特許第5872562号(P5872562)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872562
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】インナーロータ型モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/04 20060101AFI20160216BHJP
   H02K 37/14 20060101ALI20160216BHJP
   H02K 5/10 20060101ALI20160216BHJP
   H02K 1/14 20060101ALI20160216BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20160216BHJP
   H02K 3/04 20060101ALI20160216BHJP
   H02K 3/50 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   H02K5/04
   H02K37/14 B
   H02K5/10 Z
   H02K1/14 Z
   H02K5/22
   H02K3/04 J
   H02K3/50 A
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-531984(P2013-531984)
(86)(22)【出願日】2012年12月19日
(86)【国際出願番号】JP2012082980
(87)【国際公開番号】WO2013094659
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2014年6月24日
(31)【優先権主張番号】特願2011-280657(P2011-280657)
(32)【優先日】2011年12月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000228730
【氏名又は名称】日本電産サーボ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小島 明倫
(72)【発明者】
【氏名】菊地 範芳
(72)【発明者】
【氏名】金子 英司
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−111337(JP,A)
【文献】 特開平10−304644(JP,A)
【文献】 特開2001−145325(JP,A)
【文献】 特開2007−089304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K37/14
H02K 3/38
H02K 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状のコアバック部の内側に放射方向に突出した複数の主極を有する固定子コア、及び該固定子コアの各主極に絶縁体を介して巻回されたコイルを有する固定子と、この固定子の内側に前記各主極の先端に対向するように回転自在に配置され軸中心に回転軸を備えた回転子と、前記固定子の軸方向両側を覆うように設けられそれぞれ前記回転子軸を支持する軸受を保持したカバー部材とからなるインナーロータ型モータにおいて、
前記固定子コアのコアバック部は外形がほぼ正方形状とされて正方形の4辺に対応する側面がモータ外表面を形成する構成とされ、
前記絶縁体は、前記固定子コアに対し軸方向両側から装着される2つの絶縁部材からなり、それぞれ前記各主極を覆う複数のスロット絶縁部とこれらスロット絶縁部を前記固定子コアの軸方向端面側において連結する八角形状の枠部とを備え、該枠部には前記コアバック部の4辺の前記モータ外表面とほぼ面一となる4つの外表面部が形成されており、
前記両カバー部材はそれぞれ、モータ端面を構成し中央部に軸受保持部を有する端板部と、該端板部の四隅に設けられそれぞれ前記固定子コアの四隅部分の軸方向端面に当接する4つの脚部とを備え、
前記両絶縁部材における枠部の先端縁は、少なくとも前記4つの外表面部において前記端板部に密接し、
前記両絶縁部材における枠部は、小径の基部側環状枠体と大径の先端側環状枠体と該基部側環状枠体及び先端側環状枠体を連結する環状薄肉部とからなり、
前記絶縁部材における枠部の各外表面部が前記カバー部材の各脚部間に挿入されていることを特徴とするインナーロータ型モータ。
【請求項2】
前記コアバック部の4辺の部位における径方向最小厚みが、磁気通路として磁気特性上許容される範囲の最小値に設定され、かつ、前記各主極の突出長さがコイルを所定数巻回することができる最小値とされている請求項1に記載のインナーロータ型モータ。
【請求項3】
前記固定子コアにおける最小外形寸法に対する該固定子コアの内径寸法の比が約0.7近辺に設定されている請求項1または請求項2に記載のインナーロータ型モータ。
【請求項4】
前記両カバー部材のそれぞれの脚部には、前記固定子コアの四隅の外表面に外側から係止する爪部が一体に形成されている請求項1から請求項3のいずれかに記載のインナーロータ型モータ。
【請求項5】
前記固定子コアの四隅及び前記両カバー部材の各脚部の位置にはそれぞれ固定用の孔が設けられ、前記固定子コアの前記孔を挿通したボルトを用いて前記両カバー部材がステータコアに締着されている請求項1から請求項4のいずれかに記載のインナーロータ型モータ。
【請求項6】
前記両カバー部材は、90度毎の回転対称状に形成されている請求項1から請求項5のいずれかに記載のインナーロータ型モータ。
【請求項7】
前記両絶縁部材における枠部のうち、4つの外表面部に挟まれた部分は、前記カバー部材における各脚部の内側に沿って配置されている請求項1から請求項6のいずれかに記載のインナーロータ型モータ。
【請求項8】
前記2つの絶縁部材のうち何れかには、その外表面部の位置に、前記コイルに接続されたリード線の引き出し口もしくはコネクタ装着部が形成されている請求項1から請求項7のいずれかに記載のインナーロータ型モータ。
【請求項9】
前記4つの外表面部に対応する前記先端側環状枠体が前記コアバック部のモータ外表面とほぼ面一となる、請求項1から請求項8のいずれかに記載のインナーロータ型モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻き線極である複数の主極にコイルを巻回してなる固定子と、固定子の内側に配置される回転子とを備えたステッピングモータ等のインナーロータ型モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ステッピングモータは、プリンタ・ファクシミリ・複写機等の情報機器分野や、FA機器等の産業機器分野を含め、広範囲に渡ってその駆動部分に使用されている。この種ステッピングモータとしては、例えば回転子に磁性体と永久磁石とを用いたハイブリッド型の場合、特開2002−051528号公報や特開2001−112521号公報等に示されるインナーロータ型のものが多用されている。
【0003】
すなわち、環状の磁性体枠であるコアバック部に放射状でかつ内方に突出するよう複数の主極を設けて固定子コアを構成し、この固定子コアの各主極にそれぞれ絶縁部材を介在させてコイルを巻回することにより固定子を構成し、この固定子の内側にエアギャップを介して、対の磁性体間に軸方向に着磁した永久磁石を挟持して構成されたハイブリッド型回転子を配置させている。固定子の軸方向両側にはカバー部材が配置され、カバー部材の中央部にそれぞれ保持した軸受により回転子の回転子軸を支持するようになっている。
【0004】
このような構成のインナーロータ型ステッピングモータにあっては、固定子コアの外周面、つまりコアバック部の外周面がモータ外表面の一部を構成するため、モータ内部で発生する熱を固定子コアを介して効果的に放散することができる上、固定子コア外周面をモータカバー等で覆う必要が無く、モータカバー等の材料費を削減することができる利点がある。また、固定子コアの軸方向両側に配置されるカバー部材は、固定子コアの軸方向端面より突出するコイルや絶縁部材を包括的に覆うように構成されているため、モータ内部に対する防塵性が確保されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−051528号公報
【特許文献2】特開2001−112521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したインナーロータ型のステッピングモータにおいては、コイルを外部装置と接続する場合、例えば特許文献1に見られるように、カバー部材の内部に設けた中継基板でコイルの端部と引き出し用リード線とを接続し、カバー部材に設けた引き出し口よりリード線を外部に引き出すか、特許文献2に見られるように、カバー部材の内部に設けた中継基板にコイル端部を接続する一方、この中継基板にコイルに電気的に接続されるようコネクタを実装し、このコネクタをカバー部材の一部より外部に導出させ、外部コネクタと接続できるようにしている。
【0007】
しかし、上述した従来構成のものでは、コイルを外部装置に接続するために、カバー部材にリード線の引き出し口を設けたり、コネクタを導出させるため、カバー部材に特殊な加工が必要となり、部品加工コストの増加を招くばかりでなく、このカバー部材は固定子に対して組み付け向きを正確に合わせる必要が生じ、組立作業性が悪くなる問題を有する。
なお、上記ではハイブリッド型回転子を用いた場合を例に説明したが、回転子として、異なる磁極を周方向に交互に配置した永久磁石型回転子を用いたインナーロータ型モータにおいても、上記と同様の問題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記問題点に留意してなされたものであり、その目的とするところは、モータ内部に対する防塵性を損なうことなく、カバー部材の製造が容易で安価であり、かつ組立性が格段に向上するインナーロータ型モータを提供することにある。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のインナーロータ型モータにあっては、環状のコアバック部の内側に放射方向に突出した複数の主極を有する固定子コア、及びこの固定子コアの各主極に絶縁体を介して巻回されたコイルを有する固定子と、この固定子の内側に各主極の先端に対向するように回転自在に配置され軸中心に回転軸を備えた回転子と、固定子の軸方向両側を覆うように設けられそれぞれ回転子軸を支持する軸受を保持した2つのカバー部材とからなるインナーロータ型モータにおいて、
固定子コアのコアバック部を外形がほぼ正方形状であり正方形の4辺に対応する側面がモータ外表面を形成する構成とし、絶縁体を固定子コアに対し軸方向両側から装着される2つの絶縁部材から構成すると共に、2つの絶縁部材にそれぞれ主極を覆う複数のスロット絶縁部とこれらスロット絶縁部を固定子コアの軸方向端面側において連結する八角形状の枠部とを備え、この枠部にコアバック部の4辺のモータ外表面とほぼ面一となる4つの外表面部を形成し、両カバー部材にそれぞれ、モータ端面を構成し中央部に軸受保持部を有する端板部と、この端板部の四隅に設けられそれぞれ固定子コアの四隅部分の軸方向端面に当接する4つの脚部とを備え、両絶縁部材における枠部の先端縁は、少なくとも4つの外表面部において端板部に密接し、両絶縁部材における枠部は、小径の基部側環状枠体と大径の先端側環状枠体と該基部側環状枠体及び先端側環状枠体を連結する環状薄肉部とからなり、絶縁部材における枠部の各外表面部をカバー部材の各脚部間に挿入するようにしたことを特徴とする。
【0010】
上記したインナーロータ型モータにおいて、コアバック部の4辺の部位における径方向最小厚みを、磁気通路として磁気特性上許容される範囲の最小値に設定し、かつ各主極の突出長さをコイルを所定数巻回し得る最小値とすることができる。特に、固定子コアにおける最小外形寸法に対する固定子コアの内径寸法の比を約0.7近辺に設定するのがよい。
【0011】
また、両絶縁部材における枠部の先端縁は、少なくとも4つの外表面部において、端板に密接する構成とするのがよい。加えて、両絶縁部材における枠部を、小径の基部側環状枠体と大径の先端側環状枠体と基部側環状枠体及び先端側環状枠体を連結する環状薄肉部とから構成し、4つの外表面部に対応する先端側環状枠体をコアバック部のモータ外表面とほぼ面一となるようにするのが好ましい。
【0012】
さらに、2つのカバー部材のそれぞれの脚部に、固定子コアの四隅の外表面に外側から係止する爪部を一体に形成するのがよく、固定子コアの四隅及び両カバー部材の各脚部の位置にそれぞれ固定用の孔を設け、固定子コアの孔を挿通したボルトを用いて両カバー部材をステータコアに締着するように構成することもできる。両カバー部材は90度毎の回転対称状に形成することができる。
【0013】
また、両絶縁部材における枠部のうち、4つの外表面部に挟まれた部分は、カバー部材における各脚部の内側に沿って配置することができる。さらに、絶縁体の一つの絶縁部材における外表面部の位置に、コイルに接続されたリード線の引き出し口もしくはコネクタ装着部を形成するのがよい。
【発明の効果】
【0014】
上述した構成のインナーロータ型モータにあっては、固定子コアとコイルとの間の絶縁を確保する絶縁体において、2つの絶縁部材のそれぞれの枠部にコアバック部のモータ外表面とほぼ面一になる4つの外表面部を設ける一方、固定子コアの軸方向両側にそれぞれ設けたカバー部材の四隅の各脚部の間に絶縁部材における枠部の各外表面部をそれぞれ挿入させ、この状態でカバー部材を固定子コアに取り付ける構成であるため、両カバー部材にあっては端板部と四隅の脚部とのシンプルな構成とすることができ、その材料費も低減できるだけでなく、90°毎の回転対称状に構成することができるため、固定子に対する取付位置に方向性がなく、90°毎のどの回転位置でも取り付けることができ、つまり組み付け位置の制約がなく、組立作業性が格段に向上する利点がある。
【0015】
加えて、カバー部材を単に四隅に脚部を配置したシンプルな形状としただけでなく、この各脚部間に絶縁部材の枠部の一部を挿入し、モータ外表面とする構成であるため、モータ内部に対する防塵性は損なわれず、しかも、絶縁部材の一部である外表面部が外部に露出する結果、カバー部材のみが外部に露出していた従来のものに比し意匠性が増す効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態によるインナーロータ型ステッピングモータを示す切断正面図である。
図2図1のステッピングモータの正面図である。
図3図1のステッピングモータの平面図である。
図4図1の固定子を示す下面図である。
図5図1の固定子コアを示す平面図である。
図6図1の上側絶縁部材の一部(半分)を示し、(a)は平面図、(b)は切断正面図、(c)は下面図である。
図7図1の下側絶縁部材の一部(半分)を示し、(a)は平面図、(b)は切断正面図、(c)は下面図である。
図8図1の上カバー部材を示す下面図である。
図9図8のZ−Z’線断面図である。
図10図1の下カバー部材を示す平面図である。
図11図10のW−W’線断面図である。
図12】本発明の他の実施形態によるインナーロータ型ステッピングモータの切断正面図である。
図13図12における上側絶縁部材の枠部の一部拡大図である。
図14】従来のインナーロータ型ステッピングモータにおけるステータ部の一部を示す平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に係るインナーロータ型モータの実施形態につき、以下図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0018】
図1図3は、本発明の一例である2相ハイブリッド(HB)型ステッピングモータ1の全体構成を示し、図1は切断正面図、図2は正面図、図3は平面図であり、また、図4は、不平衡電磁力が発生せず高速性に優れた2相8主極構造を採用した固定子10を示しており、図5は固定子コア12を示している。
【0019】
固定子10は、外形がほぼ正四辺形状の環状のコアバック部12aとこのコアバック部12aより放射方向方に突出して設けられ周方向に等間隔に配列された8個の主極12bとからなる固定子コア12と、各主極12bに巻回された2相のコイル14(図1図4に示す)と、各主極12bとコイル14との間に介在された上下の絶縁部材16・18とからなり、巻き線極である各主極12bの先端には例えば6個の誘導子歯12cが突出して設けられている。各主極12bにおいて、6個の誘導子歯12cは等間隔に配置され、かつ主極12bの中心線に対し対称位置に配置されている。
【0020】
固定子コア12は複数枚の珪素鋼板を積層して構成されている。図4に示すように、互いに直交するX軸とY軸の2つの線上に配置された4個の主極12b、つまり90°毎に配置された4個の主極12bで1相分(A相・C相)を構成し、残りの4個の機械角で互いに90°隔てて且つ1相分主極からは機械角で45度隔てて配置された主極12bで2相分(B相・D相)を形成する。各相において、90°毎の4個の主極12bはコイル14への通電時に交互に異極となるように励磁されて駆動される。
【0021】
図5に示すように、固定子コア12は、コアバック部12aにおける四辺形の各辺における径方向厚みTが磁気通路として磁気特性上許容される範囲の最小値に設定されており、加えて、各主極12bへの巻数を従来と同等確保するように設定され、この結果、内径が最大化されている。すなわち、図14は、従来より使用されているステッピングモータの固定子110の一部を示したものであり、四隅を切除した外形ほぼ正四辺形状のコアバック部112aに放射方向内方に突出する複数の主極112bを周方向等間隔に設けると共に、各主極112bに対して絶縁体117を介してコイル(図示せず)が巻回されている。この場合、固定子コアの軸方向両側に配置されるカバー部材により絶縁体117の枠部を全周にわたって覆うことができるよう、コアバック部112aの径方向厚みは比較的大きく設定されている。図14における網線は、ある主極112bにおけるコイルの巻線可能領域を示したものであり、この領域に巻回し得る巻線量と同等の巻線量を最大確保できるよう図5における主極12bの突出長さを設定すれば、コアバック部12aの径方向厚みを最小値に設定したことにより、固定子コア12の内径は最大化できることになる。
【0022】
例えば特開平5−168214号公報には、回転子から最大トルクを発生させるために、固定子の外径に対する内径の比を、2相の場合で0.62〜0.64にすることが規定されている。これに対し、本実施形態のようにコアバック部12aがほぼ正方形の場合につき、実験や各種解析で検証した結果、特性上、正方形の一辺の長さに相当する固定子コア12の最小外径Doに対し内径Diの比を最大約0.71に設定可能であることが確認され、内径Diが従来に比し15%程度大きく設定されている。
【0023】
なお、固定子コア12の四隅は、比較的径方向の厚みが確保されてカバー部材締結時の受け部12dとされ、これに軸方向のねじ挿通孔12eが透設されている。また、固定子コア12の四隅の外周面は、丸みを持たせた面取り面とされている。
【0024】
ここで、上記固定子コア12は、珪素鋼板を所定枚数積層して構成されるが、この珪素鋼板を所定形状にプレス打ち抜きしたものを90°ずつ次々に回転して積層する手法を採用することにより、パーミアンスベクトルのバラツキ抑制効果を得ることができる。つまり、図5に示した固定子コア12は90°点対称構造であるため、90°回転させて重ね合わせることにより、プレス抜き型の僅かな寸法の差や珪素鋼板の板厚差によるパーミアンスベクトルのバラツキを、キャンセルさせることができる。
【0025】
上記固定子コア12に対しては、軸方向両側(便宜上、上側及び下側と称する)から一対の絶縁部材16・18が装着される。これらは固定子コア12に対しコイル14を絶縁する絶縁体となる。上側から装着される上側絶縁部材16は、図6に示すような構成になっており、各主極12bの上面及び両側面を覆うスロット絶縁部16aと、各スロット絶縁部16aをそれぞれの上部で連結する環状の枠部16bとを備えてなり、各スロット絶縁部16aはその径方向外側縁がコアバック部12aの内周面に沿って延設されて隣り合うスロット絶縁部16aが相互に連結され、これにより各スロットの内面を覆う構成になっている。スロット絶縁部16aにおける上面の内周縁には、各主極12bの先端部に対応して舌片16cが上方に突出するように設けられ、コイル14の内周側へのはみ出しを防止している。
【0026】
枠部16bは外形が正八角形に形成され、各スロット絶縁部16aを連結する基部(下半部)に厚みを持たせると共に後述するカバー部材が当接する先端部(上半部)を肉薄としている。正八角形の枠部16bのうち、固定子コア12の4辺に対応する部分は、その外周面がコアバック部12aの外周面とほぼ面一になる外周面部16dとなり、モータの外表面の一部を構成する。枠部16bの各外周面部16dの間に位置する部分は、固定子コア12における受け部12dの内側に沿って配置され、ねじ挿通孔12eの位置に対応して凹部16eが設けられている。この枠部16bには、各スロットの中央位置に対応してコイル14の渡り線を係止するピン16fが突設されている。
【0027】
固定子コア12に対して下側から装着される下側絶縁部材18は、図7に示すような構成になっており、各主磁極12bの下面及び両側面を覆うスロット絶縁部18aと、各スロット絶縁部18aをそれぞれの下部で連結する環状の枠部18bとを備えてなり、各スロット絶縁部18aはその径方向外側縁がコアバック部12aの内周面に沿って延設されて隣り合うスロット絶縁部18aが相互に連結され、各スロットの内面を覆う構成になっている。スロット絶縁部18aにおける下面の内周縁には、各主極12bの先端部に対応して舌片18cが下方に突出するように設けられ、コイル14の内周側へのはみ出しを防止している。
【0028】
枠部18bは外形が正八角形に形成され、各スロット絶縁部18aを連結する基部(上半部)に厚みを持たせると共に後述するカバー部材が当接する先端部(下半部)を肉薄としている。正八角形の枠部18bのうち、固定子コア12の4辺に対応する部分は、その外周面がコアバック部12aの外周面とほぼ面一になる外周面部18dとなり、モータの外表面の一部を構成する。枠部18bの各外周面部18dの間に位置する部分は、固定子コア12における受け部12dの内側に沿って配置され、ねじ挿通孔12eの位置に対応して凹部18eが設けられている。枠部18bにおける一つの外周面部18dには、リード線19の引き出し案内口を形成した案内部18fが外方向に突設されている。
【0029】
固定子コア12に対し、その上下より絶縁部材16・18が装着されると、それぞれのスロット絶縁部16a・18aの先端は固定子コア12のスロットにおいて僅かの隙間を介して対峙し、これにより各主極12bの周面及びコアバック部12aの内面が絶縁部材16・18で覆われ、この状態で各主極12bにコイル14が巻回される。
【0030】
一方、固定子コア12の内側に配置された回転子20は、一対の回転子磁極間に永久磁石を挟持してなる単位回転子を用いて構成されたHB型回転子であるが、この実施形態では、二つの単位回転子を用いて構成されている。すなわち、回転子20は、回転子軸22に軸方向に並んで固定された4個の回転子磁極24AX・24BX・24BY・24AYと、対の回転子磁極24AX・24BX間及び24BY・24AY間でそれぞれ挟持され軸方向に着磁された円盤状の永久磁石26X・26Yとにより構成されている。これら回転子磁極はそれぞれ珪素鋼鈑等を積層して構成され、それぞれの外周には等ピッチで複数個(例えば22個)の磁歯が設けられている。
【0031】
対の回転子磁極24AX・24BXは互いに歯ピッチが1/2ずれて配置され、同様に、対の回転子磁極24AY・24BYは互いに歯ピッチが1/2ずれて配置されている。両永久磁石26X・26Yは軸方向に着磁されているが、着磁方向が互いに逆になるように設定されており、永久磁石26Xにより磁化された回転子磁極24AX・24BXと永久磁石26Yにより磁化された回転子磁極24AY・24BYとのうち、向かい合う隣接磁極24BX・24BYが同極性になるように設定されている。このとき隣接する回転子磁極24BX・24BYの周方向における歯位置は同じ位置である。回転子磁極24AX・24BX及び永久磁石26Xで単位回転子28Xが、回転子磁極24AY・24BY及び永久磁石26Yで単位回転子28Yが構成される。なお、図1では単位回転子28X・28Yが隙間なく隣接している状態を示しているが、単位回転子28X・28Yが軸方向に僅かに離れた状態で隣接していてもよい。
【0032】
単位回転子28X・28Yの各回転子磁極のそれぞれの磁歯は、固定子10の各主磁極12bの誘導子歯12cにエアギャップを介して径方向に対向する。二つの単位回転子28X・28Yを共通の回転子軸22に支持した回転子20の回転子軸22において、各回転子磁極に対応する位置にはローレット加工が施され、永久磁石26X・26Yを挟持した対の回転子磁極に回転子軸22が圧入固着され、ローレット加工部において回転子磁極の回り止めがなされ、強固に固定されている。永久磁石26X・26Yは例えば残留磁束密度が略0.5T以下のフェライト系永久磁石により構成されている。ここで、上述したように、固定子10においては、その内径が従来に比し15%程度大きく設定されているが、これに合わせて、回転子20の外径が従来に比し15%程度大きく設定されており、このため、永久磁石26X・26Yにフェライト系のものを使用したとしても、得られるトルクは従来に比し格段に大きなものとなる。
【0033】
図1において、固定子10の軸方向両側には、上カバー部材30及び下カバー部材32が配置され、固定子10の外周面と共にモータ外表面を構成している。両カバー30・32の外形はそれぞれ固定子コア12と同様にほぼ正四辺形状に形成されている。
【0034】
上カバー部材30は、図8及び図9に示すように、モータの上端面を構成するほぼ正方形状の端板部30aと、この端板部30aの中央部に下方へ突出するように形成された円筒状の軸受保持部30bと、端板部30aの四隅に位置しそれぞれ下方に突出するように形成された4つの脚部30cとを備えてなる。上カバー部材30は、各脚部30cのそれぞれの下端面を固定子コア12の四隅の受け部12d上面に当接させて固定子コア12に取付けられるが、各脚部30cの最外縁部つまり径方向外側部には脚部30cの端面よりさらに下方に突出する爪部30dが設けられており、この爪部30dを固定子コア12の四隅の外表面に係止させて脚部30cの端面を受け部12dに当接させることにより、上カバー部材30の固定子コア12に対する位置合わせが行われる。上カバー部材30の端板部30aにおける各脚部30cに近接する位置にはそれぞれねじ孔30eが形成され、これが固定子コア12の各挿通孔12eに軸方向に連通する。上カバー部材30の端板部30a下面には、図8より明らかなように、各脚部30c間における辺縁部及び各脚部30cの内側部に沿って環状の当接面30fが連続的に形成されており、これに上部絶縁部材16の枠部16bの上端面が全周に渡って当接する。
【0035】
下カバー部材32は、図10及び図11に示すように、モータの下端面を構成するほぼ正方形状の端板部32aと、この端板部32aの中央部に上方へ突出するように形成された円筒状の軸受保持部32bと、端板部32aの四隅に位置しそれぞれ上方に突出するように形成された4つの脚部32cとを備えてなる。下カバー部材32は、各脚部32cのそれぞれの上端面を固定子コア12の四隅の受け部12d下面に当接させて固定子コア12に取付けられるが、各脚部32cの最外縁部つまり径方向外側部には脚部32cの端面よりさらに上方に突出する爪部32dが設けられており、この爪部32dを固定子コア12の四隅の外表面に係止させて脚部32cの端面を受け部12dに当接させることにより、下カバー部材32の固定子コア12に対する位置合わせが行われる。下カバー部材32の端板部32aにおける各脚部32cに近接する位置にはそれぞれねじ挿通孔32eが形成され、これが固定子コア12の各挿通孔12eに軸方向に連通する。下カバー部材32の端板部32a上面には、図10より明らかなように、各脚部32c間における辺縁部及び各脚部32cの内側部に沿って環状の当接面32fが連続的に形成されており、これに下部絶縁部材18の枠部18bの下端面が全周に渡って当接する。
【0036】
図1に示すように、上カバー部材30及び下カバー部材32のそれぞれの軸受保持部30b・32bにはボールベアリングからなる軸受34・36が保持され、回転子20の回転子軸22が両軸受34・36により回転自在に支持されている。固定子コア12の両側に両カバー部材30・32を装着し、下カバー部材32のねじ挿通孔32eより挿通したねじ(図示せず)の先端部を固定子コア12のねじ挿通孔12eを通して上カバー部材30のねじ孔30eに螺着することにより、固定子コア12と両カバー部材30・32が締着され、一体化される。下カバー部材32の軸受保持部32bの内部には軸受36の外輪に弾接する板ばね38が内装されている。上カバー部材30における軸受34はその外輪端面が上カバー部材30により押さえられており、上下の軸受34・36のそれぞれの内輪が回転子20及び間座等を介して一体化されているため、固定子コア12と両カバー部材30・32とをねじで締結することにより、両軸受34・36に板ばね38による定圧予圧が与えられることになり、ガタを生じることなく安定した回転支持状態が得られる。
【0037】
下カバー部材32の端板部32aにおけるねじ挿通孔32eの下部は拡径されて収納凹部32gが形成されており、ねじのねじ頭がこれに収容されてモータ外に突出することが防止される。また、上カバー部材30における端板部30aの中央部上面には、軸受保持部30bと同心に形成されたインロー筒部30gが上方に突出して設けられており、このインロー筒部30gを利用することにより、当該モータ1を各種機器に取り付ける際に回転子軸22を精度よく各種機器の入力部に合致させることが可能となる。
【0038】
このような構成のステッピングモータは、以下の要領により組み立てられる。
まず、固定子コア12に対してその軸方向両側より絶縁部材16・18が装着され、この状態で各主極12bに対しスロット絶縁部16a・18aを介してコイル14が巻装される。2相コイル14のコイル端は、例えば下側絶縁部材18に保持された中継回路基板に中継接続され、外部に引き出されるリード線19がこの中継回路基板を介してコイル端に電気的に接続され、下側絶縁部材18の案内部18fよりリード線19が引き出される。このようにして固定子10が構成される。このとき、両絶縁部材16・18における枠部16b・18bの4辺の外周面部16d・18dはそれぞれ、固定子コア12の外表面とほぼ面一となっている。一方、HB型回転子20は、上述したように、回転子軸22に対し、軸方向に並んで配置された4個の回転子磁極24AX・24BX・24BY・24AYと、対の回転子磁極24AX・24BX間及び24BY・24AY間でそれぞれ挟持された円盤状の永久磁石26X・26Yとを用いて構成される。
【0039】
次に、固定子12に対し、まず下カバー部材32が取り付けられる。このとき、下カバー部材32の各脚部32cにおける爪部32dが固定子コア12の四隅の外表面をガイドすることから、下カバー部材32bと固定子12との位置合わせが行われ、調芯された状態で両者が組み立てられる。固定子12は、固定子コア12の四隅の受け部12dが下カバー部材32の各脚部32cの上端面に当接することで支えられ、隣り合う各脚部32c間に下部絶縁部材18の枠部18bにおける外周面部18dが配置され、外部に露出する。
【0040】
その後、下カバー部材32の軸受保持部32bに板ばね38及び軸受36を内装した状態で、固定子10に対し、その上方開口より回転子20が挿入され、回転子軸22の下端部が軸受36の内輪に挿入される。続いて、上カバー部材30がその軸受保持部30bに軸受34を保持した状態で固定子10に取り付けられる。このとき、回転子軸22の上端を軸受34の内輪に挿入し、上カバー部材30の各脚部30cにおける爪部30dを固定子コア12の四隅の外表面をガイドさせることにより、回転子20が固定子10に対して調芯される。そして、上カバー部材30の各脚部30cの下端面を固定子コア12の四隅の受け部12dの上面に当接すると、隣り合う各脚部30c間に上側絶縁部材16の枠部16bにおける外周面部18dが配置され、外部に露出する。そして、四隅において、固定用のねじを下カバー部材32のねじ挿通孔32e及び固定子コア12のねじ挿通孔12eを通して上カバー部材30のねじ孔30eに締着し、固定子10と両カバー部材30・32を締結する。
【0041】
このような構成のステッピングモータにあっては、固定子コア12に対するコイル14の絶縁に用いられる上下の絶縁部材16・18の枠部16b・18bを上下カバー部材30・32の内部に収容するのではなく、一部を外表面部16d・18dとしてモータ表面に露出させる構成としたため、固定子コア12の内径を最大限に大きくすることが可能となり、その分、回転子20を大径化し、出力を大幅にアップすることができる。このため、回転子20の回転子要素28X・28Yにおいて、永久磁石26X・28Xとして低グレードのフェライト系永久磁石を用いたとしても、従来のものに比し高出力化を図ることが可能となり、安価なモータを提供できることになる。
【0042】
加えて、上下の絶縁部材16・18の一部を外部に露出するために、上下カバー部材30・32を正方形状の端板部30a・32aの四隅に脚部30c・32cを設けたシンプルな形状としたため、これを90°回転対称形状とすることができ、固定子10に対するカバー部材30・32の取付方向に制約がなく、どの方向でも取り付けることができ、組立作業性が格段に向上する利点がある。特に、リード線19の外部への引き出しを、下部絶縁部材18の枠部18bにおける外表面部18d、つまり枠部18bのうち直接外部に露出する部分に案内部18fを形成して行う構成であるため、従来のようにカバー部材に外部引き出しのための加工を行う必要が無く、下部カバー部材32の部品形成も容易になるものである。
【0043】
また、固定子コア12やカバー部材30・32の形状における正方形はその四隅の面積が大であり、この部分においてカバー部材30・32の各脚部30c・32cが固定子コア12に当接して固定される構成であるため、各部材をその強度が大でありかつ四隅の均等な位置で締結することができ、固定子コア12やカバー部材30・32に不均一な力が作用することが無く、各部材に変形等を生じることがない。
【0044】
ここで、上記した特許文献1・2のように、上下のカバー部材で固定子の軸方向両側を全周に渡って覆う形態のインナーロータ型モータにあっては、このカバー部材によりモータ内部に対する防塵性を確保するようになっている。これに対して、カバー部材30・32の脚部30c・32cのみを固定子コア12に当接させる実施形態のものでは、固定子コア12とカバー部材30・32との間が脚部30c・32c間で開口されるが、この部分は絶縁部材16・18の枠部16b・18bにおける外表面部16d・18dが介在されることになり、しかも、枠部16b・18bはその端面が全周に渡ってカバー部材30・32の端板部30a・32aにおける環状の当接面30f・32fに当接するため、枠部16b・18bの内側は外部と仕切られることになり、防塵性が確保される。特に、枠部16b・18bは、基部側の半分に厚みを持たせて強度を確保した上で、先端側の半分を肉薄として柔軟性を持たせているため、固定子10に対して両カバー部材30・32を締結した際に、枠部16b・18bの先端部をそれぞれカバー部材30・32に圧接させて両者間を密接させることができ、防塵効果を高めることができる。
【実施例2】
【0045】
つぎに、本発明の他の実施形態を図12及び図13を用いて説明する。図12は、本発明による2相ハイブリッド(HB)型ステッピングモータ1’の全体構成を示す切断正面図であり、図13は、図12の一部を拡大して示したものである。これらの図面において、図1図12で示した実施形態のものと同一符号のものは同一もしくは相当するものを示すものとする。
【0046】
図12に示すステッピングモータ1’において、前記実施形態のものと異なる点の一つは、固定子10における絶縁部材16・18の枠部16b’・18b’である。すなわち、絶縁体となる上下の絶縁部材16・18は、固定子コア12における複数の主極12aのそれぞれの端面及び両側面を覆うスロット絶縁部16a・18aと、各スロット絶縁部をそれぞれ上下部で連結する環状の枠部16b’・18b’とを備えてなり、枠部の外径が正八角形に形成されている。上側の絶縁部材16における枠部16b’は、図13に示すように、固定子コア12の外径より多少小さい径の正八角形をなす基部側環状枠体16b1と、固定子コア12の外径にほぼ等しい径を有する正八角形をなす先端側環状枠体16b2と、基部側環状枠体16b1の端部と先端側環状枠体16b2の下部とを連結する環状薄肉部16b3とからなり、先端側環状枠体16b2のうち固定子コア12の4辺に対応する部分は、その外周面がコアバック部12aの外周面とほぼ面一の位置関係にある外周面部16dとなる。
【0047】
下側の絶縁部材18における枠部18b’も、同様に、固定子コア12の外径より多少小さい径の正八角形をなす基部側環状枠体18b1と、固定子コア12の外径にほぼ等しい径を有する正八角形をなす先端側環状枠体18b2と、基部側環状枠体18b1と先端側環状枠体18b2とを連結する環状薄肉部とからなり、先端側環状枠体18b2のうち固定子コア12の4辺に対応する部分は、その外周面がコアバック部12aの外周面とほぼ面一の位置関係にある外周面部18dとなる。
【0048】
両枠体16b’・18b’において、それぞれの基部側環状枠体16b1・18b1の厚みが比較的大きく設定されて強度が高められ、これより先端側環状枠体16b2・18b2は厚みが多少小さく設定され、さらに、環状薄肉部は先端側環状枠体に加わる圧力により容易に撓むことができる厚みに設定され、先端側環状枠体が基部側環状枠体に対して軸方向に弾性を持って変位できるようになっている。この結果、固定子12の軸方向両側に上カバー部材30及び下カバー部材32を取り付けることにより、両カバー部材30・32の端板部30a・32aにおける環状当接面に、両枠体16b’・18b’の先端側環状枠体16b2・18b2の端縁が弾性を持って当接し、枠体16b’・18b’内部が密閉され、防塵性が高まることになる。
【0049】
図12に示すステッピングモータ1’において、前記実施形態のものと異なる他の点は、コイルの引き出しに関する構成である。すなわち、図1に示した実施形態の場合では、モータ内部で中継回路基板等を用いてコイル端に接続されたリード線を下部絶縁部材の案内部より引き出す構成になっているが、図12では、下側絶縁部材18の枠体18b’と下カバー部材32との間に回路基板40を配置し、これにコイル端を接続すると共に、枠体18b’より導出する回路基板40の突部分にコネクタ41を実装する構成になっている。従って、外部リード線のコネクタをこのコネクタ41に接続することにより、外部リード線をコネクタ41及び回路基板40を通してコイルに接続することが可能となる。
【0050】
回路基板40は下側絶縁部材18の枠体18b’に取り付けられるが、特に、枠体18b’における基部側環状枠体18b1の突出高さを適宜設定し、回路基板40を基部側環状枠体18b1の端面に当接させることにより、回路基板40を枠体18b’内部で所定高さに位置決めすることが可能となる。
【0051】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した範囲において種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、2相ステッピングモータの場合について説明したが、ステッピングモータに限らず、他のインナーロータ型モータにも適用でき、3相モータの場合であってもよい。また、モータの回転子として、ハイブリッド型に限らず、異なる磁極を周方向に交互に配置した永久磁石型回転子を用いてもよい。さらに、固定子10に用いられる絶縁部材16・18は必ずしも正八角形状である必要はなく、90°毎の回転対称状の八角形であればよい。回転子20を回転自在に支持する軸受34・36として、ボールベアリングに限らず、すべり軸受を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によるインナーロータ型モータは、高トルク化が可能で、低コスト化を図ることができ、ステッピングモータとして、OA機器である複写機やプリンターの用途に対し安価で高速高トルク低振動の回転電機の提供が可能であり、工業的に大きな寄与が期待される。その他、医療機器・FA機器・ロボット・遊戯機械・住宅設備機器への応用も大いに期待される。
【符号の説明】
【0053】
10:固定子
12:固定子コア
12b:主磁極
14:コイル
16・18:絶縁部材
16a・18a:スロット絶縁部
16b・18b:枠部
16d・18d:外表面部
16b’・18b’:枠部
16b1・18b1:基部側環状枠体
16b2・18b2:先端側環状枠体
16b3:環状薄肉部
20:回転子
22:回転子軸
24AX・24BX・24AY・24BY:回転子磁極
26X・26Y:永久磁石
28X・28Y:回転子要素
30・32:カバー部材
30a・32a:端板部
30b・32b:軸受保持部
30c・32c:脚部
30d・32d:爪部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14