特許第5872591号(P5872591)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872591
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】ピラゾール化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 231/14 20060101AFI20160216BHJP
   C07D 409/04 20060101ALI20160216BHJP
   C07D 487/08 20060101ALI20160216BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20160216BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20160216BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20160216BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20160216BHJP
   A61K 31/541 20060101ALI20160216BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20160216BHJP
   C07D 471/08 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 11/08 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20160216BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160216BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20160216BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   C07D231/14CSP
   C07D409/04
   C07D487/08
   A61K31/454
   C07D409/14
   A61K31/496
   A61K31/5377
   A61K31/541
   C07D413/14
   C07D471/08
   A61P3/04
   A61P3/10
   A61P1/16
   A61P3/06
   A61P9/10
   A61P9/00
   A61P9/12
   A61P11/08
   A61P25/00
   A61P3/00
   A61P27/06
   A61P19/10
   A61P19/02
   A61P13/12
   A61P29/00
   A61P43/00 111
   C07D403/12
   C07D413/12
【請求項の数】28
【全頁数】51
(21)【出願番号】特願2013-551445(P2013-551445)
(86)(22)【出願日】2012年9月25日
(65)【公表番号】特表2014-507425(P2014-507425A)
(43)【公表日】2014年3月27日
(86)【国際出願番号】US2012056999
(87)【国際公開番号】WO2013048989
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2013年7月29日
(31)【優先権主張番号】61/541,182
(32)【優先日】2011年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512261517
【氏名又は名称】ナショナル ヘルス リサーチ インスティテュートス
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】シア カク シャン
(72)【発明者】
【氏名】チャン チュン ピン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ ユ シェン
【審査官】 土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−255685(JP,A)
【文献】 特開2010−070514(JP,A)
【文献】 特表2008−525404(JP,A)
【文献】 特表2010−539088(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/029727(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/057681(WO,A1)
【文献】 特表2009−529540(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/074982(WO,A1)
【文献】 特表2000−500479(JP,A)
【文献】 特表2008−526887(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0200527(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0149512(US,A1)
【文献】 特表2005−503428(JP,A)
【文献】 H. J. Seo et al,Bioorganic & Medicinal Chemistry,2010年,vol. 18,p.1149-1162
【文献】 J. Lee et al,Bioorganic & Medical Chemistry,2010年,vol. 18,p.6377-6388
【文献】 S. H. Lee et al,Journal of Medical Chemistry,2008年,Vol. 51, No. 22,p. 7216-7233
【文献】 Ming-Shiu. Hung et al,ChemMedChem,2010年,vol. 5,p.1439-1443
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
CO7D,A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物。
式中、
R1は、置換又は非置換アリールであり;
R2ピペリジン−1−イルであり;R3はHであり;
R4は、Hであり;R5はC(O)Ra、C(O)ORa、C(S)NRaRb、C(=NH)NRaRb、C(=N-CN)NRaRb、C(=N-NO2)NRaRb、S(O)Ra、S(O2)Ra、S(O)NRaRb、若しくはS(O2)NRaRbであり;ここで、RaおよびRbはそれぞれ独立して、H、置換又は非置換C1〜C10アルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールであるか;または、Raは、Rbおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルケニル、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールであり;および、
Xは、
であり、ここでR6は、H、置換又は非置換C1〜C10アルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルケニル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルケニル、置換又は非置換アリール、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールであり;R7は、ハロゲン、またはトリフルオロメチルであり;および、mは0、1、2、3、4、または5である。
【請求項2】
Xが
である、請求項1の化合物。これらの化合物において、R6が、H,置換又は非置換C1〜C10アルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルキル、置換又は非置換C3-C20 シクロアルケニル, 置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3-C20 ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3-C20 ヘテロシクロアルケニル、置換又は非置換アリール、又は置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールである。
【請求項3】
R1が、ハロゲンで置換されたアリールである、請求項2の化合物。
【請求項4】
R1が、2,4−ジクロロフェニルである、請求項3の化合物。
【請求項5】
R5はS(O2)NRaRbであり、ここで、RaおよびRbはそれぞれ独立して、H、置換又は非置換C1〜C10アルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールであるか;または、Raは、Rbおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルケニル、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールである、請求項2の化合物。
【請求項6】
R5はS(O2)NRaRbであり、ここで、Raは、Rbおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルケニル、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールである、請求項の化合物。
【請求項7】
R6が置換又は非置換C1〜C10アルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルキル、または置換又は非置換アリールである、請求項2の化合物。
【請求項8】
化合物が
である、請求項2の化合物。
【請求項9】
Xが
である、請求項1の化合物。これらの化合物において、R7が、ハロゲン、またはトリフルオロメチルであり、mが0,1,2,3,4、または5である。
【請求項10】
R1がハロゲンで置換されたアリールである、請求項の化合物。
【請求項11】
R1が2,4−ジクロロフェニルである、請求項10の化合物。
【請求項12】
R5はS(O2)NRaRbであり、ここで、RaおよびRbはそれぞれ独立して、H、置換又は非置換C1〜C10アルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールであるか;または、Raは、Rbおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルケニル、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールである、請求項の化合物。
【請求項13】
R5が、S(O2)NRaRbであり、Raは、Rbおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルケニル、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールである、請求項12の化合物。
【請求項14】
R7が、ハロゲン、またはトリフルオロメチルであり、mが1である、請求項の化合物。
【請求項15】
化合物が、
である、請求項の化合物。
【請求項16】
式(I)の化合物。
式中、
R1は、置換又は非置換アリールであり;
R2は、ピペリジン−1−イルであり、およびR3は、Hであり;
R4は、Hであり;R5はC(O)Ra、C(O)ORa、C(S)NRaRb、C(=NH)NRaRb、C(=N-CN)NRaRb、C(=N-NO2)NRaRb、S(O)Ra、S(O2)Ra、S(O)NRaRb、若しくはS(O2)NRaRbであり;ここで、RaおよびRbはそれぞれ独立して、H、置換又は非置換C1〜C10アルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールであるか;または、Raは、Rbおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルケニル、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールであり;および、
Xは、
であり、ここでR6は、H、置換又は非置換C1〜C10アルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルケニル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルケニル、置換又は非置換アリール、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールである。
【請求項17】
R1がハロゲンで置換されたアリールである、請求項16の化合物。
【請求項18】
R1が2,4−ジクロロフェニルである、請求項17の化合物。
【請求項19】
R5はS(O2)NRaRbであり、ここで、RaおよびRbはそれぞれ独立して、H、置換又は非置換C1〜C10アルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールであるか;または、Raは、Rbおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルケニル、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールである、請求項16の化合物。
【請求項20】
R5はS(O2)NRaRbであり、ここで、Raは、Rbおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルケニル、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールである、請求項16の化合物。
【請求項21】
R6が、置換又は非置換C1〜C10アルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルキル、または置換又は非置換アリールである、請求項16の化合物。
【請求項22】
式(I)の化合物の有効量を含む、末梢カンナビノイド1受容体が介在する疾患を治療するための医薬組成物。
式中、
R1は、置換又は非置換アリールであり;
R2は、ピペリジン−1−イルであり、R3は、Hであり;
R4は、Hであり;R5はC(O)Ra、C(O)ORa、C(S)NRaRb、C(=NH)NRaRb、C(=N-CN)NRaRb、C(=N-NO2)NRaRb、S(O)Ra、S(O2)Ra、S(O)NRaRb、若しくはS(O2)NRaRbであり;ここで、RaおよびRbはそれぞれ独立して、H、置換又は非置換C1〜C10アルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールであるか;または、Raは、Rbおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルケニル、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールであり;および、
Xは、
であり、ここでR6は、H、置換又は非置換C1〜C10アルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルケニル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルケニル、置換又は非置換アリール、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールであり;R7は、ハロゲン、またはトリフルオロメチルであり;および、mは0、1、2、3、4、または5である。
【請求項23】
末梢のカンナビノイド1受容体が介在する疾患が、肥満、過体重、2型糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患、高脂血症、脂質異常症、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、高血圧、気管支拡張、出血性ショック、肝線維症、肝硬変、神経障害、嗜癖障害、代謝障害、緑内障、骨粗鬆症、変形性関節炎、腎症、腎線維症、または慢性炎症性疾患である、請求項22の医薬組成物。
【請求項24】
末梢のカンナビノイド1受容体が介在する疾患が、肥満、2型糖尿病、腎症、腎線維症、骨粗鬆症、変形性関節炎、または非アルコール性脂肪肝疾患である、請求項23の医薬組成物。
【請求項25】
Xが、
であり、ここでR6は、H、置換又は非置換C1〜C10アルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルケニル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルケニル、置換又は非置換アリール、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールである、請求項22の医薬組成物。
【請求項26】
Xが、
であり、ここで、R7は、ハロゲン、またはトリフルオロメチルであり;および、mは0、1、2、3、4、または5である、請求項22の医薬組成物。
【請求項27】
化合物が、下記の化合物10、63、および119のいずれかである、請求項22の医薬組成物。
【請求項28】
薬学的に許容される担体および式(I)の化合物を含む薬学的組成物。

式中、
R1は、置換又は非置換アリールであり;
R2は、ピペリジン−1−イルであり、R3は、Hであり;
R4は、Hであり;R5はC(O)Ra、C(O)ORa、C(S)NRaRb、C(=NH)NRaRb、C(=N-CN)NRaRb、C(=N-NO2)NRaRb、S(O)Ra、S(O2)Ra、S(O)NRaRb、若しくはS(O2)NRaRbであり;ここで、RaおよびRbはそれぞれ独立して、H、置換又は非置換C1〜C10アルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールであるか;または、Raは、Rbおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルケニル、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールであり;および、
Xは、
であり、ここでR6は、H、置換又は非置換C1〜C10アルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルキル、置換又は非置換C3〜C20シクロアルケニル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するC3〜C20ヘテロシクロアルケニル、置換又は非置換アリール、または置換又は非置換であって、N,O又はSの少なくとも1つの環ヘテロ原子を有するヘテロアリールであり;R7は、ハロゲン、またはトリフルオロメチルであり;および、mは0、1、2、3、4、または5である。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2011年9月30日に出願された、米国仮出願番号第61/541,182号に基づく優先権を主張し、当該出願に記載された全ての内容を援用するものである。
【背景技術】
【0002】
中枢カンナビノイド1(CB1)受容体は脳内で発現する。この受容体の機能は、多数の神経学的および心理学的イベントに影響する(例えば、非特許文献1および特許文献1)。
中枢CB1受容体拮抗薬であるリモナバンは、肥満の治療に使用されている。しかし、この薬剤には有害な精神医学的副作用がある(例えば、非特許文献2)
また、CB1受容体は、例えば、肝臓、脂肪組織(fat tissues)、脂肪組織(adipose tissues)および副腎等の、いくつかの末梢組織でも発現する(例えば、非特許文献3)。
末梢CB1受容体拮抗薬は、肥満、過体重、非アルコール性脂肪肝疾患、2型糖尿病、腎症、腎線維症、骨粗鬆症、および変形性関節炎等の、多くの疾患を治療する薬剤候補である(例えば、非特許文献4,5、6および7)
このような薬剤は、リモナバンに見られるような望ましくない副作用を有するべきではないことは、広く受け入れられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】シア(Shia)らの米国特許第7,834,046号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】 ゴウトポウロス(Goutopoulos)らのPharmacol. Ther.、2002年、95巻103-7頁
【非特許文献2】ウ(Wu)らのCurr. Top. Med. Chem.、2011年、11巻1421-29頁
【非特許文献3】マルツォ(Marzo)らのNat. Rev. Endocrinol.、2009年、5巻633-638頁
【非特許文献4】Bioorg. Med. Chem. Lett.、2009年、19巻639-643頁
【非特許文献5】J. Clin. Invest.、2010年、120巻2953-2966頁
【非特許文献6】Bioorg. Med. Chem. Lett.、2010年、20巻4573-4577頁
【非特許文献7】Diabetes 2010年、59巻1046-1054頁
【0005】
安全で効果的な薬剤候補は、合成および未合成の両者の末梢CB1受容体拮抗薬から、未だに同定されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、あるピラゾール化合物が、末梢CB1受容体介在疾患の治療に有効であるという発見に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの態様では、本発明は、式(I)のピラゾール化合物を特徴とする:
【0008】
この式中、R1は、H、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20シクロアルケニル、C3〜C20ヘテロシクロアルキル、C3〜C20ヘテロシクロアルケニル、アリール、またはヘテロアリールであり;R2およびR3はそれぞれ独立して、H、C1〜C10アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであるか;または、R2は、R3およびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、C3〜C20ヘテロシクロアルキル、C3〜C20ヘテロシクロアルケニル、またはヘテロアリールであり;R4およびR5はそれぞれ独立して、H、C1〜C10アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20シクロアルケニル、C3〜C20ヘテロシクロアルキル、C3〜C20ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、C(O)Ra、C(O)ORa、C(O)NRaRb、C(S)NRaRb、C(=NH)NRaRb、C(=N-CN)NRaRb、C(=N-NO2)NRaRb、S(O)Ra、S(O2)Ra、S(O)NRaRb、またはS(O2)NRaRbであるか;または、R4は、R5およびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、C3〜C20ヘテロシクロアルキル、C3〜C20ヘテロシクロアルケニル、またはヘテロアリールであり;ここで、RaおよびRbはそれぞれ独立して、H、C1〜C10アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであるか;または、Raは、Rbおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、C3〜C20ヘテロシクロアルキル、C3〜C20ヘテロシクロアルケニル、またはヘテロアリールであり;および、Xは、
または
であり、ここでR6は、H、C1〜C10アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20シクロアルケニル、C3〜C20ヘテロシクロアルキル、C3〜C20ヘテロシクロアルケニル、アリール、またはヘテロアリールであり;R7は、H、ハロゲン、トリフルオロメチル、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、またはヒドロキシであり;および、mは0、1、2、3、4、または5である。
【0009】
直前に記載した化合物の一態様は、Xが
である、ピラゾール化合物である。これらの化合物において、R1は、ハロゲンで置換されたアリール(例えば2,4-ジクロロフェニル)であり;R2およびR3はそれぞれ独立して、Hまたはピペリジニルであり;R4およびR5はそれぞれ独立して、HまたはS(O2)NRaRbであり、ここで、RaおよびRbはそれぞれ独立して、H、C1〜C10アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであるか;または、Raは、Rbおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、C3〜C20ヘテロシクロアルキル、C3〜C20ヘテロシクロアルケニルまたはヘテロアリールであり;R6は、C1〜C10アルキル、C3〜C20シクロアルキル、またはアリールである。
【0010】
上述の化合物の別の態様は、Xが
である、ピラゾール化合物である。これらの化合物において、R1はハロゲンで置換されたアリール(例えば2,4-ジクロロフェニル)であり;R2およびR3はそれぞれ独立して、Hまたはピペリジニルであり;R4およびR5はそれぞれ独立して、HまたはS(O2)NRaRbであり、ここで、RaおよびRbはそれぞれ独立して、H、C1〜C10アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであるか;または、Raは、Rbおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、C3〜C20ヘテロシクロアルキル、C3〜C20ヘテロシクロアルケニル、またはヘテロアリールであり;R7は、H、ハロゲン、またはトリフルオロメチルであり;および、mは1である。
【0011】
「アルキル」という用語は、-CH3または-CH(CH3)2等の、飽和の直鎖または分枝状炭化水素基を指す。「アルケニル」という用語は、-CH=CH-CH3等の、少なくとも1つの二重結合を含む、直鎖または分枝状炭化水素基を指す。「アルキニル」という用語は、-C≡C-CH3等の、少なくとも1つの三重結合を含む、直鎖または分枝状炭化水素基を指す。「アルコキシ」という用語は、-O-アルキルを指す。アルコキシの例としては、限定されないが、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、およびtert-ブトキシが挙げられる。「シクロアルキル」という用語は、シクロヘキシル等の、飽和環状炭化水素基を指す。「シクロアルケニル」という用語は、シクロヘキセニル等の、少なくとも1つの二重結合を含む、非芳香族環状炭化水素基を指す。「ヘテロシクロアルキル」という用語は、4-テトラヒドロピラニル等の、少なくとも1つの環ヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)を有する飽和環状基を指す。「ヘテロシクロアルケニル」という用語は、ピラニル等の、少なくとも1つの環ヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)および少なくとも1つの環二重結合を有する、非芳香族環状基を指す。「アリール」という用語は、1以上の芳香環を有する炭化水素基を指す。アリール基の例としては、フェニル(Ph)、フェニレン、ナフチル、ナフチレン、ピレニル、アントリル、およびフェナントリルが挙げられる。「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)を含む、1以上の芳香環を有する基を指す。ヘテロアリール基の例としては、フリル、フリレン、フルオレニル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、キナゾリニル、キノリル、イソキノリルおよびインドリルが挙げられる。
【0012】
ここで言及した、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、およびヘテロアリールは、他に特に規定がない限り、置換および非置換基の両者を含む。シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、およびヘテロアリールに可能な置換基としては、限定されないが、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20シクロアルケニル、C1〜C20ヘテロシクロアルキル、C1〜C20ヘテロシクロアルケニル、C1〜C10アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アミノ、C1〜C10アルキルアミノ、C1〜C20ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、C1〜C10アルキルスルホンアミノ、アリールスルホンアミノ、C1〜C10アルキルイミノ、アリールイミノ、C1〜C10アルキルスルホンイミノ、アリールスルホンイミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、チオ、C1〜C10アルキルチオ、アリールチオ、C1〜C10アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アシルアミノ、アミノアシル、アミノチオアシル、アミド、アミジノ、グアニジン、ウレイド、チオウレイド、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、アシル、チオアシル、アシルオキシ、カルボキシル、およびカルボン酸エステルが挙げられる。一方、アルキル、アルケニル、またはアルキニルに可能な置換基としては、C1〜C10アルキルを除く、上記の全ての置換基が挙げられる。また、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、およびヘテロアリールは、互いに縮合し得る。
【0013】
別の態様では、本発明は、末梢CB1受容体介在疾患の治療方法を特徴とする。この方法は、上記に示される式(I)の1以上のピラゾール化合物の有効量を、必要な対象者に投与することを含む。末梢CB1受容体介在疾患の例としては、肥満、過体重、2型糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患、高脂血症、脂質異常症、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、高血圧、気管支拡張、出血性ショック、肝線維症、肝硬変、神経障害、嗜癖障害、代謝障害、緑内障、骨粗鬆症、変形性関節炎、腎症、腎線維症、および慢性炎症性疾患が挙げられる。
【0014】
「治療する」または「治療」という用語は、上述の疾患、その症状、またはその素因に、例えば、治療、緩和、変化、影響、改善、または予防等の治療効果を与える目的で、上述の疾患、そのような疾患の症状、またはそのような疾患の素因を有する対象者に、1以上のピラゾール化合物を投与することを指す。
【0015】
上述のピラゾール化合物としては、化合物自体、および、適用可能な場合、それらの塩、プロドラッグ、および溶媒和物が挙げられる。塩は、例えば、ピラゾール化合物上、アニオンと陽性に荷電した基(例えばアミノ)との間に形成され得る。好適なアニオンとしては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、トシル酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グルクロン酸塩、乳酸塩、グルタル酸塩、およびマレイン酸塩が挙げられる。同様に、塩は、ピラゾール化合物上、カチオンと陰性に荷電した基(例えばカルボン酸塩)との間にも形成され得る。好適なカチオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、および、テトラメチルアンモニウムイオン等のアンモニウムカチオンが挙げられる。ピラゾール化合物としては、4級窒素原子を含有する塩も含む。プロドラッグの例としては、エステルおよび、対象者への投与に際して活性ピラゾール化合物を提供し得る、他の薬学的に許容される誘導体が挙げられる。溶媒和物とは、活性ピラゾール化合物と薬学的に許容される溶媒との間に形成される複合体を指す。薬学的に許容される溶媒の例としては、水、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸、およびエタノールアミンが挙げられる。
【0016】
また、上述の疾患の1つの治療に使用するための、1以上の上述のピラゾール化合物を含む医薬組成物、およびその治療用医薬を製造するための、そのよう組成物の使用も、本発明の範囲内である。
【0017】
本発明の1以上の態様の詳細を、以下の記述において説明する。本発明の他の特徴、目的、および有利点は、以下の記述および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0018】
【発明の詳細な説明】
以下に、本発明の例示的化合物を示す:
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
本明細書に記載されるピラゾール化合物は、当業界でよく知られている方法によって製造し得る。以下のスキームIに示す経路は、本発明のピラゾール化合物の合成を示す。
【0034】
【0035】
具体的には、ケトン基を含有するチオフェン化合物(化合物A)は、塩基の存在下、シュウ酸エステル化合物(シュウ酸ジエチル)と反応して、エステル基を含有する1,3-ジオン化合物(化合物B)を形成し得る。1,3-ジオン化合物は、ヒドラジンと結合した後、酢酸還流下、分子内環化して、エステル基を含有するピラゾール化合物(化合物C)を与える。ピラゾール化合物の位置選択的臭素化は、室温で、THF中、N-ブロモスクシンイミドを使用することによって達成されて、対応する5-臭素化化合物(化合物D)を与える。この化合物は、さらに臭素化されて、二臭素化化合物(化合物E)を得ることができるが、これは、次に、アセトン/水(1:1)中、硝酸銀で処理して、臭化ヒドロキシル化合物(化合物F)を得る。これは、種々の反応条件下(塩化アルミニウムの存在下)異なるアミンと反応して、アミド(化合物G)を形成し得る。次に、アミドの臭素基は、触媒としてPd(PPh3)2Cl2およびCuIを使用することによって、アルキン基に変換され得る。このように形成される化合物(化合物H)のヒドロキシル基を臭素化(PBr3)に付して、臭素化物(化合物I)を形成する。
【0036】
化合物Iは、アジ化ナトリウムと反応し、その後、スタウジンガー還元(PPh3)により、対応する1級アミン(化合物J)を与えるが、これは異なる酸クロライド(例えば塩化スルホニル)と結合して、本発明のある化合物(例えば、化合物10〜85および143〜157)を得ることができる。任意に、化合物Iは、直接SN2置換を受けて、本発明の他の化合物(例えば、化合物87〜113)を形成し得る。
【0037】
このように合成されたピラゾール化合物は、カラムクロマトグラフィー、高圧液体クロマトグラフィー、または再結晶等の、あらゆる好適な方法によって精製し得る。
【0038】
本発明の他のピラゾール化合物(例えば、化合物119〜142)は、上述の合成経路および当業界で知られている他の経路により、他の好適な出発物質を使用して製造し得る。また、上記で説明した方法は、最終的にピラゾール化合物の合成を可能にするため、好適な保護基を添加または除去する工程を追加的に含んでもよい。加えて、様々な合成工程を代替順序(sequence)または順番(order)で実施して、所望の化合物を得てもよい。適用可能なピラゾール化合物の合成に有用な合成化学的変換および保護基の方法(保護および脱保護)は、当業者に知られており、例えば、R.ラロック(Larock)のComprehensive Organic Transformations、VCH Publishers (1989年);T.W.グリーネ(Greene)およびP.G.M.ウッツ(Wuts)のProtective Groups in Organic Synthesis、第二版、John Wiley and Sons (1991年);L.フィーザー(Fieser)およびM.フィーザーのFieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis、John Wiley and Sons (1994);およびL..パケット(Paquette)編のEncyclopedia of Reagents for Organic Synthesis、John Wiley and Sons (1995年)およびその続版に記載されている。
【0039】
ここで言及されるピラゾール化合物は、1つの非芳香族二重結合および1以上の不斉中心を含んでもよい。従って、これら化合物は、ラセミ化合物およびラセミ混合物、エナンチオマーの一方、個々のジアステレオマー、ジアステレオマー混合物およびシスまたはトランス異性体として存在し得る。全てのこのような異性体が包含される。
【0040】
また、少なくとも1つの上述のピラゾール化合物の有効量および薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物も、本発明の範囲内である。
【0041】
さらに、本発明は、1以上のピラゾール化合物の有効量を、上記の要約部に記載した疾患を有する患者に投与する方法に及ぶ。「有効量」とは、治療される対象者に治療効果を与えるために必要とされる、活性ピラゾール化合物の量を指す。有効投与量は、当業者に認識される通り、治療される疾患のタイプ、投与経路、賦形剤の使用、および他の治療的処置との併用の可能性によって変化する。
【0042】
本発明の方法を実施するため、1以上のピラゾール化合物を有する組成物を、非経口、経口、経鼻、経直腸、局所、または口腔内的に投与し得る。本明細書において使用される場合、「非経口的」という用語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液嚢内、胸骨内(intrasternal)、髄腔内、病巣内、または頭蓋内注射、およびあらゆる好適な注入技術を指す。
【0043】
無菌の注射可能な組成物は、1,3-ブタンジオール溶液等の、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の溶液または懸濁液であり得る。許容される担体および溶媒の中で、使用し得るものは、マンニトール、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液である。加えて、固定油が溶媒または懸濁媒質として慣例的に使用される(例えば、合成モノまたはジグリセリド)。オリーブ油またはヒマシ油等の、天然の薬学的に許容される油、特にポリオキシエチル化型のもののように、オレイン酸およびそのグリセリド誘導体等の脂肪酸は、注入物質の調製に有用である。これらの油溶液または懸濁液もまた、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、カルボキシメチルセルロース、または類似の分散剤を含有し得る。TweenまたはSpan等の他の通常使用される界面活性剤または他の類似の乳化剤、または薬学的に許容される固体、液体、または他の投与形態の製造に通常使用されるバイオアベイラビリティー促進剤もまた、製剤化の目的で使用し得る。
【0044】
経口投与のための組成物は、カプセル剤、錠剤、乳剤および水性懸濁剤、分散剤、または液剤を含む、あらゆる経口的に許容される投与形態であり得る。錠剤の場合、通常使用される担体としては、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられる。典型的には、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤も添加される。カプセル形態での経口投与には、有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁剤または乳剤を経口投与する場合、有効成分は、乳化剤または懸濁剤と組み合わせた油相中に懸濁または溶解し得る。要すれば、特定の甘味料、香味料、または着色料を添加し得る。
【0045】
経鼻エアロゾルまたは吸入剤組成物は、製剤処方の技術分野でよく知られた技術に従って調製し得る。例えば、このような組成物は、ベンジルアルコールまたは他の好適な保存料、バイオアベイラビリティーを増強する吸収促進剤、フッ化炭素、および/または当技術分野で知られている他の溶解剤または分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として調製し得る。
【0046】
また、1以上の活性ピラゾール化合物を有する組成物は、直腸投与用の坐剤の形態でも投与し得る。
【0047】
医薬組成物の担体は、組成物の有効成分と適合するという意味において「許容され」なければならず(そして好ましくは、有効成分を安定化する能力がある)、治療される対象者に有害であってはならない。1以上の溶解剤は、活性ピラゾール化合物の送達のための医薬賦形剤として利用され得る。他の担体の例としては、コロイド状酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、およびD&C黄色10番が挙げられる。
【0048】
上述のピラゾール化合物は、上述の疾患の治療におけるそれらの効能を、インビトロ分析によって予めスクリーニングし、その後、動物実験および臨床試験によって確認し得る。他の方法もまた、当業者に明らかであろう。
【0049】
以下の具体例は、単なる例示として理解されるべきであり、いかなる方法でも開示を想起させるものを制限しない。さらなる詳細を要せず、当業者は、本書における記述に基づき、本発明を最大限に利用し得ると考えられる。本書で引用した全ての出版物は、参照することにより全体として本明細書に組み込まれる。
【0050】
実施例1:化合物10〜85および143〜157の合成
具体例として化合物10を用いて、一般的な方法を以下に説明する。
【0051】
【0052】
試薬および条件:(a) LiHMDS、シュウ酸ジエチル、THF/Et2O、-78 °C〜室温、20時間、85%;(b) 2,4-ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩、EtOH、室温、22時間;(c) AcOH、120°C、24時間、2工程で50%;(d) NBS、CH3CN、0°C〜室温、16時間、95%;(e) NBS、AIBN、CCl4、80oC、16時間;(f) AgNO3、アセトン/H2O = 1/1、60oC、16時間、2工程で68%;(g) AlCl3、1-アミノピペリジン、DCE、室温、16時間、97%;(h) PdCl2(PPh3)2、CuI、1-エチニル-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン、2-エタノールアミン、THF/H2O (1/1)、80°C、12時間、70%;(i) PBr3、CH2Cl2、0°C〜室温、2時間;(j) NaN3、DMF、室温、3時間;(k) PPh3、THF/H2O (1/1)、室温、16時間、3工程で66%;(l) ピロリジン-1-スルホニルクロリド、Et3N、DMF、0°C〜室温、16時間、87%。
【0053】
3-メチル-2,4-ジオキソ-4-チオフェン-2-イル-酪酸エチルのリチウム塩(化合物2):
マグネチックスターラーで攪拌している、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(22.2 mL, 22.20 mmol、THF中1.0M)のジエチルエーテル(40 mL)溶液に、-78℃で、ジエチルエーテル(15 ml)中の1-(2-チエニル)-1-プロパノン(2.81 g, 20.04 mmol)をアルゴン雰囲気下で滴下した。混合物を同温でさらに45分間攪拌した後、シュウ酸ジエチル(3.3 mL, 24.40 mmol)を滴下した。反応混合物を室温まで加温し、さらに16時間攪拌した。反応沈殿物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空乾燥して、粗リチウム塩2(4.21 g, 85%)を淡黄色固体として得た。
【0054】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-メチル-5-チオフェン-2-イル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル(化合物3):
リチウム塩2(3.21 g, 13.04 mmol)のエタノール(35 mL)溶液に、窒素下、室温で、2,4-ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩(3.01 g, 14.05 mmol)を一度に添加した。得られた混合物を、同温で22時間攪拌した。反応完了後、沈殿を濾過し、エタノールおよびジエチルエーテルで洗浄し、真空乾燥して、明黄色の固体を得た(3.31 g)。この粗固体を、精製せずに、酢酸(30 mL)に溶解し、24時間、加熱還流した。反応混合物を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(2 × 30 mL)。抽出物を合わせて、水、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。シリカゲルおよびn-ヘキサン/酢酸エチル(9:1)でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、エステル3(2.49 g, 2工程で50%)を白色固体として得た:融点121-122℃;1H NMR (CDCl3) δ 7.43 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.39-7.34 (m, 2H), 7.32 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.00 (dd, J = 5.1, 3.6 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.45 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.44 (s, 3H), 1.42 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3) δ 162.7, 142.8, 137.8, 136.3, 136.0, 133.9, 131.0, 129.6, 128.8, 128.5, 127.7, 127.6, 127.2, 119.9, 60.9, 14.4, 9.9; ESMS m/z: 381.0 (M+1), 403.0 (M+23).
【0055】
5-(5-ブロモチオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル(化合物4):
マグネチックスターラーで攪拌している、3(2.21 g, 5.79 mmol)のアセトニトリル(20 mL)溶液に、アルゴン下、0℃で、NBS(1.24 g, 6.96 mmol)を少量ずつ加えた。次に、得られた混合物を室温に加温し、16時間攪拌した。反応物を、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液で反応を止め、減圧下で濃縮して、アセトニトリルを除去した。水層を酢酸エチルで抽出した(2 × 40 mL)。有機層を合わせ、水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過および濃縮して、粗残留物を得たが、これをフラッシュクロマトグラフィーによりn-ヘキサン/酢酸エチル(9:1)で溶出して精製し、5-臭化エステル4(2.53 g, 95%)を白色固体として得た:融点93-94 oC; 1H NMR (CDCl3) δ 7.46 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.36-7.35 (m, 1H), 7.34 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 4.44 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.42 (s, 3H), 1.42 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3) δ 161.7, 142.2, 136.1, 135.8, 134.9, 133.0, 130.3, 129.5, 129.3, 128.6, 127.2, 119.5, 114.2, 114.1, 60.2, 13.8, 9.3; ESMS m/z: 460.9 (M+1), 482.9 (M+23);
【0056】
4-(ブロモメチル)-5-(5-ブロモチオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチル(化合物5):
マグネチックスターラーで攪拌している、4(2.20 g, 4.78 mmol)のCCl4(22 mL)溶液に、NBS(1.1 g, 6.21 mmol)およびAIBN(0.05 g, 0.33 mmol)を加えた。得られた混合物を16時間還流した。室温に冷却した後、沈殿を濾過した。濾液から溶媒を減圧で除去し、二臭化物5を淡黄色液体として得た;1H NMR (CDCl3) δ 7.48 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.38-7.32 (m, 2H), 7.01 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.77 (s, 2H), 4.48 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.43 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3) δ 161.5, 142.2, 138.4, 137.1, 135.0, 133.8, 130.8, 130.5, 130.3, 130.2, 128.2, 128.0, 120.6, 116.4, 61.6, 22.4, 14.3; ESMS m/z: 538.8 (M+1)
【0057】
5-(5-ブロモチオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(ヒドロキシメチル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチル(化合物6):
マグネチックスターラーで攪拌している、硝酸銀(3.25 g, 19.12 mmol)の50%アセトン水溶液(100 mL)中の溶液に、室温で、粗化合物5の70%アセトン水溶液(50 mL)中の懸濁液を加えた。混合物を60℃で一晩攪拌した。室温に冷却した後、不溶性残渣を濾別し、濾液を真空下で濃縮してアセトンを除去した。混合物をCH2Cl2で抽出し、合わせた有機抽出物を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得、n-ヘキサン/酢酸エチル(2:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製して、ヒドロキシエステル6(1.55 g, 2工程で68%)を白色固体として得た:1H NMR (CDCl3) δ 7.46 (dd, J = 1.2, 1.2 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 1.2 Hz, 2H), 6.96 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.71 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 4.48 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.76 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 1.42 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3) δ 163.3, 142.9, 137.3, 136.8, 135.0, 133.7, 130.7, 130.4, 130.3, 130.1, 128.4, 127.8, 124.2, 115.8, 61.9, 54.5, 14.2; ESMS m/z: 498.9 (M+23).
【0058】
5-(5-ブロモチオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(ヒドロキシメチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物7):
マグネチックスターラーで攪拌している、6(4.40 g, 9.24 mmol)および三塩化アルミニウム(2.46 g, 18.48 mmol)の二塩化エタン(88 mL)溶液に、アルゴン下、0℃で、1-アミノピペリジン(3.70 g, 36.96 mmol)をゆっくり加えた。得られた混合物を室温まで加温し、16時間攪拌した後、氷水で反応を止めた。水相をCH2Cl2(2 × 40 mL)で抽出した。合わせた有機相を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗残渣を得、n-ヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製して、化合物7(4.75 g, 97%)を白色固体として得た:1H NMR (CDCl3) δ 7.73 (s, 1H), 7.49 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.35 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.17 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 4.67 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 2.83 (brs, 4H), 1.78-1.73 (m, 4H), 1.42 (brs, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 160.0, 144.7, 136.9, 136.6, 135.0, 133.6, 130.7, 130.3, 130.2, 128.6, 128.1, 124.0, 115.8, 57.1, 54.7, 25.3, 23.2; ESMS m/z: 529.1 (M+1).
【0059】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(5-(2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-4-(ヒドロキシメチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物8):
ブロモチオフェン7(1.20 g, 2.26 mmol)、PdCl2(PPh3)2(0.16 g, 0.23 mmol)、CuI(0.06 g, 0.28 mmol)および2-エタノールアミン(0.5 M(水溶液), 14 mL, 6.78 mmol)のTHF(50 mL)溶液を攪拌し、圧力容器中、アルゴン下で10分間脱気し、その時、1-エチニル-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.58 g, 3.39 mmol)を一度に加えた。得られた混合物を油浴中、12時間、80℃に加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を水(20 mL)中に注ぎ、水相を酢酸エチル(2 × 40 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗残渣を得、n-ヘキサン/酢酸エチル(1:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製して、化合物8(0.98 g, 70%)を白色固体として得た:1H NMR (CDCl3) δ 7.75 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.50 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.36 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.21 (t, J = 3.2 Hz, 1H), 4.73 (d, J = 3.2 Hz, 2H), 2.83 (brs, 4H), 1.77-1.75 (m, 4H), 1.43 (brs, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 160.0, 144.8, 136.8, 136.6, 135.1, 133.6, 132.6, 131.5, 130.7, 130.2 (q, JC-F = 32.6 Hz), 130.3, 129.7, 129.1, 128.0, 126.1, 125.7, 125.3 (q, JC-F = 3.6 Hz), 123.7 (q, JC-F = 270.9 Hz), 93.6, 83.7, 57.1, 54.8, 25.3, 23.1; ESMS m/z: 619.1 (M+1).
【0060】
4-(アミノメチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(5-(2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル) エチニル)チオフェン-2-イル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物9):
マグネチックスターラーで攪拌している、化合物8(1.00 g, 1.62 mmol)のCH2Cl2(50 mL)溶液に、0℃で、PBr3(0.87 g, 3.23 mmol)を滴下した。得られた混合物を室温まで加温し、2時間攪拌した後、氷水で反応を止めた。水相をCH2Cl2(2 × 20 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、対応する臭化物を得、次に、精製せずに、DMF(10 mL)中のNaN3(0.53 g, 8.08 mmol)と室温で3時間反応させた。反応混合物を水(10 mL)中に注ぎ、水層を酢酸エチル(2 × 20 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、対応するアジドを得た。このアジド化合物は、精製せずに、THF/H2O(1/1)(20 mL)中のPPh3(0.51 g, 1.94 mmol)と室温で16時間処理して、クロマトグラフィー精製(CH2Cl2:MeOH = 9:1)後、化合物9(0.66 g, 3工程で66%)を淡黄色固体として得た:1H NMR (CDCl3) δ 7.85 (brs, 1H), 7.62-7.56 (m, 4H), 7.51 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.38-7.32 (m, 2H), 7.19 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 3.99 (s, 2H), 2.87-2.79 (m, 4H), 2.01 (s, 1H), 1.76 (quintet, J = 5.4 Hz, 4H), 1.49-1.38 (m, 2H); ESMS m/z: 618.0 (M+1).
【0061】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-((ピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物10):
マグネチックスターラーで攪拌している、化合物9(1.15 g, 1.86 mmol)およびEt3N(0.38 g 3.72 mmol)のDMF(10 mL)溶液に、0℃で、ピロリジン-1-スルホニルクロリド(0.47 g, 2.79 mmol)を滴下した。得られた混合物を加温して、16時間室温とした後、水で反応を止めた。水相を酢酸エチル(2 × 20 mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗残渣を得、溶出溶媒としてn-ヘキサン/酢酸エチル(1:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物10(1.21 g, 87%)を白色固体として得た:融点163〜164℃;1H NMR (CDCl3) δ 7.71 (s, 1H), 7.61-7.56 (m, 4H), 7.53 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.40-7.33 (m, 2H), 7.23 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.50 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.34 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 3.28-3.25 (m, 4H), 2.87-2.81 (m, 4H), 1.86 (quintet, J = 3.6 Hz, 4H), 1.78 (quintet, J = 5.6 Hz, 4H), 1.48-1.42 (m, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 159.2, 144.3, 137.4, 136.7, 134.8, 133.3, 132.7, 131.3, 130.6, 130.2, 130.1, 130.0 (q, JC-F = 33.0 Hz), 128.5, 127.9, 125.9, 125.6, 125.0 (q, JC-F = 4.0 Hz), 123.5 (q, JC-F = 270.5 Hz), 119.7, 93.4, 83.7, 56.9, 47.7, 37.2, 25.3, 25.0, 22.9; ESMS m/z: 751.0 (M+1).
【0062】
(Z)-4-((2-シアノ-3-シクロプロピルグアニジノ)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物11):
ES-MS (M+1): 725.1.
【0063】
(E)-4-((1-アミノ-2-ニトロビニルアミノ)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物12):
ES-MS (M+1): 704.1.
【0064】
(E)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((1-(メチルアミノ)-2-ニトロビニルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物13):
ES-MS (M+1): 718.1.
【0065】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(グアニジノメチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物14):
ES-MS (M+1): 660.2.
【0066】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((3-メチルグアニジノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物15):
ES-MS (M+1): 674.2.
【0067】
4-(アセトアミドメチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物16):
ES-MS (M+1): 660.1.
【0068】
(1-(2,4-ジクロロフェニル)-3-(ピペリジン-1-イルカルバモイル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)メチルカルバミン酸メチル(化合物17):
ES-MS (M+1): 676.1.
【0069】
(1-(2,4-ジクロロフェニル)-3-(ピペリジン-1-イルカルバモイル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)メチルカルバミン酸エチル(化合物18):
ES-MS (M+1): 690.1.
【0070】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((3-エチルウレイド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物19):
ES-MS (M+1): 689.1.
【0071】
4-((3-シクロプロピルウレイド)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物20):
ES-MS (M+1): 701.1.
【0072】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((3-メチルチオウレイド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物21):
ES-MS (M+1): 691.1.
【0073】
4-((3-シクロプロピルチオウレイド)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物22):
ES-MS (M+1): 717.1.
【0074】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物23):
ES-MS (M+1): 686.1.
【0075】
(E)-4-((2-シアノ-3-メチルグアニジノ)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物24):
ES-MS (M+1): 699.1.
【0076】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(メチルスルホンアミドメチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物25):
ES-MS (M+1): 696.0.
【0077】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((1-メチルエチルスルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物26):
ES-MS (M+1): 724.1.
【0078】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((N,N-ジメチルスルファモイルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物27):
ES-MS (M+1): 725.1.
【0079】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((N-メチルスルファモイルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物28):
ES-MS (M+1): 711.0.
【0080】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((N-イソプロピルスルファモイルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物29):
ES-MS (M+1): 739.1.
【0081】
4-((N-t-ブチルスルファモイルアミノ)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物30):
ES-MS (M+1): 753.1.
【0082】
4-(シクロペンタンスルホンアミドメチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物31):
ES-MS (M+1): 750.1.
【0083】
4-((1H-イミダゾール-5-スルホンアミド)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物32):
ES-MS (M+1): 748.0.
【0084】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((4-エチルピペラジン-1-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物33):
ES-MS (M+1): 794.1.
【0085】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-((ピペリジン-1-スルホンアミド)メチル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物34):
ES-MS (M+1): 765.1.
【0086】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((モルホリン-4-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物35):
ES-MS (M+1): 767.1.
【0087】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((3,5-ジメチルピペリジン-1-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物36):
ES-MS (M+1): 793.1.
【0088】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((2,6-ジメチルモルホリン-4-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物37):
ES-MS (M+1): 795.1.
【0089】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-([[(1,1-ジオキシドチオモルホリン-4-イル)スルホニル] アミノ] メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチニル]チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物38):
ES-MS (M+1): 815.0.
【0090】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((6-メチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル) チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物39):
ES-MS (M+1): 806.1.
【0091】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-((チオフェン-2-スルホンアミド)メチル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物40):
ES-MS (M+1): 764.0.
【0092】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物41):
ES-MS (M+1): 780.1.
【0093】
4-((N-シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物42):
ES-MS (M+1): 737.1.
【0094】
4-((N-シクロペンチルスルファモイルアミノ)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物43):
ES-MS (M+1): 765.1.
【0095】
4-((N-シクロヘキシルスルファモイルアミノ)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物44):
ES-MS (M+1): 779.1.
【0096】
4-((N-シクロヘプチルスルファモイルアミノ)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物45):
ES-MS (M+1): 793.1.
【0097】
4-((アジリジン-1-スルホンアミド)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物46):
ES-MS (M+1): 723.1.
【0098】
4-((アゼチジン-1-スルホンアミド)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物47):
ES-MS (M+1): 737.1.
【0099】
4-((1,3-オキシアゼチジン-3-スルホンアミド)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物48):
ES-MS (M+1): 739.1.
【0100】
4-[[(7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-7-イルスルホニル)アミノ]メチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチニル]チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物49):
ES-MS (M+1): 777.1.
【0101】
4-((2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-スルホンアミド)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物50):
ES-MS (M+1): 737.1.
【0102】
4-(シクロプロパンスルホンアミドメチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物51):
ES-MS (M+1): 722.1.
【0103】
4-(シクロヘキサンスルホンアミドメチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物52):
ES-MS (M+1): 764.1.
【0104】
4-((1H-イミダゾール-5-スルホンアミド)メチル)-5-(5-((4-クロロフェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド (化合物53):
ES-MS (M+1): 716.1.
【0105】
5-(5-((4-クロロフェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-((ピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物54):
ES-MS (M+1): 719.1.
【0106】
5-(5-((4-クロロフェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-((ピペリジン-1-スルホンアミド)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物55):
ES-MS (M+1): 733.1.
【0107】
5-(5-((4-クロロフェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-4-((N-シクロペンチルスルファモイルアミノ) メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物56):
ES-MS (M+1): 733.1.
【0108】
5-(5-((4-クロロフェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-4-((N-シクロプロピルスルファモイルアミノ) メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物57):
ES-MS (M+1): 705.0.
【0109】
5-(5-((4-クロロフェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((2,6-ジメチルモルホリン-4-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物58):
ES-MS (M+1): 763.1.
【0110】
5-(5-((4-クロロフェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((N-メチルスルファモイルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物59):
ES-MS (M+1): 679.1.
【0111】
4-((アゼチジン-1-スルホンアミド)メチル)-5-(5-((4-クロロフェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物60):
ES-MS (M+1): 705.0.
【0112】
4-((1,3-オキシアゼチジン-3-スルホンアミド)メチル)-5-(5-((4-クロロフェニル)エチニル) チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物61):
ES-MS (M+1): 707.1.
【0113】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(5-(ペンタ-1-イニル)チオフェン-2-イル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-((ピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物62):
ES-MS (M+1): 649.2.
【0114】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(5-(ペンタ-1-イニル)チオフェン-2-イル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-((ピペリジン-1-スルホンアミド)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物63):
ES-MS (M+1): 663.1.
【0115】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((モルホリン-4-スルホンアミド)メチル)-5-(5-(ペンタ-1-イニル)チオフェン-2-イル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物64):
ES-MS (M+1): 665.1.
【0116】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-([[(1,1-ジオキシドチオモルホリン-4-イル)スルホニル]アミノ] メチル)-5-[5-(ペンタ-1-イン-1-イル)チオフェン-2-イル]-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物65):
ES-MS (M+1): 713.1.
【0117】
4-(シクロペンタンスルホンアミドメチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(5-(ペンタ-1-イニル)チオフェン-2-イル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物66):
ES-MS (M+1): 648.2.
【0118】
4-((1H-イミダゾール-5-スルホンアミド)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(5-(ペンタ-1-イニル)チオフェン-2-イル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物67):
ES-MS (M+1): 646.1.
【0119】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((3-エチルチオウレイド)メチル)-5-(5-(ペンタ-1-イニル) チオフェン-2-イル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物68):
ES-MS (M+1): 603.2.
【0120】
(1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(5-(ペンタ-1-イニル)チオフェン-2-イル)-3-(ピペリジン-1-イルカルバモイル)-1H-ピラゾール-4-イル)メチルカルバミン酸メチル(化合物69):
ES-MS (M+1): 574.1
【0121】
4-((3-シクロプロピルウレイド)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(5-(ペンタ-1-イニル) チオフェン-2-イル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物70):
ES-MS (M+1): 599.1.
【0122】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(5-(ペンタ-1-イニル)チオフェン-2-イル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-(プロピオンアミドメチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物71):
ES-MS (M+1): 572.1.
【0123】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((N,N-ジメチルスルファモイルアミノ)メチル)-5-(5-(ペンタ-1-イニル)チオフェン-2-イル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物72):
ES-MS (M+1): 623.1.
【0124】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((N-メチルスルファモイルアミノ)メチル)-5-(5-(ペンタ-1-イニル)チオフェン-2-イル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物73):
ES-MS (M+1): 609.1.
【0125】
5-(5-(シクロペンチルエチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-((ピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物74):
ES-MS (M+1): 675.1.
【0126】
5-(5-(シクロペンチルエチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-((ピペリジン-1-スルホンアミド)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物75):
ES-MS (M+1): 689.1.
【0127】
5-(5-(シクロペンチルエチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((モルホリン-4-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物76):
ES-MS (M+1): 691.1.
【0128】
5-[5-(シクロペンチルエチニル)チオフェン-2-イル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-([[(1,1-ジオキシドチオモルホリン-4-イル)スルホニル]アミノ]メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物77):
ES-MS (M+1): 739.1.
【0129】
4-(シクロペンタンスルホンアミドメチル)-5-(5-(シクロペンチルエチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物78):
ES-MS (M+1): 674.1.
【0130】
4-((1H-イミダゾール-5-スルホンアミド)メチル)-5-(5-(シクロペンチルエチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物79):
ES-MS (M+1): 672.1.
【0131】
5-(5-(シクロペンチルエチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((3-エチルチオウレイド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物80):
ES-MS (M+1): 629.1.
【0132】
(5-(5-(シクロペンチルエチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-3-(ピペリジン-1-イルカルバモイル)-1H-ピラゾール-4-イル)メチルカルバミン酸メチル(化合物81):
ES-MS (M+1): 600.1.
【0133】
5-(5-(シクロペンチルエチニル)チオフェン-2-イル)-4-((3-シクロプロピルウレイド)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物82):
ES-MS (M+1): 625.1.
【0134】
5-(5-(シクロペンチルエチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-(プロピオンアミドメチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物83):
ES-MS (M+1): 598.1.
【0135】
5-(5-(シクロペンチルエチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((N,N-ジメチルスルファモイルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物84):
ES-MS (M+1): 649.1.
【0136】
5-(5-(シクロペンチルエチニル)チオフェン-2-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((N-メチルスルファモイルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物85):
ES-MS (M+1): 635.1.
【0137】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((3-ヒドロキシピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物143):
ES-MS (M+1): 767.0.
【0138】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物144):
ES-MS (M+1): 767.0.
【0139】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(((S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物145):
ES-MS (M+1): 767.0.
【0140】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((3-フルオロ-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物146):
ES-MS (M+1): 772.9.
【0141】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((3,3-ジフルオロピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物147):
ES-MS (M+1): 786.9.
【0142】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(((S)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物148):
ES-MS (M+1): 769.0.
【0143】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(((R)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物149):
ES-MS (M+1): 769.0.
【0144】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-4-(((S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物150):
ES-MS (M+1): 819.0.
【0145】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-4-(((R)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物151):
ES-MS (M+1): 819.0.
【0146】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-4-((3-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物152):
ES-MS (M+1): 819.0.
【0147】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物153):
ES-MS (M+1): 800.9.
【0148】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物154):
ES-MS (M+1): 793.1.
【0149】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-4-(((R)-3-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物155):
ES-MS (M+1): 819.0.
【0150】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-4-(((S)-3-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物156):
ES-MS (M+1): 819.0.
【0151】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((4-ヒドロキシピペリジン-1-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物157):
ES-MS (M+1): 781.0
【0152】
実施例2:化合物87~113の合成
具体例として化合物87を用いて、一般的な方法を以下に説明する。
4-(ブロモメチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物86):
マグネチックスターラーで攪拌している、化合物8(0.15 g, 0.24 mmol)のCH2Cl2(5 mL)溶液に、0℃で、PBr3(0.13 g, 0.48 mmol)を滴下した。得られた混合物を加温して2時間室温とした後、氷水で反応を止めた。水相をCH2Cl2(2 × 20 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、臭化物86を淡黄色固体として得た。1H NMR (CDCl3) δ 7.58 (m, 4H), 7.53-7.52 (m, 1H), 7.38-7.37 (m, 2H), 7.23 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.92 (s, 2H), 2.85 (brs, 4H), 1.77-1.71 (m, 4H), 1.42 (brs, 2H); ESMS m/z: 681.1 (M+1).
【0153】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-[(1,1-ジオキシドチオモルホリン-4-イル)メチル]-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチニル]チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物87):
マグネチックスターラーで攪拌している、臭化物86(0.16 g, 0.24 mmol)のDMF(3 mL)溶液に、室温で、チオモルホリン1,1-ジオキシド(0.07 g, 0.48 mmol)を一度に添加した。得られた混合物を、60℃に16時間加熱した後、水で反応を止めた。水相を酢酸エチル(2 × 10 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗残渣を得、シリカゲルおよびn-ヘキサン/酢酸エチル(1:1)でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製に付して、所望の生成物87(0.14 g, 2工程で79%)を白色固体として得た:1H NMR (CDCl3) δ 7.72 (s, 1H), 7.61 (m, 4H), 7.52 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 4.03 (s, 2H), 3.14-3.05 (m, 8H), 2.85-2.82 (m, 4H), 1.79-1.74 (m, 4H), 1.44-1.40 (m, 2H); ESMS m/z: 735.8 (M+1).
【0154】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((メチルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物88):
ES-MS (M+1): 632.1.
【0155】
4-((シクロプロピルアミノ)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物89):
ES-MS (M+1): 658.1.
【0156】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((イソプロピルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド (化合物90):
ES-MS (M+1): 660.1.
【0157】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物91):
ES-MS (M+1): 674.1.
【0158】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((3-フルオロアゼチジン-1-イル)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物92):
ES-MS (M+1): 676.1.
【0159】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((オキセタン-3-イルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物93):
ES-MS (M+1): 674.1.
【0160】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((3-メチルオキセタン-3-イルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物94):
ES-MS (M+1): 688.1.
【0161】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((メチル(オキセタン-3-イル)アミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物95):
ES-MS (M+1): 688.1.
【0162】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((オキセタン-3-イルメチルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物96):
ES-MS (M+1): 688.1.
【0163】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-((プロパ-2-イニルアミノ)メチル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物97):
ES-MS (M+1): 656.1.
【0164】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((メチル(プロパ-2-イニル)アミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物98):
ES-MS (M+1): 670.1.
【0165】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(((R)-2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物99):
ES-MS (M+1): 676.1.
【0166】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(((S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物100):
ES-MS (M+1): 688.1.
【0167】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(((S)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-イル)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物101):
ES-MS (M+1): 702.1.
【0168】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(((R)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-イル)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物102):
ES-MS (M+1): 702.1.
【0169】
4-(((R)-2-シアノピロリジン-1-イル)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物103):
ES-MS (M+1): 697.1.
【0170】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-[(1,1-ジフルオロ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタ-5-イル)メチル]-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチニル]チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物104):
ES-MS (M+1): 734.1.
【0171】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((6,6-ジフルオロ-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物105):
ES-MS (M+1): 720.2.
【0172】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物106):
ES-MS (M+1): 708.1.
【0173】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル) エチニル)チオフェン-2-イル)-4-((3-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-イル)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物107):
ES-MS (M+1): 740.1.
【0174】
4-((1-シアノシクロプロピルアミノ)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物108):
ES-MS (M+1): 683.1.
【0175】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(ピペラジン-1-イルメチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド (化合物109):
ES-MS (M+1): 687.1.
【0176】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物110):
ES-MS (M+1): 701.1.
【0177】
4-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物111):
ES-MS (M+1): 670.1.
【0178】
4-(アジドメチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物112):
ES-MS (M+1): 644.2.
【0179】
4-(シアノメチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(5-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)チオフェン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物113):
ES-MS (M+1): 628.1.
【0180】
実施例3:化合物119〜142の合成
化合物119〜142を、一例として化合物119を用いて、以下に説明する一般的な合成方法に従って製造した。
【0181】
【0182】
試薬および条件:(a) NBS、AIBN、CCl4、80oC、16時間;(b) AgNO3、アセトン/H2O = 1/1、60oC、16時間、2工程で66%;(c) AlCl3、1-アミノピペリジン、DCE、室温、16時間、93%;(d) PBr3、CH2Cl2、室温、2時間;(e) NaN3、DMF、室温、3時間;(f) PPh3、THF/H2O = 1/1、室温、16時間、3工程で75%;(g) ピロリジン-1-スルホニルクロリド、Et3N、DMF、0°C〜室温、16時間;85%。
【0183】
中間体エステル115を、市販の化合物114から出発して、文献(J. Med. Chem. 1999年, 42巻, 769-776頁)に報告されている3工程の方法に基づいて、容易に製造した。
【0184】
5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(ヒドロキシメチル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチル(化合物116):
マグネチックスターラーで攪拌している、化合物115(2.00 g, 4.88 mmol)のCCl4(20 mL)溶液に、NBS(1.13 g, 6.34 mmol)およびAIBN(0.06 g, 0.39 mmol)を加えた。得られた混合物を16時間還流した。室温に冷却した後、沈殿を濾過した。濾液から溶媒を減圧で除去し、粗臭化物を淡黄色液体として得た。マグネチックスターラーで攪拌している、硝酸銀(3.32 g, 19.52 mmol)の50%アセトン水溶液(100 mL)中の溶液に、室温で、臭化物の70%アセトン水溶液中の懸濁液を加えた。混合物を60℃で一晩攪拌した。室温に冷却した後、不溶性残渣を濾別し、得られた濾液を真空下で濃縮してアセトンを除去した。混合物をCH2Cl2で抽出し、合わせた有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得、シリカゲルおよびn-ヘキサン/酢酸エチル(1:1)によるフラッシュクロマトグラフィーで精製して、エステル116(1.37 g, 2工程で66%)を白色固体として得た:1H NMR (CDCl3) δ 7.41 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.34-7.27 (m, 4H), 7.13-7.10 (m, 2H), 4.63 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 4.60 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 3.84 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 1.45 (t, J = 6.9 Hz, 3H), ; ESMS m/z: 447.0 (M+1).
【0185】
5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(ヒドロキシメチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物117):
マグネチックスターラーで攪拌している、116(1.21 g, 2.84 mmol)および三塩化アルミニウム(1.52 g, 11.36 mmol)の二塩化エタン(20 mL)溶液に、アルゴン下、0℃で、1-アミノピペリジン(1.14 g, 11.36 mmol)をゆっくり加えた。得られた混合物を加温して、16時間室温とした後、氷水で反応を停止し、水相をCH2Cl2(2 × 20 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗残渣を得、シリカゲルおよびn-ヘキサン/酢酸エチル(1:1)によるフラッシュクロマトグラフィーで精製して、化合物117(1.27 g, 93%)を白色固体として得た:1H NMR (CDCl3) δ 7.78 (brs, 1H), 7.44 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.33-7.20 (m, 4H), 7.08-7.03 (m, 2H), 5.16 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 4.60 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 2.88-2.80 (m, 4H), 1.78 (quintet, J = 5.4 Hz, 4H), 1.50-1.40 (m, 2H); ESMS m/z: 479.0 (M+1).
【0186】
4-(アミノメチル)-5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物118):
マグネチックスターラーで攪拌している、117(0.34 g, 0.72 mmol)のCH2Cl2(20 mL)溶液に、0℃で、PBr3(0.39 g, 1.43 mmol)を滴下した。得られた混合物を加温して2時間室温とした後、水で反応を止めた。水相をCH2Cl2(2 × 10 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、対応する臭化物を淡黄色固体として得た。このようにして得た臭化化合物を精製せずに、DMF(5 mL)中のNaN3(0.23 g, 3.58 mmol)と室温で3時間処理した。反応混合物を水(10 mL)中に注ぎ、水層を酢酸エチル(2 × 20 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗アジドを得、これを精製せずに、さらにTHF/H2O(1/1)(7 mL)中のPPh3(0.38 g, 1.43 mmol)と室温で16時間処理した。反応混合物を酢酸エチル(2 × 20 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗残留物を得、シリカゲルおよびCH2Cl2/MeOH(9:1)によるフラッシュクロマトグラフィーで精製して、化合物118(0.26 g, 3工程で75%)を白色固体として得た:1H NMR (CDCl3) δ 7.84 (brs, 1H), 7.44 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.28-7.24 (m, 2H), 7.14 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 3.87 (s, 2H), 2.88-2.80 (m, 4H), 1.83 (brs,1H), 1.83-1.71 (m, 4H), 1.48-1.38 (m, 2H); ESMS m/z: 478.0 (M+1)
【0187】
5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-((ピロリジン-1-スルホンアミド)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物119):
マグネチックスターラーで攪拌している、118(0.26 g, 0.54 mmol)およびEt3N(0.11 g, 1.08 mmol)のDMF(3 mL)溶液に、0℃で、ピロリジン-1-スルホニルクロリド(0.14 g, 0.81 mmol)を滴下した。得られた混合物を加温して16時間室温とした後、水で反応を停止した。水相を酢酸エチル(2 × 20 mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗残渣を得、これをn-ヘキサン/酢酸エチル(1:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物119(0.28 g, 85%)を白色固体として得た:1H NMR (CDCl3) δ 7.72 (s, 1H), 7.45 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.34-7.29 (m, 3H), 7.24-7.19 (m, 3H), 6.52 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.19 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 3.26-3.22 (m, 4H), 2.88-2.80 (m, 4H), 1.85 (quintet, J = 3.6 Hz, 4H), 1.78 (quintet, J = 5.6 Hz, 4H), 1.48-1.41 (m, 2H); ESMS m/z: 611.1 (M+1).
【0188】
5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-((ピペリジン-1-スルホンアミド)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物120):
ES-MS (M+1): 627.1.
【0189】
5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((モルホリン-4-スルホンアミド) メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物121):
ES-MS (M+1): 629.1.
【0190】
5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-([[(1,1-ジオキシドチオモルホリン-4-イル) スルホニル]アミノ]メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド (化合物122):
ES-MS (M+1): 677.1.
【0191】
5-(4-クロロフェニル)-4-(シクロペンタンスルホンアミドメチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物123):
ES-MS (M+1): 612.1
【0192】
4-((1H-イミダゾール-5-スルホンアミド)メチル)-5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物124):
ES-MS (M+1): 610.1.
【0193】
5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((3-エチルチオウレイド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物125):
ES-MS (M+1): 567.1.
【0194】
(5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-3-(ピペリジン-1-イルカルバモイル)-1H-ピラゾール-4-イル)メチルカルバミン酸メチル(化合物126):
ES-MS (M+1): 536.1.
【0195】
5-(4-クロロフェニル)-4-((3-シクロプロピルウレイド)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物127):
ES-MS (M+1): 561.1
【0196】
5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-(プロピオンアミド メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物128):
ES-MS (M+1): 534.1.
【0197】
5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((N,N-ジメチルスルファモイルアミノ) メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物129):
ES-MS (M+1): 587.1.
【0198】
5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((N-メチルスルファモイルアミノ) メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物130):
ES-MS (M+1): 573.1.
【0199】
5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物131):
ES-MS (M+1): 546.1.
【0200】
5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((2,6-ジメチルモルホリン-4-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物132):
ES-MS (M+1): 655.1.
【0201】
5-(4-クロロフェニル)-4-((N-シクロペンチルスルファモイルアミノ)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物133):
ES-MS (M+1): 625.1.
【0202】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-((ピロリジン-1-スルホンアミド) メチル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物134):
ES-MS (M+1): 645.1.
【0203】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-4-((ピペリジン-1-スルホンアミド)メチル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物135):
ES-MS (M+1): 659.2.
【0204】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((モルホリン-4-スルホンアミド)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物136):
ES-MS (M+1): 661.1.
【0205】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-([[(1,1-ジオキシドチオモルホリン-4-イル)スルホニル]アミノ] メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物137):
ES-MS (M+1): 709.1.
【0206】
4-(シクロペンタンスルホンアミドメチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物138):
ES-MS (M+1): 644.1.
【0207】
4-((1H-イミダゾール-5-スルホンアミド)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物139):
ES-MS (M+1): 642.1.
【0208】
1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-((4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イルアミノ)メチル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物140):
ES-MS (M+1): 580.1.
【0209】
(1-(2,4-ジクロロフェニル)-3-(ピペリジン-1-イルカルバモイル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)メチルカルバミン酸メチル(化合物141):
ES-MS (M+1): 570.1.
【0210】
4-((N-シクロペンチルスルファモイルアミノ)メチル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-(ピペリジン-1-イル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物142):
ES-MS (M+1): 659.2.
【0211】
実施例4:放射性リガンド結合分析
ヒトCB1およびCB2受容体を、CB1およびCB2受容体を安定発現するHEK293細胞系より得た。簡単に説明すると、CB1またはCB2受容体発現細胞を採取し、超音波処理に付した。溶解した細胞を4℃で30分間、43,000 x gで遠心分離した。得られたペレットを緩衝液(50 mM Tris, 5mM MgCl2, 2.5 mM EDTA, pH 7.4, 10%スクロース)中に再懸濁し、-80℃で保存した。精製膜のタンパク質濃度を、バイオラド・ラボラトリーズ社(Bio-Rad Laboratories, Inc.)(米国カリフォルニア州ハーキュリーズ)より提供される説明書の記載の通り、ブラッドフォード法によって定量した。
【0212】
CB1およびCB2受容体に対する親和性は、以下の通り、インビトロの放射性リガンド結合分析によって定量した。上述したCB1またはCB2発現細胞系から調製した0.2〜8 μgの膜画分を、0.75 nM [3H]CP55,940(CB1およびCB2受容体に特異的に結合するリガンド)および試験化合物を含有する緩衝液(pH 7.4, 50 mM Tris-HCl, 5 mM MgCl2, 1 mM EDTA, および0.3% BSA)と混合した。対照分析において、試験化合物の代わりに非放射性のCP55,940(1 μM)を使用した。混合物を、マルチスクリーン・マイクロプレート(ミリポア(Millipore)、米国マサチューセッツ州ビルリカ)において、30℃で1.5時間インキュベートして、試験化合物または[3H]CP55,940を受容体に結合させた。結合反応は、マニフォールド濾過によって停止させたが、ここで、膜画分(CB1またはCB2受容体を含有する)はフィルター上に保持された。次にフィルターを氷冷した洗浄緩衝液(50 mM Tris, pH 7.4, 0.25% BSA)で4回洗浄し、遊離の[3H]CP55,940を除去した。フィルターに結合した膜画分の放射活性は、トップカウント(Topcount)(パーキン・エルマー社(Perkin Elmer Inc.))によって測定した。IC50([3H]CP55,940の受容体への結合の50%を阻害するために必要な試験化合物の濃度)を計算した。
【0213】
この分析において、化合物10〜85、87〜113および119〜157を試験した。[3H]CP55,940のCB1およびCB2受容体それぞれへの結合を阻害するための、全ての試験化合物のIC50値が、1 nMと10 の間であったことは、予想外であった。
【0214】
実施例5:DELFIA GTP結合分析
CB1受容体の調節における試験化合物の活性を、パーキンエルマー社(PerkinElmer Inc.)(米国マサチューセッツ州ボストン)が供給するDELFIA GTP結合キットを使用して、以下の段落に記載する方法で定量した。DELFIA GTP結合分析は、Gタンパク結合受容体の活性化後の、GタンパクサブユニットでのGDP-GTP交換に基づく、時間解析蛍光分析である。CP 55,940によるCB1受容体の刺激によって、Gタンパク質のα-サブユニット上でGDPがGTPによって置換され、GTP-Gα複合体、すなわち、Gタンパク質の活性型となる。ユーロピウムキレートで標識した非加水分解性GTPである、Eu-GTPを使用して、Gタンパク質の作動薬依存性活性化をモニターした。ペルトネン(Peltonen)らの、Eur. J. Pharmacol. 1998年、355巻、275頁を参照のこと。
【0215】
ヒトCB1受容体を発現するHEK293細胞由来の血漿膜を、分析緩衝液(50 mM HEPES, pH 7.4, 100 mM NaCl, 100 μg/mLサポニン, 5 mM MgCl2, 2 μM GDP, 0.5% BSA)中に懸濁した。一定量の膜を、試験化合物(0.1%DMSO中、種々の濃度)およびCP55,940(分析緩衝液中、20 nM)と共に、アクロプレート(AcroPlate)(ポール・ライフ・サイエンシーズ(Pall Life Sciences)、米国ミシガン州アナーバー)の各ウェルに加えた。アッセイプレートを暗所で、30℃で60分間インキュベートした。次に、Eu-GPTを各ウェルに加え、プレートを暗所で、30℃で、さらに30分間インキュベートした。プレートを、分析キットに入っている洗浄溶液で4回洗浄した。Eu-GTPの結合は、ビクター(Victor)2マルチラベルリーダーで定量した蛍光シグナルに基づいて検出した。各試験化合物のEC50値(すなわち、CP55,940で刺激したEu-GTP結合の50%阻害)を非線形回帰を用いた濃度反応曲線(プリズム(Prism);グラフパッド(GraphPad)、米国カリフォルニア州サンディエゴ)によって定量した。
【0216】
この分析において、化合物10〜85、87〜113、および119〜157を試験した。予想外には、CP55,940で刺激したCB1受容体活性化の調節によってEu-GTP結合を阻害するための、全ての試験化合物のEC50値は、1 nMと10 μMの間であった。
【0217】
実施例6:四分子応答試験(Tetrad response test)
雄C57BL/6マウスにおいて、体温およびテールフリック反応を、それぞれ直腸温度計(ナツメ(Natsume)、日本)およびテールフリック鎮痛効果測定装置RS232(コロンバス、米国)で測定した。DMSO/ツイーン80/水(容量1/1/8)に溶解した試験化合物を経口投与した1時間後に、0.5%DMSOを含有する生理食塩水中のCP55,940を1 mg/kg腹腔内投与した。投与後30分および65分の時点で体温を測定し、投与後35分の時点でテールフリック反応を測定した。
【0218】
多数の化合物を試験した。マウスにおいて、100 mg/kg以下の経口投与で、化合物10、63および119が、CB1作動薬誘導性の低体温および鎮痛反応の両方を全くまたは殆ど反転しなかったことは、予想外であった。反対に、これらの反応は、代表的な中枢性CB1拮抗薬であるリモナバンの2 mg/kg程の投与量で、有意に反転した。
【0219】
実施例7:食餌性肥満マウスの試験化合物での処理
6週齢のC57BL/6マウスに、試験化合物で処理する前に、12週間より長期間、高脂肪食(リサーチ・ダイエットD 12451;脂肪45%、タンパク質20%、および炭水化物35%)を与えた。体重が同等のマウスを種々の群に割り当て、日に一度、規定投与量(例えば、10および20 mg/kg)の対照(10% DMSO/10%ツイーン80/80%水)または試験化合物を、少なくとも2週間、強制経口投与した。各処理での摂食総量および体重を毎日測定した。
【0220】
多数の化合物を試験した。予想外には、食餌性肥満マウスに化合物10を21日間、長期投与したところ、10および20 mg/kg群について、相対体重減少率がそれぞれ26.4%(リモナバンでは29.1%)および32.8%となった。
【0221】
実施例8:db/dbマウスにおけるインスリン感受性
6週齢の雄db/dbマウスを、規定投与量(例えば10または20 mg/kg)の試験化合物(即ち、化合物10、63および119)で少なくとも2週間処置した。各処置について摂食総量および体重を毎日測定した。処置後のマウスは一晩絶食し、その後グルコース(2 g/kg、強制経口)を注入した。血糖値を、血糖値計により0、30、60、90および120分に測定した。研究の最後に、血液および尿サンプルおよび組織(例えば腎臓)を採取した。処置後、マウスのインスリン感受性は有意に向上した。
【0222】
実施例9:エストロゲン欠乏性骨粗鬆症の処理
3月齢の雌マウスに、両側卵巣摘出または擬似手術(bilateral ovariectomy or sham operation)を施術した。施術の2週間後に、CB1拮抗薬(即ち化合物10、63および119)または対象を、1週間に5日、2、4および8週間投与した。大腿骨、脛骨およびL1-L5脊椎の骨塩密度および骨塩量を、二重エネルギーX線吸収測定法によって測定した。大腿骨、脛骨および脊椎の骨梁微細構造(即ち、骨梁量、厚さ、数、離開、空隙率、および骨量指数)を、μCTスキャンで分析した。骨の機械的強度を材料試験機で検出した。結果から、骨塩密度の増加および微細構造の改善の両者が示された。
【0223】
実施例10:変形性関節炎のマウスの処理
4月齢の雄SDラットを、筋肉内アトロピン(1 mg/kg)および腹腔内ペントバルビタールで麻酔した。ラットの左膝に内側傍膝骨の関節切開術および前十字靭帯の切断(ACLT)を行い、膝の変形性関節炎を誘発した。変形性関節炎のラットにCB1拮抗薬(即ち、化合物10、63および119)または対照を8週間与えた。膝の関節X線撮影をマンモグラフィーシステムで評価した。変形性関節炎のラットにおける関節の歩行プロファイルをCatWalkシステムで分析した。関節形態をMankinの採点システムで組織学的に評価した。結果からMankinスコアの低下が示された。
【0224】
実施例11:腎症および腎線維症のラットの処理
3月齢の雄Wistar系ラットに、ストレプトゾトシン(50 mg/kg)を腹腔内投与して、糖尿病を誘発した。2週間後、空腹時血糖値が200〜300 m/mLの糖尿病ラットを研究用に選別した。糖尿病ラットを代謝ケージ系に入れ、CB1拮抗薬(即ち、化合物10、63および119)を4週間投与し、尿を採取した。腎機能を評価するため、尿中のタンパク質およびクレアチニン値をELISAで測定した。腎線維症を評価するため、腎臓を摘出し、固定し、パラフィンワックス包埋し、薄片にして、過ヨウ素酸シッフ染色の後、組織学的評価を行った。結果から、尿アルブミン値の低下および腎線維症の減少の両者が示された。
【0225】
他の具体例
本明細書に開示されたすべての特性は、あらゆる組み合わせが成り立ち得る。本明細書に開示された各特性は、同一、同等、または類似の目的に適う別の特性に置き換えてもよい。従って、他に別段の記述がない場合は、開示された各特徴は、同等または類似の特性の包括的な系の一例に過ぎない。
【0226】
上記の記述から、当業者であれば、本発明の本質的な特徴を容易に解明することが可能であり、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、本発明の様々な変更および改良を行って、様々な用途および条件に適合させることが可能である。このように、他の具体例もまた、以下の特許請求の範囲の範囲内である。