特許第5872581号(P5872581)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サンパワー コーポレイションの特許一覧

特許5872581バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872581
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/18 20060101AFI20160216BHJP
   H01L 21/225 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   H01L31/04 440
   H01L21/225 Q
   H01L21/225 D
【請求項の数】20
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-541988(P2013-541988)
(86)(22)【出願日】2011年10月3日
(65)【公表番号】特表2014-504003(P2014-504003A)
(43)【公表日】2014年2月13日
(86)【国際出願番号】US2011054603
(87)【国際公開番号】WO2012074602
(87)【国際公開日】20120607
【審査請求日】2014年9月25日
(31)【優先権主張番号】12/959,199
(32)【優先日】2010年12月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505379467
【氏名又は名称】サンパワー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】マニング、ジェーン
【審査官】 佐藤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0308438(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/065434(WO,A1)
【文献】 特表2008−512858(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/025269(WO,A1)
【文献】 再公表特許第2010/126038(JP,A1)
【文献】 特開平04−061321(JP,A)
【文献】 特開2010−010493(JP,A)
【文献】 特開昭64−047023(JP,A)
【文献】 特開平09−008127(JP,A)
【文献】 特開2007−194636(JP,A)
【文献】 特開2007−134655(JP,A)
【文献】 前田和夫,「最新 LSIプロセス」,株式会社工業調査会,1983年 7月25日,第156−158頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02−31/078
H01L 21/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法であって、
薄い誘電体層を基板上に形成する工程と、
前記薄い誘電体層上にポリシリコン層を形成する工程と、
固体のp型ドーパント源を前記ポリシリコン層上に形成しパターニングする工程であって、前記パターニングによって、前記固体のp型ドーパント源の複数の領域の間に位置する前記ポリシリコン層を露出させる工程と、
前記ポリシリコン層の前記露出した領域の上および前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域の上に、n型ドーパント源層を形成する工程と、
前記基板を加熱し、複数のn型ドープポリシリコン領域を複数のp型ドープポリシリコン領域の間に形成する工程とを備え、
前記n型ドーパント源層を形成する工程は、前記基板を加熱することにより、前記n型ドーパント源層から前記ポリシリコンの露出した領域に向かってn型ドーパントの少なくとも一部を拡散するべくドライブインさせ、n型ドーパント含有の複数のポリシリコン領域を、前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域の間に形成し、
前記製造方法は、
前記n型ドーパント源層を形成して前記ポリシリコン層の前記露出した領域に向かって前記n型ドーパントの少なくとも一部をドライブインさせた後、前記n型ドーパント源層および前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域を除去する工程を更に備え、
前記除去する工程の後に、前記基板を加熱する工程を行って、前記ポリシリコン層におけるドーパントを活性化させる
バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項2】
前記n型ドーパント源層を形成する工程の後であって前記基板を加熱する工程の前に、前記n型ドーパント含有の複数のポリシリコン領域と前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域との間に、複数のトレンチを形成する工程を更に備え、
前記複数のトレンチは、前記ポリシリコン層、前記薄い誘電体層および前記基板の一部に形成される請求項1に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項3】
前記複数のトレンチを形成する工程の後であって前記基板を加熱する工程の前に、前記複数のトレンチによって露出された前記基板の部分をテクスチャ加工する工程を更に備える、
請求項2に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項4】
前記複数のトレンチを形成する工程およびテクスチャ加工する工程は、前記複数のトレンチを形成する工程とテクスチャ加工する工程との間で、硬化工程を行うことなく実行される請求項3に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項5】
前記n型ドーパント源層を形成する工程は、前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域からのp型ドーパントの少なくとも一部を前記ポリシリコン層に拡散するべくドライブインさせる工程を更に備える請求項1に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項6】
前記基板を加熱する工程は、
前記n型ドーパントを含有する複数のポリシリコン領域におけるドーパントを活性化させる工程と、
前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域からのドーパントを前記ポリシリコン層に拡散させるドライブインを更に促進する工程と、
前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域の前記ドーパントを前記ポリシリコン層において活性化する工程とを含む請求項5に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項7】
前記固体のp型ドーパント源を形成し、パターニングする工程は、ホウケイ酸ガラス(BSG)の層を形成し、パターニングする工程を含む請求項1に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項8】
前記n型ドーパント源層を形成する工程は、Pの層を形成する工程を含む請求項1に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項9】
前記除去する工程において、前記n型ドーパント源層を除去した後、複数のトレンチを形成し、前記複数のトレンチによって露出された前記基板の部分をテクスチャ加工し、その後前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域を除去する
請求項1に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項10】
レーザーアブレーションによって、前記複数のn型ドープポリシリコン領域および前記複数のp型ドープポリシリコン領域に複数のコンタクト開口を形成する工程を更に備える、
請求項に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項11】
バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法であって、
薄い誘電体層を基板上に形成する工程と、
ポリシリコン層を前記薄い誘電体層上に形成する工程と、
固体のp型ドーパント源を前記ポリシリコン層上に形成し、パターニングする工程であって、前記パターニングによって前記固体のp型ドーパント源の複数の領域の間に位置する前記ポリシリコン層を露出させる工程と、
前記基板を反応チャンバ内に搬入し、前記基板を前記反応チャンバから取り出すことなく、前記ポリシリコン層の前記露出した領域および前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域の上にn型ドーパント源層を形成し、前記n型ドーパント源層からのドーパントの少なくとも一部を前記ポリシリコン層の前記露出した領域へと拡散させるべくドライブインを行い、前記ポリシリコン層の露出された前記複数の領域および前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域の間にn型ドーパントを含有する複数のポリシリコン層を形成する工程と、
前記基板を前記反応チャンバから取り出す工程と、
前記基板を取り出した後に、前記n型ドーパント源層および前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域を除去する工程と、
前記除去する工程の後に、前記基板を加熱し、前記ポリシリコン層におけるドーパントを活性化させて、複数のp型ドープポリシリコン領域の間に複数のn型ドープポリシリコン領域を形成する工程と、
を備えるバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項12】
前記n型ドーパント源層を形成する工程の後であって、前記基板を加熱する工程の前に、前記n型ドーパントを含有する複数のポリシリコン領域と前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域との間にトレンチを形成する工程を更に備え、
前記トレンチは、前記ポリシリコン層、前記薄い誘電体層および前記基板の一部に形成される請求項11に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項13】
前記トレンチを形成する工程の後であって、前記基板を加熱する工程の前に、前記トレンチによって露出された前記基板の部分をテクスチャ加工する工程を更に備える
請求項12に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項14】
前記トレンチを形成する工程およびテクスチャ加工する工程は、前記トレンチを形成する工程と前記テクスチャ加工する工程との間で硬化工程を行うことなく実行される、
請求項13に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項15】
前記n型ドーパント源層を形成する工程は、前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域からドーパントを前記ポリシリコン層へ拡散させるべくドライブインする工程を更に備える請求項11に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項16】
前記基板を加熱する工程は、
前記n型ドーパントを含有する複数の多結晶シリコン領域におけるドーパントを活性化する工程と、
前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域からのドーパントを拡散させるべく前記ドライブインを促進する工程と、
前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域からの前記ドーパントを、前記ポリシリコン層において活性化する工程とを含む請求項15に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項17】
前記基板を前記反応チャンバに搬入すると同時に、前記固体のp型ドーパント源からドーパントの少なくとも一部を前記ポリシリコン層に拡散させるべくドライブインする工程を更に備える請求項11に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項18】
前記除去する工程において、前記n型ドーパント源層を除去した後、複数のトレンチを形成し、前記複数のトレンチによって露出された前記基板の部分をテクスチャ加工し、その後前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域を除去する
請求項11に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項19】
レーザーアブレーションによって、前記複数のn型ドープポリシリコン領域および前記複数のp型ドープポリシリコン領域に複数のコンタクト開口を形成する工程を更に備える請求項11に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【請求項20】
前記複数のn型ドープポリシリコン領域に形成される前記複数のコンタクト開口は、前記複数のp型ドープポリシリコン領域に形成される前記複数のコンタクト開口とほぼ同一の高さを有する請求項19に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、再生可能エネルギーの分野に関し、特にバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法に関する。
【0002】
[連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載]
本明細書に記載される発明は、米国エネルギー省によって授与された契約番号第DE−FC36−07GO17043号の下、政府の支援でなされたものである。政府は、本発明において特定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
太陽電池として一般的に知られる光起電電池は、太陽光放射を電気エネルギーに直接的に変換するための周知の装置である。広くは、太陽電池は、p−n接合を基板の表面近くに形成するための半導体処理技術を用いて、半導体ウェハーまたは基板に製造される。基板の表面および基板への太陽光放射衝突により、電子および正孔対が基板本体に生成される。この電子および正孔対が、基板のp−ドープおよびn−ドープ領域に移動し、これによって、ドープ領域の間に電位差を発生させる。ドープ領域は、太陽電池の導電性領域に接続され、電流が太陽電池から連結された外部回路へと流れる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本発明の一実施形態によるバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法における操作をフローチャート示すである。
図2A】本発明の一実施形態による、図1のフローチャートの操作102および図3のフローチャートの操作302に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における段階の断面図を示す。
図2B】本発明の一実施形態による、図1のフローチャートの操作104および図3のフローチャートの操作304に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における段階の断面図を示す。
図2C】本発明の一実施形態による、図1のフローチャートの操作106および図3のフローチャートの操作306に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における段階の断面図を示す。
図2D】本発明の一実施形態による、図1のフローチャートの操作108および図3のフローチャートの操作308に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における段階の断面図を示す。
図2E】本発明の一実施形態による、図3のフローチャートの操作308および310に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における段階の断面図を示す。
図2F】本発明の一実施形態による、図1のフローチャートの操作110および図3のフローチャートの操作314に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における段階の断面図を示す。
図2G】本発明の一実施形態による、図1のフローチャートの操作112および図3のフローチャートの操作316に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における段階の断面図を示す。
図2H】本発明の一実施形態による、図1のフローチャートの操作114および図3のフローチャートの操作318に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における段階の断面図を示す。
図2I】本発明の一実施形態による、図1のフローチャートの操作116および図3のフローチャートの操作320に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における段階の断面図を示す。
図2J】本発明の一実施形態によるバックコンタクト型太陽電池の製造における段階の断面図を示す。
図2K】本発明の一実施形態による、図1のフローチャートの操作118および図3のフローチャートの操作322に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における段階の断面図を示す。
図2L】本発明の一実施形態によるバックコンタクト型太陽電池の製造における断面図を示す。
図3】本発明の一実施形態によるバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法における操作を表すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法が、本明細書に記載されている。以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、特定の処理過程フロー操作などの数多くの特定の詳細が記載される。これらの特定の詳細を使用することなく、本発明の実施形態を実践することができることは、当業者にとって明らかであろう。他の場合には、本発明の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、リソグラフィおよびパターニング技術などの、周知の製造技術は詳細に説明されない。更には、図に示される様々な実施形態は、例示的な表示であって、必ずしも一定の縮尺で描写されていないことは理解されるべきである。
【0006】
本明細書に開示されているのは、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法である。一実施形態では、製造方法は、薄い誘電体層を基板上に形成する工程を含む。ポリシリコン層が、この薄い誘電体層上に形成される。固体のp型ドーパント源が、このポリシリコン層上に形成され、パターニングされる。このパターニングは、固体のp型ドーパント源の複数の領域の間にポリシリコンの領域を露出させる。ポリシリコン層の露出した領域の上および固体のp型ドーパント源の複数の領域の上に、n型ドーパント源層が形成される。n型ドーパント源を形成する工程は、n型ドーパント源層からポリシリコン層の露出した領域に向かってn型ドーパントの少なくとも一部を拡散するべくドライブインを行い、n型ドーパント含有の複数のポリシリコン領域を、固体のp型ドーパント源の複数の領域の間に形成する工程を含む。基板を加熱し、複数のn型ドープポリシリコン領域を複数のp型ドープポリシリコンの領域の間に形成する。
【0007】
別の実施形態では、製造方法はまた、薄い誘電体層を基板上に形成する工程を含む。ポリシリコン層が薄い誘電体層上に形成される。固体のp型ドーパント源が、ポリシリコン層上に形成され、パターニングされる。このパターニングは、固体のp型ドーパント源の複数の領域の間に位置するポリシリコン層の領域を露出させる。基板を反応チャンバに搬入し、基板を反応チャンバから取り出すことなく、ポリシリコン層の露出した領域の上および固体のp型ドーパント源の複数の領域の上に、n型ドーパント源層が形成される。更に、n型ドーパント源層からポリシリコン層の露出した領域に向かってn型ドーパントの少なくとも一部を拡散するべくドライブインを行い、n型ドーパント含有の複数のポリシリコン領域を、固体のp型ドーパント源の複数の領域の間に形成する。基板が反応チャンバから取り出される。その後、この基板が加熱され、複数のp型ドープされたポリシリコン領域の間にn型ドープポリシリコン領域が形成される。
【0008】
バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの形成は、太陽電池の裏面のp型およびn型ドープ領域の配列の上に形成された抗反射コーティング(ARC)層を貫通する正孔または開口を形成するためのレーザーアブレーションを用いて行われ得る。次いで、金属コンタクトなどの導電性コンタクトが、開口内に形成され、p型およびn型ドープ領域の配列と電気結合を提供することが可能である。しかしながら、迅速かつ確実なレーザーアブレーション処理を容易にするために、p型およびn型ドープ領域全体の総誘電体厚みが薄く、p型およびn型ドープ領域双方にわたって比較的に同一であることを確実にすることが望ましい場合がある。総誘電体厚みとは、ARC層の厚さに、ホウケイ酸ガラス(BSG)および、使用される場合は、リンケイ酸ガラス(PSG)のような固体のドーパント源膜などのp型およびn型ドープ領域の上に形成された他の誘電体層のいずれかの厚さが加えられた厚さを含むことができる。
【0009】
本発明の一実施形態によると、PSG固体のドーパント源を用いるn型ドープ領域のためのドーピング操作は、Oとの混合の際に、POClで置き換えられて、Pの層を形成する。このようなドーピング操作の変更によりは、p型およびn型ドープ領域のアレイを形成するために必要とされる処理操作の総数を減らすことができ、p型およびn型ドープ領域にわたる総誘電体厚みが薄く、また、p型およびn型ドープ領域の双方にわたって総誘電体厚みが比較的同一であることを確実にするためのドライブインの最適化につながる。更に、一実施形態では、ドーピング源の堆積および少なくとも部分的なドライブインが、処理チャンバへの1回の導入でおよび処理ツールの単一のチャンバで行われる。
図1は、本発明の一実施形態によるバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法における操作を表すフローチャート100を示す。図2A〜2Lは、本発明の一実施形態による、フローチャート100の操作に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における種々の段階の断面図を示す。
【0010】
フローチャート100の操作102および対応する図2Aに示すように、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、基板200に薄い誘電体層202を形成する工程を含む。
【0011】
一実施形態では、この薄い誘電体層202は、二酸化シリコンからなり、おおよそ5〜50オングストロームの範囲の厚さを有する。一実施形態では、この薄い誘電体層202は、トンネル酸化膜として機能する。一実施形態では、基板200は、n型ドープ単結晶性シリコン基板などのバルク単結晶シリコン基板である。しかしながら、1つの別の実施形態では、基板200は、太陽電池基板全体に配設されたポリシリコン層を含む。
フローチャート100の操作104および対応する図2Bに示すように、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、薄い誘電体層202にポリシリコン層204を形成する工程を含む。本明細書で使用されているポリシリコン層という言葉は、アモルファス−またはα−シリコンとして記載され得る材料をも含むことを意図することが理解されるべきである。
【0012】
フローチャート100の操作106および対応する図2Cに示すように、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法はまた、ポリシリコン層204に固体のp型ドーパント源206を形成し、パターニングする工程も含む。
一実施形態では、図2Cで示されるように、このパターニングは、固体のp型ドーパント源の複数の領域206の間に位置するポリシリコン層204の領域208を露出させる。一実施形態では、固体のp型ドーパント源206を形成し、パターニングする工程は、ホウケイ酸ガラス(BSG)の層を形成してパターニングする工程を含む。特定の一実施形態では、BSG層は、均一のブランケット層として形成され、次いでリソグラフィおよびエッチング処理によってパターニングされる。別の特定の実施形態では、BSG層は、パターンをすでに有した状態で堆積され、したがって、形成およびパターニングの工程は同時に行われる。このような一実施形態では、パターニングされたBSG層は、インクジェット印刷方法またはスクリーン印刷方法によって形成される。固体のp型ドーパント源は、ドーパント不純物原子を含有する層であって、基板に堆積され得ることが理解されるべきである。これは、イオン注入方法とは異なる。
【0013】
フローチャート100の操作108および対応する図2Dに示すように、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法はまた、ポリシリコン層204の露出した領域208の上、および、固体のp型ドーパント源の複数の領域206の上に、n型ドーパント源層210を形成する工程も含む。
【0014】
一実施形態では、図2Eに示すように、形成する工程は、n型ドーパント源層210からポリシリコン層204の露出した領域208に向かってn型ドーパントの少なくとも一部を拡散するべくドライブインさせ、固体のp型ドーパント源の複数の領域206の間でn型ドーパント含有の複数のポリシリコン領域212を形成する工程を含む。一実施形態では、図2Eを再び参照すると、n型ドーパント源層210を形成する工程は、ドーパントを、固体のp型ドーパント源の複数の領域206からポリシリコン層204に向かって少なくとも一部を拡散するべくドライブインさせ、領域214を形成する工程を更に含む。一実施形態では、n型ドーパント源層を形成する工程は、Pの層を形成する工程を含む。その後、図2Fに示されるように、n型ドーパント源層210が除去され得る。
【0015】
フローチャート100の操作110および対応する図2Fに示すように、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、必要に応じて、n型ドーパント含有の複数のポリシリコン領域212と固体のp型ドーパント源の複数の領域206および対応する領域214との間にトレンチ216を形成する工程を更に含む。
【0016】
一実施形態では、このトレンチ216は、ポリシリコン層204内、薄い誘電体層202内および基板202内の一部に形成される。一実施形態では、このトレンチ216は、リソグラフィおよびエッチング処理を用いて形成される。1つの特定の実施形態では、ポリシリコン層204、次いで基板200をパターニングするために、異なるエッチング操作が用いられる。
【0017】
フローチャート100の操作112および対応する図2Gに示すように、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、必要に応じて、トレンチ216を形成する工程の後、トレンチ216によって露出された基板200の部分218をテクスチャ加工する工程を更に含む。
【0018】
一実施形態では、このテクスチャ加工は、ランダムテクスチャパターンを形成する。このランダムテクスチャパターンは、異方性エッチング処理を基板200の露出した領域に適用することによって形成することができ、この場合、テクスチャパターンは、基板200の単結晶性シリコン面などの結晶面によって決定される。一実施形態では、トレンチ216の形成および基板200のテクスチャ加工は、トレンチ216の形成と基板200のテクスチャ加工との間の硬化工程を行うことなく実行される。このような硬化操作としては、加熱操作、赤外(IR)放射への露出または紫外(UV)放射への露出が挙げられる。
【0019】
フローチャート100の操作114および対応する図2Hに示すように、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、固体のp型ドーパント源の複数の領域206を除去する工程を更に含む。一実施形態では、固体のp型ドーパント源の複数の領域206は、フッ酸水またはHFの別の供給源を含む湿潤性溶液による湿式エッチング技術を用いることによって除去される。一実施形態では、固体のp型ドーパント源の複数の領域206が、プラズマエッチングによって除去される。
【0020】
フローチャート100の操作116および対応する図2Iに示すように、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法はまた、基板200を加熱して(299)、複数のp型ドープポリシリコン領域222の間に、複数のn型ドープポリシリコン領域220を形成する工程も含む。
【0021】
一実施形態では、基板200を加熱する工程は、n型ドーパント含有の複数の領域212においてドーパントを活性化し、複数のn型ドープポリシリコン領域220を形成する工程を含む。一実施形態では、活性化する工程は、ポリシリコン層204内で、少なくともいくつかのドーパントの混入を格子間型から置換型に変化させる工程を含む。1つの特定の実施形態では、活性化する工程は、おおよそ50〜300オーム/□の範囲の低いシート抵抗を有する複数のn型ドープポリシリコン領域220を形成する工程を含む。
【0022】
一実施形態では、基板200はまた、ポリシリコン層204への固体のp型ドーパント源の複数の領域206からのドーパントを促進する工程、およびポリシリコン層204においてドーパントを活性化して複数のp型ドープポリシリコン領域222を形成する工程も含む。一実施形態では、活性化する工程は、ポリシリコン層204で、少なくともいくつかのドーパントの混入を侵入型から置換型に変化させる工程を含む。1つの特定の実施形態では、活性化する工程は、おおよそ50〜300オーム/□の範囲の低いシート抵抗を有する複数のp型ドープポリシリコン領域222を形成する工程を含む。
【0023】
図2Jに示すように、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、複数のn型ドープポリシリコン領域220、複数のp型ドープポリシリコン領域222および基板200の露出した部分に誘電体層224を形成する工程を更に含む。一実施形態では、図2Jに示されるように、誘電体層224の下部表面は、複数のn型ドープポリシリコン領域220、複数のp型ドープポリシリコン領域222および基板200の露出の部分と共形に形成され、一方、誘電体層224の上部表面は、実質的に平らである。1つの特定の実施形態では、誘電体層224は、抗反射コーティング(ARC)層である。
【0024】
フローチャート100の操作118および対応する図2Kに示すように、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、レーザーアブレーションによって、複数のコンタクト開口226を複数のn型ドープポリシリコン領域220および複数のp型ドープポリシリコン領域222に形成する工程を更に含む。一実施形態では、図2Kに示されるように、n型ドープポリシリコン領域220へのコンタクト開口226は、p型ドープポリシリコン領域222へのコンタクト開口とほぼ同一の高さを有する。
【0025】
図2Lを参照すると、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、複数のコンタクト開口226内に導電性コンタクト228を形成する工程、並びに、複数のn型ドープポリシリコン領域220および複数のp型ドープポリシリコン領域222が連結された導電性コンタクト228を形成する工程を更に含む。一実施形態では、導電性コンタクト228は、金属からなり、堆積、リソグラフ法およびエッチング処理によって形成される。
【0026】
本発明の別の態様では、n型ドーパント源が、ポリシリコン層およびp型ドーパント源の上に形成され、次いで、対応する下層の基板を反応チャンバから取り出すことなく、n型およびp型ドーパントをポリシリコン層へと拡散させるべくドライブインが行われる。例えば、図3は、本発明の一実施形態による、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法における操作を表すフローチャート300を示す。図2A〜2Lは、本発明の一実施形態によるフローチャート300の操作に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における種々の段階の断面図を示す。
【0027】
フローチャート300の操作302および対応する図2Aに示すように、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、基板200に薄い誘電体層202を形成する工程を含む。
【0028】
一実施形態では、薄い誘電体層202は、二酸化シリコンからなり、おおよそ5〜50オングストロームの範囲の厚さを有する。一実施形態では、この薄い誘電体層202は、トンネル酸化膜として機能する。一実施形態では、基板200は、n型ドープ単結晶性シリコン基板などのバルク単結晶基板である。しかしながら、別の一実施形態では、基板200は、太陽電池基板全体に配設されたポリシリコン層を含む。
【0029】
フローチャート300の操作304および対応する図2Bに示すように、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法はまた、ポリシリコン層204を薄い誘電体層202上に形成する工程も含む。本明細書において、ポリシリコン層との言葉は、アモルファス−またはα−シリコンとして記載され得る材料を包含するよう意図していることが理解されるべきである。
【0030】
一実施形態では、図2Cに示されるように、パターニングは、ポリシリコン層204の領域を、固体のp型ドーパント源の複数の領域206の間で露出させる。一実施形態では、固体のp型ドーパント源206を形成しパターニングする工程は、ホウケイ酸ガラス(BSG)の層を形成しパターニングする工程を含む。1つの特定の実施形態では、BSG層は、均一のブランケット層として形成され、次いでリソグラフィおよびエッチング処理によってパターニングされる。別の特定の実施形態では、BSG層は、すでにパターンを有する状態で堆積され、したがって、形成およびパターンニング工程が同時に行われる。このような一実施形態では、パターニングBSG層は、インクジェット印刷方法またはスクリーン印刷方法によって形成される。固体のp型ドーパント源は、ドーパント不純物原子を含有する膜の層であって、基板の上に堆積され得ることが理解されるべきである。これは、イオン注入方法とは異なっている。
【0031】
フローチャート300の操作308および対応する図2Dおよび図2Eに示すように、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法はまた、基板200を反応チャンバに搬入する工程も含む。基板200を反応チャンバから取り出すことなく、n型ドーパント源層210が、ポリシリコン層204の露出した領域208の上および固体のp型ドーパント源の複数の領域206の上に形成される。n型ドーパント源層210からのドーパントが、ポリシリコン層204の露出した領域208に少なくとも一部拡散されるようにドライブインが行われ、固体のp型ドーパント源の複数の領域206の間に、n型ドーパント含有の複数のポリシリコン領域212が形成される。
【0032】
一実施形態では、図2Eを再び参照すると、n型ドーパント源層210を形成する工程は、ドーパントを、固体のp型ドーパント源の複数の領域206からポリシリコン層204へと拡散させるべくドライブインされて、領域214を形成する工程を更に含む。一実施形態では、n型ドーパント源層を形成する工程は、Pの層を形成する工程を含む。領域214を形成するために、ドーパントを、固体のp型ドーパント源の複数の領域206からポリシリコン層204へと拡散するべくドライブインする工程(または更なる範囲へ拡散するべくドライブインする工程)は、n型ドーパント源層210の形成だけを行う工程に加えて、処理チャンバにおける追加的操作が必要となる。例えば、フローチャート300の必要に応じて行われる操作310を参照する一実施形態では、製造方法は、基板200が反応チャンバにまだ搬入されている間に、領域214の形成のため、または、領域214の更なる形成のために、固体のp型ドーパント源からのドーパント少なくとも一部をポリシリコン層204に拡散させるべくドライブインされるような別個の操作を更に含む。一実施形態では、操作310は、操作308に関連して記載された操作の温度よりも十分に上の温度で、基板200を加熱する工程を伴う。
【0033】
フローチャート300の操作312を参照すると、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法はまた、反応チャンバへ基板200が一旦導入され上記処理が行われた後で、基板200を反応チャンバから取り出す工程を含む。その後、図2Fに示されるように、n型ドーパント源210が除去されてもよい。
【0034】
フローチャート300の操作314および対応する図2Fに示すように、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、必要に応じて、n型ドーパント含有の複数のポリシリコン領域212と固体のp型ドーパント源の複数の領域206および対応する領域214との間にトレンチ216を形成する工程を更に含む。
一実施形態では、トレンチ216は、ポリシリコン層204、薄い誘電体層202および基板202の一部に形成される。一実施形態では、トレンチ216は、リソグラフィおよびエッチング処理を用いて形成される。1つの特定の実施形態では、ポリシリコン層204をパターニングし、次いで基板200をパターニングするために、異なるエッチング操作が用いられる。
【0035】
フローチャート300の操作316および相当する図2Gを参照すると、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、必要に応じて、トレンチ216を形成する工程の後で、トレンチ216によって露出された基板200の部分218をテクスチャ加工する工程を更に含む。
【0036】
一実施形態では、このテクスチャ加工により、ランダムテクスチャパターンを形成する。このランダムテクスチャパターンは、異方性エッチング処理を基板200の露出した領域に適用することによって形成されてもよく、この場合、基板200の単結晶性シリコン面などの結晶面によってパターンが決定され得る。一実施形態では、トレンチ216を形成する工程および基板200をテクスチャ加工する工程は、トレンチ216を形成する工程と基板200をテクスチャ加工する工程の間の硬化工程を行うことなく実行される。このような硬化操作としては、加熱操作、赤外(IR)放射への露出または紫外(UV)放射への露出が挙げられる。
【0037】
フローチャート300の操作318および対応する図2Hに示すように、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、必要に応じて、固体のp型ドーパント源の複数の領域206を除去する工程を更に含む。一実施形態では、フッ酸水またはHFの別の供給源を含有する湿潤性溶液を適用することによる湿式エッチング技術を用いることによって、固体のp型ドーパント源の複数の領域206が除去される。別の実施形態では、固体のp型ドーパント源の複数の領域206は、プラズマエッチングによって除去される。
【0038】
フローチャート300の操作320および対応する図2Iに示すように、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、更に基板200を加熱して(299)、複数のp型ドープポリシリコン領域222の間に複数のn型ドープポリシリコン領域220を形成する工程を含む。
【0039】
一実施形態では、基板200を加熱する工程は、n型ドーパント含有の複数のポリシリコン領域212においてドーパントを活性化し、複数のn型ドープポリシリコン領域220を形成する工程を含む。一実施形態では、活性化する工程は、ポリシリコン層204内で、少なくともいくつかのドーパントの混入を、格子間型から置換型へと変化させる工程を含む。1つの特定の実施形態では、この活性化する工程は、おおよそ50〜300オーム/□の範囲の低シート抵抗を有する複数のn型ドープポリシリコン領域220を形成する工程を含む。
【0040】
一実施形態では、基板200を加熱する工程はまた、固体のp型ドーパント源の複数の領域206からのドーパントを、ポリシリコン層204へと拡散するべくドライブインさせ、ポリシリコン層204においてドーパントを活性化し、複数のp型ドープポリシリコン領域222を形成する工程を更に含む。一実施形態では、活性化する工程は、ポリシリコン層204内で、少なくともいくつかのドーパントの混入を、格子間型から置換型へと変化させる工程を含む。1つの特定の実施形態では、活性化する工程は、おおよそ50〜300オーム/□の範囲の低表面抵抗を有する複数のp型ドープポリシリコン領域222を形成する工程を含む。
【0041】
図2Jを参照すると、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、必要に応じて、複数のn型ドープポリシリコン領域220上、複数のp型ドープポリシリコン領域222上および基板200の露出した部分上に誘電体層224を形成する工程を更に含む。一実施形態では、図2Jに示されるように、誘電体層224の下部表面は、複数のn型ドープポリシリコン領域220、複数のp型ドープポリシリコン領域222および基板200の露出の部分と共形に形成されるが、誘電体層224の下部表面は、実質的に平らである。1つの特定の実施形態では、誘電体層224は、抗反射コーティング(ARC)層である。
【0042】
フローチャート300の操作322および対応する図2Kを参照すると、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、必要に応じて、レーザーアブレーションによって、複数のn型ドープポリシリコン領域220におよび複数のp型ドープポリシリコン領域222に、複数のコンタクト開口226を形成する工程を更に含む。一実施形態では、図2Kに示されるように、n型ドープポリシリコン領域220へのコンタクト開口226は、p型ドープポリシリコン領域222へのコンタクト開口とほぼ同一の高さを有する。
【0043】
図2Lを参照すると、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法は、必要に応じて、複数のコンタクト開口226内に、複数のn型ドープポリシリコン領域220および複数のp型ドープポリシリコン領域222と連結する導電性コンタクト228を形成する工程を更に含む。一実施形態では、導電性コンタクト228は、金属からなり、堆積、リソグラフ法およびエッチング方法によって形成される。
【0044】
このように、バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法が開示されてきた。本発明の一実施形態によると、製造方法は、薄誘電体層を基板に形成する工程を含む。この製造方法はまた、ポリシリコン層を薄い誘電体層に形成する工程も含む。この製造方法はまた、ポリシリコン層に固体のp型ドーパント源を形成し、パターニングする工程も含み、パターニングの工程は、ポリシリコン層の領域を固体のp型ドーパント源の複数の領域の間に露出させる。製造方法は更に、ポリシリコン層が露出した領域および固体のp型ドーパント源の複数の領域にn型ドーパント源層を形成する工程も含み、形成する工程は、ドーパントをn型ドーパント源からポリシリコンの露出した領域へと拡散するべくドライブインさせて、固体のp型ドーパント源の複数の領域の間に、n型ドーパント含有の複数のポリシリコン領域を形成する工程も含む。製造方法はまた、基板を加熱して、複数のp型ドープポリシリコン領域の間に、複数のn型ドープポリシリコン領域を形成する工程も含む。一実施形態では、製造方法はまた、n型ドーパント源層を形成する工程の後であって、基板を加熱する工程の前に、n型ドーパント含有の複数のポリシリコン領域と固体のp型ドーパント源の複数の領域との間に、複数のトレンチを形成する工程も含み、トレンチは、ポリシリコン層、薄い誘電体層および部分的に基板に形成される。
本実施形態の例を下記の各項目として示す。
[項目1]
バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法であって、
薄い誘電体層を基板上に形成する工程と、
前記薄い誘電体層上にポリシリコン層を形成する工程と、
固体のp型ドーパント源を前記ポリシリコン層上に形成しパターニングする工程であって、前記パターニングによって、前記固体のp型ドーパント源の複数の領域の間に位置する前記ポリシリコン層を露出させる工程と、
前記ポリシリコン層の前記露出した領域の上および前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域の上に、n型ドーパント源層を形成する工程と、
前記基板を加熱し、複数のn型ドープポリシリコン領域を複数のp型ドープポリシリコン領域の間に形成する工程とを備え、
前記n型ドーパント源層を形成する工程は、前記基板を加熱することにより、前記n型ドーパント源層から前記ポリシリコンの露出した領域に向かってn型ドーパントの少なくとも一部を拡散するべくドライブインさせ、n型ドーパント含有の複数のポリシリコン領域を、前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域の間に形成するバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目2]
前記n型ドーパント源層を形成する工程の後であって前記基板を加熱する工程の前に、前記n型ドーパント含有の複数のポリシリコン領域と前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域との間に、複数のトレンチを形成する工程を更に備え、
前記複数のトレンチは、前記ポリシリコン層、前記薄い誘電体層および前記基板の一部に形成される項目1に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目3]
前記複数のトレンチを形成する工程の後であって前記基板を加熱する工程の前に、前記複数のトレンチによって露出された前記基板の部分をテクスチャ加工する工程を更に備える、
項目2に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目4]
前記複数のトレンチを形成する工程およびテクスチャ加工する工程は、前記複数のトレンチを形成する工程とテクスチャ加工する工程との間で、硬化工程を行うことなく実行される項目3に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目5]
前記n型ドーパント源層を形成する工程は、前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域からのp型ドーパントの少なくとも一部を前記ポリシリコン層に拡散するべくドライブインさせる工程を更に備える項目1に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目6]
前記基板を加熱する工程は、
前記n型ドーパントを含有する複数のポリシリコン領域におけるドーパントを活性化させる工程と、
前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域からのドーパントを前記ポリシリコン層に拡散させるドライブインを更に促進する工程と、
前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域の前記ドーパントを前記ポリシリコン層において活性化する工程とを含む項目5に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目7]
前記固体のp型ドーパント源を形成し、パターニングする工程は、ホウケイ酸ガラス(BSG)の層を形成し、パターニングする工程を含む項目1に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目8]
前記n型ドーパント源層を形成する工程は、Pの層を形成する工程を含む項目1に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目9]
前記基板を加熱する工程の前に、前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域を除去する工程を更に備える項目1に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目10]
レーザーアブレーションによって、前記複数のn型ドープポリシリコン領域および前記複数のp型ドープポリシリコン領域に複数のコンタクト開口を形成する工程を更に備える、
項目9に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目11]
項目1の前記製造方法により製造された太陽電池。
[項目12]
バックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法であって、
薄い誘電体層を基板上に形成する工程と、
ポリシリコン層を前記薄い誘電体層上に形成する工程と、
固体のp型ドーパント源を前記ポリシリコン層上に形成し、パターニングする工程であって、前記パターニングによって前記固体のp型ドーパント源の複数の領域の間に位置する前記ポリシリコン層を露出させる工程と、
前記基板を反応チャンバ内に搬入し、前記基板を前記反応チャンバから取り出すことなく、前記ポリシリコン層の前記露出した領域および前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域の上にn型ドーパント源層を形成し、前記n型ドーパント源層からのドーパントの少なくとも一部を前記ポリシリコン層の前記露出した領域へと拡散させるべくドライブインを行い、前記ポリシリコン層の露出された前記複数の領域および前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域の間にn型ドーパントを含有する複数のポリシリコン層を形成する工程と、
前記基板を前記反応チャンバから取り出す工程と、
前記基板を取り出した後に、前記基板を加熱し、複数のp型ドープポリシリコン領域の間に複数のn型ドープポリシリコン領域を形成する工程と、
を備えるバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目13]
前記n型ドーパント源層を形成する工程の後であって、前記基板を加熱する工程の前に、前記n型ドーパントを含有する複数のポリシリコン領域と前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域との間にトレンチを形成する工程を更に備え、
前記トレンチは、前記ポリシリコン層、前記薄い誘電体層および前記基板の一部に形成される項目12に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目14]
前記トレンチを形成する工程の後であって、前記基板を加熱する工程の前に、前記トレンチによって露出された前記基板の部分をテクスチャ加工する工程を更に備える
項目13に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目15]
前記トレンチを形成する工程およびテクスチャ加工する工程は、前記トレンチを形成する工程と前記テクスチャ加工する工程との間で硬化工程を行うことなく実行される、
項目14に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目16]
前記n型ドーパント源層を形成する工程は、前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域からドーパントを前記ポリシリコン層へ拡散させるべくドライブインする工程を更に備える項目12に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目17]
前記基板を加熱する工程は、
前記n型ドーパントを含有する複数の多結晶シリコン領域におけるドーパントを活性化する工程と、
前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域からのドーパントを拡散させるべく前記ドライブインを促進する工程と、
前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域からの前記ドーパントを、前記ポリシリコン層において活性化する工程とを含む項目16に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目18]
前記基板を前記反応チャンバに搬入すると同時に、前記固体のp型ドーパント源からドーパントの少なくとも一部を前記ポリシリコン層に拡散させるべくドライブインする工程を更に備える項目12に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目19]
前記基板を加熱する工程の前に、前記固体のp型ドーパント源の前記複数の領域を除去する工程を更に備える項目12に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目20]
レーザーアブレーションによって、前記複数のn型ドープポリシリコン領域および前記複数のp型ドープポリシリコン領域に複数のコンタクト開口を形成する工程を更に備える項目19に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目21]
前記複数のn型ドープポリシリコン領域に形成される前記複数のコンタクト開口は、前記複数のp型ドープポリシリコン領域に形成される前記複数のコンタクト開口とほぼ同一の高さを有する項目20に記載のバックコンタクト型太陽電池のコンタクトの製造方法。
[項目22]
項目12に記載の前記製造方法により製造された太陽電池。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図2L
図3