【実施例】
【0072】
実施例1:オリゴジオキシヌクレオチド及び試薬
オリゴジオキシヌクレオチド(ODNs)は、Samchully Pharm(Seoul, Korea)で合成した。MB−ODN 4531は、三つのCpGモチーフ(下線で表示)を含む20塩基からなっている: AGCAG
CGTT
CGTGT
CGGCCT。本発明で使用されたMB−ODN 4531配列は、ホスホジエステルバックボーン(O)であっても、ホスホロチオエート−変形されたバックボーン(S)であってもよい。MB−ODN 4531(O)のホスホロチオエート形態は、MB−ODN 4531(S)である。MB−ODN 4531GCは、CG配列の一つがGC配列に順番が逆転された(下線で表示)MB−ODN 4531の誘導体である: AGCAG
GCTTCGTGTCGGCCT。蛍光物質又はビオチンタグ(tags)は、各ODNの3’−末端にコンジュゲーションされた。ODNsのエンドトキシンの含量は、リムルス・アメボサイト(
Limulus amebocyte)アッセイ(Whittaker Bioproducts, Walkersville, MD, USA)により測定された通り、ODN 1mg当たり1ng以下である。
【0073】
〔表1〕
合成ODN誘導体
CGジヌクレオチド配列のGC又はCT配列への変化は、下線の太字で表示される。MB−ODN 4531(S)CSは、MB−ODN 4531に相補的な配列である。変形:無し、ホスホジエステルバックボーン連結;及びS、ホスホロチオエートバックボーン変形。
【0074】
実施例2:候補エピトープの選別及びペプチド合成
エピトープスクリーニングのためのペプチド配列は、親水性、疎水性、2次構造、抗原性指標(antigenicity index)及び両親媒性(amphipathicity)に基づいて選別した。エピトープ−基盤のペプチドの効果を確認するために、本発明者らは、種々のインフルエンザAストレインのHA蛋白質(表2、3、4、5、6、7、8及び9)、肝癌のhTM4SF5(human tetraspanin transmembrane 4 superfamily member 5)蛋白質、HCVの外皮(envelope)蛋白質、RSVの付着(G)糖蛋白質(G(hRSV−G))(表10)、RSVの融合蛋白質F(HRSV−F)(表11及び表12)及びヒトインテグリンβ4(hIB4)(表13)から14個又は17個のアミノ酸配列からなるペプチドを合成した。インフルエンザAウイルスHA蛋白質のアミノ酸配列は、ヒトH3配列(A/Aichi/2/68)との配列比較に基づいてナンバリングされる。ペプチドは、自動ペプチド合成機(Peptron III−R24, Peptron, Daejeon, Korea)を利用して、Fmoc固体−相(solid−phase)方法で合成した。合成されたペプチドからレジン保護膜を除去した後、ペプチドを90%以上の純度で精製して、Vydac C8分析RPカラムを利用した逆相(reverse−phase) HPLC(Prominence HPLC, SHIMADZU Corp., Tokyo, Japan)で分析した。前記合成されたペプチドは、質量分析機(HP 1100 Series LC/MSD, Hewlett−Packard, Roseville, USA)を利用して同定した。
【0075】
〔表2〕
A/ベトナム/1203/2004 hH5N1のHA蛋白質の候補エピトープ
【0076】
本発明のエピトープスクリーニング方法に利用されるペプチド配列は、親水性、疎水性、2次構造、抗原性指標及び両親媒性に基づいてA/ベトナム/1203/2004 H5N1 HA蛋白質(NCBIデータベース、AAW80717)から選択された(http://tools.immuneepitpoe.org/main/index.html)。A/ベトナム/1203/2004 H5N1 HA蛋白質のアミノ酸配列は、ヒトH3配列(A/Aichi/2/68)との配列比較に基づいてナンバリングされる。
【0077】
〔表3〕
インフルエンザA H5N1ストレイン及びH1N1ストレイン内hH5N1 HA370エピトープに相応する配列の保存性
インフルエンザAウイルスHA蛋白質のアミノ酸配列は、ヒトH3配列(A/Aichi/2/68)との配列比較に基づいてナンバリングされる。
【0078】
〔表4〕
豚−起源インフルエンザA H1N1ストレイン内hH5N1 HA370エピトープに相応する配列の保存性
(分離ナンバー)
*は、現在まで分離された豚−起源インフルエンザA H1N1ウイルス1,750個のストレインのうち、特異配列を含むストレインナンバーを示す。
【0079】
〔表5〕
A/ベトナム/1203/2004から得られたhH5N1 HA233エピトープと他のH5N1ストレインから得られた相応する配列間の配列比較(sequence alignment)
(分離ナンバー)
*は、現在まで分離されたヒトH5N1ウイルス279個のストレインのうち、特異配列を含むストレインナンバーを示す。
【0080】
〔表6〕
インフルエンザAウイルス亜型内H5N1 HA233エピトープに相応する配列の保存性
【0081】
〔表7−1〕
現在まで報告されたH1N1ストレイン内H5N1 HA233エピトープに相応する配列の保存性
(分離ナンバー)
*は、現在まで分離されたヒトH1N1ウイルス2,209個のストレインのうち、H5N1 HA233エピトープに相応する特異配列を含むストレインナンバーを示す。
〔表7−2〕
現在まで報告されたH1N1ストレイン内H5N1 HA233エピトープに相応する配列の保存性
(分離ナンバー)
*は、現在まで分離されたヒトH1N1ウイルス2,209個のストレインのうち、H5N1 HA233エピトープに相応する特異配列を含むストレインナンバーを示す。
【0082】
〔表8〕
現在まで報告された豚−起源インフルエンザA H1N1ストレイン内H5N1 HA233エピトープに相応する配列の保存性
(分離ナンバー)
*は、現在まで分離された豚−起源インフルエンザA H1N1ウイルス1,751個のストレインのうち、H5N1 HA233エピトープに相応する特異配列を含むストレインナンバーを示す。
【0083】
〔表9〕
現在まで報告されたインフルエンザAウイルス亜型内A/H1N1 HA370エピトープに相応する配列の保存性
【0084】
〔表10〕
ヒト肝癌のhTM4SF5、HCVの外皮蛋白質(E protein; HCV−E)、そしてヒトRSVの付着糖蛋白質G(hRSV−G)及び融合蛋白質(HRSV−F)の候補エピトープ
【0085】
〔表11〕
hRSV A長いストレインF蛋白質(hRSV A strain long F protein)の候補エピトープ
エピトープスクリーニングのためのペプチド配列が、親水性、疎水性、2次構造、抗原性指標及び両親媒性に基づいてhRSV A長いストレインF蛋白質から選択された。
【0086】
〔表12〕
hRSV A長いストレイン内候補エピトープの配列変異性
【0087】
〔表13〕
ヒトインテグリンβ4(hIB4)の候補エピトープ
【0088】
実施例3: CpG−DNA−ペプチド(又は蛋白質)−リポソーム複合体の製造
本発明で利用されたリポソームは、下記のようである:CHEMS、Chol、DOPE及びDSPCは、Sigmaから購入した。DC−Chol及びPEG−PEは、Avanti−Polar Lipids(Alabaster, AL, USA)から購入した。CpG−DNA及び蛋白質(又はペプチド)は、製造者の説明書にしたがって、DOTAP(Roche, Indianapolis, IN, USA)、リポフェクタミン(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)又はリポフェクチン(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)と複合体として製造された。DOPE/CHEMS、DSPC/Chol、DSPC/CHEMS/PEG−PE、Chol/DOPE/PEG−PE又はDc−Chol/DOPE/PEG−PEに共同で被包されたCpG−DNA及び蛋白質(又はペプチド)から構成されたリポソーム複合体は、以前報告された方法にしたがって製造されて(Simoes, S., et al., Adv. Drug Deliv. Rev. 56: 947−965 (2004).及びGursel, I et al., J. Immunol. 167: 3324−3328 (2001).参照)変形された。簡略に説明すると、DOPE及びCHEMSを1:1のモル比率で混合し、混合物を窒素ガスと共に蒸発させて、無溶媒(solvent−free)脂質フィルムを作った。その後、エタノール(最終濃度10%)で混合し、同一な容量の水溶性CpG−DNA及び蛋白質(又はペプチド)混合物に再混濁して、30分間常温で強く掻き混ぜた。pHを7.0の調整した後、前記リポプレックス溶液を超音波分解機で30秒間弱く超音波分解させた。その後、0.22μmフィルターでろ過し、液体窒素で冷凍−解凍(freeze−thawed)を3回繰り返した(Simoes, S., et al., Adv. Drug Deliv. Rev. 56: 947−965 (2004).及びGursel, I et al., J. Immunol. 167: 3324−3328 (2001).参照)。
【0089】
実施例4:CpG−DNA−ペプチド(又は蛋白質)−リポソーム複合体による体液性免疫反応の誘導
<4−1>免疫化(immunization)
マウスは、特定病原菌のない条件で飼育した。4週齢の雄性Balb/cマウス(H−2
b)をCentral Lab. Animal Inc.(Seoul, Korea)から購入した。本発明者らの動物実験は、ハンリム大学校動物実験委員会の承認を受けた。
【0090】
4週齢のBalb/cマウスにHEL(hen egg lysozyme)(50μg/マウス)とMB−ODN 4531(O)(50μg/マウス)混合物又はHEL−MB−ODN4531−リポソーム複合体を10日間隔で3回にわたって腹腔内投与した。10日経過後、心臓パンチング(heart punching)方法で血液を採取して、遠心分離し、血球細胞を沈殿させて血清を獲得した。獲得した血清から抗−HEL抗体(総IgG、IgG1及びIgG2a)の力価をELISAで確認した。
【0091】
<4−2> ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから血清を獲得して−70℃に保管した。IgG、IgG1及びIgG2a力価を測定するために、本発明者らは、HEL(10μg/ml)で96−ウェル免疫プレート(immunoplates; Nalgen Nunc International)をコーティングした後、1質量%BSAを含むPBSTで前記プレートをブロッキングした。前記血清を各プレートの上側列に添加した後、前記血清とPBSTを1:3で混合して連続的に希釈した血清希釈液を下の列に添加した。本発明者らは、常温で4時間プレートで反応し、PBSTで洗浄した。次に、本発明者らは、ホースラディッシュペルオキシダーゼとコンジュゲーションされたヤギ抗−マウスIgG抗体、抗−マウスIgG1抗体又は抗−マウスIgG2a抗体を添加して、2時間プレートで反応した。本発明者らは、1−Step ABTS(Pierce Biotechnology Inc., Rockford, IL, USA)を利用して発色アッセイ(colorimetric assay)を行って、Labsystems Multiskanマイクロプレート判読機(GMI Inc., Ramsey, MI, USA)を利用して405nmで吸光度を測定した(Chu, R. S., et al., J. Exp. Med. 186: 1623−1631 (1997).参照)。
【0092】
HEL−MB−ODN4531及びリポソーム複合体を腹腔内に注射して免疫化されたBALB/cマウスの体液性免疫反応を調べた。HEL単独又はHEL−MB−ODN4531混合物、HEL−リポソーム複合体を注射する場合に比べて、HEL−MB−ODN4531−リポソーム複合体を注射した時、HELに対する抗体の量が著しく増加したが、これは、体液性免疫反応においてMB−ODN4531−リポソーム複合体の免疫補助剤効能を見せる結果である。不完全フロイントアジュバント(Incomplete Freund's adjuvant)は、60年前から現在まで使用されている代表的な免疫補助剤である。しかし、前記免疫補助剤の問題は、細胞性免疫増強が起こらず、ヒトに使用できないという点である。MB−ODN4531−リポソーム複合体は、免疫細胞刺激を通じて細胞性免疫反応を誘導するだけではなく、体液性免疫能を増加させる免疫補助剤としての機能を有する。また、MB−ODN4531−リポソーム複合体は、Th1免疫反応−特異的IgG2aの抗体生産に効果的である。
【0093】
<4−3>マウスと免疫化
マウスは、特定病原菌のない条件で飼育した。4週齢の雄性Balb/cマウス(H−2
b)をCentral Lab. Animal Inc.(Seoul, Korea)から購入した。本発明者らの動物実験は、ハンリム大学校動物実験委員会の承認を受けた。
【0094】
前記マウスにペプチド(50μg/マウス)−CpG−DNA(MB−ODN 4531(O))−リポソーム複合体を10日間隔で3回又は4回にわたって腹腔内投与した。
【0095】
<4−4>抗原−特異的Ig ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから得られた血清は、PBS/0.2質量%アジ化ナトリウムと1:10で混合して希釈した後、−20℃に保管した。IgG、IgG1及びIgG2aの総量を測定するために、本発明者らは、各ペプチド(10μg/ml)で96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)をコーティングした後、1質量%BSA及び0.05質量%Tween 20を含むPBSTで前記プレートをブロッキングした。前記血清とPBSTを1:400で混合して希釈した後、前記血清希釈液を各プレートのウェルに添加した。
【0096】
総IgG、IgG1及びIgG2aを検出するために、本発明者らは、ビオチン−コンジュゲーションされたラット抗−マウスIgG抗体、ラット抗−マウスIgG1抗体及びラット抗−マウスIgG2a抗体(BD Pharmingen, SanDiego, CA, USA)を1:5,000で希釈して使用した。
【0097】
IgG、IgG1及びIgG2aの力価を測定するために、本発明者らは、各蛋白質又はペプチド(10μg/ml)で96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)をコーティングした後、1質量%BSAを含むPBSTで前記プレートをブロッキングした。前記血清を各プレートの上側列に添加した後、前記血清とPBSTを1:3で混合して連続的に希釈した血清希釈液を下の列に添加した。本発明者らは、常温で2時間プレートで反応し、PBSTで洗浄した。次に、本発明者らは、ビオチン−コンジュゲーションされたラット抗−マウスIgG抗体、ラット抗−マウスIgG1抗体又はラット抗−マウスIgG2a抗体を添加して、2時間プレートで反応した。3回洗浄後、本発明者らは、ストレプトアビジン−コンジュゲーションされたHRP(horseradish peroxidase)を各プレートに添加して1時間反応した。発色アッセイをTMB溶液(KPL, Gaithersburg, MD, USA)を利用して行い、分光光度計(spectrophotometer; Spectra Max250, Molecular Devices, Downingtown, PA, USA)を利用して450nmで吸光度を測定した。
【0098】
実施例5:CpG−DNA−H5N1(又は他のインフルエンザストレイン) HA蛋白質ペプチド−リポソーム複合体を利用したエピトープスクリーニング
<5−1> CpG−DNA−H5N1(又は他のインフルエンザストレイン) HAペプチド−リポソーム複合体の免疫化
候補エピトープ(表2から表9)は、親水性、疎水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して、多様なインフルエンザAウイルスのHA(hemagglutinin)蛋白質から選別して、前記実施例3と同様にCpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体を製造した。前記製造されたCpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体(50μg/マウス)をBalb/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与した。最後の投与後10日経過時、心臓パンチング方法で血液を採取して、遠心分離し、血球を沈殿させて血清を獲得した。前記獲得した血清から抗−ペプチド抗体(総IgG、IgG1及びIgG2a)の力価及び量をELISAで測定した。
【0099】
<5−2> ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから得られた血清は、PBS/0.2質量%アジ化ナトリウムと1:10で混合して希釈した後、−20℃に保管した。本発明者らは、各ペプチド(10μg/ml;炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH 9.6)を96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)に添加した後、16時間4℃で反応した。その後、各ペプチドに特異的に結合する総IgG(
図2a、2d、2e、5a、5d、6a、6d及び7)、IgG1(
図2b、2e、5b、6b及び7)及びIgG2a(
図2c、2e、5c、6c及び7)の量及び力価を実施例<4−4>に記載のように分析した。
【0100】
鳥インフルエンザA H5N1/ベトナム/2004ストレインのHA蛋白質から得られたペプチドのうち、hH5N1 HA58、hH5N1 HA233、hH5N1 HA336及びhH5N1 HA370ペプチドが総IgG(
図2a及び
図2d)及びIgG2a(
図2c)の量及び力価を増加させた。hH5N1 HA370ペプチドに相応するH1N1ペプチド(hH1N1−NY HA370、hH1N1−OH HA370、hH1N1−WSN HA370、A/H1N1−TX HA370)及びH5N1ウイルスに存在するhH5N1−HK HA370ペプチド(表3及び表4)が総IgG(
図5a及び
図5d)の量及び力価を増加させた。また、Th1免疫反応に係わるIgG2aの生産が増加することを確認することができた(
図5c)。更に、hH5N1 HA233ペプチドに相応するH5N1ウイルスストレインに存在するhH5N1 HA233−1、hH5N1 HA233−2、hH5N1 HA233−3、hH5N1 HA233−4、hH5N1 HA233−6、hH5N1 HA233−7、hH5N1 HA233−9及びhH5N1 HA233−11ペプチド(表5)、そしてhH5N1 HA233ペプチドに相応する多様なインフルエンザAウイルスストレインに存在するhH1N1−WSN HA233、hH1N1−HK HA233、hH1N1−Thai HA233、A/H1N1−TX HA233、mH2N5 HA233、hH7N7 HA233、hH9N2 HA233及びsH15N2 HA233ペプチド(表6)も総IgGの量を増加させた(
図6d)。
【0101】
また、hH5N1 HA370ペプチドに相応するH7N7及びH9N2ウイルスに存在するhH7N7 HA370、hH9N2−ST HA370及びhH9N2−HK HA370ペプチド(表9)も総IgGの量を増加させた(
図7a)。hH5N1 HA233ペプチドに相応するH7N7及びH9N2ウイルスに存在するhH7N7 HA 233及びhH9N2 HA233(表6)も総IgGの量を増加させた(
図7b)。
【0102】
実施例6:CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体による体液性免疫反応誘導でリポソーム種類及びCpG−DNA種類による影響評価
MB−ODN 4531−ペプチド(hH5N1 HA233)を多様な種類のリポソーム(DOPE:CHEMS(6:4、1:1、1:0及び0:1)、リポフェクチン、リポフェクタミン、DOTAP及びポロキサマ407)で前記実施例3と同様にそれぞれ複合体を製造し、前記実施例<4−3>のようにBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。hH5N1 HA233ペプチド−特異的総IgG(
図3a)の量を測定した結果、前記血清においてDOPE:CHEMSの比率が1:1で総IgGの量が最も高く表れた。また、DOPE:CHEMSの比率が1:1でH5N1 HA233ペプチド−特異的総IgGの力価が最も高く表れた(
図3b)。
【0103】
ペプチド(H5N1 HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS(1:1))と表1に提示された種々のPO−DNAs、又はPS−DNAsで前記実施例3と同様にそれぞれ複合体を製造し、前記実施例<4−3>のようにBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。前記実施例<4−4>のように血清からH5N1 HA233ペプチド−特異的総IgGの量を確認した結果、PO−DNA MB−ODN 4531(O)とPS−DNA MB−ODN 4531(S)を利用した複合体で最も高く表れた(
図4)。上述の結果から、CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体においてPO−DNA又はPS−DNAのCG配列が重要な役割を行うということが分かった。
【0104】
実施例7:CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体により生産された抗体の血球凝集反応抑制及びウイルス中和作用分析
<7−1>組み換えH5N1ウイルス
A/ベトナム/1203/2004(H5N1)及びA/プエルトリコ/8/34(PR8)(H1N1)インフルエンザウイルスの遺伝子切片(segments)がウイルスレスキュー(rescue)のためにプラスミドでクローニングされて8個のプラスミド逆方向遺伝学的(reverse genetics)方法を利用して遺伝子再編成(reassortment)された(Hoffmann, E., et al., Vaccine 20: 3165−3170 (2002).参照)。前記プラスミド由来のウイルスが、10日齢の胚芽鶏エッグの尿膜腔(allantoic cavities)に群集した。上述の再編成ウイルスは、“PR8/H5Lo”を含み、これは、鳥類系(avian−lineage) A/ベトナム/1203/2004(H5N1)のHA遺伝子切片及びPR8内7個の遺伝子切片に相応する遺伝子切片を有する。
【0105】
<7−2>血球凝集反応抑制アッセイ
血球凝集反応−抑制アッセイは、公知の方法にしたがって行われた(Palmer, D. F., et al., Immunol. Ser. 6: 51−52 (1975).参照)。簡略に説明すると、ウイルスを4 HAユニットで希釈し、同一な容量の二倍希釈された受容体−破壊酵素(receptor−destroying enzyme)を処理した血清試料と共に常温で1時間培養した。同一な容量の0.5質量%鶏赤血球をウェルに添加して、30分間培養し、HI力価を測定した。
【0106】
<7−2>ウイルス中和アッセイ
MDCK細胞に対して、ウイルス中和アッセイを公知の方法により行った(Kida, H., et al., Virology 122: 38−47 (1982).参照)。約100PFU(plaque forming unit)/mlのインフルエンザウイルス(rH5N1ウイルス及びA/WSN/1933)を同一容量の2倍順次希釈された熱−不活性化された血清試料と共に37℃で1時間反応した。培養後、前記混合物を10質量%FBS及びTPCK(L−tosylamido−2−phenylethyl chloromethyl ketone、1μg/ml)−処理されたトリプシンで補充された最小培地(minimum essential medium, MEM)でMDCK細胞のコンフルエント単一膜に添加した。前記細胞を細胞変性(cytopathic)効果を測定する前に、細胞を72時間培養した。中和百分率は、下記の方程式を利用して計算した:中和(%、抑制率)=[(ウイルスだけが処理された区のプラーク数−順次に希釈された血清−混合されたウイルス処理区のプラーク数) / ウイルスだけが処理された区のプラーク数]×100。
【0107】
PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233又はhH1N1−HK HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で前記実施例3のようにそれぞれ複合体を製造し、前記実施例<4−3>と同様に、BALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。血清におけるhH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233又はhH1N1−HK HA233ペプチド−特異的抗体がrH5N1ウイルスPR8/H5Lo及びA/WSN/1933により誘導された血球凝集反応を抑制させることを確認することができた(
図8a)。
【0108】
PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、hH1N1−HK HA233又はA/H1N1−TX HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で前記実施例3のようにそれぞれ複合体を製造し、前記実施例<4−3>と同様にBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。hH5N1 HA233ペプチド−特異的抗体をrH5N1ウイルスPR8/H5Lo及びA/WSN/1933(
図8b)に予め反応させた後、MDCK細胞に感染させた時、血清におけるウイルス力価が低く表れることを確認し、hH5N1 HA233ペプチド−特異的抗体がウイルスを中和させる機能をするということを確認した。
【0109】
hH5N1 HA370ペプチド−特異的抗体をrH5N1ウイルスPR8/H5Lo及びA/WSN/1933(
図8c)に予め反応させた後、MDCK細胞に感染させた時、血清におけるウイルス力価が低く表れることを確認し、hH5N1 HA370ペプチド−特異的抗体がウイルスを中和させる機能をするということを確認した。
【0110】
PO−DNA−ペプチド(hH1N1−WSN HA230又はhH1N1−HK HA230)−リポソーム(DOPE:CHEMS)を投与した血清がマウスに適応されたrH5N1ウイルスPR8/H5Lo及びA/WSN/1933と予め反応させた後、MDCK細胞に感染させた時、ウイルス力価が低く表れることを確認し、各ペプチド− 特異的抗体がウイルスの中和作用をすることを確認した(
図8d及び
図8e)。
【0111】
更に、PO−DNA−ペプチド(A/H1N1−TX HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)を投与した血清がマウスに適応されたrH5N1ウイルスPR8/H5Lo及びA/WSN/1933と予め反応させた後、MDCK細胞に感染させた時、ウイルス力価が低く表れることを確認し、A/H1N1−TX HA233ペプチドに対する抗体がウイルスの中和作用をすることを確認した(
図8f)。
【0112】
実施例8: CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体のワクチン効能評価
<8−1>ワクチン接種及びウイルスチャレンジ実験
4週齢のBALB/cマウスにDOPE/CHEMSリポソームに被包された50μgのMB−ODN 4531(O)に添加した50μgのペプチドを10日間隔で2回にわたって腹腔注射した。2回目免疫化して10日後、マウスに鼻腔吸入の方法で10LD50 maA/WSN/1933又は10LD50 rH5N1ウイルスでチャレンジした。
【0113】
<8−2>ウイルスチャレンジ後、体重及び生存率(survival rate)の測定
感染後、マウスの臨床的症状と体重を毎日観察した。10LD50 rH5N1ウイルスの鼻腔感染後3日目から、マウスの体重が減少し始めて、12日後に全て死ぬことを観察した。しかし、PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA370、hH5N1 HA233又はhH1N1−WSN HA230)−リポソーム(DOPE:CHEMS)を2回にわたって接種し、10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔に感染させた時、9日までは体重が減少したが、以後段々回復されて生存することが分かった(
図9a、
図9b、
図11a、
図11b、
図13a及び
図13b)。
【0114】
そしてPO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA370、hH5N1 HA233、hH1N1−WSN HA233又はhH1N1−HK HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)を2回にわたって接種し、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔に感染させた時、体重が最初に減少したが、以後段々回復されて生存することが分かった(
図10a、
図10b、
図12a、
図12b、
図13a、
図13b、
図14a及び
図14b)。
【0115】
また、PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)を2回にわたって接種し、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔に感染させた時、生存率は50%であることが分かった(
図12a)。
【0116】
そして、PO−DNA−ペプチド(hH1N1−WSN HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)を2回にわたって接種し、rH5N1ウイルスPR8/H5Loを鼻腔に感染させた時、生存率は38%であることが分かった(
図13a)。
【0117】
<8−3>肺組織染色
マウスを、指定された時間にジエチルエーテル吸入麻酔により死亡させて、全体肺組織を収得した。病理組織学的調査のために、前記肺組織を4%緩衝ホルマリン溶液で固定させて、伝統的な方法によってパラフィンに入れて4μmの厚みで切った。標本をヘマトキシリン及びエオシンで染色した。PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA233又はhH5N1 HA370)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で2回にわたって接種されたマウスに10LD50 rH5N1ウイルス又は10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔に感染させた時、前記肺組織が正常状態に回復されることを観察した(
図9c、
図10c、
図11c)。
【0118】
更に、PO−DNA−ペプチド(hH5N1−WSN HA233又はhH5N1−HK HA233)−リポソーム複合体で10日間隔で2回にわたって接種されたマウスに10LD50 rH5N1ウイルス又は10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔に感染させた時、前記肺組織が正常状態に回復されることを観察した(
図13c及び
図14c)。
【0119】
<8−4>マウス組織からウイルス力価の測定
マウス10LD50 rH5N1ウイルス又は10LD50 maA/WSN/1933ウイルスの鼻腔感染後3日及び6日目に、肺組織を分離して、1ml PBSに均質化させてウイルスの力価を分析した。ウイルス又は肺組織均質液の順次的に10倍希釈された懸濁液が6−ウェルプレート内MDCK細胞のコンフルエント単一膜に添加された後、吸収のために常温で1時間(10分毎に振ってやる)反応させた。前記懸濁液を除去して、細胞に2質量%オキソイド(oxoid)アガ、5質量%NaHCO
3、1質量%DEAEデキストラン及びTPCK(1μg/ml)−処理されたトリプシンを含むMEMを添加した。前記ディッシュを37℃で3日間反応した後、前記ディッシュ内細胞を1mlのクリスタルバイオレットで15分間染色して、プラーク(plaques)を視覚化させた。前記プラークの数がウイルスの力価を決定するためにカウンティングされた。PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で2回にわたって接種された後、10LD50 rH5N1ウイルス又は10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔に感染させたマウスにおいて、肺組織のウイルス力価が減少された(
図9d又は
図10d)。
【0120】
<8−5>血球凝集反応抑制アッセイ
PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233又はhH1N1−HK HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で2回にわたって接種された後、10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔に感染させたマウスにおいて、生産された抗体により誘導された血球凝集反応の抑制が顕著に増加した(
図15a)。
【0121】
PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233又はhH1N1−HK HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で2回にわたって接種された後、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔に感染させたマウスにおいて、生産された抗体により誘導された血球凝集反応の抑制が明らかに増加した(
図15b)。
【0122】
<8−6>抗体測定
マウスをPO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233又はhH1N1−HK HA23)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で2回にわたって接種させた後、10LD50 rH5N1ウイルス又は10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔に感染させた。前記感染後、6日目にマウスから血清を収得した。また、BALF(Bronchoalveolar lavage fluid)を分離してhH5N1 HA229又はhH5N1 HA371ペプチド−特異的抗体(総IgG及びIgA)の量を測定した。10LD50 rH5N1ウイルスで感染させた場合、血清内総IgGの量及びBALF内IgAの量が顕著に増加した(
図16a、16c及び16f)。10LD50 maA/WSN/1933ウイルスで感染させた場合、血清内総IgGの量及びBALF内IgAの量が明らかに増加した(
図16b、16d、16e及び16f)。
【0123】
実施例9: CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体のワクチン化のメモリー効能の評価
<9−1>ワクチン接種及びウイルスチャレンジ実験
4週齢のBALB/cマウスにDOPE/CHEMSリポソームに被包された50μgのMB−ODN 4531(O)に添加した50μgのペプチドを10日間隔で2回にわたって腹腔注射した。2回目免疫化して二ヶ月後、マウスに鼻腔吸入の方法で10LD50 rH5N1ウイルスでチャレンジした。
【0124】
<9−2>ウイルスチャレンジ後体重及び生存率の測定
感染後、マウスの臨床的症状と体重を毎日観察した。10LD50 rH5N1ウイルスの鼻腔感染後3日目から、マウスの体重が減少し始めて、14日後に全て死ぬことを観察した。しかし、PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム(DOPE:CHEMS)を2回にわたって接種し、10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔に感染させた時、11日までは体重が減少したが、以後段々回復されて生存することが分かった(
図17a及び
図17b)。
【0125】
<9−3>肺組織染色
マウスを、指定された時間にジエチルエーテル吸入麻酔により死亡させて、全体肺組織を収得した。病理組織学的調査のために、前記肺組織を4%緩衝ホルマリン溶液で固定させて、伝統的な方法によってパラフィンに入れて4μm厚みで切った。標本をヘマトキシリン及びエオシンで染色した。PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で2回にわたって接種されたマウスに10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔に感染させた時、前記肺組織が正常状態に回復されることを観察した(
図17c)。
【0126】
<9−4>マウス組織におけるウイルス力価の測定
マウス10LD50 rH5N1ウイルス又は10LD50 rH5N1ウイルスの鼻腔感染後3日及び6日目に、肺組織を分離して、1ml PBSに均質化させてウイルスの力価を分析した。ウイルスの力価は、実施例<8−4>と同様にプラークアッセイを通じて測定した。PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で2回にわたって接種された後、10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔に感染させたマウスにおいて、肺組織のウイルス力価が、感染後6日目に顕著に減少された(
図17d)。
【0127】
実施例10: CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体を利用したエピトープ効能の評価
<10−1>組み換え鳥インフルエンザAウイルスの不活性化
ウイルスを不活性化させるために、rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)が254 nmのUV波長に5分間5cmの距離で露出された。ウイルス感染性(infectivity)の不活性化は、プラークアッセイで確認した。
【0128】
<10−2>免疫化
4週齢のBalb/cマウスに不活性化されたrH5N1ウイルス又は不活性化されたrH5N1ウイルスとリポソーム複合体混合物又は不活性化されたrH5N1ウイルス−MB−ODN4531(50μg/マウス)−リポソーム複合体を腹腔内投与した。同量の不活性化されたrH5N1ウイルスとMB−ODN4531混合物を10日間隔で3回にわたって投与した。10日経過後、心臓パンチング方法で血液を採取し、遠心分離して沈殿させ、血清を獲得した。前記獲得された血清から抗−組み換えH5N1ウイルス抗体(総IgG、IgG1及びIgG2a)の量及び力価を確認するために、実施例<4−4>の方法でELISAを行った。
【0129】
<10−3>ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから得られた血清は、PBS/0.2質量%アジ化ナトリウムと1:10で混合して希釈した後、−20℃に保管した。本発明者らは、各選択されたペプチド(rH5N1 HA233又はrH5N1 HA370)又は不活性化されたrH5N1ウイルス(10μg/ml;炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH 9.6)を96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)に添加した後、16時間4℃で反応した。その後、rH5N1ウイルス又は各ペプチドに特異的に結合する総IgG、IgG1及びIgG2a(
図18)の生産を実施例<4−4>に記載のように分析した。
【0130】
総IgGの量及び力価(
図18a及び
図18b)、そしてTh1免疫反応に係わるIgG2aの生産が、不活性化されたrH5N1ウイルスで接種された血清において増加することを確認することができた。
【0131】
鳥インフルエンザA H5N1/ベトナム/2004ストレインのHA蛋白質のうち、hH5N1 HA233及びhH5N1 HA370ペプチドが各ペプチド−特異的総IgGの力価を増加させる反面、不活性化されたrH5N1ウイルスで免疫化された血清では、rH5N1 HA233又はrH5N1 HA370ペプチド−特異的抗体の力価は変化がなかったが(
図18c及び18d)、これは、rH5N1 HA233又はrH5N1 HA370ペプチド−特異的抗体がMB−ODN 4531(O)−各ペプチド−リポソーム(DOPE:CHEMS)複合体で免疫化された血清で増加するということを示す。
【0132】
実施例11: CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体を利用したHCVのエピトープスクリーニング
<11−1> CpG−DNA−HCVペプチド−リポソーム複合体の免疫化
HCV E1及びE2蛋白質のうち、親水性、疎水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して、三つの候補エピトープ(表10)を選別して、前記実施例3と同様にCpG−DNA−HCVペプチド−リポソーム複合体を製造した。前記製造されたCpG−DNA−HCVペプチド−リポソーム複合体(50μg/マウス)を、前記実施例<4−3>と同様にBalb/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与した。最後の投与後10日経過時、心臓パンチング方法で血液を採取して、遠心分離し、血球を沈殿させて血清を獲得した。前記獲得した血清から抗−ペプチド抗体(総IgG、IgG1及びIgG2a)の力価をELISAで確認した。
【0133】
<11−2> ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから得られた血清は、PBS/0.2質量%アジ化ナトリウムと1:10で混合して希釈した後、−20℃に保管した。本発明者らは、各選択されたペプチド(10μg/ml;炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH 9.6)を96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)に添加した後、16時間4℃で反応した。その後、各ペプチドに特異的に結合する総IgG(
図19a)、IgG1及びIgG2a(
図19b及び
図19c)の生産を実施例<4−4>に記載のように分析した。
【0134】
総IgGの力価(
図19c)、そしてTh1免疫反応に係わるIgG2aの生産がHCV−E2蛋白質から選択されたHCV−E2 202ペプチドで免疫化された血清において増加することを確認することができた。
【0135】
<11−3> CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体−誘導された体液性免疫反応誘導において、リポソーム種類による影響の評価
MB−ODN 4531−ペプチド(HCV−E1 202)を種々のリポソーム(DOPE:CHEMS(1:1)、DSPC:Chol(1:1)、DSPC:CHEMS:PEG−PE(1:1:1)、Chol:DOPE:PEG−PE(1:1:1)、Dc−Chol:DOPE:PEG−PE(1:1))で前記実施例3のようにそれぞれ複合体を製造し、前記実施例<4−4>と同様にBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。前記血清からHCV−E2 202ペプチド−特異的総IgG力価を確認した結果、DOPE:CHEMSの比率が1:1の場合、HCV−E2 202ペプチド−特異的総IgGの力価が最も高く表れた(
図19d)。
【0136】
実施例12: CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体を利用したhRSVのエピトープスクリーニング
<12−1> CpG−DNA−hRSVペプチド−リポソーム複合体の免疫化
RSVのG蛋白質及びF蛋白質のうち、親水性、疎水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して、20個の候補エピトープ(表10、表11及び表12)を選別して、前記実施例3と同様にCpG−DNA−各hRSVペプチド−リポソーム(DOPE:CHEMS)複合体を製造した。前記製造されたCpG−DNA−各hRSVペプチド−リポソーム複合体(50μg/マウス)を、前記実施例<4−3>と同様にBalb/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与した。最後の投与後10日経過時、心臓パンチング方法で血液を採取して、遠心分離し、血球を沈殿させて血清を獲得した。前記獲得した血清から抗−ペプチド抗体(総IgG、IgG1及びIgG2a)の力価をELISAで確認した。
【0137】
<12−2>ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから得られた血清は、PBS/0.2質量%アジ化ナトリウムと1:10で混合して希釈した後、−20℃に保管した。本発明者らは、各選択されたペプチド(10μg/ml;炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH 9.6)を96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)に添加した後、16時間4℃で反応した。その後、各ペプチドに特異的に結合する総IgG(
図20a及び
図21)、IgG1及びIgG2a(
図21b及び
図21c)の生産を実施例<4−4>に記載のように分析した。
【0138】
総IgGの力価(
図20a、
図21a及び
図21d)、そしてTh1免疫反応に係わるIgG2aの生産(
図20b、
図20c、
図21b、
図21c及び
図21d)がhRSV G蛋白質及びF蛋白質から選択されたHRSV−G1、HRSV−Fa3、HRSV−Fa3−2、HRSV−F7及びHRSV−F9ペプチドで免疫化された血清において増加することを確認することができた。
【0139】
実施例13:CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体を利用したヒトインテグリンβ4のエピトープスクリーニング
<13−1> CpG−DNA−hIB4ペプチド−リポソーム複合体の免疫化
大部分の癌腫細胞で発現されるヒトインテグリンβ4蛋白質(hIB)のうち、親水性、疎水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して、6個の候補エピトープ(表13)を選別して、前記実施例3と同様にCpG−DNA−各hIB4ペプチド−リポソーム(DOPE:CHEMS)複合体を製造した。前記製造されたCpG−DNA−各hIB4ペプチド−リポソーム複合体(50μg/マウス)を、前記実施例<4−3>と同様にBalb/cマウスに10日間隔で3回又は4回にわたって腹腔投与した。最後の投与後10日経過時、心臓パンチング方法で血液を採取して、遠心分離し、血球を沈殿させて血清を獲得した。前記獲得した血清から抗−ペプチド抗体(総IgG、IgG1及びIgG2a)の力価をELISAで確認した。
【0140】
<13−2> ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから得られた血清は、PBS/0.2質量%アジ化ナトリウムと1:10で混合して希釈した後、−20℃に保管した。本発明者らは、各選択されたペプチド(10μg/ml;炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH 9.6)を96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)に添加した後、16時間4℃で反応した。その後、総IgGの量(
図22a)及び力価(
図22b)を実施例<4−4>に記載のように分析した。
【0141】
総IgGの量(
図22a)及び力価(
図22b)が、hIB4蛋白質から選択されたhIB4−VWA−1−2、hIB4−VWA−1−3、hIB4−VWA−2、hIB4−VWA−3及びhIB4−EGF−1ペプチドで免疫化された血清において増加することを確認することができた。
【0142】
実施例14: CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体を利用した肝癌−特異的TM4SF5蛋白質のエピトープスクリーニング
<14−1> CpG−DNA−TM4SF5ペプチド−リポソーム複合体の免疫化
肝癌細胞のTM4SF5蛋白質のうち、親水性、疎水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して、6個の候補エピトープ(表10)を選別して、前記実施例3と同様にCpG−DNA−TM4SF5ペプチド−リポソーム(DOPE:CHEMS)複合体を製造した。前記製造されたCpG−DNA−各TM4SF5ペプチド−リポソーム複合体(50μg/マウス)を、前記実施例<4−3>と同様にBalb/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与した。最後の投与後10日経過時、心臓パンチング方法で血液を採取して、遠心分離し、血球を沈殿させて血清を獲得した。前記獲得した血清から抗−ペプチド抗体(総IgG、IgG1及びIgG2a)の力価をELISAで確認した。
【0143】
<14−2> ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから得られた血清は、PBS/0.2質量%アジ化ナトリウムと1:10で混合して希釈した後、−20℃に保管した。本発明者らは、各選択されたペプチド(10μg/ml;炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH 9.6)を96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)に添加した後、16時間4℃で反応した。その後、各ペプチドに特異的に結合する総IgG(
図23a)、IgG1及びIgG2a(
図23b)の量を実施例<4−4>に記載のように分析した。
【0144】
総IgGの力価(
図23a)、そしてTh1免疫反応に係わるIgG2aの生産(
図23b)が、TM4SF5蛋白質から選択されたTM4SF5 R2−3又はTM4SF5 R2−5ペプチドで接種された血清において増加することを確認することができた。
【0145】
<14−3> CpG−DNA−−ペプチド−リポソーム複合体−誘導された体液性免疫反応において、リポソーム種類による影響の評価
MB−ODN 4531−ペプチド(TM4SF5)を種々のリポソーム(DOPE:CHEMS(1:1)、DSPC:Chol(1:1)、DSPC:CHEMS:PEG−PE(1:1:1)、Chol:DOPE:PEG−PE(1:1:1)、Dc−Chol:DOPE:PEG−PE(1:1))で前記実施例3のようにそれぞれ複合体を製造し、前記実施例<4−4>と同様にBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。前記血清からTM4SF5 R2−3ペプチド−特異的総IgG力価を確認した結果、DOPE:CHEMSの比率が1:1の場合、TM4SF5 R2−3ペプチド−特異的総IgGの力価が最も高く表れた(
図23c)。
【0146】
<14−4> CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体−誘導された体液性免疫反応誘導において、CpG−DNA種類による影響の評価
TM4SF5 R2−3ペプチド−リポソーム(DOPE:CHEMS(1:1))と表1に提示された種々のPO−DNA(MB−ODN4531(O)、MB−ODN 4531(GCO))又はPS−DNA(MB−ODN 4531(S))で前記実施例3のようにそれぞれ複合体を製造して、前記実施例<4−4>と同様にBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。前記実施例<4−4>と同様に、血清からTM4SF5 R2−3ペプチド−特異的総IgGの力価を確認した結果、PO−DNA(MB−ODN4531(O))又はPS−DNA(MB−ODN 4531(S))を利用した複合体で最も高く表れた(
図23d)。
【0147】
<14−5> CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体による体液性免疫反応において、TLR9の影響の評価
DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチド及びMB−ODN4531(O)が注入されたマウスから、抗体生産上のTLR9の機能を調べるために、本発明者らは、BALB/c TLR9ノックアウトマウス及び野生型マウスを利用してIgG生産を分析した。予想の通り、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチド及びMB−ODN4531(O)が注入されたTLR9ノックアウトマウスは全くIgGを生産しなかったため、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチド及びMB−ODN4531(O)のIgG−生産能は、TLR9に絶対的に依存的であった(
図23e)。これと対照的に、IFAと組み合わされたHELの注入は、野生型マウス及びTLR9ノックアウトマウスにおいて、IgG生産を増加させた(
図23f)。
【0148】
<14−5> CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体−誘導された体液性免疫反応において、MHCクラスII−媒介された提示及びTh1分化上の影響評価
DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたエピトープ及びMB−ODN4531(O)による免疫化に対する反応で抗体生産の動力学(kinetics)を評価するために、本発明者らは、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3及びMB−ODN4531(O)をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与した。前記BALB/cマウスは、2次及び3次反応で非常に多い量のペプチド−特異的IgG(IgG2a)を生産した(
図24a)。次に、本発明者らは、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3及びMB−ODN4531(O)に対する反応で、IgG生産においてMHCクラスII−媒介された提示(presentation)の必要性を調べた。
図24bから分かるように、抗−CD4抗体がBALB/cマウスに腹腔投与されて誘導されたCD4+細胞の欠乏は、ペプチド−特異的IgGの生産を顕著に減少させた。また、本発明者らは、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3及びMB−ODN4531(O)による免疫化に対する反応から、MHCクラスIIノックアウトマウス及びOT−IIトランスジェニックマウスにおいてIgG及びIgG2aの生産減少を確認した(
図24c及び
図24d)。更に、本発明者らは、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3及びMB−ODN4531(O)による免疫化に対する反応で、IgG生産においてTh1分化の連関性(involvement)を調べた。本発明者らは、STAT4ノックアウトマウスでIgG及びIgG2aの生産減少(
図24e)を確認したが、これは、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3及びMB−ODN4531(O)による免疫化に対する反応において、STAT4がT細胞のTh1細胞への分化を促進するいうことを意味する。しかし、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3及びMB−ODN4531(O)−誘導されたIgG生産は、STAT6ノックアウトマウスでは観察されなかった(
図24f)。上述の結果は、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたB細胞エピトープ及びMB−ODN4531(O)免疫化に対する反応で、IgG(IgG2a)生産はCD4+細胞 MHCクラスII−媒介された提示及びTh1分化を必要とするということを意味する。
【0149】
実施例15: マウス抗−hTM4SF5単一クローン抗体(mAbs)の生産
本発明者らは、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチド(50μg)及びMB−ODN4531(O)(50μg)をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与した後、標準ハイブリドーマ技術にしたがって、抗−hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的単一クローン抗体を生産するハイブリドーマ細胞をスクリーニングした(Yokoyama, W. M. Production of monoclonal antibody, p.2.5.1−2.5.17. In J.E. Ciligan, A.M. Kruisbeek, D. H. Margulies, E. M. Shevach, & W. Strober (eds.), Current protocols in Immunology, John Wiley & Sons. Inc., Newcastle, United Kingdom. (2001).参照)。前記抗−hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的単一クローン抗体(IgG2a)が、蛋白質Aカラムクロマトグラフィー(Amersham Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ, USA)を利用して、腹水液(ascites fluid)から精製された。
【0150】
実施例16: CpG−DNA−TM4SF5ペプチド−リポソーム複合体により生産された単一クローン抗体のTM4SF5蛋白質認識分析
<16−1>ヒト肝癌細胞株においてTM4SF5発現の分析
ヒト肝癌細胞株(Human hepatocarcinoma cell lines; Huh−7)は、ATCC(American Type Culture Collection; Manassas, VA, USA)から購入した。ヒト肝細胞株(Human hepatic cell lines;SNU−398、SNU−423、SNU−739及びSNU−761)は、韓国細胞株バンク(Seoul, Korea)から購入した。前記Huh−7、SNU−398、SNU−423、SNU−739及びSNU−761細胞は、10質量%FBS(fetal bovine serum; Hyclone, Logan, UT, USA)を含むRPMI 1640培地で培養した。ヒト正常肝細胞(Promo Cell, Heidelberg, Germany)は、販売者の説明書にしたがって培養した。全ての細胞は、95%空気と5% CO
2の大気状態で37℃で培養した。hTM4SF5 mRNAの発現を分析するために、RT−PCRを行った。総RNAを、RNeasy Mini Kit(Qiagen, Germantown, MD, USA)を利用して抽出し、cDNA製造は、公知の方法で行った(Kim, D., et al., Immunol. Invest. 38: 132−152 (2009).参照)。標準PCR反応は、下記のプライマーセットを利用して25サイクルを行った:ヒトβ−アクチン、5’−GGGTCAGAAGGATTCCTATG−3’及び5’−CCTTAATGTCACGCACGATTT−3’(500 bp);hTM4SF5。前記Huh−7及びSNU−761細胞株において、TM4SF5 mRNAの発現が高く表れることを、RT−PCRを通じて確認した(
図25a)。
【0151】
<16−2> TM4SF5 R2−3ペプチドを認識する単一クローン抗体のTM4SF5蛋白質認識の確認(FACS分析)
抗体結合分析において、肝癌細胞を、0.1質量%BSAを含むPBSで洗浄した後、Fc受容体との結合をブロッキングするために、10μg/mlのヒトIgG(Sigma)と共に4℃で20分間反応した。ブロッキング後、細胞を、精製された抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体<実施例15>と共に1時間反応した。その後、細胞を、0.1質量%BSAを含むPBSで洗浄した後、FITC−コンジュゲーションされたヤギ抗−マウスIgG抗体(BD Biosciences)と共に4℃で30分間反応した。RT−PCRを通じてTM4SF5のmRNA発現が確認されたHuh−7及びSNU−761に、精製した抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体が結合することを、FACS分析を通じて確認した(
図25c)。
【0152】
実施例17: CpG−DNA−TM4SF5ペプチド−リポソーム複合体により生産された抗体の肝癌細胞の成長抑制効能の評価
<17−1>抗−TM4SF5 R2−3ペプチド単一クローン抗体による細胞成長の抑制
抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体(10μg/ml)を72時間処理した後、MTTアッセイを通じて、ヒト肝癌細胞株(Huh−7及びSNU−739)の成長を分析した。
【0153】
肝癌細胞を48−ウェルプレートで72時間培養した後、MTT(3−(4,5−dimethylthiazole−2−yl)−2,5−diphenyl tetrazolium bromide; Sigma)溶液を各プレートに添加して、37℃で4時間更に反応した。培地を除去した後、ホルマザンクリスタルをDMSOに可溶化(solubilize)させた。色の変化は、分光光度計(SpectraMax250; Molecular Devices, Downingtown, PA, USA)を利用して、650nmの基準波長(reference wavelength)下で570nmの波長をモニタリングした。TM4SF5を発現するHuh−7細胞株の成長が抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体処理により抑制されるということを、MTTアッセイを通じて確認した(
図25d)。これと対照的に、TM4SF5を発現しない細胞株(SNU−739)は、影響を受けなかった(
図25d)。
【0154】
<17−2>抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体による細胞周期の調節
肝癌細胞株(Huh−7及びSNU−739)に抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体(10μg/ml)を72時間処理した後、細胞周期を観察した。本発明者らは、前記細胞を、RNase(200 μg/ml)−PBSに溶かしたよう化プロピジウム(PI; 20μg/ml)溶液と反応させることにより、DNA含量を分析した。細胞を常温で30分間染色して、FACScanフローサイトメトリー(BD Biosciences)で分析した。細胞周期の分布データは、ModFit LT 3.0ソフトウェアを利用して分析した。
【0155】
各群で細胞周期段階の分布を比較した。TM4SF5を発現するHuh−7細胞株において、抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体処理を通じてS期がアレストされるということを観察した。対照的に、TM4SF5を発現しないSNU−739細胞株では、細胞周期に影響がなかった(
図25d)。
【0156】
<17−3>抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体による肝癌細胞の機能阻害分析
TM4SF5を発現する肝癌細胞が細胞−細胞接触抑制能力を失い、肝癌細胞に成長することが知られていた(Lee, S. A., et al., J. Clin. Invest. 118: 1354−1365 (2008).参照)。TM4SF5を発現する肝癌細胞は、非正常的なアクチン束(actin bundling)を有する反面、TM4SF5を発現しない細胞は、広く広げられた多角形形態(overspread polygonal shape)を支持するストレス線維(stress fiber)の明確な輪郭(outline)を示す(41)。したがって、本発明者らは、肝癌細胞株(Huh−7及びSNU−739)に抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体(10μg/ml)を72時間処理した後、細胞のアクチンを観察した。
【0157】
細胞を抗−hTM4SF5抗体(10μg/ml)で処理する一日前に、12−ウェルプレート内ガラスカバースリップで培養した。細胞を前記抗体で72時間処理した後、4%パラホルムアルデヒドで固定させて、0.1質量%Triton X−100で透過化(permeabilize)した。その後、ロダミン(Molecular Probes, Eugene, OR, USA)−コンジュゲーションされたファロイジン(phalloidin; Molecular Probes, Eugene, OR, USA)で染色した。核は、Hoechst No. 33258で染色した。前記マウンティングされた試料は、LSM 510 META NLO(Carl Zeiss, Jena, Germany)を利用してスキャンした。
【0158】
hTM4SF5を発現する肝癌細胞(Huh−7)に抗−TM4SF5 R2−3ペプチド−特異的抗体を処理した場合、hTM4SF5を発現しない細胞でのように、アクチンが広く広がった多角形形態を支持する明らかな輪郭のストレス線維として検出されるが、これは、前記抗体がhTM4SF5−発現細胞でターゲットされることを意味する(
図25f)。上述の結果は、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたMB−ODN4531(O)及びhTM4SF5R2−3(50μg)により発生された抗体がhTM4SF5蛋白質の検出に有用に利用できて、細胞内における抗体−媒介されたhTM4SF5ターゲッティングが肝癌細胞の機能的変化と関連されているが、前記変化は、細胞機能の多様性を変化させることのできる細胞成長を大きく減少させることができるということを意味する。
【0159】
実施例18: hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的抗体によるインビボ肝癌細胞の成長抑制効能の評価
<18−1>ヌードマウス(nude mice)において異種移植(xenograft)実験
5×10
6個のヒト肝癌細胞株(Huh−7)をヌードマウスの右側脇に皮下注射した。癌の直径が5mmまで育った後、試料は三つの群[PBS、正常IgG及び抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体処理群(n=5/処理群)]に分けた。各処理群は、PBS及び各抗体(100mg/Kgマウス)を3日間隔で5回にわたって前記癌組織(5mm)に注入した。5週間観察しながら、癌の総量(volume;直径)を、カリパース(calipers)を利用して測定した。異種移植実験の分析を通じて、腫瘍成長をインビボで減少させるには、肝癌細胞への抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体ターゲッティングだけで十分であることを究明した(
図26a及び
図26b)。
【0160】
実施例19: MB−ODN 4531(O)−hTM4SF5R2−3ペプチド−リポソーム複合体によるワクチン化を通じて、インビボ肝癌細胞の成長抑制効能の評価
<19−1>マウス腫瘍自己移植(allograft)実験
4週齢のBALB/cマウスにMB−ODN 4531(O)−hTM4SF5R2−3ペプチド−リポソーム(DOPE:CHEMS)複合体を10日間隔で3回にわたって腹腔注入した。3回目免疫化させて10日後に、50質量%マトリゲルを含むBNL−HCC細胞(5×10
6個)をBALB/cマウスの右側脇に皮下注射した。7週間観察しながら癌の総量(volume;直径)を、カリパース(calipers)を利用して測定した。MB−ODN 4531(O)−hTM4SF5R2−3ペプチド−リポソーム(DOPE:CHEMS)複合体で免疫化されたマウスは、処理されなかったマウスと比較し、腫瘍成長(tumor volume)が顕著に減少した(
図27a及び
図27b)。
【0161】
以上、本発明の特定な部分を詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとっては、このような具体的な記述はただ好ましい実施形態に過ぎず、これに本発明の範囲が限定されないことは明らかである。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付の請求項とその等価物により定義されると言える。