(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872626
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】携帯端末装置
(51)【国際特許分類】
H04R 7/04 20060101AFI20160216BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20160216BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20160216BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20160216BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20160216BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20160216BHJP
H04R 3/14 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
H04R7/04
H04R1/00 310G
H04R3/00 310
H04R1/02 102Z
H04M1/00 R
H04M1/02 C
H04R3/14
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-100141(P2014-100141)
(22)【出願日】2014年5月14日
(62)【分割の表示】特願2012-174060(P2012-174060)の分割
【原出願日】2007年1月26日
(65)【公開番号】特開2014-197854(P2014-197854A)
(43)【公開日】2014年10月16日
【審査請求日】2014年5月14日
(31)【優先権主張番号】特願2006-17189(P2006-17189)
(32)【優先日】2006年1月26日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314008976
【氏名又は名称】レノボ・イノベーションズ・リミテッド(香港)
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】黒田 淳
(72)【発明者】
【氏名】村田 行雄
(72)【発明者】
【氏名】森 右京
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 康弘
【審査官】
千本 潤介
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06809635(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0252857(US,A1)
【文献】
特開2003−143673(JP,A)
【文献】
特開2000−358097(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0201550(US,A1)
【文献】
国際公開第2003/079650(WO,A1)
【文献】
特開2001−285412(JP,A)
【文献】
特開2001−121079(JP,A)
【文献】
特開昭57−175444(JP,A)
【文献】
特開平11−234772(JP,A)
【文献】
特開2002−262393(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 7/04
H04M 1/00
H04M 1/02
H04R 1/00
H04R 1/02
H04R 3/00
H04R 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と第2の筐体とがヒンジで結合し、前記ヒンジを介して前記第1の筐体と前記第2の筐体とが開閉可能な携帯端末装置であって、
スピーカから構成され、電気信号に基づいて音響を出力する第1の音響出力部と、
前記電気信号を振動に変換する振動アクチュエータ及びこの振動アクチュエータによって駆動される構造部材から構成され、前記第1の音響出力部から出力される音響よりも低域の周波数の音響を出力する第2の音響出力部と、
表示部と、
前記携帯端末装置を操作するユーザが直接操作入力するための入力部と、を有し、
前記第1の筐体には、前記スピーカと前記表示部とが配置されており、
前記第2の筐体には、前記振動アクチュエータと前記入力部とが配置されており、
前記スピーカは、前記第1の筐体の前記ヒンジ側に配置されており、
前記振動アクチュエータは、前記第2の筐体の前記ヒンジに隣接する辺に沿って延びて配置されており、
前記振動アクチュエータは、
前記入力部に対する操作入力又は自機の動作に連動させて前記構造部材を駆動し、
前記第1の音響出力部は、ハイパスフィルタ、および第1のローパスフィルタを有し、
前記第2の音響出力部は、前記第1のローパスフィルタ、および第2のローパスフィルタを有し、
前記ハイパスフィルタは所定の領域以下の低周波数成分を除き、
前記第1のローパスフィルタは可聴周波以上の周波数成分を除き、
前記第2のローパスフィルタは所定の領域以上の高周波数成分を除く、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
第1の筐体と第2の筐体とがヒンジで結合し、前記ヒンジを介して前記第1の筐体と前記第2の筐体とが開閉可能な携帯端末装置であって、
スピーカから構成され、電気信号に基づいて音響を出力する第1の音響出力部と、
前記電気信号を振動に変換する振動アクチュエータ及びこの振動アクチュエータによって駆動される構造部材から構成され、前記第1の音響出力部から出力される音響よりも低域の周波数の音響を出力する第2の音響出力部と、
表示部と、
前記携帯端末装置を操作するユーザが直接操作入力するための入力部と、を有し、
前記第1の筐体には、前記スピーカと前記表示部と前記振動アクチュエータとが配置されており、
前記第2の筐体には、前記入力部が配置されており、
前記スピーカは、前記第1の筐体の前記ヒンジ側に配置されており、
前記振動アクチュエータは、前記第1の筐体の前記ヒンジに隣接する辺に沿って延びて配置されており、
前記振動アクチュエータは、
前記入力部に対する操作入力又は自機の動作に連動させて前記構造部材を駆動し、
前記第1の音響出力部は、ハイパスフィルタ、および第1のローパスフィルタを有し、
前記第2の音響出力部は、前記第1のローパスフィルタ、および第2のローパスフィルタを有し、
前記ハイパスフィルタは所定の領域以下の低周波数成分を除き、
前記第1のローパスフィルタは可聴周波以上の周波数成分を除き、
前記第2のローパスフィルタは所定の領域以上の高周波数成分を除く、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
前記ヒンジは、前記第2の筐体を、前記第1の筐体の前記表示部が配置された面と反対側の面である背面側に折り畳む構造のヒンジであることを特徴とする請求項1または2記載の携帯端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話機などの携帯端末装置は、その筐体のサイズが小さいため、スピーカとして、直径2cm以下の電磁型マイクロスピーカ又は圧電型マイクロスピーカ等を搭載することにより、音声又は音楽等の音響の再生を行っている。携帯電話機などのスピーカに関しては、例えば特許文献1及び特許文献2にその記載がある。また、特許文献3には、振動アクチュエータを搭載したスピーカユニットが開示され、特許文献4及び5には、振動アクチュエータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−198680号公報
【特許文献2】特開平11−191795号公報
【特許文献3】特開2004−23431号公報
【特許文献4】特開2000−343035号公報
【特許文献5】特開2001−62396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、携帯電話機などの小型電子機器に搭載されるマイクロスピーカでは、音声放射面積が小さく、そのため振動による体積排除量が小さいので、大音量での音響再生が困難であるという問題点がある。また、マイクロスピーカでは、低周波領域での音響放射インピーダンスの低下が顕著なため、中間の周波数領域から低周波領域まで、例えば数十Hzから1kHzまでの周波数範囲では、音響再生性能が低いという問題点がある。従って、このような小型電子機器では、音量感がある音響再生を行うためには、マイクロスピーカの周波数特性の向上が課題であった。
【0005】
本発明の目的は、従来より広い周波数帯域をカバーする音響再生が可能で周波数特性が優れた
携帯端末装置を提供することにある。
【発明の効果】
【0014】
本発明
によれば、第1及び第2の音響出力部の双方が、互いに補完が可能な異なる周波数特性を持つことから、音響の再生に際して広い周波数範囲で良好な音響の再生が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る音響再生装置を有する電子機器の斜視図である。
【
図2】
図1の電子機器を、その下部筐体部分を除いて展開した状態で示す斜視図である。
【
図3】
図1の電子機器で音声を再生した際の音圧特性を示すグラフである。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係る音響再生装置を有する電子機器の斜視図である。
【
図5】本発明の第3の実施形態に係る音響再生装置を有する電子機器をクレードル上に設置した状態で示す斜視図である。
【
図6】本発明の第4の実施形態に係る音響再生装置を有する電子機器のブロック図である。
【
図7】
図6の音響再生装置におけるフィルタのカットオフ特性を示すグラフである。
【
図8】
図1の実施形態の変形例に係る電子機器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る音響再生装置を搭載する電子機器である携帯電話端末10を示す。携帯電話端末10は、2つ折り形状の筐体構造を有し、キーボード12が搭載された下部筐体11と、表示装置22が搭載された上部筐体21とから構成される。双方の筐体11、21は、ヒンジ31で結合される。上部筐体21には第1の音響(音声)出力部を構成する1対のマイクロスピーカ23が搭載され、また、下部筐体11には第2の音響出力部を構成する振動アクチュエータ13が搭載される。
【0017】
マイクロスピーカ23は、従来同様の電磁型、圧電型、又は、静電型のマイクロスピーカであり、ヒンジ31で双方の筐体11、21を開いたときに、上部筐体21の前面側にスピーカ前面がくるように配置される。振動アクチュエータ13は、任意の振動機構を有するアクチュエータでよいが、好適には圧電素子が選ばれる。本携帯電話端末10で音楽などを再生する場合には、図示のように、下部筐体11は、机又は箱などの平板32上に配置して、振動アクチュエータ13からの音響について、その音響放射面積を大きくすることが好ましい。
【0018】
図2は、下部筐体11の前面側筐体部分を除いた状態で、
図1の携帯電話端末10を示す展開図である。下部筐体11の内部には、各種電子部品、半導体装置及び電池等を搭載した基板14と、振動アクチュエータ13とが、下部筐体11の背面側の筐体部分に固定されている。振動アクチュエータ13は、ヒンジ31に隣接する下部筐体11の辺に沿って延びており、下部筐体11の背面側となるパネル部分に貼付されている。マイクロスピーカ23は、上部筐体21のヒンジ31に近い両側部分に対となって配置されている。
【0019】
図3は、上記携帯電話端末10における音響の周波数特性を、
図1の状態で測定した結果を示すグラフで、音響の周波数(Hz)を横軸に、音圧レベル(dB)を縦軸に、それぞれプロットしている。同図のグラフ(a)はマイクロスピーカ23単体の音響特性を、グラフ(b)は振動アクチュエータ13に圧電素子を使用したときの単体の音響特性を、グラフ(c)は双方を組み合わせたときの音響特性をそれぞれ示している。測定は、携帯電話端末10の表示装置22の画面中心軸上で且つ10cmの離隔距離で行い、測定用コンデンサマイクロホンを用いた。測定対象のマイクロスピーカ23は、電磁型で16mm径のものを使用した。また、振動アクチュエータ13は、圧電型の直方体アクチュエータであり、直方体の寸法としては、長さが25mm、幅が4mm、厚さが4mmのものを使用した。携帯電話端末10を搭載する外部筐体32には、長さが15cm、幅が15cm、厚さが10cmの樹脂製の板材を用いた。
【0020】
測定に際しては、音響出力部を駆動するオーディオ駆動アンプの消費電力が、1kHzで0.5W程度となるように調整した。マイクロスピーカ23の特性(a)と、振動アクチュエータ13の特性(b)とを比較すると、5kHz以上の高域では、マイクロスピーカ23の特性(a)が振動アクチュエータ13の特性(b)を上回るが、それ以下の中低域では、振動アクチュエータ13の特性(b)がマイクロスピーカ23の特性(a)を上回る。特に、振動アクチュエータ13の第一次共振周波数以下の周波数帯域では、振動アクチュエータ13の特性(b)が、約20dB以上もマイクロスピーカ23の特性(a)より上回っている。これは、100Hz以下の低域まで振動が得られる圧電アクチュエータにより、低い振動共振周波数を有する外部筐体32を振動させたことにより、マイクロスピーカ23では困難な低域再生を可能とした結果である。
【0021】
図3にグラフ(c)で示すように、双方の音響出力部13、23が同時に駆動されると、双方の音圧が加え合わされることにより、高域から低域までの広い周波数範囲をカバーしたオーディオ再生が可能となる。また、本携帯電話端末10では、ユーザによるキー押下や電話呼出しに合わせて、振動アクチュエータ13に低域信号を入力することにより、端末全体が細かく振動することを利用すれば、キーのクリック感及び呼出し音などを向上させることも可能である。
【0022】
上記に説明したように、本発明の電子機器では、従来から搭載されているマイクロスピーカに加えて、振動アクチュエータを搭載して電子機器の筐体などを駆動し、かつ電子機器を搭載する外部筐体を用いることにより、従来では再生が困難であった中低域の再生性能が著しく向上する。このため、全周波数帯域の音圧が向上し、良好な音響再生が可能になる。また、外部筐体を用いない場合でも、電子機器の筐体自体の振動により、中低域部における音響特性の大幅な向上が得られることも確認した。
【0023】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る音響再生装置を有する携帯電話端末10Aを示す。本実施形態では、上部筐体21に設置するマイクロスピーカ23をモノラルとしたものであり、その他の構成は第1の実施形態と同様である。本実施形態例でも、第1の実施形態と同様な効果が得られる。
【0024】
本発明の音響再生装置では、小型電子機器の付属部品と、別途購入部品としての充電アダプタ又はクレードル等を外部筐体(鳴動物体)として用いることが可能である。その場合には、例えば
図5(第3実施形態)に示すように、小型電子機器10Bの下部筐体11を上部筐体21の背面側に折り畳む構造のヒンジを採用することが好ましい。
図5の例では、先の実施形態と同様に、マイクロスピーカ23は上部筐体21に配置し、振動アクチュエータ13は下部筐体11に搭載している。このようなヒンジ構造を採用すると、小型電子機器10Bを充電アダプタ又はクレードル33に配置し、表示装置22の画面上に表示された動画と、スピーカ23及び振動アクチュエータ13によって広い帯域で再生された音声(音)とを同時に楽しむことが可能になる。なお、
図5において、
図1と同一構成物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0025】
図6は、本発明の第4の実施形態に係る音響再生装置を搭載した電子機器を示すブロック図である。携帯電子機器10Cは、音響信号源41と、復調回路43、複合回路44及び音響信号処理回路45を含むDSP42と、マイクロスピーカからなる第1の音響出力部23と、圧電素子からなる第2の音響出力部13と、第1の音響出力部23を駆動する第1の駆動回路51と、第2の音響出力部13を駆動する第2の駆動回路56と、第1の音響出力部23及び第2の音響出力部13を夫々搭載する筐体21、11とを備える。
【0026】
第1の駆動回路51は、D/Aコンバータ47と、ハイパスフィルタ48と、ドライバアンプ49と、ローパスフィルタ50とを有する。また、第2の駆動回路56は、D/Aコンバータ52と、ローパスフィルタ53と、ドライバアンプ54と、ローパスフィルタ55とを有する。双方のD/Aコンバータ47、52は、DSP42の出力をアナログ信号に変換する。第1の駆動回路51のハイパスフィルタ48は、例えば1kHzのカットオフ周波数、及び、3dB/octのカットオフ特性によって低周波域の周波数成分を遮断する。また、第2の駆動回路56のローパスフィルタは、例えば1kHzのカットオフ周波数、及び、3dB/octのカットオフ特性によって高周波域の周波数成分を遮断する。双方のドライバアンプ49、54の出力は、ローパスフィルタ50、55によって、可聴周波以上の周波数成分が除去されて、夫々第2及び第1の音響出力部13、23から出力される。
【0027】
図7は、ハイパスフィルタ48及びローパスフィルタ53の周波数特性を示す。ハイパスフィルタ48及びローパスフィルタ53のカットオフ周波数(1kHz)及びカットオフ特性(3dB/oct)を図示のように揃えたことにより、全体の出力音響信号が、実質的に平坦な周波数特性を有する。
【0028】
本実施形態では、音響信号源41の出力は、DSP42により信号処理されて、第1及び第2の駆動回路51、56に入力される。第1の駆動回路51では、ハイパスフィルタ48により、低域側の周波数成分が除かれて、また、ローパスフィルタ50により可聴周波以上の周波数成分が除かれて、電磁型マイクロスピーカから成る第1の音響出力部23ら出力される。また、第2の駆動回路56は、ローパスフィルタ53により高域側の周波数成分が除かれて、また、ローパスフィルタ55により可聴周波以上の周波数成分が除かれて、圧電型アクチュエータからなる第2の音響出力部13から出力される。
【0029】
圧電型アクチュエータ13は、電気的にはほぼ純粋な容量性インピーダンスであるため、高周波域では低インピーダンスとなって低電流駆動が困難となる。従って、本実施形態では、圧電型アクチュエータ13には、高周波成分を除いて入力する構成を採用している。また、電磁型マイクロスピーカ23は、低周波域における再生性能が低く、大音量の低周波域の信号では歪みを発生し易い。このため、電磁型マイクロスピーカ23には、低周波成分を除いて入力している。掛かる構成により、本実施形態例では、低電流駆動と、低周波域での音声の歪みを抑えた駆動とを可能にしている。
【0030】
なお、本実施形態では、D/Aコンバータ47、52でアナログ変換された信号に対して帯域通過フィルタを挿入しているが、信号処理部の内部又はD/Aコンバータの内部にてフィルター・イコライザー処理を行うことも可能である。
【0031】
図8は、
図1の実施形態の変形例である。本変形例の電子機器10Dでは、振動アクチュエータ13を上部筐体21の背面側の筐体部分に配置している。その他の構成は、
図1の構成と同様である。つまり、本発明の音響再生装置を有する電子機器では、振動アクチュエータ13は、必ずしも外部筐体32に接触する筐体部分(下部筐体11)上に設置しなくてもよく、上記変形例のように表示装置22の近傍に配置してもよい。この場合、振動アクチュエータ13は、電子機器10Dの筐体全体を振動させることにより、音響特性を改善する。また、本発明における振動アクチュエータは、筐体に直接に搭載しなくともよく、例えば、筐体と機械的に結合された部分であって振動が伝わりやすい構造であれば、電子部品などを搭載する基板上であってもよい。
【0032】
以上、本発明をその好適な実施態様に基づいて説明したが、本発明の電子機器及び音響再生方法は、上記実施態様の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施態様の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。また、本発明の好適な態様として記載した各構成及び実施形態で記載した各構成については、本発明の必須の構成と共に用いることが好ましいが、単独であっても有益な効果を奏する構成については、必ずしも本発明の必須の構成として説明した全ての構成と共に用いる必要はない。
【0033】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0034】
(付記1)
スピーカから構成される第1の音響出力部と、
電気信号を振動に変換する振動アクチュエータ及びこの振動アクチュエータによって駆動される構造部材から構成される第2の音響出力部と、
を有することを特徴とする電子機器。
【0035】
(付記2)
前記スピーカが、電磁型、圧電型又は静電型スピーカであることを特徴とする付記1に記載の電子機器。
【0036】
(付記3)
前記振動アクチュエータが、電磁型、圧電型又は静電型アクチュエータであることを特徴とする付記1又は2に記載の電子機器。
【0037】
(付記4)
前記構造部材が筐体の一部を構成する板材であることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の電子機器。
【0038】
(付記5)
前記第1の音響出力部は、信号入力側に接続されたハイパスフィルタを有し、
前記第2の音響出力部は、信号入力側に接続され前記ハイパスフィルタのカットオフ周波数と同等のカットオフ周波数を有するローパスフィルタを有することを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載の電子機器。
【0039】
(付記6)
キー入力に連動させて前記第2の音響出力部を駆動する駆動部を有することを特徴とする付記1乃至5のいずれか1つに記載の電子機器。
【0040】
(付記7)
携帯端末装置に組み込まれるものであることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1つに記載の電子機器。
【0041】
(付記8)
前記携帯端末装置が、相互に回動可能に結合された第1及び第2の筐体部分を有し、
前記第1の音響出力部が前記第1の筐体部分に配置され、
前記第2の音響出力部が前記第2の筐体部分に配置されていることを特徴とする付記7に記載の電子機器。
【0042】
(付記9)
付記7又は8に記載の携帯端末装置を用いて音響を再生する方法であって、前記携帯端末装置を、外部筐体、充電装置又はクレードルに搭載して音響を再生することを特徴とする音響再生方法。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、携帯電話機等の携帯端末装置のように、その筐体のサイズが小さいため、音声及び音楽等の音響の再生能力が低い電子機器における高音質再生に有効である。
【符号の説明】
【0044】
10、10A〜10D:電子機器
11:下部筐体
12:キーボード
13:振動アクチュエータ(圧電素子)
14:基板
21:上部筐体
22:表示装置
23:スピーカ
31:ヒンジ
41:音響信号源
42:DSP
43:復調回路
44:複合回路
45:音響信号処理回路
47、52:D/Aコンバータ
48:ハイパスフィルタ
49、54:ドライバアンプ
53、50、55:ローパスフィルタ
51:第1の駆動回路
56:第2の駆動回路