特許第5872625号(P5872625)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872625
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】携帯用バーナー
(51)【国際特許分類】
   F23K 5/14 20060101AFI20160216BHJP
   F24C 1/16 20060101ALI20160216BHJP
   F24C 3/14 20060101ALI20160216BHJP
   F24C 5/20 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   F23K5/14 501A
   F24C1/16 B
   F24C3/14 E
   F24C5/20 B
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-99364(P2014-99364)
(22)【出願日】2014年5月13日
(65)【公開番号】特開2014-224673(P2014-224673A)
(43)【公開日】2014年12月4日
【審査請求日】2014年5月13日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0055864
(32)【優先日】2013年5月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504269475
【氏名又は名称】株式會社 コベア
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 相 賢
【審査官】 藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−044816(JP,A)
【文献】 特開2008−261381(JP,A)
【文献】 米国特許第05927537(US,A)
【文献】 米国特許第02482797(US,A)
【文献】 特開2004−245400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23K 5/02
F23K 5/14
F23D 3/02
F24C 1/16
F24C 3/14
F24C 5/18
F24C 5/20
F21L 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナーヘッドを含むバーナー本体と、上記バーナー本体の下側に配置され、上記バーナーヘッドに燃料を供給する燃料保管部と、を含む携帯用バーナーにおいて、
上記燃料保管部は、
上記燃料が保管される内部ケースと、上記内部ケースを収納する外部ケースと、を含み、
上記内部ケース及び上記外部ケースの少なくとも一部は透明又は半透明で形成され、上記内部ケースと上記外部ケースとの間には衝撃緩衝部が形成され
上記内部ケースは、ドーナッツ形状で形成され、
上記内部ケースの中心に取り付けられ、上記バーナーヘッドを保持するように複数のネジが締結されるネジ孔が形成された金属材質のネジ締結部を、更に含むことを特徴とする携帯用バーナー。
【請求項2】
上記衝撃緩衝部は、
上記内部ケースと上記外部ケースとの間に形成された複数のリブを含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯用バーナー。
【請求項3】
上記内部ケースは、終端が分離されたドーナッツ形状で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の携帯用バーナー。
【請求項4】
上記外部ケースは、
上記ネジ締結部を覆うように形成され、上記ネジ孔と連通され、上記ネジ孔の直径より大きく形成され、上記外部ケースが上記ネジの側面と接触しないようにネジ挿入孔が形成されたことを特徴とする請求項に記載の携帯用バーナー。
【請求項5】
上記ネジ締結部は、
上記ネジ締結部の終端より上記内部ケースの側壁へ拡張形成され、上記内部ケースに保管された上記燃料の燃焼を促進する拡張板を、更に含むことを特徴とする請求項に記載の携帯用バーナー。
【請求項6】
上記内部ケースは、
上端が開放された内部ケース本体と、上記内部ケース本体の上端を密閉するカバーと、を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯用バーナー。
【請求項7】
上記カバーは、上記内部ケース本体の上端を覆うように形成された締結溝を含むことを特徴とする請求項に記載の携帯用バーナー。
【請求項8】
上記内部ケースは、
上記内部ケース本体の上端に取り付けられ、上記締結溝との密閉のためのパッキング部材を、更に含むことを特徴とする請求項に記載の携帯用バーナー。
【請求項9】
上記内部ケース本体の上端は、上側に行くほど厚さが薄くなるように形成されたことを特徴とする請求項に記載の携帯用バーナー。
【請求項10】
上記カバーと上記内部ケース本体は超音波融着されたことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の携帯用バーナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用バーナーに関し、より詳しくは、外部から燃料を確認することができる携帯用バーナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近頃、キャンプ等が増加しながら炊事のための携帯用バーナー使用が増加している。
このような携帯用バーナーは、ガスを用いたガスバーナーとガソリンを用いたガソリンバーナーとに分けられる。このために、携帯用バーナーは、上記ガス又はガソリンを保管する燃料保管部が別途取り付けられている。
【0003】
この時、上記燃料保管部は、一般的に不透明に形成されている。例示的に、燃料保管部は、不透明な色相で形成されたプラスチック、金属などで形成され、内部を目視で確認することは困難であった。
【0004】
これにより、使用者は携帯用バーナー使用時、燃料保管部に保管された燃料の残量を目視で確認するためには、携帯用バーナーから燃料保管部を分離した後、燃料保管部内のガス又はガソリンの残量を確認していた。そこで、携帯用バーナーを使用する使用者の便宜のために、目視で燃料保管部に保管された燃料残量を確認する携帯用バーナーが求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような問題点を鑑みて案出されたものであり、目視で燃料保管部内の燃料残量を確認することができる携帯用バーナーを提供することにその目的がある。
また、本発明は破損及び変形を最小化する携帯用バーナーを提供することにその目的がある。
【0006】
本発明の目的、以上で言及した目的に制限されなく、言及されないさらに別の目的は下記の記載から当業者に明確に理解されるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような目的を達成するための本発明の一面に係る携帯用バーナーは、バーナーヘッドを含むバーナー本体と、上記バーナー本体下側に配置され、上記バーナーヘッドに燃料を供給する燃料保管部と、を含み、上記燃料保管部は、上記燃料が保管される内部ケースと、上記内部ケースを収納する外部ケースと、を含み、上記内部ケース及び上記外部ケースの少なくとも一部は透明又は半透明で形成され、上記内部ケースと上記外部ケースとの間には衝撃緩衝部が形成される。
【0008】
上記構成により、使用者は目視で燃料保管部内部の燃料残量を確認することができ、携帯用バーナーの破損及び変形を最小化することができるようになる。
【発明の効果】
【0009】
上述した課題解決手段により、本発明は、携帯用バーナーのバーナーヘッドに燃料を供給する燃料保管部を透明又は半透明で形成することによって、携帯用バーナー使用時、燃料保管部内の燃料残量を容易に確認することができる効果を奏する。
【0010】
また、本発明は、携帯用バーナーの燃料保管部を構成する内部ケースと外部ケースと間に衝撃緩衝部を形成し、外部から加えられた衝撃を緩衝することができる。その結果、燃料保管部の破損及び変形を防止する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例に係る携帯用バーナーを示した斜視図である。
図2図1の燃料保管部を示した斜視図である。
図3図2のIII−IIIに係る断面図である。
図4図2の燃料保管部の裏面を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
下記の説明で本発明の特定詳細が本発明のより全般的な理解を提供するために示されるが、これらの特定詳細なしで、又はこれらの変形によっても本発明が容易に実施することができるということは、この技術分野で通常の知識を有した者に自明なことである。
【0013】
以下、本発明に係る好ましい実施例を添付された図1図5を参照して、詳細に説明する。本発明に係る動作及び作用を理解するのに必要な部分を中心に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施例に係る携帯用バーナーを示した斜視図であり、図2図1の燃料保管部を示した斜視図であり、図3図2のIII−IIIに係る断面図であり、図4図2の燃料保管部の裏面を示した斜視図である。
【0015】
図1図4によれば、本発明の実施例に係る携帯用バーナー10は、バーナーヘッド140を含むバーナー本体100と、上記バーナー本体100下側に配置され、バーナーヘッド140に燃料を供給する燃料保管部200を含む。
【0016】
上記バーナー本体100は、飲食物を保管する飲用部120を更に含む。上記飲用部120と、飲用部120の使用が容易であり、バーナーヘッド140の分離のためのハンドル130を更に含んでもよい。
【0017】
上記燃料保管部200は、上記バーナーヘッド140に燃料を供給するように燃料を保管する部材であり、このために、燃料が保管された内部ケース220と、内部ケース220を収納する外部ケース230とを含み、内部ケース220及び外部ケース230の少なくとも一部は透明又は半透明で形成され、内部ケース220と外部ケース230と間には衝撃緩衝部250が形成される。
【0018】
また、外部ケース230は、燃料保管部200の外形を形成していてもよく、バーナーヘッド140と同じ形状、サイズで形成される。また、外部ケース230には、燃料保管部200を保持する支持部材232が更に形成されていてもよく、上記支持部材232は外部ケース230と一体的に形成される。
【0019】
上記内部ケース220は、燃料が保管される保管溝222が形成されてもよく、終端が分離されたドーナッツ形状で形成されてもよい。なぜならば、内部ケース220の内部中心には、後記する金属材質のネジ締結部240を装着し、装着されたネジ締結部240は内部ケース220に保管された燃料の熱拡散を増大させることがあるからである。
【0020】
上記内部ケース220に保管される燃料は、石油又はガスのいずれかが保管される。以下、本発明では、ガスを例えて説明するが、内部ケース220に保管される燃料の種類により本発明が制限されるものではない。
【0021】
上記内部ケース220及び外部ケース230は、透明又は半透明で形成される。例示的に、内部ケース220及び外部ケース230は、透明のプラスチック材質、シリコン、シリコンゴムなどで形成されてもよく、内部ケース220に保管された燃料の量を目視で確認することができるため、携帯用バーナー10を使用する使用者が燃料の減少程度を確認し、残っている燃料の具合に応じて、容易に燃料を補充するか、燃料保管部200を交替することができる。
【0022】
一方、上記衝撃緩衝部250は、内部ケース220と外部ケース230は所定間隔で離隔されるように形成される。なぜならば、燃料加熱時、内部ケース220の温度が上昇され、上昇された温度が外部ケース230に伝達され、伝達された高温は外部ケース230を破損、又は変形させる。このように、外部ケース230の破損を防止するために、内部ケース220と外部ケース230とを所定間隔で離隔されるように形成することによって、燃料加熱時、発生する高温が外部ケース230へ直接伝達されることを防止し、外部ケース230の破損及び変形を防止することができる。
【0023】
上記衝撃緩衝部250は、内部ケース220と外部ケース230と間に複数のリブ252を含む。即ち、上記リブ252は、内部ケース220と外部ケース230と間に形成されたギャップ上に形成され、上記リブ252により、バーナー10へ衝撃が加えられても、リブ252が衝撃を緩衝する。これにより、外部での使用が多いバーナー10の特性上、外部衝撃による破損が発生することがあったが、上記リブ252で衝撃を緩衝することで、バーナー10の破損を防止することができる。
【0024】
この時、リブ252は、斜線で配置され、緩衝力を増大させることができる。例示的に、リブ252は、時計方向に撓むように形成されてもよく、本発明では、リブ252が時計方向に撓まれた斜線で形成され、緩衝力を増大させる例を挙げているが、代案として、リブ252が時計反対方向に撓まれた斜線で形成されていてもよい。
【0025】
また、図面を参考して、燃料保管部200を詳細に説明する。内部ケース220は終端が分離されたドーナッツ形状で形成される。なぜならば、内部ケース220は、バーナーヘッド140が取り付けられることがあり、上記保管溝222周辺に沿ってバーナーヘッド140が下端に取り付けられるからである。この時、内部ケース220には、バーナーヘッド140の下端が内部ケース220に取り付けられれば、取り付けられたバーナーヘッド140を保持するように複数のネジ50が締結されるネジ孔244が形成された金属材質のネジ締結部240を更に含む。上記ネジ締結部240は、ネジ孔244に挿入されたネジ50の端部を覆うように形成され、携帯用バーナー10の作動時、ネジ50が内部ケース220と直接面接することを防止することができる。
【0026】
この時、ネジ孔244は、外部ケース230から内部ケース220を貫通するように形成され、ネジ孔244に挿入されたネジ50により、外部ケース230と内部ケース220とを同時に組立てることができる。
【0027】
上記ネジ締結部240は、ネジ締結部240の終端より内部ケース220の側壁へ拡張形成され、内部ケース220に保管された燃料の燃焼を促進する拡張板242を更に含む。即ち、ネジ締結部240と拡張板242は、内部ケース220とバーナーヘッド140とが直接し、内部ケース220に保管された燃料が加熱されながらバーナーヘッド140と内部ケース220が溶融されることを防止する。また、ネジ締結部240と拡張板242は、内部ケース220に保管された燃料が加熱される時、共に温度が上昇しながら燃料の気化が促進される。
【0028】
一方、外部ケース230は、締結される上記ネジ50を覆うように形成され、外部ケース230の外部に延長形成され、ネジ孔244の直径より大きく形成され、ネジ50の外側面と接触しないネジ挿入孔234を更に含んでもよい。
【0029】
上記ネジ挿入孔234は、ネジ50が挿入される挿入口であってもよく、ネジ50の直径より大きく形成され、携帯用バーナー10作動時、発生する高温により、ケースが溶融され、ネジ50がケース220、230に付着されることを防止することができる。
【0030】
また、図面を参考すると、内部ケース220は、上端が開放された内部ケース本体223と、内部ケース本体223の上端225を密閉するカバー210を更に含む。上記カバー210は、透明及び半透明材質で形成されてもよく、好ましくは内部ケース220及び外部ケース230と同じ材質で形成されてもよい。
【0031】
さらに、上記カバー210は、内部ケース本体223の上端225を覆うように形成された締結溝212を含む。上記締結溝212は、内部ケース220の上端が嵌挿装着され、内部ケース220に保管される燃料が密閉されるようになる。この時、締結溝212は、内部ケース220の上端より小さいサイズで形成され、締結溝212に内部ケース220上端が嵌挿装着されるとき、内部ケース220の上端が締結溝212から分離されることを防止する。
【0032】
この時、内部ケース本体223の上端225は、上側に行くほど厚さが薄くなってもよい。このように、内部ケース本体223の上端225が上側に行くほど厚さが薄くなるにつれて、内部ケース本体223の上端225が締結溝212に、より容易に嵌挿され、内部ケース本体223の上端225と締結溝212との密閉程度が増大される。
【0033】
一方、カバー210と内部ケース本体223は融着されてもよい。より詳細に、カバー210と内部ケース本体223の側面が、超音波を用いて融着される。このように、カバー210と内部ケース本体223の側面を融着しながら、内部ケース220に保管された燃料漏れを防止するとともに、内部ケース220に保管された燃料が燃焼される時、内部ケース220に加えられる圧力に耐える維持力が向上される。
【0034】
即ち、内部ケース220は、内部ケース本体223の上端225にカバー210と密着されるパッキング部材224を更に含む。上記パッキング部材224は、内部ケース220上端が上記締結溝212に嵌挿装着される時、カバー210と密着され、締結溝212から内部ケース220上端が分離されることを防止することができる。この時、内部ケース本体223の側面とカバー210を超音波で融着すれば、パッキング部材224がカバー210内で加圧されながらカバー210と内部ケース本体の223上端225との密着具合が増加される。その結果、内部ケース220を更に密閉し、内部ケース220に保管された燃料漏れを防止することができる。
【0035】
以上のように、カバー210が内部ケース本体223の上端225に配置されることで、内部ケース220の上部が密閉され、燃料漏れを防止できる。さらに、内部ケース本体223の側面とカバー210を超音波融着しながら内部ケース本体223の上端225に設けられたパッキング部材224とカバー210と間を加圧しながら内部ケース220を再度密閉し、追加的に燃料漏れを防止できる。
【0036】
この時、上記パッキング部材224は、内部ケース本体223とカバー210が融着される前に、締結溝212に嵌挿され、内部ケース本体223とカバー210とを密着することができる。また、パッキング部材224は、ゴム材質で内部ケース220上端に別途取り付けてもよく、代案として、内部ケース220上端を球状に形成し、内部ケース220上端自体がパッキング部材224としての役割を果たせてもよい。
【0037】
以上のように、携帯用バーナー10に取り付けられる燃料保管部200を透明又は半透明材質で形成することによって、携帯用バーナー10使用字、燃料の増減を目視で確認することができる。従って、燃料の充填又は燃料保管部200の交替をより正確な時期に行うことができる。
【0038】
以上では、本発明の好ましい実施例を例示的に説明したが、本発明の範囲はこのような特定実施例のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内で適切に変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
10 携帯用バーナー
100 バーナー本体
120 飲用部
140 バーナーヘッド
200 燃料保管部
210 カバー
212 締結溝
220 内部ケース
222 保管溝
224 パッキング部材
230 外部ケース
232 支持部材
234 ネジ挿入孔
240 ネジ締結部
242 拡張板
244 ネジ孔
246 拡張板
250 衝撃緩衝部
252 リブ。
図1
図2
図3
図4