環状区画形状の複数の案内ジブ(36)とスリーブ形状の複数の分離部品(38)とから構成されるフリーホイール部品(34)が配備されており、そのため、切換軸(22)とその切換軸に軸支された円板カム(28)の回転動作が互いに切り離されて、この少なくとも一つの円板カム(28)によって作動される切換時点が、複数の操作段階において、切換軸(22)の回転方向と関係無く、それ以外の円板カム(28)又はそれ以外の操作部品(24)の回転動作に対して時間的に遅れるようになっている、
タップ切換器。
それぞれ少なくとも一つの真空遮断管(MSV;TTV)と少なくとも一つの機械的な切換部品(MTF;TTF,32)の直列回路で構成される少なくとも二つの平行な経路(18,20)を有する負荷分岐路が配備され、
少なくとも一つの経路(18,20)には、各真空遮断管(TTV)及び機械的な切換部品(TTF)と直列に配置された抵抗(R)が組み込まれており、
これらの少なくとも二つの巻線タップ(12,14)は、可変に相互接続可能であるか、負荷導体(LA)と繋ぐことが可能であるか、或いはその両方が可能であり、
これらの全部で少なくとも二つの真空遮断管(MSV,TTV)と少なくとも二つの機械的な切換部品(MTF,TTF)は、互いに所定の時間的なずれを持つ形で、それぞれ異なる切換方向に対して共通の形態で切り換えることが可能であり、
これらの機械的な切換部品の中の少なくとも一つ(TTF)の切換又は作動時点が、それ以外の切換部品(MTF)又は真空遮断管(MSV,TTV)に対して、切換方向と関係無く時間的に後に遅らされている、
請求項1から3までのいずれか一つに記載のタップ切換器。
当該の後に遅らされた切換又は作動時点が、別の機械的な切換部品(MTF)及び真空遮断管(MSV,TTV)のそれ以外の切換又は作動時点に対して所定の時間間隔を有する請求項4に記載のタップ切換器。
当該の時間的に後に遅らされた切換又は作動時点を有する機械的な切換部品(TTF)が、それ以外の全ての切換部品(MTF)及び真空遮断管(MSV,TTV)よりも後に切り換わる請求項4又は5に記載のタップ切換器。
スイッチオフ側及びスイッチオン側に、それぞれ定常電流を流す機械的な接点(MC)が追加配備されており、これらの接点の中のスイッチオフ側の接点は、それ以外の全ての切換部品(MSV,TTV,MTF,TTF)の前に開き、スイッチオン側の接点は、それ以外の全ての切換部品の後に閉じる請求項1から6までのいずれか一つに記載のタップ切換器。
【背景技術】
【0002】
特許文献1により、段階毎に全部で四つの真空遮断管を備えたタップ切換器が周知である。形成された二つの負荷分岐路の各々には、それぞれ主接点としての一つの真空遮断管と、それぞれ境界抵抗と直列接続された、抵抗接点としての一つの別の真空遮断管とが配備されている。
【0003】
それまでの巻線タップnを新しい事前選択された巻線タップn+1に無中断で負荷を切り換える場合、先ずはスイッチオフ側の主接点を開き、その後引き継ぐ側の抵抗接点を閉じており、その結果、境界抵抗によって限定される均等化電流が二つのタップnとn+1の間に流れる。スイッチオフ側のそれまで閉じられていた抵抗接点が開かれた後、引き継ぐ側の主接点が閉じられ、その結果、負荷電流全体が新しい巻線タップn+1から負荷導体に流れて、それで切換が終了している。
【0004】
そのような従来の機械式負荷切換接点に代わる周知のタップ切換器及びそれと同様の多数の周知の実施構成で使用されている真空遮断管は、一連の利点を有する。それらの接点自体が真空カプセル内に配置されているので、高い切換電力を実現できる。更に、カプセルに包まれ、密閉された接点によって、タップ切換器内の接点を取り巻く絶縁オイルが接点の焙焼又はアーク放電により煤けて、汚れることがないようにすることができる。更に、真空遮断管は、当面は非常にコンパクトな部品として入手可能であり、所要スペースが少なく、比較的小さい操作力しか必要としない。
【0005】
しかし、そのような電力変成器を制御するための真空遮断管を備えた周知のタップ切換器の様々な用途では、有利には、100kVまでの電圧と明らかにそれ以上の電圧のサージ電圧に対する強度が必要である。そのような望ましくないサージ電圧は、主にタップ付変成器と個々のタップ段の間の巻線部分の構成によって大きさが規定され、一方では網内への落雷によって発生する雷サージ電圧である。他方では、制御すべき網内の予期できない開閉サージによって引き起こされる開閉サージ電圧も発生する可能性が有る。タップ切換器のサージ電圧に対する強度が十分でない場合、負荷電流を流さない負荷分岐路内のセラミック又は減衰シールドと関連する真空遮断管に短時間のタップ短絡又は望ましくない絶縁破壊が起こる可能性が有り、それは、長期間の障害を発生させる可能性が有るだけでなく、一般的に望ましいことではない。
【0006】
特許文献2及び3により、負荷分岐路の間に加わる高いサージ電圧に打ち勝つために、保護ギャップ、電圧に応じた抵抗又はその両方を配備することが既に知られているが、それらの手段は、様々な場合において不十分であり、有害なサージ電圧の印加による作用を排除できないか、或いは完全には排除できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、a0強度とも呼ばれるサージ電圧に対する強度が高い、冒頭に述べた形式のタップ切換器を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この本発明の課題は、独立請求項に記載された特徴によって達成される。本発明の有利な改善構成の特徴は、従属請求項から明らかとなる。本発明の課題を達成するために、独立請求項1の特徴を有する、タップ付変成器の少なくとも二つの巻線タップ間を無中断で切り換えるタップ切換器を提案する。本タップ切換器では、少なくとも二つの平行な経路を有する負荷分岐路が配備されている。これらの経路の各々は、本発明と関連して、可変に設定可能な、或いは切換可能な切換接点と呼ぶこともできる、少なくとも一つの真空遮断管と少なくとも一つの機械的な切換部品から成る直列回路で構成することができる。
【0010】
これらの少なくとも二つの経路の中の一つには、各真空遮断管及び機械的な切換部品と直列に配置された抵抗を組み込むことができる。そのようにして、これらの少なくとも二つの巻線タップは、可変に相互接続するか、負荷導体と繋ぐか、或いはその両方を行なうことができる。本発明では、全部で少なくとも二つの真空遮断管と少なくとも二つの機械的な切換部品が、互いに所定の時間的なずれを持つ形で、それぞれ異なる方向に対して共通の形態で切り換えることが可能である。更に、これらの機械的な切換部品の中の少なくとも一つの切換又は作動時点は、それ以外の切換部品又は真空遮断管に対して、切換方向に関係無く時間的に後に遅らされており、そうすることによって、機械的な手段を用いて、簡単かつ確実で正確に再現可能な手法で所定の切換状態を実現することができる。
【0011】
本発明によるタップ切換器の有利な実施形態では、そのような後に遅らされた切換又は作動時点は、別の機械的な切換部品及び真空遮断管のそれ以外の切換又は作動時点に対して所定の時間間隔を有する。更に、時間的に後に遅らされた切換又は作動時点を有する機械的な切換部品は、それ以外の全ての切換部品及び真空遮断管よりも後に切り換わる。
【0012】
本発明によるタップ切換器は、機械的な切換部品又は真空遮断管の各操作段階用の操作部品が組み込まれた回転可能な切換軸を備えており、それら
の操作部品には、それぞれ正面側に輪郭を有する、
切換軸により回転可能な同心の円板カムが組み込まれている。これらの正面側の輪郭は、特に、切換部品及び/又は真空遮断管の操作に適した突起、カム又はそれらと同等の形状で構成することができる。更に、時間的に遅れて切り換えられる機械的な切換部品に対応する少なくとも一つの円板カムによって作動される切換時点は、その回転方向又は切換軸の回転方向と関係無く、それ以外の円板カム又はそれ以外の操作部品の回転動作に対して時間的に遅らされている。
【0013】
更に、追加の主定常接点をタップ切換器に配備するか、或いはタップ切換器と接続することができる。そのようなタップ切換器では、スイッチオフ側及び/又はスイッチオン側に、それぞれ定常電流を流す機械的な接点(MC)を更に配備することができる。そのような主定常接点スイッチの接点は、有利には、スイッチオフ側では、それ以外の全ての切換部品(MSV,TTV,MTF,TTF)の前に開く一方、スイッチオン側の接点は、それ以外の全ての切換部品の後に閉じる。
【0014】
このタップ切換器では、少なくとも一つの機械的な切換部品の各切換方向に対して遅れた切換又は作動は、少なくとも一つの切換手段及びそれに組み込まれた円板カムに対して、切換軸の回転方向毎に切換時点の位相をずらすためのフリーホイール部品を組み込むことによって実現することができる。そのようなフリーホイール部品は、特に、環状区画形状の、切換軸と同心に配置された、円板カムの留め具用の案内ジブと、回転可能な切換軸及び円板カムに筐体繋止部品で固定された、切換軸とそれに軸支された円板カムの回転動作を互いに切り離すためのスリーブ状の分離部品とで構成することができる。その分離部品は、簡単かつ効果的な手法で、切換軸が回転した場合に、例えば、タップ切換器の構成部品を配置した油浴の粘性作用によって、円板カムを制御されない形で一緒に回転させずに、専ら協働する留め具部品と案内ジブによって円板カムを回転させる役割を果たす。これらの協働する留め具部品及び案内ジブは、その寸法と配置構成によって、フリーホイールのヒステリシス、即ち、切換軸の各回転方向に対して、切換開始時点との正確に同じ大きさの時間間隔を有する切換遅延時間を規定する。
【0015】
本発明は、その時々の切換方向と関係無く、複数の負荷分岐路の中の一つの機械的な切換部品を後に遅らされて切り換えることによって、それぞれ所望のサージ電圧に対する強度又はa0強度を実現できるとの全般的な考えに基づいている。そのようにして、場合によっては起こるサージ電圧が、それぞれ負荷電流が流れない負荷分岐路内の真空遮断管に負荷をかけず、そのため、真空遮断管にとって無害なものとなる。
【0016】
以下において、下記の図面を用いて、実施例に基づき本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】操作部品が配置された切換軸とそれに接続された切換部品から成る、本発明によるフリーホイール部品を備えたタップ切換器の一つの実施形態の模式的な斜視図
【
図2】
図1によるタップ切換器の操作機構の細部の模式的な詳細図
【
図3】
図1によるタップ切換器を下から見た模式的な平面図
【
図4】
図1〜3の本発明によるタップ切換器の一つの実施例における、それぞれ異なる切換方向での切換サイクル間の切換フローを図解したフローチャート
【
図5a】第一の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態の切換図
【
図5b】第一の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態の切換図
【
図5c】第一の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態の切換図
【
図5d】第一の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態の切換図
【
図5e】第一の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態の切換図
【
図5f】第一の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態の切換図
【
図5g】第一の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態の切換図
【
図5h】第一の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態の切換図
【
図6a】第二の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態の切換図
【
図6b】第二の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態の切換図
【
図6c】第二の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態の切換図
【
図6d】第二の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態の切換図
【
図6e】第二の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態の切換図
【
図6f】第二の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態の切換図
【
図6g】第二の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態の切換図
【
図7】二つの主定常接点が更に追加されたタップ切換器の変化形態の更に別の切換図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に述べる実施例は、本発明を限定するものではなく、本発明によるタップ切換器の機能及び切換形態を説明する役割を果たすものと理解されたい。
【0019】
図1と2の模式的な斜視図は、操作部品24が配置された切換軸22とそれに接続された切換部品26を備えたタップ切換器10の実施例を図示している。更に、
図3の模式図は、
図1のタップ切換器10を下から見た平面図を図示している。以下で説明する
図4〜7に基づき明らかになる通り、二つの機械的な切換部品の中の一方TTFの後に遅らされた切換又は作動時点は、第一の機械的な切換部品MTFと二つの真空遮断管MSV及びTTVのそれ以外の切換又は作動時点に対して所定の時間間隔を有する。更に、この時間的に後に遅らされた切換又は作動時点を有する機械的な切換部品TTFは、切換方向、即ち、切換軸22の回転方向と関係無く、それ以外の全ての切換部品及び真空遮断管よりも後で切り換わる。
【0020】
本発明によるタップ切換器10の
図1〜3に図示された実施形態は、その軸の回りを両方向に回転可能な切換軸22を備えており、その切換軸には、機械的な切換部品26又は真空遮断管の各操作段階用の四つの平行に配置された円板形状の操作部品24が組み込まれており、これらの操作部品24は、それぞれ周囲側に輪郭又は突起30を備えた
、切換軸により回転可能な同心の円板カム28によって形成されている。そのような輪郭及び/又は突起は、任意選択により、円板カムの正面側に配置することもできる。これらの突起30は、切換ブロック27の外郭内を通過して回転することによって、切換ブロック27内の各切換部品26及び真空遮断管を作動させて、各機械的な切換部品及び/又は各真空遮断管を所定の切換行程だけ回転させる、或いは操作する。
図1、2及び3から分かる通り、配備された四つの円板カム28の各々は、その外周に、それぞれ複数の互いに均等な間隔を開けた突起又はカム30を備えることができ、その結果、タップ切換器10の一つの完全な切換サイクルに対して、切換軸22を360°完全に回転させる必要がなく、そのために、例えば、120°の回転だけでも十分となる。更に、円板カム28の突起又はカム30の外側の輪郭と円板カム28の中の少なくとも一つを軸支する特別な機構によって、時間的に遅れて切り換わる機械的な切換部品TTFに対応する少なくとも一つの円板カム28により作動される切換時点をその回転方向又は切換軸22の回転方向に関係無く、それ以外の円板カム28又はそれ以外の操作部品24の回転動作に対して時間的に遅らせることが可能となる。
【0021】
図示されたタップ切換器10では、
図1と3において符号32で表示された第二の機械的な切換部品TTFの各切換方向に対して遅らされた切換又は作動(
図5と6)は、当該の切換手段又は操作部品24とそれに組み込まれた円板カム28に対して、切換軸22の回転方向毎に切換時点の位相をずらすためのフ
リーホイール部品34を組み込むことによって実現されている。このフリーホイール部品34は、それに対応する円板カム28の円環形状の留め具用の切換軸22と同心に配置された環状区画形状の案内ジブ36と、筐体と固く繋止された半径方向のアーム40を用いて、回転可能な切換軸22とその上を動く円板カム28に固定された、切換軸22と切換軸に軸支された円板カム28の回転動作を互いに切り離すためのスリーブ形状の分離部品38とから構成されている。この分離部品38は、簡単かつ効果的な手法で、切換軸22が回転した場合に、例えば、タップ切換器10の構成部品を配置又は浸した油浴の粘性作用によって、円板カム28を制御されない形で一緒に回転させずに、専ら協働する留め具部品及び案内ジブ36によって円板カム22を回転させる役割を果たしている。これらの協働する留め具部品及び案内ジブ36は、その寸法と配置構成によって、フリーホイール34のヒステリシス、即ち、切換軸22の各回転方向に対して、切換開始時点との正確に同じ大きさの時間間隔を有する切換遅延時間を規定する。従って、
図1〜3によって、複数の負荷分岐路の中の一つ内の機械的な切換部品32又はTTFのそれぞれ後に遅らされた切換により、切換軸22のその時々の切換方向と関係無く、所望のサージ電圧に対する強度又はa0強度を保証するとの本発明の全般的な考えが具体的に明らかとなる。そのようにして、場合によっては起こるサージ電圧が、それぞれ負荷電流が流れない負荷分岐路内の真空遮断管に負荷をかけず、そのため、真空遮断管にとって無害なものとなる。
【0022】
図4の図面は、それぞれ異なる切換方向での切換サイクルの間における本発明によるタップ切換器10の実施例(
図1〜3参照)の切換フローを図解した、一つの例として定性的に理解すべきフローチャートを図示している。上側のチャートは、第一の切換方向における全部で四つの個別切換ユニットから成るタップ切換器の切換シーケンスを図解する一方、下側のチャートは、それと逆の切換方向における切換シーケンスを図示している。
図5の模式図(
図5a〜5h)は、第一の方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態を全部で九個の切換図で図示しており、それは、
図5aでは、切換方向n→n+1で表示されている。
【0023】
図5に基本切換図により図示されたタップ切換器10は、タップ付変成器16の二つの巻線タップ12と14の間を無中断で切り換える役割を果たす。タップ切換器10は、二つの平行な経路18と20を有する負荷分岐路を形成している。これらの経路18と20の各々は、それぞれ真空遮断管MSV,TTVと機械的な切換部品MTF,TTFから成る直列回路で構成され、本発明との関連では、可変に設定可能な、或いは切換可能な切換接点とも呼ぶことができる。第一の経路18は、直列に接続された第一の真空遮断管MSVと第一の機械的な切換部品MTFにより構成されている。第二の経路20は、第二の真空遮断管TTV、第二の機械的な切換部品TTF及び抵抗Rの直列回路により構成されている。二つの機械的な切換部品MTFとTTFの切換と二つの真空遮断管の開閉によって、タップ付変成器16の二つの巻線タップ12と14を可変に相互接続するか、負荷導体LAと繋ぐか、或いはその両方を行なうことができる。
【0024】
図4では、二つの真空遮断管MSV及びTTVと二つの機械的な切換部品MTF及びTTFは、それぞれ異なる切換方向(n→n+1又はn+1→n)に対して共通の形態で、互いに所定の時間的なずれを持つ形で切り換えることが可能である。
図4により容易に分かる通り、第二の機械的な切換部品TTFの切換又は作動時点は、第一の切換部品MTFと二つの真空遮断管MSV及びTTVに対して、切換方向に関係無く時間的に後に遅らされており、それによって、機械的な手段を用いて、簡単かつ確実で正確に再現可能な手法で所定の切換状態を実現できている。更に、時間的に後に遅らされた切換又は作動時点を有する第二の機械的な切換部品TTFは、それ以外の全ての切換部品及び真空遮断管よりも後で切り換わっている。
【0025】
図4のチャートは、時点0から始まる一つの完全な切換プロセスのフローを図示しており、上側が左から右への駆動方向(n→n+1)のフロー、即ち、定義可能な時点で終了するフロー(
図5参照)であり、下側が右から左への駆動方向(n+1→n)のフロー、即ち、下のスケールに対応する定義可能な時点で始まり、最も左の時点0で終了するフローである。
図5aには、切換開始時のタップ切換器10の切換位置が図示されている。この場合、第一の真空遮断管MSVが閉じられている一方、第二の真空遮断管TTVの切換接点が開かれている。第一の機械的な切換部品MTFは、タップ付変成器16の第一の巻線タップ12からの負荷電流I
L を第一の機械的な切換部品MTFと閉じられている真空遮断管MSVを介して負荷導体LAに流すことができる第一の切換位置に有る。
【0026】
短い時間後に、第二の真空遮断管TTVが閉じられて(
図5b参照)、その後第一の真空遮断管MSVが開かれる(
図5c参照)。そのような切換開始から短時間後の開放された状態が
図5dに図示されている。このような第一の真空遮断管MSVが開かれ、第二の真空遮断管TTVが閉じられたタップ切換器10の切換状態及び
図5a〜5gに図示された第二の機械的な切換部品TTFの第一の切換位置では、負荷電流I
L は、
図5dと5eに図示されている通り、タップ付変成器16の第一の巻線タップ12から、抵抗分岐路又はR分岐路とも呼ぶことができる第二の負荷分岐路又は第二の経路20を介して、負荷導体LAに流れる。
【0027】
更なる短い時間後に、第一の機械的な切換部品MTFが切り換えられ(
図5d、
図5e)、そのため、第一の真空遮断管MSVの閉鎖(
図5e、
図5f)とそれに続いて行なわれる第二の真空遮断管TTVの開放(
図5f、
図5g)が実施される。
図5gに図示されている通り、負荷電流I
L は、タップ付変成器16の第二の巻線タップ14から、それに対応して切り換えられた第一の機械的な切換部品MTFと閉じられた第一の真空遮断管MSVを介して、負荷導体LAに流れる。この図示された切換サイクルでは、最終的に、第二の機械的な切換部品TTFも、第二の巻線タップ14に切り換えられて(
図5g、
図5h)、それにより、切換サイクルは終了する。
【0028】
図5に図示された切換サイクル(
図4の上側のn→n+1)の個別切換プロセスの図面により、第二の機械的な切換部品TTFが前記の通り最終的に切り換わることは明らかである。本発明では、それと逆の切換方向でも同様に実施されるので、好適な事前対策を行なって、それ以外の構成要素MTF,MSV及びTTVが他方の逆向きのシーケンスで切り換えられた場合でも、第二の機械的な切換部品TTFも最終的に切り換えることができる。本発明では、
図1〜3により既に具体的に図解した通り、好適に構成できるフリーホイール部品を用いて、そのような遅延切換を保証している。
【0029】
図6の図面は、第二の切換方向におけるタップ切換器の異なる構成要素の一連の個別切換状態を複数の切換図で図示している。即ち、
図4の下側のチャートは、一つの逆の完全な切換プロセスの右から左への駆動方向(n+1→n)のフロー、即ち、下のスケールに対応する一つの時点から始まり、最も左の時点0で終了するフローを図示している。
図6aには、第一の時間空間内の切換開始時のタップ切換器10の切換位置が図示されている。この場合、第一の真空遮断管MSVは閉じられている一方、第二の真空遮断管TTVの切換接点は開かれている。第一の機械的な切換部品MTFは、タップ付変成器16の第二の巻線タップ14から第一の機械的な切換部品MTFと閉じられている第一の真空遮断管MSVを介して負荷導体LAに負荷電流I
L を流すことができる第二の切換位置に有る。同時に、それは、
図4の上側のチャートに対応する第一の切換サイクルが終了した、
図5hに対応する切換位置である。
【0030】
この場合、本発明は、第二の機械的な切換部品TTFを早い時点で切り換えずに、先ずは
図6a(及び
図6b〜6f)に図示された第二の切換位置に留めるものと規定し、それは、
図6に対応する逆の切換プロセス時において、
図1〜3に対応してフリーホイール部品を用いて行なわれている通り、第二の機械的な切換部品TTFの切換動作をそれ以外の切換部品又は真空遮断管の切換動作から少なくとも部分的に切り離すことだけで実現されている。
【0031】
定義可能な時点後に、第二の真空遮断管TTVが閉じられて(
図6a参照)、その後第一の真空遮断管MSVが開かれる(
図6b参照)。そのような第一の真空遮断管MSVの開放は、切換開始後の定義可能な時間空間内に行なわれて、それは、
図6b(開放)と
図6c(MSVの開放)に図示されている。そのような第一の真空遮断管MSVが開かれ、第二の真空遮断管TTVが閉じられたタップ切換器10の切換位置及び
図6a〜6fに図示された第二の機械的な切換部品TTFの第二の切換位置では、負荷電流I
L は、
図6cと6dに図示された通り、タップ付変成器16の第一の巻線タップ12から、抵抗分岐路又はR分岐路とも呼ぶことができる第二の負荷分岐路又は第二の経路20を介して、負荷導体LAに流れている。
【0032】
更なる短い時間後に、第一の機械的な切換部品MTFが切り換えられ(
図6c、
図6d)、それにより、第一の真空遮断管MSVの閉鎖(
図6d、
図6e)とそれに続いて行なわれる第二の真空遮断管TTVの開放(
図6e、
図6f)が実施される。従って、負荷電流I
L は、
図6fに図示された通り、再びタップ付変成器16の第一の巻線タップ12から、それに対応して切り換えられた第一の機械的な切換部品MTFと閉じられた第一の真空遮断管MSVを介して負荷導体LAに流れる。この図示された逆の切換サイクルでは、最終的に、第二の機械的な切換部品TTFが再び第一の巻線タップ12に切り換えられて(
図6f、
図6g)、それにより、切換サイクルが終了する。そのようにして、
図6に図示された切換サイクル(
図4の下側のn+1→n)の個別切換プロセスの図面から、第二の機械的な切換部品TTFが前記の通り最終的に切り換わることも明らかである。
【0033】
第二の機械的な切換部品TTFの図示された切換遅延は、本発明の全般的な考えの応用形態を構成し、タップ切換器の好適なフリーホイール部品を用いて、その時々の切換方向に関係無く、二つの負荷分岐路の中の一方における機械的な切換部品TTFをそれぞれ後に遅らせて切り換えることによって、所望のサージ電圧に対する強度又はa0強度が実現可能となっている。そのようにして、場合によっては起こるサージ電圧が、それぞれ負荷電流が流れない負荷分岐路内の真空遮断管MSV及びTTVに負荷をかけず、そのため、真空遮断管にとって無害なものとなっている。
【0034】
図7の図面は、別の切換図により、二つのスイッチ又は主定常接点MCを更に追加されたタップ切換器10の変化形態を図示している。このタップ切換器10の代替変化形態では、スイッチオフ側及びスイッチオン側にそれぞれ機械的な接点MCが追加配備されている。これらの主定常接点MC又は追加スイッチは、それぞれ定常電流を流す。更に、それらは、スイッチオフ側の接点MC2がそれ以外の全ての切換部品(MSV,TTV,MTF,TTF)の前に開き、スイッチオン側の接点MC1がそれ以外の全ての切換部品の後で閉じるように切り換えられる。