特許第5872586号(P5872586)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5872586化学蒸着システムのためのチャックおよびその関連方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872586
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】化学蒸着システムのためのチャックおよびその関連方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/035 20060101AFI20160216BHJP
   C23C 16/46 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   C01B33/035
   C23C16/46
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-547594(P2013-547594)
(86)(22)【出願日】2011年12月23日
(65)【公表番号】特表2014-504582(P2014-504582A)
(43)【公表日】2014年2月24日
(86)【国際出願番号】US2011067178
(87)【国際公開番号】WO2012094182
(87)【国際公開日】20120712
【審査請求日】2014年9月17日
(31)【優先権主張番号】12/983,571
(32)【優先日】2011年1月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508320321
【氏名又は名称】ジーティーエイティー・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】チン,ウエンジュン
【審査官】 山口 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−195438(JP,A)
【文献】 特開平06−009295(JP,A)
【文献】 特開平05−213697(JP,A)
【文献】 特開2002−338226(JP,A)
【文献】 独国特許発明第102009021825(DE,B3)
【文献】 独国特許出願公開第102009015196(DE,A1)
【文献】 中国実用新案第201626835(CN,U)
【文献】 中国実用新案第201372204(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B33/00−33/193
C23C16/00−16/56
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェルおよびフィラメントチャネルを備える第1のセクションと、
電極チャネルを有する第2のセクションと
を備え
前記フィラメントチャネルは、前記ウェルの底部表面に開口部を有するチャック。
【請求項2】
前記ウェルは、前記ウェルの底部表面から前記第1のセクションの一方の端部まで円周方向に延在する複数のスラットによって画定され
前記複数のスラットの各々がウィンドウまたはスロットによって分離され、各ウィンドウまたは各スロットが隣接するスラットの長さに少なくとも部分的に沿って延在する、請求項1に記載のチャック。
【請求項3】
円筒形本体を有し、前記ウェルが、前記本体内で同軸に配置され、かつ、前記ウェルを円周方向において囲む壁によって少なくとも部分的に画定される、請求項1に記載のチャック。
【請求項4】
前記ウェルの周りで円周方向に配置される複数のウィンドウまたは複数のスロットをさらに備える、請求項1に記載のチャック。
【請求項5】
前記複数のウィンドウまたは前記複数のスロットの各々が前記ウェルの長さに沿って延在する、請求項に記載のチャック。
【請求項6】
前記ウェル、前記フィラメントチャネルおよび前記電極チャネルが、前記チャックの長手方向軸に沿って同軸に配置される、請求項1に記載のチャック。
【請求項7】
円錐台形セクションおよび接触セクションを有し、前記円錐台形セクションがフィラメントチャネルを有しかつ円筒形状のウェルを同軸に囲むチャックであって、前記フィラメントチャネルが前記ウェルの底部表面に開口部を有するチャック
前記フィラメントチャネル内で固定される端部を有するフィラメントと
を備える化学蒸着システム。
【請求項8】
前記円筒形状のウェルが、前記フィラメントチャネルの直径より大きい直径を有する、請求項に記載の化学蒸着システム。
【請求項9】
第2のチャックをさらに備え、前記第2のチャックが、接触セクションと、フィラメントチャネルと、ウェルを円周方向において囲む円錐台形セクションとを有し、前記フィラメントが、前記第2のチャックの前記フィラメントチャネル内で固定される第2の端部を有する、請求項に記載の化学蒸着システム。
【請求項10】
前記フィラメントが、前記第1のチャックおよび前記第2のチャックの前記接触セクションを介して電流源に電気接続される、請求項に記載の化学蒸着システム。
【請求項11】
前記円錐台形セクションが、前記ウェルの内部容積を前記チャックの外部環境に流体的に接続させる複数のウィンドウまたは複数のスロットを有する、請求項に記載の化学蒸着システム。
【請求項12】
前記複数のウィンドウまたは前記複数のスロットの各々が、前記円錐台形セクションの長手方向軸に平行である前記ウェルの少なくとも一部分に沿って延在する、請求項11に記載の化学蒸着システム。
【請求項13】
半導体ロッドを作る方法であって、
フィラメントチャネルと、円筒形状のウェルを同軸に囲む円錐台形セクションとを有する第1のチャックを、蒸着反応器内で固定するステップであって、前記第1のチャックのフィラメントチャネルは前記第1のチャックのウェルの底部表面に開口部を有するステップと、
フィラメントチャネルと、円筒形状のウェルを同軸に囲む円錐台形セクションとを有する第2のチャックを、前記蒸着反応器内で固定するステップであって、前記第2のチャックのフィラメントチャネルは前記第2のチャックのウェルの底部表面に開口部を有するステップと、
前記第1のチャックの前記フィラメントチャネル内でフィラメントの第1の端部を固定しかつ前記第2のチャックの前記フィラメントチャネル内で前記フィラメントの第2の端部を固定するステップと、
少なくとも1つの半導体前駆体化合物を前記蒸着反応器内に導入するステップと、
前記フィラメントを反応温度まで加熱するように前記フィラメントを通して電流を流し、これにより、前記少なくとも1つの半導体前駆体化合物のうちの少なくとも一部分を、加熱された前記フィラメント上で前記半導体に変換することを促進する、ステップと
を含む方法。
【請求項14】
前記第1のチャックが前記円筒形状のウェルの周りに配置される複数のウィンドウまたは複数のスロットを有する、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光起電システム内で構成要素として使用され得る半導体材料を作るために使用される化学蒸着(chemical vapor deposition(CVD))システムを対象とする。より詳細には、本発明は、改良されたチャック、さらには、化学蒸着プロセスに改良されたチャックを組み込むシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Yatsurugiらが、米国特許第4,147,814号において、均一な断面形状を有する高純度シリコンロッドを製造する方法を開示している。
Gilbertらが、米国特許第5,277,934号において、多結晶質シリコンの製造中にスタータフィラメント(starter filament)のためのグラファイトチャックを保護するための方法を開示した。
【0003】
Chandraらが、米国特許第6,284,312(B1)号において、ポリシリコンの化学蒸着のための方法および装置を説明しており、これはその全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
Gumらが、国際公開WO2010/0008477号において、化学蒸着反応器内のチューブフィラメントのためのチャックおよび架橋部接続点を開示した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、改良されたチャック、さらには、化学蒸着プロセスに改良されたチャックを組み込むシステムおよび方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つまたは複数の態様は、化学蒸着システムで使用され得るチャックに関してよい。チャックは、ウェルおよびフィラメントチャネルを備える第1のセクションを有することができる。また、チャックは通常、電極チャネルを有する第2のセクションを有する。本発明の一部の構造では、ウェルは、ウェルの底部表面から第1のセクションの一方の端部まで円周方向に延在する複数のスラットによって画定され得る。複数のスラットの各々はウィンドウによって分離され得、また、本発明の一部のさらなる構造では、各ウィンドウが隣接するスラットの長さに沿って少なくとも部分的に延在してよい。本発明の一部の構造では、チャックは円筒形本体を有することができる。本発明のさらなる構造では、ウェルは、本体内で同軸に配置され得、一部の事例では、ウェルを円周方向において囲む壁により少なくとも部分的に画定される。本発明の1つまたは複数の構造では、チャックは、ウェルの周りで円周方向に配置される複数のスロットを備えることができる。複数のスロットの各々はウェルの実質的に長さに沿って延在するように構成され得る。本発明のさらなる構造では、ウェル、フィラメントチャネルおよび電極チャネルは、チャックの長手方向軸に沿って同軸に配置され得る。
【0007】
本発明の1つまたは複数の態様は、化学蒸着システムを対象としてよい。この化学蒸着装置は、円錐台形セクションと第1の接触セクションとを有するチャックを備えることができ、円錐台形セクションはフィラメントチャネルを有しかつ円筒形状のウェルを同軸に囲み、フィラメントがフィラメントチャネル内で固定される1つの端部を有する。円筒形状のウェルは、通常、フィラメントチャネルのフィラメント直径より大きいウェル直径を有する。この化学蒸着システムは第2のチャックをさらに備えることができ、本発明の一部の構造では、この第2のチャックは、第2のフィラメントチャネルと、第2のウェルを円周方向において囲む第2の円錐台形セクションとを有することができる。フィラメントは第2のフィラメントチャネル内で固定される第2の端部を有することができる。本発明の一部の構造では、フィラメントは、第1の接触セクションと、第2のチャックの第2の接触セクションとを介して、電流源に電気接続される。第1の円錐台形セクションおよび第2の円錐台形セクションのいずれか一方または両方は、ウェルの内部容積を第1のチャックまたは第2のチャックのぞれぞれの外部環境に流体的に接続させる複数のウィンドウを有することができる。複数のウィンドウの各々はウェルの実質的に少なくとも一部分に沿って延在してよく、また、円錐台形セクションの長手方向軸に平行であってよい。
【0008】
本発明の1つまたは複数の態様は半導体ロッドを作る方法を対象としてよい。半導体ロッドを製造するこの方法は、蒸着反応器内で第1のチャックを固定することであって、この第1のチャックが、第1のフィラメントチャネルと、第1の円筒形状のウェルを同軸に囲む第1の円錐台形セクションとを有する、ことと、蒸着反応器内で第2のチャックを固定することであって、この第2のチャックが、第2のフィラメントチャネルと、第2の円筒形状のウェルを同軸に囲む第2の円錐台形セクションとを有する、ことと、第1のフィラメントチャネル内でフィラメントの第1の端部を固定しかつ第2のフィラメントチャネル内でフィラメントの第2の端部を固定することと、少なくとも1つの半導体前駆体化合物(semiconductor precursor compound)を蒸着反応器内に導入することと、少なくとも1つの半導体前駆体化合物のうちの少なくとも一部分を加熱されたフィラメント上で半導体に変換することを促進することを目的として反応温度までフィラメントを加熱するために、フィラメントを通るように電流を流すことと、を含む。本発明による方法の一部の変形形態では、第1のチャックが、円筒形状のウェルの周りに配置される複数のウィンドウを有することができる。
【0009】
添付図面は正確な縮尺で描かれていない。これらの図面では、種々の図に示される各々の同一またはほぼ同一の構成要素は同様の参照符号によって示される。見易くするために、すべての図面で必ずしもすべての構成要素に符号が付けられているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の1つまたは複数の態様を実施するのに使用され得る化学蒸着システムの一部分を示す概略断面図である。
図2】本発明の1つまたは複数の実施形態による、チャックを示す概略斜視図である。
図3】本発明は1つまたは複数のさらなる実施形態による、チャックを示す概略斜視図である。
図4】本発明の1つまたは複数の実施形態による、図3に概略的に示されるチャックを示す概略長手方向断面図である。
図5】本発明の1つまたは複数の実施形態による、図3に概略的に示されるチャックの第1のセクションの端部を示す概略斜視図である。
図6A図6Aは、多結晶質シリコン半導体材料を作るために使用される伝統的な従来技術のチャックの温度プロファイルを示す図である。
図6B図6Bは、本発明の1つまたは複数の態様による、多結晶質シリコン半導体材料を作るために使用されるチャックの温度プロファイルを示す図である。
図7A図7Aは、多結晶質シリコン半導体材料を作るために使用される伝統的な従来技術のチャックを示す図である。
図7B図7Bは、本発明の1つまたは複数の態様による、多結晶質シリコン半導体材料を作るために使用されるチャックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の1つまたは複数の態様は、一部の蒸着条件下で起こり得る転倒(tip-over)事象の可能性を低減またはさらには排除するチャックを化学蒸着システム内で使用することを伴う。本発明は、化学蒸着プロセス中に作られるロッドを支持するウェルを有するチャックを提供することができる。チャックはウェルの周りにウィンドウおよびスラット(slat)を有することができ、ロッドは、これらのウィンドウまたはスラットのところを上限として成長することができ、支持され得る。したがって、本発明の一部の態様は、CVD反応器内で作られるロッドが転倒しないようにするまたは転倒する可能性を低減する特徴を提供して、他の作られた、適切であるはずのロッドの成長を不完全にさせる接地事故(ground fault)を回避する。本発明のさらなる態様は、製造物がその上に蒸着されるフィラメントの周りに熱障壁を提供する特徴を有するチャックを化学蒸着プロセス中に使用することを伴ってよい。
【0012】
図1は、本発明の1つまたは複数の態様により使用され得るCVDシステム10の断面図を示す。システム10はベースプレート23とベルジャー(bell jar)17とを有することができる。システム10は1つまたは複数のガス入口20および1つまたは複数のガス出口21をさらに有することができる。電極は通常はベースプレート23に組み込まれる。システム10の内部の目視検査を行うのを可能にするために、1つまたは複数のビューポート(図示せず)が使用され得る。システム10は通常少なくとも1つのフィラメント1を使用し、その上に、作られる半導体材料が蒸着する。
【0013】
本発明の1つまたは複数の態様は、垂直方向に方向付けられるフィラメント1およびその上に蒸着される材料を機械的に支持しさらには電極までの電気接続を提供する1つまたは複数のチャック9および9’を伴う。例示として図2〜5に示されるように、チャック9はその第1のセクション(換言すれば、区分)123のところにウェル121を有することができる。また、チャック9は、第1のセクション123の近くにあるかまたは第1のセクション123に連続する第2のセクション125を有することができる。チャック9の第2のセクション125は、電極チャネル(換言すれば、通路)127を通常有する接触セクションであってよい。チャック9のさらなる構造は、第1のセクション123内に通常は配置されるフィラメントチャネル129をさらに伴う。例示として示されるように、チャック9は、円筒形などの実質的に円筒形状であってよく、円錐台形の第1のセクション123および円筒形の第2のセクション125を備える。さらなる例示の構造は、チャック9の長手方向軸131に沿って同軸に配置されかつ位置合わせされるウェル121と、フィラメントチャネル129と、電極チャネル127の各々を有するような、半径方向において対称な複数のチャックを伴う。やはり例示として示されるように、フィラメントチャネル129はウェル121の底部表面135のところに開口部133を有することができる。ウェルが円形断面を有しかつフィラメントチャネルが円形断面を有するような実施形態では、ウェルの直径は通常はフィラメントチャネルの直径より大きい。チャックは円形の円筒形本体を有することができ、ウェルがこの本体内に同軸に配置される。一部の事例では、ウェルは、ウェルを円周方向において囲む壁によって少なくとも部分的に画定され得る。
【0014】
本発明の特定の構造は、図4および5に例示として示されるように、1つまたは複数のウィンドウまたはスロット137および1つまたは複数のスラット139を有するチャックを伴ってよい。スラット139は、ウェル121を円周方向において取り囲み、ウェル121を少なくとも部分的に画定してよい。1つまたは複数のウィンドウまたはスロット137は、第1のスラットを別のスラットから分離するようなサイズおよび構成を有してよい。また、1つまたは複数のウィンドウまたはスロット137は、ウェル121の底部表面135からチャック9の開口端部または先端部までなどにおいて、ウェル121の長さに部分的に沿うかまたは実質的にその長さに沿うようなサイズおよび構成を有することができる。図4は一実施例を示しており、ここでは、スロット137が、ウェル121の長さまたは深さの約半分である長さを有する。本発明のさらなる構造は、ウェル121の内部容積を円周方向において囲む複数のウィンドウまたはスロット137を使用することを伴ってよい。チャックは任意の数のスラットを有してよく、任意の数のスロットを有してよい。好適な実施形態は、通常、ウェル121を円周方向において囲む等間隔に配置されるスラットを使用することを伴う。等間隔に配置されるスロットはまた、図5に示されるようにも使用され得る。また、任意の幾何形状の1つまたは複数のいずれかのウィンドウが使用され得る。好適な実施形態は、通常、例示として示される矩形幾何形状などの均一な形態を有するスロットを対象とする。
【0015】
フィラメントチャネル129は、通常、フィラメント1の端部を受け入れるような構成およびサイズを有する。フィラメントチャネル129は、フィラメント1の端部の断面形状に対応する断面幾何形状を有することができる。さらなる実施形態は、フィラメントの端部に締まり嵌めされるようなサイズを有するテーパ領域を備えるフィラメントチャネルを伴ってよい。したがって、例えば図1に示されるように、フィラメント1の第1の端部2は通常はチャック9のフィラメントチャネル129内で固定され、フィラメント1の第2の端部3は通常はその対応するフィラメントチャネルのところで第2のチャック9’に固定される。
【0016】
通常の動作時、フィラメント1は、チャック9および9’を介して1つまたは複数の電力源(図示せず)に電気接続され、さらには、それぞれの電極チャネル127を介してそれぞれの電極に電気接続される。システム10は、通常、1つまたは複数の入口20を介して1つまたは複数の前駆体化合物の1つまたは複数の供給源に流体的に接続される。電流が1つまたは複数のフィラメント1を通過し、この1つまたは複数のフィラメント1が熱を発生させてその温度を所望の反応温度まで上昇させるが、この温度は、多結晶質シリコンの蒸着などの半導体材料の生成において好都合な温度であるかまたは温度範囲であってよい。未反応の前駆体加工物および副生成化合物は、1つまたは複数の出口ポート21を介して、ジャー17およびベースプレート23内で閉じられる反応容積から除去され得る。この化学蒸着プロセスは、半導体材料が所望される量まで成長するかまたは半導体材料が半導体ロッドとして作られるまで、実施され得る。
【0017】
本発明のチャックは、グラファイトなどの炭素、シリコン、または別の適切な材料で構成されてよい。好適には、本発明の一部の態様によるチャックは、炭素含有化合物から製造され得る。例えば、約1,200℃の温度まで加熱することによりピッチ(pitch)を無定形炭素に変換することができる。この無定形炭素の中間生成物の密度は、再ベーク(rebaking)および圧縮を行うことにより増大させることができる。次いで、この無定形炭素本体は、約3,000℃の温度などの、結晶学的配向を促進するような一定の温度または温度範囲で黒鉛化され得る。黒鉛化された本体は、ウェルおよび1つまたは複数のウィンドウさらには他の特徴を有するように、かつ、所望される寸法となるように、機械加工され得る。
【0018】
本発明のこれらの実施形態および他の実施形態の機能および利点は、本発明の1つまたは複数のシステムおよび技術の利益および/または利点を示すが本発明の全範囲を例示するものではない以下の実施例により、さらに理解され得る。
【実施例1】
【0019】
この実施例は、多結晶質シリコンを作るための従来のチャックと比較した、本発明によるチャック特性化研究の結果を提示する。この実施例では、約6mmの直径を有するフィラメントを、約20Kg/hrから約180Kg/hrまでの範囲の種々の流速、および、約17m/sから約152m/sまでの範囲の噴射率で、単一の中央噴射ノズルを有するCVDシステム内で評価した。ロッドの表面温度は約1,150℃となるように設定した。図6Aは従来のチャックの温度プロファイルを示し、図6Bは、本発明によるウェルを有するチャックの温度プロファイルを示す。見られるように、図6Bのフィラメントは長手方向軸に沿って温度勾配を有することが見込まれ、ウェルの端部付近の領域は、作られたロッドを支持するチャック内への蒸着及び成長を促進するような蒸着温度であるかまたはそれ以上の温度であることが見込まれた。対照的に、従来のチャックは、作られるロッドを成長中に支持するような特徴を一切有さず、流体流れ経路などからロッド表面の方を向く力により座屈したり側方に変位したりし易い。
【実施例2】
【0020】
この実施例は、従来のチャックと比較した、本発明によるチャックの別の研究の結果を提示する。この実施例では、各々が約7mmの直径を有する6つのフィラメントを、多結晶質シリコンの6つのロッドを作るために図3に例示的に示されるようにチャックを含むCVDシステム内で使用した。ウェルを有さない従来のチャックも含まれた。このCVDシステムは単一の中央噴射ノズルを有し、反応物を約12Kg/hrの速度で導入した。フィラメント/ロッドの各々を約1,050℃まで電気的に加熱した。
【0021】
図7Aおよび7Bに示されるように、従来のチャック(図7A)を使用するロッドの形成では、その端部領域のところが支持されないような多結晶質シリコンロッドを得ることができるが、本発明の態様によるチャックを使用する場合は、支持された多結晶質シリコンロッド(図7B)を作ることができる。
【0022】
ここまで本発明の一部の例示の実施形態を説明してきたが、単に例として提示されてきた上記は単に例示であり限定的ではないことを当業者には明白であろう。多数の修正形態および他の実施形態が当業者の範囲内にあり、本発明の範囲内にあるものとしてみなされる。詳細には、本明細書で提示される実施例の多くは方法の行為またはシステムの要素の特定の組み合わせを伴うが、これらの行為およびこれらの要素が同様の目的を達成するために他の形で組み合わされてもよいことを理解されたい。
【0023】
本明細書で説明されるパラメータおよび構造が例示であること、および、実際のパラメータおよび/または構造が、本発明のシステムおよび技術が使用される特定の用途に応じて決定されることを当業者であれば認識するであろう。また、当業者であれば、通常の実験のみを使用して、本発明の特定の実施形態に対する均等物を理解するかまたは認識することができるであろう。したがって、本明細書で説明される実施形態が単に例として提示されること、ならびに、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、本発明が、具体的に説明された手法とは異なる手法で実施され得ることを理解されたい。
【0024】
さらに、本発明が、本明細書で説明される各特徴、システム、サブシステムまたは技術、および、本明細書で説明される2つ以上の特徴、システム、サブシステムまたは技術の任意の組み合わせを対象とすること、さらには、このような特徴、システム、サブシステムおよび技術が相互に矛盾しない場合には、2つの以上の特徴、システム、サブシステムおよび/または方法の任意の組み合わせが、特許請求の範囲で具体化される本発明の範囲内にあると考えられることを認識されたい。さらに、一実施形態のみに関連させて考察した行為、要素および特徴は、他の実施形態において同様の役割から排除されることを意図されない。
【0025】
本明細書で使用される「plurality」という用語は、2つの以上の項目または構成要素を指す。「comprising」、「including」、「carrying」、「having」、「containing」および「involving」という用語は、記載される説明および特許請求の範囲などのいずれにおいても、非限定的な用語であり、すなわち「含むが限定しない」ということを意味する。したがって、このような用語が使用されることは、その後ろに列記される項目と、その均等物と、さらには、追加の項目とを包含することを意味する。「consisting of」および「consisting essentially of」という移行句のみが、特許請求の範囲を基準として、それぞれ限定的または半限定的な移行句となる。特許請求の範囲の要素を修飾するための特許請求の範囲内での「第1」、「第2」および「第3」などの序数句が使用されることは、それ自体のみで、別の要素に対する1つの特許請求の要素の優先度、先行度または順序、あるいは、方法が実施されるときの行為の時間順序を一切暗示するものではなく、特許請求の範囲の複数の要素を区別することを目的として、特定の名称を有する特許請求の範囲の1つの要素を同じ名称を有する別の要素(序数句が使用される場合)から区別するための標識として単に使用されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B