【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水への溶解性に優れる抗菌剤組成物を、安価に製造することができる。この抗菌剤組成物を用いることで、エタノールの使用を低減、又は回避することができるため、皮膚刺激の少ない水系の製品の提供が可能である。
【0010】
本発明の抗菌剤組成物の製造方法においては、水性媒体の存在下、(A)フェノール系抗菌剤と(B)ポリオールを110〜180℃で加熱処理する工程を含む。
本発明で用いられる(A)フェノール系抗菌剤としては、難水溶性のもの、例えば、水に対する25℃での溶解度が0.5g/L以下、更に0.3g/L以下、更に0.2g/L以下であるものが好ましく適用できる。ここで溶解度は、溶液1L中に溶解している溶質のグラム数を表し、単位は[g/L]である。
具体的には、トリクロサン、クロルチモール、カルバクロル、クロロフェン、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、クロロキシレノール、クロロクレゾール等のクロロフェノール系抗菌剤;O−フェニルフェノール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。なかでも、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノールが好ましく、イソプロピルメチルフェノールがより好ましい。フェノール系抗菌剤は、1種であっても、2種以上の混合物であってもよい。
【0011】
本発明で用いられる(B)ポリオールは、炭化水素の2以上の水素を水酸基で置換したアルコール類の総称であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール等のアルキレングリコール類;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等のグリセリン類等が挙げられる。なかでも、フェノール系抗菌剤の可溶化の点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリンが好ましく、更にプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリンが好ましい。ポリエチレングリコールの重量平均分子量は、200〜20,000のものが好ましい。
ポリオールは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0012】
本発明で用いられる水性媒体とは、水、及び有機溶媒の水溶液をいう。水としては、水道水、蒸留水、イオン交換水、精製水が例示される。有機溶媒としては、水と均一に混合するものであれば特に限定されない。有機溶媒としては炭素数4以下の一価アルコールが好ましく、プロパノール及びエタノールがより好ましく、化粧料に適用可能であるという観点よりエタノールが更に好ましい。
有機溶媒を使用すると(A)フェノール系抗菌剤の水に対する溶解度が高くなるが、皮膚への刺激の観点より使用量を少なくすることが望ましい。水溶液中の有機溶媒の濃度は、0〜60質量%(以下、単に「%」とする)が好ましく、0〜30%がより好ましく、0〜10%が更に好ましく、0〜1%が更に好ましく、実質的に0%、すなわち有機溶媒を含まないのが更に好ましい。
【0013】
(A)フェノール系抗菌剤は、(B)ポリオールを水性媒体に溶解したポリオール溶液へ分散させ、スラリーの状態で加熱処理に供しても良いし、(A)フェノール系抗菌剤を一旦(B)ポリオールに溶解したものを水性媒体と混合した後に加熱処理に供してもよい。
【0014】
加熱処理に供する際、水性媒体、(A)フェノール系抗菌剤、及び(B)ポリオールを含有する加熱処理原料を調製し、加熱処理を行う。
加熱処理原料中の(A)フェノール系抗菌剤の含有量は、その種類によって異なるが、通常、流動性の点から、0.5g/L以上、更に0.7g/L以上、更に1g/L以上、更に1.1g/L以上、更に1.2g/L以上、更に1.3g/L以上、更に1.4g/L以上が好ましく、また、100g/L以下、更に75g/L以下、更に50g/L以下、更に30g/L以下、更に20g/L以下、更に10g/L以下、更に9g/L以下が好ましい。また、0.5〜100g/Lが好ましく、0.7〜75g/Lがより好ましく、1〜50g/Lが更に好ましく、1.1〜30g/Lが更に好ましく、1.2〜20g/Lが更に好ましく、1.3〜10g/Lが更に好ましく、1.4〜9g/Lが更に好ましい。
【0015】
加熱処理原料中の(B)ポリオールの含有量は、その種類によって異なるが、通常、流動性の点から、1g/L以上、更に5g/L以上、更に10g/L以上、更に12g/L以上、更に15g/L以上、更に20g/L以上が好ましく、また、800g/L以下、更に700g/L以下、更に600g/L以下、更に300g/L以下、更に100g/L以下、更に50g/L以下が好ましい。また、1〜800g/Lが好ましく、5〜700g/Lがより好ましく、10〜600g/Lが更に好ましく、12〜300g/Lが更に好ましく、15〜100g/Lが更に好ましく、20〜50g/Lが更に好ましい。
【0016】
加熱処理原料中、成分(B)に対する成分(A)の質量比[(A)/(B)]は、冷却後に得られる抗菌剤組成物の溶解性の点から、0.001以上、更に0.003以上、更に0.005以上、更に0.01以上、更に0.02以上、更に0.025以上が好ましく、また、0.2以下、更に0.15以下、更に0.13以下、更に0.12以下、更に0.11以下、更に0.1以下が好ましい。また、0.001〜0.2が好ましく、0.003〜0.15が更に好ましく、0.005〜0.13が更に好ましく、0.01〜0.12が更に好ましく、0.02〜0.11が更に好ましく、0.025〜0.1が更に好ましい。
【0017】
本発明の製造方法においては、(A)フェノール系抗菌剤の抗菌活性を維持する観点より、界面活性剤の使用量は少なくすることが望ましい。加熱処理原料中の界面活性剤の含有量は、0〜1g/Lが好ましく、0〜0.5g/Lが更に好ましく、0〜0.1g/Lが更に好ましく、実質的に0g/L、すなわち界面活性剤を含まないのが更に好ましい。
【0018】
水性媒体の存在下、(A)フェノール系抗菌剤と(B)ポリオールを加熱処理する方法は、特に制限されず、公知の方法を適用できる。
加熱処理の温度は、(A)フェノール系抗菌剤の溶解性向上と熱安定性の点から、110〜180℃であるが、110〜170℃がより好ましく、120〜160℃が更に好ましく、120〜150℃が更に好ましい。加熱の手段は、例えば、水蒸気、電気が挙げられる。
【0019】
加熱処理時の圧力は、ゲージ圧力で0〜10MPaが好ましく、0.1〜8MPaがより好ましく、0.1〜6MPaが更に好ましく、0.2〜6MPaが更に好ましく、0.2〜4MPaが更に好ましく、0.25〜2MPaが更に好ましく、0.3〜1.5MPaが更に好ましく、0.3〜0.6MPaが更に好ましい。なお、ゲージ圧とは、大気圧を0MPaとした圧力である。また、水の飽和蒸気圧以上に設定するのが好ましい。加圧には、ガスを用いてもよく、用いられるガスとしては、例えば、不活性ガス、水蒸気、窒素ガス、ヘリウムガス等が挙げられる。加圧には、ガスを用いず、背圧弁により調整しても良い。
【0020】
加熱処理は、例えば、回分法、半回分法、流通法等いずれの方法によっても実施できる。なかでも、流通法は、加熱処理時間の制御が容易である点で好ましい。
加熱処理の時間は、(A)フェノール系抗菌剤の溶解性向上と熱安定性の点から、水性媒体が上記加熱処理の温度に達してから0.1〜30分が好ましく、更に0.2〜15分、更に0.5〜8分が好ましい。
流通法で行う場合、加熱処理の時間は、反応器の高温高圧部の体積を水性媒体の供給速度で割ることにより算出される平均滞留時間を用いる。
【0021】
流通法で行う場合の水性媒体の流速は、反応器の体積によって異なるが、例えば、反応器体積が500Lの場合、15〜5,000L/分が好ましく、更に30〜2,500L/分が好ましく、更に60L/分〜1,000L/分が好ましい。
【0022】
本発明の製造方法においては、加熱処理して得られた加熱処理液を、90℃以下、好ましくは50℃以下、更に好ましくは30℃以下に冷却する工程を含むことが好ましい。液状の抗菌剤組成物を得る場合には、0℃以上が好ましく、10℃以上が好ましい。
【0023】
加熱処理温度から90℃まで低下するのに要した時間から算出される加熱処理液の冷却速度は0.2℃/s以上、更に0.5℃/s以上、1℃/s以上、更に3℃/s以上、更に5℃/s以上が好ましい。冷却速度が大きいほどフェノール系抗菌剤の溶解度を向上することができる。このため、冷却速度の上限は特に定めないが、製造設備の制約等の観点から、例えば100℃/s以下、更に50℃/s以下が好ましい。
【0024】
更に、加熱処理液から、溶解せずに残留する固形物を除去する工程を行うのが、得られる抗菌剤組成物の溶解安定性の点から好ましい。固形物を除去する方法としては、特に制限されず、例えば遠心分離やデカンテーション、ろ過により行うことができる。
【0025】
かくして得られる抗菌剤組成物は、(A)フェノール系抗菌剤の含有量が高いにもかかわらず、室温下においてもフェノール系抗菌剤の析出が抑えられる。また、水への溶解性に優れている。
本発明の抗菌剤組成物における成分(A)の含有量は、物流や使用性の点から、好ましくは0.5g/L以上であり、更に1g/L以上、更に1.5g/L以上、更に2g/L以上が好ましい。
【0026】
本発明の抗菌剤組成物は、成分(A)の25℃における水への溶解量が、好ましくは0.5g/L以上であり、更に0.7g/L以上、更に1g/L以上、更に1.1g/L以上、更に1.2g/L以上、更に1.3g/L以上、更に1.4g/L以上、更に1.5g/L以上、更に2g/L以上が好ましく、また、100g/L以下、更に75g/L以下、更に50g/L以下、更に30g/L以下、更に20g/L以下、更に10g/L以下、更に9g/L以下が好ましい。また、0.5〜100g/Lが好ましく、0.7〜75g/Lがより好ましく、1〜50g/Lが更に好ましく、1.1〜30g/Lが更に好ましく、1.2〜20g/Lが更に好ましく、1.3〜10g/Lが更に好ましく、1.4〜9g/Lが更に好ましい。
【0027】
本発明の抗菌剤組成物の、(B)ポリオールに対する(A)フェノール系抗菌剤の質量比[(A)/(B)]は、抗菌剤組成物の安定性の点より、0.005以上、更に0.01以上、更に0.012以上、更に0.015以上、更に0.02以上、更に0.025以上、更に0.03以上が好ましく、また、0.2以下、更に0.18以下、更に0.15以下、更に0.12以下、更に0.1以下、更に0.09以下が好ましい。また、0.005〜0.2が好ましく、0.01〜0.2がより好ましく、0.012〜0.18がより好ましく、0.015〜0.15が更に好ましく、0.02〜0.12が更に好ましく、0.025〜0.1が更に好ましく、0.03〜0.09が更に好ましい。
【0028】
本発明の抗菌剤組成物中、有機溶媒の含有量は、皮膚への刺激の観点より、0〜60%であることが好ましく、0〜30%であることがより好ましく、0〜10%であることがより好ましく、0〜1%であることがより好ましい。
【0029】
本発明の抗菌剤組成物中、炭素数4以下の一価アルコールの含有量は、皮膚への刺激の観点より、0〜60%であることが好ましく、0〜30%であることがより好ましく、0〜10%であることがより好ましく、0〜1%であることがより好ましく、0〜0.1%であることがより好ましく、含まないことがより好ましい。
【0030】
本発明の抗菌剤組成物中、界面活性剤の含有量は、(A)フェノール系抗菌剤の抗菌活性を維持する観点より、0〜0.1%であることが好ましく、0〜0.5%であることがより好ましく、0〜0.01%であることがより好ましく、含まないことがより好ましい。
【0031】
本発明の抗菌剤組成物は、化粧料、医薬品、食品、日用品等の様々な製品に使用可能である。とりわけ、水系の製品に利用するのが有用である。化粧料又は医薬品としては、洗浄料、化粧水、メイクアップ用化粧料、日焼け止め用化粧料、ニキビ用化粧料、デオドラント用化粧料、シャンプー、歯磨剤、洗口剤、うがい薬等が挙げられる。
【0032】
本発明の抗菌剤組成物は、製品の用途に応じて水等で希釈して用いてもよい。希釈後の抗菌剤組成物の濃度は、殺菌効果の点から0.1〜3g/L、更に0.2〜2g/L、更に0.5〜1.5g/Lが好ましい。本発明の抗菌剤組成物は、通常のフェノール系抗菌剤の溶解度と比較して飛躍的にフェノール系抗菌剤の溶解濃度が増加しているにも関わらず、所望の濃度に希釈することが出来、その場合においてもフェノール系抗菌剤の析出が抑えられ安定性が高いことを特徴とする。
【0033】
本発明の態様及び好ましい実施態様を以下に示す。
【0034】
<1>水性媒体の存在下、(A)フェノール系抗菌剤と(B)ポリオールを110〜180℃で加熱処理する工程を含む抗菌剤組成物の製造方法。
【0035】
<2>(A)フェノール系抗菌剤が、25℃における水への溶解度が好ましくは0.5g/L以下の化合物、好ましくは0.3g/L以下の化合物、より好ましくは0.2g/L以下の化合物である<1>に記載の抗菌剤組成物の製造方法。
<3>(A)フェノール系抗菌剤が、好ましくはトリクロサン、クロルチモール、カルバクロル、クロロフェン、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、クロロキシレノール、クロロクレゾール、O−フェニルフェノール及びイソプロピルメチルフェノールから選択される1種又は2種以上であり、より好ましくはトリクロサン及びイソプロピルメチルフェノールから選択される1種又は2種以上であり、更に好ましくはイソプロピルメチルフェノールである<1>又は<2>に記載の抗菌剤組成物の製造方法。
<4>(B)ポリオールが、好ましくはアルキレングリコール類、ポリアルキレングリコール類及びグリセリン類から選択される1種又は2種以上であり、より好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン及びジグリセリンから選択される1種又は2種以上であり、更に好ましくはプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリンである<1>〜<3>のいずれかに記載の抗菌剤組成物の製造方法。
<5>加熱処理する工程において、(B)ポリオールに対する(A)フェノール系抗菌剤の質量比[(A)/(B)]が好ましくは0.001以上、より好ましくは0.003以上、更に好ましくは0.005以上、更に好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.025以上であり、また、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.15以下、更に好ましくは0.13以下、更に好ましくは0.12以下、更に好ましくは0.11以下、更に好ましくは0.1以下であり、また、好ましくは0.001〜0.2であり、より好ましくは0.003〜0.15であり、更に好ましくは0.005〜0.13であり、更に好ましくは0.01〜0.12であり、更に好ましくは0.02〜0.11であり、更に好ましくは0.025〜0.1である<1>〜<4>のいずれかに記載の抗菌剤組成物の製造方法。
<6>加熱処理する工程において、(A)フェノール系抗菌剤を、水性媒体、(A)フェノール系抗菌剤及び(B)ポリオールを含む加熱処理原料中に好ましくは0.5g/L以上、より好ましくは0.7g/L以上、更に好ましくは1g/L以上、更に好ましくは1.1g/L以上、更に好ましくは1.2g/L以上、更に好ましくは1.3g/L以上、更に好ましくは1.4g/L以上含み、また、好ましくは100g/L以下、より好ましくは75g/L以下、更に好ましくは50g/L以下、更に好ましくは30g/L以下、更に好ましくは20g/L以下、更に好ましくは10g/L以下、更に好ましくは9g/L以下含み、また、好ましくは0.5〜100g/L、好ましくは0.7〜75g/L、更に好ましくは1〜50g/L、更に好ましくは1.1〜30g/L、更に好ましくは1.2〜20g/L、更に好ましくは1.3〜10g/L、更に好ましくは1.4〜9g/L含む<1>〜<5>のいずれかに記載の抗菌剤組成物の製造方法。
<7>加熱処理する工程において、(B)ポリオールを、水性媒体、(A)フェノール系抗菌剤及び(B)ポリオールを含む加熱処理原料中に好ましくは1g/L以上、より好ましくは5g/L以上、更に好ましくは10g/L以上、更に好ましくは12g/L以上、更に好ましくは15g/L以上、更に好ましくは20g/L以上含み、また、好ましくは800g/L以下、より好ましくは700g/L以下、更に好ましくは600g/L以下、更に好ましくは300g/L以下、更に好ましくは100g/L以下、更に好ましくは50g/L以下含み、また、好ましくは1〜800g/L、好ましくは5〜700g/L、更に好ましくは10〜600g/L、更に好ましくは12〜300g/L、更に好ましくは15〜100g/L、更に好ましくは20〜50g/L含む<1>〜<6>のいずれかに記載の抗菌剤組成物の製造方法。
<8>水性媒体が、好ましくは水又は有機溶媒の水溶液であり、より好ましくは水又は炭素数4以下の一価アルコールの水溶液であり、より好ましくは水又はエタノールの水溶液であり、更に好ましくは水である<1>〜<7>のいずれかに記載の抗菌剤組成物の製造方法。
<9>有機溶媒の水溶液中の有機溶媒の濃度が、好ましくは0〜60質量%であり、好ましくは0〜30質量%であり、より好ましくは0〜10質量%であり、更に好ましくは0〜1質量%であり、更に好ましくは含まない<8>に記載の抗菌剤組成物の製造方法。
<10>加熱処理する工程において、界面活性剤を、水性媒体、(A)フェノール系抗菌剤及び(B)ポリオールを含む加熱処理原料中に好ましくは0〜1g/L、更に好ましくは0〜0.5g/L、更に好ましくは0〜0.1g/L含むか、更に好ましくは含まない<1>〜<9>のいずれかに記載の抗菌剤組成物の製造方法。
<11>加熱処理の温度が110〜180℃であり、好ましくは110〜170℃であり、より好ましくは120〜160℃であり、更に好ましくは120〜150℃である<1>〜<10>のいずれかに記載の抗菌剤組成物の製造方法。
<12>更に、加熱処理して得られた加熱処理液を冷却する工程を含む<1>〜<11>のいずれかに記載の抗菌剤組成物の製造方法。
<13>加熱処理液を冷却する工程において、加熱処理温度から90℃までの冷却速度が、好ましくは0.2℃/s以上、より好ましくは0.5℃/s以上、より好ましくは1℃/s以上、更に好ましくは3℃/s以上、更に好ましくは5℃/s以上であり、また、好ましくは100℃/s以下、より好ましくは50℃/s以下である<1>〜<12>のいずれかに記載の抗菌剤組成物の製造方法。
<14><1>〜<13>のいずれかに記載の製造方法により得られる、抗菌剤組成物。
<15>抗菌剤組成物中の(A)フェノール系抗菌剤の含有量が、好ましくは0.5g/L以上、より好ましくは1g/L以上、更に好ましくは1.5g/L以上、更に好ましくは2g/L以上である<14>に記載の抗菌剤組成物。
<16>(A)フェノール系抗菌剤の25℃における水への溶解量が、好ましくは0.5g/L以上、より好ましくは0.7g/L以上、更に好ましくは1g/L以上、更に好ましくは1.1g/L以上、更に好ましくは1.2g/L以上、更に好ましくは1.3g/L以上、更に好ましくは1.4g/L以上、更に好ましくは1.5g/L以上、更に好ましくは2g/L以上であり、また、好ましくは100g/L以下、より好ましくは75g/L以下、更に好ましくは50g/L以下、更に好ましくは30g/L以下、更に好ましくは20g/L以下、更に好ましくは10g/L以下、更に好ましくは9g/L以下であり、また、好ましくは0.5〜100g/L、より好ましくは0.7〜75g/L、更に好ましくは1〜50g/L、更に好ましくは1.1〜30g/L、更に好ましくは1.2〜20g/L、更に好ましくは1.3〜10g/L、更に好ましくは1.4〜9g/Lである<14>又は<15>に記載の抗菌剤組成物。
<17>(B)ポリオールに対する(A)フェノール系抗菌剤の質量比[(A)/(B)]が好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.012以上、更に好ましくは0.015以上、更に好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.025以上、更に好ましくは0.03以上であり、また、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.18以下、更に好ましくは0.15以下、更に好ましくは0.12以下、更に好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.09以下であり、また、好ましくは0.005〜0.2、より好ましくは0.01〜0.2、更に好ましくは0.012〜0.18、更に好ましくは0.015〜0.15、更に好ましくは0.02〜0.12、更に好ましくは0.025〜0.1、更に好ましくは0.03〜0.09である<14>〜<16>のいずれかに記載の抗菌剤組成物。
<18>抗菌剤組成物中の有機溶媒の含有量が、好ましくは0〜60質量%、より好ましくは0〜30質量%、更に好ましくは0〜10質量%、更に好ましくは0〜1質量%である<14>〜<17>のいずれかに記載の抗菌剤組成物。
<19>抗菌剤組成物中の炭素数4以下の一価アルコールの含有量が、好ましくは0〜60質量%、より好ましくは0〜30質量%、更に好ましくは0〜10質量%、更に好ましくは0〜1質量%であり、更に好ましくは0〜0.1%、更に好ましくは含まない<14>〜<18>のいずれかに記載の抗菌剤組成物。
<20>抗菌剤組成物中の界面活性剤の含有量が、好ましくは0〜0.1質量%、より好ましくは0〜0.5質量%、更に好ましくは0〜0.01質量%である<14>〜<19>のいずれかに記載の抗菌剤組成物。
<21><14>〜<20>のいずれかに記載の抗菌剤組成物を含有する化粧料。
<22><14>〜<20>のいずれかに記載の抗菌剤組成物を含有するデオドラント用化粧料。
<23><14>〜<20>のいずれかに記載の抗菌剤組成物を含有するニキビ用化粧料。
<24><14>〜<20>のいずれかに記載の抗菌剤組成物を含有する洗浄料。