(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩、又はその水和物若しくは医薬として許容し得る溶媒和物。
25℃で相対湿度5%から95%までの湿度の増加に応答して、1%以下の質量増加を有するか、又は25℃で相対湿度95%から5%までの湿度の減少に応答して、1%以下の質量減少を有する、請求項10記載の臭化水素酸塩。
25℃で相対湿度5%から95%までの湿度の増加に応答して、1%以下の質量増加を有するか、又は25℃で相対湿度95%から5%までの湿度の減少に応答して、1%以下の質量減少を有する、請求項24記載の臭化水素酸塩。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(詳細な説明)
本明細書中に示される開示の理解を助けるために、いくつかの用語を以下に定義する。
【0024】
一般に、本明細書中で使用される命名法、並びに有機化学、薬品化学、物理化学、生化学、生物学、薬理学、及び本明細書中に記載される他のものにおける検査法は、当技術分野で周知かつ通常用いられるものである。別途定義がない限り、本明細書中で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、概して本開示の属する分野の当業者に通常理解されるものと同じ意味を有する。
【0025】
用語「腫瘍」、「新生物」及び「腫瘍性障害又は疾患」は、本明細書において互換的に使用され、かつ多細胞生物に害(すなわち、不快感又は平均余命の減少)をもたらす、多細胞生物の1以上の細胞サブセットの不要な細胞増殖を指すことを意図する。特定の実施態様において、腫瘍は、良性(非浸潤性)又は悪性(浸潤性)であり得る。
【0026】
用語「癌」は、細胞がそうでなければ細胞成長速度を支配したであろう正常なその調節制御を失った場合の、無制御な細胞増殖によって特徴付けられる悪性新生物を指すことを意図する。これら無制御な分裂細胞は、身体中に広がり、かつ「転移」と呼ばれるプロセスで正常組織に浸潤することができる。
【0027】
用語「対象」とは、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット又はマウスを含むが、これらに限定されない動物を指す。用語「対象」及び「患者」は、本明細書中において、例えば、ヒト対象などの哺乳動物対象、一実施態様において、ヒトに関して互換的に使用される。
【0028】
用語「治療する」、「治療すること」及び「治療」とは、障害、疾患若しくは状態、又は該障害、疾患若しくは状態に関連する1以上の症状を軽減すること又は抑止すること;あるいは、該障害、疾患若しくは状態それ自体の原因を軽減すること又は抑止することを含むことを意図する。
【0029】
用語「予防する」、「予防すること」及び「予防」とは、障害、疾患若しくは状態、及び/又はその付随する症状の発症を遅延させること、及び/又は防止すること;対象が障害、疾患若しくは状態にかかるのを防止すること;あるいは、対象の障害、疾患若しくは状態にかかるリスクを低減させることの方法を含むことを意図する。
【0030】
用語「接触すること」及び「接触する」とは、治療薬と細胞若しくは組織をくっつけて、このような接触の結果として、生理学的及び/又は化学的効果が生じるようにすることを指すことを意図する。接触することは、インビトロ、エクスビボ、又はインビボで行うことができる。一実施態様において、治療薬を細胞培養(インビトロ)において細胞と接触させて、細胞における治療薬の効果を決定する。別の実施態様において、治療薬と細胞又は組織との接触とは、接触される細胞又は組織を有する対象への治療薬の投与を含む。
【0031】
用語「治療有効量」とは、治療される障害、疾患若しくは状態の1以上の症状の発症を予防する、又はある程度軽減するのに十分である化合物の量を含むことを意図する。また、用語「治療有効量」とは、研究者、獣医、医師又は臨床医によって調査される生体分子(例えば、タンパク質、酵素、RNA若しくはDNA)、細胞、組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的反応を誘発するのに十分である化合物の量を指す。
【0032】
用語「医薬として許容し得る担体」、「医薬として許容し得る賦形剤」、「生理学的に許容し得る担体」又は「生理学的に許容し得る賦形剤」とは、医薬として許容し得る材料、組成物又はビヒクル、例えば、液体若しくは固形充填物、希釈剤、溶媒又は封入材料を指す。一実施態様において、各構成成分は、医薬製剤の他の成分と適合し、かつ過度の毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、又は他の問題若しくは合併症なく、妥当な利益/危険比でヒト及び動物の組織又は器官との接触に使用するのに適するという意味で「医薬として許容し得る」。Remingtonの文献:「薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」、第21版、Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia, PA, 2005;「医薬賦形剤のハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Excipients)」、第6版;Roweら編集;The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2009;「医薬添加剤のハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Additives)、第3版;Ash及びAsh編集;Gower Publishing Company:2007;及び「医薬の予備処方と処方(Pharmaceutical Preformulation and Formulation)」、第2版;Gibson編集;CRC Press LLC:Boca Raton, FL, 2009を参照されたい。
【0033】
用語「約」又は「およそ」とは、当業者によって決定される特定の値の許容し得る誤差を意味し、これは、該値がどのように測定されるか、又は決定されるかに一部依存する。特定の実施態様において、用語「約」又は「およそ」とは、1、2、3又は4標準偏差以内を意味する。特定の実施態様において、用語「約」又は「およそ」とは、所定の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%又は0.05%以内を意味する。
【0034】
用語「有効成分」及び「活性物質」とは、状態、障害又は疾患の1以上の症状を治療し、予防し、又は寛解させるために、単独で又は1以上の医薬として許容し得る賦形剤と組合せて対象に投与される化合物を指す。本明細書中では、「有効成分」及び「活性物質」は、本明細書中に記載の化合物の光学的に活性な異性体であり得る。
【0035】
用語「薬剤」、「治療薬」及び「化学療法剤」とは、状態、障害又は疾患の1以上の症状を治療し、予防し、又は寛解させるために、対象に投与される化合物又はその医薬組成物を指す。
【0036】
用語「溶媒和物」とは、例えば、本明細書中に提供される化合物の1以上の分子などの溶質と、化学量論的量で又は非化学量論的量で存在している溶媒の1以上の分子とによって形成される錯体又は集合体を指す。適当な溶媒は、限定はされないが、水、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、及び酢酸を含む。特定の実施態様において、溶媒は、医薬として許容し得るものである。一実施態様において、該錯体又は集合体は、結晶形態である。別の実施態様において、該錯体又は集合体は、非晶質形態である。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。水和物の例には、限定はされないが、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物及び五水和物を含む。
【0037】
生体物質、例えば、核酸分子、ポリペプチド、宿主細胞などに関連して使用される場合の用語「天然に存在する」又は「天然の」とは、自然に見出され、かつ人によって操作されていない物質を指す。同様に、「非天然に存在する」又は「非天然の」とは、自然には見出されない物質か、又は人により構造的に改変された若しくは合成された物質を指す。
【0038】
用語「JAK」又は「ジャストアナザーキナーゼ(Just Another Kinase)」とは、ヤヌスキナーゼ又はその変異体を指し、限定はされないが、ヤヌスキナーゼ1(JAK1)、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)、ヤヌスキナーゼ3(JAK3)、及びチロシンキナーゼ2(TYK2)を含む。JAK変異体は、天然のJAKと実質的に類似するタンパク質、すなわち、天然のJAKのアミノ酸配列と比較すると1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、JAK誘導体、ホモログ及び断片)を含む。JAK変異体のアミノ酸配列は、天然のJAKと少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0039】
用語「JAK仲介性の状態、障害又は疾患」及び「JAKによって仲介される状態、障害又は疾患」とは、異常又は調節不全、例えば、正常よりも高いJAK活性により特徴付けられる状態、障害又は疾患を指す。異常なJAK機能活性は、細胞におけるJAK過剰発現、通常JAKを発現しない細胞におけるJAKの発現、又は例えば、JAKの突然変異によって引き起こされる構造的活性化による調節不全の結果として生じ得る。JAK仲介性状態、障害又は疾患は、不適切なJAK活性により完全に又は部分的に仲介されてもよい。特にJAK仲介性状態、障害又は疾患は、JAK活性の調節が、基礎にある状態、障害又は疾患に幾分の効果をもたらすものであり、例えば、JAK阻害剤が少なくとも治療を受けている患者の何人かにおいて幾分の改善をもたらすものである。
【0040】
(ピラゾリルアミノキナゾリンの臭化水素酸塩)
同じ医薬化合物の異なる固体形態は、異なる物理特性及び化学特性を有し得、これらが医薬化合物の処理能力、安定性及び/又はバイオアベイラビリティに影響を与え得るということを考慮すると、固体形態の医薬化合物の選択は複雑である。可能性ある医薬固体形態は、非晶質及び結晶質固体形態を含む。非晶質固体形態は、長距離構造秩序の欠如を特徴とするのに対し、結晶質固体形態は、構造的周期性を特徴とする。非晶質固体形態は、その増大された溶解プロファイルのために選択されることがあり、一方、結晶性固体は、物理的及び/又は化学的安定性のため選択されることがある(Vippaguntaらの文献、Adv. Drug. Deliv. Rev. 2001, 48, 3-26;Yuの文献、Adv. Drug. Deliv. Rev. 2001, 48, 27-42)。
【0041】
非晶質であろうと結晶質であろうと、医薬化合物の可能性ある固体形態には、単一構成成分(single-component)固体及び複数構成成分(multiple-component)固体を含む。単一構成成分固体は、他の化合物非存在下での医薬化合物からなる。単一構成成分の結晶性物質間の多様性は、潜在的に、特定の医薬化合物に多数の三次元的配列が存在する多形という現象により生じ得る(Byrnらの文献、「薬剤の固体化学(Solid State Chemistry of Drugs)」SSCI, West Lafayette, 1999)。医薬開発及び創薬における多形の重要性は、軟ゼラチンカプセル剤として製剤されたHIVプロテアーゼ阻害剤であるリトナビルの開発によって強調された。該製品が発売されて約2年後、該製剤の難溶性の新規多形の不測の沈殿により、該製品は、より安定した製剤が開発できるまで市場からの撤退を余儀なくされた(Chemburkarらの文献、Org. Process Res. Dev. 2000, 4, 413-417)。
【0042】
医薬化合物の可能性ある固体形態間の更なる多様性は、複数構成成分固体の可能性から生じ得る。医薬化合物の複数構成成分固体の例は、限定はされないが、医薬化合物の医薬として許容し得る塩の固体;並びに該医薬化合物の医薬として許容し得る溶媒和物、水和物、共結晶及び包接化合物、並びにその医薬として許容し得る塩の固体を含む。更に複数構成成分結晶形態は、多形の影響も受けやすい場合があり、ここで所与の複数構成成分組成物は、2以上の三次元的結晶配列で存在し得る。所与の医薬化合物の固体形態の発見は、安全、有効、安定、及び市場性ある医薬化合物の開発において重要である。
【0043】
一実施態様において、式Iの構造を有する(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩が、本明細書中に提供される。
【化1】
【0044】
式Iの化合物は、JAKキナーゼ阻害剤として同定されており、2010年2月26日に出願され、2010年12月16日にUS2010/0317659として公開された米国出願番号第12/714,323号に従って製造することができる(その開示は、参照によりその全体を本明細書中に組込まれている。)。
【0045】
一実施態様において、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩、又はその水和物若しくは医薬として許容し得る溶媒和物が、本明細書中に提供される。本明細書中では、用語「臭化水素酸塩(hydrobromide salt)」は、用語「臭化水素酸塩(hydrobromic acid salt)」と互換的に使用される。
【0046】
一実施態様において、該臭化水素酸塩は、溶媒和されていない。別の実施態様において、該臭化水素酸塩は、溶媒和されている。一実施態様において、溶媒はトルエンである。
【0047】
特定の実施態様において、その水和物及び医薬として許容し得る溶媒和物を含む本明細書中に提供される塩における(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸に対するモル比は、約0.5〜約3、約0.5〜約2、約0.8〜約1.2、約0.9〜約1.1、又は約0.95〜約1.05の範囲である。特定の実施態様において、その水和物及び医薬として許容し得る溶媒和物を含む本明細書中に提供される塩における(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸に対するモル比は、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約0.95、約1、約1.05、約1.1、約1.2、約1.4、約1.5、約1.6、約1.8、約2、約2.2、約2.4、約2.6、約2.8、又は約3である。特定の実施態様において、その水和物及び医薬として許容し得る溶媒和物を含む本明細書中に提供される塩における(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸に対するモル比は、約1である。
【0048】
一実施態様において、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩、又はその水和物若しくは医薬として許容し得る溶媒和物は、約1モル当量の(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノール、及び約1モル当量の臭化水素酸を含む。
【0049】
特定の実施態様において、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩、又はその水和物若しくは医薬として許容し得る溶媒和物は、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.2%、少なくとも約99.4%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、又は少なくとも約99.9%の純度を有する。特定の実施態様において、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩、又はその水和物若しくは医薬として許容し得る溶媒和物は、約95%〜99.9%、約96%〜99.9%、約97%〜99.9%、約98%〜99.9%、約98.5%〜99.9%、約99%〜99.9%、約99.2%〜99.9%、約99.4%〜99.9%、約99.5%〜99.9%、約99.6%〜99.9%、約99.7%〜99.9%、約99.8%〜99.9%、又は約99.9%の純度を有する。特定の実施態様において、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩、又はその水和物若しくは医薬として許容し得る溶媒和物は、約95%、約96%、約97%、約98%、約98.5%、約99%、約99.2%、約99.4%、約99.5%、約99.6%、約99.7%、約99.8%、又は約99.9%の純度を有する。
【0050】
一実施態様において、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩、又はその水和物若しくは医薬として許容し得る溶媒和物は、非晶質形態である。別の実施態様において、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩、又はその水和物若しくは医薬として許容し得る溶媒和物は、結晶形態である。
【0051】
(A.形態A)
一実施態様において、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩は、結晶形態Aである。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、実質的に
図1に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、およそ7.5、10.8及び14.8°から選択される2θ角に1以上の特徴的なXRP回折ピークを有する。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、およそ7.5、10.8及び14.8°の2θ角に特徴的なXRP回折ピークを有する。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、およそ7.5、9.3、10.8、11.3、13.3、14.0、14.6、14.8、15.9、18.1、22.1、22.7、26.4又は29.3°の2θ角に特徴的なXRP回折ピークを有する。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、およそ7.5、9.3、10.8、11.3、13.3、14.0、14.6、14.8、15.9、18.1、22.1、22.7、26.4及び29.3°の2θ角に特徴的なXRP回折ピークを有する。
【0052】
特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、約274℃のピーク温度の吸熱を有する。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、熱重量分析サーモグラムにおいて、約25℃〜約114℃間で、約1%以下、約0.9%以下、約0.8%以下、約0.7%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、又は約0.1%以下の重量減少を示す。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、熱重量分析サーモグラムにおいて、約25℃〜約114℃間で、約0.4%の重量減少を示す。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、熱重量分析サーモグラムにおいて、約142℃〜約218℃間で、約1%以下、約0.9%以下、約0.8%以下、約0.7%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、又は約0.1%以下の重量減少を示す。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、熱重量分析サーモグラムにおいて、約142℃〜約218℃間で約0.3%の重量減少を示す。
【0053】
特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、非吸湿性であり、例えば、相対湿度(RH)約0%から約80%までの湿度の増加を受けた場合に、約2%未満の質量増加を示す。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、約5%RHで平衡時に、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、又は約0.1%以下の重量減少を示す。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、約5%RHで平衡時に、約0.3%の重量減少を示す。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、25℃で相対湿度約5%から約95%までの湿度増加に応答して、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、約1%以下、約0.8%以下、約0.6%以下、約0.4%以下、約0.2%以下、又は約0.1%以下の重量増加を示す。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、25℃で相対湿度約5%から約95%までの湿度増加に応答して、約1%の重量増加を示す。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、25℃で相対湿度約95%から約5%までの湿度低下に応答して、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、約1%以下、約0.8%以下、約0.6%以下、約0.4%以下、約0.2%以下、約0.1%以下の重量減少を示す。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、25℃で相対湿度約95%から約5%までの湿度低下に応答して、約1%の重量減少を示す。
【0054】
特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、該臭化水素酸塩を含む製剤(drug product)の合成、処理及び/又は製造に望ましい特徴を示す。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、製剤の処理及び製造のための重要な特徴である有利な安定性プロファイルを有する。特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、圧縮時に安定である。
【0055】
特定の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、実質的に純粋である。特定の実施態様において、該実質的な形態Aの臭化水素酸塩は、他の固体形態、例えば、非晶質及び結晶形態B、C、D、E又はFを実質的に含まない。特定の実施態様において、該実質的な形態Aの臭化水素酸塩の純度は、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約98.5%以上、約99%以上、約99.5%以上、又は約99.8%以上である。特定の実施態様において、該実質的な形態Aの臭化水素酸塩の純度は、約95%〜99.8%、約96%〜99.8%、約97%〜99.8%、約98%〜99.8%、約98.5%〜99.8%、約99%〜99.8%、約99.5%〜99.8%、又は約99.8%である。特定の実施態様において、該実質的な形態Aの臭化水素酸塩の純度は、約95%、約96%、約97%、約98%以上、約98.5%、約99%、約99.5%、又は約99.8%である。
【0056】
一実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、近似の単位胞ディメンジョン:a=8.6Å、b=9.8Å、c=12.6Å、α=77°、β=73°及びγ=84°を有する。別の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、近似の単位胞ディメンジョン:a=8.55Å、b=9.75Å、c=12.61Å、α=77.3°、β=72.7°及びγ=84.0°を有する。更に別の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、近似の単位胞ディメンジョン:a=8.554Å、b=9.753Å、c=12.610Å、α=77.32°、β=72.71°及びγ=83.96°を有する。更に別の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、P
1の空間群の単位胞を有する。更に別の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、P
-1の空間群の単位胞を有する。更に別の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、約979Å
3/セルの容積を有する。更に別の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、約490Å
3/式単位(formula unit)のV/Z値を有する。更に別の実施態様において、該形態Aの臭化水素酸塩は、約1.46g/cm
3の密度を有する。
【0057】
(B.形態B)
別の実施態様において、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩は、結晶形態Bである。特定の実施態様において、該形態Bの臭化水素酸塩は、およそ4.9、6.7及び18.6°から選択される2θ角に1以上の特徴的なXRP回折ピークを有する。特定の実施態様において、該形態Bの臭化水素酸塩は、およそ4.9、6.7及び18.6°の2θ角に特徴的なXRP回折ピークを有する。
【0058】
(C.形態C)
更に別の実施態様において、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩は、結晶形態Cである。
【0059】
特定の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、実質的に
図2に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。特定の実施態様において、該形態Bの臭化水素酸塩は、およそ6.6及び18.4°から選択される2θ角に1以上の特徴的なXRP回折ピークを有する。特定の実施態様において、該形態Bの臭化水素酸塩は、およそ6.6及び18.4°の2θ角に特徴的なXRP回折ピークを有する。特定の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、およそ6.6、11.9、13.5、15.2、15.4、17.5、17.7、18.2、18.4、19.3、19.8、20.0、20.3、22.3、24.6、25.5、27.0、27.3又は27.8°の2θ角に特徴的なXRP回折ピークを有する。特定の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、およそ6.6、11.9、13.5、15.2、15.4、17.5、17.7、18.2、18.4、19.3、19.8、20.0、20.3、22.3、24.6、25.5、27.0、27.3及び27.8°の2θ角に特徴的なXRP回折ピークを有する。
【0060】
特定の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、約222℃のピーク温度の吸熱を有する。特定の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、約273℃のピーク温度の吸熱を有する。特定の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、熱重量分析サーモグラムにおいて、約132℃〜約253℃間で、約20%以下、約18%以下、約16%以下、約14%以下、約12%以下、約10%以下、約8%以下、約6%以下、約4%以下、又は約2%以下の重量減少を示す。特定の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、熱重量分析サーモグラムにおいて、約132℃〜約253℃間で、約10%の重量減少を示す。
【0061】
特定の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、該臭化水素酸塩を含む製剤の合成、処理及び/又は製造に望ましい特徴を示す。特定の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、製剤の処理及び製造のための重要な特徴である有利な安定性プロファイルを有する。特定の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、圧縮時に安定である。
【0062】
特定の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、実質的に純粋である。特定の実施態様において、該実質的な形態Aの臭化水素酸塩は、他の固体形態、例えば、非晶質及び結晶形態A、B、D、E又はFを実質的に含まない。特定の実施態様において、該実質的な形態Cの臭化水素酸塩の純度は、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約98.5%以上、約99%以上、約99.5%以上、又は約99.8%以上である。特定の実施態様において、該実質的な形態Cの臭化水素酸塩の純度は、約95%〜99.8%、約96%〜99.8%、約97%〜99.8%、約98%〜99.8%、約98.5%〜99.8%、約99%〜99.8%、約99.5%〜99.8%、又は約99.8%である。特定の実施態様において、該実質的な形態Cの臭化水素酸塩の純度は、約95%、約96%、約97%、約98%以上、約98.5%、約99%、約99.5%、又は約99.8%である。
【0063】
一実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、近似の単位胞ディメンジョン:a=8.6Å、b=9.8Å、c=14.1Å、α=107°、β=92°及びγ=99°を有する。別の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、近似の単位胞ディメンジョン:a=8.60Å、b=9.77Å、c=14.12Å、α=107.4°、β=91.6°及びγ=99.0°を有する。更に別の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、近似の単位胞ディメンジョン:a=8.602Å、b=9.767Å、c=14.118Å、α=107.44°、β=91.55°及びγ=98.96°を有する。更に別の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、P
1の空間群の単位胞を有する。更に別の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、P
-1の空間群の単位胞を有する。更に別の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、約1114Å
3/セルの容積を有する。更に別の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、約557Å
3/式単位のV/Z値を有する。更に別の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、約1.282g/cm
3の密度を有する。
【0064】
特定の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩の溶媒和物である。特定の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、1モルの(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールあたり、約0.4モルのトルエンを含む。特定の実施態様において、該形態Cの臭化水素酸塩は、
1HNMRスペクトルにおいて約2.31、7.18及び7.25ppmにピークを有する。
【0065】
(D.形態D)
更に別の実施態様において、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩は、結晶形態Dである。特定の実施態様において、該形態Dの臭化水素酸塩は、およそ7.4、10.8及び14.8°から選択される2θ角に1以上の特徴的なXRP回折ピークを有する。
【0066】
(E.形態E)
更に別の実施態様において、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩は、結晶形態Eである。
【0067】
特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、実質的に
図3に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、およそ6.4、8.0、11.7及び19.5°から選択される2θ角に1以上の特徴的なXRP回折ピークを有する。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、およそ6.4、8.0、11.7及び19.5°の2θ角に特徴的なXRP回折ピークを有する。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、およそ6.4、8.0、11.7、13.7、13.8、15.7、16.0、19.5、20.5、21.7、24.8、25.0、25.7、27.1、28.3又は29.2°の2θ角に特徴的なXRP回折ピークを有する。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、およそ6.4、8.0、11.7、13.7、13.8、15.7、16.0、19.5、20.5、21.7、24.8、25.0、25.7、27.1、28.3及び29.2°の2θ角に特徴的なXRP回折ピークを有する。
【0068】
特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、約2、約76、約174、又は約201℃のピーク温度の吸熱を有する。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、約186℃のピーク温度の発熱を有する。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、熱重量分析サーモグラムにおいて、約26℃〜約81℃間で、約20%以下、約18%以下、約16%以下、約14%以下、約12%以下、約10%以下、約8%以下、約6%以下、約4%以下、又は約2%以下の重量減少を示す。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、熱重量分析サーモグラムにおいて、約26℃〜約81℃間で、約12%の重量減少を示す。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、熱重量分析サーモグラムにおいて、約100℃〜約182℃間で、約10%以下、約8%以下、約6%以下、約4%以下、約2%以下、約1%以下、約0.8%以下、約0.6%以下、約0.4%以下、又は約0.2%以下の重量減少を示す。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、熱重量分析サーモグラムにおいて、約100℃〜約182℃間で、約2%の重量減少を示す。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、該臭化水素酸塩を含む製剤の合成、処理及び/又は製造に望ましい特徴を示す。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、製剤の処理及び製造のための重要な特徴である有利な安定性プロファイルを有する。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、圧縮時に安定である。
【0069】
特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、非吸湿性であり、例えば、相対湿度(RH)約0%から約80%までの湿度の増加を受けた場合に、約2%未満の質量増加を示す。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、25℃で相対湿度約5%から約95%までの湿度増加に応答して、約1%以下、約0.8%以下、約0.6%以下、約0.4%以下、約0.2%以下、又は約0.1%以下の重量増加を示す。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、25℃で相対湿度約5%から約95%までの湿度増加に応答して、約0.6%の重量増加を示す。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、25℃で相対湿度約95%から約5%までの湿度低下に応答して、約1%以下、約0.8%以下、約0.6%以下、約0.4%以下、約0.2%以下、又は約0.1%以下の重量減少を示す。特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、25℃で相対湿度約95%から約5%までの湿度低下に応答して、約0.6%の重量減少を示す。
【0070】
特定の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、実質的に純粋である。特定の実施態様において、該実質的な形態Eの臭化水素酸塩は、他の固体形態、例えば、非晶質及び結晶形態A、B、C、D又はFを実質的に含まない。特定の実施態様において、該実質的な形態Eの臭化水素酸塩の純度は、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約98.5%以上、約99%以上、約99.5%以上、又は約99.8%以上である。特定の実施態様において、該実質的な形態Eの臭化水素酸塩の純度は、約95%〜99.8%、約96%〜99.8%、約97%〜99.8%、約98%〜99.8%、約98.5%〜99.8%、約99%〜99.8%、約99.5%〜99.8%、又は約99.8%である。特定の実施態様において、該実質的な形態Eの臭化水素酸塩の純度は、約95%、約96%、約97%、約98%以上、約98.5%、約99%、約99.5%、又は約99.8%である。
【0071】
一実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、近似の単位胞ディメンジョン:a=7.2Å、b=18.2Å、c=27.4Å、α=90°、β=90°及びγ=90°を有する。別の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、近似の単位胞ディメンジョン:a=7.17Å、b=18.22Å、c=27.45Å、α=90°、β=90°及びγ=90°を有する。更に別の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、近似の単位胞ディメンジョン:a=7.166Å、b=18.223Å、c=27.449Å、α=90°、β=90°及びγ=90°を有する。更に別の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、約3585Å
3/セルの容積を有する。更に別の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、約448Å
3/非対称単位(asym. unit)のV/Z値を有する。更に別の実施態様において、該形態Eの臭化水素酸塩は、約1.59g/cm
3の密度を有する。
【0072】
(F.形態F)
更に別の実施態様において、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩は、結晶形態Fである。特定の実施態様において、該形態Fの臭化水素酸塩は、およそ6.6°の2θ角に特徴的なXRP回折ピークを有する。
【0073】
本明細書中に提供される塩の純度は、標準的な分析方法、例えば、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ゲル電気泳動、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及び質量分析(MS)によって決定することができる。本明細書中に提供される固体形態の塩は、当業者に公知のいくつかの方法を使用して特徴付けることができ、該方法には、限定はされないが、単結晶X線回折、X線粉末回折(XRPD)、顕微鏡法(例えば、走査型電子顕微鏡(SEM))、熱分析(例えば、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)及び高温顕微鏡)、及び分光法(例えば、赤外、ラマン及び固体核磁気共鳴)を含む。本明細書中に提供される固体形態の塩の粒径及び粒径分布は、レーザ光散乱法などの従来方法によって決定することができる。
【0074】
X線粉末回折パターンのピークの数値は、装置間又はサンプル間でわずかに変動し、そのため、引用した値は絶対的なものと解釈すべきでないが、例えば、0.1°など許容し得るばらつきを有し、これは米国薬局方(第387〜389項、2007年)において推奨されるものである。
【0075】
(製造方法)
一実施態様において、本明細書中に提供される(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩、又はその水和物若しくは医薬として許容し得る溶媒和物を製造するための方法であって、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールを臭化水素酸と、第1の所定温度において溶媒中で反応させることを含む、前記方法が本明細書中に提供される。別の実施態様において、該方法は、第2の所定温度において該塩を沈殿させることを更に含む。
【0076】
本明細書中で提供される塩の製造における使用に適した溶媒は、限定はされないが、以下を含む:石油エーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、及びクメンを含む炭化水素;ジクロロメタン(DCM)、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエテン、1,2-ジクロロエテン、クロロホルム、トリクロロエタン、トリクロロエテン、四塩化炭素、テトラフルオロエテン、メチルシクロヘキサン、クロロベンゼン、及びトリフルオロメチルベンゼンを含むハロゲン化炭化水素;メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、トリフルオロエタノール(TFE)、イソプロパノール(IPA)、1-プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、3-メチル-1-ブタノール、1-ペンタノール、tert-アミルアルコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、及びエチレングリコールを含むアルコール;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)、メチルノナフルオロブチルエーテル、ジフェニルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ビ(2-メトキシエチル)エーテル、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、及びアニソールを含むエーテル;アセトン、ブタノン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、3-ペンタノン、及びシクロペンタノンを含むケトン;酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エチル(EtOAc)、トリフルオロ酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル(IPAc)、酢酸イソブチル、及び酢酸ブチルを含むエステル;炭酸エチレン、及び炭酸プロピレンを含むカルボナート;ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、及びN,N-ジメチルアセトアミドを含むアミド;アセトニトリル(ACN)、及びプロピオニトリルを含むニトリル;ジメチルスルホキシド(DMSO)を含むスルホキシド;スルホランを含むスルホン;ニトロメタン、及びニトロベンゼンを含むニトロ化合物;N-メチルピロリンドン、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、及びピリジンを含むヘテロ環;酢酸、トリクロロ酢酸、及びトリフルオロ酢酸を含むカルボン酸;ヘキサメチルホスホルアミドを含むホスホルアミド;硫化炭素;水;並びにそれらの混合物。
【0077】
特定の実施態様において、溶媒は、アセトン、アセトニトリル、tert-ブタノール、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、ヘプタン、ヘキサフルオロイソプロパノール、イソプロパノール、イソプロピルエーテル、メタノール、メチルエチルケトン、ニトロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン、トリフルオロエタノール、水、又はそれらの混合物である。
【0078】
特定の実施態様において、塩形成工程は、約-10〜約150℃、約10〜約110℃、又は約20〜約100℃の温度で行われる。特定の実施態様において、塩形成反応は、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、又は約50℃で行われる。
【0079】
特定の実施態様において、塩形成工程は、約1当量の酸の存在下で行われる。特定の実施態様において、塩形成工程は、反応の収率を最大化するために、過剰量の酸の存在下で行われる。特定の実施態様において、酸の酸性基の式Iの化合物に対するモル比は、約1、約1.01、約1.05、約1.1、又は約1.2である。特定の実施態様において、酸の酸性基の式Iの化合物に対するモル比は、約0.5〜約10、約0.9〜約5、又は約0.95〜約2.5である。
【0080】
特定の実施態様において、塩形成工程は溶液中で行われる。すなわち、式Iの化合物と酸のどちらも、溶媒に溶解される。特定の実施態様において、塩形成工程は、式Iの化合物と酸との溶媒中のスラリー混合物として行われる。特定の実施態様において、式Iの化合物は、十分には溶解されないのに対し、酸は完全に溶解される。
【0081】
特定の実施態様において、本明細書中に提供される塩は、反応溶液又はスラリー混合物から、限定はされないが、冷却(cooling)、冷却(chilling)、溶媒蒸発、貧溶媒(anti-solvent)の添加、又は塩の混合物の貧溶媒への逆添加(reverse addition)を含む従来法を用いて沈殿される。特定の実施態様において、本明細書中に提供される塩は、反応溶液又はスラリー混合物から冷却時に沈殿される。
【0082】
特定の実施態様において、本明細書中に提供される塩は、反応溶液又はスラリー混合物から、貧溶媒の添加を介して沈殿される。適当な貧溶媒は、限定はされないが、以下を含む:石油エーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、及びクメンを含む炭化水素;1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエテン、1,2-ジクロロエテン、クロロホルム、トリクロロエタン、トリクロロエテン、四塩化炭素、テトラフルオロエテン、クロロベンゼン、及びトリフルオロメチルベンゼンを含むハロゲン化炭化水素;1-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、3-メチル-1-ブタノール、1-ペンタノール、tert-アミルアルコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、及びエチレングリコールを含むアルコール;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)、メチルノナフルオロブチルエーテル、ジフェニルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ビ(2-メトキシエチル)エーテル、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、及びアニソールを含むエーテル;ブタノン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、3-ペンタノン、及びシクロペンタノンを含むケトン;酢酸イソブチル、及び酢酸ブチルを含むエステル;炭酸エチレン、及び炭酸プロピレンを含むカルボナート;スルホランを含むスルホン;ニトロメタン、及びニトロベンゼンを含むニトロ化合物;ジオキサン、及びピリジンを含むヘテロ環;硫化炭素;水;並びにそれらの混合物を含む。特定の実施態様において、貧溶媒は、アセトニトリル、クロロホルム、エタノール、酢酸エチル、ヘプタン、イソプロパノール、イソプロピルエーテル、メチルエチルケトン、ニトロメタン、トルエン、水、テトラヒドロフラン、又はそれらの混合物。
【0083】
2つの溶媒が、溶媒/貧溶媒のペアとして使用される場合に、本明細書中に提供される塩は、貧溶媒よりも溶媒において高い溶解度を有する。特定の実施態様において、溶媒/貧溶媒のペア中の溶媒と貧溶媒は、少なくとも一部が混和している。
【0084】
特定の実施態様において、沈殿工程は、約-50〜約100℃、約-30〜約50℃、又は約-10〜約30℃の温度で行われる。特定の実施態様において、沈殿工程は、約0℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、又は約30℃の温度で行われる。
【0085】
沈殿(結晶化)工程を促進するために、該方法は、該沈殿工程の開始に先立って又はその間に、反応溶液又は混合物にシーディングする工程を更に含み得る。添加される種結晶の量は、反応溶液中に溶解されない種結晶が存在するように、使用されている溶媒における飽和量を上回るものである。
【0086】
特定の実施態様において、該方法は、単離工程を更に含み、ここで沈殿物は、ろ過及び遠心分離などの従来法によって単離され、その後に溶媒による洗浄、次いで乾燥が続く。
【0087】
他の塩形成方法も、本開示に適用可能である。例えば、式Iの化合物の塩は、該化合物の塩、例えば、HCl塩を、陰イオン交換カラムを使用する陰イオン交換によって臭化水素酸塩に変換することによって製造することができる。
【0088】
沈殿及び結晶化に加えて、本明細書中に提供される固体塩はまた、噴霧乾燥、ローラー乾燥、凍結乾燥、及び溶融結晶化を含む当業者に公知の従来法を使用して製造することができる。
【0089】
(医薬組成物)
一実施態様において、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩、又はその水和物若しくは医薬として許容し得る溶媒和物、又は形態A、B、C、D、E及びFを含むその結晶形態;並びに医薬として許容し得るビヒクル、担体、希釈剤若しくは賦形剤、又はそれらの混合物を含む医薬組成物が、本明細書中に提供される。
【0090】
特定の実施態様において、該臭化水素酸塩は、結晶形態である。一実施態様において、本明細書中で提供される医薬組成物に使用される臭化水素酸塩は、結晶形態Aである。別の実施態様において、本明細書中で提供される医薬組成物に使用される臭化水素酸塩は、結晶形態Bである。更に別の実施態様において、本明細書中で提供される医薬組成物に使用される臭化水素酸塩は、結晶形態Cである。更に別の実施態様において、本明細書中で提供される医薬組成物に使用される臭化水素酸塩は、結晶形態Dである。更に別の実施態様において、本明細書中で提供される医薬組成物に使用される臭化水素酸塩は、結晶形態Eである。更に別の実施態様において、本明細書中で提供される医薬組成物に使用される臭化水素酸塩は、結晶形態Fである。
【0091】
適当な賦形剤は当業者には周知であり、適当な賦形剤の非限定的例が、本明細書中に提供される。特定の賦形剤が、医薬組成物又は剤形への取込みに適しているかどうかは、限定はされないが、投与方法を含む当業者に周知の様々な因子に依存する。例えば、錠剤などの経口剤形は、非経口剤形における使用には適さない賦形剤を含んでもよい。特定の賦形剤の適合性はまた、剤形中の具体的な有効成分に依存し得る。例えば、いくつかの有効成分の分解は、ラクトースなどのいくつかの賦形剤によって、又は水に曝されたときに促進され得る。第一級又は第二級アミンを含む有効成分は、特にこのような促進された分解を受けやすい。したがって、ラクトース又は他の単糖若しくは二糖を、たとえあったとしても、少量含む医薬組成物及び剤形が、本明細書中に提供される。本明細書中では、用語「ラクトースを含まない」とは、たとえあるとしても、ラクトース存在量が、有効成分の分解速度を実質的に増大させるのに不十分であることを意味する。一実施態様において、ラクトースを含まない組成物は、本明細書中に提供される有効成分、結合剤/充填剤、及び潤滑剤を含む。別の実施態様において、ラクトースを含まない剤形は、有効成分、結晶セルロース、アルファ化デンプン及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0092】
本明細書中に提供される臭化水素酸塩は、単独で、又は本明細書中に提供される1以上の他の塩と組合せて投与することができる。本明細書中に提供される塩を含む医薬組成物は、経口、非経口、及び局所投与のための種々の剤形で製剤化することができる。また該医薬組成物は、遅延放出剤形、延長放出剤形、持続放出剤形、徐放剤形、パルス放出剤形、制御放出剤形、加速放出(accelerated-release)剤形、高速放出(fast-release)剤形、標的放出(targeted-release)剤形、プログラム放出(programmed-release)剤形、及び胃内滞留(gastric retention)剤形を含む、放出調節剤形として製剤化することもできる。これらの剤形は、当業者に公知の従来法及び従来技術によって製することができる(Remingtonの文献:「薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」(上記参照);「放出制御ドラッグデリバリー技術(Modified-Release Drug Delivery Technology)」、第2版、Rathboneら編集;Marcel Dekker, Inc.: New York, NY, 2008参照)。
【0093】
一実施態様において、該医薬組成物は、経口投与のための剤形で本明細書中に提供され、これは、本明細書中に提供される塩、及び1以上の医薬として許容し得るビヒクル、担体、希釈剤又は賦形剤を含む。
【0094】
別の実施態様において、該医薬組成物は、非経口投与のための剤形で本明細書中に提供され、これは、本明細書中に提供される塩、及び1以上の医薬として許容し得るビヒクル、担体、希釈剤又は賦形剤を含む。
【0095】
更に別の実施態様において、該医薬組成物は、局所投与のための剤形で本明細書中に提供され、これは、本明細書中に提供される塩、及び1以上の医薬として許容し得るビヒクル、担体、希釈剤又は賦形剤を含む。
【0096】
本明細書中で提供される医薬組成物は、単位剤形(unit-dosage form)又は複数剤形(multiple-dosage form)で提供することができる。本明細書中では、単位剤形とは、ヒト及び動物の対象への投与に適し、かつ当技術分野で公知である別個に包装された物理的に分離した単位を指す。各単位用量は、必要とする医薬担体若しくは賦形剤と関連して所望の治療効果を奏するのに十分な所定量の有効成分を含む。単位剤形の例は、アンプル、シリンジ、並びに別個に包装された錠剤及びカプセルを含む。例えば、100mgの単位用量は、包装された錠剤又はカプセル中に約100mgの有効成分を含む。単位剤形は、その分割で又は倍数で投与することができる。複数剤形は、単一容器に包装された複数の同一単位剤形であり、分離された単位剤形で投与される。複数剤形の例は、バイアル、錠剤若しくはカプセル剤の瓶、又はパイント若しくはガロン瓶を含む。
【0097】
本明細書中に提供される医薬組成物は、一回で、又は間隔を置いて複数回で投与することができる。正確な投与量及び治療期間は、治療する患者の年齢、体重、及び状態によって変化し、かつ公知の試験プロトコルを使用して、あるいはインビボ若しくはインビトロ試験又は診断データからの外挿によって、経験的に決定することができることが理解されよう。更に特定の個体について、具体的な投与計画は、個々の必要性、及び製剤の投与を行う者若しくは該投与を監督する者の専門的な判断に従って時間とともに調整されるべきことが理解されよう。
【0098】
(A.経口投与)
経口投与のための本明細書中で提供される医薬組成物は、固体、半固体又は液体の剤形として提供することができる。また本明細書中では、経口投与は、頬側投与、舌投与及び舌下投与を含む。適当な経口剤形は、錠剤、ファストメルト(fasetmelt)、咀嚼錠、カプセル剤、丸剤、ストリップ剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、パステル剤、カシェ剤、ペレット剤、薬用チューインガム、混合散剤、発泡若しくは非発泡性の散剤若しくは顆粒、オーラルミスト(oral mist)、液剤、乳剤、懸濁剤、ウエハ、スプリンクル(sprinkle)、エリキシル剤、及びシロップ剤を含むが、これらに限定されない。医薬組成物は、有効成分に加え、限定はされないが、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、潤滑剤、滑剤(glidant)、着色剤、色素移動阻害剤(dye-migration inhibitor)、甘味料、着香料、乳化剤、懸濁及び分散剤、保存剤、溶媒、非水性液体、有機酸、並びに二酸化炭素供給源を含む医薬として許容し得る担体又は賦形剤の1以上を含むことができる。
【0099】
結合剤又はグラニュレータ(granulator)は、錠剤に粘着性を付与し、圧縮後に錠剤が原形を保つようにする。適当な結合剤又はグラニュレータは、限定はされないが、以下を含む;デンプン、例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン及びアルファ化デンプン(例えば、STARCH1500)など;ゼラチン;糖、例えば、スクロース、グルコース、ブドウ糖、糖蜜及びラクトースなど;天然及び合成ガム、例えば、アラビアゴム、アルギン酸、アルギン酸塩、アイルランドコケの抽出物、パンワールガム(panwar gum)、ガティガム、イサゴール(isabgol)ハスクの粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビーガム、カラマツアラボガラクタン(larch arabogalactan)、トラガカント末及びグアーガムなど;セルロース、例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)など;結晶セルロース、例えば、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC社、Marcus Hook、PA)など;並びにこれらの混合物。適当な充填剤は、限定はされないが、タルク、炭酸カルシウム、結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート(dextrates)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びこれらの混合物を含む。本明細書で提供される医薬組成物中の結合剤又は充填剤の量は、製剤の種類によって変化し、当業者には容易に認識できるものである。結合剤又は充填剤は、本明細書中で提供される医薬組成物の約50〜約99重量%存在し得る。
【0100】
適当な希釈剤は、限定はされないが、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、及び粉砂糖(powdered sugar)を含む。特定の希釈剤、例えば、マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース及びイノシトールなどは、十分な量で存在する場合に、咀嚼によって口の中で分解することが可能であるいくつかの圧縮錠剤に特性を付与することができる。そのような圧縮錠剤は、咀嚼錠として使用することができる。本明細書で提供される医薬組成物中の希釈剤の量は、製剤の種類によって変化し、当業者には容易に認識できるものである。
【0101】
適当な崩壊剤は、限定はされないが、以下を含む:カンテン;ベントナイト;セルロース、例えば、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースなど;木製品;天然のスポンジ(natural sponge);陽イオン交換樹脂;アルギン酸;ガム、例えば、グアーガム及びビーガムHVなど;シトラスパルプ;架橋セルロース、例えば、クロスカルメロースなど;架橋ポリマー、例えば、クロスポビドンなど;架橋デンプン;炭酸カルシウム;結晶セルロース、例えば、デンプングリコール酸ナトリウムなど;ポラクリリンカリウム;デンプン、例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン及びアルファ化デンプンなど;クレイ;アライン(align);並びにこれらの混合物。本明細書で提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤の種類によって変化し、当業者には容易に認識できるものである。本明細書で提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤の種類によって変化し、当業者には容易に認識できるものである。本明細書中で提供される医薬組成物は、約0.5〜約15重量%、又は約1〜約5重量%の崩壊剤を含み得る。
【0102】
適当な潤滑剤は、限定はされないが、以下を含む:ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;グリコール、例えば、ベヘン酸グリセロール、及びポリエチレングリコール(PEG)など;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブオイル、トウモロコシ油、及びダイズ油を含む水素化植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;エチルラウレアート(ethyl laureate);カンテン;デンプン;石松子;シリカ又はシリカゲル、例えば、AEROSIL(登録商標)200(W.R. Grace社、Baltimore、MD)及びCAB-O-SIL(登録商標)(Cabot社、Boston、MA)など;並びにこれらの混合物。本明細書中で提供される医薬組成物は、約0.1〜約5重量%の崩壊剤を含み得る。
【0103】
適当な滑剤は、限定はされないが、コロイド状二酸化ケイ素、CAB-O-SIL(登録商標)(Cabot社、Boston、MA)、及び石綿を含まない(asbestos-free)タルクを含む。適当な着色剤は、限定はされないが、認可、認証されたいずれかのアルミナ水和物に懸濁させた水溶性FD&C色素及び水不溶性FD&C色素、並びにレーキ顔料、並びにこれらの混合物を含む。レーキ顔料は、水溶性色素の重金属の水和酸化物への吸着による組み合わせであり、不溶性形態の色素をもたらす。適当な着香料は、限定はされないが、果実などの植物から抽出された天然香料、並びにペパーミント及びサリチル酸メチルなどの爽快な味覚を生じる化合物の合成配合物を含む。適当な甘味料は、限定はされないが、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ、グリセリン、並びにサッカリン及びアスパルテームなどの人工甘味料を含む。適当な乳化剤は、限定はされないが、ゼラチン、アラビアゴム、トラガカント、ベントナイト、並びにポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80(TWEEN(登録商標)80)、及びトリエタノールアミンオレアートなどの界面活性剤を含む。適当な懸濁及び分散剤は、限定はされないが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、ビーガム、アラビアゴム、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む。適当な保存剤は、限定はされないが、グリセリン、メチル及びプロピルパラベン、安息香酸付加物(benzoic add)、安息香酸ナトリウム、並びにアルコールを含む。適当な湿潤剤は、限定はされないが、プロピレングリコールモノステアラート、ソルビタンモノオレアート、ジエチレングリコールモノラウラート、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルを含む。適当な溶剤は、限定はされないが、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、及びシロップを含む。乳剤で利用する適当な非水性液体は、限定はされないが、鉱油及び綿実油を含む。適当な有機酸は、限定はされないが、クエン酸及び酒石酸を含む。適当な二酸化炭素の供給源は、限定はされないが、重炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含む。
【0104】
多数の担体及び賦形剤は、同一製剤内であっても複数の機能を果たし得ることを理解されたい。
【0105】
経口投与のための本明細書中で提供される医薬組成物は、圧縮錠剤、粉薬錠剤、咀嚼ロゼンジ剤、速溶性錠剤、多重圧縮錠剤、又は腸溶性錠剤、糖衣錠若しくはフィルムコート錠として提供することができる。腸溶性錠剤は、胃酸の作用に耐えるが、腸内で溶解若しくは崩壊する物質でコーティングされた圧縮錠剤であり、こうして胃の酸性環境から有効成分を保護する。腸溶コーティングは、限定はされないが、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、セラック、アンモニア化セラック、及び酢酸フタル酸セルロースを含む。糖衣錠は、糖衣に囲まれた圧縮錠剤であり、好ましくない味又は臭いを隠し、かつ酸化から錠剤を保護するのに有効であり得る。フィルムコート錠は、水溶性物質の薄層又はフィルムで覆われた圧縮錠剤である。フィルムコーティングは、限定はされないが、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及び酢酸フタル酸セルロースを含む。フィルムコーティングは、糖衣と同じ一般的性質を付与する。多重圧縮錠剤は、2以上の圧縮サイクルによって作製された圧縮錠剤であり、多層の錠剤及びプレスコート又はドライコートされた錠剤を含む。
【0106】
錠剤の剤形は、単独で、又は結合剤、崩壊剤、制御放出ポリマー、潤滑剤、希釈剤、及び/又は着色剤を含む本明細書中に記載される1以上の担体若しくは賦形剤と組合せて、粉末、結晶又は顆粒形態で有効成分から製造することができる。着香料及び甘味料は、咀嚼錠及びロゼンジの形成に特に有用である。
【0107】
経口投与のための本明細書中で提供される医薬組成物は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン又はアルギン酸カルシウムから作製することができる軟カプセル剤又は硬カプセル剤として提供することができる。乾燥充填カプセル(DFC)としても公知である硬ゼラチンカプセル剤は、2つの区分からなり、一方が他方上に滑り込み、こうして有効成分を完全に包み込む。軟カプセル剤(SEC)は、ゼラチンシェルなどの柔軟で球状のシェルであり、グリセリン、ソルビトール又は類似のポリオールの添加によって可塑化される。ソフトゼラチンシェルは、微生物の増殖を防止する保存剤を含み得る。適当な保存剤は、本明細書中に記載のものであり、メチルパラベン及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸を含む。本明細書中で提供される液体、半固体及び固体の剤形は、カプセルに封入してもよい。適当な液体剤形及び半固体剤形は、プロピレンカーボネート、植物油又はトリグリセリド中の溶液及び懸濁液を含む。そのような溶液を含むカプセルは、米国特許第4,328,245号、第4,409,239号、及び第4,410,545号に記載のように製造することができる。また、該カプセルは、有効成分の分解を改良するか又は維持するために、当業者に公知のコーティングを施してもよい。
【0108】
経口投与のための本明細書中で提供される医薬組成物は、乳剤、溶液、懸濁剤、エリキシル剤、及びシロップを含む液体剤形及び半固体剤形で提供することができる。乳剤は二相系であり、ここで、一方の液体が他方の液体中に小球の形態で分散しており、これは、水中油型又は油中水型であり得る。乳剤は、医薬として許容し得る非水性の液体又は溶媒、乳化剤、及び保存剤を含み得る。懸濁剤は、医薬として許容し得る懸濁化剤及び保存剤を含み得る。水性アルコール性溶液は、医薬として許容し得るアセタール、例えば、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタールなど;並びに1以上の水酸基を有する水混和性溶媒、例えば、プロピレングリコール及びエタノールなどを含み得る。エリキシル剤は、透明で甘く、かつ水アルコール性の溶液である。シロップ剤は、糖、例えば、スクロースの濃縮水溶液であり、保存剤を含んでもよい。液体剤形について、例えば、ポリエチレングリコール中の溶液は、十分な量の医薬として許容し得る液状担体、例えば、水で希釈して投与に都合良く量ることができる。
【0109】
他の有用な液体剤形及び半固体剤形は、限定はされないが、本明細書中で提供される有効成分を含むもの、及び1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテル(ここで、350、550及び750とは、ポリエチレングリコールの概算の平均分子量をいう)を含むジアルキル化モノ-若しくはポリ-アルキレングリコールを含む。これらの製剤は、1以上の抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、ケファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸及びそのエステル、並びにジチオカルバマートなどを更に含むことができる。
【0110】
経口投与のための本明細書中で提供される医薬組成物は、リポソーム、ミセル、ミクロスフェア、又はナノシステムの形態で提供することもできる。ミセル剤形は、米国特許第6,350,458号に記載のように製造することができる。
【0111】
経口投与のための本明細書中で提供される医薬組成物は、液体剤形に再構成される非発泡又は発泡性の顆粒及び粉末として提供することができる。非発泡性の顆粒又は粉末に使用される医薬として許容し得る担体及び賦形剤は、希釈剤、甘味料、及び湿潤剤を含み得る。発泡性の顆粒又は粉末に使用される医薬として許容し得る単体及び賦形剤は、有機酸及び二酸化炭素供給源を含み得る。
【0112】
着色剤及び着香料は、上記剤形の全てにおいて使用することができる。
【0113】
経口投与のための本明細書中で提供される医薬組成物は、即時放出性剤形又は放出調節剤形として製剤化することができ、遅延放出剤形、徐放性剤形、パルス放出(pulsed-release)剤形、制御放出剤形、標的放出剤形、及びプログラム放出剤形を含む。
【0114】
(B.非経口投与)
本明細書中で提供される医薬組成物は、局所又は全身投与のために、注射、注入又は埋込みにより非経口的に投与することができる。本明細書中では、非経口投与とは、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、髄腔内投与、脳室内投与、尿道内投与、胸骨内投与、頭蓋内投与、筋肉内投与、滑液包内投与、膀胱内投与、及び皮下投与を含む。
【0115】
非経口投与のための本明細書中で提供される医薬組成物は、溶液、懸濁剤、乳剤、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノシステム、及び注射に先立って液体に溶解又は懸濁するのに適した固体形態を含む、非経口投与に適した任意の剤形で製剤化することができる。そのような剤形は、製薬科学の当業者に公知の従来法によって製造することができる(Remingtonの文献:「薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」、上記参照)。
【0116】
非経口投与を対象とした医薬組成物は、限定はされないが、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の増殖に対する抗菌剤又は保存剤、安定剤、溶解促進剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート剤、凍結防止剤、リオプロテクタント、増粘剤、pH調整剤、並びに不活性ガスを含む、1以上の医薬として許容し得る担体及び賦形剤を含み得る。
【0117】
適当な水性ビヒクルは、限定はされないが、水、食塩水、生理食塩水又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張性デキストロース注射液(isotonic dextrose injection)、注射用滅菌水、デキストロース及び乳酸リンゲル注射液を含む。適当な非水性ビヒクルは、限定はされないが、植物由来の不揮発性油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブオイル、ピーナッツ油、ハッカ油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、水素化植物油、水素化ダイズ油、並びにヤシ油及びパームシード油の中鎖トリグリセリドを含む。適当な水混和性ビヒクルは、限定はされないが、エタノール、1,3-ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300及びポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドを含む。
【0118】
適当な抗菌剤又は保存剤は、限定はされないが、フェノール、クレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル及びp-ヒドロキシ安息香酸プロピル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム(例えば、塩化ベンゼトニウム)、メチル及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸を含む。適当な等張剤は、限定はされないが、塩化ナトリウム、グリセリン、及びデキストロースを含む。適当な緩衝剤は、限定はされないが、リン酸塩及びクエン酸塩を含む。適当な抗酸化剤は、本明細書中に記載のものであり、亜硫酸水素塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む。適当な局所麻酔薬は、限定はされないが、塩酸プロカインを含む。適当な懸濁剤及び分散剤は、本明細書に記載のものであり、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む。適当な乳化剤は、本明細書に記載のものであり、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80、及びトリエタノールアミンオレアートを含む。適当な金属イオン封鎖剤又はキレート剤は、限定はされないが 、EDTAを含む。適当なpH調整剤は、限定はされないが、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、及び乳酸を含む。適当な錯化剤は、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル7-β-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標)、CyDex社、Lenexa、KS)を含むデキストリンを含む。
【0119】
本明細書中で提供される医薬組成物が、複数用量投与で製剤化される場合、該複数用量非経口製剤は、静菌濃度又は静真菌濃度の抗菌剤を含まなければならない。すべての非経口製剤は、当技術分野において公知で、かつ実践されるように、無菌としなければならない。
【0120】
一実施態様において、非経口投与のための医薬組成物は、すぐに使用できる溶液として提供される。他の実施態様において、該医薬組成物は、滅菌乾燥可溶性製品として提供され、これは、凍結乾燥粉末及び注射用錠剤を含み、使用に先立ってビヒクルで再構成される。更に別の実施態様において、該医薬組成物は、すぐに使用できる滅菌懸濁剤として提供される。更に別の実施態様において、該医薬組成物は、滅菌乾燥不溶性製品として提供され、使用に先立ってビヒクルで再構成される。更なる別の実施態様において、該医薬組成物は、すぐに使用できる滅菌乳剤として提供される。
【0121】
非経口投与のための本明細書中で提供される医薬組成物は、即時放出性剤形又は放出調節剤形として製剤化することができ、これは、遅延放出剤形、徐放性剤形、パルス放出剤形、制御放出剤形、標的放出剤形、及びプログラム放出剤形を含む。
【0122】
非経口投与のための本明細書中で提供される医薬組成物は、埋込み型デポーとしての投与のために、懸濁液、固体、半固体、又はチキソトロピック液体(thixotropic liquid)として製剤化することができる。一実施態様において、本明細書中で提供される医薬組成物は、固形状の内側マトリクス中に分散され、該内側マトリクスは、体液に不溶であるが、医薬組成物の有効成分を拡散させる外側高分子膜に囲まれる。
【0123】
適切な内側マトリクスは、限定はされないが、ポリメチルメタクリラート、ポリブチル-メタクリラート、可塑化若しくは非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネート共重合体、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲルなどの親水性高分子、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、並びに架橋部分的加水分解ポリ酢酸ビニルを含む。
【0124】
適当な外側高分子膜は、限定はされないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルとの塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三量体、並びにエチレン/ビニルオキシエタノール共重合体を含む。
【0125】
(C.局所投与)
本明細書中で提供される医薬組成物は、皮膚、孔又は粘膜に局所的に投与することができる。本明細書中では、局所投与は、皮膚投与(皮内投与)、結膜投与、角膜投与、眼内投与、眼投与、耳介投与、経皮投与、経鼻投与、膣内投与、経尿道投与、経気管投与、肺内投与、及び直腸投与を含む。
【0126】
本明細書中で提供される医薬組成物は、局所又は全身効果のための局所投与に適した任意の剤形で製剤化することができ、乳剤、液剤、懸濁剤、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、軟膏剤、粉剤、包帯剤、エリキシル剤、ローション、懸濁剤、チンキ剤、ペースト、泡沫剤、フィルム、エアゾール剤、灌注剤、スプレー剤、坐薬、包帯、及び貼付剤を含む。また、本明細書中で提供される医薬組成物の局所製剤は、リポソーム、ミセル、マイクロスフィア、ナノシステム、及びこれらの混合物も含む。
【0127】
本明細書中で提供される局所製剤に使用するのに適した医薬として許容し得る担体及び賦形剤は、限定はされないが、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の増殖に対する抗菌剤又は保存剤、安定剤、溶解促進剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート剤、浸透促進剤、凍結防止剤、リオプロテクタント、増粘剤、並びに不活性ガスを含む。
【0128】
また、医薬組成物は、エレクトロポレーション、イオン導入、フォノフォレーシス、ソノフォレーシス、又はPOWDERJECT(商標)(Chiron Corp社、Emeryville、CA)及びBIOJECT(商標)(Bioject Medical Technologies社、Tualatin、OR)などの極微針又は針無注射によって局所的に投与することができる。
【0129】
本明細書中で提供される医薬組成物は、軟膏、クリーム、及びゲルの形態で提供することができる。適当な軟膏のビヒクルは、油性若しくは炭化水素のビヒクルを含み、ラード、安息香豚脂、オリーブオイル、綿実油、及び他の油、白色ワセリン;親水性ワセリン、ヒドロキシステアリンスルファート、及び無水ラノリンなどの乳化可能なビヒクル若しくは吸収ビヒクル;親水軟膏などの水除去可能なビヒクル;種々の分子量のポリエチレングリコールを含む水溶性軟膏ビヒクル;セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、ラノリン、及びステアリン酸を含む、エマルジョンビヒクル、油中水型(W/O)エマルジョン又は水中油型(O/W)エマルジョンのいずれか(Remingtonの文献:「薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」上記参照)を含む。これらのビヒクルは、軟化するが、一般に抗酸化剤及び保存剤の添加を必要とする。
【0130】
適当なクリーム基剤は、水中油型又は油中水型であり得る。適当なクリームのビヒクルは、水洗い可能であり、油相、乳化剤、及び水相を含み得る。また、該油相は、「内部」相とも呼ばれ、一般に、ワセリン、及びセチル若しくはステアリルアルコールなどの脂肪アルコールからなる。該水相は通常、必ずではないが、該油相より容積が大きく、一般に、湿潤剤を含む。クリーム製剤の乳化剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、両性界面活性剤であり得る。
【0131】
ゲルは、半固体の懸濁型の系である。単相のゲルは、液体担体の全体にわたって実質的に均一に分散した有機高分子を含む。適当なゲル化剤は、カルボマー、カルボキシポリアルキレン、及びCARBOPOL(登録商標)などの架橋アクリル酸ポリマー;ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体、及びポリビニルアルコールなどの親水性高分子;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びメチルセルロースなどのセルロースポリマー;トラガカントゴム及びキサンタンゴムなどのゴム;アルギン酸ナトリウム;並びにゼラチンを含むが、これらに限定されない。均一なゲルを調製するために、アルコール若しくはグリセリンなどの分散剤を添加することができ、また、ゲル化剤は、トリチュレーション、機械的な混合、及び/又は撹拌によって分散することができる。
【0132】
本明細書中で提供される医薬組成物は、坐薬、ペッサリー、ブジー剤、湿布若しくはパップ剤、ペースト、粉末、包帯剤、クリーム、プラスタ、避妊薬、軟膏、溶液、エマルジョン、懸濁液、タンポン、ゲル、泡、スプレー、又は浣腸の形態で、直腸に、尿道に、経膣的に、又は膣周囲に(perivaginally)、投与することができる。これらの剤形は、Remingtonの文献:「薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」(上記参照)に記載されている従来法を用いて製造することができる。
【0133】
直腸、尿道、及び膣の坐薬は、身体の孔に挿入するための固体であり、常温で固体であるが、体温で溶けるか、又は軟らかくなり、該孔の内部で有効成分を放出する。直腸及び膣の坐薬で利用する医薬として許容し得る担体は、硬化剤などの基剤若しくはビヒクルを含み、本明細書で提供される医薬組成物;並びに亜硫酸水素塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含めた本明細書に記載される抗酸化剤と製剤化される場合、体温に近い温度で融点を生ずる。適当なビヒクルは、カカオバター(カカオ脂)、グリセリン-ゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨蝋、パラフィン、白ろう及び黄ろう、並びに脂肪酸のモノ-、ジ-、及びトリグリセリド、並びにポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、及びポリアクリル酸などのヒドロゲルの適切な混合物を含むが、これらに限定されない。また、種々のビヒクルの組み合わせを使用してもよい。直腸及び膣の坐薬は、圧縮又は成形によって製造してもよい。直腸及び膣の坐薬の一般的な重量は、約2〜約3gである。
【0134】
本明細書中で提供される医薬組成物は、溶液、懸濁液、軟膏、エマルジョン、ゲル形成溶液、溶液のための粉末、ゲル、眼球インサート、及びインプラントの形態で、眼科的に投与することができる。
【0135】
本明細書中で提供される医薬組成物は、鼻腔内で、又は呼吸器官への吸入によって投与することができる。該医薬組成物は、加圧容器、ポンプ、スプレー、電気流体力学を用いて微細なミストを生成するアトマイザーのようなアトマイザー、又はネブライザーを使用して、単独で、又は1,1,1,2-テトラフルオロエタン、若しくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンなどの適当な噴霧剤と併用して、送達用のエアゾール若しくは溶液の形態で提供することができる。また、該医薬組成物は、単独で、又はラクトース若しくはリン脂質のような不活発な担体と併用して、吸入用の乾燥粉末;及び点鼻剤として提供することもできる。鼻腔内の使用において、粉末は、キトサン若しくはシクロデキストリンを含む生体付着剤(bioadhesive agent)を含み得る。
【0136】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、若しくはネブライザーに使用する溶液若しくは懸濁液は、製剤化され、エタノール、水性エタノール、又は本明細書で提供される有効成分の分散、安定化、若しくは延長放出のための適当な代替的な薬剤;溶媒としての噴霧剤;及び/又はトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、若しくはオリゴ乳酸などの界面活性剤を含み得る。
【0137】
本明細書中で提供される医薬組成物は、吸入による送達に適したサイズ、例えば、約50マイクロメートル以下、若しくは約10マイクロメートル以下などに微細化することができる。このようなサイズの粒子は、スパイラル式ジェットミル、ナノ粒子を形成する超臨界流体処理、高圧均質化、若しくは噴霧乾燥などの当業者に公知の粉砕法を用いて製造することができる。
【0138】
吸入器又は通気器に使用するカプセル、ブリスター及びカートリッジは、本明細書で提供される医薬組成物の粉末混合物;ラクトース若しくはデンプンなどの適当な粉末基剤;及びl-ロイシン、マンニトール、若しくはステアリン酸マグネシウムんなどの機能調整剤(performance modifier)を含むように製剤化され得る。ラクトースは、無水又は一水和物の形態であり得る。他の適当な賦形剤若しくは担体は、限定はされないが、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、及びトレハロースを含む。吸入投与/鼻腔内投与のための本明細書中で提供される医薬組成物は、メントール及びレボメントールなどの適当なフレーバ;及び/又はサッカリン及びサッカリンナトリウムなどの甘味料を更に含み得る。
【0139】
局所投与のための本明細書中で提供される医薬組成物は、即時放出又は放出調節のために製剤化され、遅延放出、徐放、パルス放出、制御放出、標的放出、及びプログラム放出を含む。
【0140】
(D.放出調節)
本明細書中で提供される医薬組成物は、放出調節剤形として製剤化することができる。本明細書中では、用語「放出調節(modified release)」とは、同じ経路で投与した場合、有効成分の放出の速度若しくはその場所が、即時放出剤形のものとは異なる剤形をいう。放出調節剤形は、限定はされないが、遅延放出剤形、延長放出剤形、持続放出剤形、徐放性剤形、拍動性放出剤形、制御放出剤形、加速放出剤形、高速放出剤形、標的放出剤形、プログラム放出剤形、及び胃内滞留剤形を含む。放出調節剤形の医薬組成物は、限定はされないが、マトリクス制御放出デバイス、浸透性制御放出デバイス、多粒子制御放出デバイス、イオン交換樹脂、腸溶コーティング、多層コーティング、マイクロスフィア、リポソーム、及びこれらの組み合わせを含む、当業者に公知の種々の放出調節デバイス及び方法を使用して製造することができる。また有効成分の放出速度は、有効成分の粒子サイズ及び多形を変えることによって調節することができる。
【0141】
放出調節の例は、以下に記載のものを含むが、これらに限定されない;米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;第4,008,719号;第5,674,533号;第5,059,595号;第5,591,767号;第5,120,548号;第5,073,543号;第5,639,476号;第5,354,556号;第5,639,480号;第5,733,566号;第5,739,108号;第5,891,474号;第5,922,356号;第5,958,458号;第5,972,891号;第5,980,945号;第5,993,855号;第6,045,830号;第6,087,324号;第6,113,943号;第6,197,350号;第6,248,363号;第6,264,970号;第6,267,981号;第6,270,798号;第6,375,987号;第6,376,461号;第6,419,961号;第6,589,548号;第6,613,358号;第6,623,756号;第6,699,500号;第6,793,936号;第6,827,947号;第6,902,742号;第6,958,161号;第7,255,876号;第7,416,738号;第7,427,414号;第7,485,322号;Bussemerらの文献、Crit. Rev. Ther. Drug Carrier Syst. 2001, 18, 433-458;「Modified-release Drug Delivery Technology(放出制御ドラッグデリバリー技術)」第2版;Rathboneら編集;Marcel Dekker AG:2005;Maroniらの文献、Expert. Opin. Drug Deliv. 2005, 2, 855-871;Shiらの文献、Expert Opin. Drug Deliv. 2005, 2, 1039-1058;「ドラッグデリバリーのポリマー(Polymers in Drug Delivery)」;Ijeomaら編集;CRC Press LLC:Boca Raton, FL, 2006;Badawyらの文献、J. Pharm. Sci. 2007, 9, 948-959;「Modified-release Drug Delivery Technology(放出制御ドラッグデリバリー技術)」、上記;Conwayの文献、Recent Pat. Drug Deliv. Formul. 2008, 2, 1-8;Gazzanigaらの文献、Eur. J. Pharm. Biopharm. 2008, 68, 11-18;Nagarwalらの文献、Curr. Drug Deliv. 2008, 5, 282-289;Gallardoらの文献、Pharm. Dev. Technol. 2008, 13, 413-423;Chrzanowskiの文献、AAPS PharmSciTech. 2008, 9, 635-638;Chrzanowskiの文献、AAPS PharmSciTech. 2008, 9, 639-645;Kalantziらの文献、Recent Pat. Drug Deliv. Formul. 2009, 3, 49-63;Saigalらの文献、Recent Pat. Drug Deliv. Formul. 2009, 3, 64-70;及びRoyらの文献、J. Control Release 2009, 134, 74-80。
【0142】
(1.マトリクス制御放出デバイス)
放出調節剤形の本明細書中で提供される医薬組成物は、当業者に公知のマトリクス制御放出デバイスを使用して製造することができる(Takadaらの文献:「制御ドラッグデリバリーの専門事典(Encyclopedia of Controlled Drug Delivery)」、Mathiowitz編集;Wiley:1999;Vol. 2参照)。
【0143】
特定の実施態様において、放出調節剤形の本明細書中で提供される医薬組成物は、侵食性マトリクスデバイスを使用して製剤化され、該侵食性マトリクスデバイスとは、限定はされないが、合成高分子、並びに天然高分子及び誘導体、例えば、多糖及びタンパク質などを含む、水-膨潤性、侵食性又は可溶性の高分子である。
【0144】
侵食性マトリクスを形成するのに有用な物質は、限定はされないが、以下を含む;キチン、キトサン、デキストラン、及びプルラン;ガムカンテン(gum agar)、アラビアゴム、カラヤガム、ローカストビーンガム、トラガカントゴム、カラギーナン、ガティガム、グアーゴム、キサンタンゴム、及びスクレログルカン;デキストリン及びマルトデキストリンなどの澱粉;ペクチンなどの親水コロイド;レシチンなどのリン脂質;アルギン酸塩;アルギン酸プロピレングリコール;ゼラチン;コラーゲン;エチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸セルロース(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)、酪酸セルロース(CB)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、トリメリト酸酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAT)、及びエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)などのセルロース化合物;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニル;グリセロール脂肪酸エステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;エタクリル酸若しくはメタクリル酸の共重合体(EUDRAGIT(登録商標)、Rohm社、America, Inc., Piscataway, NJ);ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリラート);ポリ乳酸;L-グルタミン酸とエチル-L-グルタミン酸エチルの共重合体;分解性乳酸-グリコール酸共重合体;ポリD-(-)-3-ヒドロキシブチル酸;並びにブチルメタクリラート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、(2-ジメチルアミノエチル)メタクリラート、及び(トリメチルアミノエチル)メタクリラートクロリドのホモ重合体及び共重合体などの他のアクリル酸誘導体。
【0145】
特定の実施態様において、本明細書中で提供される医薬組成物は、非侵食性マトリクスデバイスによって製剤化される。有効成分は、不活性マトリクスに溶解又は分散し、一旦投与されると、該不活性マトリクスによる拡散によって最初に放出される。非侵食性マトリクスデバイスとして使用するのに適した物質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリラート、ポリブチルメタクリラート、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル酸メチル-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、酢酸ビニルとの塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三量体、エチレン/ビニルオキシエタノール共重合体、ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、及びシリコーンカーボネート共重合体などの不溶性プラスチック;エチルセルロース、酢酸セルロース、クロスポビドン、及び架橋部分的加水分解ポリ酢酸ビニルなどの親水性高分子;並びにカルナウバ蝋、マイクロクリスタリンワックス、及びトリグリセリドなどの脂肪族化合物を含むが、これらに限定されない。
【0146】
マトリクス制御放出系において、所望の放出キネティクスは、例えば、用いる高分子の型、高分子の粘性、高分子及び/又は有効成分の粒子サイズ、有効成分の高分子に対する比率、並びに組成物中の他の賦形剤又は担体によって制御することができる。
【0147】
放出調節剤形の本明細書中で提供される医薬組成物は、直接打錠法、乾式又は湿式造粒法に続く圧縮、及び溶融造粒に続く圧縮を含む、当業者に公知の方法によって製造することができる。
【0148】
(2.浸透性制御放出デバイス)
放出調節剤形の本明細書中で提供される医薬組成物は、一室系、二室系、非対称膜技術(AMT)、及び押出コアシステム(extruding core system)(ESC)を含むが、これらに限定されない浸透性制御放出デバイスを使用して製造することができる。一般に、このような装置には、少なくとも2つの構成部分:(a)有効成分を収容するコア部;及び(b)該コア部を封入し、少なくとも1つの送達ポートを具備する半透膜を有する。該半透膜は、該送達ポートによる押し出しによって薬剤が放出をするように、使用時の水性環境からコア部への水の流入を制御する。
【0149】
有効成分に加え、該浸透性デバイスのコア部は、使用環境から該デバイスのコア部への水移送の原動力を作り出す浸透物質を任意に含む。浸透物質の一つの分類である水膨潤性親水性高分子は、「オスモポリマー(osmopolymer)」及び「ヒドロゲル」ともいう。浸透物質としての適当な水膨潤性親水性高分子は、限定はされないが、アルギン酸カルシウム、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリラート、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋PVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVP共重合体、メタクリル酸メチル及び酢酸ビニルなどの疎水性モノマーとのPVA/PVP共重合体、大きなPEOブロックを含む親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びカルボキシエチルセルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンゴム、並びにグリコール酸ナトリウムデンプンなどの親水性ビニル及びアクリルポリマー、多糖を含む。
【0150】
浸透物質の他の分類は、オスモゲン(osmogen)であり、これは、水を吸収して、周囲のコーティングの障壁において浸透圧勾配に影響する。適当なオスモゲンは、限定はされないが、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、及び硫酸ナトリウムなどの無機塩類;デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、ラクトース、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、スクロース、トレハロース、及びキシリトールなどの糖類;アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p-トルエンスルホン酸、コハク酸、及び酒石酸などの有機酸;尿素;並びにこれらの混合物を含む。
【0151】
種々の溶出速度の浸透物質を用いて、有効成分が初期に剤形から送達される速度に影響を与えることができる。例えば、MANNOGEM(商標)EZ(SPI Pharma社、Lewes、DE)などの非晶形の糖を使用して、初期の2、3時間で速い送達を提供し、速やかに所望の治療効果を奏し、長期間にわたって、所定レベルの治療効果若しくは予防効果を維持する残量の徐放及び連続的な放出を生ずることができる。この場合、有効成分は、代謝及び排出した該有効成分の量を補充するような割合で放出される。
【0152】
またコア部は、本明細書中に記載の種々様々の他の賦形剤及び担体を含み、剤形の性能を向上させるか、又は安定性若しくは加工を向上させることもできる。
【0153】
半透膜を形成するのに有用な材料は、生理学上適切なpHで透水性及び不水溶性であるか、あるいは架橋などの化学変成によって不水溶性にされやすい、種々の等級のアクリル樹脂、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステル、及びセルロース誘導体を含む。コーティングを形成するのに適当な高分子の一例は、可塑性、非可塑性及び強化酢酸セルロース(CA)、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸CA、硝酸セルロース、酢酸酪酸セルロース(CAB)、カルバミン酸エチルCA、CAP、カルバミン酸メチルCA、コハク酸CA、トリメリト酸酢酸セルロース(CAT)、ジメチルアミノ酢酸CA、炭酸エチルCA、クロロ酢酸CA、シュウ酸エチルCA、スルホン酸メチルCA、スルホン酸ブチルCA、スルホン酸p-トルエンCA、酢酸カンテン、三酢酸アミロース、酢酸βグルカン、三酢酸βグルカン、ジメチル酢酸アセトアルデヒド、ローカストビーンガムのトリアセテート、ヒドロキシル化エチレン-酢酸ビニル、EC、PEG、PPG、PEG/PPG共重合体、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸とエステル、ポリ(メタクリル)酸とエステル、及びこれらの共重合体、デンプン、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルキレン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリハロゲン化ビニル、ポリビニルエステルとエーテル、天然ワックス、並びに合成ワックスを含む。
【0154】
また半透膜は、疎水性微孔膜であってもよく、米国特許第5,798,119号に開示されるように、孔は実質的にガスで満たされており、かつ水性媒体によって濡らされていないが、水蒸気に対して浸透性である。このような疎水性であるが水蒸気浸透性の膜は、典型的に、ポリアルキレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリハロゲン化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルエステルとエーテル、天然ワックス、並びに合成ワックスなどの疎水性高分子からなる。
【0155】
半透膜の送達ポートは、機械穿孔又はレーザードリルによってコーティング後に形成され得る。送達ポートはまた、水溶性物質のプラグの浸食、又はコア部の窪みにおける膜の薄い部分の破断によって、原位置(in situ)で形成することもできる。加えて、送達ポートは、米国特許第5,612,059号及び第5,698,220号に開示されている型の非対称膜コーティングの事例のように、コーティング工程時に形成してもよい。
【0156】
放出される有効成分の全量及び放出速度は、半透膜の厚さ及び孔隙率、コア部の組成、並びに送達ポートの数、サイズ及び位置によって実質的に調整することができる。
【0157】
浸透性制御放出剤形中の医薬組成物は、製剤の性能又は加工を向上させるために、本明細書中に記載の追加的な従来の賦形剤又は担体を更に含むことができる。
【0158】
該浸透性制御放出剤形は、当業者に公知の従来法及び従来技術によって製造することができる(Remingtonの文献:「薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」上記;Santus及びBakerの文献:J. Controlled Release 1995, 35, 1-21;Vermaらの文献:Drug Development and Industrial Pharmacy 2000, 26, 695-708;Vermaらの文献J. Controlled Release 2002, 79, 7-27を参照)。
【0159】
特定の実施態様において、本明細書で提供される医薬組成物は、AMT制御放出剤形として製剤化され、該剤形は、有効成分と他の医薬として許容し得る賦形剤又は担体とを含むコアをコーティングする非対称浸透膜を具備する。米国特許第5,612,059号及び国際公開公報第2002/17918号を参照されたい。AMT制御放出剤形は、直接打錠法、乾式造粒法、湿式造粒法、及びディップコーティング法を含む、当業者に公知の従来法及び従来技術によって製造することができる。
【0160】
特定の実施態様において、本明細書中で提供される医薬組成物は、ESC制御放出剤形として製剤化され、該剤形は、有効成分、ヒドロキシエチルセルロース、及び他の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含むコアをコーティングする浸透膜を具備する。
【0161】
(3.多粒子制御放出デバイス)
放出調節剤形の本明細書中で提供される医薬組成物は、多粒子制御放出デバイスとして製造することができ、これは、約10μm〜約3mm、約50μm〜約2.5mm若しくは約100μm〜約1mmの直径の多数の粒子、顆粒、又はペレット含む。このような多粒子は、乾式及び湿式造粒法、押出/球状化、ローラー圧縮、溶融凝固(melt congealing)を含む当業者に公知の工程によって、及びスプレーコーティングシードコア(spray-coating seed core)によって作製することができる。例えば、「多粒子経口ドラッグデリバリー(Multiparticulate Oral Drug Delivery)」;Ghebre-Sellassie編集;Marcel Dekker:1994;及び「製薬球状化技術(Pharmaceutical Pelletization Technology)」;Ghebre-Sellassie編集;Marcel Dekker:1989を参照されたい。
【0162】
本明細書中に記載の他の賦形剤又は担体は、多粒子の加工及び形成のために医薬組成物と混合され得る。得られる粒子はそれら自身、多粒子デバイスを構成することができるか、又は腸溶ポリマー、水膨張性、及び水溶性高分子などの種々の膜形成材料によってコーティングされてもよい。該多粒子は、更にカプセル又は錠剤として加工することができる。
【0163】
(4.標的送達)
本明細書中で提供される医薬組成物は、治療されるべき対象の特定の組織、受容体又は身体の他の領域を目標とするように製剤化することもでき、リポソーム送達系、再封赤血球系、及び抗体系送達系を含む。例を挙げると、米国特許第5,709,874号;第5,759,542号;第5,840,674号;第5,900,252号;第5,972,366号;第5,985,307号;第6,004,534号;第6,039,975号;第6,048,736号;第6,060,082号;第6,071,495号;第6,120,751号;第6,131,570号;第6,139,865号;第6,253,872号;第6,271,359号;第6,274,552号;第6,316,652号;及び第7,169,410号に開示されるものがあるが、これらに限定されない。
【0164】
(使用方法)
一実施態様において、対象において増殖性疾患を治療する方法であって、該対象に、治療上有効な量の、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩、又はその水和物若しくは医薬として許容し得る溶媒和物、又は形態A、B、C、D、E及びFを含むその結晶形態を投与することを含む、前記方法が本明細書中に提供される。
【0165】
特定の実施態様において、増殖性疾患は骨髄増殖性疾患であり、真性多血症(PCV)、本態性血小板血症、及び特発性骨髄線維症(IMF)を含むが、これらに限定されない。特定の実施態様において、増殖性疾患は白血病であり、骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、イマチニブ抵抗性CML、急性骨髄性白血病(AML)及び急性巨核芽球性白血病(AMKL)を含むが、これらに限定されない。特定の実施態様において、増殖性疾患はリンパ増殖性疾患であり、骨髄腫を含むが、これに限定されない。特定の実施態様において、増殖性疾患は癌であり、頭頸部癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、黒色腫、肺癌、脳腫瘍、膵癌、及び腎癌を含むが、これに限定されない。特定の実施態様において、増殖性疾患は炎症性疾患又は障害であり、免疫機能障害、免疫不全、免疫調節、自己免疫疾患、組織移植片拒絶、移植片対宿主病、創傷治癒、腎疾患、多発性硬化症、甲状腺炎、1型糖尿病、サルコイドーシス、乾癬、アレルギー性鼻炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎(UC)、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、骨粗鬆症、喘息、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)、並びにドライアイ症候群(又は乾性角結膜炎(KCS)を含むが、これに限定されない。
【0166】
別の実施態様において、対象においてJAK仲介性の状態、疾患又は障害を治療し、予防し、又は寛解させる方法であって、該対象に、治療上有効な量の、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩、又はその水和物若しくは医薬として許容し得る溶媒和物、又は形態A、B、C、D、E及びFを含むその結晶形態を投与することを含む、前記方法が本明細書中に提供される。
【0167】
特定の実施態様において、JAK仲介性の状態、疾患又は障害は骨髄増殖性疾患であり、真性多血症(PCV)、本態性血小板血症、及び特発性骨髄線維症(IMF)を含むが、これらに限定されない。特定の実施態様において、JAK仲介性の状態、疾患又は障害は白血病であり、骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、イマチニブ抵抗性CML、急性骨髄性白血病(AML)及び急性巨核芽球性白血病(AMKL)を含むが、これらに限定されない。特定の実施態様において、JAK仲介性の状態、疾患又は障害はリンパ増殖性疾患であり、骨髄腫を含むが、これに限定されない。特定の実施態様において、JAK仲介性の状態、疾患又は障害は癌であり、頭頸部癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、黒色腫、肺癌、脳腫瘍、膵癌、及び腎癌を含むが、これに限定されない。特定の実施態様において、JAK仲介性の状態、疾患又は障害は炎症性疾患又は障害であり、免疫機能障害、免疫不全、免疫調節、自己免疫疾患、組織移植片拒絶、移植片対宿主病、創傷治癒、腎疾患、多発性硬化症、甲状腺炎、1型糖尿病、サルコイドーシス、乾癬、アレルギー性鼻炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎(UC)、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、骨粗鬆症、喘息、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)、並びにドライアイ症候群(又は乾性角結膜炎(KCS)を含むが、これに限定されない。
【0168】
特定の実施態様において、限定はされないが、下記を含む骨髄増殖性疾患から選択される疾患又は障害の治療、予防又は寛解のための、開示の化合物及び組成物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは水和物の使用方法が本明細書中に提供される:真性多血症(PCV)、本態性血小板血症、特発性骨髄線維症(IMF)及び好酸球増加症候群(HES);限定はされないが、骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、イマチニブ抵抗性CML、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)及び急性巨核芽球性白血病(AMKL)を含む白血病;限定はされないが、骨髄腫を含むリンパ増殖性疾患;限定はされないが、頭頸部癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、黒色腫、肺癌、脳癌、膵癌、胃癌、甲状腺癌、腎癌、カポジ肉腫、キャッスルマン病、及び黒色腫を含む癌;限定はされないが、免疫機能障害、免疫不全、又は免疫調節、例えば、組織移植片拒絶、移植片対宿主病、創傷治癒、腎疾患、自己免疫疾患、多発性硬化症、甲状腺炎、1型糖尿病、サルコイドーシス、乾癬、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚、重症筋無力症、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎(UC)、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、骨粗鬆症、喘息、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)、結膜炎、ぶどう膜炎、虹彩炎、強膜炎、鼻炎、副鼻腔炎、気管支炎、心筋炎、虚血再灌流障害、全身性炎症反応症候群(SIRS)、及び敗血症を含む炎症性疾患。
【0169】
特定の実施態様において、JAK仲介性の疾患及び障害は、再狭窄、線維症、及び強皮症を含むが、これらに限定されない。特定の実施態様において、JAK仲介性疾患は、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、肝炎(B型肝炎又はC型肝炎)、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)、水痘帯状疱疹ウイルス、及びヒトパピローマウイルス(HPV)などのウイルス性疾患を含むが、これらに限定されない。
【0170】
特定の実施態様において、本明細書中で提供される塩は、約0.01〜約1,000mg/kg、約0.1〜約500mg/kg、約0.1〜約250mg/kg、又は約0.1〜約100mg/kgの範囲の量で対象に投与される。
【0171】
特定の実施態様において、本明細書中で提供される塩は、約0.01〜約1,000mg/kg/日、約0.1〜約500mg/kg/日、約0.1〜約250mg/kg/日、又は約0.1〜約100mg/kg/日の範囲の量で対象に投与される。特定の実施態様において、本明細書中で提供される塩は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約50、約60、約70、約75、約80、約90、約100、約105、約120、約130、約140、約150、約160、約170、約180、約190、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約750、約800、約900、又は約1,000mg/kg/日の量で対象に投与される。
【0172】
本明細書中で提供される塩の投与量はまた、「mg/kg/日」以外の単位で表すこともできる。例えば、非経口投与の用量は、「mg/m
2/日」で表すことができる。当業者は、対象の身長若しくは体重のいずれか、又はこれらの両方を考慮してmg/kg/日からmg/m
2/日へ用量を変換する方法を容易に理解するであろう(www.fda.gov/cder/cancer/animalframe.htm参照)。例えば、65 kgのヒトの1mg/kg/日の用量は、およそ38mg/m
2/日に等しい。
【0173】
治療すべき疾患及び対象の状態に応じて、本明細書中で提供される塩は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、嚢内注射若しくは注入、皮下注射、又は埋込み)、吸入、鼻、膣、直腸、舌下、又は局所(例えば、経皮的若しくは局部的)の投与経路によって投与され得る。本明細書中で提供される塩は、単独で、又はそれぞれの投与経路に適した医薬として許容し得る賦形剤、担体、補助薬及びビヒクルとともに適切な単位剤形で製剤化することができる。
【0174】
本明細書中で提供される塩は、例えば、単回ボーラス注射、又は経口錠剤若しくは丸剤などの単回投与として;あるいは、例えば、長期の連続注入、若しくは長期の分割したボーラス投与など長期間にわたり送達することができる。
【0175】
本明細書中で提供される塩は、1日1回(QD)で、又は複数の日用量、例えば、1日2回(BID)、1日3回(TID)及び1日4回(QID)などに分けて投与することができる。加えて、投与は連続的、すなわち、毎日であるか、又は断続的であってもよい。本明細書中では、用語「断続的な」又は「断続的に」は、規則的な又は不規則的な間隔で停止すること及び開始することを意味すると意図される。例えば、本明細書中で提供される塩の断続的な投与は、週1〜6日の投与、周期(例えば、2〜8の連続した週の毎日投与、その後の1週以内の投与のない休息期間)での投与、又は隔日での投与である。
【0176】
特定の実施態様において、本明細書中で提供される塩の投与の頻度は、大体毎日投与から大体毎月投与の範囲である。特定の実施態様において、本明細書中で提供される塩の投与は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日おきに1回、週2回、毎週1回、2週毎に1回、3週毎に1回、又は4週毎に1回である。一実施態様において、本明細書中で提供される塩は、1日1回投与される。別の実施態様において、本明細書中で提供される塩は、1日2回投与される。更に別の実施態様において、本明細書中で提供される塩は、1日3回投与される。更なる別の実施態様において、本明細書中で提供される塩は、1日4回投与される。
【0177】
特定の実施態様において、対象は哺乳動物である。特定の実施態様において、哺乳動物はヒトである。
【0178】
一実施態様において、増殖性疾患は腫瘍である。別の実施態様において、増殖性疾患は固形腫瘍である。特定の実施態様において、固形腫瘍は進行性固形腫瘍である。特定の実施態様において、固形腫瘍は転移性固形腫瘍である。更に別の実施態様において、増殖性疾患は癌である。更に別の実施態様において、増殖性疾患は進行癌である。特定の実施態様において、固形腫瘍は転移癌である。
【0179】
特定の実施態様において、本明細書中で提供される方法で治療可能な癌は、限定はされないが、以下を含む:(1)急性白血病、急性骨髄白血病(AML)、急性リンパ性白血病、骨髄芽球、前骨髄球、骨髄単球性、単球などの急性骨髄性白血病、赤白血病、骨髄異形成症候群若しくはその症状(貧血、血小板減少症、好中球減少、両血球減少、若しくは汎血球減少症など)、不応性貧血(RA)、環状鉄芽球によるRA(RARS)、芽球増加によるRA (RAEB)、形質転換RAEB(RAEB-T)、前白血病、及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)を含むが、これらに限定されない白血病;(2)慢性骨髄性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ球性白血病、及び毛様細胞性白血病を含むが、これらに限定されない慢性白血病;(3)真性赤血球増加;(4)ホジキン病及び非ホジキン病を含むが、これらに限定されないリンパ腫;(5)くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌性骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、形質細胞白血病、孤発性形質細胞腫、及び髄外性形質細胞腫を含むが、これらに限定されない多発性骨髄腫;(6)ワルデンストレームマクログロブリン血症;(7)良性単クローン性免疫グロブリン血症;(8)良性単クローン性γグロブリン血症;(9)重鎖病;(10)骨肉腫、骨原性肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性巨細胞腫、骨繊維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、軟部組織肉腫、血管肉腫(血管内皮腫)、繊維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、転移癌、神経鞘腫、横紋筋肉腫、及び滑膜肉腫を含むが、これらに限定されない、骨及び結合組織の肉腫;(11)神経膠腫、星状細胞腫、脳幹部グリオーマ、上衣腫、希突起膠腫、非神経膠腫瘍(nonglial tumor)、聴神経腫、頭蓋咽頭腫、髄芽細胞腫、髄膜腫、松果体腫、松果体芽腫、及び主要な脳リンパ腫を含むが、これらに限定されない脳腫瘍;(12)腺癌、小葉(小細胞)癌、腺管内癌、乳房髄様癌、乳房粘液癌、乳腺管状癌、乳頭状乳癌、原発性癌、パジェット病、及び炎症性乳癌を含むが、これらに限定されない乳癌;(13)褐色細胞腫及び副腎皮質癌を含むが、これらに限定されない副腎癌;(14)甲状腺乳頭癌若しくは濾胞性甲状腺癌、髄様甲状腺癌、及び組織非形成性甲状腺癌を含むが、これらに限定されない甲状腺癌;(15)インシュリノーマ、多発性胃潰瘍、グルカゴノーマ、ビポーマ、ソマトスタチン分泌腫瘍、及び類癌腫若しくは島細胞腫を含むが、これらに限定されない膵臓癌;(16)クッシング症候群、プロラクチン分泌腫瘍、先端肥大症、及び尿崩症を含むが、これらに限定されない下垂体癌;(17)虹彩黒色腫、脈絡膜黒色腫、及び毛様体黒色腫などの眼球黒色腫、並びに網膜芽細胞腫を含むが、これらに限定されない眼癌;(18)扁平上皮癌、腺癌及び黒色腫を含むが、これらに限定されない膣癌;(19)扁平上皮癌、黒色腫、腺癌、基底細胞癌、肉腫、及びパジェット病を含むが、これらに限定されない外陰部癌;(20)扁平上皮癌及び腺癌を含むが、これらに限定されない子宮頸癌;(21)子宮内膜癌及び子宮肉腫を含むが、これらに限定されない子宮癌;(22)卵巣上皮悪性腫瘍、境界型腫瘍、生殖細胞腫瘍、及び間質腫瘍 を含むが、これらに限定されない卵巣癌;(23)扁平上皮癌 、腺癌、腺様嚢胞癌、粘液性類表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、黒色腫、形質細胞腫、疣状癌、及び燕麦細胞(小細胞)癌を含むが、これらに限定されない食道癌;(24)腺癌、菌状(ポリープ様)、潰瘍化、表在拡大型、びまん性、悪性リンパ腫、脂肪肉腫、繊維肉腫、及び癌肉腫を含むが、これらに限定されない胃癌;(25)結腸癌;(26)直腸癌;(27)肝細胞癌及び肝芽腫を含むが、これらに限定されない肝臓癌;(28)腺癌を含むが、これに限定されない胆嚢癌;(29)乳頭状、結節性、及びびまん性を含むが、これらに限定されない胆管癌;(30)非小細胞肺癌、扁平上皮癌(類表皮癌)、腺癌、大細胞癌、及び小細胞肺癌を含むが、これらに限定されない肺癌;(31)胚腫瘍、精上皮腫、未分化、古典型(典型的)、精母細胞性、非精上皮腫、胎生期腫瘍、奇形腫癌、及び絨毛膜癌腫(卵黄嚢腫瘍)を含むが、これらに限定されない睾丸癌;(32)腺癌、平滑筋肉腫、及び横紋筋肉腫を含むが、これらに限定されない前立腺癌;(33)陰茎癌(penal cancer);(34)扁平上皮癌を含むが、これに限定されない口腔癌;(35)基底癌;(36)腺癌、粘液性類表皮癌、及び腺様嚢胞癌を含むが、これらに限定されない唾液腺癌;(37)扁平上皮細胞癌及び疣贅性を含むが、これらに限定されない咽頭癌;(38)基底細胞癌、扁平上皮癌及び黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、悪性黒子型黒色腫、及び末端性黒子型黒色腫を含むが、これらに限定されない皮膚癌;(39)腎細胞癌、腺癌、副腎腫、繊維肉腫、及び移行細胞癌(腎盂及び/又は尿管(uterer))を含むが、これらに限定されない腎臓癌;(40)ウィルムス腫瘍;(41)移行上皮癌、扁平上皮細胞癌、腺癌、及び癌肉腫を含むが、これらに限定されない膀胱癌;並びに粘液肉腫、骨原性肉種、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、中皮腫、滑膜腫、血管芽腫、上皮性悪性腫瘍、嚢胞腺癌、気管支原性癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、及び乳頭腺癌を含むが、これらに限定されない他の癌(Fishmanらの文献:1985,「医学(Medicine)」第2版、J. B. Lippincott Co., Philadelphia;及びMurphyらの文献;1997, 「詳細な説明を受けた上での決断:癌診断、治療及び回復の完全本(Informed Decisions:The Complete Book of Cancer Diagnosis, Treatment, and Recovery)」Viking Penguin, Penguin Books U.S.A., Inc., United States of Americaを参照)。
【0180】
特定の実施態様において、本明細書中で提供される方法で治療可能な癌は、限定はされないが、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌(例えば、結腸直腸癌)、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、神経膠腫(例えば、膠芽腫)、頭頸部癌、肝臓癌、肺癌(例えば、小細胞及び非小細胞肺癌)、黒色腫、骨髄腫、神経芽細胞腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、皮膚癌(例えば、扁平上皮癌)、胃癌、睾丸癌、甲状腺癌、及び子宮癌を含む。
【0181】
特定の実施態様において、本明細書中で提供される方法で治療可能な癌は、限定はされないが、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌(例えば、結腸直腸癌)、子宮内膜癌、胃癌、神経膠腫(例えば、膠芽腫)、頭頸部癌、肝臓癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、膵癌、及び前立腺癌を含む。
【0182】
特定の実施態様において、癌は頭頸部癌である。特定の実施態様において、癌は肺癌である。特定の実施態様において、癌は肺腺癌である。特定の実施態様において、癌は食道又は上部消化管癌である。
【0183】
特定の実施態様において、本明細書中で提供される方法のうちの1つで治療される対象は、抗癌治療で治療されていない。特定の実施態様において、本明細書中で提供される方法のうちの1つで治療される対象は、抗癌治療で治療されている。
【0184】
本明細書中で提供される方法は、一部の疾患又は障害が特定の年齢のグループにおいて、より一般的であるが、患者の年齢にかかわらず、対象を治療することを包含する。更に、疾患又は状態を治療しようとして手術を受けた、及び該手術を受けていない対象の治療方法を提供する。癌を有する対象には、種々雑多な臨床症状があり、かつ該対象は臨床結果が変化するので、特定の対象に行う治療は、その人の予後に応じて変更してもよい。
【0185】
特定の実施態様において、本明細書中で提供される各方法は独立して、第二の治療薬を投与する工程を更に含み得る。一実施態様において、第二の治療薬は抗癌剤である。一実施態様において、抗癌剤は代謝拮抗薬であり、限定はされないが、シタラビン(シトシンアラビノシド又はAra-Cとしても公知)、フルダラビン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、HDAC(高用量シタラビン)、6-メルカプトプリン、メトトレキサート、及びペメトレキセドを含む。別の実施態様において、抗癌剤は微小管阻害薬であり、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン及びビノレルビン)及びタキサン(例えば、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル(ABRAXANE(登録商標))及びドセタキセル)を含むが、これらに限定されない。更に別の実施態様において、抗癌剤はアルキル化剤であり、ブスルファン、カルムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、フルダラビン、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、及びニトロソウレア(例えば、ビスクロロエチルニトロースウレア(bischloroethylnitrosurea)、ヒドロキシウレア、カルムスチン、及びロムスチン)を含むが、これらに限定されない。更に別の実施態様において、抗癌剤は白金剤であり、カルボプラチン、CI-973、シスプラチン、オキサリプラチン、及びサトラプラチン(JM-216)を含むが、これらに限定されない。更に別の実施態様において、抗癌剤はアントラサイクリンであり、アドリアマイシン、ダウノルビシン、及びドキソルビシンを含むが、これらに限定されない。更に別の実施態様において、抗癌剤は抗腫瘍抗生物質であり、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ダウノマイシン(ダウノルビシンとしても公知)、ドキソルビシン、イダルビシン、及びマイトマイシンを含むが、これらに限定されない。更に別の実施態様において、抗癌剤はトポイソメラーゼ阻害薬であり、カンプトテシン、エトポシド、イリノテカン、及びトポテカンを含むが、これらに限定されない。更に別の実施態様において、抗癌剤はキナーゼ阻害薬であり、エルロチニブ及びイマチニブを含むが、これらに限定されない。更に別の実施態様において、抗癌剤はヌクレオシドであり、ゲムシタビンを含むが、これに限定されない。更に別の実施態様において、抗癌剤は、酵素(アスパラギナーゼ)、ホルモン(タモキシフェン、リュープロリド、フルタミド及びメゲストロール)、ヒドロキシウレア、インターフェロン、及びオブリメルセンからなる群から選択される。更に別の実施態様において、抗癌剤はモノクローナル抗体であり、ベバシズマブ及びセツキシマブを含むが、これに限定されない。最新の癌治療のより包括的な考察については、http://www.nci.nih.gov/、http://www.fda.gov/cder/cancer/druglistframe.htmのFDA承認腫瘍薬剤の一覧、及び「Merckマニュアル(The Merck Manual)」、第17版、1999を参照されたい(これらの全体の内容は、引用により本明細書中に組み込まれる)。
【0186】
本明細書中に提供される塩の投与経路は、第二の治療薬の投与経路とは独立している。一実施態様において、本明細書中に提供される塩は、経口投与される。別の実施態様において、本明細書中に提供される塩は、静脈内投与される。したがって、これらの実施態様によると、本明細書中に提供される塩は、経口又は静脈内投与され、かつ第二の治療薬は、経口的に、非経口的に、腹腔内に、静脈内に、動脈内に、経皮的に、舌下に、筋肉内に、直腸性に、経頬側に(transbuccally)、鼻腔内に、リポソームで、吸入により、膣内に、眼内に、カテーテル又はステントによる局所送達により、皮下に、脂肪内に(intraadiposally)、関節内に、くも膜下腔内に、又は徐放剤形で投与することができる。一実施態様において、本明細書中に提供される塩及び第二の治療薬は、経口又はIVの同じ投与様式で投与される。別の実施態様において、本明細書中に提供される塩は、一投与様式、例えば、経口で投与されるが、第二の治療薬(抗癌剤)は、別の投与様式、例えば、IVで投与される。
【0187】
本明細書中に提供される化合物と組合せて使用され得る他の治療法又は抗癌剤は、外科手術、放射線療法、内分泌療法、生体応答修飾物質(例えば、インターフェロン、インターロイキン、及び腫瘍壊死因子(TNF))、温熱療法及び寒冷療法、並びに有害作用を軽減する薬剤(例えば、制吐薬)を含む。
【0188】
更に別の実施態様において、細胞の成長を阻害する方法であって、細胞を、有効量の(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩、又はその水和物若しくは医薬として許容し得る溶媒和物、又は形態A、B、C、D、E及びFを含むその結晶形態と接触させることを含む、前記方法が本明細書中に提供される。
【0189】
特定の実施態様において、細胞は哺乳動物の細胞である。特定の実施態様において、哺乳動物の細胞はヒト細胞である。特定の実施態様において、細胞は腫瘍細胞である。特定の実施態様において、細胞は哺乳動物の腫瘍細胞である。特定の実施態様において、細胞はヒトの腫瘍細胞である。特定の実施態様において、細胞は癌細胞である。特定の実施態様において、細胞は哺乳動物の癌細胞である。特定の実施態様において、細胞はヒトの癌細胞である。
【0190】
特定の実施態様において、本明細書中で提供される方法で治療することができる癌細胞は、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌(例えば、結腸直腸癌)、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、神経膠腫(例えば、膠芽腫)、頭頸部癌、肝臓癌、肺癌(例えば、小細胞及び非小細胞肺癌)、黒色腫、骨髄腫、神経芽細胞腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、皮膚癌(例えば、扁平上皮癌)、胃癌、睾丸癌、甲状腺癌、及び子宮癌の細胞を含むが、これらに限定されない。
【0191】
特定の実施態様において、細胞は、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌(例えば、結腸直腸癌)、子宮内膜癌、胃癌、神経膠腫(例えば、膠芽腫)、頭頸部癌、肝臓癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、膵臓癌、又は前立腺癌の細胞である。
【0192】
細胞増殖の阻害は、例えば、関心のある化合物と接触させた細胞の数を数えること、細胞増殖を該化合物と接触させていない別の同一細胞と比較すること、又は該細胞を包含する腫瘍のサイズを測定することによって評価することができる。細胞数、及び細胞のサイズは、当技術分野で公知の方法(例えば、トリパンブルー排除法、及び細胞計測、細胞の新生DNAへの
3H-チミジンへの取込みの測定)を使用して容易に評価することができる。
【0193】
更に別の実施態様において、JAKキナーゼの活性を調節する方法であって、JAKキナーゼを、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩、又はその水和物若しくは医薬として許容し得る溶媒和物、又は形態A、B、C、D、E及びFを含むその結晶形態と接触させることを含む、前記方法が本明細書中に提供される。特定の実施態様において、JAKキナーゼの活性を阻害する方法であって、JAKキナーゼを、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩、又はその水和物若しくは医薬として許容し得る溶媒和物と接触させることを含む、前記方法が本明細書中に提供される。特定の実施態様において、JAKキナーゼは構造的に活性化されている。特定の実施態様において、JAKキナーゼは変異されている。
【0194】
本明細書中で提供される塩はまた、当業者に周知の包装材料を使用して、一製品として提供することができる。例えば、米国特許第5,323,907号、第5,052,558号、及び第5,033,252号を参照されたい。医薬包装材料の一例は、ブリスターパック、瓶、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、並びに選択した製剤並びに投与及び治療の意図した方式に適した任意の包装材料を含むが、これらに限定されない。
【0195】
また、医師により使用される場合に、対象への適切な量の有効成分の投与を単純化することができるキットが本明細書中に提供される。特定の実施態様において、本明細書に提供されるキットは、容器及び本明細書で提供される塩の剤形を含む。
【0196】
特定の実施態様において、キットは、本明細書中に提供される塩の剤形を含む容器を、1以上の容器に含む。
【0197】
本明細書中に提供されるキットは、有効成分を投与するのに使用するデバイスを更に含み得る。このようなデバイスの例は、限定はされないが、シリンジ、無針注射器、ドリップバッグ、パッチ、及び吸入器を含む。本明細書で提供されるキットはまた、有効成分投与のためのコンドームも含み得る。
【0198】
本明細書で提供されるキットは、1以上の有効成分を投与するのに使用することができる、医薬として許容し得るビヒクルを更に含み得る。例えば、有効成分を、非経口投与のために再構成する必要がある固形で提供する場合、該キットは、適切なビヒクルの密封容器を含み、該有効成分が溶解し、非経口投与に適切な粒子を含まない滅菌溶液を形成することができる。医薬として許容し得るビヒクルの一例は、次のものを含むが、これらに限定されない:米国薬局方注射水、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液、及び乳酸リンゲル注射液を含むが、これらに限定されない水性注射液;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールを含むが、これらに限定されない水混和性ビヒクル;並びにトウモロコシ油、綿実油、落花生油、胡麻油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルを含むが、これらに限定されない非水性ビヒクル。
【0199】
本開示は以下の非限定的な実施例によって、更に理解されるであろう。
【実施例】
【0200】
本明細書において、これらのプロセス、スキーム及び実施例に使用される記号及び規則は、特定の略語が具体的に定義されるか否かにかかわらず、現代の科学文献、例えば、Journal of the American Chemical Society又はJournal of Biological Chemistryに使用されるものと一致する。具体的には、限定はされないが、実施例及び明細書を通して下記の略語が使用され得る:g(グラム);mg(ミリグラム);mL(ミリリットル);μL(マイクロリットル);L(リットル);mM(ミリモル濃度);μM(マイクロモル濃度);Hz(ヘルツ);MHz(メガヘルツ);mmol(ミリモル);eq.(当量);hr又はhrs(時間);min(分);MS(質量分析);NMR(核磁気共鳴);ESI(エレクトロスプレーイオン化);DSC(示差走査熱量測定);OM(光学顕微鏡);TGA(熱重量分析);XRPD(X線粉末回折);API(医薬品有効成分);RT(室温);ACN(アセトニトリル);tBuOH(tert-ブタノール);CHC1
3(クロロホルム);DCM(ジクロロメタン);DMF(N,N-ジメチルホルムアミド);DMSO(ジメチルスルホキシド);EtOAc(酢酸エチル);EtOH(エタノール);HEIPA(ヘキサフルオロイソプロパノール);IPA(イソプロパノール);IPE(イソプロピルエーテル);MCH(メチルシクロヘキサン);MEK(メチルエチルケトン);MeOH(メタノール);MTBE(メチルtert-ブチルエーテル);TFE(2,2,2-トリフルオロエタノール);THF(テトラヒドロフラン);Me(メチル);Et(エチル);iPr(イソプロピル);tBu(tert-ブチル);Boc(tert-ブトキシルカルボニル);及びBn(ベンジル)。
【0201】
以下の実施例の全てについて、当業者に公知の標準的な後処理及び精製方法が利用され得る。特に指示がない限り、全ての温度は、℃(セ氏温度)で表される。全ての手順は、特に指示がない限り室温で行われた。本明細書中に提示される方法論は、具体的な実施例の使用を通して適用可能な化学を例示することを意図しており、開示の範囲を示すものではない。
【0202】
NMRスペクトルについて、全てのサンプルは、重水素化DMSO中で調製した。結合定数(J)はヘルツ(Hz)であり、ピークはTMS(δ0.00ppm)に対して記載される。
【0203】
X線粉末回折分析は、120°の2θ範囲を有するCPS(湾曲位置敏感形(Curved Position Sensitive))検出器を備えたInel XRG-3000回折計を用いた。0.03°2θの分解能でCuKa放射線を使用してリアルタイムデータを収集した。管の電圧及びアンペア数を、それぞれ40kV及び30mAに設定した。モノクロメータースリットを5mm×160μmでセットした。パターンは、2.5〜40°2θを表示した。分析用に試料を薄壁ガラスキャピラリーに調製した。データ取得中にキャピラリーを回転するように駆動するゴニオメーターヘッドに、各キャピラリーを取り付けた。試料を300秒間分析した。機器校正はケイ素標準品を用いて行った。
【0204】
Bruker社D-8 Discover回折計及びBruker社General Area Diffraction Detection System(GADDS、v.4.1.20)を用いて、96ウェルプレート中の試料のXRPDパターンを収集した。CuKa放射線の入射ビームを、微小焦点管(40kV、40mA)、Gobelミラー及び0.5mmのダブルピンホールコリメータ(double-pinhole collimator)を用いて生成した。ウェルプレートを移動ステージに固定し、各試料を入射ビームに交差するように動かして、試料を分析用に位置付けした。透過法(transmission geometry)を用いて試料を分析した。入射ビームを分析の間各試料に対して走査させて、配向統計量(orientation statistics)を最適化した。ビームストップを使用して、低角度での入射ビームからの空気散乱を最小化した。試料から15cmに位置するHi-Star領域検出器を使用して回折パターンを収集し、GADDSを使用して処理した。回折パターンのGADDS画像での強度を、0.04°2θのステップサイズを使用して積算した。積算したパターンは、2θの関数として回折強度を表示する。分析に先立って、ケイ素標準を分析してSi 111ピーク位置を確認した
【0205】
XRPD分析をPANalytical X'Pert Pro回折計を用いて収集した。Optix 長微小焦点管(long fin-focus source)を使用して生成したCu線を用いて試料を分析した。楕円型多層膜ミラーを使用して、線源のCuKα X線を試料を通し検出器に集光した。試料を3μm厚のフィルムで挟み、透過法で分析し、配向統計量を最適化するために回転させた。ビームストップを使用して、空気散乱によって生じるバックグランドを最小化した。ヘリウム及び散乱防止エクステンション(anti-scatter extension)を使用した。軸方向の発散を最小化するために入射及び回折ビームにソーラースリットを使用した。試料から240mmの位置で走査型位置敏感検出器(scanning position-sensitive detected)(X'Celerator)を使用して回折パターンを収集した。分析に先立って、シリコン試料(NIST製標準物質640c)を分析してシリコン111ピークの位置を確認した。
【0206】
TA Instruments社示差走査熱量計Q2000を使用して示差走査熱量測定(DSC)を行った。各試料をアルミニウム製DSCパンに置き、その重量を正確に記録した。密閉されたレーザーピンホール又はカバーされた蓋、及び波形のパン(crimped pan)を使用した。試料セルを-30℃で平衡化し、窒素パージ下、10℃/分の速度で、最終温度200℃又は250℃まで加熱した。金属インジウムを校正標準として使用した。報告温度は転移最大(transition maxima)のものである。
【0207】
TA Instruments社Q5000IR熱重量分析計を使用して熱重量分析(TGA)を行った。各試料をアルミニウム製サンプルパンに置き、TG炉に挿入し、正確に秤量した。炉を周囲温度から、窒素下、10℃/分の速度で最終温度350℃まで加熱した。ニッケル及びALUMEL(商標)を校正標準として使用した。
【0208】
水分の収着/脱着データをVTI SGA-100蒸気収着析器で収集した。収着及び脱着データを、5%〜95%相対湿度(RH)の範囲にわたり10%RH間隔で、窒素パージ下で収集した。分析前に試料を乾燥させなかった。分析に使用した平衡基準は、5分間で0.0100%重量未満であり、重量基準が満たない場合は、3時間の最大平衡時間を用いた。データは、試料の初期水分含量について補正しなかった。NaCl及びPVPを校正標準として使用した。
【0209】
炭素、水素、窒素及び臭素について元素分析をRobertson Microlit Laboratory(Madison, New Jersey)にて行った。
【0210】
Olympus BX51顕微鏡に設置したLinkam FTIR 600高温ステージを使用して、高温顕微鏡観察を行った。温度の読取りはサーモカップルにより取得した。試料をカバーガラス上に置き、第二のカバーガラスをサンプル上部に置いた。各試料を交差偏光子を有する10×対物レンズを使用して視覚的に観察した。観察結果は視覚による。
【0211】
(実施例1)
((4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩の製造)
丸底フラスコ中の(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノール(260g、0.744mol)とエタノール(2.86L)との混合物を窒素下、30〜40分間還流で加熱し、次いで、還流を維持しながら48%水性HBr(125.5g、0.744mmol)を加えた。混合物を25〜30℃に冷却させ、該混合物を25〜30℃で1時間撹拌した。固体をろ過により回収し、フレッシュなエタノール(0.52L)で十分に洗浄した。該固体を55〜65℃で12〜14時間乾燥させて、(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノール臭化水素酸塩(276g、86%)を得た。HPLC(AUC)99.9%。
【0212】
(実施例2)
(形態Aの特性評価)
形態AをX線粉末回折(XRPD)、熱重量分析(TG)、示差走査熱量測定(DSC)、水分収着分析、高温顕微鏡法、及びプロトン核磁気共鳴分光法(
1H NMR)により特徴付けを行った。全体的に、形態AのHBr塩は、残留溶媒を含む式Iの化合物の結晶塩に一致した。
【0213】
結晶形態Aの代表的XRPDパターンを
図1に示す。結晶形態AのいくつかのXRPDピークを表1に要約する。
【表1】
【0214】
XRPDデータは、結晶物質を示すピーク分解能を示した。XRPDパターンを指数付けするのに成功し、該試料が主に単結晶相からなることが示唆された。割当てられた消衰記号(extinction symbol)と一致する空間群、並びに単位胞パラメータ及び導かれた数量を表IIに示す。式Iの化合物はラセミ体であるので、P1(#1)とP-1(#2)のどちらもHBr塩の単位胞として可能性ある空間群である。これら空間群は指数付けのみに基づいて区別することはできない。
【0215】
熱重量分析データは、〜25℃と〜114℃との間で〜0.4wt%の減少を、続いて〜142℃と〜218℃との間で〜0.3wt%の減少を示す。どちらの重量減少も残留溶媒、おそらくエタノール及び/又は水の放出によるものであろう。〜259℃(開始)で分解に起因し得る鋭い重量減少が生じる。
【表2】
【0216】
DSCサーモグラムは、〜274.2℃で分解に起因する大きくブロードした吸熱(ピーク最大値)を示した。
【0217】
水分収着データは、限定された吸湿物質と一致する。データは、〜5%RHでの平衡時に〜0.3wt%の減少を示す。〜5%から〜95%RHまでの相対湿度の増加時に1.0wt%の増大が見られる。〜95%から〜5%RHまでの相対湿度の減少時に〜1.0wt%の減少が見られた。
【0218】
プロトン核磁気共鳴(
1H NMR)の〜7.0−8.5ppmの領域の化学シフト及び整数値は、全体的に式Iの化合物の塩と一致する。〜1.06ppmのピークは、式Iの化合物の1モルあたり〜0.02モルのエタノールに起因する可能性がある。
【0219】
乾燥条件下で、及び鉱油を使用して、形態AのHBr塩について高温顕微鏡法を行った。どちらの条件下でも、HBr塩の高温顕微鏡法から融解前に物質の物理的変化はないことが明らかとなった。該物質は、〜218と〜228℃との間で融解した。ドライアイスを用いた該物質の急速冷却(quench cooling)は、融解での分解を示す褐色の固体をもたらした。該物質を室温まで暖めると、褐色のオイルをもたらした。
【0220】
様々な溶媒を用いて更なる熱顕微鏡実験を行い、物理的形態の変化を評価した(表III)。6つの実験を行い、ここで少量の形態AのHBr塩をヘキサフルオロイソプロパノール又はジメチルスルホキシドに溶解させ、続いて溶媒を蒸発させた。6つの実験のうち5つで、溶媒を迅速に除去し、続いてガラスを形成するためにドライアイスでスライドを冷却した。1つ実験では、緩やかな加熱によって溶媒をゆっくりと除去した。ヘキサフルオロイソプロパノールをゆっくりと又は迅速に除去すると、複屈折及び消光を示す未知の形態の白色固体をもたらした。ジメチルスルホキシドを蒸発させ、続いて氷で急速冷却すると、ガラスをもたらした。しかしながら、溶媒(メタノール、水又はトルエン)の追加及び高温での蒸気ストレスは、視覚的には該ガラスを結晶化させるようには見えなかった。
【表3】
【0221】
(実施例3)
(形態Aの溶解性)
多形クリーンの予備的情報を提供するために、環境条件下での溶媒添加によって、形態AのHBr塩の選択溶媒への溶解度を評価した。表IVに示すように、HBr塩はヘキサフルオロイソプロパノール(>128mg/mL)及びジメチルホルムアミド(>114mg/mL)に溶解しやすかった。この物質はメタノール、メタノール/クロロホルム(1:1)、及びメタノール/テトラヒドロフランには、やや溶けにくいものであった(〜14−20mg/mL)。エタノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、及びt-ブタノール/水の1:1混合溶液には溶けにくく(〜3−7mg/mL)、かつアセトン、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ニトロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン、水、及びジメチルホルムアミド/水(1:4及び1:9)混合溶液では、〜2mg/mL未満の溶解度を示すことが見積もられた。
【表4】
【0222】
(実施例4)
((4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩の多形スクリーン)
(a.蒸発)
周囲温度で生成した溶液を、開放ウェルプレート(高速蒸発(fast evaporation)、FE)又はピンホールを有するアルミホイルで蓋したウェルプレート(低速蒸発(slow evaporation)、SE)のいずれで蒸発、乾燥させた。
【0223】
(b.回転蒸発)
溶液を周囲温度で生成し、ろ過した。次いで、高温でロータリーエバポレータ(RE)を用いて溶媒を除去した。
【0224】
(c.溶液冷却実験)
結晶形態Aの(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩を含有する溶液を高温で製造し、熱時ろ過し、過熱装置を停止する(低速冷却(slow cooling)、SC)か、ろ過した溶液を周囲の撹拌プレートに置く(高速冷却(fast cooling)、FC)か、又は熱時ろ過試料を冷却した容器に入れる(急速冷却(crash cooling)、CC)かのいずれかによって、室温まで冷却させた。形成された固体を真空ろ過によって単離した。
【0225】
(d.溶媒貧溶媒実験)
溶媒又は溶媒混合物の周囲温度での添加によって溶液を生成し、ろ過した。過剰の貧溶媒を加えた。沈殿した固体を真空ろ過によって単離した。
【0226】
(e.スラリー実験)
溶媒又は溶媒混合物を結晶形態Aの(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩に添加することによってスラリーを製造した。次いで、該混合物を密封したバイアル中、周囲温度又は設定温度のいずれかで撹拌した。所定の時間後に、固体を真空ろ過によって単離した。
【0227】
(f.蒸気拡散)
結晶形態Aの(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの臭化水素酸塩を、溶媒又は溶媒混合物に溶解させること、及び該溶液を含むバイアルを、貧溶媒を含む密封したチャンバに置くことによって、蒸気拡散実験を行った。
【0228】
(g.加熱及び蒸気ストレス実験)
周囲温度又は高温で所定の時間、試料を特定の相対湿度のRHジャーに置いた。熱ストレスについて、試料を特定の温度で加熱/真空オーブンに置いた。
【0229】
要約すると、実験の大部分で形態Aが得られた。特徴的なXRPDパターンを示す他の3つの結晶性物質が得られ、形態C、D及びEと指定した。形態B及びFと指定した2つの更なる結晶形態が、形態Aとの混合物として単離された。表Vに種々の結晶形態の製造条件を要約する。
【0230】
微小規模及び中規模実験間の使用について、非晶質の式Iの化合物のHBr塩を製造する2つの試みを行った。高温でのヘキサフルオロイソプロパノールからのHBr塩の回転蒸発による第一の試みは、XRPD結果に基づいて、無秩序な形態Aプラス形態Fと指定した物質をもたらした。この無秩序な混合物は、微小規模実験用の出発物質のひとつとした。この無秩序な形態Aと形態Fとの混合物について、更なる特徴付けは行わなかった。
【表5】
【0231】
t-ブタノール/水(1:1)から凍結乾燥することにより非晶質の式Iの化合物のHBr塩を製造するという第二の試みは、XRPD結果に基づいて無秩序な形態Aと指定した物質をもたらした。この無秩序な物質は、数に限りのある中規模実験に使用した。
【0232】
微小規模での96ウェルプレート及び中規模で行ったHBr塩の多形スクリーンの結果を表VI〜XIIIに示す。スクリーンの間に単離された固体物質をXRPDで分析した。
【表6】
【0233】
(微小規模(96ウェルプレート)での多形スクリーン)
96ウェルプレートを結晶化方法に基づいて以下の4つのゾーンに分けた:(i)溶液からの低速蒸発(表VII)、(ii)溶液からの高速蒸発(表VIII)、(iii)無秩序物質のスラリーからの低速蒸発(表IX)、及び(iv)無秩序物質のスラリーからの高速蒸発(表X)。種々の溶媒及び溶媒混合物を用いて結晶化条件を変化させた。
【0234】
微小規模実験のおよそ2/3が、形態Aに一致する物質をもたらした。残りのウェルは、形態B及び形態Cと指定した2つの新しい物質、又はこれら物質と形態Aとの混合物をもたらした。結果は、形態Bが純粋な物質として単離されなかったことを示している。
【0235】
形態A及びBの混合物が、以下の実験条件下で得られた:ヘキサフルオロイソプロパノール/アセトニトリル、ヘキサフルオロイソプロパノール/ニトロメタン、又はヘキサフルオロイソプロパノール/水の1:1混合物からの低速又は高速蒸発。
【0236】
メタノール/トルエンの2:1混合物の低速蒸発から、形態Cが得られた。また、トルエン含有溶媒混合物から形態Aと形態Cとの混合物が得られた。XRPD結果はまた、いくつかの実験条件及び溶媒混合物から形態A及びFの混合物を示した。テトラヒドロフラン中、及びテトラヒドロフランとエタノールとの1:1混合物中のスラリーの低速蒸発の2つの実験は、主に形態Aと一致し、〜6.8°2θに更なるピークが観察される物質をもたらした。2:1メタノール/ニトロメタン混合物の低速蒸発の単独実験は、〜19.1°2θに追加のピークを有する形態Aと同一のXRPDパターンを示す物質をもたらした。
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【0237】
(中規模での多形スクリーン)
微小規模実験から得られた予備的情報を用いて中規模実験を計画した。成長の熱力学的及び動力学的条件下での固体の生成を目標として、様々な結晶化条件を実施した。実験は、冷却(低速、高速及び急速冷却)、溶媒/貧溶媒沈殿、貧溶媒による蒸気拡散、並びに様々な溶媒及び溶媒混合物における高温及び周囲温度でのスラリー化を含んだ。形態A又は無秩序な形態AのHBr塩を、出発物質として使用した。
【0238】
十分な量で単離された全ての固体を、X線粉末回折で分析した。表XIには形態Aを用いて行った実験を要約し、一方、表XIIには様々な形態のHBr塩を用いて行った実験を要約する。表XIIIには2つの物質を標的とするスケールアップ実験のための条件を要約する。
【表11】
【表12】
【表13】
【0239】
出発物質として形態Aを使用して、16の中規模実験を行った。これらの実験の5つから、形態Aと一致する物質が得られた:クロロホルムをHBr塩のジメチルホルムアミド溶液に拡散させること、ヘキサフルオロイソプロパノール/アセトニトリル、及びヘキサフルオロイソプロパノール/アセトンを使用する溶媒/貧溶媒実験、テトラヒドロフランとエタノールとの1:1混合物からの急速冷却、メタノールとニトロメタンとの1:1混合物からの高速冷却。
【0240】
ヘキサフルオロイソプロパノール/ニトロメタンを用いた溶媒/貧溶媒実験から形態Aを有する混合物として、形態Bが一度だけ得られた。
【0241】
メタノール/トルエン(1:1)中のHBr塩の溶液の高速冷却から、純粋な形態Cが単独に得られた。高温のトルエン中のスラリーは、少量の形態Aを有する形態Cと一致する物質をもたらした。
【0242】
ジメチルホルムアミド/水混合物における低速冷却実験から、形態Eが無秩序な物質として得られた。形態Aを水中、〜60℃でおよそ7日間スラリー化すると、形態A及びEの混合物と一致する物質をもたらした。水を含有する2つの更なる実験は、主に形態Aと一致するが、非常に少量の形態Eを含み得る物質をもたらした。
【0243】
以下の2つの実験から形態Dが得られた:エタノール及びエタノール/水(4:1)中の高温のスラリー低速冷却実験。XRPD結果は、形態Dが形態Aと類似するが、20°2θより上で大きな変化が観察された。2つのXRPDパターン間の類似性は、2つの物質が構造的に関連し得ることを示唆している。
【0244】
酢酸エチル中のスラリーは〜45℃で、微小規模実験の間に観察されたピークに類似の〜6.8°2θのショルダーを有する形態Aと一致する物質をもたらした。
【0245】
出発物質として無秩序な形態Aを用いて、6つの実験を行った。凍結乾燥によって製造された無秩序な形態Aの使用は、エタノール中で低速冷却実験から結晶形態Aをもたらしたが、〜94%相対湿度におよそ3日間曝すと無秩序のままであった。形態A及びBの混合物を真空下、〜60℃でおよそ2日間乾燥させると、主に形態Aと一致し、少量の形態Bを有する物質をもたらした。形態Cを真空下、〜80℃でおよそ1日間乾燥させると、形態A及びCの混合物をもたらした。
【0246】
形態Dを真空下、〜40℃でおよそ3日間乾燥させると、形態Aと一致する物質をもたらした。真空下〜60℃でおよそ2日間乾燥させた後の形態EのXRPDパターンに、変化は見られなかった。
【0247】
中規模実験の間に使用したものと同じ方法を使用して、形態Cを〜400mgスケールで製造した;収率は〜34%であった。純粋な形態Eを単離することを試みて、5つの実験を大規模で行い、ここで、溶媒比、水活性及び温度を変化させた。純粋な形態Eを、〜40℃でおよそ5日間ジメチルホルムアミド/水(1:3)溶媒系中の形態Aと形態Eの混合物のスラリーから単離した。残留ジメチルホルムアミドを除去するために、固体をろ過の間に水で洗浄した。
【0248】
(実施例5)
(形態Cの特性評価)
形態CをX線粉末回折(XRPD)、熱重量分析(TG)、示差走査熱量測定(DSC)、水分収着分析、及びプロトン核磁気共鳴分光法(
1H NMR)により特徴付けを行った。特性評価データは、トルエンを含むような溶媒和された結晶性の式Iの化合物のHBr塩と一致する。
【0249】
結晶形態Cの代表的なXRPDパターンを
図2に示す。結晶形態CのいくつかのXRPDピークを表XIVに要約する。
【表14】
【0250】
XRPDデータは、結晶物質を示すピーク分解能を示した。該パターンを指数付けするのに成功し、該試料が主に単結晶相からなることが示唆された。割当てられた消衰記号と一致する空間群、並びに単位胞パラメータ及び導かれた数量を表XVに示す。P1とP-1のどちらも形態Cの単位胞として可能性ある空間群である。これら空間群は指数付けのみに基づいては区別することはできない。形態Cについての指数付け値557.1Å
3/式単位は、形態Aの指数付け値489.5Å
3/式単位よりもきわめて大きいものである。67.6Å
3/式単位の差は、式単位あたりおよそ3分子の水、又はトルエン分子の半分に対して十分なものである。
【表15】
【0251】
熱重量分析データは、〜132℃と〜253℃との間で〜10wt%の減少を示し、1分子のHBr塩あたり〜0.5モルのトルエンの減少と関連する可能性がある。指数付け結果は、トルエン又は水の存在の可能性を示唆するものであるが、この温度範囲で観察された重量減少は、トルエン溶媒和の可能性とより相関するものである。鋭い重量減少が〜263℃で見られ、分解と関連する可能性がある。形態Cの〜80℃で約1日間の真空乾燥は、形態AとCとの混合物をもたらした。
【0252】
DSCサーモグラムは、〜222.4℃にピーク最大値を有する小さくブロードした吸熱を示し、熱重量測定で観察された溶媒の減少と関連する可能性がある。大きく鋭い吸熱が〜272.9℃で観察され、分解と並行する物質の融解と関連する能性がある。
【0253】
プロトン核磁気共鳴(
1H NMR)の〜7.0−8.5ppmの領域の化学シフト及び整数値は、全体的に式Iの化合物のHBr塩と一致する。〜7.25、〜7.18及び〜2.31ppmのピークは、式Iの化合物の1モルあたり〜0.4モルのトルエンに起因するものである。〜3.5ppmのピークは、水に起因する能性がある。
【0254】
(実施例6)
(形態Eの特性評価)
形態EをX線粉末回折(XRPD)、熱重量分析(TG)、示差走査熱量測定(DSC)、水分収着分析、プロトン核磁気共鳴分光法(
1H NMR)、及び元素分析により特徴付けを行った。形態Eは、〜60℃で2日間の真空乾燥において物理的に安定であった。
【0255】
結晶形態Eの代表的なXRPDパターンを
図3に示す。結晶形態EのいくつかのXRPDピークを表XVIに要約する。
【表16】
【0256】
XRPDデータは、結晶物質を示すピーク分解能を示した。該パターンを指数付けするのに成功し、該試料が主に単結晶相からなることが示唆された。割当てられた消衰記号と一致する空間群、単位胞パラメータ及び導かれた数量を表XVIIに示す。形態Eについての指数付け値448.1Å
3/式単位は、形態Aの指数付け値489.5Å
3/式単位よりも小さいものである。41.4Å
3/式単位の差は、式単位あたり1分子のHBrに対して十分なものである。
【0257】
熱重量分析データは、〜26℃と〜81℃との間で〜11.9wt%の減少を示し、表面の水の放出と関連する可能性がある。更なる〜2.1wt%の減少が、〜100℃と〜182℃との間で観察され、おそらく〜0.5モルの水、又は〜0.1モルのジメチルホルムアミドの放出に起因するものであろう。鋭い重量減少が〜227℃で生じ、分解に関連する可能性がある。
【0258】
DSCサーモグラムは、〜-2.0℃で鋭い吸熱を、続いて〜75.3℃でブロードした吸熱を示し、残留水の融解、続く残留水の放出に関連する可能性がある。〜173.6℃の大きな吸熱は、物質の融解に起因するものであり得る。新たな物質は、〜185.9℃の発熱で示される融解物から結晶化し、次いで、〜200.8℃の鋭い吸熱で示される融解物へ向かう。
【0259】
水分収着データは、限定された吸湿物質と一致する。データは、〜5%RHでの平衡時に〜0.2wt%の減少を示す。〜5%と〜95%RHとの間で0.6wt%の増大が見られる。〜5%RHまで相対湿度を低下させた際に〜0.6wt%の減少が見られた。
【表17】
【0260】
しかしながら、元素分析は、1:1塩がまだ無傷である場合に、予想される割合のおよそ半分であるが、臭化物の存在を示している(C
19H
17BrFN
5Oの予測値:C:53.04%、H:3.98%、N:16.28%、Br:18.57%;C
19H
16.5Br
0.5FN
5Oの予測値:C:58.54%、H:4.27%、N:17.97%、Br:10.25%;実験値:C:57.05%、H:4.32%、N:17.54%、Br:9.46%)。炭素、窒素及び水素についての実験値は、1:1臭化水素酸塩の予測値のものより高いが、その遊離塩基のものより低いものである。
【0261】
(実施例7)
(形態B、D及びFの特性評価)
形態B、D及びFをX線粉末回折(XRPD)によって特徴付けした。単離された形態Bの〜60℃で約1日間の真空乾燥は、形態Aと少量の形態Bとの混合物をもたらした。単離された形態Dの〜40℃で約3日間の真空乾燥は、形態Aをもたらした。
【0262】
結晶形態B、D及びFの代表的なXRPDパターンを、それぞれ
図4、5及び6に示す。形態Bについて、
図4に示されるように、7.47°2θのピークは、物質の更なる相である形態Aの存在に起因し得る。形態Fについて、
図6は形態とFとの混合物のXRPDパターンを示しており、形態Aに起因するピークは、差し引かれるべきものである。結晶形態B、D及びFのいくつかのXRPDピークを、それぞれ表XVIII、XIX及びXXに要約する。
【表18】
【表19】
【表20】
【0263】
(実施例8)
(ラセミの(4-フルオロフェニル)(4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの第I相臨床試験)
三部(three-part)二重盲検プラセボ対照試験の被験者においてラセミの(4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの第I相臨床試験を行った。第一部において、対象は60〜750mg/日の範囲の単一経口用量の該ラセミ化合物を受けた。第二部において、対象は240〜720mg/日の範囲のQD用量の該ラセミ化合物を14日間連続して受けた。第二試験のあるコホートにおいて、360mgのBID用量の該ラセミ化合物を14日間(合計720mg/日について)連続して受けた。第三部において、単独投与に続く、無作為化、オープンラベル、2順序、2期間、クロスオーバー、食効(food effect)を試験した。ラセミの(4-フルオロフェニル)(4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールについて、試験の全ての部で血漿におけるPKパラメータを評価し、かつ第一部及び第二部においては尿におけるPKパラメータを評価した。そのR及びS鏡像異性体のキラル分析を含む。下記のPKパラメータを血漿濃度データから算出した:時間0〜最後の定量化可能な濃度の時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC
0-τ)、時間0〜無限大の血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC
0-∞)、観察された最大の血漿中濃度(C
max)、C
maxに達する時間(t
max)、最終消失速度定数(λz)、最終半減期(t
1/2)、血管外投与後の見かけ上のクリアランス(CL/F)、及び血管外投与後の最終消失相の見かけ上の分布用量(Vz/F)。尿収集データについて、下記のパラメータを算出した:時間0〜48時間の尿中に排出された薬物の総量(Ae
0-48)及び尿中の薬剤排出率(Fe)。また該試験は、ヒト対象におけるラセミの(4-フルオロフェニル)(4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-2-イル)メタノールの単独経口用量及び複数経口用量の安全性、認容性、及び薬力学的効果を評価するために策定される。薬力学的効果は、JAK2及びJAK1によるサイトカインシグナル伝達によるエクスビボの刺激に続くSTATリン酸化レベルの測定値に基づく。また、本試験の第二部についてのみ、細胞型特異的表面マーカーによって同定される細胞サブセットの有病率を測定するためにフローサイトメトリを行った。
【0264】
上記実施例は、特許請求の範囲の実施態様を実施しかつ使用する方法の完全な開示及び記載を当業者に提供するものであり、本明細書に開示される範囲の限定を意図するものではない。当業者に明らかな改良は、以下の特許請求の範囲内にあることを意図する。本明細書で引用されるすべての出版物、特許及び特許出願は、引用により組み込まれるものとしてこのようなそれぞれの出版物、特許、及び特許出願が、具体的及び個々に示されているように、引用により本明細書中に組み込まれる。