特許第5872578号(P5872578)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5872578吸着式冷凍機から異物ガスを除去する真空容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872578
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】吸着式冷凍機から異物ガスを除去する真空容器
(51)【国際特許分類】
   F25B 43/04 20060101AFI20160216BHJP
   F25B 17/04 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   F25B43/04 A
   F25B17/04
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-540240(P2013-540240)
(86)(22)【出願日】2011年11月23日
(65)【公表番号】特表2014-500944(P2014-500944A)
(43)【公表日】2014年1月16日
(86)【国際出願番号】DE2011075285
(87)【国際公開番号】WO2012069048
(87)【国際公開日】20120531
【審査請求日】2014年11月17日
(31)【優先権主張番号】102010052424.7
(32)【優先日】2010年11月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509312499
【氏名又は名称】インベンソール ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100152319
【弁理士】
【氏名又は名称】曽我 亜紀
(72)【発明者】
【氏名】ブラウンシュヴァイク,ニールズ
(72)【発明者】
【氏名】パウルセン,ソーレン
(72)【発明者】
【氏名】コントゲオルゴポウロス,イティミオス
【審査官】 西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−327188(JP,A)
【文献】 特開2002−267292(JP,A)
【文献】 特開2010−065917(JP,A)
【文献】 実開昭62−192182(JP,U)
【文献】 実開昭63−063666(JP,U)
【文献】 特開2002−048436(JP,A)
【文献】 特開平06−159867(JP,A)
【文献】 実開昭52−088064(JP,U)
【文献】 特開平01−234767(JP,A)
【文献】 特開2007−147148(JP,A)
【文献】 特開2001−235261(JP,A)
【文献】 特開2001−050618(JP,A)
【文献】 特開2000−292033(JP,A)
【文献】 特開2001−263875(JP,A)
【文献】 米国特許第05636526(US,A)
【文献】 独国特許発明第10310748(DE,B3)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 15/02
F25B 17/00 − 17/04
F25B 43/04
F28F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着式冷凍機用の真空容器であって、
該真空容器は、蒸気を通過させるように開いている接続手段を介して前記吸着式冷凍機の凝縮器ユニットに接続され、また、排出機構と少なくとも1つの冷却素子とを有し、加えて加熱素子が該容器に存在し、流体の流れを遮断又は調節する少なくとも1つの部材が前記接続手段に設けられることを特徴とする、吸着式冷凍機用の真空容器。
【請求項2】
請求項1に記載の真空容器であって、
前記冷却素子は、
a. 前記凝縮器からの凝縮物による冷却であって、
i. 熱交換素子による、又は
ii. 液状の冷媒を前記凝縮器ユニットから該真空容器に導入することによる、冷却と、
b. ファンによる冷却と、
c. 蒸気を通過させるように開いている、該真空容器と前記吸着式冷凍機の蒸発器ユニットとの間の接続部と、
d. ペルチェ素子と、
e. 前記吸着式冷凍機の再冷却回路との該真空容器の熱交換接続部と、
f. 前記吸着式冷凍機の冷媒サイクルとの伝熱接続部と、
g. 能動冷却装置と、
からなる群から選択されることを特徴とする、真空容器。
【請求項3】
前記部材は、通し弁、コーナー弁、Y字型弁、電磁弁、逆止弁又はフロートからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の真空容器。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか一項に記載の真空容器であって、中を液状の凝縮物が通って流れるように少なくとも1つの更なる接続手段が前記凝縮器ユニットと前記容器との間に設けられることを特徴とする、真空容器。
【請求項5】
前記接続手段は管又は貫通開口であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の真空容器。
【請求項6】
吸着式冷凍機であって、少なくとも1つの吸着器/脱着器ユニットと、1つの蒸発器/凝縮器ユニットと、請求項1〜のいずれか一項に記載の1つの真空容器とを備え、
蒸気を通過させるように開いている接続手段が前記凝縮器ユニットと前記真空容器との間に設けられ、前記容器は少なくとも1つの冷却素子を有することを特徴とする、吸着式冷凍機。
【請求項7】
接続手段が前記容器と前記蒸発器ユニットとの間に設けられることを特徴とする、請求項に記載の吸着式冷凍機。
【請求項8】
吸着式冷凍機から異物ガスを除去する方法であって、前記吸着式冷凍機は、少なくとも1つの吸着器/脱着器ユニットと、1つの蒸発器/凝縮器ユニットと、少なくとも1つの冷却素子を有する1つの真空容器とを備え、該方法は、以下の:
a. 前記冷却素子によって、前記容器を前記凝縮器ユニットの温度よりも低いか、該凝縮器ユニットの温度と同じか又は該凝縮器ユニットの温度と同様の温度に冷却するステップと、
b. 前記脱着器ユニットからの蒸気の形態の冷媒を前記凝縮器ユニットに導入するステップであって、それによって、前記冷媒が前記凝縮器ユニット内で少なくとも部分的に凝縮され、不活性ガスが前記凝縮器内に集まるステップと、
c. 前記凝縮器ユニットと前記真空容器との間に位置する、流体の流れを遮断又は調節する部材を開くステップであって、それによって、異物ガス及び蒸気形態の冷媒が前記凝縮器ユニットから前記真空容器に流れ込むステップと、
d. 前記真空容器は加熱手段によって加熱され、前記容器の内部に広がる総圧によって排出機構が手動又は自動で開かれ、そして前記不活性ガスが前記真空容器から流れでるること、
を含む吸着式冷凍機から異物ガスを除去する方法。
【請求項9】
前記開くステップは、前記吸着式冷凍機の通常運転時に前記凝縮器ユニット内の圧力ピークによって行われる、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記凝縮器は一時的に加熱される、請求項又はに記載の方法。
【請求項11】
前記部材は手動又は自動で開かれるか、あるいは自己調節法によって開かれる、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記真空容器内に収集される前記不活性ガスは、前記容器の排気によって除去される、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
異物ガスを除去するための、吸着式冷凍機用の請求項1〜7のいずれか一項に記載の真空容器の使用であって、
前記真空容器は、前記吸着式冷凍機の蒸発器/凝縮器ユニットに接続され、蒸気を通過させるように開くとともに弁を有する接続手段を有し、また、排出機構と少なくとも1つの冷却素子とを有する、異物ガスを除去するための、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着式冷凍機から異物ガスを除去する真空容器であって、真空容器が、蒸気を通過させるように開いている接続手段を介して吸着式冷凍機の凝縮器ユニットに接続され、また、排出機構と少なくとも1つの冷却素子とを有する、吸着式冷凍機から異物ガスを除去する真空容器に関する。接続手段には、流体の流れを遮断又は調節する少なくとも1つの部材が設けられている。加えて、本発明はまた、吸着式冷凍ユニットと、吸着式冷凍ユニットから異物ガスを除去する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
現行の技術水準において、建物を暖房及び/又は冷房するのに一般的に用いられる冷凍機が知られている。冷凍機は、例えば周囲温度以下の温度で吸熱するとともにより高温で放熱する、熱力学サイクルプロセスを実行する。熱力学サイクルプロセスはヒートポンプのプロセスに類似している。現行の技術水準において既知の冷凍機としては、例えば、吸着式冷凍システム、(拡散)吸着式冷凍機及び圧縮式冷凍システムが挙げられる。
【0003】
吸着式冷凍機は、少なくとも1つの吸着器/脱着器ユニット、蒸発器、凝縮器及び/又は複合型の蒸発器/凝縮器ユニットを備えており、これらは共用容器又は別々の容器内に収容され、別々の容器内に収容される場合、それらの容器は冷媒流用の管によって互いに接続される。従来のヒートポンプ技術と比較した収着機の利点は、吸着/脱着シーケンスが単に収着剤の温度調節によって行われることである。したがって、吸着式冷凍機の容器を気密に密閉シールすることができる。例えば水を冷媒として使用する場合、吸着式冷凍機は好ましくは減圧範囲内で動作する。
【0004】
吸着式冷凍機内で行われる吸着とは、ガス状の冷媒(例えば水蒸気)が固体に加わる物理的プロセスである。冷媒の脱着、すなわち、固体から冷媒を離脱するには、エネルギーが必要である。吸着式冷凍機では、(低温及び低圧で吸熱するとともに、より高温及びより高圧で放熱する)冷媒は、凝集状態の変化が吸着又は脱着に伴うように選択される。現行の技術水準において、微細多孔性であり、したがって、内表面積が非常に大きい物質が、吸着剤として記載されている。有利な材料として、活性炭、ゼオライト、酸化アルミニウム若しくはシリカゲル、リン酸アルミニウム、シリカ−リン酸アルミニウム、金属−シリカ−リン酸アルミニウム、メソ構造ケイ酸塩、有機金属構造体、及び/又は微多孔性ポリマーから構成される微多孔性材料が挙げられる。吸着剤材料は有利には、種々の様式で適用することができる、すなわち、疎層(loose bed)、接着剤ボンド及び/又は結晶化固体とすることができる。吸着式冷凍システムは、これらの種々のタイプの適用により、種々の要件に適合させることができる。したがって、吸着式冷凍機は、場所又は冷媒に適合させることができる。さらに、吸着剤材料の層厚もまた、吸着式冷凍機の性能に極めて重要である。
【0005】
吸着式冷凍機のプロセスでは、吸着熱及び凝縮熱をシステムから除去せねばならない。これは通常、この熱を周囲空気に運ぶヒートシンク、例えば熱交換器系(熱交換器循環系)に運ぶ、流動する熱交換器を介して達成される。しかしながら、吸着熱及び/又は凝縮熱が全く放散されないか又は不十分に放散される場合、吸着式冷凍機内部の温度、ひいては圧力が上昇し、吸着プロセスが停止することになる。したがって、吸着式冷凍機の効率は、伝熱が改善されることによって大幅に上げることができ、これにより必然的にシステムの効率も向上する。同様に、冷気が、流動する熱交換媒体を通じて、冷凍サイクルを介して熱源へと伝わる。
【0006】
収着機における蒸発には、通常、真空容器が必要であり、その理由は、例えば水を冷媒として使用する場合があり、したがって、それに応じて低圧を必要とするためである。
【0007】
吸着式冷凍機はまた、再循環系を有することができ、運転条件に従って変動する差圧を維持しつつ、吸着式冷凍システムの種々の部材の間の流体、特に冷媒の除去を確実にするように働く。これにより流体の連続的な流れが確保される。再循環系は、液化した冷媒を凝縮器から蒸発器へと再循環させるのに特に重要であり、その理由は、このような方法でしか冷媒循環をシステム内で維持することができないためである。
【0008】
吸着式冷凍機を運転する方法が特許文献1から知られている。この方法は、第1のエキスペラー(吸着器)及び第2のエキススペラー(吸着器)を吸着段階と脱着段階との間で周期的に切り換えるとともに逆の段階で運転する熱温度を上げるように働く。2つの吸着器の作用メカニズムを交換する前に、2段階内部熱交換が実施される。この内部熱交換は、第1に均圧ステップ、その後、伝熱コイルによる伝熱を含む。このプロセスは、2つの吸着器の間の均熱を達成した後で続けられる。換言すれば、吸着段階と脱着段階との間での切換え後、脱着段階後の残熱を利用するためにそれらの吸着器の間の温度平衡化が行われる。
【0009】
この吸着原理に従って動作する昇温および冷却方法が特許文献2から知られている。これらの方法は全て密閉システム(真空ハウジング)において行われ、その場合、このシステムを製造する際に、作動流体を適切な低温で蒸発させるのに必要とされる真空圧が形成される。気密シールシステムが、吸着プロセス後の脱着段階時であっても気密にシールされたままとならなければならない。閉じられると吸着プロセスを防ぐシャットアウト(cut-off)装置を、吸着剤容器と作動流体容器との間に設けることができる。シャットアウト装置が開くと、吸着プロセスおよび関連する冷凍又は熱生成を開始することができる。
【0010】
収着システムにおいて、材料及び物質は、例えば化学反応によって、ガスを発生させることができるか又はガスを放出する場合がある。これらの妨害ガス又は妨害蒸気は、吸着時に、ガス状の作動流体が収着器にアクセスすることを妨げ、脱着時に、凝縮表面にガス状の作動流体のアクセスを妨げ(prevent or impede)、それらの双方が冷凍プロセス及び/又は熱生成プロセスを大幅に遅延させるため、これらの妨害ガス又は妨害蒸気により、急速な吸着プロセスが防止される。この結果、これらの収着システムの効率が大幅に下がる。この場合、妨害ガスとして、一般には、収着剤に対するガス状の作動流体のアクセスに影響を及ぼし、したがって、収着プロセスの妨げとなる物質(例えば、二酸化炭素、窒素等)が挙げられる。これらのガスは、不活性ガス又は異物ガスとも呼ばれる。これらの物質は、収着剤中に予め収着され、化学反応によって放出されるか、使用されるハウジング材料からガス発生されるか、漏れによってシステムに入り込む可能性がある。要するに、原則的に、ガス発生又は漏れのいずれかが圧力増加につながり、ひいてはシステムの機能障害につながる可能性がある、そのような真空収着システムに伴う問題がある。
【0011】
現行の技術水準において、収着機のシステムから不活性ガスを除去する種々の手段に関する記載がある。例えば、特許文献3が、バインダーを収着機に導入する方法を開示している。バインダーが収着システムに添加されて、システムを収着プロセスに対する不活性ガス又は不活性蒸気による妨害のない状態に維持し、そのため、作動流体の蒸気のみが蒸気相中に存在する。バインダーは、収着システム内に存在するか又は放出される不活性ガス又は不活性蒸気を結合することによって、不活性ガス又は不活性蒸気を作動流体の蒸気スペースから引き出す機能を有する。内部に収容されている物質の脱ガス又は化学反応によって、収着システム内で放出される量と同じ多くの不活性ガス又は不活性蒸気を結合することが可能でなければならい。したがって、気密にシールされる収着システムでは、限られた量の不活性ガス又は不活性蒸気しか生成され得ず、これが通常、収着サイクルの開始時点である。バインダーは、この時間期間内でこの特定量の不活性ガスしか結合する必要がない。適したバインダーとして、原則的に、収着システム内で発生する不活性ガス又は不活性蒸気を結合することが可能な任意の物質が挙げられる。しかしながら、バインダーは、システム関連の温度変動がある場合であっても、結合した不活性ガスを放出せずにその不活性ガスを保持することが可能であるべきである。この場合、たいていのバインダーは、温度が高い傾向があるため、考えられ得る最も低い温度が広がっているとともに温度変動がごく僅かしかない場所にバインダーを導入するべきである。収着システム内の最も高い温度は、収着時及び脱着時の収着剤容器内に生じる。特許文献3によれば、バインダーは、例えば、凝縮器、蒸発器又は回収タンク内の、比較的、より低いシステム温度が広がっているエリア内に配置される。
【0012】
加えて、特許文献4が、収着機から不活性ガスを除去する方法を記載している。この場合、中間段階が設けられ、この中間段階時に、真空システムにおける異物ガスの検出に従って(例えば、不十分な凝縮器効率ゆえの内部圧力の増加に基づいて)、これらの妨害ガスをシステムから除去するプロセスが行われる。まず、凝縮器からの放熱が可能な限り多く抑えられる。次に、例えばバーナーを介して、熱が収着剤に供給される。収着剤から先に蒸気として排出される作動流体(好ましくは水)が、真空スペース内の最も低温の場所において凝縮し、システム内の圧力が上がるにつれて、通常運転時では真空下にある真空スペース全体を連続的に昇温する。システム圧力が周囲圧力(周囲圧力は通常、1013mbarであるが、他の設定(arrangement)も考えられ得る)を上回る場合、排出機構(例えば、好ましくは弁)を開いて、蒸気分を周囲大気に流出させる。或る程度まで、収着剤からの蒸気が、異物ガスを「押し」出すことによって異物ガスを次第に排出する。そのようにする際、作動流体の一部分は通常、失われる。異物ガスが全てシステムから除去された後、排出機構が閉じられる。
【0013】
特許文献5が、収着機に接続される装置を開示している。この場合、不活性ガスに対して緩衝するキャビティが液化器のエリア内に接続される。キャビティは下側エリア内に入口弁を有しており、この入口弁は常に、中空スペースが位置する端が液状の作動流体で覆われている。
【0014】
現行の技術水準の装置及び方法の不都合点の1つは、それらの装置及び方法が多大な設備費用を必要とすることである。各システムには真空ポンプが備わっている必要があるため、長時間期間にわたって真空ポンプを使用して異物ガスを除去するには高コストが伴う。メンテナンスが行われるごとに、不活性ガスを排出してシステムの連続運転を確保する必要がある。しかしながら、これにより、メンテナンス間隔が短くなり、これにはさらに高コストが伴う。化学的又は物理的な結合によって或る特定の不活性ガスを除去することは、異物物質がシステム内にもたらされることが前提となる。そのような物質は、高選択的であり、全ての不活性ガスに対して有効であるわけではない。さらに、もたらされる物質が収着システムに影響を及ぼすことがないことを完全に否定することはできない。加えて、不活性ガスを除去するために収着システム全体を加熱することによって、収着システム全体を環境に対して加圧状態及び過圧状態に置くことは、非常に複雑であるとともにエネルギー的に好ましくない。特許文献4に開示されている不活性ガス捕集器の不都合点の1つは、実質的により高い凝集器温度(およそ60℃〜80℃)でしか、収着機から十分な異物ガスを除去しないという点である。「高温」蒸気(高圧)が凝縮器から捕集器に流れ込み、捕集器の「低温」内表面(低圧)上で凝縮する。しかしながら、この凝縮は、捕集器の温度が凝縮器の温度よりも低い場合にのみ可能である。より低い凝縮器温度(例えば、20℃〜50℃)で、凝縮器内の蒸気は捕集器内の蒸気よりも既に低温である可能性があり、そのため、蒸気が凝縮器から捕集器に流れ込むことは不可能であり、それに応じて捕集器は機能を果たせなくなる。開示されている捕集器は、その欠点により、非常に限られた温度範囲内でしか使用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】独国特許出願公開第3408193号
【特許文献2】独国特許出願公開第3425419号
【特許文献3】独国特許第4444252号
【特許文献4】独国特許第10310748号
【特許文献5】欧州特許出願公開第2357433号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明の目的は、現行の技術水準の不都合点及び欠点を有しないとともに吸着式冷凍機の連続運転を可能にする手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的は、独立請求項によって達成される。有利な実施の形態は従属請求項から導かれる。
【0018】
現行の技術水準の不都合点及び欠点を有しない、吸着式冷凍機用の真空容器を利用可能にすることができることは、全く驚くべきことであった。この真空容器は、旧型の吸着式冷凍機に安価に後付けすることができる、単純かつ安価な装置である。さらに、異物ガスを排出するのに、真空ポンプも、バインダーも、挙げ得るいかなるエネルギー消費も必要としない。異物ガスは、吸着式冷凍機の稼働中の連続運転の際に排出することができるが、或る特定の総圧が容器内に広がるまで容器内に異物ガスを収集し、その後でのみ、容器からガスを除去することも有利であろう。ユニットの自己排気によって、それにより達成されるメンテナンス需要を大幅に低減することができる。
【0019】
本発明による真空容器は、蒸気を通過させるように開いているとともに、吸着式冷凍機の凝縮器ユニットに接続される接続手段を有する。さらに、容器は、流体の流れを遮断又は調節する少なくとも1つの部材が接続手段内に設けられるように、排出機構と少なくとも1つの冷却素子とを有する。
【0020】
真空容器は、本発明の意味において不活性ガス捕集器と呼ぶこともできる。真空容器は特に、吸着式冷凍機に接続されるとともに中に不活性ガスが集まる外部容器を表す。容器は、特に、生じる異物ガスの総量を考慮して設計することができ、等間隔又は不等間隔で容器を空にすることも好ましい。容器内に存在する異物ガス又は不活性ガスは、種々の方法によって容器から除去することができる。例えば、真空ポンプを排出機構に接続することが好ましい場合がある。排出機構は、例えば、弁として、特に、過圧弁又は排気弁又は圧力調節フラップ弁(例えば逆止弁)として設計することができる。しかしながら、加熱素子が容器に設けられることも好ましい場合がある。除去される異物ガスと一緒に容器に流れ込む冷媒を、加熱素子によって(例えば電気ヒーターによって)100℃を超える温度に加熱することができる。排出機構が過圧弁として具現される場合、いかなる付加的な措置も必要とすることなく異物ガスを排出することができる。
【0021】
凝縮器ユニットと容器との間の接続部(接続手段)に配置される部材が、好ましくは、通し弁、コーナー便、Y字弁、電磁弁、逆止弁又はフロートからなる群から選択される。部材は好ましくは、管に組み込まれ、流れ断面の局所的なくびれを生じさせる。幾何学形状に応じて分類することができる種々の弁を有利には、接続手段に組み込むことができる。弁の使用により、接続手段における流量を、呼び幅を変えることによって正確かつ厳密に分与することができ、接続手段を環境から確実に完全密閉することもできる。弁は有利には、手によって、媒体によって、機械によって、又は電磁的に操作することができる。
【0022】
凝縮器ユニットと容器との間の接続手段における弁には、容器キャビティにおけるよりも高い圧力が凝縮器ユニットにおいて広がるとすぐに弁を開く制御ユニットが備わっていることが好ましい。部材がフロートとして設計される場合、フロートの重量は、フロートが載る開口を確実に閉じるほど十分に重いものでなければならない。脱着段階時、フロートは、容器に充填されている作動流体の蒸気によって上昇する。フロートは、ポリプロピレン等のプラスチックから作製することができる。
【0023】
接続手段は少なくとも管又は貫通開口であることが好ましい。管は好ましくは、形状嵌合で又は凝縮器ユニット及び容器に物理的に結合する方法で接続される。形状嵌合接続具は、好ましくは互いに噛み合う少なくとも2つの接続相手を有することによって、形成される。形状嵌合接続部具として、ねじ、リベット、ピン又はクランプが挙げられる。管は、ねじ又はリベット及び対応するガスケットによって、収着式冷凍機の部材及び容器の部材に接続することができる。
【0024】
加えて、管は、物理的な結合剤によって凝縮器ユニット及び容器に取り付けることができる。物理的に結合される接続は、原子間力又は分子間力によってともに保持される。これらの接続は同時に、それらを破壊することによってしか剥離することができない剥離不能な接続でもある。物理的に結合される接続として、半田付け、溶接又は接着剤接着が挙げられる。
【0025】
1つのみの開口が凝縮器ユニットと容器との間に位置することも好ましいであろう。流体の流れを遮断又は調節する部材が好ましくは、開口に組み込まれる。
【0026】
凝縮器からの蒸気及び/又は液状流体を含む流体は有利には、凝縮器から容器へと、凝縮器ユニットと容器との間の、蒸気を通過させるように開いている接続部による管を通って流れる。本発明の意味における流体とは、特にガス又は液体を意味する。本発明の意味において流体と呼ぶこともできる冷媒は、凝縮器内の蒸気及び液体として存在する。ガス状の冷媒及び異物ガスは、ガスの流れが弁、特に逆止弁又はフロートによって調節されるように、凝縮器ユニットから接続手段を通って容器に流れ込むことが好ましい。この場合、部材は有利には、手動又は自動操作、あるいは自己調節によって操作することができる。しかしながら、部材は、手動でも自動でも調節されることも好ましいであろう。例えば、部材が常に、吸着式冷凍機の或る特定の作動点において開いている場合が有利であろう。
【0027】
当業者であれば、作動点とは、技術装置、好ましくは収着機、特に好ましくは吸着式冷凍機又は吸熱機の、システム特性及び優勢的な外部影響及び外部パラメーターに基づいて想定することができる、特徴マップにおける又は特徴ライン上の或る特定の点を意味し得ることが分かるであろう。この例として、ヒートシンクの温度及び熱源の温度、又は、再冷却回路内の蒸発器ライン若しくは脱着器ラインにおける総体積流が挙げられる。
【0028】
真空容器をユニバーサルに使用することができるとともに種々の設置構成に適合させることができることは、全く驚くべきことであった。容器は有利には、例えば2つの吸着器を使用する単一チャンバーシステム用に、又は、それぞれが吸着式冷凍機の吸着器を1つだけ有する二重チャンバーシステム若しくは多チャンバーシステム用に用いることができる。さらに、本容器は、他のタイプの収着機に容易かつ迅速に適合させることができる。このために収着機の設備を著しく変更する必要はない。本発明の意味におけるプラント構成とは好ましくは、収着機の構成、すなわち、例えば収着機の部材の内部油圧接続部、冷媒側の部材の内部接続部、又は収着機の変更した基本設計(例えば、吸着器の数、蒸発器の運転、凝縮器の運転等)を意味する。
【0029】
本発明の意味における管とは、特に、長さが通常、断面よりもはるかに長い、細長い中空体を示す。管は、矩形若しくは楕円の断面、又は更なる何らかの他の断面を有することもできる。管は好ましくは、0m〜2mの長さを有するが、0m〜1mの長さが特に有利である。管は単に、凝縮器ユニット及び容器に接続することができる。本発明の意味において、管が凝縮器ユニットと容器との間の開口としてのみ存在するように、管を短く設計することも有利であろう。このことは、非常にコンパクトなシステムの場合に特に必要であろう。それにもかかわらず、これは現行の技術水準において記載されている。したがって、本発明の意味における接続手段は特に、少なくとも1つの管と、液状及び/又はガス状の冷媒の質量流及び/又は異物ガスが通って流れることができる1つの開口又は通路とを備える。
【0030】
管は好ましくは、金属材料、プラスチック材料及び/又はセラミック材料から作製される。好ましい変形形態として、鋼、ステンレス鋼、鋳鉄、銅、真鍮、ニッケル合金、チタン合金、アルミニウム合金、プラスチック、プラスチックと金属との組合せ(複合管)、ガラスと金属との組合せ(エナメル)又はセラミックが挙げられる。複数の管を強制係止及び/又は物理的な結合方法でともに接合することが好ましい場合もある。強制係止用の部材は、引張リング、成形部品、湾曲管セグメント、ねじ又はリベットを含む。物理的に結合される結合法は、接着、溶接、半田付け又は加硫を含む。有利には、銅又はアルミニウムが、熱伝導性が良好であるため、管の材料として用いられるが、ステンレス鋼が静的強度値及び動的強度値が高く、また耐腐食性が高いため、ステンレス鋼を用いることが有利である場合もある。プラスチック、例えば、ポリ塩化ビニルから作製される管が特に軽量であるとともに可撓性があり、したがって、吸着式冷凍機を軽量化することができる。構造セラミック材料を含むセラミック材料は、安定性が高く、保存寿命が長い。ここで挙げた材料の組合せは、異なる物質特性をこのようにして組み合わせることができることから、特に有利である。好ましい材料は、高温又は可変圧に対して安定性があるため、管及び/又は吸着式冷凍機の高度な技術的製造要求を満たす。
【0031】
真空容器はまた好ましくは、金属から作製される。このようにして、高圧及び可変圧に耐えることもできる、吸着式冷凍機から異物ガスを除去する安価な手段を利用可能にすることが可能であることが見出された。
【0032】
吸着式冷凍機の蒸発器/凝縮器ユニットに接続され、また、弁を有する接続手段と排出機構と少なくとも1つの冷却素子とを有する真空容器を用いて、吸着式冷凍機から異物ガスを除去することができることは、全く驚くべきことであった。特に、真空容器の冷却により、異物ガスを凝縮器ユニットから効率的に「吸い」出す不活性ガス捕集器を利用可能にすることが可能である。凝縮器からの異物ガスの排出は、真空容器の冷却によってのみ可能になることが見出された。容器の冷却により、高い周囲温度によって機能が制限されないユニバーサルに使用可能な手段が利用可能になる。さらに、容器を冷却しないことによって、容器自体が、例えば、予熱に起因して、又は吸着式冷凍機の設計ハウジング以下の昇温に起因して、凝縮器温度を上回る温度を帯びているため、不活性ガスが凝縮器から容器に流れ込むことを確実にすることが可能であることが見出された。したがって、容器内の圧力が任意選択的に、凝縮器ユニット内の圧力よりも高く、不活性ガスが凝縮器から容器に流れ込むことがない。
【0033】
真空容器は、好ましくは容器の温度を凝縮器ユニットの温度よりも低いか、凝縮器ユニットの温度と同じか又は凝縮器ユニットの温度と同様の温度に維持する冷却素子を有する。当業者には、吸着式冷凍機のユニットの温度が、吸着式冷凍機のユニット内に広がる圧力と相関することが分かるであろう。容器内又は吸着式冷凍機内の不活性ガスの濃度が上がる場合、任意選択的に、温度と圧力との相関関係を確立することが可能であり得る。さらに、当業者には、圧力低下が温度低下の後に生じることが分かるであろう。真空容器内の不活性ガスにより、容器内の温度が凝縮器内の温度と同じ又は同様であるように、特に凝縮器内の圧力よりも低い圧力が容器内に広がることが好ましい。当業者が「同様の」温度を判断することは簡単であろう。本発明の意味における「同様の」温度は、凝縮器と容器との温度差が40℃未満、好ましくは20℃未満、特に好ましくは5℃未満である場合に特に生じる。
【0034】
凝縮器内の圧力よりも低い圧力が容器内に広がることが好ましい。これにより、不活性ガスが凝縮器から容器に流れ込むことを確実にすることが可能になる。圧力の低減は好ましくは、真空容器を冷却することによって達成され、凝縮器内の圧力、特に温度を増加させることも好ましいであろう。これは有利には、凝縮器からの放熱がより少ないことによって達成することができる。加えて、凝縮器内の圧力が高く、特に真空容器内の圧力よりも高い場合に、容器と凝縮器との間の接続手段が開かれることが好ましいであろう。当業者には、吸着式冷凍機が異なる運転モードを有すること、また、吸着式冷凍機における異なる時間点において異なる圧力が広がることが分かるであろう。したがって、容器と凝縮器との間の差圧が高くなるかさらには最も高くなると不活性ガスが凝縮器ユニットから除去される場合が有利である。本発明の意味における最も高い差圧は、圧力ピークと呼ぶこともできる。圧力ピークとは、当業者が吸着式冷凍機において精通している、好ましくは吸着式冷凍機の1つのユニットにおいて周期的に繰り返すとともに、吸着式冷凍機の個々の段階(例えば、吸着、脱着、凝縮又は蒸発)と相関する高圧を指す。
【0035】
当業者には冷却手段の認識がある。冷却素子又は冷却手段は好ましくは、以下:
凝縮器からの凝縮物(すなわち、液状の冷媒)による冷却、特に、中を通って液状の冷媒が凝縮器から容器に流れ込む、凝縮器と容器との間の別の接続手段を用いての、好ましくは、
冷媒が凝縮器から熱交換器素子(特に熱交換器)に送られるように(熱交換素子、例えば、管コイルを用いての)外部からの、及び/又は
(液状の冷媒を凝縮器から容器へと接続手段を通して供給する)内部からの、
冷却と、
ファンによる冷却と、
容器と蒸発器との間の接続手段による接続(蒸発器は吸着式冷媒機内で断然最も低温のエリアである)部と、
特に容器に又は容器近くに配置されるペルチェ素子と、
還流冷却回路(吸着器及び凝縮器を再冷却する、外部の水回路)との容器の伝熱接続部と、
吸着式冷凍機の冷凍器サイクル(蒸発器サイクル)との伝熱接続部と、
「能動的な」冷凍発生ユニット、特に液体冷却器、空気調整器、又は当業者が精通しているとともにエネルギーを必要とする他の冷却機器と、
を含む。
【0036】
吸着式冷凍機の再冷却回路又は冷媒回路との間の伝熱接続は好ましくは、熱交換器により達成することができ、それによって、熱媒体(すなわち加熱媒体流体)が、例えば容器に又は容器近くに配置されている熱交換器を通過することで、再冷却回路又は冷媒回路からの低温伝熱媒体が容器と伝熱接触又は伝熱接続する。容器が、凝縮器ユニットの、液状の冷媒が位置するエリアとの接続を有することも好ましいであろう。換言すれば、中を液状の凝縮物が通って流れる少なくとも1つの更なる接続手段が凝縮器ユニットと容器との間に設けられることが好ましい。液状の冷媒は次に、この接続部、例えば管を通って容器に流れ込み、容器を冷却することができる。さらに、液状の冷媒が、凝縮器ユニットから外部の熱交換器(例えばスパイラル管)へ搬送され、それによって容器を冷却することが好ましい。別の実施の形態では、容器は、吸着式冷凍機の蒸発器ユニットとの接続を有する。当業者には、吸着式冷凍機内の最も低い温度が蒸発器ユニット内で生じることの認識がある。効果的な真空容器が、例えば熱伝導素子として設計することができる接続部に起因して可能である。
【0037】
別の態様では、本発明は、吸着式冷凍機であって、吸着式冷凍機は少なくとも1つの吸着器/脱着器ユニットと、蒸発器/凝縮器ユニットと、真空容器とを備え、蒸気を通過させるように開いている接続手段が凝縮器ユニットと真空容器との間にあり、容器が少なくとも1つの冷却素子を有する、吸着式冷凍機に関する。平均的な当業者には、吸着式冷凍機のタイプに応じて上記の構造ユニットのうちのどれを使用せねばならないかが分かる。上述したリストは、吸着式冷凍機のタイプに応じて、個々のユニットから組み合わせることができる構造ユニットの群を示す。当業者は、個々の部材の選択及びそれらの部材の組み合わせ方に精通している。
【0038】
吸着式冷凍機の好ましい実施の形態では、容器と凝縮器ユニットとの間に少なくとも2つの接続手段がある。したがって、異物ガス及びガス状の冷媒が凝縮器ユニットから容器に搬送されるだけでなく、液状の冷媒が凝縮器ユニットから容器に流れ込むことも好ましい。したがって、好ましい実施の形態では、容器内に、加熱素子によって加熱することができる液状の冷媒があり、そのため、異物ガスを容器から引き出すことができる。加えて、凝縮器ユニットと容器との間に開いた接続(an openconnection)があること、また、容器が冷却されると蒸気が捕集器内で凝縮することが好ましい。
【0039】
別の態様では、本発明は、吸着式冷凍機から異物ガスを除去する方法であって、吸着式冷凍機は少なくとも1つの吸着器/脱着器ユニットを備える、吸着式冷凍機から異物ガスを除去する方法に関する。真空容器を種々の方法で調節することができることは驚くべきことであった。例えば、調節式電磁弁又は自己調節式過圧弁により異物ガスが容器から搬送されることが好ましい。しかしながら、容器への異物ガスの導入は、任意の所望の時間点において可能であるか、又は凝縮器ユニット内の圧力が最も高くなる場合に行われることさえもできる。当業者には、吸着式冷凍機が種々の運転モードを有すること、また、種々の圧力がユニット内に広がることの認識がある。
【0040】
ユニット、1つの蒸発器/凝縮器ユニット、及び、少なくとも1つの冷却素子を有する1つの真空容器であって、以下の:
a. 前記冷却素子によって、前記容器を前記凝縮器ユニットの温度よりも低いか、該凝縮器ユニットの温度と同じか又は該凝縮器ユニットの温度と同様の温度に冷却するステップと、
b. 前記脱着器ユニットからのガス状の冷媒を前記凝縮器ユニットに導入するステップであって、前記冷媒が前記凝縮器ユニット内で少なくとも部分的に凝縮し、不活性ガスが前記凝縮器内にまず集まる、前記脱着器ユニットからの蒸気の形態の冷媒を前記凝縮器ユニットに導入するステップと、
c. 前記凝縮器ユニットと前記真空容器との間に配置される、流体の流れを遮断又は調節する部材を開くステップであって、それによって、異物ガス及びガス状の冷媒が前記凝縮器ユニットから前記真空容器に流れ込む、流体の流れを遮断又は調節する部材を開くステップと、
を含む、1つの蒸発器/凝縮器ユニット、及び、少なくとも1つの冷却素子を有する1つの真空容器。
【0041】
凝縮器ユニット及び真空容器が双方とも「休止」状態では同じ圧力を有しているにもかかわらず、吸着式冷凍機の運転の際、周期的な圧力ピーク時に、凝縮器ユニット及び真空容器の同様の温度において、容器が凝縮器ユニットから不活性ガスを除去することができることは驚くべきことであった。
【0042】
部材が凝縮器ユニット内の蒸気圧に起因して手動又は自動で開く場合が有利であろう。このようにして、その間に異物ガスが吸着式冷凍機から除去される段階を調節することが可能である。容器は好ましくは、加熱剤(例えば、電気ヒーター又はペルチェ素子)によって加熱され、そのため、排出機構が容器内部の総圧に起因して手動又は自動で開き、不活性ガスが容器から流れ出る。
【0043】
部材を開くことは、吸着式冷凍機の通常運転の際、凝縮器ユニット内の圧力ピーク時に行われることが好ましい。当業者には、吸着式冷凍機の運転において、特に異なる段階において、吸着式冷凍機のユニット内に異なる圧力が広がり得ることが分かるであろう。したがって、凝縮器ユニット内の圧力が高い圧力ピーク時に部材を開くか、又は、部材が自動、あるいは自己調節式に開いて不活性ガスが凝縮器から容器に流れ込む場合が有利であろう。
【0044】
加えて、凝縮器が(例えば、放熱の低減に起因して)一時的に加熱され、したがって、さらにより高い圧力ピークを発生させることができることで、凝縮器から容器への不活性ガスの改善された導入につながる場合が有利であろう。凝縮器ユニット内の温度増加に起因して、凝縮器ユニット内の圧力も増加し、そのため、部材を開くと不活性ガスが凝縮器から容器に流れ込む。
【0045】
真空容器内に収集された不活性ガスは、容器を排気することによって除去されることが好ましい。このために、例えば、真空ポンプを容器の排出機構に接続することができる。
【0046】
ここで本発明を例としての図に基づいて説明するが、本発明はそれらの例に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】A〜Cは、真空容器の好ましい実施形態のうちの1つを示す図である。
図2】凝縮器ユニットを伴った真空容器の一実施形態を示す図である。
図3】真空容器を伴った好ましい吸着式冷凍機を示す図である。
図4】蒸発器ユニットと真空容器との接続を伴った好ましい吸着式冷凍機を示す図である。
図5】真空容器の周囲に管コイルを伴った好ましい吸着式冷凍機を示す図である。
図6】ハウジングを伴った好ましい吸着式冷凍機を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1A図1C及び図2は、真空容器及び凝縮器ユニットの好ましい実施形態を示す。凝縮器ユニット8及び真空容器1は真空下にある。凝縮器ユニット8は、ガス状の冷媒の他に、不活性ガスも収容している。真空容器1は、一実施形態では液状の冷媒7及び水蒸気のみを収容している(不活性ガスは最小限の量であるか又はさらには全くない)。弁2との接続手段が開き、不活性ガスが蒸気形態の冷媒とともに真空容器1に流れ込む。このため、真空容器と凝縮器ユニット8との差圧が有利である。この差圧は好ましくは、冷却素子(cooling element)4により真空容器を冷却することによって達成される。
【0049】
異物ガスが真空容器1から除去される場合、接続手段が好ましくは、弁2によって閉じられ、真空容器1が特に加熱素子により加熱される。真空容器1内の圧力が周囲圧力を上回ると、排出機構3が開き、それによって、水蒸気及び不活性ガスが環境に流れ込む。真空容器を冷却する別の可能性は、弁2及び弁6により接続手段を開くことである。液状の冷媒が接続手段を通って弁6を介して真空容器1に流れ込み、蒸発し、接続手段を通って弁2を介して凝縮器ユニット8に流れ戻る。真空容器1はこのようにして冷却される。さらに、容器1の更なる冷却が、凝縮器ユニットから冷温の冷媒を導入することによって達成されることが好ましい。このために、例えば、凝縮器ユニットと真空容器1との間に接続部があるものとすることができる。
【0050】
図3は、真空容器を伴った好ましい吸着式冷凍機を示し、図4は、吸着式冷凍機の蒸発器ユニットとの接続部を伴った吸着式冷凍機を示す。図5は、容器の周囲の管コイルの構成を示す。吸着式冷凍機12は好ましくは、凝縮器ユニット8と、吸着器ユニット9と、脱着器ユニット10と、蒸発器ユニット11とを有する。真空容器1は、吸着式冷凍機12の凝縮器ユニット8から異物ガスを引き出す。異物ガスは、加熱素子によって、容器1内で過圧に達して不活性ガスが排出機構3を通って放出されることで、真空容器1から除去することができる。真空容器1は好ましくは、制御弁又は逆止弁を有する接続手段2により凝縮器ユニット8に接続される。吸着式冷凍機12の運転中、不活性ガスは主として凝縮器ユニット8内に集まる。
【0051】
真空チャンバー1と凝縮器ユニット8との間の接続手段2の弁が開くと、不活性ガスが容器1及び凝縮器ユニット8の容積全体にわたって分散し、そのため、凝縮器ユニット8内の不活性ガス濃度が減少すると同時に不活性ガス濃度が容器1内で増加する。凝縮器ユニット8内の温度は好ましくは真空容器1の温度よりも高いため、凝縮器ユニット8と真空容器1との間に差圧も存在する。これにより、凝縮器ユニット8から真空容器1への蒸気の流れがもたらされる。この流れにより、より多くの不活性ガスが真空容器1へ押しやられ、そのため、容器1内の異物ガスの濃度が更に増加する。
【0052】
蒸気の流れの強度は、凝縮器8対容器1の圧力比及び凝縮器8対容器1の容積比等の種々のパラメーターに応じて決まる。蒸気の流れを強めるために、凝縮器8内の作動圧力を一時的に増加させることができる。この増加は、幾つかの方法、例えば、再冷却用の容積流をスロットルで調節すること又は凝縮器8を能動的に加熱することによって可能である。しかしながら、この圧力増加は常に真空範囲内に留まるが、冷却素子4によって真空容器1を冷却すること、また、容器1の温度を凝縮器ユニット内の温度よりも低いか、凝縮器ユニット内の温度と同じか又は凝縮器ユニット内の温度と同様に維持することが好ましい。さらに、任意選択的に部材(例えば、弁)を有する接続手段13が真空容器1と蒸発器ユニット11との間に設けられる場合が有利であろう。蒸発器ユニット11内の圧力が容器1内の圧力よりも低いため、容器1と蒸発器11との間に接続部が存在する場合、容器1内に存在している液状の冷媒7が蒸発する。ガス状の冷媒が蒸発器に流れ込む。この蒸発プロセスでは、冷媒が容器1から熱エネルギーを吸収し、容器1を冷却する。
【0053】
容器1の冷却はまた、凝縮器8から出る液状の冷媒を、容器と熱伝導接触して存在する熱交換素子へ搬送することによって達成することができる。換言すれば、冷却素子が、熱伝導性コンパウンド又は熱交換器と呼ぶこともできる熱伝導素子又は熱交換素子であることが好ましい。熱交換器の例として、特に、大きな表面積を有するとともに容器に取り付けられる機構(例えば管コイル)が挙げられる。当業者はそのような熱交換器に精通している。図5は、一例としてそのような1つの管コイル14を示しているが、本発明はこれに限定されない。管コイル14は容器1に配置され、好ましくは、その中を凝縮器8からの液状の冷媒が通って流れる。液状の冷媒を管コイル14から蒸発器ユニット11に搬送することができ、そのため、凝縮器ユニット8と蒸発器ユニット11との間の接続部が凝縮液再循環部として機能することができる。
【0054】
次のステップは、十分な不活性ガスが容器1内に集まってから或る特定の時間期間後に、容器1から不活性ガスを除去することである。これは、例えば、容器を加熱することによって又は真空ポンプによって達成することができる。加熱によって、周囲圧力に対する過圧が容器1内に生じる。その後、ガス状の冷媒及び不活性ガスを、排出機構3を通して周囲へと除去することができる。容器1と凝縮器8との間の接続部は好ましくは、このプロセス時では遮断される。このステップの後、容器1を(能動的に又は受動的に)冷却し、このプロセスを繰り返すことができる。方法の頻度は、系統周期の設計に応じて決まる。
【0055】
容器1内で収集された液状の冷媒7は、様々な手段によって除去することができる。例えば、液状の冷媒7は、容器1の加熱に起因して蒸発することができ、その後、凝縮器8内で凝縮することができる。別の可能性は、液状の冷媒7を容器1内の液状の冷媒7の溜め部(sump)と凝縮器8内の液状の冷媒7の溜め部との間の接続部を通して再循環させることである。容器1内で収集される液状の冷媒7の量が非常に少なくなるように、容器1を凝縮器8の隣に位置決めすることも可能である。
【0056】
図6は、ハウジングを伴った、前述で示した吸着式冷凍機のような吸着式冷凍機を示す。室温がおよそ30℃以下しかない場合であっても、吸着式冷凍機12が位置付けられているハウジング15下では、およそ60℃以上の温度(図6のハウジング温度=を参照のこと)が広がることができることが見出されている。これらの温度は、単に説明のために用いられており、例として挙げられているにすぎない。本発明はこれらの温度に限定されない。容器1は、吸着式冷凍機の外側ではあるがハウジング15下に配置されているため、ハウジング15下の温度を呈する。凝縮器ユニット8が例えばおよそ40℃の温度(図6の凝縮器温度=を参照のこと)を有する場合では、凝縮器8内の圧力が容器1内の圧力よりも低いため、不活性ガスは凝縮器8から容器1に流れ込むことができない。この場合は、現行の技術水準において記載されている設備又は方法によって解決することができず、そのため、不活性ガスを吸着式冷凍機から除去することができない。しかしながら、本発明によれば、容器1の冷却が行われ、そのため、容器1内の圧力が好ましくは常に凝縮器8内の圧力よりも低くなり、吸着式冷凍機からの不活性ガスの排気と吸着式冷凍機の連続運転とが確保される。
【符号の説明】
【0057】
1 真空容器
2 凝縮器ユニットとの接続手段
3 排出機構
4 冷却素子
5 蒸発器ユニットとの接続手段
6 蒸発器ユニットとの更なる接続手段
7 液状の冷媒
8 凝縮器ユニット
9 吸着器ユニット
10 脱着器ユニット
11 蒸発器ユニット
12 吸着式冷凍機
13 蒸発器ユニットとの接続手段
14 管コイル
15 ハウジング
図1
図2
図3
図4
図5
図6