特許第5872613号(P5872613)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5872613ケーブル支持金物用補助金具および脱落防止方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872613
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】ケーブル支持金物用補助金具および脱落防止方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/00 20060101AFI20160216BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   H02G3/00
   H02G3/04 056
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-79061(P2014-79061)
(22)【出願日】2014年4月8日
(65)【公開番号】特開2015-201949(P2015-201949A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2014年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】513202775
【氏名又は名称】株式会社ティ・エス・ケー
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100097146
【弁理士】
【氏名又は名称】下出 隆史
(72)【発明者】
【氏名】矢島 寿範
【審査官】 神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−113131(JP,A)
【文献】 特開2009−254023(JP,A)
【文献】 特開2007−306652(JP,A)
【文献】 実開昭57−111012(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/00
H02G 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを載置する載置部と、前記載置部の幅方向両側部に設けられ所定の高さを有する側部とを一体に備え、壁面に対して取付金具を用いて固定されるケーブル支持金物に用いられる補助金具であって、
前記取付金具によって壁面に取り付けられた前記ケーブル支持金物の前記幅方向両側部のうち、前記壁面から遠い側の側部に、当該側部に予め設けられた複数の穴を用いてボルトにより固定される固定部と、
該固定部から上方かつ側方に延長されたガイド部であって、前記固定部を前記側部に固定した状態で、前記ケーブル支持金物に前記ケーブルを載置する箇所の幅方向に亘る上方に配置されるガイド部と
を備えたケーブル支持金物用補助金具。
【請求項2】
前記固定部が固定される複数の穴は、前記ケーブル支持金物を長手方向に連結するために、前記ケーブル支持金物の長手方向両端に同じピッチで設けられた二つの穴である請求項1記載のケーブル支持金物用補助金具。
【請求項3】
ケーブル支持金物に用いられる補助金具であって、
前記ケーブル支持金物の一部に固定される固定部と、
該固定部から上方かつ側方に延長されたガイド部と
を備え、
前記固定部は、前記ガイド部と一体に形成された丸棒の一端を、その端部から軸方向に擦り割って、前記ケーブル支持金物の側部の厚みより大きな幅で、かつ前記側部の高さより深い溝部を形成してなり、少なくとも該端部外周には雄ネジが形成され、
前記溝部を前記ケーブル支持金物の側部に嵌め込むことで、前記側部を跨いだ状態とし、該状態で、前記雄ネジにナットを螺合することで、前記側部に固定される
ケーブル支持金物用補助金具。
【請求項4】
ケーブルを載置する載置部と、該載置部の幅方向両側部に設けられ所定の高さを有する側部とを備え、壁面に対して取付金具を用いて固定されるケーブル支持金物からのケーブルの脱落を防止する脱落防止方法であって、
前記ケーブル支持金物の一部に固定される固定部と、該固定部から上方かつ側方に延長されたガイド部とを備えた補助金具であって、前記ガイド部の長さの異なる複数種類の補助金具を用意し、
前記複数種類の補助金具の中から、施工済みの前記ケーブル支持金物の幅に合わせて前記補助金具を選択し、
該補助金具の前記固定部を、前記取付金具によって壁面に取り付けられた前記ケーブル支持金物の前記幅方向両側部のうち、前記壁面から遠い側の側部に、当該側部に予め設けられた複数の穴を用いてボルトにより固定し、前記ガイド部が、前記ケーブル支持金物上方に位置する状態とする
脱落防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルを支持する金物に用いる補助金具に関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路や鉄道のトンネル内には、種々のケーブルが配設されている。図1は、こうしたケーブルの配設に用いられるケーブル支持金物SKの一例を示す説明図である。このケーブル支持金物SKは、側部CSS1、CSS2を有する梯子形状をしており、トンネルTNの側壁に沿って、取付金具HK1、HK2・・・に固定することにより取り付けられる。ケーブルCC1、CC2は、このケーブル支持金物SKの上に、その長手方向に沿って敷設され、所定ピッチで存在する桟FBに専用の結束具や針金等により固定される。こうしたケーブル支持金物SKは、例えば下記特許文献1に示されている。
【0003】
こうしたケーブル支持金物SKは、その長手方向一端の側部が、図1に示したように、拡開されており、隣接するケーブル支持金物SKの端部と組み付けられる構成となっている。隣接するケーブル支持金物SK同士の結合は、通常ボルトの締結により行なわれる。このため、同じケーブル支持金物SKをトンネルに沿って連ねることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−261928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種のケーブル支持金物SKは、上述したように、トンネル内に連続して設置可能であり、しかもケーブルCC1、CC2を比較的細かいピッチ(桟FBのピッチ)で固定できるので、ケーブルを確実に固定するという点で優れたものである。しかしながら、このケーブル支持金物SK自体の側部CSS1、CSS2は低いので、ケーブルが支持金物から脱落する恐れがあった。こうしたケーブルの脱落は、ケーブル支持金物に収納された複数のケーブルの一部のケーブルを取り替えるといった工事の際、あるいは地震などの災害によりケーブル支持金物に振動が加わった時などに生じる可能性があった。
【0006】
ケーブル支持金物の側部を高くすれば、上記課題は一定、解決される。しかしながら、ケーブル支持金物の側部を単に高くしたのでは、装置が大型になってしまい、またその重量も増加してしまう。重量が増加するとケーブル支持金物をトンネルの側壁に取り付け難くなり、また設置の作業性も悪化してしまう。従って、ケーブル支持金物におけるケーブル保持の確実化を妨げることなく、装置全体の作業性を改善し、小型化や、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等を実現することが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。即ち、本発明のケーブル支持金物用補助金具は、ケーブルを載置する載置部と、該載置部の幅方向両側部に設けられ所定の高さを有する側部とを一体に備え、壁面に対して取付金具を用いて固定されるケーブル支持金物に用いられる補助金具であって、前記取付金具によって壁面に取り付けられた前記ケーブル支持金物の前記は幅方向両側部のうち、前記壁面から遠い側の側部に、当該側部に予め設けられた複数の穴を用いてボルトにより固定される固定部と、該固定部から上方かつ側方に延長されたガイド部であって、前記固定部を前記側部に固定した状態で、前記ケーブル支持金物に前記ケーブルを載置する箇所の幅方向に亘る上方に配置されるガイド部とを備える。
【0008】
[1]本発明の一形態として、ケーブル支持金物に用いられる補助金具が提供される。この補助金具は、前記ケーブル支持金具の一部に固定される固定部と、該固定部から上方かつ側方に延長されたガイド部とを備えたことを要旨とする。
このケーブル支持金物用補助金具によれば、ケーブル支持金物に支持されたケーブルの脱落などを好適に抑制することができる。
【0009】
[2]また、こうしたケーブル支持金物補助金具において、前記ガイド部は、前記一部に前記固定部を取り付けた状態で、前記ケーブル支持金物にケーブルを載置する箇所の幅方向に亘る上方に位置するように湾曲または屈曲させてよい。このケーブル支持金物用補助金具では、ケーブルの脱落を一層効率よく実現することができる。
【0010】
[3]こうしたケーブル支持金物用補助金具において、前記固定部には、前記ケーブル支持金物の前記一部に固定するための脚部を設けてよい。このケーブル支持金物用補助金具によれば、脚部がケーブル支持金物の前記一部に嵌まるので、両者の取付が容易となる。
【0011】
[4]上記ケーブル支持金物用補助金具において、前記ガイド部は前記固定部に対して着脱可能としてよい。こうすれば、補助金具の準備や移動が容易となり、また固定部を固定したまま、ガイド部のみ取り替えるといったことが可能となる。
【0012】
[5]上記の各例において、固定部が取付けられるケーブル支持金物の一部は、側部としてよい。側部であれば、直接ケーブルが載置されることがないので、補助金具の取付の自由度を高くすることができる。
【0013】
[6]また、固定部は、前記ケーブル支持金物の側部を跨ぐ形状とし、該跨いだ状態で、前記側部固定する固定機構を備えることも好適である。こうすれば、ケーブル支持金物の側部に、補助金具を容易に固定することができる。ケーブル支持金物の側部に固定用の取付孔などがなくても固定でき、固定用の取付孔などを後加工する必要もない。
【0014】
[7]こうした固定部は、前記ガイド部と一体に形成された丸棒の一端を、該端部から軸方向に擦り割って、前記ケーブル支持金物の側部の厚みより大きな幅で、かつ前記側部の高さより深い溝部を形成してなり、少なくとも該端部外周には雄ネジが形成され、前記溝部を前記ケーブル支持金物の側部に嵌め込んだ状態で、前記雄ネジにナットを螺合して、固定されるものとして良い。こうすれば、簡単な構造で、ケーブル支持金物用補助金具を実現することができる。
【0015】
本発明は、ケーブル支持金物のケーブルの脱落を防止する脱落防止方法して実施することが可能である。この脱落防止方法によれば、前記ケーブル支持金具の一部に固定される固定部と、該固定部から上方かつ側方に延長されたガイド部とを備え補助金具を用意し、この補助金具の前記固定部を、施工済みのケーブル支持金物の一部に固定し、前記ガイド部が、前記ケーブル支持金物上方に位置する状態とする。かかる脱落防止方法によれば、簡易な構造で、ケーブル等の脱落を好適に防止することができる。
【0016】
かかる脱落防止方法において、前記補助金具は、長さの異なる複数種類のガイド部の中から、施工済みの前記ケーブル支持金物の幅に合わせて選択するものとして良い。この脱落防止方法によれば、幅の異なるケーブル支持金物に対しても、容易に対応することができる。
【0017】
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
【0018】
本発明は、装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、補助金具を最初から組み付けたケーブル支持金物として実施することができる。あるいは、補助金具の取付け方法や取付け治具、取付けられた補助金具の検査方法、検査治具等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来のケーブル支持金物の設置示す斜視図である。
図2】ケーブル支持金物補助金具の第1実施形態を示す斜視図である。
図3】取付状態を示す説明図である。
図4】ケーブル支持金物補助金具の第2実施形態の要部を示す斜視図である。
図5】ケーブル支持金物補助金具の第3実施形態を示す斜視図である。
図6】ケーブル支持金物補助金具の第4実施形態を示す斜視図である。
図7】ケーブル支持金物補助金具の第5実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
A.第1実施形態:
本発明のケーブル支持金物補助具の一実施形態について説明する。図2は、ケーブル支持金物40とその補助金具10を示す斜視図である。図示するように、補助金具10は、固定部である取付部20とガイド部30とから構成されている。この補助金具10が取り付けられるケーブル支持金物40は、図1に示した取付金具HK1,HK2・・にU字金具などにより固定されている。
【0021】
このケーブル支持金物40は、図示するように、断面略U字形をした長尺上の部材であり、ケーブルCCを載置する載置部44を備える。載置部44には、幅方向に亘る開口部48が所定ピッチで設けられており、隣接する開口部48間が桟49として構成され、軽量化が図られている。ケーブル支持金物40は、載置部44に開口部48を設けているので、軽量化が図られている。また、開口部48間の桟49を利用して、ケーブルCCを結束具や針金などにより載置部44に容易に固定することができる。載置部44の左右端は、それぞれ立ち上げられて側部41,42を構成している。側部41,42にも、同様に軽量化を図って、開口部45が設けられている。
【0022】
このケーブル支持金物40からのケーブルの脱落の防止もしくは抑制を目的として、補助金具10が取り付けられる。補助金具10の取付部20は、長方形状をしており、その長手方向左右には、取付用開口部22,24が形成されている。また、その中央に、ガイド部30の一端が溶接されている。符号26は、溶接部を示している。ガイド部30は、取付部20に対して、略直角に取り付けられている。
【0023】
補助金具10のケーブル支持金物40への取付について説明する。図3は、補助金具10の取付状態を示す説明図である。図示するように、トンネル15の内壁に設けられた下穴54に、アンカーボルト52を打ち込むことにより、取付金具50が固定されており、この取付金具50にケーブル支持金物40がボルト61およびナット62により固定されている。この状態から、補助金具10の取付部20をケーブル支持金物40の一方の側部41にボルト64により固定する。ボルト64は、ケーブル支持金物40の側部41の内側から挿入し、側部41の開口部45と取付部20の取付用開口部22,24を貫通し、ナット65を締結して固定する。ボルト64やナット65に対して、開口部45や取付用開口部22,24が大きい場合には、板ナットなどを共締めすれば良い。もとより、取付用開口部22,24を、ボルト64のネジ径に適合するねじ穴として形成しても良い。
【0024】
ガイド部30は、取付部20に対して略直角に溶接されているので、図3に示したように、ガイド部30はケーブル支持金物40の載置部44の上方に位置し、側方に延出されていることから、載置部44の幅をほぼ覆った状態となる。その上、ガイド部30の先端は、更に下方に折り曲げられている。したがって、この補助金具10を取り付けると、ケーブルCCの載置部40は、補助金具10の設置された場所では、ほぼ閉じた状態となり、ケーブル支持金物40に載置されたケーブルCCは、ケーブル支持金物40から抜け落ちにくくなる。このため、ケーブルの取替工事中に誤って他のケーブルをケーブル支持金物40から取り落としたり、地震などの災害時にケーブルがケーブル支持金物40の載置部44から逸脱するといったことも抑制される。
【0025】
更に、この実施形態では、ガイド部30は、片側のみ固定されており、先端は下方に曲げられた状態で開放されている。したがって、補助金具10を固定したままケーブルCCの取り外しなどを行なうことができる。このため、補助金具10が作業性を損なうことがない。しかも、開放側から仮にケーブルCCが脱落しても、トンネル15側には、取付金具50が設けられているので、ケーブルCCが落下することはない。
【0026】
B.第2実施形態:
次に本発明の第2の実施形態について説明する。第2実施形態の補助金具110は、図4に示すように、取付部140とガイド部130とが着脱可能な形態となっている。この補助金具110を用いるケーブル支持金物40の形状は第1実施形態において説明したケーブル支持金物40の形態と同様である。
【0027】
補助金具110の取付部140は、ケーブル支持金物40の側部41を跨ぐ2つの脚部141および143を備え、更に一方の脚部141側にガイド部固定部145を有する。2つの脚部141,143の間隔は、側部41の板厚に合せてあるので、取付部140の脚部141,143間にケーブル支持金物40の側部41をはめ込み、取付部140を側部41に仮止めすることができる。この状態で、ケーブル支持金物40の内側から、ボルト81を、脚部141,143に設けられた貫通孔147に差し込みナット82と締結する。ボルト81は、脚部141,143の貫通孔147と共に、側部41に設けられた開口部45も貫通しているので、ナット82と締結されれば、取付部140がケーブル支持金物40から外れることはない。
【0028】
ガイド部固定部145には、その上面にねじ穴146が形成されている。このねじ穴のネジ径は本実施形態ではM8であり、ガイド部130の終端に形成された雄ネジ132と螺合可能となっている。もとより、ガイド部130をねじ穴146に螺合するのは、取付部140をケーブル支持金物40の側部41に取り付ける前でも良いし、取り付けてからでも良い。なお、図示は省略したが、雄ネジ132には、M8のナットを予め螺合しておき、それからねじ穴146に取り付けることも好ましい。この場合には、雄ネジ132をねじ穴146に一定螺合した上でナットを締めれば、ガイド部130を所望の位置で固定することができる。したがって、雄ネジ132やねじ穴146のねじ切り位置が何れにあっても、ガイド部130をケーブル支持金物40のケーブル載置部を覆う位置にして固定することができる。もとより、ガイド部130をねじ穴146に螺合した上で、溶接などの手法で所望の位置に固定しても差し支えない。
【0029】
上述した第2実施形態の補助金具110によれば、第1実施形態同様に、ケーブル支持金物40におけるケーブルの脱落を好適に抑制できる上、更に、次の効果を奏する。
(1)2つの脚部141,143が、ケーブル支持金物40の側部41を跨ぐ形で取り付けられるので、補助金具110の取り付けが極めて容易である。仮に、ナット82が緩んでも補助金具110が簡単に外れると言ったことがない。
(2)ガイド部130を脱着可能であるため、ケーブル支持金物40の幅が異なるものに対して、同一の取付部140に、長さの異なるガイド部を取り付けて対応することができる。また、必要に応じてガイド部130を容易に取り替えることができる。
【0030】
C.第3実施形態:
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態で用いるケーブル支持金物240は、第1,第2実施形態とは異なり、左右の側板241,242と、桟244とが独立した部材から構成されている。左右の側板241,242は、ケーブル支持金物240の長さ方向に亘り、両者の間には、所定間隔で桟244が溶接されている。したがって、第3実施形態では、側板241,242には開口部は存在しない。但し、桟244には、開口部が設けられており、ケーブルCCは、この開口部を利用して、結束具などにより固定される。また、桟244の開口部は、第1実施形態で説明したのと同様に、ケーブル支持金物240を取付金具に固定するのにも用いられる。
【0031】
第3実施形態の補助金具210は、金属板をL字形に折り曲げた形状のガイド板230と、これを側板241に固定する取付板220とを備える。ガイド板230のL字形状の一方が固定板231として機能し、他方の上側板233がガイド部として機能する。取付板220は、側板241の幅と厚みに応じた凸部を備え、その上下に固定用取付穴222,224を有する。固定板231には、この取付板220を固定するねじ穴が設けられている。ガイド板230の固定板231と取付板220とで、側板241を挟み、ボルト262,264により、取付板220を固定板231に取り付けると、補助金具210は、側板241にしっかりと固定される。このとき、補助金具210の折り曲げられた上側板233は、ケーブル支持金物240のケーブル載置部を覆う場所に位置する。
【0032】
第3実施形態の補助金具210によれば、第1,第2実施形態の補助金具と同様の効果を奏する上、更に構造が簡単で、特にガイド部の製造が簡単かつ低コスト化が可能であるという利点を有する。また第2実施形態同様、長さの異なるガイド板を用意しておけば、同じ取付板220を用いながら、多種多様なケーブル支持金物240に対応することができる。更に、2本のボルト262,264を緩めれば、補助金具210を容易に移動することができる。しかも、補助金具210の取付に、側板241等の開口部を利用していないので、桟244から隣接する次の桟までの範囲で自由に移動することができる。更に、下側のボルト264による取付位置を、桟244より低い位置にすることができるので、取付用のボルト264が、ケーブルCCを配設する際の邪魔にならないという利点も得られる。この結果、長めのボルト262,264を用いても、これをケーブル支持金物240の外側から取り付けることも可能である。また、補助金具210は、図5では他の実施形態同様、図示右側の側板241に取付だが、反対側の側板242に取り付けることも差し支えない。
【0033】
D.第4実施形態:
次に第4実施形態について説明する。図6は、第4実施形態との補助金具300の使用形態を示す斜視図である。第4実施形態で使用する補助金具300は、第1実施形態で用いた補助金具30とほぼ同一形状をしており、固定部である取付部320とガイド部330とから構成されている。第1実施形態と同様、ガイド部330を構成する丸棒の端部は、取付部320に溶接・固定されている。
【0034】
第4実施形態では、この補助金具300が取り付けられるケーブル支持金物400の形態が第1実施形態とは異なっている。このケーブル支持金物400は、鉄製であり、図6に示したように、左右一対の側板441,442を、フラットバー449で接続したハシゴ形状を備える。フラットバー449は、側板441,442に溶接されており、フラットバー449の間隔は、ピッチL(本実施例では300ミリ)とされている。
【0035】
ケーブル支持金物400の長さ方向の一端は、隣接するフラットバーとの接続できるように、側板441,442の厚さ分だけ拡開され、所定の長さの拡開部460として形成されている。補助金具300が取り付けられていない場合、ケーブル支持金物400の拡開された一端460は、その内側に、隣接するケーブル支持金物400の他方の一端440が収容されるように組み合わされる。ケーブル支持金物400の側板441,442の端部には、50ミリピッチで、取付穴が2つずつ設けられているので、隣接するケーブル支持金物400同士を組み合わせた状態で、内側から、この取付穴にボルト421,422を通し、ナットで固定する。
【0036】
第4実施形態では、補助金具300は、このケーブル支持金物400同士が組み付けられた箇所に、取り付けられる。具体的には、隣接するケーブル支持金物400同士を固定している4本のボルトのうち、一方の側板同士を固定している2組のボルト・ナットの結合を一旦解き、ここに補助金具300の取付部320を当てて、ボルト・ナットで固定する。補助金具300の取付部320には、取付用に2つの長穴322,324が、ピッチ50ミリで設けられている。従って、隣接するケーブル支持金物400同士の取付穴に、内側から通されたボルト341,342は、そのまま取付部320の長穴322,324を通過でき、ナット351,352と螺合することで、ケーブル支持金物400にしっかりと固定することができる。ボルト・ナットは、もともとケーブル支持金物400同士を固定するのに用いていたものを再利用しても良いし、新たに用意したボルト・ナットを利用しても良い。ボルト341,342は、元々のボルトより、取付部320の厚みだけ長いものを利用することが望ましい。
【0037】
以上説明した第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する上、側板に開口部を有しないタイプのケーブル支持金物400であっても、補助金具300を固定することができる。このタイプのケーブル支持金物400は、広範囲で用いられているので、既設のケーブル支持金具400に簡単に補助金具300を取り付けることができ、容易にケーブルCCの脱落防止の機能を強化することができる。
【0038】
E.第5実施形態:
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図7は、第5実施形態の補助金具500の使用状態を示す斜視図である。この補助金具500は、第4実施形態で説明したケーブル支持金物400に取り付けて使用される。補助金具500は、鉄製の丸棒の一端に雄ネジ520を形成し、雄ネジ部520の先端側から切削機械を用いて、所定幅で軸方向に削り込み、雄ネジ部520を2分している。この削り込んだ擂割部521は、雄ネジ部520を超えて、奥まで形成され、その全長(深さ)は、ケーブル支持金物400の側板441,442の高さ(H)より長い。
【0039】
端部に雄ネジ部520と擂割部521が形成された丸棒は、曲げ加工されて、第1実施形態の補助金具10と同様の形状とされる。曲げ加工された部位が、ガイド部530として機能する。ガイド部530の幅は、ケーブル支持金物400の幅と略同一である。
【0040】
上述した補助金具500は、使用時に、擂割部521をケーブル支持金物4000の側板441(または442)に上方から差し込み、側板441の下方に突き出した雄ネジ部520にナット510を螺合する。ナット510を締めることにより、補助金具500は、側板441をしっかりと挟み込むことになり、固定される。なお、ナット510の緩み止めに、ロックタイト(商標)などの接着剤を付けても良いし、もう一つのナットを螺合してダブルナットにより固定しても良い。もとより、緩み止め機構を備えたナットを用いても良い。あるいは、雄ネジ部520の先端に、その径方向に貫通する貫通孔を設け、だるまピンなどを通し、ナット510の脱落防止を図るものとしても良い。このほか、雄ネジ部520先端外周に溝を形成し、CリングやEリングにより脱落を防止するものとしても良い。
【0041】
第5実施形態の補助金具500によれば、ケーブル支持金物400にケーブルCCを敷設した場所を上方から覆うことができ、ケーブルCCの脱落を容易に防止もしくは抑制することができる。しかも、側板441,442などに、固定用の取付孔などがない場合でも、補助金具500を容易に取り付けることができる。従って、補助金具500を取り付ける位置を自由に選ぶことができ、設置の自由度も高めることができる。更に、ナット510を緩めれば、フラットバー449の間であれば、ナット510を外すことなく、補助金具500を移動することができる。
【0042】
F.変形例:
・変形例1:
第1実施形態では、ガイド部30は丸棒を用いたが、角材を用いてもよく、あるいは第3実施形態と同様に板材を折り曲げたものとすることができる。この場合、取付部20と別体で用意し、取付部20に溶接やボルト止めなどにより結合しても良いし、取付部20とガイド部30とを一体の板材により形成しても良い。
【0043】
・変形例2:
上記実施形態では、補助金具10は、ガイド部30などの先端を特に固定せず、いわば片持ち構造としたが、取付部20などを反対側の側部または側板にも設け、両方に固定するものとしても良い。あるいは、片持ちの補助金具10などを左右の側部に交互に固定してもよい。更には、補助金具10を両側に取り付け、ガイド部30の長さを、載置部の幅の半分程度とすることも可能である。両側から延出されたガイド部の両方の先端同士の間に、ケーブルCCを出し入れできる程度の間隙を残しておけば、ケーブルの取り外しや増設のための作業性は十分に確保することができる。先端同士の間隙は同じ平面上(ケーブル支持金具の長手方向)で確保しても良いし、上下方向に確保しても良い。
【0044】
・変形例3:
上記実施形態では、ガイド部は取付部に固定する構造としたが、必ずしも溶接やねじにより固定する構造とする必要はない。例えば、クランプ機構などにより固定するものとしても良い。あるいは、第2実施形態において、ガイド部130の雄ネジ132を設ける代わりに、ガイド部130の終端を更に長く延長し、ねじ穴146を貫通孔とし(ねじは螺刻する必要がない)、延長されたガイド棒の終端が貫通孔に嵌まり込む構成としても良い。ガイド部130を貫通孔に対して固定しなくても、ガイド部130の終端を下方に相当程度延出しておけば、ガイド部130が貫通孔から抜ける虞はほとんどない。必要があれば、貫通孔に対して側方にねじ穴を用意し、ここにボルトを螺合して、ボルトの先端で、貫通孔内のガイド部を固定するものとしても良い。もとより、第5実施形態で説明したように、終端の先端に、径方向の貫通孔を設け、だるまピンなどを挿通・固定して脱落を防止するだけでも差し支えない。あるいは、終端外周に溝を形成し、CリングやEリングにより脱落を防止するものとしても良い。
【0045】
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
10,110,210,300,500…補助金具
20,140…取付部
30,130…ガイド部
40,240,400…ケーブル支持金物
220…取付板
230…ガイド板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7