【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決策は、独立請求項の特徴を有する固定器具である。有用な、さらなる発展は、従属請求項の主題である。
【0007】
ホルダと、骨ねじを受け入れる張力スリーブと、を備えた固定器具において、前記骨ねじは、前部ねじ山と、後端部に頭部と、を備えた軸部を、有しており、前記ホルダは、前記張力スリーブが、取り付けられて旋回可能な座受を、有する貫通穿孔を、有しており、前記軸部が、その後方領域の前記頭部の前方に、その幅が前記頭部に向かって増大する、増肉部を有し、前記張力スリーブの幅が、前記増肉部の直前の、前記軸部の幅より大きく、且つ、前記増肉部の最大幅より小さいことを特徴とする。
【0008】
「前方」というのは、先端へ向かう方向のことであり、「後方」というのは、骨ねじの頭部へ向かう方向のことである。
【0009】
前方から後方まで増大する増肉部は、張力スリーブの正幅より大きい、頭部でその最大幅に達する。好ましくは、増肉部は、張力スリーブの長さの少なくとも2.5倍の長さを超えて、延びている。増肉部が、円錐状、すなわち、最大でも15度、好ましくは最大でも5度の、コーン角度を有しているときが、特に好ましい。
【0010】
旋回できるというのは、ここでは、張力スリーブによって固定された骨ねじの軸が、ホルダの貫通穿孔の軸に対して自由に調整できる角度を取ることができることである。調整範囲は、貫通穿孔の中心軸の周囲の各方向において、少なくとも15度であることが好ましい。
【0011】
本発明は、その角度位置において、ねじを固定する力を大幅に向上させるための、2つの特徴の組み合わせを用いる考えに、基づいている。一方において、骨ねじの頭部から前方の増肉部の配置は、骨ねじが、非常に高い力を負荷した状態下においても、張力スリーブから滑脱することを防止している。それ故、軸方向前方に変位されながら、骨ねじは、インプラント側に、締め付けられることができる。他方において、この軸方向の変位のおかげで、増肉部は、張力スリーブに侵入し、その内壁を押圧する。このようにして、好ましくはその球状の外皮表面を有する張力スリーブは、弾性的に拡大され、好ましくは相補的、つまり、球状に形成されたドーム型の座受の壁部を、係止する。増肉部のタイプに応じて、1つは、5度のコーン角度に関して10倍を超える相当な力の伝達を、このようにして実現する。それ故、張力スリーブと受け座との間の圧力が、効果的に実現され得る。骨ねじは、それ故、絞り嵌によって所望の角度位置に固定される。
【0012】
通常、増肉部は、滑らかな外皮表面を、有している。これは、骨ねじの摩擦のない締め付けと、張力スリーブに対する単純化された軸移動と、を可能にする。しかし、それは、増肉部上に第2のねじ山を構成するように設けてもよい。これは、好ましくは、軸部のねじ山と同じピッチを、有している。第2のねじ山が、多条ねじ山であることは、特に好ましい。これは、特に、対応するねじ山が非常に短いときに、ねじ込みプロセスを単純化する。対応するねじ山は、張力スリーブの、好ましくは、張力スリーブの好ましくは円筒状の内壁の周りに延在する肩部に、形成されてもよい。肩部は、骨ねじが横滑りすることを防止し、そこに配置された内部ねじ山が、張力スリーブの拡張を促進し、それ故、さらに締め付け安全性を増大する。
【0013】
好ましい一実施形態において、増肉部の外皮は、それ自身のねじ切り部(第2のねじ山)を、備えている。第2のねじ山は、好ましくは、軸部のねじ山のピッチより小さい、故意に0.4から0.6の範囲のピッチに、設定されている。それ故、第2のねじ山は、軸部のねじ山より細かく、したがって、好ましくは、単続きのねじ山である。しかし、多続きのデザインは、除外されない。第2のねじ山が形成される外皮の前には、好ましくは、幅が、軸部の幅から外皮の幅まで増大する円錐状の区分が、設けられている。外皮自身は、故意にシリンダ状であるが、これは強制ではない。好ましくは、頭部は、増肉部に直接隣接し、且つ、後部の方へ広がるように、デザインにおいて円錐状である。
【0014】
増肉部が、軸部から均一に立ち上がることは、必ずしも必要ではない。増肉部がその前端部においてフランジを形成することも、設けてもよい。増肉部を骨ねじの頭部に構造的に結合し、その上、増肉部の外側外皮が、頭部を超えてさらに故意に延びることができる円錐部を、有することは、特に適切である。
【0015】
さらに、骨ねじが、頭部に向かって増大するねじの谷径を有する円錐状ねじ山を、有することを、設けてもよい。そのようなねじ山によって、骨への優れた切削作用が、単純な埋め込み技術の優れた締め付け安全性で、実現され得る。
【0016】
張力スリーブは、スロット加工されていることが好ましい。これは、様々な方法で成し遂げられる。このようにして、スロットは、張力スリーブの全長を伸びて、設けられてもよい。これは、座受の壁部への力の回転対称移動を犠牲にするにもかかわらず、優れた拡張能力を生み出す。代替的に(又は、加えて)、一端部に幾つかのスロット開口を有するように設けてもよい。故意に、それらは、前端に向けて、開口している。
【0017】
張力スリーブは、複雑な連続的な開口を、備えてもよい。これは、連続的な開口が、拡張機能を成し遂げる円錐状の区分と、好ましくは、短く(最大でもねじの2回転)ねじ切りされて締め付けに役立つ、ねじ切りされた区分と、を有することを、意味する。
【0018】
代替的な実施形態において、選択的に独立して保護するに値する固定器具は、ねじとホルタとを備え、前記ねじは、ねじ切りされた軸部と、ボール頭部とを有し、前記ホルダは、保持スリーブと、張力要素と、押圧要素と、を有し、前記保持スリーブは、前記張力要素用の前方滑合部と、押圧要素用の後方内部ねじ山と、を備えた連続的な内部穿孔であって、前記張力要素は、張力ケージであって、組み付けられた状態において、前記ボール頭部が、その最大幅の領域を超えて囲まれ、且つ、前記張力ケージが、軸方向移動の下、前方向に互いに押し合われて、且つ、前記ボール頭部に押圧されるように、円錐状の境界面を介して、前記滑合部と相互に作用している。
【0019】
これは、2つの特徴の組み合わせによって、その角度位置において、ねじを固定する力の相当な増加を提供することの考えに、基づく。一方において、これは、張力ケージが、ねじのボール頭部をその赤道周りで取り囲む点で実現され、このようにして、非常に高い力の負荷の下であっても、ボール頭部が滑り又は追い出されることから防止されている。これは、張力ケージと保持スリーブ内の滑合部との間の、本発明に従って特定される円錐と相まって、それによって、押圧要素によって適用される押圧力が、ねじのボール頭部を内側に収容した張力ケージの狭窄を、引き起こす。ボール頭部を取り囲む張力ケージの外皮表面は、くさび効果のおかげで、圧入結果のような相当に高められた力で、ボール頭部に押し込まれる。非常に高い力の適用下であっても、この圧入のおかげで、滑り出ることへの予防と相まって、とても安定した角度固定が実現される。
【0020】
張力ケージによって与えられる押圧力を増大させるために、張力ケージは、好ましくは、前端部に向かう開口である、その外皮表面にスロットを、備えている。このようにして、張力ケージは、相当に圧縮されたときであっても、ボール頭部への妨害なしで、且つ、張力ケージ内に生じる、いかなる望ましくない内部制約なしで、円錐によって生じた押圧力を、伝達できる。
【0021】
有利なことに、押圧要素は、張力ケージの端面の外縁に、作用する。押圧力が、張力ケージの中央でなく、外縁に作用するとき、張力ケージの外側外皮表面と滑合部との間の、円錐状の境界面への直接的な力の伝達が、存在する。さらに、これは、張力ケージが、張力ケージから押し出すようにボール頭部に作用する力を生じる押圧力の負荷の下、中央部が凹まされるのを、防止する。これは、締め付け安全性を高める。
【0022】
有利なことに、張力ケージは、その前端部に、径方向に突出した縁部を、有している。これは、張力ケージが前部から保持スリーブに押されてもよく、その後、保持スリーブの前縁における狭窄部を通過して、径方向に突出する縁がまだ狭窄部の外側に位置し、且つ、張力スリーブは、ねじ山の後方に横滑りすることから防止されながら、その部分に係止するので、保持スリーブへの張力ケージの仮組を、可能にする。骨ねじのボール頭部は、このユニットに、押圧されてもよい。そのような仮組によって、外科医にとっての有用性は、相当に促進され、さらに部材の紛失可能性という患者への高リスクが、回避される。
【0023】
円錐境界面は、任意の与えられる方法で、構成され得る。張力ケージが、円錐状の外縁を有することは、好ましい。これは、内部穿孔の前端部に設けられた狭窄部と協働できる。内部穿孔の残り部分は、基本的に形態において、円筒状でよいので、そのような狭窄部は、組立を容易にする。しかしながら、代替的又は追加的な特徴として、内部穿孔が、滑合部の領域において円錐状に先細になることは、除外されない。
【0024】
好ましい実施形態において、滑合は2つのゾーンを有しており、その一区分はスリーブに配置されており、他方は張力ケージに配置されている。スリーブ上の区分は、前区分であり、このすぐ後で、区分は張力ケージに接合している。張力ケージの後区分は、前区分への遷移部に、その最大幅を有している。後方円錐状区分は、好ましくは、滑らかに、つまり、幅において変化なく、接合している。この好ましい実施形態に係る張力ケージは、後区分に配置され、上述されたようにボール頭部が赤道を越えて囲まれるような、空洞球球状シェルのように形成された区分と、互いに作用する。ここで説明された変形例において、張力ケージそれ自身は、赤道を越えない。この2部品デザインは、組立が容易であり、許容誤差への感度が小さい、ボール頭部の優れた締め付けを、確かにする。
【0025】
張力ケージは、その後端面に、好ましくは、支持ロッドを受け入れるように形成された溝状の凹面を、有している。支持ロッドに関して、さらに詳細は、さらに以下で説明される。凹面は支持ロッドとのぴったりとしたフィットを保証し、それ故、その位置の正確な支持を保証する。
【0026】
張力ケージは、故意に、その後方ゾーンにおいて、好ましくは、二重のスロットとして、側方にスロット加工されている。これは、拡張できる舌部を生み出す。それらは、故意に、スリーブの内側の窓状の凹部と係合するような寸法に、形成されている。これは、その意図的でない位置決めのロスを防止しながら、それによって支持される骨ねじに沿って、張力ケージの追加の固定を、提供する。
【0027】
好ましくは、後部ねじ山領域の内部孔の幅は、滑合部の領域の幅より大きい。これは、すなわち、張力ケージを、ねじ切りされた区分を通して、滑合部の領域でのその位置へ、案内することによって、張力ケージの保持スリーブへの容易な仮組を可能にする。これは、内部孔の前開口の幅が、張力ケージの幅より小さくなることを、許容する。このようにして、張力ケージは、前方への意図的でない横滑りが、予防されている。
【0028】
故意に、保持スリーブは、インプラントの支持ロッド用の座を、有している。これは、一方が、骨ねじが組み込まれた骨の領域の、インプラントのしっかりとした固定の実現を、可能にする。複雑なインプラントでさえ、この方法によって、しっかり締め付けられて、角度において安定している。有利なことに、座は、後部内部ねじ山と前部滑合部との間の遷移領域の、保持スリーブの内部穿孔への横断穿孔として、構成されている。組み付けられた状態で、ロッドは、このように、押圧要素と、押圧要素がロッドなしで直接に作用し得る張力ケージとの、端面の間に、位置している。ロッドが組み付けられたとき、圧力が、押圧要素から張力ケージへ、つまり、直接的でなく、つまり、ロッドの断面を横切って、伝達される。これは、さらなる負担なしで、固定器具に対してロッドの固定を、同時に成し遂げる。
【0029】
横断穿孔は、好ましくは、円形でない断面を有している。このようにして、ぴったりとしたフィット接合が、ロッドと保持スリーブとの間に、実現されている。これは、望まないねじれに対しての、さらなる安全性を生み出す。横断孔は、ロッドと同じ断面形状を有さなければならないことは、必ずしも必要はなく、むしろ、故意に、横断孔は、内部孔の縦軸の方向における長さ方向に、延びている。これは、さらなる調節室を提供し、張力ケージがかなり遠く前方(骨ねじの薄いボール頭部に相対的に釣り合うように)に位置しているときであっても、しっかりとした締め付けを、保証する。
【0030】
好ましくは、押圧要素は、鋸歯ねじ山を有しており、その後方を指向する荷重側面は、他の方向を指向する側面より、急勾配である。0度の荷重側面角度又はマイナスの荷重側面角度は、特によく働くことを証明してきた。
【0031】
すべての実施形態において、骨ねじは、その中心軸に沿って走る、つまり、カニューレが挿入される、連続的な穿孔を、備えていてもよい。それ故、それは、困難なアクセス条件下であっても、非常に優れた位置決めの正確性を成し遂げながら、押し通されるガイドワイヤに沿って、挿入され得る。